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飲み会帰りのキスの理由  作者: 柚原 澄香


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2番は絶対に出ない

……あぁ、ダメだ

やっぱりダメだーー





ドッキーーーーン




と心臓がバクッと震えたのを感じた。



「ヒュッ」と

息が一瞬できなくなる。



ダメ

顔に出さない

顔に出しちゃダメ

そう

いつも通りに。



「私も送るっていうの聞いてましたけど…

でも無事に帰れて良かったです」

「奥さまに怒られなかったですか?」



「みさきは、もう寝てたみたい」



「今度はもう少し早く帰らないとですね」



顔引きつってなかっただろうか。

普通に会話できただろうか。



ダメだ…

全然普通になんてできないーー



RRR……



「お電話ありがとうございます!」

「新湊株式会社でございます」



あ…電話。

電話はかけてくるかもしれないし

私が出るかもしれないんだ…

忘れてた…



うちの会社は

営業さんごとに社内電話番号が

割り振られていて

入電すると

電話機のその営業さんの番号が

光る仕組みを取っていた。


外線は「1」

営業さんや社内の人からは「2」〜「0」



橘さんは「2」



気持ちが落ち着くまで

いつ落ち着くかわからないけど…

「2」は光らないでほしい。


今話せる気がしないから。


もし「2」を出てしまったら

私はどうなってしまうんだろう。


いまだにバクバクしている胸を

必死に深呼吸して

整えようとしていた。

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