общаться 後編
運がよかったと言うべきか、一瞬見えた気がする男の指示した道を選んだことが正解だったか、教室を出たわたし愛と陽菜たちは人気のない場所に身を隠していた。
正確には1階の職員室の少し近くの通路途中の空き部屋だ。
平日の昼間こと、わたしが学生の時からだがここは意外と人通りが少ないと言うか、もう一つ大きい通路がすぐ隣に存在し、薄暗く道が少し入り組んでいる上不気味で人が寄り付かず、現状は隠れるのには調度よかった。
調度よかったとは言え、ここは調度わたしが3年の終わりのころに完全に取り壊したはずで、正確には少ししてだがこのころは立ち入り禁止のテープが貼られていたが、貼られていなかった。
「―――悪い夢なら冷めて欲しい、とは言うものね?」
2年の途中ごろかとも思うが悠長に話しているひまもなく、警察や救急車のサイレンでも聞こえているが進展の気配はなく、警察に電話したがつながらず、電話を切る中でわたしは口を開いた。
「昼間は使えたのに? どうして? メールも来たのに?」
綾奈と祐未にメールは送ったが返事も来ない状態で故障にも見えず、わたしはと言えばどうすればと言う状態だった。
「―――――」
「あなたたちのは絶対に使えないはよね―――」
陽菜たちも持っていたようでわたしたちもと言うように携帯を取り出して操作しているが、この時代にスマフォはないわけではないと思うが、この時代にはない機種で、わたしはありがとうだけど無意味だからやめようねと言うように3人に言った。
陽菜たちもわかりましたと言うように携帯を服の中に戻した中で、少し大きい音と言うか、強い衝撃が起きて、学校が少しだが揺れた。
「―――ここも、安心できない―――――?」
「学校から、学校から出ましょう!? とりあえず!」
「そうね? それが一ば―――」
音は主に上から聞こえ、わたしが本気で危ないと言いかけたとき、口を開いたのは晴子で、ここから逃げるのが一番いいと言うように言い、わたしが言うまでもないけどと答えかけた時、天井が勢いよく壊れるような音が響いた。
「―――ぅわっ!?」
「―――ぇ?」
「へ?」
天井が崩れるのかと思い、思わず陽菜たちに覆いかぶさり守ろうとする中で、後ろから音に合わせて聞きなれてはいるが不似合いな慌てた声にわたしは反応し、陽菜たちも同じように反応した。
「―――お姉さま?」
「―――優衣さん?」
「―――いたた? ん?」
間違いなければ不幸中の幸いで、わたしはゆいかと言うように聞き、小夜もあわせて聞く中で、わたしは天井が崩れていることを少し確認し、確認する中で落ちて来た人間はわたしに眼を向けた。
「―――愛? 愛なのか? いや? まさか―――?」
「ぁ―――」
落ちて来たのは優衣で、どうしてここに来たのかわからないが酷いめにあったと言う表情の中で、わたしを見ると信じられないと言う反応でもわたしもこれはと言うような状況だった。
「―――若返ったのか? 副作用? それにしても制服を着るのはどうかと思うが―――」
「―――いや、あの、これは―――」
「―――それにしてもここどこだ? さっきまで廃墟みたいな場所にいたのに? それにサイレンみたいな音聞こえるぞ? 火事か?」
わたしたちの身に起きたことを踏まえてと言うように優衣はある意味妥当な答えと言うか、質問で、わたしはこれはどう説明すればと言う中で、優衣はそれはいいからと言うように言いながら起き上った。
「―――?」
「お姉さ―――?!」
起き上がる中で優衣はここがどこかと言うように見ていてが不意にわたしと言うか、わたしの携帯を持っている手に眼を向けたかと思うと、勢いよく近づき、わたしが何かと言いきる前に手を取った。
「ガラケー? まさか? いや? 陽菜たちもいるし―――?」
「―――――話せば長いんですが―――」
「そのまさかか!?」
正確には手に持っていた携帯を見て確認するためで、優衣は言う通りのまさかと言う表情で、わたしも自分でもわからないがその通りですと言うように言う中で、優衣は信じられないと言うように返した。
「―――それよりもお姉さまどこから来たんですか? 突然天井から降ってきて―――」
「―――そう言えばここどこだ? さっきまで廃墟にいたんだが―――?」
「廃墟?」
わたしは高校生に戻っているが優衣はと言えば変わらない姿と言うことも論点になるが、わたしは言うとおりにどこから来たかと聞くと、優衣もどうしてここにいるかと言うような反応で、わたしも意味が理解できなかった。
「愛さん、細かいことは抜きにして!?」
「そうね? 逃げましょう! お姉さま。」
「え?」
考えている時間はなく、小夜がそんなことはいいからと声をかける中でわたしは確かにと言うように返すと同時に優衣に伝え、優衣はどういうことだと言うように返した。
「ここ危険です。」
若返っているわたしと言い、廃墟にいたと言う言動と言い、話すことや聞くことが数多く存在するが、肝心なことは現状で一番にすることとその理由をわたしは簡単に言った。
ほかに言い様など存在せず、わたしは優衣も都合よく手を取っている状態で少し強引に引っ張っていこうと進み、陽菜たちはと言えばわたしに続いて進み始めた。
正確には進み始めたと言うべきで、わたしたちはすぐに先に進めなくなった。
愛に説明されるまでもなく危険な状況だと言うのは即座に理解できた状況で、逃げようと言われ手をひかれた中で、不意に空から人間が落ちて来た。
正確にはわたし優衣のように落ちて来たのではなく、強襲して来たと言うべきで、愛が手に入れた力と同様なものだと思われるが、落ちてきて周囲に粉塵が舞っている中で普通ならば大怪我にも関わらず平然とした表情をしていた。
粉塵の中で2人の女性と思われる人影が見え、明らかに普通の人間とは違う、悪意に満ちた気配をわたしは感じ、不敵な笑い声も聞いた。
「やっぱりいたじゃん? 中途半端なの? よっわっそ~?」
「これで30人目? スゴイじゃん? わたしたち最強?」
深い事情は読み込めないが、仮に愛と同じ力を手に入れた人間が暴走して狂人化しているなら出てきそうな発言をしていた。
危険だと言うのは頭では十二分に理解していて、本能以上に逃げろと言う指令が身体中から出ているが、愛の進もうとしていた逃げ道を塞がれている状態で、わたしは自分をおとりにすればいかせることができると一瞬考えた。
考えている中で粉塵が消え、彼らと言うか、彼女たちの姿が見えたが、彼らはと言えば一見するとコスプレと言った冗談のような姿だが、真剣に見ると全身を包む鎧を着ていた。
空想の物語であれば危機の寸前に仲間がたすけに来てくれると言うお決まりの筋書きが存在し、物語を盛り上げるものだが、わたし愛はさすがにこれは不味いと思いながらも、わたしがここで真剣に戦う時なのかと思った。
引き下がれない状況で、わたしが現状では一番能力を使いこなせていると言うか、力を出せている状況で、わたしは少しだけ身構えていた。
優衣と違い武術の経験はあまりないが、わたしには生まれ持った握力の強さや鍛えた身体、それ優衣もいて、すばやく片付ければもしかすればうまくいくかもしれないと考えた。
「―――――」
後は武器の1つでもあればと言う状況で、わたしは手から光線でも出ないかと手に力を入れてみたが、怪物たちを倒した時のような奇跡と呼べるようなものが起きる気配がなかった。
「―――どうする? 十二分に使いこなせないみたいだよ? 三流?」
「どうでもいいじゃん? やっちゃおやっちゃお?!」
原理や方法、仕組みと呼べるものがあるなら教えて欲しいと言う状況だが、だれも教えてくれず、優衣も陽菜たちも知らず、彼女たちが教えるわけもなく、彼女たちは笑ってはいるがわたしたちに殺意と言うものを向けているのがわかった。
話し方や声からの推測だが、先ほどわたしたちの隠れていた教室に窓際まで来た2人組に似ている気がしたが、姿も見ておらず、断定もできないが細かく考えているひまはなかった。
「―――――」
「―――――お前たち何者だ? それにここはどこだ? それと何が起こっている?」
「知らないんだお姉さん? 残念ね? 知る必要ないから消えて?」
2人してこれから攻撃しますと言うようにわたしたちに手のひらを向け優衣が彼女たちに問いかけるが、女性の1人は教えないと言うように返すと、手のひらに光が見え始める中で、わたしは身体の中に違和感を得た。
正確には身体ではなく、頭の中で、口で言うわけではないが、心でとも言うがたすけを呼べばだれかがたすけに来ると言うような奇妙な感覚だった。
「―――さような―――、ら?」
「?」
根拠なんてものは絶対に存在しないが、気づく間もなくわたしは心の中で叫んでいる状態で、女性がわたしのように攻撃を出す寸前に、不意に彼女たちの背後に何かが勢いよく落ちて来て、彼女たちは眼を向けた。
「―――にんげ―――!?」
「なに!?」
落ちて来たのはよく見ると言うか、見るまでもなく人間で、振り返った彼女たちもだがわたしたちも人間だと思っている中でその人間は姿を変えた。
落ちて来た時は着地した黒い服、スーツ姿の男と言う雰囲気だったが、起き上がる瞬間に身体から黒い霧のような物が吹きだしたかと思うとそれに覆われ黒い塊へと変貌した上、眼だと思われる場所から青白い光が2つ放たれていた。
「な? なに? 怪物?」
「違くない!? だって眼青いし?! こんなんじゃないし!?」
「―――なんだ?」
2人はと言えば言う通りのなんだこれはと言う反応で、優衣も不意の出来事で理解できないと言う反応で、表情的にはわたしも同じかもしれないが、わたしはまさか、あれを自分が呼び出したのではないかと思ったのだ。
魔法以前に、わたしの身に宿った力が神の力ならば召喚と言った使者を呼び出す能力なども普通だと言え、わたしは別の意味で言葉が出なかった。
『―――じ―――れる―――め―――』
「?」
『―――彼女に、触れるな。不良品め。』
わたしとほかの人間の思考は無視する中で物体と表現すべきか、彼と表現すべきか、正体不明と言うべき存在は不意に言葉を発し、何かと全員が思っている中で再び言葉を発した。
最初の一斉は声がうまく出ていない状態と言うか、聞こえなかったと言うように理解したようで、2回目の物言いは言い直すと言うように聞きとりやすい声だった。
最初に見えた通りと言えば変かもしれないが、低い男の声だった。
「彼女? だれのことよ? それにあんた何よ? 不良品って何のこと?」
『―――知る必要が? 失せろ。不良品が。』
不意の事態で意味が解らないのはわたしたちも同じだが、わたしたちはと言えば刺激するのは不味いと思ったし、話しかけない方が利口だと言う状況で口を閉じる中で彼女たちはと言えば平気で話し、彼は言葉を返した。
最初の一声からもだが、普通の人間の声ではなく、反響のような物も起きていて、身体も霧に覆われている中で少し見えるが、時折人間としての輪郭が壊れているようにも見え、本当に理解不明な物体だった。
「―――不良品?」
『そうだ。きさまらは不良品だ。思い上がって、自分勝手で、愚鈍な不良品だ。』
「なんだと!?」
わたしたちのことを言っているのかと言うように1人が返す中で彼はお前ら以外にだれがいると言うように返すと、もう1人が逆上した反応見せた。
「くたばれ煙野郎! 思い知らせてやる! 不良品はあんたの方だ!」
反応する中で不意に手のひらが光ったかと思うと、光が瞬時に伸びて彼女の身長ほどの剣へと変化し、彼女は振り上げ彼に切りかかった。
「―――ぇ?」
「―――あ?」
「―――――」
切りかかられ彼が真っ二つにされると言うのが普通だが、この後起きたことはと言えば体験した切りかかった女性自身にも理解できない状況と言うか、素早過ぎて本当なのかと疑う事態だった。
陽菜たちも本気でおどろいて言葉も出ないと言う動向で、起きたことが何かと聞かれると、不意に彼の身体から細長いひものような物が高速で飛び出したかと思うと、彼女の身体を、明確には胴体の中央あたりを貫いていたのだ。
「―――ぅ!?」
貫かれた女性の表情をわたしは見ることはできなかったが、悲鳴も上げず、剣を落とし、手を刺さった傷口に手を近づけようとする素振りが見られ、まさかうそでしょうと言う雰囲気の中で彼女が不意にうめき声をあげた。
一瞬とは言え苦しいと言う声で、顔を上に勢いよく上げ、胸を抑えたかと思うと、急に身体の力が抜けたかのように動かなくなり、倒れた。
倒れたとは言うが、厳密には彼の出したひもと言うよりも触手に身体を預けている状態で、少しして彼はそれを高速で引き抜き、女性は地面に大きな音をあげて倒れた。
「―――」
引き抜かれた後彼女の身体からは赤い液体こと、血が流れ出しはじめ、彼女の身体の下は言うまでもなく血の水たまりと化した。
「よくもぉっ!?」
「―――ぁっ!?」
動いたのは残ったもう1人で、敵だと言うばかりに同じように攻撃を仕掛け、わたしはダメだと言うか、効果がないと言うか、止めようと言うように声をかけようとする中で彼はと言えば彼女を攻撃していた。
「―――ぁ?」
攻撃したと表現したが、正確には飲み込んだと言う表現が妥当だった。
攻撃を仕掛ける中で彼は飛び上がったと言うか、不意に縦に細長く伸びたかと思うと頭と言うべきか、伸びるのにあわせて上に向かった眼と思われる光の近くの部分が口のように大きく開き、彼女を上から勢いよく覆いかぶさった。
「―――蛇?」
思った通りの言葉が出た状態で、煙の塊のような姿だったが、彼女を飲み込んだ姿は蛇そのもので、覆いかぶさったと言う状態にも見えるが飲み込んだと言う表現が本当に妥当だった、
飲み込まれた状態の彼女はと言えば下半身が見えている状態だったが、10秒と経過しない間に飲み込まれていき姿を消した。
姿を消したとは言え中で苦しいと言うようなうめき声が聞こえたかと思うと、骨や内臓、それに四肢だと思う部分が中で砕かれるような鈍くいやな音が聞こえると、声は聞こえなくなった。
「―――」
引っ張り出しても絶対死んでいると言う状態で、たすけだせるわけもなく、わたしたちがまさかとみている中で彼はわたしたちに眼を向けた。
「―――――」
陽菜たちは腰を抜かして放心状態で、意識を保っていると言うのが逆に不自然な状況だとも言える中で、彼は姿をあの黒い煙の状態に戻すとわたしたちに近づいてきた。
「―――――?」
『―――お怪我はありませんか?』
「―――?」
近づいて来る中で先ほどの蛇のような姿を違い地面をはうような音は聞こえず、革靴のような足音が聞こえ、距離にして2、3mほどの場所で、彼は不意に身体が小さくなり、眼の方向が少し下を向いた。
膝をついたような姿勢にも見え、わたしたちが何事かとみていると、彼は不意にわたしに対してか、優衣に対してか、陽菜に対してか、それともわたしたちに対してか、大丈夫ですかと言うように声をかけて来た。
黒い煙に包まれていると言うか、煙そのものが身体と言う印象にも見えることは置いて、わたしたちに話しかけた口調は先ほどと違い、機械的な部分も感じられるが本当に優しさで聞いていると言う印象だった。
「―――何者だお前? 彼女をどうした? 人間なのか?」
『―――』
「おい? 質問に答えろ? 何者なんだ? さっきのは何なんだ? お前は何をしたんだ?」
質問をしたのは優衣だったが彼は答えず、優衣は聞いてないのかと言うように答えるが、彼は答える気配を見せなかった。
「―――愛?」
「―――困ってる?」
「?!」
黙ってないで答えろと言うようなことを優衣が言いかける中で、わたしは待ってと言うように手で優衣を止めた。
止めて愛お前なとか言うことを優衣が言いかける中で、わたしは思った通りの言葉を口にし、優衣はと言えばなんだとと言う表情をした。
「困ってるって―――?」
「―――あなたは何者? 名前は? あの人はどうしたの? 殺したの? あなたは人間なの? その姿はどうなっているの?」
『―――――な、まえ―――?』
優衣とはあまり変わらない質問をする以前に、わたしは彼が優衣から質問をされる中で言っている意味が解らず困っていると言う反応をしているようになぜか見えたのだ。
優衣がそんな風に見えるかと言うようにわたしに聞く中で質問すると、その通りだと言うような反応をした。
眼だと思われる光が質問すると上下左右に揺れ始め、途切れはしたが名前と反復し、名前以前に、名前と言う言葉の意味を理解しているのかと言う反応だった。
「―――?」
言葉の意味を考えているようにも見えた中で、一瞬と言うべきか異変が起きた。
煙が一瞬なくなったと言うべきか薄くなったと言うべきか、ゆらいだとも言うか、すべてが刹那に起きたのかもしれないが、姿が変化したように見えたのだ。
『―――うろ、ぼろす―――』
「?」
姿が変化した中でわたしは2つの別の姿が見えた気がした。
1つは最初に姿をあらわした時と同様の黒いスーツ姿の男の姿を見た気がしたが、2つめは子供のような姿で、双方現状のように眼も光っておらず、わたしが気のせいとも思えないと見ている中で、口を不意に彼は開いた。
『ウロボロス―――。ウロボロスです。』
「―――ウロボロス?」
最初は思い返したような物言いだったが、2度目3度目と言った言葉は、そうだ自分の名前はそれで間違いないと言うように言い、優衣はと言えば意味が解らないと言うように反応した。
「―――神話とかでそんな名前を聞いたことがある―――?」
「そう言えば―――」
わたしは思い出してみればと言うように言うと優衣も思い出してみればと言う反応で、ウロボロスと名乗った物体はと言えば反応はしなかったがその通りだと言うような表情をしている気がした。
ウロボロスとは言う通りと言うか、確か海外の神話に登場する怪物だと言うことをわたしは思い出しこそしたが、どう言った生き物かは明確には思い出せなかった。
本物のウロボロスとも思えず、考えられるのは関係したと言うか、その外見と言うか、能力に関係して自称しているのか、そう言われるようになって、自ら名乗り始めたのだと考えられた。
『―――ウロボロスとお呼びください。ご指示を、マイ ロード』
「―――マイロード? わがあるじ(My Lord)―――?」
『―――何か? あなた以外にだれが? I am your Subject.』
ウロボロスはわたしたちがウロボロスとは本来どんなものだったかと思いだそうとしている気も知らずにわたしたちに続けて話しかけたが、彼の放った言葉は余計に意味の不明な言葉だった。
わたしが聞いて見ればと言うか、わたしに対して言っているのかと言うように聞くと、ウロボロスは間違いなくと言うように返した。
彼の言ったMy Lordとはわたしが言った通りわがあるじと言う意味が存在し、ウロボロスはわたしをあるじと言い、わたしがどういう意味かと聞く中で、彼は聞くまでもないことでしょうと言うように返した。
「I am your Subject―――? わたしはあなたの―――臣民だ? 管理物だ―――?」
『Yes. My Lord』
「使える者? 従者? 下僕?」
彼の言った言葉の一部が英語で、意味もわたしの言った通りで、ウロボロスは自分をわたし愛を主と位置づけしている上、自分をわたしの臣民だとも言った。
わたしが言葉の意味を確かめている中でウロボロスはその通りです間違いありません当然のことでしょうと言うように返したが、わたしはと言えばSubjectのほかの意味を模索していた。
Subjectには日本語で臣民と言う以外の訳も存在すると言うか、日本語で言うと何がだと言うかと言うように考え、単語を口に出していた。
「―――ウロボロス。ではあなたは何者なの? なぜわたしをあるじと? 彼女をどうして殺したの? それに、さっきのみ込んだ子はどうなったの?」
『わたしはウロボロス。わたしはあなたの臣民だ。あるじたるあなたを守るのがわたしの使命であり、あなたを傷つける者からあなたを守るのは当然のことです。』
「―――――」
深く考えなくてはいけないが、肝心なことは先ほどのことで、わたしはウロボロスにとんでもないことをしたなと言うように聞くが、ウロボロスはと言えば人を殺したのにも関わらず罪悪感のかけらもないですと言うように答えた。
「殺したの? なぜ? その必要が?」
「―――なかったかもしれません。無礼な行動と考えるならばお許し願います。止むを得なかったのです。」
「―――――」
人間かどうかも明確にわからないが、どうしてと言うように聞く中でウロボロスはあやまったが人を殺して悪いことをしたと言う罪悪感であやまるのではなく、あるじのわたしにとって不快なことをしたためにあやまったと言う物言いだった。
一見すると言うか、優衣や陽菜たちには普通に見えるのかもしれないが、わたしには少しだけだがウロボロスの微妙な反応が読み取れるような気がして、現状の彼はと言えば少し悪いことをしたと言うことを考えているように見えた。
「―――愛があるじとはどういう意味だ?」
「あなたは? 人間なの?」
わたしもだが意味わからないと言う状況で優衣も同じような質問をして、陽菜も同じように質問した。
『―――にん、げん―――?』
陽菜の人間なのかと言う言葉に対し、ウロボロスは先ほどの名前と同様に言った言葉の意味がわからないと言う返し方をした。
『―――わたしは殺戮機械―――、だれだ? 違う? わたしではない? お前はだれだ!?』
「―――?」
言われた言葉の意味を遅れて理解するのか、ウロボロスは少ししてそう言われたらと言うように答える中で、ウロボロスは不意に否定した。
否定したと表現したが、ウロボロスの物言い質問した陽菜やわたしたちに対してではなく、まるで自分に対して問いかけているような返し方で、否定するように左右の眼が左右に触れ、身体が揺れるように眼が揺れるのが見えた。
見えるのにあわせ黒い煙の透明度が変化すると言うか、大きく揺れ先ほどあらわれた時に見えたような人の姿が微妙に見えるなど、少し激しい変化を見せた。
変化を見せた上、中の人の姿が変化するのが少しだけだが見え、顔は見えなかったが1つは先ほど同様のスーツ姿の男だったが、1人は中学生ほどの少年に見え、もう1人は普段着と言うか少し落ち着いた色調の服を着た男に見えた。
『だれ?! 僕の中にいるの? どうなっているの!?』
「―――――?!」
『オレが、違う! いや? だが!? それよりもお前らはだれだ!?』
変化が続きながらで混乱しているように見える中で、わたしたちも危険だと判断し少し後ろに下がった中で、ウロボロスは続けて言葉を発したが、声が不意に変化した。
あわてた様子だが口調は少し同じだが話し方や高さがまるで子供と言うか、少年のような声が聞こえ、わたしが声が変わったと思う中で別の混乱した声が聞こえ、そのもう一つの声は男と思われる少し慌てた声で、ウロボロスと同じ声だが話し方が違っていた。
一人称も少年の声が僕で、男の声はオレ、ウロボロスはわたしで、少年は子供っぽく、男は少し口調が強いと言うか、あわてているが、冷静になれと言う自分に言い聞かせているような話し方だった。
『お前たちはだれだ?』
『お前たちこそだれだ!?』
『止めろ! オレは違う! だが!? 受け入れるな! お前らがわたしなものか!?』
ウロボロスの声は理解できないと言うように問いかけると少年の声が返し、もう1人の男の声は信じられないと言う反応をしていた。
「―――なんなんだ? 仲間割れ? 中にいるのは1人だけじゃないのか?」
「こ、怖い―――」
「―――――」
見ていた優衣の言う通りで、ウロボロスの黒い煙の姿はどう見ても人が1人入ると言う大きさで、3人が入れる大きさではなく、小夜が信じられないと言うように怖いと口にし、わたしはと言えばなんと言えばいいかわからなかった。
「―――」
「愛?!」
「―――」
優衣は怖がってはいないが異質だと言うように見ていた中で、動いたのはわたしで、陽菜たちはと言えば言葉が出ない状態の中で、わたしはウロボロスに向かっていた。
無意識と言うか、自分でも思い出してみれば何をしているんだと言う状態な上、わたしは混乱状態のウロボロスを抱きしめていた。
「―――あなたの名はウロボロス。あなたはわたしのものです。それ以外の何者でもありません。」
『―――』
「わたしに付き従いなさい。わたしにともにありなさい―――」
先ほどの女性同様に飲み込まれるのではないかと言う懸念が抱きしめた中で少し浮かんだが、ウロボロスは騒ぐのを止め、わたしは抱きしめるのと同様にごく自然に落ち着いてと言うように口を開いていた。
抱きしめてみると煙のようにすり抜ける感覚がないと言うか、人間だと思うが実体の感触が煙越しに存在し、頭らしき物体が一番上に存在する気配も感じたが、言葉で表現するには少し難しい感触だった。
一番妥当な表現は身体が伸縮と言うか、大きくなったり小さくなったりを繰り返していると言う状態で、中に人間が存在することは確かだが、人間が伸縮することは考えられなかった。
考えられないと言えばわたしがウロボロスに対して口にしたことで、根本はウロボロスの言った言葉にも原因があると思われるが、わたしは悪く言うとえたいも知れない物体に命令をしていた。
夢が覚めるまでと言えば詩的にも感じるが、現実に帰ってみると非常に不確かなことばかり起きているとわたし愛でなくてもと言うか、だれであれ感じると言えた。
眼に見えるのは薄暗いと言うよりも、まぶたを閉じた世界で、シーツの触れる感触越しの外からは鳥の鳴き声が聞こえ耳に届き、わたしは朝の気配を感じ、眼を開き、身体を起こした。
紛れもないわたしの部屋で、実家の部屋ではなく、身体も普段通りと言うか、35歳の自分に戻っていると言うよりも、長い夢を見ていたのかと思う感覚だった。
「ウロボロス―――」
本当に夢だったのかと考えるのは言うまでもなく、わたしは夢の中で姿をあらわしたあの謎の物体を名を口にし、無意識に手を動かし携帯を手に取っていた。
ウロボロス
「尾を飲み込む蛇」と言う意味がある。
自らの尾を噛み輪となった蛇、または竜として描かれる架空の怪物を意味し描かれる。
多くの国や文化圏、宗教に似たような存在が確認され、循環や永遠、それに無限の象徴などとされている。
手に取ると開いたのは検索で、わたしはウロボロスについて調べてウロボロスの意味を再確認していた。
調べると関係した画像には調べた通りの尾を噛むと言うか、自分を飲み込もうとしている蛇とも竜とも見えない画像が映し出されていた。
「―――」
確認した後はそう言えばと言うようにわたしは昨日の夜陽菜たちが送って来たメールを開いた。
From 河内陽菜
本文
異常発生です。
メールの文章は非常に短い内容だが、本題は送られてきた写真で、陽菜、小夜、晴子がうつっているのだが小夜と晴子の眼は昨日の夜江莉があらわれた時同様に青白く光っていて、これはと言うように見ていると、電話が鳴った。
『―――愛? 愛よね?』
「綾奈? 綾奈ね?」
電話に出ると疑心暗鬼だけどと言いそうな声でわたしの名を呼ぶ綾奈の声が聞こえ、わたしも綾奈だと言うように反応した。
『―――えっと? あの―――』
「変な夢でも見た? と言うよりも、見たんだね?」
朝早いのにごめんだけどどうしても聞きたいことがあると言う反応で、わたしは先ほどまでのことが本気で夢とは思えなかった。
綾奈が少し夜中心の仕事をしているとは言え、こんな時間に電話をかけてくることはないで、わたしは話しも進まないのでわたしも同じだと言うように返した。
『―――同じ夢を見た? 祐未さまも―――?』
「―――その可能性は、ある。ね―――」
疑心暗鬼はお互い様だが、わたしの方が間違いないと思考する方向が強く、綾奈はその反対ながらそう言われるならと言うように祐未の名前を出し、わたしもそうだねと言うように返した。
『電話、してくるかな?』
「そうだね?」
考えてみればわたしが電話したようにと言うように綾奈は言い、言われて見ればわたしも通話を切ったらすぐにでも祐未から電話が来そうだと言うことを思った。
「電話は控えて、メールで―――」
『わかった。緊急時だけね? 1度切るね?』
「うん。」
電話でだけでは無理だとわたしは即座に判断し、メールをしてくれと伝えると綾奈も了承し、返事を返すと綾奈は電話を切った。
電話を切ると案の定で、綾奈以外から電話とメールの嵐が来ていた。
「愛!」
「?!」
全員の相手をするのは無論無理で、少し悪い気もするが電話は一時的に無視して、少し落ち着いてからメールを見ようと思った瞬間、ベランダの方から窓を叩く音と、聞きなれた声が聞こえた。
「―――祐未さま?」
「そうだ。開けろ。何で電話に出ない?」
「―――それよりもベランダから来ないでください―――」
おどろきもしたが、もしやと思い聞いて見ると案の定祐未で、カーテンを開くと姿が見え、開けるとも言われ、開けて中に入る中でわたしはほかに言葉も返せなかった。
「―――と言うかどうやって―――?」
「あの力を使ってみたんだ。大成功だ。」
「―――」
考えなくても力を使ったことがわかると言うか、常識的に言うと不可能なので聞くと、祐未はまるで一度やって見たかったと言うかのように簡単に言い、わたしは返す言葉もなかった。
「―――とにかく、久しぶりね?」
「ええ。そうですね?」
返す言葉が出ない中で祐未はそれは理解できるが、本題はそれ以上に複雑だと言うようにわたしにあいさつし、わたしもそれは理解できますと言うように返事を返した。
小夜と晴子の身に起きたわたし同様の眼の発光現象と、綾奈と祐未と言う同じ力に目覚めた人間、それにウロボロスと言う存在と、理解できないことは増えているが、ないよりはいいと思った。
情報は大量に存在し、積み重なるだけではなく一筋の線となる可能性も存在し、理想論かもしれないが答えは必ず導き出されると考えるしかなかった。
解せないことが多すぎて頭の回転が鈍っていると目覚めた時のわたし優衣は思った。
現状はと言えば連絡を取り合い普段通りに空いた時間をつくって集まると言う状況で、零夜にも来てもらいたかったが仕事の都合で来られない上、集まってみると余計に解せないことが増えていた。
解せないと言えば言い過ぎだが、よく言ってもどうしてここにと言う状況で、施設に愛の高校の時の同級生綾奈と、先輩で元生徒会長の樋口祐未が来ていたのだ。
解せないとは言え、考えるまでもなくと言うか、愛が言うと思うが、仲間なのはまるわかりで、わたしは何も言わなくていいと言う表情と反応をするしかなかった。
「で、これからのプランは?」
「―――特に決まっていません。」
一通りのことは話し終えていると言う雰囲気で、愛に対して聞く必要はないな次のことを聞こうと思うと言うように聞くが、愛はと言えば思った通りの先行きが見通せないと言う返事を返した。
「―――」
「従姉の優衣です。お姉さまと呼んでいます。」
「あー、そう言えば愛3人いるって言ってたね?」
わたしはと言えば写真を見て知っていたが、綾奈と祐未は愛に対してだれだと言う表情の中で愛に説明すると綾奈がそう言えばと言うように反応した。
「お姉さまにも事情は話しています。おじいさまにもです。グループで知っているのは3人です。わたしを入れて。」
「3人。か―――」
「あ? れーくんも入るのかな?」
考えてみればいいのと言うような表情を綾奈がする中で愛は問題ないと言うように返し、祐未がそれだけなのか、またはそんなにいるのかと言うように反応する中で、愛は待てよと言うように言った。
「れーくん?」
「―――お姉さま、れーくんは?」
「零夜は来ない。それにしてお前ら仲良さげだな? 陽菜たちも―――」
子供みたいな呼び方だなと祐未が反応する中で愛はわたしに聞くが、わたしは言うとおりに来ないと返したが、それよりもわたしは愛たちのどうしたらここまでになると言う仲良さげな雰囲気がなんとも言えなかった。
陽菜たちも来ているのだが計6人はテーブルを囲み、仲良く話し合っている時にわたしが来たと言う雰囲気だった。
「それは置いて、確かに愛の言う通りね? 何か、少しでも進展があればいいのだけれど―――」
「さっき話した通りでサイトも同様です。3人寄れば文殊の知恵なんて当てになりませんね。」
「現状ではまさにその通りね?」
見ている中で口を開いたのは祐未で、愛に感心しないと言うように返す中で愛は仕方ないじゃないですかと言うようにノートパソコンを開き祐未にサイトを見せながら言うと、綾奈がそれは言うとダメでしょと言うように返した。
「人数が増えただけで―――?」
「愛?」
「どうしたの?」
人数が増えたことはいいことだが、結果としては何も変わらないのかと言うように愛が言いかける中で、不意に愛が話すのを止め、祐未がどうしたと呼び、綾奈も呼ぶ中で愛は別の方向に眼を向けていた。
「―――?」
わたしも愛と同じ方向に眼を向ける中で、また何か起こる前兆かと思っていると、眼を向けた方向から音が聞こえ、小さい人影のような物が見えた。
『怖がることはないから来て―――』
気のせいかと思う中で愛が不意に立ち上がるとまるで人影に呼びかけるように口を開くと、昨夜同様に眼が青白く発光を始め、小夜と晴子の眼も同調するのか発光を始め、祐未も発光を始めた。
「愛?」
『―――あなたは、いえ、あなたたちは1人ではないから―――』
声も機械を通したような奇妙な声にも変化し、呼びかけるが聞かないと言うか、声が届いていないと言う雰囲気の中で不意に愛は片手をあげた。
「―――?!」
説明もできそうにないことがまた起こるのかと思っている中で不意に愛の視線の先で強い閃光が走り、わたしと言うか、愛以外は全員閃光から眼を反らし、腕で眼を覆った。
「―――――!?」
愛はと言えばそれがどうしたと言うように動じない姿が少し見えた中で、わたしは奇妙な音を閃光が走った場所から聞いた。
「―――な? 愛? あなた何したの?」
『―――』
「どういうことだ―――、おい? 愛?!」
奇妙な音と表現したが、どちらかと言えば人間の、それも5、6人以上の子供だと思われる高い声で、綾奈がおどろく声が聞こえると、愛はと言えば何も言わず、祐未の理由を説明してほしいと言う声が聞こえた。
「―――――」
声の方向に眼を向けると言うか、先ほど人影が見えた少し前側には5、6人以上の少女や女性がすわっていて、ここはどこだと言うような表情で周囲を見ていた。
本来この場所にいたのはわたし優衣、愛、陽菜、小夜、晴子、綾奈、祐未の計7人で、少女たちはあなたたちはだれですかと言うように見ている中で愛が彼女たちに近づいていた。
「え? 眼? 手品?」
「あなたも!?」
「え? うそ? あ、そこのあなたも!?」
眼の発光現象におどろいて見ていた中でそのうちの1人の眼が同じように発光を始めたのを隣にいた少女に指摘され、指摘された少女も突然な事態で言われて信じられないと言う反応だが別の少女にも同じことが起きていると言うように指摘した。
『―――ようこそ。目覚めし子たち―――』
「目覚めし子―――?」
愛はと言えば1人の少女の前に膝をついて座ると彼女のほおに触れ、少女が何かと見ている中で愛は優しく言い、少女が意味が解らないと言う表情をしている中で、愛は優しく微笑んでいたと少女は後で言った。
ほかの少女たちはと言えば愛に眼を向けている状態で、比率で言うと半分だが、半分の眼が愛同様に青白く光り、半分が光っていないが、状況を踏まえると、同じような人間なのは考えるまでもなくわかった。
空想の物語のような話だが、身体が勝手に動き、言葉が不思議と出て来て、わたし愛は自分の身と眼の前で起きたことも明確にわからないまま彼女たちに語りかけていた。
幸いなのは暴力をふるったり暴言を吐いたり、未知と言うか、この神の力と言われる力が暴走して大爆発していないことだが、わたしはと言えばいつまでも続けるわけにもいかず、どうしようかと内心困っていた。
困っていてこれまでに起きたことを整理する中で、わたしは夜のことを思い出し、あの正体不明の怪物の名を心の中で口にした。
「―――?」
ウロボロスと心の中で呼んだ中で、わたしは不意に後ろから子供だと思うが小さい何かに勢いよく抱き付かれる感触を覚えた。
「―――――」
抱き付かれた方向に眼を向けると、男の子か女の子かわからない小柄な子供が抱き付いていたがわたしは抱き付いてきた手や身体の感触が、ウロボロスに似ていることに気が付いた。
勢いよくだきついて来たとは言え子どもなので弱いと言うか、勢いはよかったがそれほどは強く抱き付いておらず、簡単に振り払えそうな上、無意識にわたしも離すのもよくない気がしてその子の肩に片手が軽く触れ抱きしめるように近くによせていた。
「―――!?」
抱きしめる腕と身体が震え脅え泣き出しそうな声が聞こえるが、わたしはウロボロスなのかと聞こうとする中で、不意に首に刃物だと思うが冷たくて鋭利なものを突き付けられた。
「―――?」
間違いなく刃物で、ほんの少しでも動けば切れる寸前まで突きつけられたが、わたしはそれよりも、突き付けて来ただれかがウロボロスと同じ気がした。
奇妙な話だが本当で、ウロボロスと思わしき子供がわたしに抱き付いているが、首にナイフを突きつけているだれかもウロボロスと同じ気配がしたのだ。
気配に追従し、子供と違い、わたしと同じ背丈ほどの男だと言うことも感じる中で、わたしはこの刃があまり揺れていないことに気が付いた。
普通は人間に刃なんて向ければ手が本気で殺せるか殺せないかの迷いや興奮による動悸から震えたりして震えが刃に伝わり震えると思うが、その刃は微動だにしないとまでは言えないが迷いのない刃だった。
「おい? 愛!?」
「わ!?」
主導権は彼が握っていると思ったし、口を開くと同時に首を切られるかもしれないと思っている中で、わたしは優衣に勢いよく肩に手をかけ声もかけられておどろいた。
「お前どうしたんだ?」
「え? いや―――、あの―――?」
本気で心配しているんだぞと言う表情の優衣に対し、わたしはと言えば自分でもよくわからないと言うように返すしかなく、首に突き付けられていた刃も消え、ウロボロスだと思われる子供の姿も消えていた。
残っているのは不意に姿をあらわした少女たちで、彼女たちはと言えば全員周囲を見わたし、顔をあわせ、考えてもでない答えを探そうとする表情をしていた。
調べると言うか、聞いて見ると北は北海道から南は沖縄だけでなく、これは後で明確に調べた情報もふくむが海外の人間やハーフ、それにクォーターの人間が少女たちの中には存在していた。
国籍や人種、年齢などは全員異なっているが、性別は全員女性で、わたし優衣たちと同様と言うか、愛たち同様に奇妙な力を覚醒させているようだった。
全員半信半疑な状態な上、気が付くとここにいたと言うことは同一で、発端の1つと思われる愛はと言えば自分が原因だと言う自覚がないのかいすに座って気が抜けたような表情をしていた。
「―――お前たちは知り合いか?」
置いておけば手におえないことになりかねず、最終的に愛が動かないと言うことはないと思うが、性分もあって調べをわたしが続けている中で、少女2人が奇妙なほどよく顔をあわしていることに気が付いた。
「あ、いや、あの、その―――」
「わたしたちは―――」
調べる中で聞き、書き記したメモの2人の記録は同じ日本人だが住んでいる場所は違っていて、共通点はなく、知り合いとは思えないが、それにしては奇妙なほど顔をあわせては反らすを繰り返しているのが見えたのだ。
2人して聞くと違うけどそうとは言えないと言う困った表情をしていた。
「どこかであったことがあるのか? 顔見知り程度か?」
「―――Valkyrien―――」
「ヴァルキュリアン? 愛の立ち上げたサイト?」
2人して言葉に困っている表情で、わたしが質問を続けると片方が不意にそれはと言うように言うと、わたしはそれはと言うように反応するしかなかった。
ヴァルキュリアンと言うのは海外の神話に登場する半神半人の存在ヴァルキュリアからとった名前で、愛が情報収集のために立ち上げたサイト名だった。
ヴァルキュリアは言語や発音、宗教の違いからワルキューレ、ヴァルキリー、バルキュリーとも言われるが、基本的には似たような存在が神話などに多く存在し、状況的に実に中立的で抽象的な名称とも言えた。
「え? 立ち上げた?」
「―――ぁ? いや、その―――」
言う通りの愛が情報を集めるために開設したサイトのタイトルで、もしやとも思ったが、言うと不味いと思い、少女がそれはどういう意味かと聞く中でわたしは口を思わず閉ざしてしまった。
「やっぱりあなた? Ran Asano?!」
「―――そう言うあなたは、もしかして、Green Chan?!」
「―――?」
口を閉ざしたわたしに対し、少女が不審そうな眼を向ける中でもう1人が少女に質問すると、少女はそれを言うならと言うように聞き、わたしはと言えば2人して表情が間違いないんだと言う表情をしているのを見ているしかなかった。
「―――本当だったんだ―――」
「うそじゃないんだ―――」
「―――お前たち、どういう事なんだ? わかるように説明してくれ?」
2人して言う通りに本当に信じられないと言う表情で、うれしいが悲しく、泣きそうな表情だが、意図が読み込めず、わたしは説明してほしいと言うように聞いた。
「アイ、アイと言う人はいませんか?」
「ヴァルキュリアンと言うサイトでアカウント名アイ、アルファベッドのI一文字だけでIです。いませんか?」
2人は不意に息を合わせたように問いかけ始めた。
「―――あなたたち、ヴァルキュリアンって言った?」
「―――Iさんですか?」
「いいえ? でもサイト名でしょう? わたしもそのサイトに登録してる―――」
問いかける中で別の女性が聞いて見ればと言うように2人に聞き、それならと言うように聞くが、女性は違うが一応は言っておいた方がいいと言うように返す中でほかの人間たちも同様の反応を見せた。
「ストップ! どういう事なんだ?」
「―――少し前に、奇妙なことが起きたんです。」
「―――奇妙なこと?」
全員で情報交換と言うように話し始めたが話しは進まない状況で、わたしが質問すると少女が口を開いたが、わたしはと言えば説明にならないと言うように反応するしかなかった。
「―――その、なんて言うか―――」
「ネットワーク!」
「そう。そうだと思うんです―――」
少女は説明をしたいがうまくできそうにないと言う表情の中で別の少女がこれが一番と言うように答え、少女はそれで一応は間違いないと言うように返した。
「ネットワーク?」
「はい。人間同士でと言うか、変な力に目覚めたもの同士でつながると言うか―――」
「―――?!」
言われたも意味が解らないと言うように返すしかない中で少女は説明を始めたが、自分でも十二分に説明できないかもと言う表情の中で少女の眼が青白く発光を始め、わたしがおどろく中で全員ではないがほかの少女も光り始めた。
「!?―――」
愛と同様なのかとみていると、わたしの身にも異変が起きた。
最初は足元と言うか、地面がなくなり一瞬浮遊し落下するような感覚だったが、すぐになにかに受け止められる感覚を背中に受けた。
「―――なんだこれは?」
淡い光に包まれた空間で、空と言うか、四方八方から見てもだが年齢は問わないが人間と言うか、わたしもその1人のようだが女性が浮かんでいる上、わたしたちの身体からは細長いひものような物が出て連結されているようだった。
「―――っう?! これは? 記憶!?」
理解できない状況の中で、不意に頭に振動と言うか、電気のような物が流れた気がする中で、わたしは人の声やこことは違う光景が見えるような奇妙な感覚を得た。
正確に言うと5感が他人が見た別の物を見せようとしているようで、この空間は推測でしかないがそれを可能とした空間だと考えられた。
「―――愛!? いや? I―――?」
送り込まれてくる感覚は大量でもはや雑音で、わたしはその雑音を無視して、何とかしないといけないと思う中で、わたしは愛を見つけた。
ほかの人間たちと違い愛は少し明るく見え、彼女自身が光っているかのようにも見えたが、明確に言うと後姿だった。
見つけたとは言うがこの空間にいる愛はかなり遠くにいて肉眼では見えず、どこにいるかわからないが、だれかの目線のおかげか眼の前にいるように見えると同時に、わたしは声から別の情報を手に入れた。
愛の立ち上げたサイトで管理者の名前はIと言う名称で使っていると言う情報で、わたしは愛が立ち上げ狩りしている人間だと知っている上で、愛とIが同一人物だと認識した。
初めて起きたのが小夜と晴子に会ってすぐで、わたしがこの施設を建設すると言うか、リフォームする計画を立てた発端で、わたしは優衣たちの話を聞いている中で再びあのネットワークを体験していた。
体験する中でわたしは少女たちが同じように体験し、その後も微妙にだが感じ取り、サイトの立ち上げを知り、最終的に情報を確かめるためにここまで来たことを理解した。
優衣の存在も確認し、わたしはあの場にいた全員を確認し、声をかける中で、あの空間から解放され、本来の場に戻っていた。
「―――わたしを頼って来たのね? 真実を確かめるために。そして目覚めた力のせいで居場所や仲間を探して―――」
「―――I? Iさんですか?」
「そう。I、わたしはI、アルファベットのIだけで、Iと読む。だけど本当の名前は愛、湯川愛、愛情の愛―――」
戻る中でわたしは少女たちに眼を向け確認するように聞くと、少女はわたしが管理者とて使っていた名前だと思うがわたしの名を呼び、わたしはそれで正解であり、間違いだと言うように返した。
同じような人間が存在することは理解していたが、ここに来るのは予定外で、わたしは来てくれてうれしいとは思ったが、歓迎するとまでは言えなかった。
綾奈と祐未と言う心強い味方は存在するが、答えは出ないままで、わたしたちの迷走はいつまでも続きそうだった。
不意な事態で対応に困ると言うものだが、追い出して野放しにすると何が起きるかもわからず、わたしは彼女たちを歓迎することにした。
歓迎するとは言え特に大騒ぎするようなことはなく、覚醒させた人間にも能力に差が存在するため情報交換を筆頭に、携帯などの連絡手段の確保と、遠くから来た一部を引き取るか、一時的に停泊させ、そして家に帰す約束をした。
施設の設備投資も進めていて、幸いにも現状の人数全員を1月ほどは停泊させる準備や資材、設備は整っており、わたしは一応は一安心していた。
「―――陽菜ちゃんもだけど、わたしたち、大きく分けると2種類いるみたいだね?」
「?」
「愛みたいに眼が青白く光るのと、わたしみたいに光らないの。この差は何―――?」
仮住宅のような物ではなく、本格的な宿泊専用の設備で、わたしはこれ以上広げると言うか、最悪全体を専用の施設に変える必要があるかと考えている中で綾奈が口を開いた。
わたしが何か言ったかと言うように顔を向けると、綾奈は言いながらわたしを指さした後自分自身にも指さすと、腕を組み、顔をふせると言うか、横にして考え始めた。
「さっきのあれも愛たちの方が得意みたい。」
「得意?」
「遅れると言うか、引っかかっていると言うか、うまくつながってない感じがするの―――」
考え始める中で綾奈はたとえて言えばと言うように続け、わたしがどういう事かと聞くと、綾奈は明確には自分だけでは何とも言えないと言うように返した。
「綾―――?」
「愛? どうし―――」
陽菜と同じだと思い、それほど気にすることでもないと返そうとする中で、わたしは不意に何かが起きることを感じとり、空を勢いよく見上げていた。
わたしの眼の前には無論何もなく、虫やゴミでも飛んでいたかと言うように綾奈が聞こうとする途中で、わたしの身体は無意識に力を発動させ、人知を超えた跳躍をして天井を突き破っていた。
「―――――だれ? そこにいるんでしょう? 出てきなさい?」
天井を突き破り、屋根に着地する中で下から悲鳴や優衣の何事だと言う声が聞こえたが、わたしはと言えばそれは当然のこととして無視し、何かが起こっている場所と言うか、それをするだれかがいる方向へ声をかけた。
半場無意識にだが自分の手や足、身体を見ると原理は不明だが少しだけだが青白い光を発していた。
「♪~♪」
「?」
顔を見れなくてわからないが眼も光っているのかとも少し考えていると、不意に声をかけた方向から鼻歌のような声が聞こえ、わたしは思った通りにだれかいると言うように眼を向けた。
「感じる。強い力を感じる。わたしと同じ力を感じる。邪魔な力を感じる―――」
「―――?」
眼を向けるとわたしと同じ年齢ほどの女性の姿が見えるが、彼女はと言えば力の恩恵だと思うが地面数十Cmほどの高さに宙に浮いていて、軽く笑いながらこちらを見ていた。
だれが見ても異様な雰囲気と言え、わたしはと言えば勢いよく出てきて聞いたが、少し不味いことをした。
不用意に刺激をしない方が得策とも思え、わたしは身体を起こすと2、3歩ほど後ろに下がっていた。
1つ起きれば後は連鎖的に対処に困る異常事態が発生し、天井を突き破った愛を見たわたし優衣はと言えば建物の外へと駆け出し、祐未たちはそれに続き、愛が飛び出したと思われる位置へ眼を向けた。
眼を向けると屋根の上には天井を突き破った上、身体全体は淡いと言うべきだが、眼を青白く発光させている愛の姿と、対峙すると言うように前に立っていると言うか、宙に浮いた女性の姿が見えた。
愛はと言えばこの人危険だと言う雰囲気の動きで、女性はと言えばこれはある意味で好都合だと言うような雰囲気の動きをしていた。
「―――愛!?」
愛が立ち上がり少し後ろに下がろうとした瞬間、不意に女性の手と思われる場所が赤く光ったかと思うと、全身が赤く発光し、手から光線が発射され愛に高速で飛んで行った。
わたしが愛と同じなのかと言うか、あれは何だとわたしたちが見ている中での出来事で愛の身体に光線が直撃していた。
直撃する中で愛の全身を覆う光一瞬強く光る中で愛は吹き飛ばされ、先ほど自分が飛び上がって壊した穴に落ちて行った。
普通の人間ならばここで地面に身体を叩きつけられてよくて骨が折れたり内臓が破裂、それにむち打ちの重傷、最悪死が待っているが、わたしは愛は生きている以前に無傷だった。
光の光線が発射される直前にわたしは防御の構えをすると光が盾のような役割を果たしてわたしの身を守り、押し飛ばされこそしたが現状のわたしはと言えば宙に浮いて横になった姿勢から縦向きに身体を直していた。
無意識な動きや判断、思考だったが、力は少しずつだがわたしの意のままに使えるように変化しているようで、わたしは浮かび上がり、戻ることにした。
まずい落ちたぞと大丈夫かと思いわたし優衣が戻ろうとする中で不意に祐未がわたしの肩をとって止める中で、わたしと言うか、建物内の少女たちもだと思うが浮かび上がって来た愛の姿を見た。
身体と眼の発光はより強いものへと変化し、視線は女性の方へと向けている中で、女性の方もだが手を動かし、何かをするようなそぶりを見せた。
見せる中で動きを見せたのは女性の方で、勢いよく愛の方へ飛んで行き、愛もあわせるようにとんだ。
「―――――」
常識的には人間と人間が衝突すれば勢いで片方、または両方が倒れるが、わたしが見ている前で女性の方が砕け散った。
表現がほかに見つけられない光景で、突進し衝突する中で水の上で石のような大きい物体が勢いよく跳ねたような音が響く中で、女性の身体は砕け、勢いが残っているのか愛の後ろ側へと飛んで行った。
音の正体はと言えば人間の身体の砕け散る音で間違いなく、非常に凄惨な光景と言えるが、高速で起きて実感が持てず、憎悪感が起きる前に砕け散って数秒と経過しない間に、女性の身体は跡形もなく姿を消していた。
愛はと言えば眼の前で起きたことを遅れて実感したと言う雰囲気で、自分の手を見たり、後ろを振り返って確認をしているように見えた。




