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飲み会帰りのキスの理由  作者: 柚原 澄香


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検索履歴

どうやって橘さんと別れて

終電に乗ったか記憶が既に曖昧だった。


顔は熱いのに、

首から下は血が巡っていないみたいで、

自分の身体じゃない感じがする。



突然キスされるなんて——



こんなこと、人生で初めてで。

誰かに言えるわけもない。



頼れるのはスマホだけ。

最寄り駅までの乗車中に必死で検索する。



・酔った勢い キス

・上司 部下 キス

・既婚者 キスする理由

・飲み会 キス 記憶



返される結果は色々。


好意があるから

キス癖があるから

深い意味はない

酔うと本能が出るから

嫌いな人にはしない——


どれも、

橘さんに当てはまるようで当てはまらない。


何回調べても答えは出ない。


なんで、

私にキスしたの?


結構飲んでたと思うけど…

たまたまそこに私がいたから?

誰でも良かったのかな?




第一印象は最悪だったけど、

最近は

そこそこうまく関係を築けていたと思ってた。


上司と部下。

彼も私も既婚者。


そして飲み友達。


あの瞬間に何かを超えてしまった気がした。

戻れない場所に、

足を踏み入れたような。


なのに——

頭の中は橘さんのことばかりで、

どうしても離れてくれない。



事故でぶつかるような身長差じゃない。

キスしようという意図は絶対あった。



無礼講ですよね?気にしてないですよ!

なんて簡単に言えるわけない…


どうしよう…

スマホの履歴も私の中も

橘さん一色になってしまった。

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