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ヒーロー協会のゆるキャラ。  作者: 銘水
奮闘編
15/68

ヒーローは変態……

 ヒーローにライバルはつきものだよね~?

 

 ライバル。それは好敵手。良き競争相手。恋敵にもなる。ライバルの有無で、ヒーローの成長速度はめざましく変わる!……と思う。

 

 会議に提出する題材として、これ以上はないでしょ~?いきなり何を語り出すかって?ごめんね~、これも仕事なんだよ。


 ヒーロー協会の傘下組織は、数多のグループで構成されている。ぼく、リアムの率いる研究所や、美人女医の医療本部。先読み系特殊能力者の集い、予知・予言課はちょっと宗教じみて怖~い。

 他にもクリエーター課、広告宣伝部、レスキュー課、十の指じゃ足りないくらいあって、大きな学園の部活・同好会並みなのさ~。


 でもね、皆の心はひとつにまとまってる。

 ぼくらの命題は、“いかにヒーローをプロデュースするか!”なんだよ☆


 傘下組織のリーダーたちは、定期的に集まって、あ~でもないこ~でもないと知恵を出し合うわけ。そして、考えた企画を本部に提出。

 本部が承認すれば、正式企画として実行される。


 ゆるキャラ計画は本部の独断ね~。ぼくらだったら、もっと綿密に考えるから!


 毎回、テーマにギリギリまで悩むんだけど、でも決めた!テーマはライバルだ~!

 例題として、一昔前のヒーロー、“吹雪の貴公子”ブリザードマスターと、“灼熱の鬼神”バーニングロードの超有名な逸話も用意したんだ~。


…………えっ?知らないって?

 クールな青年と、熱血少年が反発しあい、時に協力し、恋の鞘当てあり、バトルあり、コメディありの友情ストーリーだよ?

 絵本やアニメの題材にもなったんだよ~?


 ヒーローの大先輩たちが「いいか、あの頃はな……」って酒の席で語る率九割の!

 世代が上過ぎるって?そっか~、今の若者に伝わらないんじゃ、ダメだよね。もっとよく練ってみよう。

 

 時はヒーロー黄金時代。特殊能力者、出生率の上がった世代。実験だい……モデルケースには、事欠かないさ!

 そうと決めたぼくは、本部の訓練所に足を向けた。

 ここなら、常に一定のヒーローがいるからね。お誂え向きだよ。


「あ、所長!」「今度整備頼むな」「よう、所長!なんか用か?」

 道すがら、ヒーローやスタッフに気さくに話しかけられた。 信頼関係が築けてる証拠だよね~。

 信頼関係は大事だよ。多少の無茶も許してもらえるから。

 

 お?ネルスくんだ。雷電くんもいるね~。

……彼らはモデルケースにうってつけかも。性格や戦い方、全部違う。黒と赤で色も映える。 

 雷電くんの悩み、個性が薄いも解消されて、一石二鳥~。き~めた☆

 それにしても、一体なにを話してるんだろう?


「いつもひーらちゃんに愚痴聞いてもらうからよ、たまにはオレも、アイツの人気アップの作戦を考えてみたんだ!」

「それは良い心掛けだ!よし、話してみろ」


 いつもはキャンキャン噛みつく雷電くんを、ウルフナイトがあしらうって光景が多いんだけど~、ひーらちゃんのことなら和やかなんだ?いいね!


「思いついたんだけど、ひーらちゃん&ぴーらちゃんを萌えキャラ擬人化したらよくね?描いて来てみた!」


……なにその斜め上の発想~?しかも、スケッチブックに描かれた萌え絵、めっちゃ上手い!意外な才能だけど、気付いて雷電くん。

 周りがどん引きしてるよ~……。

 

「お前な……。そんな町おこしみたいなネタ、ふざけてんのか?」

 さすがネルスくん!ぼくらのツッコミ担当~!

「いいか、安易な萌えキャラに走るな。この絵はロリ巨乳で、確かに可愛い。うさ耳をツインテールで表現するという、発想も悪くない。

 しかし、だ。これはひーらちゃんではないだろう!適当に特徴を付け足しただけ。可愛い女の子キャラをひーらちゃんに当てはめただけだ!!

 それはキャラに対する冒涜じゃないか。いいか、萌え絵は奥が深いぞ?いかにして、ひーらちゃんの個性を殺さず、可愛くするか。ぴーらちゃんに比べて、ひーらちゃんは難しいかもしれん。そこを努力するのが愛情というものでな、ひーらちゃんの魅力を語ると……(略)」

 

 忘れてた。ひーらちゃん(アリアちゃん)のことになると、コイツ馬鹿だった~。

 周りのヒーローの目が淀んでるぞ~?


「おい、お前たち……」

 苦言を呈しに来たのは、青いヒーロー。青龍くんだっけ?赤と青で、雷電くんとの組み合わせいいかも~。

「私はツインテールよりも、うさ耳カチューシャ派だ」

 お前もか!?と思ったら、取り巻いていたヒーローたちが、我も我もと語り出す。

「おれは大人のおねーさんがいい」「幼女幼女!」「ここは男の娘でどうだ?」「胸さえあれば」「足!」


 な に コ イ ツ ら !?

 かつてない熱気と一体感に、ぼくはたじろぐ。

 

 キミたち……ファンには見せられないよ~。きっと株大暴落。…………この状況見せてあげたら、アリアちゃんのヒーロー熱収まるかな~?

 ううん、幻のヒーローへの想いが深まるだけか。

 思い出は美化されるだけだし~。


 萌えキャラ談義を聞いていたら、いけない、笑顔が売りのぼくが、生ゴミを見る目しちゃ、ダメだよね~。

 とりあえず、なんか萎えたからライバルやめよう……。



 今聞いた会話は参考になるかな?ライバルの代替案として、『萌えキャラ』提案してみよ~。

 

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