общаться 前編
生物には体内時計と言うものが存在するが、確実なものとは言えないし、現代の常識で言うと人間は目覚まし時計などで、特に最近は携帯電話のアラームなどで眼を覚ますのが一般常識となっている。
心地よく眠っていたのか、目覚めかけていたのかわからないが、わたし愛は何にしてもベッドの上で携帯電話のアラーム音を聞いて眼を覚ました。
眼を覚ましたわたしは携帯電話を手に取り時間を確認し、一気に眼が覚め頭の中が青ざめた。
「遅刻! 朝の会議!」
身体をはね起こしたわたしはベッドから飛び降りて勢いよく走り出し、朝の準備を始めた。
「―――あら、愛、おはよ~?」
「おはようじゃないですよ? 静お姉さん、何で起こしてくれないんですか!? 会議あるんですよ?」
「だって心地よさそうに眠ってたんだもの? もう少しぐらい置いといてあげようかなって?」
朝の食卓に到着すると静の姿が見え、わたしを確認すると優雅な朝のあいさつをする中でわたしはどうして起こさなかったと聞くが、静はと言えばあたたかい笑顔で答えた。
「こういう時は心を鬼にしていいんです!」
「―――あら? そう?」
「―――もういいです!」
わたしはと言えば慌てながらも食べ物を探し、食べ始めながら静を注意するが、静はと言えば朝のひと時を楽しんでいると言う雰囲気でコーヒーを飲みながら返した。
わたしはと言えば食べたものがのどに詰まりかけたので冷蔵庫から勢いよく飲み物を取り出してコップに注ぎ、一気飲みした後言葉を返し、言った通りに遅刻しそうなので部屋を出て行った。
飲み物が炭酸だったようで、準備を終え外に出て自転車で走り出す途中にゲップが出て炭酸特有の感触と言うか、鼻に刺激として伝わり少しだが走る途中で悶絶してこいでいた自転車を思わず止めた。
「―――? !?」
静や真維をせめてもダメだし優衣は忙しくて家にいないことが多いし、わたしが自分でなんとかしないといけないこれは夜更かしした自分の責任だとも思いながらもわたしはここでやっと自分と言うか、眼の前の状況と言うか、何かが変なことに気が付いた。
「―――――」
再確認と言うようにわたしは携帯を取り出すと、スマフォではなくかなり前に使っていたガラケーと言うか、高校頃に使っていた携帯電話で、わたしも高校の制服を着ているし感覚的なもので確証はないのだが身体も当時の身体な気がした。
調度このころは湯川家の家で優衣たちも暮していたし、第一静があの時のままで、わたしの携帯も古く、振り返り確認した家も、わたしが確か20の時に改築したが、改築前の古い状態に見えた。
「―――――って? 遅刻遅刻?!」
現実的に言うとわたしは現在35歳だし、これは夢かとも思ったが、遅刻し間に合わないと言う思考が強く勝っていたし、わたしはつい先ほどまで思ったことを忘れるかのように走り出した。
「―――間にあった~」
学校から自転車で片道30分以上、往復で1時間以上で、全力を出しても25分以上もかかるし、高校時代のわたしの学校への行き帰りの2、3分は学校生活である意味死活問題と言えた。
「あら、愛さんおはよう?」
「おはようございます。」
「生徒会ですか? 書記係がんばってくださいね?」
靴箱の前で靴を外履きから上履きに変えながらわたしはひとまずセーフと言うような雰囲気で一息吐き出しかける中で部活動の朝練などで来ていたのだと思うが、ほかの生徒が声をかけて来た。
「ええ、おはようございます―――」
声をかけてくるのは女子高だから当然だが全員女子だが、靴箱で少しおどろきながらもあいさつを終えて足早に進み始め、校舎内を歩き続けてもわたしは時折学年を問わずに声をかけられていた。
わたしはこのころと言うか、正確にはここは2年の初めごろだと思うが部活動の部長にもされて忙しい上、生徒会に書記係として推薦されて当選し、身を置かされ校内で少し有名にもなり、この日も朝会議があって遅れそうにもなり多忙だった。
「そう言えばお母さんがあの荒巻玲なんだって~、あの女優の~」
「マリア様がみてるって知ってる? コバルト文庫の? 愛さんてそれに出てくる祥子さまや聖さま、薔薇さまみたい~」
「それよりも、すごいのはやっぱり祐未さまと親睦も深く、生徒会長にも推薦を受けたことよね~?」
2年になったわたしはその時少し学校内で、正確にはこの学校や幼稚舎から大学まで一貫式でもあるし、高等部でだが少し有名人になっていた。
華族のような高貴な血を引く令嬢なんてこの学校内には多く存在し、グループの規模的にも一応そう言った部類としてある意味区分わけさせられていたが本格的な要因はそれではなかった。
母玲が女優だったこともふくめわたしが有名になるにはほかにも理由が存在し、外見的な容姿もだが、話していた1人が口にした祐未さまこと、樋口祐未のお気に入りだったのだ。
樋口祐未がどんな女性かと聞かれると去年3年生で、現在は卒業し学園系列の大学の大学生となったが、1年から3年まで生徒会長を務めていた女性で、祐未さまとまで敬愛を込めて呼ばれていた。
わたしが中等の時からその名声は届き、1年から有名だったらしいのだが容姿端麗、才色兼備、聡明な精神を併せ持ち、1年には生徒会長に立候補し当選、成績も常に1、2位を争う言葉通りの最高の女性とも言えた。
中等の時になぜ彼女が有名にならなかったかと言う疑問も出るが、答えは簡単で彼女はわたしと違い高等部からのこの学園の入学者で、家も少し裕福な程度で、彼女は養子だと言う情報まで流れていた。
「おはよ、愛?」
「あ? おはよ? 綾奈?」
彼女に生徒会長にと推薦されこそしたが、わたしはと言えば荷が重いし、部活動もしたいし、本音を言うと面倒なことをしたくなかったし、彼女を説得し、お互いの妥協案としてわたしは書記係に就任した。
面倒なことをしたくなかったと考えていたが、生徒会と言うのは聞こえはいいし女子高の高等部で、秘密の花園と言う華やかな雰囲気や格式の高さなんてものも感じるが、実際としては学校と生徒、教師間の雑用係で思った通りに面倒なことが多かった。
部活動の朝練はなかったのだがこの日は朝から現生徒会長の緊急呼び出しの会議で、わたしが会議室に向かう途中で後ろから同じ生徒会に入った2年生の広瀬綾奈が声をかけて来て、わたしはあいさつを返した。
同じ2年生とは言うが厳密に言うとわたしよりも1歳年上の17歳で、彼女は2年前と言うか、中学受験に失敗し、1年留年して16歳から高校生になっている。
成績や学校生活や態度などは問題なかったのだが、受験日の数か月ほど前に交通事故に会ったそうで、傷は治りかけていたが用心を兼ねてと言うことで入院が長引き受験ができず、わたしと同学年になった。
幸い彼女は中学は系列とは違う中学校に通っていたと言うか、経緯を踏まえて進学先も変え、年数的にも顔なじみもおらずと言う状況で、わたしを入れてクラスの数人に打ち明けていたが、年齢差も問題なくクラスに溶け込めていた。
「―――何とか遅刻しないで―――」
「遅いっ!」
「―――――!」
綾奈が何とか遅刻しないですんだねと言うように言いかけ、わたしがそうだねと言うように返す前に生徒会室のドアを開けると途中で勢いよくどなる声が聞こえ、わたしと綾奈はその場でおどろくと言うか、一瞬怖くて勢いよく眼を閉じてしまっていた。
「10分前には来いと言っただろうがっ!? 2年になった早々中だるみか? もう!? 教師が言ったことを再度わたしに言わせる気か!? 2度手間がわからないのか!?」
「―――江莉さ―――」
「言い訳するな!」
生徒会室から出てきた声はわたしたちを怒る声で、わたしたちに向かって何をしていたんだと言う物言いで、わたしは声の主こと、現生徒会長の斎藤江莉を落ち着かせようとする中で再び怒鳴られた。
「―――まったく―――」
「―――――」
言う中で江莉はわたしたちに背を向け、わたしはと言えばまたこれだと思うしかなかった。
「―――ひがんでいるのよ? 祐未さまに選ばれなかったから? それに海外留学でうっかりミスで留年したし、わたしみたいに別の学校から来なかったからね?」
「何か言ったか!?」
「―――いえ、なにも。」
学校こと教師からやわたしたちと同じ生徒たちの声や、それにこれからの予定に関係する書類が送られ、書類の整理と関係した行動に反省をふくむ後始末などがこの学校の生徒会の仕事だ。
小等部や中等部の時に生徒会に参加したことがないし、ほかの学校は知らないし、興味はないが、大体は似たような仕事をしているとも思うが、会長こと、江莉の小言を聞くのはこの生徒会のこの年で、わたしたち一部の役員だけだ。
彼女の機嫌が悪いのは性格的な部分も存在するが、わたしがまたこれかと言うように黙って作業に入ろうと思う中で綾奈がわたしに小声で返し、聞こえたのか江莉は勢いよく聞き返すが綾奈は言葉通りの何も言ってないと言うように返した。
綾奈の故意的な反応は少し無視するとして、言うことは事実で、江莉は祐未にあこがれ生徒会に去年立候補したが不意にと言えば変だが去年高等部に来たわたし愛に眼を向けると言うか、選んだ。
生徒会長に立候補してほしいと頼むこと、選んだことは事実だが、わたしは断りこそしたが祐未の説得もあって書記係へと就任し、江莉はと言えばほかに人がいないからと言う理由で一応選ばれたと言う状況になっていた。
生徒会長にこそなり、海外留学もすると言う華やかな経歴を得たが、書類ミスで留年し、18歳と年上だがわたしたちと同じ2年生になっていたし、学校中にその話も広まり、一時は生徒会長の座を下されかけたりもしていた。
事実わたしのクラス内ではわたしか綾奈の方が生徒会長がよかったと言う話がよく話題にもなっていて、教師たちも似たようなことを言っていることも聞いたことがあった。
「―――」
「それよりも早く終わらせましょう? あなたに怒られに来たんじゃないです。話し合う時間がムダです。」
綾奈が何も言っていないと言うのが本当かと言うように江莉は見ていたが、このままではまずいしと言うように口を開いたのはわたしで、早く終わらせようと言うように言うと江莉はわかったと言うような反応を見せた。
高校時代の、正確に言うと2年の1学期頃だと思うが何気ない1日の1場面で、江莉も綾奈もわたしが朝学校に行く途中で感じた違和感に気付いたと言う様子もなく、わたしもほとんど忘れている状態だった。
後のことも気にすることもなくと言う状態で、普通に生徒会での仕事を終えた後は教室で授業を受けて学食で食事をして、同じクラスと生徒と話したりと、異常も何もない状態を続けた。
いつも通りと言うように時間を過ごし、後は放課後の部活と言う流れで、わたしは部活と言うか、学校の近くのプールに向かっていた。
過去に全国を基本に世界大会、果てにはオリンピック出場選手なども出したことがあるそうで、女子高ながらスポーツには力を入れており、水泳部も季節も関係なしに活動し、校外に活動場所も確保されていた。
後は部活で身体を思い切り動かして気分爽快と言う状態で、靴箱で下ばきに履き替えた中で、携帯電話が鳴った。
From 樋口祐未
本文
すぐ大学まで来てほしい。
悪いけど部活も休んで
重大な話がある。
携帯を見ると祐未からのメールで、すぐに来てほしいと言う内容だった。
「―――?」
「―――愛。」
電話番号やメール、自宅の番号を教え合うなど、実は結構仲良くなっていて、公私をふくめ、こう言った呼び出しはなかったわけではないし、どうしたのかと言うようにメールを見ている中で、わたしを呼ぶ声が聞こえた。
「?」
「―――わたしよ? わかる?」
「祐未さま―――」
声の方向に眼を向けると学校の生徒でもなく、教師でもない、大学生と思われる女性こと、祐未が携帯片手に立っていて、わたしに声をかけるとわたしは祐未の名を呼んだ。
高校の時は制服を着ていることが多く、私服姿を見たことが無いわけではないが、祐未は大学生らしいと言えるような結構おしゃれな格好をしていた。
大学にでれば半場社会人も同然と言えるし、わたしだって学生の時も学校以外では普通の服も着ていたしで、祐未の服装はわたしとが違うなと見ている中で、祐未はわたしに近づいて来ていた。
物事には発端と言うものが存在していて、発端は過去に存在し、現在と言う時間を形成し、未来に与える影響は過分に存在している。
わたしの性における問題と言うか発端は実は高校1年の時で、わたしの最初の相手は話しを踏まえて予測はついていると思うが祐未で、その後も何度も関係を持っていて、実は綾奈も同じだった。
祐未と会った小1時間後ほどしてわたしはと言えば祐未に連れられてと言うか、後で綾奈まで呼び出してラヴホテルに一緒に連れられ、3人一緒に一通りのことを終え、わたしと綾奈はベッドに全裸でうつぶせで横になっていた。
「―――いつも突然なんですから―――」
「2人一緒がなかったわけじゃないけどね―――」
一通りのことを終え、少しして口を開いたのはわたしで言う通り突然だったし、綾奈も悪くはなかったが、こんな時にどうしてと言うように言った。
わたしと綾奈はと言えばお互いに顔こそ合わせていなかったが同じベッドで同じ向きで横になり、手を絡み合わせて握っていて、祐未はと言えばベッドから少し離れた横の化粧台に服も着ずに腰かけ、腕を組み、足を組んでいた。
「―――ねぇ?」
「―――ねぇ?」
わたしと綾奈は顔を合わせ、後少しで鼻と言うか唇と唇が触れ合う距離まで近づき、冗談半分に先ほど言った通りで突然で困ると言うように言い、軽くだがお互いに言い終えると軽く笑っていた。
悪い意味でも若気の至りと言え、わたしは女性とも性的経験を持ったし、少しして綾奈と2回目もいいかなとも考えてもいたし、綾奈もいいよと言う表情をして眼を閉じかけていた。
「―――朝起きて、何か違和感がなかった?」
「?」
後少しと言う状態だったが、それを止めたのは祐未の言葉で、わたしと綾奈は眼を開き祐未の方へ首を向き直した。
「愛―――」
「―――何のことですか? まさかまた前みたいに性病にかかったとか言ううそですか?」
向き直した中で綾奈は冗談半分に途中で止めないでと言うようにわたしを後ろから抱きしめ、わたしはと言えばそんなこと言われてもと言うように返すしかなかった。
「そんなのいや~?」
「もうやだ綾奈―――」
途中で止めたわたしが悪いと言うもので、綾奈は祐未の方は一応は見ているが、わたしとあの続きをしたいと言うようにわたしを抱きしめ、わたしはと言えば祐未の話しも真剣に聞かないでいた。
抱きしめた時点で綾奈はわたしの身体もなでまわし始めているし、普通の人間が見れば乱交の余韻に浸っている空気が丸見えだ。
「―――遠まわしなのは止める。あなたたちしか頼りにできないの、わたしたち学校ももう卒業したし、就職したでしょう? 愛もスイスに留学して会社を起こしたでしょう? 綾奈も東京銀座に本店を持つ支店の店長でしょう?」
「―――ぁ。」
「―――――」
祐未はこれでは話が進まないと言うように言うと、わたしはと言えばそう言えばと言うように反応し、綾奈もわたしの身体で遊ぶのを止めた。
止めたと言うよりも、お互いに忘れていたことをこの時になってようやく思い出したと言う状況だった。
「―――そうよ、そう言えば―――」
「わたしも、だけど場の空気? みたいなものに流されて、いると言うのが妥当ね? 思い出せなくなると言うか、忘れそうなのよ? あなたたち忘れていたでしょう?」
「―――はい―――」
言われた綾奈はその通りだと言うように反応する中で、祐未はだけどと言うように返し、わたしもその通りだと言うように返事を返した。
「―――だけど―――」
「根拠がないし、勘違いかもしれない、気のせいかもしれないけどそう言ったもので片付けるのも奇妙な感覚でしょう?」
言われたがどうすればいいかと言う状況で、わたしが上半身を起こす中で祐未はわたしもまだ疑っていると言うように言葉を返した。
「―――これはわたし個人の推測なんだけど、愛、あなたが一番それをわかっている気がするし、一番何とかできる気がするし、解決できる鍵を握っている気がするの。」
「―――わたしが―――?」
「だけどこれもさっき言ったように根拠はないの、だけど、わたしでは何もできない気がしたし、わたしもあなたに助けを求めに来たの―――」
祐未は少し間を置いたが続け、わたしが頼りだと言うように言うが、わたしがと言うように言う中で、祐未はどうしようもないと言うようにも返した。
「―――祐未さま―――」
「さまなんてやめて? 肝心なことは少しでも手がかりを見つけること、情報の交換をしましょう? 役に立ちそうなことを話しましょう?」
遅れて綾奈も上半身を起こしどうしようと言う反応の中で、祐未は冷静に対応し、まずはと言うように言った。
言う通りで、大切なことはもうすでに大人になったわたしたちが子供と言うか、高校生に戻ってしまったことで、わたしたちは祐未の言うとおりに情報交換を始め、元の状態に戻ることができるかなどの情報を交換することにした。
祐未の予想はある意味正解していてある意味で大間違いだと言えた。
わたしの情報が一番重要だと言っていたし、あのうわさや、わたしの身に宿った能力、それにこの状況を踏まえるとわたしが一番情報持っていたし、関係していることは明確だと言えた。
明確だと言え、最近顔を合わせてなかったが祐未も綾奈も同じような情報を手に入れ、信じられないと言うべきだが、同じようにと言うか、わたしには劣るが同じ時期あたりに能力を覚醒させ、困惑し、朝目覚めるとこの状況だったそうだ。
情報は無論わたしが一番多く持っているが、問題解決する手段にはならず、あの能力を使える気配もあまりなかった。
「―――」
「ごめんなさい―――」
「あやまらないで、あなたは悪くない、だけど、神さまになれる? どういう意味? 何が起きているの―――?」
事情はわかったがどうすればいいと言う状況で、わたしはと言えばこれ以上は力になれないと言うようにあやまる中で、祐未はそんなこと言っている場合ではないと言うように返した。
「タイムスリップ、とは違いますよね―――」
「―――それに近い、記憶、いや、精神だけ―――?」
「逆に、身体もあわせて変えた? 記憶はその副作用? だとしたら本来の時代のわたしたちがいなくなるの?」
考えている祐未に対しこれはどうですかと言うように口を開いたのは綾奈で、祐未は確かにそれだと言うように返すが、すぐに違うようなと言うように返し、わたしも関係してと言うように返すが、これも違うと言うように言葉につまった。
「―――だけど―――」
「何? 愛?」
「あ、いえ、何でもないです―――」
当然と言えば当然だがだけどと言う言葉が続き、わたしが再びだけどと言う中で、祐未が重要な手掛かりに気が付いたのかと言うように聞くが、わたしはこれは違うと言うように眼を反らした。
情報交換こそしたが、わたしは2人にいくつか話していない情報が存在していて、それを話そうかとも思ったが、すぐにやめようと思ったのだ。
話していない内容が何かと言えば夢で見たあの蛇の眼の男のことで、なんとなくだが話しても意味がない気がしたしやめたし、本題は江莉のことだ。
「江莉さまのことです。」
「江莉? 江莉がどうかしたの?」
「―――施設のことは、話しましたよね? 彼女、襲って来たんです。彼女も、能力者みたいなんです。」
他のこともだが男のことはわたしにも明確には理解できないし、わたしは眼を反らしていた理解できることを話そうと言うように切りだし、祐未がどういうことかと聞く中で、わたしは答えを返した。
現状から見ると奇妙な表現になるかもしれないが、昨日の夜施設にあらわれた正体不明の女性は言うまでもなく江莉だった。
「―――話さない方がいいと思います。」
「―――失礼だけどわたしも賛成―――」
「そうね? 言うまでもないけどね。個人的には。」
祐未と綾奈がどう言う意味と言う表情の中でわたしはと言えば深い事情は無視して彼女に話すのは止めようと言うのを伝えると、綾奈はわかったと言うように返し、祐未も同じようにと言うか、彼女は信用できないと言うように返した。
「―――――」
「江莉は信用ならない。だからわたしはあなたと綾奈を会長と副会長に進めたのに―――」
わたしと綾奈は現状も踏まえて少し考える余地があると言う判断だが、祐未は絶対に賛成しないと言う反応で、この時からその兆候があったんだなと言うようにわたしたちに眼を向けて行った。
「わたしたちは―――」
「わかってる。部活と言い学校と言い、家と言い、あなたたち忙しかったものね?」
何年も経っているからさすがに見逃してほしいと言うようにわたしが返そうとする中で、祐未はわたしも悪いことを言っている自覚はあると言うように返した。
「だけど江莉は固すぎるし目立ちたがりで派手すぎる。自覚がないから性質が悪い。」
「―――――」
「わたしもそう言う部分はあると思うけどね、あの子には人をひっぱる力がないの、愛、あなたにはそれは少ないけど人を引きつける華がある。綾奈には人の心に潤いを持たせる抱擁感がある。」
祐未はここまで来たなら言うけどと言うように江莉を厳しく批評し、わたしと綾奈がそこまで言いますかと言う反応の中で、わたしたちの評価も口にした。
「言うまでもないけど、大変だったでしょう?」
「―――」
「―――」
口にした後祐未はわたしたちに対し、江莉のことで大変だったでしょうと言い、わたしと綾奈は言うまでもないと言うような反応をするしかなかった。
「―――この話題になるとあなたたち必ずそうね?」
わたしと綾奈は顔を合わすと苦労したよねと言う表情の後あわせるように顔を下に向けため息を吐きだし、祐未は本当に苦労したのね光景が眼に見えるようだと言うようにも言った。
雰囲気的に言うまでもないが生徒会は大荒れした。
大荒れと言えば言い過ぎで、分裂、解散、職務法規と言った大きな問題は起こさなかったが、江莉に振り回されまくったと言うか、奔走させられた。
「―――大切なことは、これからね。」
「―――はい。」
「―――はい。」
大切なことは祐未の言う通りで、本来の状態に戻ることや、江莉への対処、わたしたちの力のことで、祐未がわかっているけどと言うように言うと、わたしと綾奈は否応なしと言うか、絶対にそうすると言うように答えた。
突然の事態ながらも流れに乗り、学生時代の楽しかったことが思い出され、もう少し浸っていたいと言う甘い考えがなかったわけではなかったが、事実を踏まえると、悠長なことはしていられなかった。
思い返してみればわたしの人生と言うものは言葉通りの満ち足りたもので、学生時代は成績も運動もよくできて、大きな病気もなく、特に際立ったいじめと言うものもされず、人間関係にも恵まれていた。
祐未と綾奈との関係はこの時だと不謹慎で良くないものだが、大人となった現在でも時折会っていて続いていて、円満な関係を築けていると思っている。
不幸中の幸いは続き、祐未も綾奈もわたしと同じ能力に目覚めて安心している中と言うか、ひとまずは普段通りの生活に戻ろうと、シャワーを浴び終えて着替えている中で、わたしはある例外的なことを思い出した。
着ている服はと言えばここに入る時もだが、制服ではなく無論普段着で、祐未が用意周到に持ってきてくれ着替えたものだった。
「そう言えば、関係して、綾奈の力、役に立たないかな? 健在?」
「あの力、か?」
「え?」
思い出してみればと言う状況で、わたしは張本人の綾奈に聞き、祐未がそう言えばと言うように反応し、綾奈はあれかと言うように反応した。
「運命の相手が見えるとか言うあれか? 背後霊みたいに? そう言えば愛の弟分はいるのか?」
「―――そう言えば、あの子、いない―――?」
綾奈には普通の人にはない力と言うか、わたしたちが最近目覚めた神の力とは違う霊感のような力を持っていた。
祐未の言う通りの、運命の相手と言うものが、背後霊のようになって見る相手の近くに時折見えるそうで、祐未は思い出してみればと言うように綾奈に聞くが、綾奈はそう言えばと言うように反応した。
「健在なのね? それにしても、いない?」
「そろそろ戻って来てもおかしくないのに―――?」
「わたしたちでは探せないからな? それと、わたしには変化ないのか?」
綾奈の反応から見て健在なようだが、わたしが少し安心したと言うように言った中で、異常と言うか、彼女の目線から異常が起きているようで、綾奈は周囲を見渡す中で、祐未はそう言えばと言うように綾奈に質問した。
「―――――」
「探してみるか?」
「勝算が取れるでしょうか?」
質問された綾奈はと言えばいい絵と言うように首を左右に振ると、祐未は別にかまわないと言うように話を進めるが、わたしはそれはどうかと思うと言うように返した。
経緯を踏まえて言うまでもないが、綾奈から見てわたしにはその相手がいて、祐未にはいないそうだ。
彼女が言うにはわたしには小学生ほどの大人しそうな女の子のような男の子がいるそうで、見える時にはそばにいて服をひっぱっていたりするらしいのだ。
能力柄綾奈は触れたり話せたり、霊力のような物がわかると言った接触と言うか、交流が可能で、彼は非常に人見知りで綾奈と眼があっても声をかけても話しかけず、時折目は合わせてはくれるがわたしを盾にして隠れるそうだ。
わたしにはそう言った感覚は一切なく、現状いるかいないかわからず、わたしたちみたいな関係と言うか、少し子供には不適当な行為を見ると恥ずかしそうな表情をして一時的に逃げ出すか眼を反らすそうで、現状はそれで逃げたにほかならなかった。
綾奈はいないと言っている状態で、綾奈の言い方から戻って来てもおかしくないころあいだとも言えるが、戻って来ていないみたいだった。
「―――わからん。」
「―――――祐未さ―――」
「だけどできる限りのことはするべきだ。」
わたしの質問に対し、祐未は少し間を置く中で、本音を言うと意味がない可能性が高いと言うような受け答えをして、わたしがそれでは困ると言うように返そうとする中で、祐未は四の五の言うなと言うように返した。
「それとも、思い切って力を使ってみるか? その方が手っ取り早いかもしれないが―――」
「うまく使える確証はないし、どうすればいいかもわからない、その上周りを巻き込むことになります。」
「―――江莉だったら強行するが、止めておくとするか。」
反対された祐未は思い切ってと言うように言うが、わたしは反対し、その通りだと言うように返した。
不測の事態にあわせて、自分たちも好き勝手してもいいと言うわけでもないと思って反対したが、ほかに方法がないことも事実で、綾奈もだが本当は賛成だが人道的にはダメだよなと言う表情をしていた。
ほかに打開策も見つからず、だれかに訴えてもむだな可能性も高く、いつまでもここにいるわけにもいかず、現状の最善の行動はと言えば、家に帰ることだけだった。
祐未とは別れ、わたしと綾奈は自転車登校のため、途中でまた別の場所で制服へ着替え直すと来た道と言うか、学校へ戻りながら、少しでも何か解決策がないか話し合わないといけないと思いながらも、あの当時同様の、他愛のない話と言うか、会話をしていた。
35歳のわたしが本物なのか、現状の16か7歳のわたしが本物なのか本当に混乱する状況で、綾奈も時折忘れてないよねと言うかのように眼を向け、わたしは一応はと言うように眼で合図した。
「―――関係しているのかな?」
「?」
「そろそろ戻って来るはずなのに―――?」
状況を踏まえてと言うように綾奈はわたしと言うか、わたしの腰の後ろあたりに眼を向ける中で、何と言うように反応する中で変だと言うように言った。
「―――ほかの人にも、見えるんだよね?」
「うん。」
綾奈の不思議な力を知っていないとわからない話で、憑りついていると言えば失礼だが、先ほど話していたわたしのそばにいる男の子のことで、戻ってくる頃あいだが、戻って来ていないみたいだった。
わたしはと言えば別段身体の異常もあるわけでもなく、綾奈にほかの人にも見えているのかと再確認にするように聞くと、綾奈はもちろんと言うように答えた。
「―――あの人は?」
「たぶん奥さんね? 眼の前で腕組んで足カツカツさせてる。」
わたしには到底見えないが、綾奈はと言えば日常風景と化していて、わたしも打ち明けられた数少ない人間としてあわせて謳歌している状態だ。
わたしは試しにと道に立ち止って電話をしている男性をどうかと聞くと、綾奈はあれはと言うように返した。
他人から見られるとうそくさいとも思われ、演技とも考えられるが、わたしも狂人の域かもしれないが、付き合っていく中で見えた相手を確認するなどして、十二分な信憑性も実は手に入れていた。
「あの子は? あの子たちは?」
「残念、2人ともいないみたい。」
続いてと言うようにわたしは下校途中と思われる同じ高校の女子生徒2人を見つけて同じように聞くと、綾奈はあれはと言うようにかえした。
「―――だけど、そんな子とは全然あってないのよね? 気配も感じないし身体に違和感もない―――」
「見えはするけど物凄く微弱で逆にあなたが守ってるみたいになってる。それと年齢が一致していないのかもね。」
「やっぱり?」
信憑性があるとは言え、わたしは冗談半分、綾奈も慣れ親しんだと言う状態で会話し、わたしは関係して考えてみればと言うように聞くが、綾奈はそれに関してはと言うように返すと、わたしはそうなのかと返すしかなかった。
「京子の結婚式の時覚えてる?」
「あーそっくりなおじいさんいるって言ってたね? それに彼少し大人びていたよね?」
綾奈の力には弱点と言うか、問題と言うか、見える存在にも要因が存在すると思われるが、本人と年齢が一致しない場合が存在し、綾奈は思い出してと言うようにわたしに聞き、わたしはそう言えばと言うように返した。
「歳をとったらああなるのかもね? だけど、あの子も15年経っているし、わたしたち同様に大人になっているかもね?」
「―――そうかもね?」
「まあ、でも、別に子供のままでも十分に可愛がって楽しめそうだけどね?」
あわせてと言うように綾奈は返し、わたしもそうだと返す中で、綾奈は楽しみだと言うように軽く笑って言った。
「綾奈ったら?」
「愛もあの子は絶対に気にいるよ? 可愛いから2人で一緒にいいことして遊んであげたくなるよ?」
綾奈が言うのは紛れもない性行為のことで、表情や素振りも持て余していると言うか、獲物を狩り、仕留めひとまず味見と言う寸前の表情で、綾奈はこの話題になるとわたしがそんなこと考えてと言うように返す中で、必ずそんなことにならないと返した。
「―――いつも恥ずかしがって逃げてばっかりだし、会ったら恥ずかしくないし楽しくて気持ちいいことだって教えてあげないとね? 大丈夫よ? 最初はあなたにあげるから。」
否定こそし、綾奈が続ける中でわたしも実は楽しみと言えば楽しみだと言うことは否定できず、現在でもだが若いうちから身に着けた肉欲を持て余したわたしと綾奈とはそれを楽しみあって行為に及んでいることが多々あった。
男との接触がなかったわけではないが、多くが性欲を持て余した経験済みの年上で、わたしたち2人はそう言った人間とは正反対と言うか、思考性を理解できないが、身体がそう言った機能を持ち始めた年端もいかない未経験の幼い子供を欲していた。
一歩待ち間違えれば犯罪行為寸前だが、男だって若い純血の乙女こと、処女を求めるように、女性が童貞を求めてもいいとも思うし、わたしも綾奈も楽しみにはしていて性欲を持て余してはいたが、実際問題子供とかに手を出すことはなかった。
現在と言うか、35歳のわたしが住んでいるマンションは記憶が確かならばわたしが25の頃に建てられたもので、足を運ぶだけむだなのがわかっているので行くのも止めてもいた。
高校生の時のわたしは実家暮らしだと言うのは言うまでもないが、朝の遅刻騒動を除外し、普段はと言えば物静かと言うか、故意に気配を消すかのような生活をしていた。
身体を動かさず、思考を停止させ、呼吸を浅く微弱に減らし、周囲の音に耳を貸さず、皮膚や身体に触れるベッドのやわらかい感触だけを感じていた。
ベッドは社会人の初任給数か月分は確実に吹き飛びそうな屋根付きでむだに大きく豪華なもので、シーツも眼が覚めそうな派手な薔薇柄の上にわたしは青いシーツを敷いて派手さを隠し、その青色の中に制服のままうつぶせになって身を沈めていた。
簡単に言うと寝たふりで、無論食事や勉強、学校へ行くなどと言った必要最低限のことなどの時は動いているが、家にいるときは一番これをしているのがよく、綾奈と話したわたしはとりあえず家に帰っていた。
父純一と母玲は仕事で海外に出張が多く家にいないが、従姉妹の優衣と静と真維に囲まれ可愛がられ、祖父総一郎に溺愛されていたが、八千代のわたしに対する態度や言動、束縛はわたしを憂鬱にさせていた。
さびしくはないがわたしは八千代から見て、祖父の愛人の子の連れて来たどこの馬の骨とも知れない女の子供で、彼女から見て縁もゆかりもない子がこの家にいるわけで、好き勝手するなと文句を言われても仕方のないことは理解している。
理解しているが、縁もゆかりもないとは言え、わたしは総一郎の孫であるし、彼の家でもあり、総一郎が認める分ここに住んでもいいと考えられる上、縁もゆかりもないならば放置すればいいと思うがそれをさせてくれなかった。
「―――――」
話しを出して行けばあれだこれだ厳しかったで、これだけは人生最大の嫌なことだと思えるほどだが、総一郎や優衣たちがいて、死んでしまったが父の母こと、実の祖母リヴァには感謝はしているつもりだ。
祖母と言えば母の母、言わば祖母エリーにも感謝をして愛してもいる。
わたしは自分自身は嫌いだが、生まれてこなければこう言った感情も知ることもなかったし、少し問題な点も存在するが祐未と綾奈との出会いと言い、順風満帆な人生を遅れていると思っている。
「―――――?」
八千代にも彼女としての意志が存在し、尊重すべき部分や、わたしが受け入れ準ずることも必要な部位が求められるかもしれないが、それだけは一番嫌で、わたしはいつか出ていくことを考えていた。
35になっても相応の出会いがなかったと言う世間体的な諸事情は放置して、肝心のそれが実現できたんだからよかったと思い起きているよと言うように一応開けていたが気力の抜けたようになっているであろう眼を閉じかけた時だった。
紛れもない本来のわたしの、35歳のわたしの世界と、同じ感覚と言うか、だれかが力を使った気配のような物を感じた。
「暴れてる―――。この世界を破壊する気?」
閉じかけていた眼も開くと言うか、勢いよく開くとわたしは起き上がると窓の方へ行き外の方へ眼を向けると、思わずまさかと言うように口を開いた。
感覚的なものだが、同じ力が暴れていると言うのがわかり、かなりの強さを感じたわたしは、言った通りに、この世界を壊すほどかと思った。
「―――――!?」
普通の人間では感じられるわけもなく、優衣も不在で、祐未か綾奈しか頼れると言うか、話せる相手はなく、電話をしようと思う中で、窓の向こうの光景で日本ではかなり非現実的なことが起きた。
「爆発―――?」
言う通りの爆発で、どこか遠くの建物だと思うが、花火が打ちあがったような音が聞えた。
厳密に言うと普通の眼と言うか、肉眼では見えてはおらず、音も離れていて聞こえないが、力の関係か、その異常事態が起きたと言うのはわたしの身体中の器官が確実に感じ取っていた。
「―――行き当たりばったりなわたしに、何ができるの?」
不味い何とかしないといけないとも考えたが、落ち着いて考えてみると、わたしはと言えば言う通りの行き当たりばったりで上手に使いこなせているわけでもなく、見ているしかできなかった。
(―――い、さん―――!)
「―――?」
外からは騒音も聞こえ、放っておくと言うか、すぐにでも綾奈か祐未からでも電話が来ると思うが、わたしはとにかくと言うように電話をとろうとベッドに置いた携帯を入れたバッグに近づく中でだれかの声を聞いた気がした。
(―――愛さん! ここです!)
「―――!?」
厳密に言うと35歳のわたしの記憶でだが、最近よく聞くと言うか、聞きなれた声で、気のせいではない気がし、声の主を探そうと見まわす中で、わたしは声の主を探すと、意外と近くと言うか、声が背後から聞こえ、振り返り、おどろいた。
「―――陽菜、ちゃん?」
(そうです!)
「透けてる? 小夜ちゃんと晴子ちゃんも―――」
声の主は言う通りの陽菜で、陽菜も間違いないと言うように返し、近くに小夜と晴子も存在するが、3人の姿は透き通っていた。
(朝起きたらこんなになってて! 3人一緒にいて! 施設や愛さんのマンションがなくなっていて、やっとここに来たんです!)
半透明とも言えるが、立体映像や幽霊、それに蜃気楼のようにも見え、話す声も反響しているように聞こえ、魂だけがここに存在するかのような状態みたいだった。
「―――?!」
「!?」
「―――いたた? え? あれ?」
原理がわかるわけもなく、わたしは無意識に陽菜に触れようとした瞬間と言うか、触れた瞬間、勢いよく静電気が発生したような音が響き渡り、激しく強い光がわたしと陽菜の間で起きた。
陽菜もおどろき、倒れかけるのが見え、わたしもまずいことをしたと思う中で、異変が再び起きた。
異変が何かと言えば、実体になったと言う表現が妥当で、先ほどまで幽霊のようになっていた陽菜が普通通りの身体となって床に倒れた音も聞こえ、彼女自身も起き上がる中でこれどうなっているのと言う反応をしていた。
(え? 愛さ―――)
(あの? え? 待っ―――)
考えるまでもないがわたしが要因なのは明確で、小夜に眼を向け、何考えているんですかと言う小夜の表情を無視して手を出し、晴子も待ってと言い切る前に同じことをした。
読み通りと言えば聞こえはいいが、陽菜と同様同じことが起きて、小夜と晴子も実体へと変化し、3人はお互いに顔をあわし、ふれあい、身体が元通りになったことを確認していた。
少し考えてみるとこの現状において全員を同じ状態にするのは少し不味いとも思ったが、ここまで来て引き下がれないことも現実だった。
肝心なことは数多く存在するが、一番大切なのはわたしたちと言うか、時間と言うよりも環境と、それにあわせた身体と、少し遠くで起きていることだ。
昨夜と言えば変かもしれないが、昨日のことを思い出してみても、能力を覚醒させた江莉たちが姿をあらわした以外は存在しないと言えば、変だが、このようなことが起きるような要因はなかった。
要因と表現したが、このようなことになる要因自体が思い当たるわけもなく、わたしたちは遠目に少し先で見える光景を傍観していた。
「―――どうします?」
「いった方がいいのかもしれないけど―――」
「無理ですよね?」
聞いてきたのは晴子で、わたしも行動に移すべきかとも思ったが、止めたのは小夜でわたしも納得した。
「―――それ以前にここって―――?」
「2004、5年ごろ? 陽菜ちゃんたち13歳かそこらよね? あなたたちが生まれる4、5年前?」
「だから愛さん制服姿なんだ。高校生ですか?」
聞きたいことはそれ以前にと言うように陽菜は聞き、わたしは考えてみればと言うように返し、陽菜も納得していた。
計算すればここは推測して2004、5年ごろで、わたしの言う通り陽菜たちは原則生まれていないと言うのが理論上の見解だ。
「愛さん髪形以外あまり変わっていませんね?」
「―――そうかな?」
「ガラケーだ? おじいちゃんが持ってるのに似てるー。」
パトカーのサイレンの音も聞こえる中でのある意味不謹慎な会話だが、彼女たちにとっては見知らぬ世界だ。
わたし自身も子供に戻っている状態だが、彼女たちから見てあまり変わっていないように見えるらしく、わたしが髪形を手でさわり確認しながらそうかと返す中で、晴子はわたしが取り出していた携帯を見ていた。
わたしの髪はと言えば部活の関係もあってこの時少し短く切っている状態で、制服姿だが陽菜たちに変だと言われないのが意外とも思った。
「それ最新のだよ?」
「え?」
優衣でもやってきたら悠長なこと言っている場合かと言う状況だが、わたしはと言えば晴子に対し触ってみると言うかのように見せた。
「―――――」
「愛さん―――」
「そうよね?」
わたしたちがやっているのは言うまでもなく見て見ぬふりにほかならず、3人が携帯を見ていたが陽菜がいいんですかと言うように声をかけ、わたしもそれはわかっているけどと言うように返した。
現状で見方はと言えば祐未と綾奈、それに眼の前の3人で、優衣はと言えば家におらず、2人に電話はしたが、返事が返ってこず、メールも同様で動くに動けない状況だった。
わたしたちはこの力に翻弄させられている。
ほかに言葉が出ない状況で、わたしたちと言うか、わたしは状況に変化がないのは不味いことで、深い理屈は無視して陽菜たちを連れていくべき場所へ行こうと声をかけ足を進めた時、力が不意に発動した。
発動して何が起きたかと言えば、お決まりと言うか、お約束と言うか、なれると言うのも変だが、よくある空間移動で、一瞬で別の場所に移動していた。
全員で口を開くことはなかったが、顔をあわせて間違いないよねと言うような表情をして、わたしたちは間違いないと言うようにどこかの確認を始めた。
「学校? わたしの? 教室?」
「学校? 愛さんの通っているのですか?」
雰囲気的な判断だが、わたしが通っている高校だと即座に判断できたわたしは口を開く中で、陽菜の声を半場無視し、窓際の方にかけると外の方に眼を向けた。
「―――――最悪ね?」
「―――――?」
「―――これって?」
海外の映画などで不意にいい知らせと悪い知らせがあると言われることがあるが、わたしはこれはまさにその状態だと思った。
いい知らせはと言えばここがわたしの高校だと言うことは外を見てわかった点で、悪い知らせはこの学校が問題の事故現場だと言う点だ。
外では普段の教室とは視点が違うが見慣れた学校内の風景が広がると同時に、わたしの言った最悪と言う通りで、校舎の外ではわたしたちと同じだと思われる人間たちが派手に動き回る光景が見えた。
陽菜たちもおどろき、これと言っておどろく以外言葉がでない光景で、まさに漫画やアニメ、それに映画やゲーム、小説などの世界で、異能な力を持つ人間たちが戦っている光景が見えた。
戦っていると言うよりも戦場で、鬼の形相で剣を振う女性や、それと戦う冷めた眼の着物姿の女性、空を飛びながら狂ったように銃を連射する女性と、多種多様な姿が見受けられた。
女性とは言うが老若存在し、人数も最低でも数十人以上見られ、殺すか殺されるか、生きるか死ぬか、そして弱肉強食で、転がっている死体もたくさん見えた。
物音も大きく、普通ならば学校で異常が起きていると警察に通報でもされ、音を聞いて野次馬が集まっているが、現状を踏まえるとここは現実ではなく、非常識な事態が続いていた。
「―――わ? 愛さん?」
「危ない。静かにして?」
「―――――」
阿鼻叫喚や銃声、破壊音と言う普段は聞きなれない不快な音と言う音が聞え、わたしは普通に見ていると危ないと思い、陽菜たちを強引に伏せさし、わたしもだが窓の外から見えないようにした。
突然のことで小夜がおどろくがわたしは言うとおりにしてと言うように言うと、小夜は声を出さなかったが、わたしが真剣な表情をしているのが効いたか、わかりましたと言う表情を見せ、首をたてに動かした。
「―――――!」
「―――!」
「―――――!」
一先ずは安心と思った矢先、頭上と言うか、窓が勢いよく割れる音が聞え、頭上のガラスが落ちて来て教室の床に散らばった。
だれかが撃った銃弾が、流れ弾が飛んで来てガラスを割ったようで、割れて落ちては来て危なかったが、わたしたちは幸いにもけがはなく、よかったとも思ったが、長居はしない方がいいとわたしは即座に判断した。
「―――できる限り静かに、教室を出よう?」
3人に対して言うまでもないが、指示をだし、3人は黙って言うとおりにしますと言うように同じような動作と表情で返した。
「―――?! 静かに!?」
敵と味方の区別以前に、状況の把握自体無理な場所で、安全な場所を探さないといけないと言う状況で、動き出そうとした矢先、窓の前、正確には屋根に何かが落ちるような音が聞こえ、わたしは危ないと思い3人を抑えた。
「―――ん~?」
窓の向こうから人の声が聞こえた。
間違いなく外の光景の中で見えた女性の1人だと思われ、おかしいなここにだれかいた気がするけど気のせいだったかと言う声で、わたしの感性での判断だが、見つけたら生かして返さないと言うような反応だった。
「何してんのよ? サボんないでよ? バカ。」
「ごめん。すぐ行く、それとバカはないでしょ?」
身を丸めて極力身体を小さくして、息を殺し、身を少し教室の中に入れないと見えない位置こと、窓際の下に隠れていて、足音も聞こえ、もうだめかと思った時別の声が聞こえた。
彼女の仲間のようで、声をかけると女性は2つ返事と言う受け答えのついて行くように後さっていったようだった。
敵とは言えないのかもしれないが、味方とも言えないで、わたしたちはこの隙にと言うように壁伝いに移動し教室を足早に出た。
「―――?」
一番にわたしで、我先にと言うわけではなく、安全確認のためで、できる限り扉を大きな音を出さずに慎重に開け、だれもいないなと確認しようと左右を、正確には左を見た後右を見た時、わたしは人の姿を見た。
「―――?」
「愛さん?」
状況的にわたしたちと同じ女性か、学校の教師、それに生徒だが、わたしが見たのはそれ以外の姿だった。
最初は男性教師に見えたのだが、見覚えがないと言うか、葬式でもないのに黒いスーツ姿と言うか、帽子を被りサングラスをかけ、コートまで着た怪しい雰囲気で、あっちに行けと言うように左を指さしている姿が見えた。
年齢は推測して2、30代前後半と言うか、本来のわたしの年齢ほどで、そんなまさかと言うように飛び出すと、彼の姿はなく、陽菜が声をかける中で、わたしは彼がいたと思われる場所を見ていた。
「こっちよ?」
「はい。」
気のせいと言うか、現状を踏まえると何が起きるかもわからないが、わたしは深い事情を考えず、なんとなくだったが、指さす方向を信じて進むことにして、陽菜たちにこっちに行くと言い進み始め、陽菜たちはわたしに続いた。
悪い夢と言う言葉以外に妥当な言葉が思いつかないが、正夢とも言え、わたしはこのままで終わるのは不味いと言う思考も存在し、陽菜たちを守らないといけないとも考えた。
眼が覚めると周囲の風景が普段と違っているなんてことは架空の物語でない限りはない話だとわたし優衣は考えていたが、現実に目の当たりにしている状況だった。
ベッドから転げ落ちて床で寝ているのかと言う以前に、固いと言うよりも、亀裂などで上下差ができて痛くて眠れない地面でわたしは眠っていて、眼を覚ました。
見覚えのない廃墟の中で、空気は少し清んでいて、陽の光が外から少し見え、雰囲気的に夜明けだと言うのがわかったが、眠っていた場所と違うと言うのはすぐに理解できた。
「どこだここ?」
家に異常でも起きたのかとも思ったが、起き上がると家の中ではないことはすぐに理解できもしたが明確な場所もわからず、わたしはここにいても仕方ないと言うように歩き出した。
「―――――?」
外も同じような状態で、大きな地震や津波、台風と言った災害でも起きたかのかとも思うが、わたしが気が付かないのは変だよなと思う中で、わたしは少し遠くで何かが爆発するような音を聞いた。
「銃声?」
爆発するような音と表現したが、間違いなく銃声で、海外旅行をして撃ったこともあったわたしは音が即座に銃声に似ていると言うか、確実に銃弾と判断し、音の方向に眼を向け足を走らせていた。
走った時間は覚えていないが、わたしは少しして遠く開けた場所で人が集まっているように見える場所が見えたかと思うと、彼らが逃げ出す姿が見えた。
「―――――」
逃げ出したのはわたしが来たことではなく彼らの集まった場所の中央のようで、わたしにも気づかず右往左往と逃げ回る状態で、わたしは即座に人が来そうにない場所に身を隠した。
全員痩せこけていると言うよりも骨ばっていて、表情がうす暗い不健康そうに見え、服も多くが古く破れ汚れていて、身体もきれいに見えず、わたしは一瞬ホラー映画の歩く死者かとも疑うほどの荒れ果てた姿だった。
「―――――!?」
逃げ出す人間たちはわたしのことなど眼もくれず気づかず、後で見なかったと聞かれても知らないと言うように通り過ぎていった。
わたしは何が起こったと言うように先ほど集まっていたと思われる場所に眼を向けると2人の人影と、地面に倒れた1人の死体が見えた。
死体は先ほど逃げ去った人間と同じ容姿で彼らと同じだと思われるが、頭からだと思うが血が流れ出ている状態だった。
「―――なんだ? あいつら? それに?」
逃げ去っていった人間たちと死体が半場人間ではなくなっていたのに対し、2人の人影の主は立派と言うほどの黒いスーツ姿だった。
白いシャツ以外ネクタイまで黒で、ネクタイを銀のタイピンで止め、手には手袋をしてつばの広い帽子を被り、眼にはサングラスをかけているようだったが、わたしは彼らの眼が青白く光っていることに気付いた。
2人は全く同じ容姿に見えるが片方は背が高く、片方はもう1人よりも1頭身分背が低く、コートを着て、2人とも背中に種類の違う大型の銃を背負っていた。
どちらかが地面に倒れている男を殺したのかと見ていると、背の高い方がわたしと言うか、逃げて行った人間たちの残りを見たのか眼を向け、わたしは勢いよく隠れた。
わたしはと言えば丸腰で、見つかれば何をされるかわからず、心臓も強く、早く波打つのを感じる中で、逃げ遅れた人間たちの慌てて逃げる声が周囲からまばらに聞こえた。
『What’s Up?』
わたしも逃げた方がいいかと言うことを考えるまでもない状況だが、現況の2人はと言えば意にも解さないと言う様子だった。
少しの間お互い考え事するように黙っていたが、背の低い方が何かに反応して素振りを見せ、何かと言うように背の高い男が低い男に声をかけていた。
「Who!?」
「Freeze!」
2人は不意にわたしの方と言うか、正確にはわたしと彼らの中間あたりのわたしから見て右側に向かって叫ぶと2人とも銃を取出しその場所に向けていた。
双方持っている銃は少し着飾った少し派手な外見で、黒と銀が混じり合い、背の低い男の方が引き金の前に、背の高い男の銃が本体の上にライトと思わしき物体を装着していた。
「―――――」
わたしは彼らの気のせいだったのかとも思ったが、2人は気のせいではないと言う雰囲気の中で低い男の銃のライトから赤い光が、高い男の銃からが青色らしき光が点灯したのが見えた。
銃には詳しくないからよくわからず、弾を込める動作こと装填をしたのだと思うが、2人は銃の上側を動かすのが見えた。
「―――安心してください。わたしたちです。」
わたしに気付いているのかと言う推測も生まれる中で、不意に女性の声が2人の銃を向けていた位置から聞こえ、足音らしき音が聞えると2人の女性が姿をあらわした。
「―――――?」
聞こえた声は奇妙な声で、女性の声であることはわかるのだが、普通の人間の声のように聞こえず、電話越しと言うか、機械で加工されたような声で、少し反響が起きていた。
「―――――愛? いや、そんなまさか? バカな?」
声が不自然だと言う以前に、わたしは女性の声に聞きおぼえがあり、女性の方を真剣に見る以前に、わたしはそのまさかと言う可能性を口にしていた。
改めて見直したのだが声の主は声だけでなく、後ろから少しだけしか見えないが愛によく似ている女性だった。
長い間一緒にいる分見間違えるはずはなく、後姿でも雰囲気で十二分にわかると自負できると思っていたが、ポニーテールの髪形もだが、服装も普段と違い、あの声からわたしは確信が持てない中で、彼らの眼を向けた。
「久しぶり、と言うべきですね?」
「―――そうですね?」
男2人はと言えば銃を下していて、女性の1人と言うか、愛に似た女性が話しかけると、背の低い男が先ほどとは違う穏やかな口調で返した。
一緒にいるもう1人の女性は不意に敬礼し、背の高い男もあわせるように敬礼した。
Weapons
And
Rescues
Professional
敬礼した姿を見て軍隊なのかとも考えてみると、2人の女性の服には組織名だと思うが英単語が大きく書かれ並べられているのが見えた。
「―――ワープ?」
並べられている文字を読んだわたしは思わずと言うように略称すればと言うように言う中で、愛に似た女性は死体の前で膝をついていた。
「―――殺す必要が?」
眼を閉じさせたのだと思うが死体の顔に触れ、少しの間気の毒だと言うように見ていたが、女性は少しして背の低い方に顔を向けるとこれでいいのかと言うように声をかけた。
「―――無かったかもしれないな、だが例外も特例も、保護も捕獲も、救助の以来の類は機構や本社からは受けていない。」
少しの間が男は間を置いたが、そんなことを言われても困るし第一こちらの責任ではないと言うような少し無責任な返し方をした。
「―――目的は調査だ。邪魔をする負因子の排除だ。」
「―――相変わらず、あなたも変わらないんですね?」
「―――ああ―――」
返す中で男は付け足してと言うように返すと女性は言う通りのあいかわらずだと言うように言うと、男は申し訳ないと言うな素振りを見せたと言うか、半場言わないでほしいと言うように眼をそらすためか、帽子をかぶりなおす素振りを見せた。
「―――そうやって一見すると何気ないしぐさで目を反らそうとする―――?!」
「!?」
4人はお互いに他人行儀な面は強いが、よく見て話しを聞けば見知った関係のようだと思っている中で、不意に少し先で、正確には彼らとわたしの中間のあたりで大きな音がした。
「―――――?!」
音しか聞こえないが、だれかが走るような音で、彼らから逃げようとしているのが考えるまでもなく理解できたわたしは同じ方向へと走り出していた。
彼らが何かを話し合っているのが少しだけ聞こえ、わたしは彼らと離しあってたすけを求めた方がいいのかとも少し思ったが、死体が転がっている中で平然としている彼らをなんとなく信用できなかった。
「―――――へ?」
追ってくるかもしれないと言う危険性もあったが、何もしないで見つかったと言うよりかはなんとなく言い気がして、走っていたが、不意に床と言うか、地面がぬけた
抜けたと言うが言葉の通りで、地盤が弱くなっていたか長い時間を経て腐食していたか、本来から弱かったのかわからないが、走っているさなかの地面から壊れるような音が響いたかと思うとわたしは落下していた。
漫画みたいな出来事だと思う間もなく、まずいと思い手を伸ばすが元いた天井には手は届かなかった。




