Объявление войны 前編
問題は多いが、幸いなことは愛の行動力で、普段は手を抜いていると言うわけではないが、本気を出せば十二分以上の動きを見せ、半分以上も進んでいなかった施設の建築と言うか、構想はあの一件の後急速に進めていた。
わたし優衣は先行きが不安な部分も多く見ていたこともあってやっとかと思って一安心し、現場を見ていた。
倉庫も愛と日惠野たちの私物が多く、一応と言うように机やその場しのぎと言うように用意した資材と言うか、同じ場所はすっかり姿を変え始め、建設途中の基地のようになっていた。
倉庫は結局能力者の集合場所や訓練所、それに基地として裏向きに機能させ、表向きには『潜在能力開発支援施設』と言う施設に来る子供に特別な教育を施すと言う少し怪しい場所へと偽装がされ、似たような場所も偽装で用意されていた。
「―――1人1人調べていくしかないですね。」
「だけどこれは施設に来る予定の中の一部で確実性があるわけじゃない。」
「頼りなるのは文字通りの自分自身の感覚だけですからね―――」
正解と言えば変かもしれないが、表向きの潜在能力開発支援施設へと入ると、女性が姿が数人見え、顔をあわすと軽くあいさつされ、返しながら愛を探していると6人が話し合っているのが見えた。
わたしが最初に聞いた一声は小夜で、ほかに方法がないと言うように言うと祐未がその通りだが効率が悪いと言うように返すと言うか、愛たちにも言うと、愛がそれは仕方ないですよと言うように返した。
「あ? お姉さま?」
「順調なようだな?」
「そうでもないですよ―――」
声をかけようとする中で愛は気づいてわたしを呼び、わたしはと言えば感心だなと言うように言うが、愛はと言えば言う通りにそうでもないと言う表情で返した。
「あれ以来調べて見つけられたのは50人と少し、候補の人間を入れても100人に満たない、それにあの光景が確かなら―――」
「地球全土にも広がっている可能性がある。もしあのサイトの情報が確かで女性だけだとしても対象者は最高30億人以上になる。すべてを集めることは無理だ。それに江莉のこともある。」
手に持っていたタブレットをわたしに見せながら、愛は始めたがいいが終着点が見えないと言うように続け、わたしが受け取り、関係する資料などに眼を通す中で祐未が深く考えるなと言うように返した。
祐未の言うことは道理が通っているが、黙って見過ごすわけにもいかず、少し前よりもここは確かに格段に良くなっているが、現状では祐未の言った江莉のことも踏まえ不十分だと考えるのは無理もないと言えた。
話し合う中でわたし愛はと言えば、江莉のことを思い出していた。
厳密に言えば不意に正体不明の女性が襲撃して来たあの日の少し後のことで、優衣から聞いて実感していると言うか、現状でも実感が持てないのだが、あの女性が突進し、砕け散った後で江莉が不意に姿をあらわした。
女性はと言えば結局だれかわからず、わたしもその時に突っ込んできて、優衣たちが見ていて確かにそうだったと言うまでまさかと言う状況の中で江莉が姿をあらわしたのだ。
「―――役立たず。」
「―――?」
「かませ犬にもならないなんてね?」
姿よりも先に少し先で冷たく言い放った声が聞こえ、わたしが何かと言うか、だれかと思うと言うか、この声はと思っている中で江莉が姿をあらわし、よくないなと言うように言葉を続けた。
「―――ひさりぶり。愛―――」
「江莉、さま―――」
「あいかわらずのよそよそし過ぎる態度ね?」
江莉はと言えば顔をあわすと、狡猾とはこう言う表情を言うのかと顔で言い、わたしが改めてあなたはと言う反応の中で、江莉は堅苦しいというように返した。
「どうしてあなたがどうしてこんなことをして、どうしてわたしの前にあらわれたって表情ね?」
言われたとおりで、江莉の意図は読めなかった。
「江莉―――」
「あら? 祐未さま? 綾奈まで一緒? あいかわらずいまいましい―――」
確かに厳しい一面は人間として見られたが、現状の彼女の行動や言動、意志はそれとは違って見え、言葉が出なかった中で祐未が江莉を呼ぶと、江莉はこれは懐かしと言うか、嫌味を込めたような口調で祐未に返した。
「いまいましい? と言ったの?」
「ええ。そう。お高くとまって。隠れてわたしを厄介者扱いして、のけ者にして、あんなに頑張ったのに期待もせず振り返ってもくれなかった。それどころか新入生2人に眼をつけて生徒会長と副会長に推薦しようとした。」
祐未がどういう意味かと言うように聞くと江莉は考えなくてもわかるだろうと言うよりも、あらためてよく考えろと言うように言った。
「まあいいは? 大切なのは未来。わたしたちのためのね?」
「?!」
来た目的は何かと聞きたいとも少し考えた中で、江莉が本題はと言うように続ける中で背後に影も形もなかったにも関わらず不意に大勢の人間が姿をあらわした。
「冗談みたいな話だけど。新時代の幕が開ける。わたしたちに与えられたこれは進化よ。」
「進化? 新時代?」
「新しい支配、いえ、序列、世界、規則を造りだすの。わたしたちはその頂点に君臨し世界を治める。わたしたちはその統治者。これはそのための力よ。突然変異よ。新人類が人類を掌握するの。」
状況を踏まえて間違いなく同じように力を持った人間たちだと思う中で江莉は続けたが、前置きと言う話し方な上意味がわからないと思い、聞くように返す中で、江莉はわからないならと言うように返した。
「愛。あなたを高く評価している。仲間になりなさい。」
「―――」
「すぐここで決めろとは言わない。だけど断るなら容赦しない。いい答えを期待してる。」
わたしたちの身に起きていることは確かに進化とも言えるが、江莉の考えは度を越していると言うか、自画自賛と言うか、身勝手な思考と言うか、空想や絵空事、子供向けのテレビ番組の悪役のような思考だった。
本気になれば世界征服も簡単なことは同意するが、その必要性には疑問が出るで、本気なのかと思っている中で江莉は手招きするように言い、わたしが先ほど言ったのは本気かと思っている中で江莉はあわてなくていいと言うように不気味な笑顔で返し姿を消した。
迷うまでもないと言うか、再度聞きに来れば即断るが、問題は江莉が断るなら容赦しないと言ったことだ。
粘り強く意志が固いと言えばいいが、悪く言えば執着心が強く高慢で、そのうえ短期で江莉の高校時代と言うか、生徒会長時にわたしと綾奈を随分と振り回し、わたしたちは授業に勉強に部活、生徒会に家の事情と、本当に奔走した毎日を送っていた。
楽しくなかったと言えばうそになるが、江莉は十分と阻害されていたと言うか、裏ではわたしは祐未と綾奈とで性的関係を持ち2人とは時折会っているで、彼女を阻害していた事実は確かに存在する。
江莉がわたしたちを襲う要因がわたしたちにもあるのかもしれないが、やりすぎと言うか狂気の沙汰にも見え、江莉のあの性格を考えるとろくなことが起きそうもないで、万全以上の準備をする必要があると思った。
「襲撃があるかもしれないけど、一番の問題は表向きの警備ね? 不用意に人員を増やすと表向きに怪しまれるしわたしたちの秘密を見られることになる。」
「わたしたちの警備では不十分過ぎる。だが不用意な人材を集めれば情報漏洩はまぬがれない。第一怪物とも戦う可能性がある。素手の人間がかなうわけがない。」
江莉が問題だと言った祐未にあわすように綾奈が問題を点を付けたし、祐未は細かいことは無視して活路が見いだせないと言うように返した。
「わたしたちが本気になればこの世界などきっと木端微塵だ。人間もきっと一瞬で跡形もなく消せる。毒を以て毒を制す。わたしたちで戦い、立ち向かえる人材を育てるしかない。」
「―――」
「やるしかないんだ。最悪相手を殺してでもな。もう人間の戦いの領域じゃない。」
祐未はまだあると言うように続け、考えたくもないがと言うように案を出し、わたしたちがそれが一番まずいのではないかと言う表情の中で祐未はそれ以外に方法がないと言うように返した。
「陽菜ちゃん―――」
「小夜ちゃ―――」
「晴子―――、おまえたち」
本気で言っているこれは戦争になるぞと言うような表情の祐未だったが、不意に不安そうな瞳に気付き、わたしが反応し、綾奈も同様に反応し、最後に祐未も反応した中で、いつの間にか少女たちが集まっていることに気付いた。
「わたしたちはどうなるんですか?」
「戦わないといけないんですか?」
「人を殺さないといけないんですか?」
全員不安そうな表情をしている上、わたしたちは戦って人を痛い眼にあわせ傷つけ、最悪殺さなくてはいけないのかと言うように聞き始めた。
「そうよ。」
「愛!?」
「隠し事は止めましょう。」
祐未がそれはと言うように少女たちから眼を反らし、綾奈も愛どうすると言うようにわたしに眼を向ける中でわたしは少女たちに正直に答え、祐未がお前そんなに正直にと言うように返す中で、わたしは黙っていても意味がないと言うように返した。
「聞いた通りよ。」
「愛―――」
「陽菜ちゃんたちとも決めていたんです。これはみんなの問題です。お姉さまも同じです。」
みんな真剣に来てと言うように続け、全員がそんなと言う表情で見始め、優衣も率直すぎると言うように返すわたしを呼ぶが、思い切った方がいいと言うようにわたしは返した。
「だけど安心して。みんなで何とかしよう? 戦わないように。傷つけないように、そして仲よくできるようにね。」
「―――」
返した後笑顔で少女たちに言うと少女たちはあなたがそう言うならと言う表情で一応は安定を取り戻したが、笑顔の中言うまでもないが内心わたしは彼女たち以上に動揺していた。
説得の余地と言うよりも時間稼ぎにしかならないと言う方が妥当であると言え、遅かれ少なかれわたしたちは力を使い戦いを繰り広げることは眼に見えている。
優衣、綾奈、祐未、陽菜、小夜、晴子に眼を向けると、同じことを考えていると言う表情だった。
湯川愛、河内陽菜、須藤晴子、水城小夜、広瀬綾奈、樋口祐未、そしてわたし湯川優衣は表向きにも裏向きにも潜在能力開発支援施設の発起メンバー『FVS』として位置づけられた。
わたしたちの間では『First Valkyrian Sevens』の略で、表向きには『First Variety Sevens』の略で、潜在能力開発支援施設及び組織としての発起草案を考えた人間たちとして、活動することになった。
潜在能力開発支援施設も、『SSS』、『Six Sense Supporter』と言う怪しげな名称を愛が考えたが、一応は組織や施設、裏向きの運用が可能となっていた。
「―――――」
書類上は一応解決したが問題は山積みで、わたしも愛もと言うか、陽菜たちもだが学校や仕事、それ以外にも用事があるで、戦わなくてはいけないと言う事実を伝え仕事に追われる毎日を送り、少し経過した現在、わたしと愛は愛の部屋でうたた寝をしていた。
愛の部屋とは言うが、湯川家の部屋で、わたしは施設に近いから戻り、愛も多くは帰るがこの日はと言えば戻って来たのが午前中と言うか朝帰りで、少し一休みと言うようにわたしはいすにすわり、愛はベッドに寝転がったのが災いしたと言えた。
愛はと言えばベッドに横になっていて呼吸も静かで一定で、こちらに向けた顔も眼を閉じて子供のような寝顔で、間違いないと言うか、うたた寝と言うよりも完全に寝ている状態だと言えた。
時間はと言えば一応は十二分にあるで、わたしもだが寝たいで、愛も寝かしておきたいで眠りかけてはいるが起きようとしていると言うような精神状態だった。
「―――――」
自覚が現状ないと言うか、使えていないとも言えるのか、愛たちの思い込みではないかとも思うがわたしも一応力が使える1人とも言われているで、わたしも間接的な関係ではないことは明確だが、力量的に無力は確実だった。
確実とは言え最低限の努力は必要で、わたしは経験を生かして施設の少女たちにレスリングや武道、それに格闘の基本などを簡単に教えていた。
愛も水責めとかされても少しでも落ち着いていられるようにとかとってつけたような理由を何とか考えたと言うような表情で提案し、実質上普通の水泳を教えていた。
理屈が通らないことが多すぎるで、少女たちにはなんでもいいからやらせて生き残れる手段を増やすと言うのが現状の方針で、愛の水泳も方針として通り、強引な理由も強引と言える確証がないで、言葉以上の右往左往だ。
「―――?」
右往左往と言えば、上にも下にも、後にも先にも問題はあるで、わたしには本当に愛たちと同じような能力があるのかと言うか、あの夜見た夢のことを思い出す中で、周囲の風景が変化していた。
「?」
夢とは言うまでもなく、あの夜に見た奇妙な夢のことで、愛の力の余波もあるかもしれないがと否定する部分もある中で、わたしの寝ぼけて閉じかけている瞳に移る光景が変化したのだ。
眠りかけていたため本当に眠ってしまい夢を見ているのか、起きているのかの判別ができないで、輪郭も鮮明ではないで、わたしは一応起きていて眼だけが一応向いているような状態で見ていた。
集中する必要があるが眠気強く見えないで、逆に何が見えるか気になるで、わたしはどちらにも行けない感覚で見続けた。
「―――?」
次第に輪郭が鮮明となり見えたのはこことは違う狭い部屋と言うか、廊下で愛の背中が見えた。
愛だと言う確証はないが見慣れた背中と言うか、夢を見ているような状態に近くなんとなくと言う判別だがわたしはその先にもう1人だれかがいることに気が付いた。
「―――――!」
愛よりも背は低く小柄な印象で服装から男だと思ったが、わたしはそれよりもそのだれかが銃らしき物体を持ち愛に向けていることに気付いた中で、銃声のような物が響き渡った。
「―――」
銃だと言う確証はないと思ったが音の愛が身体抜けたように倒れ、男はわたし眼を向けるような動きを見せ銃をわたしに向けた。
「―――ウロ、ボロス?」
次はお前だと言うような動き以前に愛を殺したのかと思ってみていると男の両眼が不意に青白く光り始めた上身体が黒い霧のような物体に覆われたと言うか、わたしはそれがある意味で見慣れた物体であり、その名を口にしていた。
「!?」
愛も見たという奇妙な夢の中に出て来て、自らを愛の下僕だと言っていたあの怪物で、わたしがお前はと言う反応の中でそのウロボロスだと思わしき物体はわたしに襲いかかって来た。
銃を持っていたが撃つと言うわけではなく、あの夢の時見たように蛇が獲物に襲いかかって飲み込むかのように顔とよりも、大きく開けた口と思わしき部分がわたしに迫った。
名前は知らないがどこかのだれかが飲み込まれる光景を見たで、わたしはたすからないと思った。
真剣に考えれば夢だと理解できるが夢と言うのが思い通りにならないのは言うまでもないと言うか、飲み込まれたと思う中で一気に現実に引き戻されたと言うか、室内に響き渡った携帯電話の着信音で眼を覚ました。
夢だと言うのはすぐに理解できたと言うか、携帯の着信音はわたしの携帯ではなく愛の携帯だとも理解できた。
一種の悪癖とも言えるが愛は携帯の着信音を話題の音楽や特異な音、それにテレビ番組などのセリフ変えることが多いで、携帯の着信は女性の声だと思うが外国語の歌だった。
「―――ぅ―――」
愛はと言えば熟睡しているで起きる気配がなく、わたしも寝覚めの悪い夢を見たで気を紛らわしたいで、一緒にいたいからとか、思わず出てしまったと適当に言い訳もできるで、出ようとしたが画面表示には出たくない相手の名前が出ていた。
Ekaterina Hernandez
エカテリーナ ヘルナンデスと読むのだが愛の母玲の母で、愛の祖母に当たる女性で苦手な女性だが、愛はと言えば寝ているで、ある意味で気も紛れるでわたしは少し嫌ながらも出ることにした。
『アイチャンカイ!?』
「愛は寝ています。わたしは優衣です。普通の日本語で話してください。」
『オヤ!? ユイチャンカイ!?』
電話に出ると片言な日本語が聞こえ、間違いなくエカテリーナと言うか、愛がそう呼ぶ時があるが、愛称エクィーだと理解したわたしは平然と日本語で返し、エクィーはそうなのかと言うように返した。
「それで? どうしたんですか? 愛に直に言いたいこと以外なら承りますが―――」
『ソーイチローから愛たちがすごいことになってるって聞いた。フレドリックとレイチェルも心配している。それが聞きたいの。』
彼女は日本語は話せるで、突然電話してどうしたんですかと言うように聞くと、エクィー流暢な日本語返してきたが受け答えに少し困る質問をして来た。
質問も困るが、苦手なのはどうしてかと言うと愛よりも明朗活発と言うか、愛と玲を足して2をかけたような性格で歯止めが聞かずあまり人の話を聞かない性格で、総一郎や八千代以上にむだに元気だからだ。
現在ではウクライナに位置するらしいが、愛が生まれて5年と経過しない間に崩壊したソ連に生まれ、アメリカに亡命した上現地で働く日本人と結婚し子供も産むで、本人が言うには表向きには言えないこともたくさんして来たそうだ。
愛の父純一よりも破天荒な人生を生きていると言え、その娘玲と純一が出会い愛が生まれたで、八千代にとっては玲を差し向け純一を奪った湯川家の大敵の1人とも言え、わたしが彼女が苦手なのは八千代の血筋もあるのかと考える時がある。
『本当はいきたいんだけどわたしは会社に足止め。近いうち行けるかもしれないけどフレドリックとレイチェルも同じなの。時差も確かめて何とかかけていい時間にかけたんだけど大丈夫なの?』
「まー、一応は―――」
『口で言っても信じられない。直に見た俺でも信じられない。絵にも描けないようなとんでもないことになるかもしれない。ソーイチローがそう言って電話越しにでもわかるほど脅えていた。本当に?』
エクィーは続け、わたしたちもいそがしくて時間がなくなんとな時間をつくって電話したが、話せない状況かと聞き、わたしが一応は問題がないと言うように返すと、エクィーは質問を続けた。
エクィーが先ほどから言っているフレドリックとレイチェルと言うのは純一と玲のことで、2人は両親や法律、国籍上名前が2つあり、純一はアメリカ国籍ではフレドリック デイビス、玲もアメリカ国籍でレイチェル ヘルナンデスである。
『ソーイチローはレーニンが生き返ってお前は死刑だと言っても脅えず命乞いもしない上ブシドー貫いて生き残りそうな男よ。あいつを震わせることがあるなんてよほどの事。あなたも関係しているんでしょう?』
「―――はい。」
『あなただってわたしの孫なんだからね? 心配してるのよ? あの女以上にと言うか、あの女逆光は勝利だとも考えているでしょうね。ヤチヨは油断ならないから気を付けなさいよ?』
エクィーは冗談ではすまないのでしょうと言うように続け、総一郎からそれも聞いているのかと言うように返すしかない中で、わたしにもできることがあれば言ってほしいと言うように返した。
『愛にもいつでもこっちに来ていいからって言ってるんだからね。だけどソーイチローのこともあるとかあんたたちとはうまくやってるとか、わたしを巻き込みたくないとかある意味よその家で暮らした恩は返さないといけないとか何とか言ってね。』
「―――」
『レイチェルとヨーに似て頑固なのよね。意外と。恩を返すとか言ってヤチヨに復讐するのはわかってるけど粘り強いのにも限度がある。わたしみたいにファッションやりたさに亡命して逃げるが勝ちの一手の女にはまねできないことよ。』
心配しているのよと言うように続け、わたしが聞いている中で、真似できないと言うようにエクィーは返した。
「怒りはしないけど心の内では激しく強い青い炎が燃えている。そしてあの瞳は近くて遠い希望の未来を見据えている。だけどその2つを持つにはあの身体は小さくて非力で1つでは足りない。」
「あの子の力になりたい。きっとでっかいことをしてくれる。わたしは信じている。冷戦は終わり新しい時代が来て日本がその時代を担うと言ったヨー同様に。ですね?」
『そうよ。何度も言ったけどね。』
エクィーは愛は強いと言うように続け、わたしはそれはわかっていますと言うように返すと、エクィーは言うまでもないけどねと言うように返した。
『それと、あの子が自分自身のことをきっと嫌っていることもね。あの子はこの世で嫌いなものと言ったらヤチヨと自分を出すほど。あの子は自他ともに仲間として受け入れてくれる場所を必要としている。』
「だけどそれは他人が造ったものではなく、自分自身が造ったものでなければならない。ソーイチローやわたし、それにレイチェルが創り上げたみたいに。でしょう?」
『そう。あの子自身きれいだし頭もいいし、人間性もいいけど、心の奥底まで見て知って受け入れてくれる場所と人がいる。』
エクィーはわかっているならこれもよねと続け、わたしも何度も言わないでくださいよと言うように返し、エクィーは本当にあの子はと言うように返した。
『だけどこの時代結婚や家庭を持つなんて流行らないみたいよね? 愛はいい男なんていないって言ってたし、最近の日本にはソーイチローやヨー、それにフレドリックみたいないいのがいないのかしら? わたしも若ければ誘惑して楽しみたいほどだったのに。』
「―――いや、あの、その―――」
『高齢社会ってのはいい男がいないせいね。愛みたいないい女ばっかり増えてヨーみたいなのがいないのね。最近のAnime見ればそんな子ばっかり。あれは日本の事実を見せているって納得がいくわ。』
問題の解決法がわかるが、本題は手段がないと言うようにエクィーは続け、わたしがまだあるのかと続ける中で、エクィーはよく考えてみればと言うように言った。
『ダルタニアンはどこにいるのかしらね? 物語が違うかもしれないけど始まらないじゃない? それどころかわたしたちが何時くたばってもおかしくないのに。』
「3銃士ですか?」
『前から言ってるけど新しい風が必要よ? あなたたちとも縁もゆかりもない遠い人間があなたたちにあらわれて愛を守る銃士になるの。リヴァにはソーイチロー、わたしにはヨー、レイチェルにはフレドリックがいるようにね。それともあなたに?』
エクィーは半塲冗談のように続け、わたしはそれはと言うように聞くと、エクィーはそうだけど悪くはないでしょと言うように返した。
『わたしの推測だけど漢字の一がある人間よ。絶対にね。簡単な方よ? ソーイチロー、ヨーイチ、それにフレドリックの純一。偶然の一致とは思えない。湯川家を、いや、わたしたちを必ずと言うか、よくも悪くも変えてくれるわ。』
「―――」
『冗談よ。少しでも気休めをさせないといけないと思ったけどいけなかった? 愛なら柔軟に聞き入れてくれるのにあなたと来たら―――』
色恋沙汰も結婚も男も不要だと言う状況だとも思うが、エクィーは続け、本当にそれどころではないと思っていると、エクィーは言いすぎたと言うように返した。
『とにかく、手伝えることがあったら言って? 力になる。フレドリックとレイチェルも同じ意見よ? そうは言っても現役も退いてファッション業界の大御所のわたしが、あ? そうだ。』
「?」
愛ならば確かに冗談と思わずと言うか、本気でも探し始めるかもしれないでわたしとの発想の違うはこの女から来ているなと思う中でエクィーは愛が寝ているなら一応はここまでにしようと言う時に忘れていたと言うような反応をした。
『最近愛が私用で子供向けのメイド服とかコスプレ衣装とか着ぐるみ頼んだけどあれ何に使ってるの? 売れ残りで処分に困ってるとか前に話したけど、価値もないのに孝行したいから突然売ってくれって言ったから二束三文でただ同然に売ったけど―――?』
「―――――」
「処分できてたすかったのは事実よ? 孝行と言う言葉も信じる。だけど本場は日本だし質は少し悪いし大量生産の安物なの。売るにしても非正規品も多くって―――」
わたしたちのこと以外にも現実での問題は多くあるで、わたしがないかと聞く中でエクィーはあれは理解できないと言うように続け、わたしはそれはと言う反応の中で、エクィーは心当たりあるかと言うように聞いてきた。
「―――あれか?」
『?』
「いえ、有効活用しています。役に立っています。そう思っていただいて結構です。」
考えるまでもなく陽菜や小夜、晴子たちに着せていた服の出所で、最近入って来た少女たちにも着せているで、間違いないなと言うように言い、エクィーがどうしたのと言う反応の中でわたしは一応は問題ないと言うように返した。
「電話してきたことにも関わっています。」
『あら? そうなの? ならよかった? 知らない内に愛に協力してたのね? あの子ったらうまいんだから?』
使い方の良しあしはわからないが、用途を一応は使えるとエクィーはうれしそうな反応をした。
『無用な心配だったのね? まあでも愛によろしくね? 足りなかったもっと送るからね? いそがしいと思うからここまでにするわ? それじゃ? あなたも元気でね?』
「―――――」
エクィーはわたしの疑問だと言う反応を察しているのかいないのかわからないが、役に立っているとわかったのがうれしいのか、すぐに電話を切り、わたしは少し気が沈んだ。
「―――ん―――?」
小声で一応話していたが、愛が眼を覚ましたのか眼を開けた。
「―――電話?」
「まだ寝ていていい。エカテリーナだ。大した用事じゃない。」
「バーブ?」
開けて眼をこちらに向けたが、目元をこすり、眠たそうで、頭も回転していないように見えるが、わたしが携帯を持っていることに気付き、電話があったのかと聞くが、わたしは問題ないと言うように返すと、愛は聞いたことを理解したのか聞き返した。
愛の言うバーブと言うのはロシア語で祖母を意味する『бабушка(バーブシカ)』のことで、愛から見て母方の祖母であり、愛称として呼んでいると思われるが、単語とは言え発音も流暢なロシア語だ。
「―――――ありがとうって言っといてくださいね―――」
愛から見れば祖母であり、眠いながらも少しの間何を言うか考えていたような表情で、それならと言うように言うと、愛は再び眠りについた。
「―――いや、まさかな? 考えすぎだよな?」
「―――」
「やっぱり零夜だよな。ほかには任せられない。」
聞きたいことや言いたいこと、わからないことは多いが、現状で大切なことは休み、休ませ、少しでも状況をよくしようと考えることで、わたしは頭の整理をしようと思った中である考えが頭の中によぎった。
推測の領域だが、絶対に違うとは言い切れないと言うか、エクィーの言ったことの影響もあるで、わたしはすぐにそれを否定した。
エクィーの言った漢字の一がある名前の人間のことで、1人だけ心当たりがあるが、さすがにそれはないと自分で否定し、愛を守れるのは零夜以外いないなと考えた。
原因不明や奇妙、神のみ業だと言われる力は結局使うのが普通の人間と言うか、わたし愛は人間と言うかほかの人間もそうで、突き詰めていけば現在社会の人間には身に余る力で持て余すのが普通だ。
多少は使えるようになり、他の人間のためへの対応ははじめたが結局わたしはわたしであり、仕事の合間を見つけ、普段通りの生活を続けていた。
優衣とエクィーとの話から時間が経過し、現状はと言えば綾奈との快楽に浸った一時を終えていた。
神の力の影響で弱まるかもと思ったが変化なしで、適度の発散が無ければ気分が悪いで、一時的とは言え気分がよくなった。
「―――満足できてない。」
「綾奈―――」
「足りないのはあの子。あなたはあの子の心と身体を待ち焦がれている。ほかのだれかでは満足できない。」
一時を終え横になっていると不意に同じように横になっていた綾奈が背中に抱き付いて来るとわかっていると思うけどと言うように笑うと言うよりも気分的に高揚したと言うか、ほろ酔いのような口調で言い、わたしがどうしてそれをと言う反応の中でわたしにはわかると言うように続けた。
「愛、最近回数減ったでしょ? わかるよ? 性欲があってもやりたい相手がいないんでしょ? 違う? 正解でしょ?」
「もう、じらさないでよ?」
「じらしてないよ? あなたが物足りないと思ってるだけ。わたしはもう気持ちいいんだもん。それに結婚もしないで十年以上もこんな関係続けて身体でわからないことがあると思うの?」
身体を触りながら綾奈は聞き、わたしも確かにそう思う部分が無いわけではないと言うか、まだ足りないのかと言うように軽く笑って返すと、綾奈はそうでもないと言うように返した。
「たぶん精神的な冬眠期間に入り始めているんだと思う。」
「冬眠?」
「あの子との出会いが迫ってる。ほかの人もそうだった。欲しくてたまらないのに見つからない。だけどそれが何か自分でもわからない。わかるのは見つかり受け入れられた時でその時はじめて理解できる―――」
綾奈はと言えば教えてあげると言うように言い、わたしがどういう事かと言うように返すと、それはねと言うように返した。
「小さいけど心の中で熱く燃える青い炎が燃えている。だけど炎が燃えるには火種がいる。燃え尽きる前にあの子はあなたの前にきっとあらわれてあなたを強く燃え上がらせる。あわさって別の物にもなる場合もある。だけど愛し合うことは同じで時が満ちてない。」
特殊な感覚と言うか能力と言うか、才能を持ったわたしだからこそわかると言うように綾奈は言った。
「―――それで? 関係しているかもしれない話って? 重要とは言ったけど、2人きりで話したいからって言ったけど目的はまさかこれ?」
「愛と祐未さまには言ったけど、わたしにはいないのよ? あの子との前準備も兼ねて楽しませてよ?」
「もう―――?」
気分がよくなってよかったが本題はと言えば別にあると言うか、不意に綾奈が連絡してきて、2人きりで話したことがあると来たのだが、突発的にはじめ、わたしも悪くないなと思ったで、本題は置き去りにしていた。
置き去りにしていたとは言うが、不満はたまり問題は解決しない、情報は不足しているで、少しでも解消しないとどうにもならないで、綾奈と仲良くやり終え完全にではないと言うか、一時的にとは言え精神的には発散できた。
同じようなことは結構あるで、ここまで来たらいいなと思い本題に切りだすことにしたのだが、綾奈はまだ物足りないと言う反応で、わたしも完璧には無理とも感じたが、後少しはいいかと続けることにした。
わたしたちが現在どこにいるのかと言えば施設の空き部屋と言うか、空いている部屋は現状ではたくさん存在し、わたしたちがしていたようにだれかに見て聞かれ、話されると不味いことをしても聞こえない場所は数多くある。
保護する施設と言う名目上と言うか、福利厚生、衛生管理、そしてある程度ならば娯楽用の設備も用意され、この部屋も電力や水力と言った外部からの必要最低限の供給がきているで、長くて数日ほどは生活できるほどにはなって来ている。
シャワーと言うよりもバスルームも存在するで、わたしと綾奈は身体を洗い流し壮快な気分になったのだが、本題に入ろうかと聞き、綾奈の口にした言葉はシャワーを浴びる前よりも余計に気分の悪くなる単語だった。
「―――愛?」
「イザナギノタタカイ? 綾奈、あなたイザナギノタタカイって言った? 言ったよね?」
わたしがなんと言ったと言うように綾奈に詰め寄り、ぶつかる寸前まで顔を近づけ、どうしたのと言う綾奈の反応を無視して質問した。
「それと怪しい儀式って何? 巻き込まれたってどういうこと? 開会式みたいだったって?」
「落ち着いてよ―――?」
「―――」
綾奈の言うことの詳細が理解できないで、聞きなおすが、綾奈もわたしもよくわからないと言うように返され、わたしもそうよねと言うように下がるしかなかった。
「半分以上夢みたいな感じなの。実感が持てない。気づいたらそこにいていつの間にか戻ってたで、現実だとしても証拠がないと言うか、立証? ができないし、これが影響なのかもわからないで―――」
「―――そう。」
「―――と言うか愛、何か知ってるの?」
綾奈はあなたに対してうそは言わないと言うように言い、わたしもうそを言っているようには見えず、問い詰めるようにしてごめんと言うように返そうとする中で、綾奈は肝心なことを聞いてきた。
「聞いたことがあるだけ。わかるのは湯川ホールディング、いえ、あのばば、いえ、八千代とれーくんが、零夜さんが関わっている怪しい宗教か何かみたいだってことだけ。」
「―――八千代はおばあちゃんね? 血がつながってないけど? 家の事情が少し複雑で仲が悪いとか言ってたけど本当だったのね? 言い変えてるし、それとれーくん。れーやってのは? 前確か聞いた気がするけど?」
「零夜、零度の夜と書いて零夜、高橋零夜。ホールディング、HDの重役の1人でわたしとは遠縁の親戚にあたる。そしておばあさまは結婚させる気でいる。一応婚約者ってとこ。」
情報が手に入ると思ったが綾奈も多くは知らないようで私もう同様だと言うように説明するとわからない部分があると質問され、わたしはそれにも答えた。
家の事情も話すことになるで綾奈には一応は話していたがわたしも言い直しもするで、よほど嫌なんだと言うことを知られたのは言うまでもなかった。
「婚約者!? こんな時代に!? うそでしょ?」
「まがりなりにも華族の血を引く湯川家よ。狂ったみたいに家系を大事に、いえ、伝統を重んじているの。中途半端に海外の血が混じった、失礼、血筋が薄いとは言え文才のあるわたしを利用、いえ、これからの未来のために擁護したいからだって。」
「愛、本音でてる。よほどいやなのね―――」
綾奈は婚約者と聞き、本当かと聞き、わたしは本当だと言うように返すが、先ほどからだが家の事情を話したくないと言うか、勝手知ったる友人で本音をある意味かなり故意にぶちまけている状態で、綾奈に指摘されてしまった。
「伝統を重んじることは悪いことではないと思うの。だけど実質的にはよその子のわたしを巻き込まないでほしいだけ。才があるとは言えわたしを電卓の発展にしか使わないだろうし、れーくんと結婚させておじいさまとの経営の駆け引きにするのが見え透いてる。」
「ドッロドロね―――」
「れーくんは嫌いではないの。だけどお兄さんみたいにしか見れない。それに仕事でも忙しいから結婚する気なんてないしね。」
家庭の事情に巻き込みたくはないが話さなければ理解されないで、綾奈がよくない傾向ねと返すが、わたしは必ずしもそうでもないと言うように返した。
「愛、その人の写真ある?」
「?」
「その人があの子か確かめたい。一応。違うかもしれないけど。」
話さないといけないことは多いがと言うように眼を少しの間反らし考える表情を見せた綾奈はそう言えばと言うように聞き、どうしてと言う反応の中で理由を説明してくれた。
「―――これでいいかな?」
「―――違う。この人じゃない。違いすぎる。」
「即答。」
綾奈の表情は話しを踏まえて絶対に違うと言う表情だが、本当の確証が欲しいと言う表情で、わたしはわかったと言うように携帯の画面を見せると、見て軽く拡大してすぐに否定し、わたしはわかってはいたが、速すぎと言うほかなかった。
「成長してこんな顔や体型になるとは思えない。面影がない。第一愛が思っている以上わたしが見るまでもない。男として悪くは見えないけどあの子とは大違い。だけど―――」
「だけど?」
「なんで? 似たようなものを感じる。愛の影響?」
断言できると言うように綾奈は続けるが、これが理解できないと言うように続け、どうしたのかと聞くと見てわからないかと言うように返された。
「―――愛?」
「違う、あなたじゃない―――」
「?」
言われてもどうしようもないが、不意にわたしは少し前に零夜にしたと言うか、奇妙な夢を見てその中に出て来た人間と比較するために両手で顔を固定し、見比べたことを思い出し無意識にしてしまった。
綾奈はと言えばどうしたのと言う反応で、わたしはと言えば言うまでもなく一致しないため当然の回答を出し、綾奈はと言えば意味が解らないと言う表情だった。
「―――あ、ごめん―――」
「いや、あの、どしたの?」
自分でも理解できない状況で手を離し眼を反らしあやまるが、綾奈はと言えば大丈夫かと聞いて心配していた。
「変な夢を見て。それで見知らぬ男の人を見たの。それでれーくんにもだけど、確かめたと言うか、比較する対象が欲しいと言うか、だれかわからなくって―――」
「男? 子供じゃなくって? と言うか夢って―――」
「ごめん。わからないことが多すぎよね? 不意に変なこと言ってごめん。」
理由を説明したが綾奈はと言えばこれまでのことを踏まえて意味が解らないと返し、自分でもわからないと言うように返すしかなかった。
「―――あの夢もだけど、関係しているんじゃない?」
「関係?」
「あれほどのことが起きたのよ? 現実と直結してる可能性は高い。早いか遅いかの違いじゃない?」
言葉が続かないと思った中で不意に綾奈が待ってそれはと言うように返し、どういうことかと聞くと、考えても見てと言うように言い、聞いてきた。
「細かいことは抜き、お姉さんの言うことは聞いて? それとわかってる限りの情報を交換しないと意味がない。」
「―――うん。」
「まず第一に、イザナギノタタカイとか言う怪しい儀式がはじまるってどこかで言われたの。どこかってのがわからない。神社とか寺の中みたいな場所。気づくといた。気づいたら戻ってた。」
綾奈の言うことは一部分ではあるが筋は通っているで、そうだねと返す中で説明をはじめた。
綾奈がお姉さんと言ったが、これは1つ年上の綾奈がわたしにいい考えがあるから黙って従ってと言うか、賛成することがわかっている時に言う口癖の1つだ。
「そこにいたのは6人、わたしを入れて。知らない人間ばかり。数人は顔も見えなかった。声もうろ覚えよ。」
「わたしが知ってるのはれーくんが怪しい宗教と関係していること。それにおばあさまが関わっていること。そしてそれがイザナギノタタカイと呼ばれていること。それとおじいさまのくれた調査結果だけ。途上のね。」
綾奈は説明を続けるが、根も葉もないうわさを話すようだと言うように続け、わたしも同じよと言うように返すしかなかった。
「調査結果? 途上?」
「―――待ってて、出すから。」
「―――?」
調べているのかと言うように綾奈は聞く中でわたしは見せないといけないなと思い、綾奈がどういう事かと言う反応の中で部屋の中においていたPCを起動させ、総一郎が渡してくれたUSBメモリーを差し込んだ。
「そうだ。わたしも関係者だとか言ってた―――?」
「関係者―――?」
「綾奈とわたしも同様よ。不意におじいさまに話されて知らぬぞんぜぬ、だけど関わっていることは確かだと返された。」
思い出してみればと言うか、肝心なことで忘れていたわけではないが、言っておかなくてはならないことで、綾奈に言うとどういうことかと聞かれ、言った通りだと言うように返すが、わたしと綾奈の立場は微妙な違いでしかなかった。
綾奈の言うことが正しいならば開会式と言うご丁寧な儀式まで存在する大ごとなのは確かで、わたしが呼ばれていないことは大きな手掛かりかもしれないと思った。
綾奈はと言えば説明されそうなのかと言う表情の中でわたしの出した情報に眼を向けた。
総一郎から伝えられ見た時もそうだが、綾奈と一緒に見てもわかることは少ないが、綾奈はと言えば情報が入るだけありがたいと言うように真剣に眼を通し、わたしは起動した時点ではパソコンの前に座っていたが現状は交代していた。
情報はと言えば以前見た時のままで進展はなく、総一郎からも新しい報告もないが、綾奈はと言えばつい先ほど手に入った情報のように見て、これはと言うように見ていた。
1通りみ終えると綾奈はこれはと言うようにいすの背もたれに背を預け、深く考えるように腕を組み足を組んだ。
「愛、れーやってのはいくつ?」
「え?」
「年齢。何歳かって聞いたの。」
ほかのことも考えなくてはいけないで、次に移ろうかと思い書けた中で綾奈は質問し、どういうことかと聞くと、まるで答えがわかっているけどと言うように質問の仕方だった。
「37、いや、38だけど―――」
「―――ネズミね。」
意味は解らないが、知ってはいるで答えると、思った通りだと言うように答えた。
「会話を踏まえて整理したの。れーやも仲間なら干支が関係して違うんじゃないかってね。れーやが子年のネズミ、愛が卯年のウサギ、わたしが一つ上だから寅、そしてここにのってる神野沙良が辰、大谷楓の申、後7人、丑、巳、午、未、酉、戌、亥、ほかはだれ?」
「あ―――?」
「だけど戌が行方不明、そして酉と亥が死んでいることが正しいならば残りは5人。そしてあの会話に出てくる巳の男、巳年の男は何者? 会話を踏まえると余程愛とあわせたくないみたい。」
意味が解らないと言うわたしに対し説明し、わたしがそう言えばと言うか、どうして気が付かなかったのかと言う反応の中で綾奈は続けた。
「―――問い詰めて話すような人間? じゃないよね?」
「うん。」
「灯台下暗し、一番の敵は近親者か―――」
綾奈は不意に座っていたイスを回し身体全体をこちらに向け、聞く方が逆に頭悪そうだと思われるけどと言うように綾奈は聞き、わたしはそうだよと返す中で綾奈は画面の方向に戻りならが聞くまでもなかったと言うように返した。
「グループっておじいちゃんの方よね? グループと協力関係にあるって言う巳の男の会社も怪しいはね? 本当にそうなの? それにしてもシンガポールって―――」
「―――」
「巳年ならば計算があってるなら1989年生まれで33歳、条件にあった人間をリストアップするにしても、膨大な人数よね? 1人1人調べる時間あると思う? それともいってみる?」
ないよりかはいいと言う状況で、綾奈はわたしが考えている以上に真剣に考えてくれ、わたしが行動に移せず、綾奈は調べてはいないが、調べる必要があると言うことを真剣に考えてくれている。
考えてはいるが現状を踏まえて人員や経費、結果を推測すれば綾奈に聞かされた時のようにまた振出しに近い状態に戻ることが多く、動きにくい事実も存在した。
綾奈も進言と言うか、命令はできず、わたしがここでは一番偉い立場もあるが進言されても確証がないので動けず、袋小路とはこう言うのかと思った。
袋小路と言うよりも考えてみれば袋のネズミと言う方が正解で、わたしたちは袋の中にいる状態に近いと言えた。
同じような人間を集めているわけだが、施設にも限界が存在し、現状はまだ余裕があるがすべての人間を集められるわけでもなく限界は眼に見える先で、情報も袋の上の小さな隙間から時折食べ物が来るように少ないのだ。
袋の中は安全だが悪く言えば飼い殺しの状態に近くとどめていてもここが危険だと判断し抜け出す人間が出ることも眼に見えている。
「いく場所なんてない。あっても江莉の場所だ。安全とは思えない。」
「祐未さま―――」
「たすけてもよくて下僕、悪くて手下。あの子はこの力におぼれてる。女王みたいな気分になってる。使えないと思ったら物みたいに捨てるだろうな。平気で。」
袋に例えることを続けるが、中から破られたり、外から燃やされたりと、問題は多いで、少しでも居心地のいい場所にしつつも厳格な規則も必要だと考えながら施設を見回りしていると、祐未が話しかけて来た。
綾奈との情報交換はそれなりに終わらせた後のことで、わたしの考えていることがわかるのかと言うように反応する中で祐未は正解だろうから言わせてもらうと言うように続けた。
「それにしても、にぎやかになって来たな?」
「―――はい。」
話題を一度変えようと言うように言った祐未の言う通りで施設はと言えばわたしたちと同じ人間を本格的に集め始め、設備投資も同様で、施設内はそう言った施設としての機能を十二分に見せ始めていた。
「男はいないが医師や弁護士、それに現役の警官もいる。ほかの人間も使って、うまくいけば1つの市町村ぐらいの規模にはできそうだな。自治区と言うべきかな?」
「そうですね。」
「楽園とまではいわないが、江莉の集まりよりも、高校の時よりもよくしていこうな? 江莉の仲間になる気はないな? 聞くまでもないと思うがな。」
多くは20歳にもならない幼い子供が多く、わたしもだが大人は優衣に綾奈、それに祐未が責任者となっている状態で、わたしたちは保護者のような人間にならなければいけないが、議題は多いが、祐未は話しを戻すが心配するなと言うように言った。
わたしはと言えばほかに返す言葉もない中で祐未は高校の時は年齢もあるが先に卒業して悪かったと言うようにも続け、わたしの意志も聞き、返すまでもなく、あなたのそれは仕方ないですよと言う表情をするしかなかった。
話しているわたしたちに気付き手を振る陽菜たちの姿が少し遠くで見え、ほかの子どもたちもわたしを見ると笑顔を向け、大人の多くは職員として働く人間も存在し、わたしたちを見ると仲間として軽くあいさつをしてくれた。
あらためて話すとなるとどこから始めていいかと言うか、愛もだと思うが本気で論点の定まらない話だが、わたし優衣は零夜に知っていることを伝えた。
零夜はと言えばそんなこと信じられないと言う表情をしていたが直に見ただろうと言うわたしの意見を聞いたと言うか、それには反論できないと言うか、話しを踏まえれば根本の原理は不明だが合点の行く話だと言う表情をしていた。
本題はこれからで、わたしも似たような状況だが不十分な状況だから愛を本格的に守ってほしいと話すことだ。
「愛が、一番危険だね。」
「前にも言ったが―――」
「最善を尽くすよ。そのことを頼みに来たんでしょう? どこかでできるかわからないけど多かれ少なかれ手助けにはなれると思う。」
言いたいことはわかるよと言うように零夜は返し、わたしがわかっているがと言うように聞くと、少し頼りない印象ではあるが任せてと言うように返してくれた。
「グループもホールディングも、総一郎さんも関係ないよ。幼い時からそうだったからね。愛が僕をよく思わないのは仕事柄八千代さんと結構関係しているからだと思うしね。」
「―――」
「愛の素行の悪い面は僕たちのこう言った大人の事情の反動だと思う。愛だって大人だから指図されるのは嫌だろうけど、半場家族同然に育った身としては放って置けないよ。それに、愛をただす意味で言えば、ある意味ではいい機会だと思わないといけない。」
協力は惜しまないと言うように続ける上、零夜は問題は多いけどと言うように付け足し、わたしが聞く中で、絶対に何とかしようと言うように返してくれた。
「だけど問題は―――」
「そうだな。どこからはじめるかと言うか、どうやってはじめるか、何をはじめるかだ。」
事情を話して信用できそうな人間は限られているで、零夜に話してやはり正解だったなと一安心したが、零夜はと言えば部屋の外を見るように眼を向け、問題は表向きに見えていない部分だと言うように返し、わたしもそれは同意すると言うように返した。
わたしと零夜が話しているのは施設の中の数多くある空き部屋の中の1つで、部屋の外からは明るく楽しそうで、数多くの年齢を問わない女性の声で、施設の運営は波に乗り始め、順調だと言えた。
順調だと言えるが本当の難題は裏にあるで、信頼できる協力者は得たが、問題の解決にはならないと言うか、小さい問題を解決しただけで、大きな問題の解決にはならず、本腰を入れる必要があると言えた。
わたし愛が現状で体感していることは夢で見た出来事に非常によく似ていた。
わたしの周りには同じように力を持った少女や関係する姉妹、それに友達に囲まれ、わたしはあの恐竜のような怪物に襲われた後に見た夢と同じと言うか、場所もよく似ていることにも気づいた。
綾奈が現実になると推測し、その通りなのかもしれないと思ったが、夢のことを思い出し、顔を上げるが、夢の中で見た彼の姿はなく、味気ない金属製の大きな扉があるだけだった。
「―――」
「愛さん。愛さん。」
思い出してみれば怪物に出会った後に見た最初の夢でこの後だれかに後ろから抱きしめられたなと考えていると少女たちがわたしの名を呼んでいてわたしは考えるのは後にしようと彼女たちに笑顔を向けた。
陽菜たちもいて、前に言ったことも関係しているのか表情の中には少し曇りも見えるが、わたしを信頼していると言うか、ここが安全だと言う表情をしていた。
実際問題安全地帯とはまだほど遠いが、祐未の言う通りで楽園は無理だが、ここを安住の地にしないといけないことは必然だ。
一番の問題が何かと聞かれると能力の差で、同じ人間を集め、わたしがその1人である以上わたしを基準に上下左右と言ったように簡単に区別しようと思ったが予測はしていたよりも難航した。
原因はと言えば能力の差で、わたしはと言えば宙に浮いたりライトセイバーを造りだしたり、簡単な予知能力も発動もできたが、現状と言うか、平常時では出せないことが多く、緊急時や突然限定が多く、却下するしかなかった。
優衣もだがほかも同様で明確なのは全員未知数だと言うことで、祐未が幸い意識的に使えるが使った後はエネルギーが切れるのかしばらくの間使えなくなり、身体の調子にも依存するで、わたしとほぼ同様に近かった。
集めた少女たちはと言えば現状見る限りでは何もできないと言うよりも、身体能力の微妙な高上や少し勘がよくなる程度が多いで、わたし同様に使用時に無意識に眼が青白く光るだけだった。
眼が光らない陽菜と言うか、綾奈も見たいだが、彼女たちの方はと言えばわたしや小夜と晴子、それに祐未と違いあの特異な交信ができないで、訓練すればできるのかもしれないが、区分よりも調査が先になりそうだった。
「江莉は完全に誇大妄想に憑りつかれてる。うわさは確かにあるが新時代の幕開けなんて馬鹿げてる。これが本当に神の力であるわけがない。」
「怪物のことと言い原因を見つける必要がありますよね。考えられるのは突然変異かウィルス感染とかの副作用。そしてゲームみたいな生物兵器―――」
「細かいことは無視して、第一に大切なことはわたしたちで身を守ることだが、ある意味仲間である江莉の説得は無理そうだな。」
能力の判別もあるが、関係して話しあうこともあるで、集められるだけの人間を集め話し合うことにしたのだが、一番に言いたいことはと言うように祐未が言い、わたしがそれには同意すると返すと、祐未は問題はそれだけではないと返した。
「江莉との話は断る方向でいいんだな? 愛?」
「はい。お姉さま。一応説得は続けますけどね。」
聞いてきたのは優衣で、わたしはと言えば当然ですと言うように返した。
「それよりも―――」
「すまない。だがこうも戦力不足では話にならない。それに一応は身内だ。いいだろ? 愛?」
「はい。」
江莉が説得に応じるとも思えず、江莉はわたしを強引に連れ出す構えだが、わたしはそのことよりも優衣と一緒に来て話に参加している零夜のことが気になっていた。
優衣に聞こうとするが、味方は1人でも多い方がいいと言うように答え、事実は否定できないで、普通の人間であれど男では必要でもある状況が増えるで、わたしは否応なしにわかったと言うように返すしかなかった。
祐未と綾奈、それに陽菜やほかの人間も賛成したと言うか、イザナギノタタカイのことは問い詰めても話すわけでもなく、綾奈と知らないふりをして通し、情報を引き出す策を練ることに決めていた。




