集結 (前期) 前編
解明できない謎が起きるにしても起きないにしても、わたし彼方だけでなく、隣で気を落としている真矢と桃子は中学生で、わたしたちは現在現実と言う非常に厳しい世界に打ちのめされていると言えた。
厳しいこととは何かと聞かれると、学校の期末考査のことで、まったくとまでは言えないが、気づけばこの時期と言う状況で、時折鈴や枝葉など協力者もいたが、基本は3人で勉強しても間に合わせなもので、結果が凄惨になるのは眼に見えていた。
特に一番落ち込んでいるのは真矢で、次にわたし、最後が桃子で、普段ならば上の下ほどの桃子、中の上ほどのわたし、それに中の中ほど成績に反比例していると言えた。
「―――彼方、できた?」
現状はと言えば最終日の放課後で、本来ならば生徒が先生たちに終わってからが肝心と言われながらも一息つけている頃間だが、結果がある意味見えているわたしたちは落ち込んでいる状況の中で真矢が声をかけてきた。
「―――う~ん? 一応?」
「桃子は?」
「―――微妙ね? だけどガクッと下がるのは眼に見えてる。」
声をかけられわたしはと言えばここまで来たら逆に落ち着いていると言う状態に近く、そうだよねと言うような顔の中で真矢は桃子に聞き、桃子もわたしこと、彼方と同じよと言うように返した。
「結果は週明け、明日明後日は束の間のお休み―――」
「夏休み終るまでに解決できないかな~?」
「それは無理よ?」
学校生活と自分たちの身に起きたことをうまく両立させるのがこれからの課題ねと言うように桃子が言う中で、真矢はそんなの無理と言うように言い、桃子は気持ちはわかるけどと言うように返した。
真矢と桃子に大野やセレナーデ、それにアンジェラが関係者だと聞かされていたが、試験中と言う事情を踏まえてか、遠慮とかして一時停戦状態にしてくれたのか、期間中の現在は普段通りと言う状態だった。
イヴや果てには校長のことを聞いていたが、現実に見ていないわたしと言うか、真矢と桃子もだと思うが、信憑性を疑うほどの試験期間だった。
桃子に対して言った夏休みまでに解決できないかと言う希望は本音で、わたし真矢は情報を手に入れた時と違い、随分と気分が悪くなっていた。
楽しくないと言えばうそになるが、あの晩のことで心底思い知らされた上、一筋縄ではいかない上極め付きに試験に突入で、踏んだり蹴ったしされた上車ではねられた気分だった。
理想と現実の違いとか言う言葉が存在するが、わたしたちの身に備わった力が事実神の力だとして、無駄に過大で制御もむずかしいし一般的な使用用途もなく、神なんてろくなものではないと思った。
「―――散々、みたいだね?」
「ぁ? 道?」
試験は一応終ったから結果発表の類は一時的無視して、すべての試験が終わった放課後のこの日をどうするかと言う時で、道がわたしたちに声をかけ、彼方が反応した。
道の声をかけた時の反応と言えば3人全員勉強できていなかったし結果は考えなくてもわかるのだろうから聞かない方がいいと言うか、少し言ってはならないことを言ったなと言う表情をしていた。
「―――なに? 真矢?」
「あんたは普段から勉強してんでしょ~?」
「そんなうらめしそうな目で見ないで?」
道の表情はわたしに向き、怒らせたかなと言う表情で、わたしも便乗して反応すると、道は気持ちはわかるから待ってと言う反応を見せて返した。
「―――とにかく、桃子―――、いや、彼方がいいか?」
「?」
「これからのことを話しあうんだろ? だけど、僕の方でも調べることがあるから、一緒に来てほしいんだ。枝葉さんは大学で講義あるから。」
文句は後で聞くからと言うように桃子に眼を向けたが、不意に彼方に眼を向け直し、どうしたのと言う反応を彼方がする中で、道は事情を説明した。
「―――わたしたちは―――」
「僕たちの関係者に会うから。あまり大勢で押しかけない方がいい。それに桃子だと変な勘繰りを入れる人間が出ると思うから。彼方の方が顔も知られていて幼なじみで通せるから怪しまれない。」
「―――わかった。」
一緒に行かなくていいのと言うように桃子がいきかけると、道は本当は来てほしい部分が無いわけではないがと言うように一瞬わたしにも眼を向ける中で、桃子は言うとおりにすると言うように返した。
「わたしは信頼できない?」
「母さんの、先代の仕事を手伝っていた人でね? あの時にも説明したっけ? 沙良さんて人。格式が高い場所でね? 真矢には少し窮屈な場所と話しになると思ったし、我慢できるか少し心配で―――」
「わかった。」
返す中でわたしは軽く冗談のようにと聞いたが、道はこれ以外にないからと言うほどの正当な理由お願いだよと言う表情で説明し、わたしも納得したと言うように返した。
「―――で、彼方は?」
「え?」
「あんたが決めないといけないでしょ!?」
わたしと桃子、それに話題を振って来た道は了承したが、肝心の彼方は聞いているだけで、わたしが聞くと、何と言う反応で、わたしはそれでいいかと言うように聞いた。
「―――いこ? 真矢? もしかすれば夏休み終るまでには終わるかもよ?」
「―――待ってよ桃子? そんな簡単にいくと思っているの?」
「少しでも軽く考えたいのが本音なのはあなたも同じでしょう?」
聞くまでもなく話を踏まえて道と一緒に行動し、わたしと桃子とは別行動するのはわかっているが、彼方はと言えば道に眼を向け、道の行こうかと言う声を待っている表情だった。
道が口を開く前に動いたのは桃子で、話し通りで彼方を頼んだと言うように言うと、桃子は背を向けて歩き出し、わたしはと言えば桃子に待ってと言うように返し追う中で、桃子は返事を返しながら道と彼方に手を振っていた。
わたしも進みながら手を振り、彼方と道は同じように手を振って返した後、道が行こうかと言うように彼方に聞き、彼方が運と言うようなそぶりをして道について行く姿が見えた。
道の彼方を連れていくと言うことが起きたが、これからの予定は決まっていると言うか、考えるまでもないことで、これからのことに備えて一応は集まり、情報交換として話しあうために、わたし桃子は真矢と足を進めていた。
試験のことで真矢は少し落ち込んではいたが、少しして気を落としていても仕方ないと言うか、拾って戻ってこない場所にまで投げるほどの気力が必要だと言う表情を真矢はしていた。
わたしも試験の結果が気になる部分は存在し、かまってられないとまでは言えず、後が怖いが、大きな声で人には話せない事情の問題を先に片付ける必要が存在した。
「―――ぁ?」
「―――あ―――」
「試験。やっと終わったね? どうだった?」
鈴たちの学校も同じ試験時期と言うか調度終わりの日で、試験中にこの後会って話し会うべきだとメールでやり取りし、伊那と理沙にも連絡し、雪乃も話しアパートに来てほしいと連絡し、そこに行くと決めていて、向かう途中で凜が待っていた。
気づいたのは真矢が最初で、わたしも眼を向けあなたはと言うような反応の中で、凜は先輩らしいことを聞いてきた。
「えっと、小川さ―――、先ぱ―――」
「凜でいい。呼び捨てでもいいから。敬語も止めて? それとあの子たちと会うんでしょ? いこ?」
背も高く、わたしたちよりも大人びた雰囲気で、真矢がそう言えばこの人がいたんだと言う反応の中で、凜は邪険な扱いはしないでと言うように返すと、少し前だが一緒に歩き始めた。
「そう言えばもう1人は? 彼方ちゃんだっけ?」
「道が連れて行きました。調べることがほかであるそうで、人手が欲しいと言われて―――」
「そう―――。」
凜は歩き始める中で見た通りに1人足りないと言うように聞いて来て、真矢がそれはと言う表情の中で、わたしは一応は問題ないと言うように返すと、凜はそれを理解したと言うように返した。
真矢はと言えばありがとう桃子と眼で合図し、わたしもこれぐらい気にしないでと言うように返した。
「―――大変なことになったよね?」
「ええ、はい―――」
「まあ、わたしよりかはいいと思って? 3年よ? 受験なんだから? 来年この時期にはよくて高校生、最悪ニートよニート?」
軽い雰囲気でと言うように凜は話し始め、わたしもだが真矢は本当にこの人がどうしてと言う反応で返す中で、凜はわたしたちに起こったことを明るく話していた。
考えてみると凜の言う通りで3年の彼女には高校受験が間近近づいていて、わたしもと言うか、真矢もだと思うが受験をまったく心配していないわけではないが、不謹慎と言うのかもしれないが一応は凜よりも余裕が存在すると言えた。
早期解決は不可能かもしれないが、本格的な受験前にはなんとしないといけないなと思った。
真打登場なんて言えば聞こえはよく、学校を出ていこうとしている真矢たちは楽しそうで、わたしセリーたちから見て余計に踏み込みにくい状況になったことは必然だった。
彼女たちが現実を見ていないとまでは言う気はなく考えていないと言うことはないと思うが、あの日の一件後の現状に思った以上に普通に対応し、新しい仲間まで増え、問題は増えるばかりだった。
厳密に言うと増えるのではなく、見えていない部分が見えるようになったとも言えるのかもしれないが、細かい理屈は抜きで、わたしたちも何とか渦中というよりも、もう少し踏み入る必要が存在した。
「―――彼方たち、わたしたち、バランサー、アンジェラたち、それにあの時見た謎の武装集団―――」
「―――――」
踏み入りたいがアンとの一件を踏まえるとわたしたちは距離をとるしかないで、入谷と一緒に遠目に見て、話しを整理し、情報を手に入るならば行動してで、わたしたちは真矢たちを追うことにした。
おいながらわたしは入谷にこれまでのことをと言うように口を開く中で、入谷はわかっていますよと言う表情をしていた。
本当は入谷の方が深く踏み込んで話し合いたいと言うのが本音で、わたしはと言えば半分近くは好奇心で、少し胸が痛む気がしたが、払拭するには最善を尽くすしかないと思い、前に進んだ。
いやなら来なくていいよわたしだけで会って後で伝えたりするから、だから無茶したり遠くにもいかないでとわたしも一緒だよと言うようなことをわたし鈴は遥香に言う気であったが、結菜はそれを許さないようだった。
昨日のように思い出せるがあの日の騒動の後、期末考査の時期に突入し、一時休戦と言う状態にすることにした。
幸いなのか、待ってくれているのか、運がいいのかわからないが、考査は何事もなく無事に終わり、考査の終わった現在ことこの日わたしは彼方たちと会う約束をし、現在はと言えば彼方たちの学校の方角に向かっていた。
曲がり角などは存在するが整理された道で、歩いていれば100%顔をあわせる場所を歩いているが、わたしは彼方たちと会えるかと言う以前に、背後の結菜が遥香に向ける視線と言うか、殺気と言うか、気配が怖かった。
「―――」
漫画なら絶対に身体全体が真黒になって両目を赤く光らせている状態で、逃げるなら切るぞと言うことを絶対に考えているとも思うし、遥香はと言えばあんたなんかに従うかと言う表情だが、敵わないと知っているので逃げないと言う表情をしていた。
期間中もこの状態で、遥香が学校に来ないことになれて、来ないなと思っていたが、初日に靴箱の前で結菜が遥香の首根っこをつかんでわたしの前に差し出して来ていた。
口調や雰囲気、外見は間違いなく結菜先輩だが、間違いなくわたしたちと同じ能力者と言うか、能力の上でも先輩だとも言えた。
わたしはと言えば遥香が来てうれしかったと言う部分もあるが、遥香と結菜の関係を踏まえて完全に強引にわたしの前に連れて来たのがまるわかりだった。
わたしも結菜から見れば遥香のお目付け役と言うかお守りと言え、遥香も出ていけばわたしは絶対とまでは言えないが結菜に言う可能性があると見てたと思うで、遥香にも結菜にも不用意に何か言うと不味そうで、口が開けなかった。
鈴の表情は少し暗く見え、わたしが眼を向けるが何も言わず、わたし遥香はと言えば鈴にどうしたいのかと聞きたいが、不用意に何か言うと後ろの結菜がどんな反応をするかわからないで、口を開けなかった。
本音を言うとわたしはあの日の鈴に言った通りで、鈴をたすけることに決めていた。
決めてはいたが、それ以外では特に決めたことはないと言うか、あの日の後結菜が強引に学校に連れていかれるなど、少し迷惑なことをされ、鈴を守れることで言えばいいが、結菜の言いなりになっていると思う部分が嫌だった。
「結菜? 結菜ー!」
「?」
「凜! りーん!」
逃げ出しても絶対に追いかけられて追いつかれそうで、嫌な気分だと思っている中で少し遠くから結菜がいると気付き、呼ぶ声が聞こえ、わたしがなんだと思う中で結菜は返事をした。
「真矢ちゃん!? 桃子ちゃーん!?」
「―――――」
結菜の仲間の凜と言うか、真矢と桃子たちまで連れていて、会う約束をしていたんだなと言うことを再認識する中で鈴はあわせるように真矢と桃子の名を呼んでいた。
「時間通りね? 結菜?」
「相変わらず元気ね? 凛? テストできたの?」
「なにそれ? おいしいの?」
会えてよかったと言うように凜が言う中で、結菜はあなたには感心するけど問題が残っているでしょうと言うように聞くと、凜は半塲冗談と言うか、本気で忘れたい現実だと言うように返した。
「あなた受け―――」
「わかってる。冗談よ。だけどこうでも言わないとやってらんない。それとこっちのことも考えないといけないでしょう?」
結菜がこんな時期にと言いかける中で、凜は冗談を理解してよと言うように返すとわたしたちに眼を向けた。
「とにもかくにも一段落。これからの作戦会議。それと夏休みの予定も決めちゃおう。」
「―――それはわかりますけど―――、夏休って?! うわっ?」
「中学最後の夏休み! 勉強も大事だけど最後まで楽しまないとね!? それとあなたたちは最初の夏休み! こんなことで邪魔されてなるもんですか!」
心配そうな結菜に心配するなと言うように続け、真矢がそれならと言うように聞く中で、不意に凜は桃子と真矢と強引に肩を組み、頭をなでながら細かいことは考えるなと言うように言葉を続けた。
真矢のことは嫌いだが、ある意味同じような状態になっていて気分もよかったが、似たような状況だとも思い、文句は言えず、少し気の毒だとも思った。
一瞬だが真矢と眼があい、わたしはと言えば通じるかわからないが似たようなものだと言うように眼を反らした。
道に一緒に来てほしいと言われたわたし彼方が案内されてきたのは木造の大きく古い日本家屋だった。
学校で来てほしいと言われ、関係者の家に行き少し話を聞いたりすると話を聞いたが、家と言うよりも屋敷と言う言葉が妥当で、わたしはと言えば道のここだよと言う声を聞いた後、大きな玄関を見ていた。
面白半分で中でも見れば怖い大人の人でも出てきて怒られそうな雰囲気で、本当にここなのかとも思ったが、道はと言えば平然とした表情で玄関のチャイムを鳴らしていた。
普通の音だったが、不意だったものでわたしはその音に少しおどろいていた。
『―――どなたですか?』
「神宮寺の者です。沙良さんにお取次ぎを願います。お約束をしています。」
『―――』
チャイムが鳴った後少ししてマイク越しに女性の声が聞こえると道は慣れた雰囲気で自分のことを伝えると、マイク越しの女性が黙った。
「大谷の人間ですね? 後で報告しますよ? わかってますよね?」
『―――』
「―――」
対応したマイク越しの人間に対し、不意に道は勢いよく言い放ち、わたしが少しおどろいた中で、マイク越しの人間は黙っていた。
『―――何をしてるの?!』
『沙良さ―――』
『道く―――、神宮寺の人間が午後に来るって話をしておいたでしょう? 通して。』
戸と言うよりも門と呼べる大きいとは開かない中でマイク越しに対応した声とは別の女性の声が聞こえ、対応した女性がどうしてここにと言うように返事を返す中で、女性が急げと言うように指示を出した。
『道くんよね? ごめんなさいね? 後でよく言っておくから?』
「いえ、なれていますから―――」
わたしたちは招かれざる客と言う雰囲気だったが、彼女が対応する中で招き入れられるかのように玄関が開くと女性が申し訳ないと言うように道に向かって言い、道は気にしないでいいですと言うように返した。
「いこ? 彼方?」
「あ、うん―――」
大きい家だから使用人でもいて怪しまれたかなと思っている中で道がわたしを呼ぶ中でなれた足取りで進み始め、わたしも返事をして後に続いた。
「―――わあ―――」
「ごめん? 彼方?」
枯山水と呼ばれるものだと思うが、入ると波を模したような砂と石灯籠などが置かれた広い日本庭園が広がり、わたしがきれいだなと思っている中で不意に道があやまった。
「?」
「さっきのこと。声をあらげるべきじゃないのはわかってるんだけどね。」
わたしが何かと思い案内するように先を進む道の顔を見るとやはり連れてくるべきではなかったかなと言う表情をしていてあやまったことはと言えば先ほどの玄関での一件のようだった。
「派閥とかの問題なんだ。大人の事情ってやつ。大谷家はこの家の、神野家の護衛の忍者の家系なんだ。最近起きたことがあって僕の家や枝葉さんの、牧野の家も警戒されているんだ。沙良さんは理解してくれているんだけと―――」
「―――ぁ―――」
「道くん。」
理由を聞き仕方ないよと言うように返そうとする中で先ほどの開けろと言った女性のと同じだと思う声が道を呼んだ。
声の方向に眼を向けると2、30代ほどの少し幼い印象の女性の姿が見え、道は声を聞くと眼をあわせお邪魔します先ほど失礼しましたと言うかのように軽く頭を下げ、わたしも遅れたがあわせるように頭を下げた。
女性も笑顔を返し、同じように頭を下げた。
「―――その子?」
「はい。」
わたしたちのことも聞いているようで、女性はわたしに眼を向けるとだれだ見慣れない怪しいものがいると言う雰囲気はせず、話は聞いていたけど確認したいと言うように道に聞き、道は間違いないですと言うように答えた。
「彼方。こちら沙良さん。神野沙良さん。さっきも話した通りの関係者の代表の人。」
「彼方です。空野彼方。」
「神野沙良よ。はじめまして。」
道は彼女に渡しを紹介しわたしも再び頭を下げながら名乗り、女性こと、沙良も同じように名乗った。
「―――それにしても、かなた?」
「それはいいから。本題に入りましょう。」
「そうね―――」
沙良はわたしの名前を聞きこの名前はと言うように反応する中で、道は気持ちはわかりますがと言うように返し、沙良もその通りだと言うように返した。
「―――何にしても一度入りましょう?」
「お邪魔します。」
「お邪魔します。」
沙良はだけどやはり気になる時間ができたら聞こうと言うようにわたしを少し見た後立ち話で済ませる話でもないと言うように言って入るように言い、わたしたちはお邪魔した。
道もだが真矢や桃子は慣れ親しんでしまって気にしていないがわたしの名前は考えるまでもなく特称と言うか、苗字と一緒だとうまい組み合わせで、キラキラネームと呼ばれる名前に属し、沙良の反応は当然だと言えた。
ひらがなでかなたは多いが漢字では少ないらしく、沙良に漢字も彼方ですと言えば余計に話がめんどうなことになりそうなのでこの場ではとりあえず黙っておくことにした。
道の家もだが古い日本家屋と言うのは廊下が長く、季節は夏だが太陽光があまり差し込まないため少し薄暗く、風通しがいいのか外は暑かったが奇妙に涼しいと言うか、寒いほどで、お化け屋敷みたいだった。
歩くと少しだけだが廊下が痛んでいるのか揺れる音が聞え、前を歩き、話している2人を見失わないようにしないと迷って怖い眼にもあいそうだった。
2人はと言えばわたしの心知らずと言うか、気にさせるべきではないと思うが、ついて来ているなら問題ないと言うように世間話でもするかのように最近の起きたことの情報交換をしているようだった。
「―――それであいかわらず楓は行方不明のままよ? 桔梗さんの方がまだましね? そう言えば近く帰るとか聞いたけど?」
「いえ、それは枝葉さんから聞いてません。あんまり話してくれないんですよね。」
「養生さんから聞いたの。まあ、一応波紋で家族冷戦中だから仕方ないよね?」
お互い大変よねと言うように沙良が言う中で道はそちらほどでもないと言うように返し、沙良は謙遜しないでと言うように返した。
「本題だけど、憂さんの時代からの指示もあってデジタル化は8割がた終わってる。メモリーは渡すけどせっかく来たから見ていって? それと残りと言っても地下室と蔵、押し入れの中に少し残っている大したことない情報ばっかりだから安心して?」
「―――――ありがとうございます。たすかります。曾祖母や父に伝え相応の対応をさせることを約束します。」
話しを続ける中で2人はお互いの家の事情を踏まえてと言うように話しあう中で、畳3畳ほどの狭い部屋に案内された。
人1人の生活に必要最低限必要な広さと言う雰囲気の部屋で、中央には1畳半ほどの机が置かれ、その上には不釣り合いな最新のノートパソコンが置かれていた。
わたしが見ている中で沙良が話しながら道に何かを手渡すと、道は受け取ると部屋に入って机の前に正座し、ノートパソコンを起動させ、わたしはその隣に、沙良はその後ろに座った。
手渡されたものをよく見ると言うか、それをPCに近づけ、わたしはそれが即座にメモリーだと理解した。
「いいのよ? それにしても、あなたがやるんだもの。憂さんに、お母さんにも助けられたしお互いに助け合わないとね? それと蔵の方とかだけど後で見に行く?」
「いえ? だけど障子の中引きはがしてまで調べろと命令したと聞きましたが、本当なんですね?」
言ったことに関係してと言うように沙良が続ける中でPCの起動を待つ道は本当に助かりますと言うように返した。
「―――だけど油断したはよね? イザナギノタタカイが起きなくて安心しきっていたのに―――」
「やっぱり関係性はないんですよね?」
「そうみたいなのよ―――」
起動には意外と時間が必要なもので、2人は隙間を少しでも埋め合わせるように話しあう中で、これは違ったと言うように沙良が言い、道も意外だったと言うように返し、沙良は本当にそうだと言うように返した。
「―――?」
「ああ、そうか? 知らないよね? ごめん。勝手に進めて?」
「いや、いいよ―――?」
近くにいて聞いていても意味が解らない中で不意に道があやまるが、わたしはと言えば不用意に入るわけにもいかずあやまったが、道はそうとも言えないと言う表情をしていた。
「まあ、そうは言うけど僕たちのこともだけど、僕の自身の身に起こっていることもわかってないことは多いんだけどね?」
「え?」
「彼方をここに連れて来たのも、イザナギノタタカイに本当に関係ないか沙良さんに確認してもらうためだったんだ。」
あやまり表情もこれではいけないと言う表情の中で続けて申し訳ないと言うように眼を反らしてあやまり、わたしがそうなのかと言う中で、道は沙良に説明を願いますと言うように眼を向けた。
「沙良さん。何も言わないと言うことは、本当に関係ないと判断していいんですね?」
「うん。だけど―――」
「わかっています。この強大過ぎる力は脅威です。それに制御もままならない。僕たちは恐ろしい―――、ごめん?」
眼を向けた道は本当に間違いないのかと言うように聞くと、沙良は短くだが確かにそうだと返すが、問題はほかにあると言うようにわたしに眼を向けた。
道は言う通りに理解していると言うように返すが、言ったらわたしに失礼だと思ったか途中で言うのを止めてあやまったが、わたしはと言えば道の言うことは事実で、逆にわたしがあやまるべきだとも考え気にしないでと言うように苦笑いして返すしかなかった。
「―――それにしても、イザナギノ、戦い?」
「日本で時折起きる超常現象? と言うものらしいんだ?」
聞いていたわたしはと言えば関係はないとは言ったが気になり問いかけると、道は起動したパソコンの操作を始めた。
「超常現象?」
「儀式? とも言うべきかな? 怪奇現象? と? でた?」
「―――」
テレビの特番やUFOとかと関係した言葉と思っている中で道が説明する中で、道は文章のファイルを出し、わたしは眼を向けた。
イザナギノタタカイ
イザナミノタタカイとも言われ、日本で起きる不可解な現象の前兆を意味するとされる。
前兆と言うよりも先手としての儀式や厄除け払い、封印としての意味合いが強く、選ばれた12人の人間から男女1人ずつを選出し縁結びをさせることで終息し、不定期に起きる可能性がある。
終息に失敗した場合災害などが起き、またはその災害の原因だったかもしれないと言う記録も残されている。
イザナミ、イザナギは日本神話に登場する神と同義の存在と推測され、この神たちが日本列島こと、国を生み出し反映させたように、2人の男女を選び縁結びさせることで、国に安定がもたらされることからその名称がついたと推測される。
日本が発端とされるが選ばれる人間の判別には12星座やトランプ、それに誕生石と言った西洋や海外の異なる文化圏の知識も必要とされ、本来の発端が日本でない可能性も存在する。
発端は不明だが選出者は性別は基本として全員年齢が同じでなく、誕生星座なども異なり世襲制でもなく縁もゆかりもない人間が不意に選出され、日本の干支にあわせているのか『日の下の十二支徒(以下候補者、使徒)』とも呼称される。
使徒たちにはそれぞれの干支にあわせた生物、または関係する非人間的な存在の力が覚醒する場合が存在し、タタカイ(戦い)と呼ばれる由縁も、発端は1人の女性とされるが過去の使徒たちが縁結びを拒否しその力を使い戦い始めたことだと言われている。
戦いも中世以前は強い相手、または理想、そして的確な相手を選出する手段だったが、江戸時代以降は近代的な思想の浸透か、戦いは多義な方向性を見出し、縁の結びに失敗する場合も多く存在する。
関係してイザナギとイザナミは夫婦、または二対一体の神ではあるが、2人の関係は死後の世界でその身を汚したとされるイザナミが原因で不仲である、
雷のような怒りに吹き荒れる嵐、それに大地を揺るがす地震が神罰に例えられるように、不仲の関係の延長としてこの名称で呼ばれているとする説もある。
長くむずかしい上、専門用語と呼べる単語まで存在する文章だったが、わたしは一応と言うように理解した。
「―――そうにしても、悪運がよかった。と言うべきですよね? 不謹慎ですけど―――」
関係していると言えば関係して、関係してなさそうと言えば無いで、わたしの現状や道も関わり、ほかに関係者もいるで、信憑性は一応にあるのかなと見ている中で、道はあまり言うべきではないがと言うように沙良に言った。
「そうね? そうよね?」
「?」
「ここでは書いてないけどルールがあるらしいんだ。使徒に選ばれる人間が1人でも死んでいると起きないんだ。最近、と言うか少し前から起きるかもしれないと言われてたんだけど候補者と思われる人が死んで起きてないみたいなんだ。数人ほどね。」
沙良も道の言う通りだが本音を言うと微妙だと言う表情で返し、わたしは不謹慎とはどういう意味かと言う表情の中で、道は理由を教えてくれた。
「それに関係すると思われる人間の縁結びも成功してるの。わたしもその1人だったことも探せば出てくるいいことの1つ。」
悪いことを探しは止めようと言うように沙良が言った。
「湯川グループとの衝突も避けられたと思ってたけど、でも、これだと楽観視はできないはね―――」
「多くは僕の、いえ、これからは神宮寺家の管轄になります。イザナギノタタカイに関与がない以上は情報提供をふくめ神野家にこれ以上の迷惑はかけられません。」
言う通りに沙良はだけどと言うように続ける中で、道は問題は本当は多く残っているが、建前として心配は不要ですと言うように返した。
話し方が普段と違い真面目な印象で、普段のわたしたちと接する道でなく、神宮寺家の人間としての道として話しているようだった。
「―――やっぱり憂さんの息子なのね?」
「―――――」
「ごめんなさいね? わたしは生きた彼女を知ってるから。どうしても思い出しちゃって―――」
神宮寺家の人間としての礼を言うよりも、本当に感謝していますこれ以上はと言う表情の道に対し、沙良は優しく微笑んで言い、道がそう言えばと言う表情をする中で沙良は言う通りに申し訳ないと言うようにあやまった。
「―――身体も弱いのに飛び回って、怪我して、たすけてくれて―――」
「父からも、聞いています―――」
「戦う時もだけどいつも意気込んでもいた。わたしの代で終わらせるんだって言って。それが無理なら半分以下に減らしてやるって言ってた。そう言って3分の1以下に減らしたけどね?」
あやまる中で沙良は話しを続け、道もそうなんですかと言うように返す中で、沙良は本当に憂こと、道の母親がすごい人だと話していた。
「あっという間に死んじゃって―――」
「母は、幸せだったんでしょうか?」
「わからない。だけど、一生懸命に生きていた。わたしはそう思う気がする。」
思い出してみればと言うように沙良が言うと、道も少し暗い話で、わたしを一瞬見た後、どうしても聞いて見たいと言うように聞くと、沙良は軽く首を左右に振るとどちらとも言えないと言うように返した。
「ごめんさないね? 暗い話をして? 彼方ちゃん?」
「いえ―――」
「とにかく、こちらも協力は惜しまないからね? 遠慮しないで? 憂さんにも頼まれたから。それに見過ごせないから。」
雰囲気的に相性が悪い話ではないと内心少し思ったが、沙良は少しでも明るい話が欲しい時に悪いことを言ったと言うようにあやまった。
名前を確認するような聞き方で、わたしはそれであっていますし気にしないでくださいと言うように返す中で沙良は道に遠慮しなくていいと言うように続けた。
「―――そうだ。お客様が来たのにお茶も出さないで?」
「あ、いえ―――」
「いいお菓子もらったの。茶請けにして? 遠慮しないで? 神宮寺家の人間をもてなさないで帰ったらおじいちゃんたちに怒られる。」
家庭と言うか、関係を踏まえるとわたしは部外者としての色合いがまだ一応強く、文句なんて言えないと思っていると沙良は言ったことにあわせ、そう言えばわたしったらいけないと言うように言いながら立ち上がった。
言ったことを聞いた道はすぐに帰ります遠慮なさらずと言うようなことを言おうとしたのだと思うが、沙良は少し強引にと言うか、良心が痛むからそこにいて待っていてと言うように背を向けた。
「楓もいないし家が回らないはね―――」
背を向け部屋を出ていく中で沙良はわたしたちのことではないが、こんな時にと言うように言って少し早歩きだと思われる足音が遠ざかっていった。
「―――道―――」
「母さんと、先代と一緒に僕たちの仕事をしていたことがある人なんだ。」
言いだすと強引なんだよなと言うように見ている道に対し、大丈夫かと呼ぶと、道は改めてと言うようにわたしに沙良のことを説明した。
一緒に来てほしいと言った時もだが、道は母を先代と言い直し、親としての神宮寺憂ではなく、一族の代表の憂としてみようとしているみたいだった。
「それとさっき小声で言った楓さんは枝葉さんと同じで神野家を守る忍者の家系の人。そうは言っても、さっき言った大谷の人間で腕はあるみたいなんだけど、放浪癖があるみたいで実家の方もだけどあまり家にいないんだ。枝葉さん以上の性格でね―――」
「ああなるほど?」
「それでわかってもらえるから問題だよ。」
説明が続き、わたしも納得と言うように返すと、道も納得しないでよと言うように返した。
「だけど、忍者か。そう言えばバランサーの人たちもそんな感じの人たちなのか―――、な?」
「―――沙良さん?」
音が少し遠いが沙良の足音も聞こえ、戻って来たなと半場思う中で、思い出してみればと言うようにわたしが道に聞こうとする中で、廊下の方で何かが落ちる音が聞え、道もだが音の方に眼を向け道は沙良を呼んだ。
「―――バランサー? バランサーって言った?」
音の方向に眼を向けると蒼白とまでは言えないがそれはと言う表情のお茶やお菓子を乗せたと思われるおぼんを持った沙良がたっていて、沙良はそれはと言うように聞く中で、おぼんを床に置いた。
「沙良さん? どうかしたんですか?」
「バランサーって言ったんでしょ? そうでしょ? 間違いないでしょう?」
床に置く中で床に落としたと思われる1つをひろい直し、身体の横に置いている中で道が聞くと、沙良は本当にそれで間違いないかと言うように真剣に聞いてきた。
「―――時効って? そう言う意味なの?」
「時効?」
聞く中で沙良は思い出してみればと言うように言い、わたしもだが意味の解らない発言だったが、沙良の反応や表情、物言いは紛れもなくわたしの言ったバランサーについて、何かの情報を持っているのは明確だった。
「忘れもしない。20年以上前、いえ、1999年の春も近いころ―――」
「全盛期だったころ。ですね?」
「ええ、そうよ。」
思い出すと言うよりも、沙良は本気で忘れていないと言うか、昨日のことだと言うように話し始め、道が確認すると沙良はそれで間違いないと言うように返した。
「当時、海外まで遠征していたことは知ってる?」
「一応は知っています。」
話す必要があるが順序があるあわててはダメだ歳の違いと言ったほかの問題もあると言うように沙良は少し慌てた様子で続け、道は言う通りに一応理解していると言うように返した。
「―――アメリカで、見たの―――」
「―――アメリカ?」
「いえ? そう言われていたと言うべき?」
順序を追ってと言うように沙良は続け、道がそんな国でと聞き返す中で、沙良は待ってと自問自答するように言い、眼を反らし少し考え始めた。
「―――とにかく、まず最初に、わたしたちはアメリカにいってたの、都合でね? その時―――」
「沙良さんその時―――」
「11よ。あなたたちよりも若かった。だけど人材は使うだけ使っててわたしよりも小さい子はいた。当時は全盛期で勢いがあったからね。」
旅行なんてきやすいものではないと言うように沙良は話し、道がそれならと言うように聞くが、沙良はそんな悠長なことはないと言うように話した。
「憂さんなんて十分大人だった。あの時の憂さんよりも10以上も歳をとったけど、わたしはまだ子供のままな感じだけど憂さんは十分立派だった。」
「―――」
「だけど、そのせいか勝手な行動も多かった。発端はそれだった。」
あなたの母親もと言うように沙良は続け、道が聞いている中でそれが言う通りの発端と言うか、問題だったと言うように続けた。
「発端?」
「―――――」
「沙良さん―――」
発端とはどういう意味かと道が聞くと、沙良は話していいか少し考えると言うか、心配するような表情を見せて眼を反らし道が言わないと始まらないと言うように沙良を呼んだ。
「アメリカに到着して2週間近くの時、わたしたちは目的地に向かって進んでいたけどアメリカは広くて、途中途中で車で寝たり安宿に泊まっていたの。それである日憂さんが権限を発動させて遠回りして少しいいホテルに泊まることになったの。」
「―――」
「みんなよろこんでた。長旅で全員心身ともに疲れ切っていたし、耐えかねていた。憂さんは立場が上だったから後で問題が出ると言う意見も通った。食事も食べるだけ食べて、お風呂に入って身体をきれいにしたりして後は寝るだけだったの。」
沙良はごめんなさいとあやまるように話しを続け、過去のことを話し始めた。
「快適そのもので全員死ぬように寝静まった夜。わたしは眼が覚めた。眠れなかったの。逆に厳しい生活になれてね? それに、奇妙な感覚があって、わたしはいつの間にか着替えて部屋の外に出ていた。」
「そこで?」
「いえ、憂さんにあったの。」
辛い一時だったと振り返るように続け、道が言う通りにそこでと言うように聞くが、沙良は半分否定し、半分肯定する答えを返した。
「寒い夜のホテルを1人で歩いていて憂さんを見たらすぐに気付かれた。『あなたには気づかれると思った。』て言われたのを覚えている。彼女は本筋とは関係ない仕事をみんなに黙ってしようと出かけようとしていたみたいだった。」
「母がそう言ったことをしていたことは曾祖母からよく聞いています。」
「『みのがしてくれない?』って聞かれてわたしはそれで『一緒に行く、いや、いきます。』と言ったの。憂さんは権限もあったけど勝手な行動も多くて監視していろと言われた部分もあったけど、本音を言うと心配で手伝いたかったの。」
沙良は話しを続け、道が申し訳ないと言うように返す中で沙良は気にしなくても言いからと言うように返した。
「幼い子たちは憂さんを信頼していた。悪いことだと言われつつも役に立ちたいのが本音でついて行ったんだけど、そこからが―――、いえ、同業者にあったと言うべきね?」
「同業者?」
「まず最初に、憂さんと一緒に目的地に到着すると、わたしたちが見たのは見たこともない怪物だった。たとえると、白い人間の彫刻が動いているみたいな姿をして、それに囲まれている男の人がいたの。」
沙良の言う通り、憂を本気で信頼していたと言う物言いだったが、ここからがどうしてもと言う物言いで、道が聞く中で、沙良は何にしてもと言うように話しを続けた。
「―――どうしたの?」
「いえ? 続けてください? 後で話します。」
続く中で白い人間の彫刻と言い、わたしと道はもしかして白化した人間かと言うように顔をあわせ、沙良が心当たりがあるのかと聞くが、道はありますがとりあえずは続けてくださいと言うように返した。
「わたしたちはそれをたすけたけど―――、眼が光ってたの―――」
「眼?!」
「青白く、と言うべきね? 自然な光じゃなかった。LEDみたいでまわりが照らせるんじゃないかってほどだった。」
考えるまでもないことだけどと言うように沙良は続けたがその後が変だと言うように言い、わたしと道がそれはもしかしてと言うように聞くと、沙良はそのまさかな答えを返した。
「―――彼方? できる?」
「う? うん? 少しだけなら―――」
「?」
言われたなら見せるしかないよねと言うように道は聞き、わたしは一応はと言うように返し、沙良がどういう事かと反応する中で、わたしは力を発動させた。
完全や十分とまでは言えないが、あの日以来わたしは一応加減と言うか、調節がある程度できるようになり、前みたいな暴走も無理な使い方をしなければ起きないとも理解し、理解されていた。
「―――そうよ。こんな感じの光だった―――」
眼が発光するのを確認するために手で眼を覆い隠し、手に光が灯るのを確認して手を離し、青白く光っていると思われるわたしの両目を見た沙良は、そうだこれにほかならないと言うように言った。
20年以上も前の話をしているが、沙良は絶対にこれは忘れないと言う表情でもあったが、わたしはと言えば確認ができたならと言うように力を抜いた。
発光が止まったのかわからないが、沙良は話しを続けた。
「その後、残った怪物を彼が倒した後―――」
「沙良さん?」
「ごめんなさい。昨日のことのように覚えているけど、わからないことが多すぎて―――」
細かい理屈は無視して続けると言うように沙良は言ったが、不意に考えるような表情を見せ、わたしが悪いもの見せたかな大丈夫ですかと言うように聞くと、一応は問題ないと言うように返した。
「その後、彼らに保護されたの―――」
「保護? 彼ら?」
「見られたくないものを見られたのは彼らも同じだったみたいで連れ帰られたの、それにほかにも仲間はいたの。同じ日本人の人と、黒い服に赤い眼をした―――、いえ、あれは防毒マスク?」
沙良は話すが言う通りにわからないことが多すぎると言う表情で、道がなんて言いましたと聞く中で沙良はそう言えばと言うように言った。
「それよりも―――、聖那さんに会ったことも衝撃だった。」
「聖那? 折原聖那さんですか?」
「そうか? 校長先生だったけ?」
聞けば聞くほどで、黒い服を着て防毒マスクを着た人間と、気になることを言ったが、これ以上話をさえぎられる雰囲気ではなく、沙良がこれもと言うように言うと道がそれはと言うように聞き、沙良もそう言えばと言うように返した。
真矢と桃子がわたしが眠っていた時に校長先生が彼らの仲間だと話したと言うのを聞いていたが、関係性が再び出て来たとも言えた。
「クライアント。彼は、山中さんと呼ばれていた人は聖那さんをそう言ったの。さっき言った人はリードさんって呼ばれてた。」
「―――――」
「憂さんが話を進めて、お互いに表に出さないと言うことで、和解したのを覚えてる。だけど送り届けられた場所で養生さんが、枝葉さんのお父さんがそれを許す気配がなかったの。その時に―――」
長くなるから少しでも短くしようと言う言い方で沙良は続け、わたしたちが聞いている中で、ここであらわれたと言うように最後の部分を途中で止めた。
「そう。その時、確かに、『バランサー』と呼ばれた人があらわれた―――」
「―――呼ばれた?」
「さっき言った山中さんって人がそう呼んでたの。それとさっき言った時効って言うのは彼が、バランサーが言ったの。口外無用だけど時効がある。20年ほど、いやぐらいだってね。」
止めて、道が言いかける中で沙良はわたしが言わないと話が進まないと言うように言い、道が聞く中で、沙良は先ほど言った理由もまとめて説明した。
「そう言えば少し前に閲覧許可は一部だけだったのに関係者全員に許可が出た古い記録がありましたよね?」
「そのまさかでそれよ。半場脅された部分があって本気で怖くて隠していたの。それに彼は養生さんの名前を知っていた。わたしたちのことを知ってた。半信半疑だけど従うしかなかった。だけどこんな―――」
沙良の話を聞き、道は思い出してみればと言うように聞き、沙良はその通りと言うように返したが、それがこの現状に結びつくとは思わなかったと言うような表情をして言った。
「―――敵でも味方でもない、正義でも悪でもない―――」
「彼方?」
「そうよ? そんなこと言っていた! でもどうして知ってるの?!」
思い出してみればと言うようにわたしも彼らの口まねを始め、道がこんな時にと言う反応をしたが、沙良はそれだと言うように反応した。
「道、そう言えばあの人名前名のってたよね? なんだっけ?」
「―――あ、荒木、荒木勇だ。」
「―――――」
沙良がどうしてそんなと言う反応の中でわたしは思い出してみればと言うように聞くと動は思い出してみればと言うように言うと、沙良は信じられないと言う表情をしていた。
「その人も荒木って呼ばれていたんですか?」
「―――名乗らなかったけど、確かにそう呼ばれていた気が―――」
考えるまでもなくさすがにこれはないですよねと言うように道は聞いたが、沙良は間違いないと言うように返した。
「―――どんな人でした?」
「わたしぐらいで、なんか軽い雰囲気の男の人だった。ホストみたいな―――」
「僕たちが見たのもそんな感じの男の人でした。」
名前の次は特徴を聞けばこれは違うだろうとも言う表情の道に対し、沙良は忘れもしないと言うように答え、道も同じですと言うように返した。
「コードネーム? それとも世襲制? 整形手術?」
「コードネーム?」
「あだ名みたいなものだよ。別命とも言うけど、またの名をとか言うだろう? そう言ったものだよ。」
話しを踏まえてみればと言うように道は言い、わたしは意味が解らないと言うように聞くと、道は簡単に説明してくれた。
「本名じゃないってこと? 偽名とか言うあれ?」
「―――それが正しいね。いや、かもしれないとも言うべきかも。同業者とも言ったことを考えると、世襲制、後継ぎ性で息子とか孫、それとか整形手術で顔を似せてふるまいを真似ているのかも―――」
「―――怖いよ。道―――」
説明を聞き、わたしがこれかなと言うように聞くと、それだと言うように返したが、待てよこれも考えられると言い始め、わたしはさすがにそれはやり過ぎと言うか、考え過ぎだと思うと言うように返した。
「別段奇妙な話じゃないよ。怖くもない。歴史の中でこう言ったことはたくさんある。影武者ってのはそう言ったものなんだ。影武者の後継ぎ―――?」
「影武者の後継ぎ―――?」
返すも道は言う通りに事実の可能性は高いと返すと考え始め、わたしはと言えば言ったことをそれは本当なのかと言うように返すしかなかった。
「そうよ。それに関係するかわからないけど奇妙と言うか、偶然の一致で片付けるには奇妙なことがあったの。」
「奇妙なこと?」
「イザナギノタタカイの候補者に山中さんにそっくりな人がいたの。あ? そうだ遠慮しないで飲んで食べて?」
わたしもそれが本当ならと言うように考え出す中で沙良がそう言えばと言うように言い、道がどういう意味かと聞くと、沙良は眼を反らし、これは本当に奇妙だったと言うように返し、持ってきていたお茶やお菓子も忘れていたと言うように勧めた。
「いえ、そのものと言うべき、名前も同じ。だけど年齢が一致しないの。あの時わたしぐらいだったから4、50代にはなってる。だけど彼はわたしと同じほどと言うか、1歳年下だった。メモリーの中にあるから後で眼を通してみて?」
「はい、だけど僕の推測もあながち間違いではない可能性がある?」
「わたしたちもそれを踏まえて調べたけど、その人はそんなものとは縁もゆかりもなかった。血縁者も少なくて似たような容姿が少ない以前に父親とも似ていなかった。それと女性が多い家系で、同一人物と思える人間がいなかった。」
わたしはと言えば勧められた建前として飲む中で聞くと矛盾すると言うように沙良がいい、道は僕の仮説はと言うように聞くと沙良はそれも肯定できないと言うように返した。
「結局瓜二つの偶然の一致、同姓同名で無理やり片付けたんだけど―――」
「否定できない部分があるんですね?」
「彼の経歴がね。自衛隊員をやっていたみたいなんだけど。その同僚に荒木勇って男性がいたの。その人も同様だった。」
沙良は納得できないと言うように続け、道が聞くと沙良はその通りと言うように返し、わたしはおどろいて飲んでいる途中のお茶を吹きだした。
「彼方? 大丈夫?」
「う、うん―――」
「そんなわけないって言うのが普通よね? 彼方ちゃんの反応が当然よね?」
せき込む中で道が心配し、わたしは一応と言うように返す中で沙良はうそのようだけど本当だと言うように返した。
「それと、ここからはこじつけかもしれないんだけど、荒木勇はイザナギノタタカイの候補者の1人の湯川グループの令嬢と遠縁の親戚の関係にあるの。」
「偶然の一致にしては確かに奇妙すぎますね? だけど―――」
「山中一輝は5年ほど前に死んでいる。死人に口なしとは言ったものね? 荒木勇は生きているけど、一応は関係者として潔白は調べるまでもなく証明された。」
違っていて欲しいと考える部分もあると言うように沙良は少し眼を反らして続け、道がそれなら本人に聞いて見ればと言うように続けるが、それは無理と言うように返した。
「でもある意味調度よかったの。不謹慎だけど、暫定勝利者だったの。道くんならわかるでしょう?」
「試合のシード選手みたいなの。ま、だけどどちらかと言えばひいきとか優遇、差別と言う方が正しいかな?」
子供の前で言う話ではないけどと言うように沙良は続ける中でわからない言葉が出てきたが、道は簡単にだが説明してくれた。
差別と言う言い方が特殊で下として扱うのではなく上として扱うと言う意図が読み取れた。
「まあ、だけど生きていたとしても、その荒木さんの血縁の人脈を利用して同じ暫定勝利者の湯川家の令嬢と縁結びをさせたかもしれないけどね?」
「湯川家に候補者が? それも暫定? 生きているんですか?」
「あの家はそう言った研究をしていたからね。」
説明している道を待つように話さなかった沙良は先ほどの不謹慎発言を一応は撤回できると言うように言うと道はそれはと言うように聞く中で沙良は間違いないと言うように返した。
「だけどイザナギノタタカイの使徒が血縁から生み出されないと言う仮説は本物見たい。その人は実質上湯川家とは遠縁な上ハーフ、厳密には半分日本人だけどアメリカ人とロシア人の血が混じっているらしいの。湯川と言うのは姓だけみたいなの。」
「それって―――」
「研究は大失敗ってこと。それに八千代さん総一郎さんもわたしたちとの衝突は望んでないしある意味一安心したって言ってた。」
間違いないと言う表情だったが、沙良は残念なことにと言うように続け、道がそれが正しいならと言うように聞くと、沙良はそのまさかだと言うように返した。
「研究?」
「湯川グループは大手企業だけど、裏向きはイザナギノタタカイの管理や研究をしている組織なんだ。沙良さんの言った八千代さんと総一郎さんはその会社の会長と言うか、夫婦で、偉い人だよ。」
「さっきの山中さんの死に感謝するしかないは。それにかなり天真爛漫で元気全開なじゃじゃ馬娘な人らしくって結婚なんて考えてないみたいらしいしね。全然。」
意味が解らず聞く中で道に説明され、沙良はよくも悪く言えないことが起きていると言うように言った。
「それと、あの日の一件のことで1年ほどして聖那さん帰って来て憂さんとなにか話したらしいんだけど―――」
「何を話したかわからない。ですね? と言うか言ってもらえなかった。」
「―――うん。そう。」
後言い残したことはないかと言うように少し眼を反らすと沙良は最後に一応これもと言うように言いかけるが、途中でこれは言っても意味ないかと止めかけると道は結論としてはと言うように聞き、沙良はそれで間違いないと言うように返した。
役に立つ情報をあまり提供できなくて申し訳ないと言う表情の沙良に対し、道はと言えば気にしないでくださいと言う表情をしていた。
わたしもわからないことが多いで、2人の方が知っていることが多いで、沙良が眼を向けてきた中で、とても役に立ちましたありがとうございますと言うように頭を軽く下げた。
片づけられない女と言うのが小さい時テレビなどでよく紹介され、わたし鈴の母も似たような部分があるなと思っていたが、住所の情報頼りと遥香に案内されて到着した雪乃の部屋は母以上で完璧に片づけられていない女の部屋だと思った。
部屋に入ると床に本や紙、文房具以外にも数多くの家の置物がよく言えば置かれていて、悪く言うと放置されて散らかっていた。
わたしが真矢と桃子と顔をあわせこれはと言う表情の中で遥香はと言えば見慣れた光景のようで気にすることなく靴を脱いで上がりこんだ。
「雪乃ー、いるんでしょーっ!?」
「遥香ちゃん。靴―――」
上がり込むと家主はどこだと言うように遥香は呼ぶが返事はなく、わたしはと言えば脱いだと言うよりも脱ぎ捨て揃えられていない遥香の靴をそろえながら注意するが遥香はと言えば聞いていない雰囲気だった。
「きったない部屋ねーっ? わたし以上じゃない!?」
「足の踏み場もないってこう言うのを言うのね―――?」
靴を脱ぎながらこれはと言うように言ったのは真矢で、ここまで来たら言っても文句も言っても意味がなさそうねと言うように桃子は返す中で家の中から足音らしき音が聞えた。
「遥香―っ!」
「わ!? ちょっ!? 雪乃!?」
「お願い! たすけて!? 一生のお願いー!?」
聞こえたかと思うと雪乃が姿をあらわすと勢いよく遥香に抱き付き、遥香がこんな時に何してんの離してと言いかける中で、雪乃は半塲泣きつくように言った。
泣きつきたすけてとは言ったが、別段身構えるようなことは起きているようには見えないと言うか、別の意味で危険な光景が広がっていて、この家でこれから話し合うのかとわたしは不安に思った。
学校が終わったわたし伊那と理沙は携帯で彼方たちの試験が終わったと言う連絡を確認し、安心感とも緊張感が解けたとも言えない複雑な心境だった。
地球が崩壊するほどの一大事の後に来たのは超現実的な出来事で、彼方たちはと言えば試験に集中するで、わたしたちも普段通りに行動するしかなく、カークも手が出せない状況で、緊張の糸が伸び切った状態に近かった。
携帯も買ってもらい、使い始めでなれないことはあるが、友達づきあいも広がり、遊びの範囲も広まったが、ここしばらくの間は心の奥底では本気では楽しんでもいられなかった。
「ナビ? だっけ? これを起動して―――?」
「そう、カークさんが教えてくれたから間違いないよね?」
楽しみではないが待っていたと言っても過言ではなく、雪乃のアパートに行き話し合うと連絡され、住所などを教えられ、理沙が携帯のアプリを起動し、わたしは間違いないと言うように返した。
「―――後はカークさんと一度合流して―――!?」
「―――ぇ?」
カークは携帯の使用法を言葉通り以上に本気で懇切丁寧にわかりやすく教えてくれ、これが無かったら能力頼りになりいくのが大変だったねと理沙に言おうと思う中で、不意におなかに何かが勢いよく通り過ぎた気がした。
気のせいかと思う中でわたしと理沙の身体が宙に舞っていると言うか、だれかに抱きかかえられていて、理沙はと言えばわたしではないと言う顔で、わたしも力を使った覚えもないと言うか、かなりの高速で進んでいてわたしたちは言葉を失った。
カークではないことは明確で、彼ならこれほど強引なことをすることはなく、急降下や急上昇、高速移動を繰り返し、わたしたちはと言えば反抗や反論の余地がなかった。
結局わからないことが増えるだけで、無駄足を踏んだとも言え、何もないよりかはましで一部の可能性は違うと否定できる答えを出せるが、求めている答えには到達できず、いつまで続ければいいのかわからず、僕道は困っていると言うしかなかった。
神野の家を出た僕道と彼方は次に真矢たちと合流すると言うか、雪乃のアパートに向かって歩いているのだが、彼方はと言えば先ほどの話を頭で整理しているような表情をしていた。
当然の心理で、彼方にとってはイザナギノタタカイも聞いたばかりで疑いの眼を向けていると言う表情で、僕はと言えば不用意に何か言えば沙良たちへ誤解も与えると思い何も言えなかった。
「―――道、それわたしにも、と言うかわたしたちにもコピーくれる? 後で?」
「?」
眼を反らし、これも期待できないなと言うように沙良から受け取ったメモリーを手に握り見ていたのだが、彼方はお願いと言うように言ってきた。
「わたしたちが見ても役には立たないと思うけど、さっきの話みたいなこと少しでも理解していれば、何かわかった時役に立つと思うから。」
「あ、ああ、そうだね?」
言われて見ればで、真矢や桃子、それに鈴や遥香、それに雪乃にも見せておいた方がいいで、僕は彼方に言われる中でそう言えばと言うように返していた。
「インターネットとかで配信するわけにはいかないからね。」
「―――彼方の方がそう言うことがわかってるからいいね―――」
言われて見ればで、最近はインターネットとかでこう言った情報を出せるが、情報漏洩とかの危険もあるで出せない情報で、僕は言われる中でたすかると言うように返すしかなかった。
「真矢ちゃんだったら即シェアしようとか言いだすと思うけど、これはダメだよね。」
「―――――」
「信じる人もいるかと言うのも疑問になるけど―――――」
彼方の言ったシェアと言う言葉は一応聞いて意味を大体理解しているつもりだが、彼方とは認識が違うと思うが危険なことは確かで僕がそうだよねと言う反応の中で彼方はだけどと言うように考え出した。
「ねえ? そこのあなたたち?」
「?」
「ここら辺詳しい? これどこらへんかわかる? ここらへんにいると思うんだけどよくわかんなくって? さっきから同じとこぐるぐる回っちゃってて―――」
聞いて見ればで、確かにインターネットで世界中に情報を出しても本当に信じる人間がいるか疑問で、僕も少し考える中で不意に歩く先からだれかを呼ぶような声が聞こえ、顔を向けると少し年配の女性が走り寄って来た。
僕たちのなんでしょうかと言う声や意見も聞かずに不意に手に持っていた携帯の画面を僕たちに見せ、画面を見て見ると地図のような物が映し出されていた。
不意に話しかけてきた女性は、非常に軽い足取りで、手に持っていた携帯の画面には地図と言うか、ナヴィゲーション用のアプリが起動され、ここらへんだと思われる地図の上に現在地点と目的地が表示されていた。
表示されている情報が正しければ歩いて2、30分もなく、見る限り簡単な道筋だが、女性はと言えば複雑な迷路の中を歩き回っていると言うような表情をしていた。
表情よりもわたし彼方はこの女性が微妙にだれかに似ている気がするが、それは置いて道を聞いているのだから答えないといけないなと思い、地図を見直した。
「―――あの建物ですよね? いきたいのは?」
「そうよ? これ見ていってんだけど行き止まりだったり回り道で全っ然進めないのよ―――」
わたしはと言えば少し考え、目的だと思う場所と言うか、わたしたちから見て右横の少し遠い建物を指さす中で女性はと言えばそれであっているが、どうしてだと言うような反応と表情をしていた。
「遠回りになると思いますけど一度大通りに出て―――」
「涼さん! なにしてるんですか!? 勝手に進んでもー?」
歩いてみると道と言うのは意外と行き止まりが多く、わかりにくく、携帯電話のようなナヴィゲーションも当てにならないで、迷うことは時折ある。
わたしは母こと聖歌に同じようにつき合わされると言うか、感を頼りに歩き回られ、同行しかなり被害にあった過去があり、長くなりそうだなと思い話す中で不意に女性の後ろからだれかを呼ぶ声が聞こえ、女性が振り返った。
「桔梗さん―――」
「庭みたいな物とか言って、迷いまくってるじゃないですか!? それにこんな小さい子たちから道まで聞いて―――?」
「?」
呼ぶ声の通りで女性は涼と言う名前のようで呼んだ女性がこちらに向かって走ってくる中で涼が女性の名を呼ぶと桔梗と呼ばれた女性は困りますと言う上余計なことをするなと言うように続ける中で不意にわたしたちを見て少しおどろいた表情をしていた。
「―――桔梗さん?」
「え?」
わたしは何かあるのかと思い桔梗に眼を向け、涼もどうしたのよと言う反応の中で口を開いたのは道で、わたしは道に眼を向けていた。
「まさか―――、道くん? 神宮寺の? うっそ? こんなに大きくなって!?」
「桔梗さん? 知り合い?」
「知り合いも何も―――」
桔梗はと言えば信じられないと言う反応で涼はもしかしてと言うように聞くと、桔梗はそうだけどどうしてここにと言うような受け答えだった。
「道? 知り合い?」
「枝葉さんの従姉。アメリカにいるって聞いてたけど―――? そう言えばさっき―――?」
「あ? そう言えば沙良さんが―――」
事情を一番理解できているのは道だと思いわたしが質問する中で道も何でこの人がここにと言う反応で、わたしも言われて見れば先ほどあった沙良が道との会話の中で同じ名前を言っていたようなことを思い出した。
「―――あ? 盛生さんには黙っておきますよ? 景秋さんにもよくしてもらってますからね。」
「あ、ならよかった―――」
桔梗はと言えばまずいことになったと言う表情だったが道が慌てなくていいですと言うように言うと桔梗はそれならよかったと言うように大きく一息を吐きだした。
聞き覚えのない名前を道は口にしたが、会話の内容を踏まえると桔梗にとってここにいることを知られたくない人間だと言うことは明確に見えた。
「枝葉って前電話してた?」
「あ、はい。それとこの子は本家の―――」
「―――」
涼は聞いて見ればと言うように聞くと桔梗はそれで間違いないですと言うように返す中で涼はそうなのと言うように道に眼を向けた。
「女の子まで連れちゃって? デート?」
「―――違います」
「―――学校帰りです。単なる。帰り道が一緒なだけで―――」
眼を向けると涼は大人特有のからかうような言い方で聞き、道が否定し、わたしも同様に返すが、涼はと言えば本当にそうなのかと言う表情をしていた。
「いきますよ!?」
「え? ちょっと? 桔梗さ―――?」
「じゃあお願いね? 道くん。」
不意に桔梗が涼の腕をひくと言うが、強引に引いていき、涼が待ってと言うように返す中で桔梗は言った通りに頼むと言うように言って去っていった。
涼はと言えば少しぐらいと言うような表情で、桔梗はその少しぐらいが信用できないと言うように涼をひっぱっていき、わたしと道はと言えば、どう言っていいかもわからず、眼を向けると道もわたしの方を見ていた。
道は沙良のことと言いごめんと言う顔をしていて、わたしはそんなことないよ気にしないでと言う表情をするしかなかった。
事情を説明されたわたし遥香と言うか、雪乃のアパートの部屋に来たわたしたちはと言えば、わたしに泣きついてきた雪乃に事情を聞きながらでもあったが、部屋の片づけを手伝わされると言うか、手伝っていた。
片づけるとは言うが、多くが本や文房具、日用品などで、捨てるようなゴミが存在せず、言葉通りの片づけをすることになっているが、普通ではない量で、わたしたち全員手を焼いていていた。
雪乃はと言えば昨日と言うか、このしばらくの間仕事から帰れば寝る時間を削って必死に掃除していたが、片付かず、疲労も頂点ですぐにでも寝たいと言うようにベッドの上で抱き枕を抱いていた。
「それで、あの時の『っげ?!』の理由である叔母さんが泊まりに来るのね?」
「―――うん。」
「家賃やら光熱費やら食費も出すからってこんな部屋に知って来るなんて―――」
片づけるとは言うが、やって来たわたしたちのためではなく、雪乃の話によれば、近くと言うか、もう後数時間に迫っているらしいが海外で暮らしている叔母が泊まる場所を探すのが面倒だから止めて欲しいそうで、そのために片づけをしているそうだった。
再確認するようにわたしが聞くと雪乃は間違いないと言うか本気でどうしようと言うように返す中で言う通りに本気でそうならどうかしてると思った。
「彼方たちにあまり急いでこなくていいって言わないとね?」
「そうだね? あ、雪乃さん。このブラジャー捨てていいですよね? 黄ばんでますよ?」
「それもともとそう言う色なの。そこにおいてるのは洗濯するやつ。大体。」
人を招き入れるなんてできない部屋で、真矢は片付けながら携帯で彼方たちにメールを送り、鈴も同意する中で言う通りの黄ばんだブラをひろったが、雪乃はそれはゴミではないと普通に言った。
「どーりでここら辺微妙に変な匂いすると思った!?」
「ごめん、多分5日か6日、いや、10日ぐらい洗ってない。」
「雪乃さん。思い切って捨てましょう。鈴ちゃん、手洗って来なさい? 一応?」
雪乃の言ったことに反応したのは真矢で、それが原因かと言うように言う中で、雪乃はそうだけどそれほど気にするほどでもないと思うと言うようにとんでもないことを言うと、凜が鈴からブラを取り上げ、大きなゴミ袋の中に入れた。
「人ごみみたいに言わないでよ?! 生ごみ?! 服だって毎日新しいの着てる!? お風呂も入ってる!? 鈴ちゃんも洗いに行かないでよ!?」
「手袋とゴーグル、アルコールが必要ね?」
「桃子ちゃん、それはやりすぎ。」
雪乃が反論する中で鈴は少し自分の手を見た後洗いにいき、桃子はと言えば本格的にやらないといけないと言うように続けるも結菜に止められた。
足の踏み場は必要最低限以下で、雪乃の部屋に案内したわたしは連れてくるべきではなかったなとも考えながらも、思い切って片づけた方がいいとも考えていたで、話し合う時間が無くなりはするがこれからのことも考え一応は仕方ないと考えていた。
考えてはいるが問題はと言えば雪乃で、片付けや掃除をしないわけではないが、あれこれ聞くと大半は必要だと言い、始めて後少しで1時間ほどだが、片付く気配はなかった。
「―――というかそもそも、部屋の掃除に来たんじゃないです!」
「―――――」
「雪乃さん!?」
片づけを続ける中で真矢がこれは違うと言うように言うが、雪乃はそれを言われたらと言うように眼を反らし、真矢が呼ぶが、雪乃はと言えば余計に眼を反らすだけだった。
真矢の言うことは確かに真実だが、このままでは普通に話し合うこともできないで、後から彼方たちが来れば余計に話が進まないと言うか、片づけて終わりになりそうで、わたしは気が重いと思った。
鈴はと言えば手を洗い終える中で凜と真矢に眼を向けた後、わたしに眼を向けるが、わたしはと言えば言葉が見つからないで、眼を反らした片づけを再開した。
表向きにも裏向きにも課題は多く存在し、両立はむずかしいと考えるのは僕道だけでなく彼方も同様だと思うが、思いがけないことと言うのはどんな時でも必ず起きるもので、去っていった桔梗のことを少し考えていた。
彼方に簡単に説明した通りで、桔梗は枝葉の父養生の兄、盛生の子で、彼方も聞いてわかっていると思うが家庭的な事情を抱えている。
事情は知っているが口出しする身分ではなく、養生の父こと、枝葉の祖父景秋にも味方を頼まれているで、だれかに即座に言うのは得策ではないと思った。
「だから、自衛隊入って、海外いこうとして景秋さんに、枝葉さんのおじいちゃんに波紋されたんだ。そうは言っても表向き、それで盛生さんとケンカ中なんだ。盛生さんも長男だけどそれを理由に養生さんが選ばれちゃって―――」
「あれ以来道と枝葉さんの家の話聞くことあるけど、ホントに複雑だね? 道も大変だよね? こんなことになって―――」
「ありがとね? だけど昔枝葉さんが母さんが生きていた時ほどじゃないって言うから我慢しないといけないって思ってるよ。」
得策ではないが、これからのことも踏まえ一応にと言うように彼方にだけ簡単に説明すると彼方はと言えば知らないことが多すぎるねと言うように返し、僕も彼方が気にするほどではないよと言うように返した。
「―――とにかく、リューも連れていかないとね?」
「うん。ただいま。あ? ここで待ってて? すぐ連れてくるから?」
僕の問題は自分自身で片付ける必要があるで、彼方たちの問題は僕たちが少しでも役に立てるように動く必要があるで、僕たちは一度彼方の家に来ていた。
玄関の前で言った通りでリューを連れに来たで、彼方は鍵を開けながら一緒に来なくても大丈夫だからと言うように言ってドアを開けて家の中に入って行った。
試験も終わり、長期休暇と言うか、夏休みも近いが、これからのことを考えるとそれで時間がつぶれるだろうなと思った。
僕はと言えば家の関係で少し慣れているつもりだが、彼方たちにとっては忙しい夏になりそうだなと思った。
道はわたし彼方たちに手を貸してくれてはいるが、わからないと言うことは多いで、わたしたちもできうる限りの行動はとるべきだとも思っていたが、わたしだけではないが、だれかの助力なしの行動をして解決は困難だと言えた。
真矢の言う通りで夏休みが終わるまでに解決できればいいが、道たちの助力が存在するとしても到底不可能な話なのは考えるまでもなくわかっていた。
わかってはいるが、何もしないままでは解決にならず、問題の1つであるリューを連れていくためにわたしは部屋に入った。
「リュー、ただいま?」
(―――あ、おかえり―――)
「―――どうしたの?」
部屋に入り呼びかけると普段ならば元気よく飛び込んでくるが、普段と違いリューは焦燥と言う言葉が似合いそうなほどに落ち着いたと言うか、沈んだ反応で、わたしはどうしたのかと聞きながら近づいた。
「試験終ったよ? これから雪乃さんにあいに行くんだよ? 夏休みになったら毎日一緒だよ?」
(―――――そう―――)
「リュー? なんか変だよ?」
試験もあるから少しの間遊べないと言ってある程度了承してもらい、聞きわけもよく大人しくしていたで、またあるかもしれないけどとりあえずはもういいよと言うように言うが、リューはと言えばそれは一応わかっていると言うように返した。
普段と本気で様子が違い変だよと言うように聞き近づくが、リューはと言えば深く考えているような雰囲気だった。
(彼方ちゃん。人間って、何なのかな?)
「?」
(彼方ちゃんも、聖歌さんも、真矢ちゃんも。桃子ちゃんも、道もみんな人間だ。だけど、人間ってなんかたくさんいるんだなって思って。)
細かいことはいいから連れていこうと言うように手を伸ばす中でリューは聞いてもいいと言うように言い、わたしが突然何を言っているのかと言う反応の中で、リューはタブレットをわたしの前に出した。
「―――――」
手のひらサイズの小型のタブレットで、聖歌に内緒でリュー用に与えたのだが、画面を見ると検索用サイトが開いていて、数多くの情報が掲載されていた。
数多くの情報が見えたが、見ている人間と言うか、リューの影響か偏った情報が映っていることに気が付いた。
戦争や飢餓、疫病、歴史、そして科学と言い、わたしの年齢以上に、大人でも到底と言うか、完全な理解も不可能なむずかしい話題が映し出されていた。
(僕は何なの? 彼方ちゃんは僕に優しくしてくれてご飯までくれるけど。そんなことしてくれる人間ばっかりじゃないみたいだ。遥香ちゃんよりも悪い奴はいっぱいいるみたいだ。)
「リュー―――」
(自分が何なのか調べる中で、人間のことを知ってね? それで、考えちゃってね―――)
答えてとまでは言っていないが教えてよと言うようにリューは言い、わたしは不意に言われ、なんと言えばいいかわからない中でリューはすぐに出ないのはわかっているけどねと言うように言った。
(―――?)
「わたしにはわからない。だけど。わたしは、わたしたちだけは信じて―――」
(わかった。それだけはするよ。それと僕も彼方ちゃんたちのために戦うよ。)
言葉に困るでわたしはと言えばリューを手に取り、軽くだが抱きしめていた。
リューが突然と言う反応の中で、わたしはリューの質問には完璧に答えられず、これだけはと言うように言う中で、リューは言う通りにそれならと言うように返した。
「あ、そうだ? さっきも言ったけど雪乃さんに会いに行くの。それと試験終ったからもう大丈夫だからね? それと道待たせているから急ごう。」
(うん!)
忘れてはいけないことはと言うようにわたしは半塲思い出すようにリューに言い、リューはと言えば遅すぎるような状況だが、これを待っていたと言うように返事を返した。
(だけど、彼方ちゃん。頼みがあるんだ。)
「頼み?」
(僕がもし、あいつらのように、あの怪物みたいになるんだったら、絶対に殺して。生き返らないように。そんなことムリとか言わないで。その覚悟を決めて欲しいんだ。僕もそんな怪物になったらいきたくないからね。お互い様だからね。)
返事を返し、リューをバッグの中に入れ、顔を出す中でリューは言い忘れていたと言うように言い、わたしが歩きながら何と言うように聞くと、リューはこれだけは忘れないでと言うように言った。
試験中放って置いたことも原因かもしれないが、リューの発言は非常に大人びていると言うか、現状への覚悟を決めた発言で、わたしたち以上に自分のことがわからないのに、それほどの覚悟ができるとはすごいとわたしは思った。
思い、そんなことないとかと言う反論もできなかったが、殺す日が来ないことを心の中で祈った。




