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Объявление войны 後編

 愛たちは説明をしてほしいと言う不満顔で、ほかの人間たちはと言えば見慣れない男がいるで警戒していたが、わたし優衣が力はないが協力してくれる味方だと説明し、一応は納得しくれた。

 零夜も自己紹介し、警戒しなくていいと言うように説明したが警戒心は解けず、本題にもあわせて長い時間をかけて理解してもらう必要があるなと思った。

 零夜はと言えば苦笑いで、愛も納得はしたがあまり来てほしくなかったと言う表情だった。

「―――?」

 仲よくしろとまでは言う気はないが、協力は必要だと思う中で、わたしは奇妙な音を聞いたと言うか、身体に違和感が起きた。

 寒くもないのに身震いしたと言うか、身体中に弱い電流が走ったと言うか、身体中を一瞬薄い膜か何かが覆われ、一気にそれを外されたような感覚と言うか、明確にはどれも違うが身体全体で感じられる何かが起こったと言う違和感だった。

「細かいことは置いて、わたしたちが現状直面している問題について話し合う必要があります。わたしたちの身に起きた異常は知っての通りだと思います。」

「―――」

「要因と思える要素は現状では皆無です。わかっているのはわたしたちの変化が大きく分けて2種類に区別できることです。わたしたちの身に起きた力を、使う時に眼が青白く光るか光らないか、そして白化が無いかあるかです。」

 気のせいかと思い放置する中で、愛はと言えば立ち上がると、零夜やわたしたちを無視するわけではないが肝心なことはと言うように話しはじめた。

「資料に眼を通して欲しいのですが、わたし湯川愛は恐竜のような怪物を目撃しています。河内陽菜を保護時に天使の姿をした白い彫刻のような怪物、水城小夜、須藤晴子保護時にゾンビのような怪物も目撃しています。」

「―――」

「そして一部の人間を見ている方にはすでに知っていると思いますが、わたしの知人である斎藤江莉をはじめとして、わたしたちには危機的状況にあるわけで―――」

 話す内容はと言えば会議でする内容ではあるが何度も話して全員の頭に入っており、再認識させる内容だが、一部には能力差の関係か怪物に襲われないで、半信半疑で聞いているような表情の人間も存在していた。

 半信半疑とは言うが子供はと言えば信頼する傾向が多く、どちらかと言えば大人の方が冷静に聞いて疑っていると言うように見えた。

「―――?」

 先ほど気のせいかと思うような感覚がもう一度起きたもので、わたしは近くでほこりか何か、ゴミでもまっているのかと思い、振り払い、話しに再集中することにした。

「―――お姉さま?」

「―――あ、いや、何でもない―――」

 2、3質問の声が出る中で、わたしの異常に気付いたようで愛が声をかけるが、わたしはと言えば心配しなくていいと言うように返し、愛はそれならいいが少し気になると言う表情で話に戻った。

 結果としてわたしたちは寄せ集めで、怪物を直に見たわたしたちでも信じられない部分は多く話し合いとは言え特に進展がないことも眼に見えていた中で、不意に警報のような音が鳴り響いた。

「なんだ―――って?」

「―――」

「愛!?」

 警報のような音と表現したが、間違いなく警報で、危険だと知らせているで、わたしたち全員何事かと見ている中で、愛が反応し、室内に置かれていたデスクトップパソコンに向かい操作をはじめた。

「おい? 愛、これは―――」

「警報機です。見ての通り。」

「見ての通りって―――」

 施設内を管理する機械用のソフトが入っていて用心や補佐のために同じものが複数台おかれ、どれか1つに必ず電源が入っているとは聞いていたが、意味が解らず愛にこれは何だと聞きかける中で即答され、やはりとは思うがどうしてと思う中で警報が止んだ。

「会議は一時中止です。危険が迫っています。自分の身を守れないと思う人間は自室に戻って鍵を閉めて。わたしがメールで合図するまで鍵を開けず、扉も絶対に開けないで。現状で異論は認めません。」

「―――」

「これはここの管理者の命令です。従ってもらいます。急いで。」

 警報が止む中で愛は指示を出し、全員が警報が止み一安心した中の指示で、全員答えが出ない中で愛は少し口調を強めて言い、その多くが指示に従うのか、立ち上がり部屋を出始めた。

 愛はと言えば座りはしないと言うか、出ていく人間たちを見送りながらもパソコンの画面に顔を向け、何かを調べはじめた。

「警報機ってお前―――」

「わたしの指示です。」

「―――」

 物騒だぞと言いかける中で、祐未がわたしが決めましたと言うようにわたしに言い言葉を返せなかった。

「祐未です。樋口祐未。名乗り遅れていましたね?」

「いや、名前は知っているが―――」

「お姉さま! 祐未さま、綾奈! みんな! これ見て!? 見てください!?」

 祐未はと言えばそう言えばと言うように名乗り、わたしはと言えば愛から紹介され知ってはいたで、聞きたいことはと言いかける中で、愛がわたしたちを呼んだ。

「1分前の映像です。一瞬ですが―――、ここです。」

「―――これは?」

「まさか―――?」

 愛はと言えば話しながら映像の1つを拡大し、施設内の植林地帯だと思う映像を途中で止めると映像には奇妙な影が映り、祐未がおどろいたと言うように反応し、わたしも言葉を失った。

「なにこれ?」

「―――恐竜?」

 一番信じられないと言う表情をしているのは愛だが、口を開いたのは小夜で、晴子は影を見てこれはと言う反応をした。

 映った影は映像の処理の関係か輪郭があまり鮮明ではなく、高速でその場を移動したみたいで残像や一部が遅れ糸を引いたようになっているが、眼と思われる部分が赤く光り、恐竜のような姿をしていた。

「確かに恐竜に見えるけど――――?」

「?」

「あ、わたしは陽子、遠藤陽子えんどう ようこ、警察官よ? 自分の身も守れる。法律にも精通している。力になれると思って残った。」

 わたしたちとは異なる女性の声が聞こえ、全員がだれだと反応する中で、女性はと言えば落ち着いてよと言うように返し、近くには同じように残っていた人間の姿が見えた。

秋月杏南あきづき あんな、部活で柔道やってます。」

五十嵐来未いらがし くみ、特に何かできるわけではないですが猟銃の免状を持っています。銃を持ってきました。」

 ほかにもいるのだが、前にいた高校生らしき少女が名乗り、続いて横の眼鏡をかけた女性が自己紹介する中で細長いアタッシュケースを見せた。

 猟銃の免状を持っていると言い、まさかその中に銃が入っているのかとも思ったが、聞いても案の定な答えが返ってきそうで、聞く気がしなかった。

「奇妙な感覚があることは確かで、あなたたちが来て説明を聞いてここにきてもまだ信じられないけど、百聞は一見に如かずとも言うし、リーダーのあなたの言う怪物が迫っているみたいだし、直に見てみましょう。それではっきりする。」

「―――――」

 愛はと言えば反対だと言う表情もしていたが祐未や綾奈に眼を向け、2人はここまで来たらやむを得ないと言う表情で、了承しましたと言う表情を返した。

 わたしも彫刻のような怪物とゾンビらしき怪物を見て愛たちの異常な姿は見たが、愛が先ほど言い、見たと言う恐竜の怪物はと言えば本当かと思っていて、あの映像に映った物体が本当にそうとは思えないが、細かいことは無視して確認する必要があると言えた。

 先ほど言ったとは言うが、一応は聞いていたで、現状を踏まえてどんな異常が起きてもおどろく間意図はある意味で考えていた。


 施設はと言えば本来が廃墟と化した元レジャー施設やゴミ置き場と化していて所有者がいても意味のない港の倉庫、それに開発によって丸裸にされた地面と、廃屋の塊だったが、現状はと言えば立て直しや新造の建物、そして森林地帯で形成されている。

 最終的な計画としては施設と言うよりも小さい市町村程度の規模にはする予定みたいで、愛たちと言うか、わたしたちは表向きと言うか、半分は書類上能力開発の特殊部署の代表として活動し、裏向きは同じような人間の保護などを目的として活動する方針だ。

 形骸は現状十二分に形成されはじめているで、表向きの心配は一応はなくなっている。

「―――1つ聞いてもいいか? これはどうやった? 3、4週間前まで平野だったよな?」

『自然に触れる機会が必要だと思いまして―――』

「やりすぎだ!? 本当に植林なのか!? 山あり谷あり水ありのけもの道になっているんだが!?」

 似たような言葉を繰り返しているが、わたしはと言えば理解できないことが現状起きていた。

 現状と言うのは、あの映像を確認するためにカメラの場所や近辺をわたしたちで警らすることにしたのだが、わたしたちの担当した場所だけではないが、けもの道だったのだ。

 けもの道とは言うがこの場所はわたしの言う通りと言うか、3、4週間前と言ったが、正確には1月前が近いが雑草よりも土が多い場所が立派な森林地帯や山へと変化していたのだ。

 木と言うか、森林特有の自然のにおいが漂い、鳥やら野良犬、それに虫の声まで聞こえ、少し前まで人気の多い場所にいたとは思えない場所だった。

 原因は電話の向こうの相手と言うか、愛の方針で、施設全体は海や道路を無視してこの森林地帯でおおわれているのだ。

 建物はと言えば建造中のものだが施設の近辺や港の倉庫を基盤としたものが多く、この辺も全盛期は一応家が存在したらしいが、わたしの返す通りで跡形もないけもの道とかしている上、近くでは海水かもしれないが川と言うか、水まで流れていた。

「―――まったく―――」

 1つの市町村ほどの規模にするとすれば相応の機能性は必要で、わたしたちだけでは維持は無論不可能なのは言うまでもなく、わたしたちの身に起きた事実は知らせないが、専門的な人間も配置する予定だが、これでは仕事が逆に増えただけだと思った。

「―――あ、いや―――」

「いえ、あなたの方が関係が長い。怒るのはあなたの仕事です。」

「―――すまない。」

 電話を切り終えた中で祐未の愛にそこまで言わなくてもと言う表情で、わたしは言いすぎたかと言う反応の中で、祐未は気持ちはわかると言うように返しあやまった。

「あやまる必要なんてないですよ。こんな状況です。言うべきことは言わないと後で必ず問題になります。」

「―――――」

 愛と一緒に行動する予定だったが、不意に愛が気まぐれと言うか、真意が理解できないと言うか、思い立ったら吉日な思考だと思うが、不意に普段知らない人間と行動してお互いを知ろうと言う案になり、わたしは祐未と一緒にいるのだ。

「それよりも、あなたはもう気付いているんでしょう?」

「?」

「身体に違和感あるでしょう? 使える前兆ですよ。感じ取れます。」

 祐未はと言えば気分を変えようと言うように言い、わたしがどういう事だと言う反応の中でわかっていないなら教えますと言うように返した。

「感覚的にわかるんです。言葉では説明しづらいんですが。身体が教えてくれるんです。そうは言うけど調子がいい時と悪い時があるんで確証はないんですけどね。」

「わたしも一応同じだと愛から聞いてはいる。」

「あなたはたぶん眼が光らない方だと思います。」

 祐未は説明を続け、わたしもそうだなと言うように返す中で祐未はあまり役には立たないがと言うようにわたしが眼が光る方か光らない方かを教えてくれた。

 祐未もだと思うが不安定な状態だから少しでも不安を取り除いていこうと考えているのだと思うが、明確な解決策は見つからないと言うか、考えられないと言うか、わからないで、これ以上は言葉を返せなかった。

 わたしたちが現在いるこの場所のように、少し前まで見通しが良い場所だったが不意にと言うか、だれかと言うか、要因があると思うがその変化した場所に放り込まれ、迷いかけているような状態なのだと思った。


 普通の人間があれを見れば見間違いか何かだと思うが、直に見たわたしは間違いなく現実に来たのだと認識してわたしたちを探しに来たのだと思った。

 探すとは言うが紛れもなくわたしたちを食い殺しに来た可能性が高く、言うまでもなく危険で、本音を言うと1人でも外に出るべきでなく、嵐が過ぎ去るのを待つべきだが、ほかの人たちにも言ったが戦っていく必要があると考えていた。

 最悪死者が出て、陽菜たちとも会った時同様に緊急で運任せで力を発動できる確証はないが、荒療治と言うか、ショック療法と言うべきか、使える方法を強引にでも見つけ、最悪の事態に備えると言うか、立ち向かうと言うか、食い止める必要に迫られていた。

「ゾンビに天使、それに恐竜って、まるでゲームの世界の話よね? ディノクライシス?」

「バイオハザードとかも入りますよ?」

「おー、やってるねー? お嬢さまだと思ったら意外?」

 わたしたちの力は現状ではどこまでできるかわからないが、一歩間違えたではすまないような力が出るかもしれないで、悪用すればなんとでもなるで、江莉の言っていた世界の支配者になることも可能だ。

 問題が大きすぎると思っていると中で、口を開いたのは少し後ろを歩いている陽子で、実際に見ていない以上あの映像も見間違いだと言うような言い方と言うか、わたしはと言えば会話に入ってしまい、陽子はと言えば話しがわかるねと言うように返した。

「だけど確かな事実なのよね? 身体の奥底と言うか、底知れぬ場所から無限以上の力が沸き上がってるくるこの感触。何でもできそうだって思う。ヤバそうな力―――」

「―――」

「信じてないって思ったでしょ? 逆よ? ここに来る子たちや連れてこられた子、わたしもだけどあなたたちが迎えに来た人間たちの多くはみんな真実だってビンビンに感じ取ってる。」

 陽子はと言えば明るい口調だったが、安心はしていられないと言うように言い、わたしが聞いている中で、あなたみたいなのがいてよかったと言うように続けた。

「最大の救いはあなたよね。まさかプロジェクトカグヤの湯川グループのご令嬢の1人がお仲間な上、保護する施設まで造りだそうとしているんだから。地獄で仏が濡れ手に粟に変わった気分よ。だれしもね。」

「わたしは、信用されているんですか? いえ、わたしたちは―――?」

「警官の情報収集力舐めてもらったら困るわよ。そして子供が多いから警官だって笑顔で言えば正直に話してくれる。意外と笑顔がいるのよ? あなたは特に眼が光る子たちに信頼されてる。」

 陽子はたすかったと言うように続けるがわたしはと言えば本当にそうとは思えないと返す中で、陽子は信じてよと言うように返した。

「と、言うよりわたしもそっちの方なの。少し見ればわかるでしょ? そうは言ってもわたしは体力バカでそれほどできないみたいだけどね。」

「―――ぁ―――」

 陽子はわたしと同じと言うか、眼が青白く光る方だと言うと少しだが眼が微妙にだが光るのが見え、それはと言う反応を返すしかできなかった。

「―――?」

「どしたの?」

「―――静かに―――」

 彼女みたいな人間が仲間になってくれてよかったと思っている中で、わたしは力の関係もあると思うがいやな気配を感じ取り、陽子が声をかけるがわたしは黙らせ、身を低くして気配の方向に隠れながら進んだ。

「―――」

「―――うそでしょ―――?」

「―――これが現実なんです。」

 わたしたちは植林された森林の中にいて、少し先に開けた場所が見えるのだが、そこにあの恐竜の怪物の集団が見えたのだ。

 物陰に隠れていて、視線もあわず、大きな音も出していないで気づいてないと思う中で陽子が信じられないと言うように言い、わたしもだけど一度見た以上間違いないと言うように返すしかなかった。

「―――何かを探してる? わたしたち? それに会話してる?」

 怪物はと言えばしきりに周囲を見渡し、においをかぐような動きを見せ、仲間を顔をあわせて鳴き声を上げると言うよりも会話するような動きを見せ、わたしはこれはもしやと言うように思い口に出した。

 彼らは仲間同士で意思疎通が間違いなくできるようで、少しの間全員で話し合っているように見える中で、わたしたちから見て反対方向に去っていった。

 去っていき、施設からは反対方向だが来ない保証はないで、危険だと言うことに変化はなかった。

「わたしの出番なんてないじゃない?」

「いえ―――」

「警察よ。呼んでも信じてくれると思う? 着ぐるみとか特殊メイクとか、ロボットでもあれは無理よ?」

 夜も遅く、昼間も安全と言う確証もないが、夜はあまりで歩かせない方がよさそうだと思う中で陽子が信じられないと言うように言い、わたしはあなたも仲間だから役に立つと返そうとすると、陽子は極めて現実的な答えを返した。

 言うまでもなくわかっていることだが、他人にも理解してもらえると一安心するもので、わたしは冷静に対処法を考えるしかないと思った。

 夜はあまり行動せず、1人で出歩かず極力人数を多くするなんて考えなくてもできる手段で、これしかないが、大勢でいれば逆に大量の食糧にされる危険もあるで、どっちつかずな状況だと言えた。


 恐竜は6500万年ほど前に絶滅したと科学的に言われている。

 絶滅したと言うのはいなくなったと言うことで、現実に一応と言うか、歴史的には確かに存在していたが、6500万年以上も経過してその生き物が生き続けていることや、逆に似たような進化をする可能性が無いとは言えないことも事実だ。

 事実だが、恐竜は現実にはいないと言うのが一般的な見解だが、わたし優衣は祐未とそれらしき怪物を少し遠くと言うか、眼の前で確かに見た。

「―――」

「―――」

 見たと言うが、過去形ではなく、現在進行形と言うべきで、その怪物が姿をあらわしてわたしと祐未を見ているのだ。

 暗くてわかりにくいが皮膚はと言えば固くひび割れたような外見で細長い顔と言うよりも口には鋭い犬歯が並び、手足には鋭い足にそれを有効に使える引き締まった身体に、照明のように光る赤い眼を持っていた。

 怪物はと言えば、わたしたち同様に思わぬ存在に遭遇したと言う表情と言うか、雰囲気で、わたしたちがこれはまずいと思っている中で不意に顔を進行方向に戻し消えていく中で、不意に携帯電話が鳴った。

『優衣さん? わたしです。綾奈です。』

「―――なんだ?」

『愛にも連絡したんですけど、怪物を見たんです。映像通りの恐竜の怪物でした。』

 わたしはおどろきはして怪物が再びあらわれて襲ってこないかと言う心配もあるが、何とか出ると綾奈からで、どうしたと言うように返すと、綾奈たちにも同じようなことが起きているようだった。

『愛も見たと言っています。引き返すことにしました。安全な場所に隠れていた方がいいです。』

「そうだな。」

『それじゃあ、ご無事で―――』

 綾奈はと言えば一応落ち着いてはいるが動揺した声だった。

わたしはと言えば時間の経過にあわせて見間違いとも少し考えてはじめているが、現状を踏まえて絶対に違うとも言えないで、綾奈と言うか、愛の案に賛成し、綾奈は気を付けてと言うように返すと電話を切った。

神にゾンビに恐竜と、この世界がおかしくなったのか、それとも逆にわたしたちがおかしくなったのかわからないが、一番に身の安全を考えないといけないことは確かだった。


 最悪生きて帰れない状況なのかもしれないが、何とか生きて帰ったわたしたちは防御の一手に移ることにした。

 戦闘などに備えて武器や訓練、手はずは整えているが、怪物との戦闘は想定にいれておらず、施設全体がだが夜になるとわたしたちと言った重要な人物以外はいなくなり、いてもわたしたちとは少し離れた場所にいるか関係者だ。

 施設全体で言えばわたしたちの設備は機密保持と言う部分もあるが離れに設置されているで、通信以外は隔離されることになるが、安全対策は愛の設備投資のおかげで建設途上とは言え十二分に施されシェルターなどとしての機能は十二分に果たしている状況だ。

「後はわたしたちだけだが―――」

「気のせいでなかったら。包囲されましたね。」

「―――」

 全員が集まる倉庫に戻って来たのだが、全員戻って来たすぐ後に一安心だと思っていると外から何かが動き回る音や壁をたたいたりして壊そうとするような音、そして獣だと思われる鳴き声が聞こえた。

 言う通りほかの人間たちは安全な場所に避難させたが、これはと言うように返す中で、愛は思っている通りだと思いますよと言うように返した。

「大丈夫です。安全対策をほどこしています。よほどのことがない限り破られることはないです。朝には人が来るから姿を消すでしょう。籠城の準備もできています。」

「―――」

 窓を見るとあの怪物らしき影と赤く光る眼と、聞いたこともないような鳴き声らしき音が聞こえ、静寂の闇を乱す怪奇な獣が倉庫の外を歩き回っているようだった。

 施設に来た人間たちはと言えばここから少し離れた居住区にいる上警備も厳重で、わたしたちの仲間が警備もしているで、ここよりも十二分に安全な環境であり、わたしたちは自分たちの心配をすべきなのは言うまでもない話だ。

「外部に助けを求めたら逆に被害が広がる。それ以前にまともに相手されないに決まっている。わたしたちだけで耐え抜くしかない。」

「施設に連絡を入れましたがあちらは特に異常はないそうですが、施設内の一部の人間が脅えているとのことで、こちらに異常は起きていることは理解できるが明確には把握できていないとのことです。」

「あわてず騒がず夜明けを待ちましょう。」

 陣頭指揮能力があるのは愛を基本とした祐未、綾奈の3人で、祐未が現実的な問題解決が不可能だと言う中で綾奈はほかにも問題はあるが一応は大丈夫だと返す中で、愛が一番大切なことはと言うように言った。

「1番の問題は―――」

「大丈夫よ。わたしは自分の身は自分で守れる。あなたたちも守る。陽菜ちゃんたち以外は全員その気でしょう? 最大の課題はどうやって使いこなせるようになるかでしょ? 違う?」

「―――」

 残っている人間の中に避難させた方がよさそうな人間がいると言うように陽菜たちに眼を向けるに愛に対し、陽子が反論した。

 陽菜、小夜、晴子の3人はわたしたちとの立場もあって残っていたで、この状況に巻き込んでしまっていて、陽子が問題ないと返し、愛が安心はできないと言う表情の中で、ひときわ大きい音が遠い場所から聞こえた。

「―――」

「強行突破する気ですね?」

 わたしたちがなんだと言う反応の中で音が再び起こると言うか、紛れもなく突進を繰り返しているで、愛はと言えば冷静に反応していた。

 安全対策を施したのは愛や祐未と言った一部の人間だけであり、安全だと言うことを知っているからいいが、わたしたちはと言えば本気で不味いのではないかと言う表情だが、愛はと言えばそのわたしたちに安心していいですよと言う笑顔を向けた。

 陽菜たちはと言えば少し不満そうだったが、あなたがそう言うならと言う表情に変わった。


 わたし愛たちが現状いる倉庫以外でもだが地下シェルターも用意してあり、必要以上にと言うか、可能な限り堅牢にするように依頼しているで、壁を壊すには大型のトラックが何度か突っ込まない限りは壊れないようになっている。

 科学的な話だが時速50Kmのトラックで3回以上だとして数トン以上に力が必要で、あの恐竜の怪物に10m越えの親玉でもいない限りは一応安心ではあるのだ。

 怪物はと言えば外見は恐竜だが特に際立った怪力もないようで、つめで壁をひっかく音なども聞こえたが、結局壁は破られないまま時間が経過した。

「―――」

「4時38分―――」

 陽菜、小夜、晴子の3人はまだ幼いこともあり、怪物たちが壁をたたく音よりも睡魔に勝てないようで肩を寄り添わせ眠りかけていると言うよりも、わたしが横にはさせなかったが眠らせた。

 眠くならないようにとカフェイン接種としてコーヒーとかを飲んでいたが、効果がなかったみたいで、わたしが見ている中で優衣が時間を口にしたが、陽菜たちがコーヒーを飲んで5時間以上が経過していた。

 怪物たちはと言えば変わらず倉庫を破ろうとしている音が響いていたが、夜明けも近いのか、沈静化の傾向だった。

「夜明けも近いし懐中電灯でも持って人をこちらに呼べば―――」

「万が一があるから止めましょう?」

 わたしたちと言うか、多くが大人の方は言うまでもなく起きていたで、時間の経過を待っていただけではなく、綾奈のようにもういいのではないかと言ったり、祐未のように止めたりと、無難な時間を過ごしていた。

 携帯のSNSを使って怪物に遭遇したなんて遊べるわけもないで、時間的には夜明けと言う時刻だが、夜が明けるにはまだ時間が必要そうだった。

『ぶざまね? 見苦しい。下級。』

「?」

「なに!?」

 季節的な部分もあるがこれから夜も長くなると思っていると、不意に江莉の声が聞こえ、これはと思う中で倉庫内に人間大ほどの何かが勢いよく落ちて来て、優衣だけではないが全員がおどろいた。

「―――ぁ?」

「う?」

「―――」

 落ちて来た物体は紛れもないあの怪物たちで、倉庫を包囲していた全部がここに来たのではないかと言う数で、どうやってここに来たと言う思考以前に、怪物たちが不意に破壊され始めた。

 破壊され始めたと表現したが、これが一番妥当な表現と言うしかなく、細かく描写していくと、最初にわたしの一番近くにいた怪物の首に横から黒い棒と言うか、槍のような物体が勢いよく突き抜けた。

突き抜けた物体を軸に首と胴体を引きちぎるように動き、怪物はと言えば抵抗もできないままに殺され、ほかの怪物もこれにも勝るとも劣らない破壊がはじまった。

最初に見たような引きちぎりは首だけでなく胴体や手足も同様で、鋭利な刃物で切られるように分断されることや、分割されない場合身体を無理な方向にねじ曲げられ、原形が不明な姿へと変えられた。

 骨や肉が動いてはいけない方向に動く音にあわせ怪物の断末魔が倉庫内に響き渡るため陽菜たちもさすがに眼を覚まし、凝視している状態の中で、怪物の1人の顔と言うか、口が裏返しにされるのが見えた。

 恐竜のあの細長い顔を想像してほしいのだが、あれが開いて180度水平になった状態で、言うまでもないが怪物は死に、ほかも怪物も凄惨な死にざまだった。

「―――な!?」

「―――溶けてる―――」

 数は把握できていないが、全部片付いたと思う中で怪物の死体の輪郭が崩れはじめ、何かと思う中で、十数秒と経過しない間に地面に吸い込まれるように姿を消し、跡形もなくなった。

 優衣もおどろいているで、わたしもこれはと言うように見ているしかできなかった。

『前座も片づけられない。覚醒も中途半端。あなたたちは集まっておままごとでもしているの?』

「―――江莉―――」

『こんばんは、いえ、おはよう? 祐未さま。』

 見ている前で空間移動と言うべきか、怪物たちを連れて来たのもだと思うが、江莉と見も知らずの人間と言うか、彼女の仲間だと思う人間があらわれ、おどろいている中で、江莉は先ほど言ったようにぶざまだと言うようにわたしたちに言った。

 お前はと言うように祐未が江莉を呼ぶ中で、江莉は上機嫌な表情で返事をした。

 返事をしたとは言うが、江莉の顔はと言えば以上と言うか、声も機械を通したと言うか、反響の混じる異常な声で、力が要因だと思うが眼が赤く光っていた。

『力に付随していらないものまで出てきたけど、力さえあればこんなものなんでもない。ゴミ以下よ。そしてこれに襲われて生き残れないやつなんていらない。残りカスはわたしたちが好きに使う。』

「―――」

『力を持たない人間たちのことよ。』

 鳥薪とも言えるが周囲の女性たちはと言えば十人十色で、スーツ姿から普段着、ドレス姿と様々だが、全員江莉の言葉を聞いて不気味な笑みを浮かべ、わたしたちに言葉が出ない中で、江莉は前にも言ったような言葉を続けた。

『わたしをお呼びください。マイロード。』

「?」

 江莉は完全にゆがんでいるなと思っていると、どこかで聞いた男の声が聞こえた。

「ふざけるな。この力が神の力のわけがない。本当のな。突然変異とかの要因があることは認めるが、お前の言うようなことをすべきではない。」

noblesseノブレス obligeオブリージュ

「それとこれとは話が違う!」

 男の声と言うか、話し方はこれが最良だと言う言い方だが、裏に何かがあると言う言い方で、気のせいとも思ったが、わたしをマイロードと呼んだことと言い、この声には覚えがあった。

 夢だと思っていた時に聞こえた声なのは間違いなく、これはと思っている中で祐未と江莉が話しはじめ、わたしはと言えば何とか聞きとってはいたが、半分その声のことを考えていた。

 江莉の言ったnoblesseノブレス obligeオブリージュとはフランス語の単語と言うか、格言で、高貴な身分の人間には負うべき義務があり強行すべきと言うような意味があり、祐未の言う通り意味が違っているのは間違いない話だ。

『何が違うんですか? わたしは―――』

「お前は理想を見過ぎだ! 現実を見ている部分があるが―――」

『あなたみたいな理想を現実に変えてきた人がどうしてそんなことを―――』

 会話は続いているが、わたしの思考は半分以上声の方向に向いたと言うか、理由はわからないが無視できない状態で、わたしはと言えば口が開き、軽くだが動かしていた。

「愛? 大丈夫?」

「―――」

「本当?」

 綾奈が気づき小声で聞き、わたしは何とか平静を装うと首を軽く動かしたが、よくは意識していないで、小刻みに揺らした気がするで、そちらが優勢で奇妙だと言うように綾奈は再度聞く中で、首を大きく縦に動かし、念入りにともう一回動かした。

「わたしはそんなことをした覚えはない。わたしはうまく取り計らっただけ―――、っう?」

『謙遜なんか大っ嫌い。何でもできる人はいっつもそんな風に言う。凡人の努力も知らないくせに―――』

「違う。わたしは本当に―――」

 祐未と江莉の話は続いていたが、祐未が反論する中で不意に祐未の横を勢いよく光と言うか、江莉の手から離れた光が銃のように飛び去って行った。

 江莉はと言えば聞きたくないと言うように返すが、祐未は聞いてくれと言うように続けるが、返すと何をされるかわからないで、言葉を返せず、歯を食いしばっているのが見えた。

『本題に移りましょう? 愛? どうする?』

「―――愛! いくな! いかないと決めたよな? 頼むぞ! 信じてるぞ!」

「―――ゥ―――」

 江莉の周囲の女性たちはと言えば余計にと言うか、鼻で笑っている中で、江莉がわたしに顔を向け、以前の話の続きだけどと言うように聞き、祐未がやめろと返すが、わたしはと言えばそのことに思考が入っていなかった。

 正確には入っていたと言うか、聞こえていたが、わたしはと言えば声に気をとられた上、声に言われたとおりのことをする衝動に強くかられていた。

「―――ウロボロス!」

『―――Yes, My lord!』

 言ったら意味不明と言うか、何も起こらないか、起きたら本当に危険なことが起きかねないと頭が全力で警鐘を鳴らし続けているが、わたしはその衝動を抑えきれず、彼の名を大声で呼び、彼の声が背後から聞こえ、わたしはその気配を感じた。

「―――愛!?」

「愛!?」

「愛さん!?」

 声の主は間違いなくあの時夢に出てきたウロボロスと言う正体不明の存在で、間違いなく現在わたしの背後にいるで、綾奈が一番に反応し、次に優衣と陽菜たちが反応した中で、わたしの横と言うよりも首の横と左肩の上を何かが勢いよく通り過ぎた。

 飛ぶような速度で、わたしの横にはあの時見たような黒い霧のような塊が飛んで行き、江莉たちの中央に上から飛び込んだ。

「―――え?」

「あれ?」

「うそでしょ?」

 飛び込んだと言うよりも、食らいついたと言う方が正解で、中央の5、6人がウロボロスに飲み込まれた。

 江莉はと言えばわたしの背後に何かが姿をあらわし、背後に降り立ったことを理解はしたが、後ろで何が起きているか理解できないと言う反応で、背後の女性たちはと言えば、先ほどまでの不気味な笑顔や笑い方がうそのような脅えた表情に変化していた。

「い、いやあっ!? いや―――」

「なによこれ? なによこれー!?」

「来ないでー!?」

 飲み込んだと表現したが、勢いよく食らいついた影響か、身体すべてが飲み込まれておらず、主に足だが手や頭だけなくなった人間、それに内臓らしき物体が彼女たちの足元には落ち、遅れて血も流れ出していた。

 声はすぐに悲鳴へと変わる中でウロボロスは正面にいた女性に食らいつくと飲み込み、背後の女性は腰を抜かし、食らいつき飲み込み始めたウロボロスを見ながら別の女性が叫んだ。

 身体からは短い悲鳴の後に圧力で骨や肉を砕いていると思われる鈍くいやな音も聞こえ、ウロボロスは間違いなく飲み込んだ相手を飲み殺していた。

「愛! 止めろ! やめ―――、ろ?」

「―――?」

 江莉はと言えば振り返ると危険を確認して遠くへ離れ、女性の一部がたすけを求める中で飲み込まれ、わたしはと言えば見ている中で祐未が止めようとわたしを呼ぶが彼女はと言えば、わたしを呼ぶのを途中で止めた。

『下がりなさい、江莉。そして身の程をわきまえなさい。そしてあなたの仲間になる気はない。』

「愛!?」

『わたしはあなたに従う気はない。そしてわたしはだれも従える気もない。それはわたしの仲間も同様です。これがあなたへの答えです。死にたくないなら消えなさい。』

 ウロボロスを呼んだ時もだが、自分のどこか何かがおかしいで、操られていると言えば言い過ぎだが、本心思いきって出したと言えば違うが、わたしは江莉への返事を返していた。

 江莉がなんと言ったと言う中でわたしはと言えが心ここにあらずとまでは言えないが、彼女に返事を返していた。

 声も変化し、眼も違和感があるで、覚せい状態になっているなと思うが、制御法がわからないで、わたしの身体と言うか、口はほぼ勝手に動いていた。

『容赦はしない。わたしとあなたは敵同士です。あれが前座ならもう本番で油断が過ぎますね。』

「―――愛―――」

『ウロボロス。きれいに掃除しなさい。それ以前にきれいに食べなさい。後片付けする手間が減るでしょう? わたしの仕事を増やさないで。あなたは何のためにいるの?』

 形勢逆転と言うべきだが、これほどまでにいう気はないが、聞いた江莉はと言えばよくもと言う表情の中でわたしはと言えばウロボロスに指示を出していた。

 ウロボロスはと言えば出てきた後も女性たちも襲い、飲み込んでいるが、食らいつくので足元に人体の破片がひろがり、それが原因で血まみれで、においも広がりはじめている中での言葉で、ウロボロスはそれを聞くような動きを見せた。

「喰らえーっ!」

 顔はと言うか、身体全体が黒い霧に包まれて眼と思われる部位に横並びの青い2つの光しか見えないが、これは失礼しましたと言うような雰囲気の中で、江莉の仲間の数人がウロボロスに攻撃をしかけた。

「―――効いてない? うそ? うそよ? うそよ? そんなはずがない!?」

「死ね死ね死ねー!」

「まやかしだー!」

 彼女たちの攻撃はと言えば身体から光を出して光線へと変えて連射しているが、ウロボロスはと言えば命中し霧が勢いで飛ばされるが、本体と言える部分がないようで、霧は集まるとすぐに戻り、女性たちの方へと顔を向けた。

「―――」

「―――ここは引く! 覚えてなさい! この仕返しは必ずする!」

 言うまでもなく1人残らず女性は食われたで、人数も3分の1以上に減っている上戦意も喪失する以上の状態で、江莉はこれはまずいと言うように言って姿を消した。

 江莉の仲間たちも江莉が逃げたならばと言うように同じように姿を消す人間もいたが、逃げる力を持っていないようで待ってと言うように手を伸ばすが置いて行かれる人間の姿も見えた。

 ウロボロスはと言えば残らず片付けるようで襲っていた。


 夢の現実の境界線がなくなりかけていると言うか、わからなくなると言うか、それ以上になんと言えばわからないが、わたし優衣は確かに愛の背後にあらわれた存在の名前を知っていた。

 正確には夢の中で姿をあらわし、愛の前で名前を名乗ったのを聞いていたで、その時ウロボロスと名のったその物体は現実に姿をあらわしていた。

 正確にはと言う表現を続けるが、愛に呼ばれてわたしたちの前に不意に姿をあらわしたで、夢以上の動きを見せた。

「―――愛! もうやめろ! 止めさせろ!」

『―――――』

「ウロボロスを止めるんだ!」

 不意以上の事態で、江莉も逃げてしまい話にならないが、わたしたちはと言えば後のことがあるで、夢なら冷めてほしいが、これは夢でないで、わたしは愛に駆け寄りウロボロスを止めるように言った。

 愛はと言えば発動状態で、眼が青白く光っていると言うか、どこか上の空と言う表情で、先ほどの言った内容も脅しに近いが、生気が感じられず、声をかけても反応が薄いで、わたしは必死に訴えた。

 ウロボロスはと言えば一仕事終えたと言う雰囲気だが、江莉に言う中で出した指示従ってか、食べ損ねた部位を拾い集めると言うか、霧の中に取り込み、血まみれの床や壁も触れると血が吸い込まれるようになくなりはじめていた。

 夢の時もだが蛇のような印象も受けるが、結局は正体不明の黒い霧みたいな塊で、女性たちに食らいついた時もだが大きな音がなかった。

「愛! 愛! 愛!」

『―――』

「愛!?」

 お前もわかっているだろうと言うように言うが、愛はと言えば反応しないと言うか、不意に手を上げると言うか、ウロボロスの方を指さした。

「―――あ? おい?」

『ウロボロス。わたしたちの身には何が起きているの? あなたは何を知っているの? そしてわたしはどうすればいいの? あなたはどうしてわたしに仕えてくれるの?』

 指さす中でわたしの声も聞かず前へ進み、愛はウロボロスに質問した。

『―――あなたはただ自分自身を強く信じればいい。我が道を行けばいい。あなたのご親友方も同様だ。わたしはそれに従う。あなたが導いてくれるからだ。』

「―――回答になっていません。」

『それは違います。あなたが、いえ、あなた方が理解していないのです。答えは近くて遠いが、遠くて近い場所に関らずあるのです。』

 ウロボロスはと言えば身体を人間ほどの大きさに戻す中で答えるが、愛の言う通り答えには聞こえないが、ウロボロスはわたしは答えをもう言っていると言うようにかえした。

『あなた、は―――?』

「―――?」

『だ、れ? だ、れ、だ? こ、こ、ど、こだ?』

 愛に対しては本当に従順な雰囲気だと見ていると、言葉を続けようとする中で、待てよと言うか、変だと言う反応を見せ、はじめて見た時のように混乱するような雰囲気を見せ始めた。

『オ、レ、は―――』

「―――?」

夢ではないことを改めて実感している中で、ウロボロスの身体が不意に奇妙な音を出してふくらみ始めた。

ふくらむと言うのは変で広がると言う方が正解かと思うが、見ていると霧が突起として飛び出すように奇妙な方向へと広がりはじめ、不意に愛から見て右、ウロボロスから見て左だが、不意に人間の腕が飛び出した。

「?!」

「!?」

『―――ち、が、う。違う―――』

 左手だと思いしき腕だが赤黒く汚れていると言うか、血まみれで、わたしたちが何かと思う中で、反対方向から右腕と思いしき物体が飛び出してきたが、ウロボロスは違うと言う意味の解らない言葉を口にした。

『これでは、ない?』

「―――そんな? うそだろ?」

「食い殺した犠牲者―――」

 意味が解らないと思って見ていると、頭上から不意に人間の顔が頭上から飛び出してきた。

 正確には生首と言うか、間違いなく食い殺した人間の頭で、血まみれで鼻血をたれ流し、白目をむき、口から血を吐いて歯の隙間に血がしみ込んでいるのか赤く染まっていた。

ウロボロスとは思えない短い髪の女性で、ウロボロスの口にあわせて言葉を発したが、声帯か何かをウロボロスが動かしたのは間違いないが、ウロボロスは再び違うと言うように言った。

 わたしはと言えばこれはまさかと言う反応の中で愛は見ての通りでしょうねと言うように返す中で、ウロボロスには先ほど食い殺したと思わしき身体の部品が姿をあらわしていた。

『これも、いや、ど、れも、ちが、う―――』

「―――ウロボロス。何が違うの?」

『わ、た、しの、身体、が、な、い?』

 黒い霧を中心に人間の部品が動き回る中でウロボロスは理解できないと言うように言い、愛は聞くがウロボロスはどうしてだと言う中で、咆哮と言うか、悲鳴のような声を上げた。

『わたしの身体はどこだー!?』

『オレの身体をどこに隠したー!?』

『僕の身体を返して!?』

 悲鳴を上げる中で、出てきた人間が一気に姿を消し、初めて姿を見せ、混乱した時も同様だったが、別人らしき声や口調の声が聞こえた。

 ウロボロスの中には推測だが1人以上の人間と言うか、人格と言うか、精神が存在すると思われ、共生しているが、調律が崩れ、暴走するのだと思え、確認できる限り一人称の違う3人の声が聞こえた。

 1人はウロボロスそのままで一人称はわたし、もう1人は声は同じだが一人称はオレでウロボロスと違い敬語で話さず、最後の1人は僕と言う以上男だと思うが性別不明の幼い子供の様だった。

「―――――ぇ?」

『わたしは、わたしは、わたしはー!』

「―――?」

 わたしたちを味方と見て攻撃はしないが、暴走して暴れまわっている中で、不意に霧が薄くなると言うか、人間らしき輪郭が姿をあらわしはじめた。

 愛がそれに先に気付いた中でウロボロスは何かを断言するように言いかける中で、霧が薄くなり、より人間としての輪郭が鮮明になりはじめていた。

 霧がなくなりかけているウロボロスの姿は幼い子供のような姿だった。

 年齢は少なく見ても中学生にもなっていない10歳ほどで、性別はわからないが髪が少し長く、顔は見えないが、眼が青白く光っているのが見えた。


 ウロボロスの言ったことを整理すれば彼には身体と呼べる物体がないようだ。

 黒い霧が彼の身体だとも言えるが、叫んだ後に不意に霧が薄くなりはじめると、ウロボロスの中に人間と思わしき輪郭が姿をあらわしはじめていた。

 はじめて見た時きりに覆われる直前に一瞬見た姿とほぼ同様で、黒いスーツ姿で中折れ棒を被り、手には皮手袋をして膝よりも長いトレンチコートを着て、素顔が見えないが眼が青白く光り苦しんでいるような姿が見えた。

 ウロボロスと言う存在がどう言った構造をしているかわからないが、身体が無いと言ったことを踏まえ、身体を探し出したか、造りだしたか、どこかのだれかから奪い取ったと思われ、これが本当の姿と言う確証はなかった。 

『ウロボロスだ! ウロボロスなのだ! ウロボロス以外の何者でもない! ウロボロスだ!』

「―――」

 確証がない上、ウロボロスには推測だが3人ほどの性格と言うべきか、別の人格が見られ、1つの身体に3つ以上の精神が負担をかけている要因だとも言え、わたしと言う一人称のウロボロスが混乱をしているのだと思う。

『お前に魅入られるわけにはいかん! オレの身体はどこだ!?』

『返して! 返して!? 返してよ!』

 要因の残り2人はと言えば声は同じだが自分をオレと呼び、もう1人は幼い子供で泣きそうな声を出していると思う中で、人間としての輪郭が薄れ、再び濃厚な黒い霧に戻った。

「―――!」

『違う―――、お前ではない―――』

 戻る中でウロボロスは不意にわたし愛に勢いよく顔を近づけ、少し考えるような動きを見せたかと思うと、違うと言い、優衣にも同じことをして同じことを繰り返した。

『―――お前も違う!』

「お前は何者だ?! 何をしようとしている!? なぜ愛に味方する!?」

『あ、い? まあ、いい―――』

 祐未にも同じことをする中で祐未に反論されるが、ウロボロスは聞きはしたが関係ないと言うように方向転換した。

 わたしの先ほど江莉に言った言葉もだが、ウロボロスも同じように無意識にと言うか、勝手にと言うか、半本能的に行動しているのか、先ほどと言うか、わたしに服従する態度とは違っていた。

 力におぼれていると言うか、支配されていると言うべきか、混ざり合って整理できていない状態に近いとも思えるが、ウロボロスはわたし以上のようだ。

「陽菜ちゃん!」

 一通り調べ終えたウロボロスだったが、最後にと言うように陽菜たちに向かった。

「―――」

「―――」

「―――」

 3人全員脅えていて言葉が出ず、動けないで、いいことを探すならば3人が失禁せず、気絶もしないで、ウロボロスがまだ確認を続けていることだった。

『食べないで―――』

『わたしたちも違う。絶対違う。だからたすけて―――』

 力の恩恵か、小夜と晴子の考えていることが伝わる中で、ウロボロスの視点は陽菜に重点が向いていた。

 小夜と晴子の視点を通じて見えるのだがウロボロスは顔を近づけ、陽菜の顔を真剣に見るような雰囲気だった。

『お前とお前も違う。だがお前は何だ? オレに似た何かを感じる? だがオレではない。なにかが混ざったような別物だ。お前は何者だ?』

『君はだれ? 教えて。僕のこと知らない?』

 ウロボロスのオレと言う人格と僕と言う人格が陽菜に質問をしていた。

「陽菜ちゃんを食べないで!」

「陽菜ちゃんを食べないで!」

 陽菜が脅えている中で小夜と晴子が守るように抱き付いた。

『―――う!?』

「?」

「?」

 小夜と晴子はと言えば眼も光りはじめ、わたしも止めないといけないと思う中で、ウロボロスが不意に苦しいと言うような声を出した。

『―――か、ら、だ。わ、た、しの、身体―――』

「―――」

『マイロード、わたしの身体を、探してください―――』

 ウロボロスの身体から乱れた呼吸のような音が聞こえはじめた中で、ウロボロスはわたしの方に眼を向け、頼み込むように言った。

『身体が無ければわたしは自分を維持できない。あなたがいるからこのかりそめの肉体を得られ、その代償にあなたを守ろうと、得られるが一時的でわたしが耐えられない―――』

『探すな! だまされるな! 利用されるぞ! オレはどうなってもいい! 頼む!』

『僕の身体を探して。お願い。こんなのいやだ―――』

 身体がないと言っている以上本体と呼べる存在がいるようで、ウロボロスは頼み込むが、別の声が言う通りにするなと言う中で、子供の声が嘆願する声を出しながらわたしに近づいてきた。

『た、す、け、て―――』

 近づく中でウロボロスの身体から黒い液体と思わしき物体が落ちた。

 食い殺した人間の血液かとも思ったが、泥と言うか墨や着色された水に近い質感で、ウロボロスのかけらかと見ていると、ウロボロスはわたしに対したすけてと言い、わたしは手を伸ばす途中で姿を消した。

 声は3人の声が重なった声で、先ほどまで猛然とした勢いで人間を殺していた物体とは似ても似つかない貧弱な声で、わたしは本心でたすけたいと思い、手を伸ばしていたが、霧が薄くなり、ウロボロスの姿はなくなった。


 悪いことが多く起きた時は極力いいことを探しをするべきである。

わたしたちの現状から言えば、仲間内にけがをした人間や死んだ人間が出なかったことと、江莉たちが去ったことであり、そして不謹慎だがウロボロスが大体の掃除をして消えたので大掃除をしなくて済むことだ。

血なまぐさいなんて言葉があるが、ウロボロスが暴れたためそう言ったにおいが漂っているが、外見はと言えば江莉たちが来る前やあらわれる前とは変化がなく、わたしたちはと言えば少しの間言葉が出なかった。

実際時間がどれくらい経過したがわからないが、太陽の光と言うか、夜明けの太陽が窓越しに本格的に差し込み、わたしたちの身に置いていることがうそだと言うかのように外界では普通の1日がはじまろうとしているようだった。

「いつまでもこうしてるわけにはいかん。」

「―――」

「いったん解散だ。休もう。話はそれからだ。」

 会話は2,3あったが明確な意図もなく、安否確認と言った程度だったが、夜が明けると思っている中で優衣が口を開き、わたしが確かにそれを言われたらと言うように返そうとする中で優衣は指示を出した。

「それにしても愛、ウロボロスのこと、知るわけないよな?」

「―――はい。」

 現状一番の問題はと言えば夢の中で見たウロボロスが現実に出てきたと言うか、わたしが出したことで、優衣が聞きたいことがあるがと言うように聞いたがわからないよなと言うように続け、わたしもそうだと言うように返した。

「あの、手がかりなら―――」

 わからないと返した中で少しいいかと言うように控えめな表情で遠慮がちに手を頭ほどにあげて進言したのは綾奈だった。

「愛、わたしの力のことに関係するんだけど―――」

「どういう意味?」

「力?」

 一番にあなたの意見が肝心と言うように聞き、わたしはあなたのあの不思議な力なら知っているが理解できないと言うように返す中で、優衣が反応した。

「―――綾奈には不思議な力があるんです。わたしたちにふりかかった力とは別の―――」

「細かいことは抜きです。霊感みたいなものに近いと思うんですがわたしには世にいう運命の人みたいな人間が見えるんです。ウロボロスがそれに関係している可能性があるんです。」

 全部話していいかと迷い優衣に簡単に説明しようとする中で、綾奈は自分で言った方が早いと言うように優衣と言うよりも全員に伝えた。

「―――運命の人?」

「愛、あの子よ。あの子だったの。あの子がウロボロスなの。本当よ。」

 一番に混乱しているのは優衣と言った知らない人間たちで、わたしや祐未と言った事情を知っている人間たちがどういう事かと言う表情の中で、綾奈はわたしに結論はと言うように言った。

「―――え?」

「まるで江莉たちをこの世の敵みたいな眼で見てたの。それで、あなたが呼んだ瞬間―――」

「ウロボロスに変異したんだな?」

 綾奈はと言えば真剣に言っているが、これまでのことを踏まえて本当かと言う反応をするしかない中で、綾奈は説明を続け、祐未がそれならと言うように言った。

「子供? わたしには大人の男の人に見えたけど―――」

「あ、わたしもだ―――」

「え?」

 口を開いたと言うか、話しに割って入ったのは陽子で、違う気がすると言うように言い、祐未もわたしも少し腑に落ちないと言うように返し、綾奈はどういうことかと言うように反応した。

「苦しんでいる時に見えたの。フライトジャケットにカーゴパンツって言うか、軍隊みたいなかっこした男だったよ。顔は見えなかったけど。髪も長かったし。」

「そうだ。その通りだ。」

 綾奈に対してあなたが話も聞くけどわたしの話も聞いてほしいと言うように陽子は言い、祐未も彼女の意見に同意すると言うように返した。

「わたしには子供に見えたが―――」

「―――わたしは陽子さんたちと同じで男の人に―――」

「わたしもです―――」

 優衣も同じ時に見えたぞと言うように言うと小夜が答え、晴子も同じように返した。

「―――黒いスーツ姿の男の人でした、トレンチコートを着て、中折れ帽を被っていました―――」

「わたしもそう見えました―――」

「―――よね?」

 話しが複雑になることは必然だが、わたしはと言えば正直に伝えると陽菜もそうだと言うように答え、わたしもそう見えたよねと言うように陽菜に聞き返すとはいと言うように首を縦に動かした。

「―――そんなものは見てない―――」

「―――唯一の男手があてにならない。」

 零夜に顔を向けてみると、言う通りの表情の中で、陽子が仕方ないなと言うように言い、零夜は言われると痛いと言う表情をしていた。

「認識が食い違うが、もういい。本気で後で考えよう―――」

 問題を解決しようとすれば余計に問題が出ての繰り返しで、業を煮やしたと言えば言い過ぎだが、優衣が本気で一度やめよう長い夜もこれで終りだと言うように口を開いた。

 綾奈の力のことはと言えばわたしは完全に鵜呑みにしていると言うわけではなく、力が手に入る前から幽霊と言った超常的な存在は信じているから綾奈の言葉も信頼していたが、接点が発生するのはなんとも言えない気持ちだった。

 要因がわかれば当然と言う回答が出るのかもしれないが、綾奈の言っているあの子のこ

とは軽く見てはいけないことは確かなようだ。

江莉に対し徹底的な宣戦布告をした事は間違いないで、ある意味では心強い味方になってくれると言えるが、わたしも同じだが狂気なのは言うまでもない話で、出ると思っても出すのは控えないといけないと思ったのは言うまでもない。


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