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不明瞭な存在

カークがいない時と言うのは気楽なものだが、酒飲み仲間になってくれたディナも一緒に出ていて、わたし白夜は気楽な雰囲気だとも普段は言えるが、この日の正午過ぎてからは違っていた。

伊那と理沙は昨夜の一件で彼方と見に行くと言い、カークも同じような状態で朝から出ていて、家のリフォームも途中だが業者は休みで人はおらず、家にはわたしとケヴィンしかいない状態の中で、異質な気配をわたしは感じていた。

正確には異様ではなく、強大と言う方が妥当で、わたしはもう少し正確に感じ取りたいために外に出ていた。

「ミセス 白夜、どうされ―――」

「―――」

「?」

 ケヴィンは感じていないとは言えないと思うが、カークがいないために晩ご飯の準備を進めていて気が回らないと言う様子だった。

外に出たわたしを少し手が空いたので見に来ましたと言うようにエプロン姿で来たが、わたしは彼に静かにしてほしいと言うように合図した。

「―――おや? お客さまで?」

「―――ぬしから来たか―――?」

「―――清水伊那と理沙の母親はあなたですか?」

 合図した後ケヴィンはわたしの視線の先に眼を向けると、足音が聞こえ、女性が姿をあらわし、わたしがこれはと言う反応の中で、女性は声をかけて来た。

「いかにも。それでお前は? 名を名のれ?」

「桜華、水野桜華です。」

「―――清水白夜だ。」

 知っているなら聞くまでもなかろうと言うように答え、お前はだれだと言うように聞くと、女性は軽く頭を下げながら名乗り、わたしも知っているとは思うが一応と言うように答えた。

「―――もうすぐ、2人が帰ってきます。カークとディナさんも帰ってきます。」

「―――そうか? それで?」

「勝手、いえ、自由気ままな育て方なんですね? よかった。少し汚れて帰ってくるかもしれないから、あまり怒らないでほしいなと心配したんで頼みに来たんです。」

 桜華は少し間をあけて言いたいことはこれですと言うように続け、わたしは問題ないと言うように返すと、桜華もわたしが心配する必要はなかったんだと言うような少し安心した表情を見せた。

「―――それで? お前は何者だ? その強大な包み隠せない神の気配は何だ?」

「わたしは、敵ではないです。彼方ちゃんたちと同じなんです。それだけなんです。あなたがどう言った人間か、神とはどう言った存在なのか、確かめたかったんです。」

 お互いにと言うようなものだが、聞くべきことは多いと言うか、桜華はわたしが感じ取っていた強大な気配の張本人と言え、間違いないかと言うように聞くと、桜華は少し待ってくださいと言うように返した。

 軽快されたと思ったか、身振りや受け答えから判断だが敵意はないと言う雰囲気で、わたしは心配することはないと言うように軽く微笑んで返した。

「―――彼方たちと同じだと言ったな? あまり手助けにはならんかもしれんが、よければ上がらないか? 少し話さないか?」

「いえ、急いで、いますので。これで―――、とりあえずは―――」

「―――――」

 歓迎するぞと言うように言い、ケヴィンにわたしが眼を向けると、ケヴィンもわたしもですと言う反応をしたが、桜華はご厚意はありがたいがとりあえずはこれでと言うように言い、わたしたちに背を向けて去っていった。

 迷っていてたすけが必要に見えるが、必要ないと言って無理をしているようにも見え、娘の名前を口にしたで、わたしはカークと伊那と理沙から、何か聞く必要があると思った。

わたしも軽い気持ちでいるのは不味く、本腰を入れるべきかと考えた。


真矢にでも話せば速攻ケンカになると思うから言わないと言うか、言う気はなく、出て来た時思わず口を開いた分何か言われそうだが、それは無視するとしてわたしとあの桜華とか言う女とわたし遥香は顔をあわしたことがあった。

いつかと聞かれて答えるとすれば力に目覚め、雪乃と会って1月半ほど経過した時だ。

一応と言えば聞こえはよく、わたしはかなり適当にだが雪乃と協力し、同じ人間を探していたり、原因を解明したり、似たような人間が暴れているのを止めようとしている中で、顔だけはあわせたのだ。

「―――たすけ、たすけて!? お願い!? 止めて!?」

「―――あんた人間にもう戻れないはよ?」

 雪乃はと言えば地道な方向性と言うやり方だった。

本屋やら骨董品店、それに神社や寺と言った神に関係する場所や意味不明などこかから資料を寄せ集め、似たような人間を探してリストとかを製作していたが、わたしはと言えば言うまでもなく白化した仲間狩りをしていた。

細かい日にちや時間なんて覚えてないが、わたしはその日も学校に行かず、逃げ惑う白化した女性を追い、夜には人気のない廃墟に追い詰め、止めを刺そうとした時だった。

「―――!?」

 彼方たちにあう前以前にと言うか、現状でもだが、わたし1人で白化した人間を戻す余裕など存在せず、わたしが悪いけど仕方ないのと言うように白化した女性に銃を向け、引き金を引きかけた時邪魔が入った。

「―――――?」

 普通の人間では見えなかったかもしれないが、わたしの人間ではなくなった眼には確かに彼女を連れ去る人影が見え、人影はと言えば彼女ことが桜華で、少し先に立ち、わたしが撃ち殺そうとしていた少女を抱きかかえていた。

 抱きかかえている上毛布か何かだと思うが布で包み、優しく抱きかかえ、薄暗闇の中で表情はあまりよく見えなかったが、慈愛に満ちている表情とはこう言うのかと言う表情をしていた。

「―――大丈夫?」

「―――――?」

「安心して? わたしはあなたの仲間。味方。いえ、家族とも言うべきね―――」

 清純と言えば印象はいいが、わたしから見てお膳立てしているようにみえ、桜華は女性に安否を確認すると、女性は意味が理解できないと言う表情の中で言うとおりに心配しなくてもいいと言うよう言うと抱きしめた。

 背は大人の女性としては普通なほどだが少し細く、抱きかかえた女性の方が大きい上白化して体重も象だし、普通ならば持ち上げられない体格だが、彼女は力の関係が優しい表情で抱きかかえていた。

「―――泣かないで? あなたは生きている。とても大切なことだから―――」

「―――」

 女性はと言えば静かにだが泣き始め、桜華は言うとおりに心配する必要はないからと言う中でわたしに眼を向けた。

「―――あなたもその1人よ。」

「?」

「―――わたしたちは危機にひんしている。だけど同じ人間がいる。同じ苦しみを持ち分かち合え、手を取り合える。家族とも呼べる。」

 女性に対してと同じような表情と物言いで、わたしが意味が解らないと言う反応の中で、桜華は言葉を続けた。

「一緒に来て。奇跡は起きるものではなく起こすものなの。あなたには理解できない?」

「―――意味わかんない。と言うかそいつ渡しなさい? あんたごと殺すはよ?」

 言うとおりに一緒に来てほしいと言うように女性を抱きかかえながらも手をだしたが、わたしはと言えば白化した女性が狂って襲わないか不安で、桜華に銃を向けていた。

「―――」

「―――!? 消えた? どこに―――?」

 桜華は銃を向けると顔を少し下に向け、仕方ないなと言う表情を見せたかと思うと、不意に姿を眼の前から消した。

 力を使ったことは言うまでもなく、透明になって消えていき影も形もなく、周囲を見回すがそれらしい人影も見えず、逃げられてしまった。

 白化した女性を連れて保護した仲間がこれまでにいなかったわけではないが、同じように白化するか殺され、わたしだけではないと思うが始末されるかだったが、桜華はわたしにそれ以来姿を見せていなかった。

 

 わたしの身勝手と言えば聞こえは悪いかもしれないが、戦っている中でわたしには桜華のように友好的に接する人間も存在したが、多くは雪乃に任せ、時折顔をあわせ、話し、時折協力して戦う程度だった。

 戦うとは言うが、わたしの戦闘力が基本と言うか、かなり高めでほかの仲間が低すぎ、雪乃は同じ程度だがあまり動かないで、わたしは面倒なことは嫌で、雪乃の仲間ではあるが間接的には孤立していた。

 学校のいじめと同じで、この異様に高くなった背と同じで、それに雪乃と同じで、普通の人間と同じでないわたしは自分の意志的にも調度よいとも思っていたが、鈴の覚醒や彼方たちの登場と言い、先行きが不意に変になり始めた。

「―――――っ!」

 細かい経緯を無視するわけにはいかないが、彼方たちとの一件を終え、帰宅し少し汚れたこともあると言うか、気分を変えたいと言う思いでシャワーを浴び終えていたわたしは自分の部屋に入ると部屋の壁に八つ当たりをして殴っていた。

 1度だけでは気が済まず、続けて3回してやっと少し気が収まったと言う状態だが、これで気が済むことなんて絶対になく、わたしは言いようのない怒りがこみあげていた。

 大きなことを言っておいて口ほどにもできなかった自分の無力さか、彼女たちの力量の差か、結菜に圧倒的差を見せられたと言う部分もあるが、理由がわからないと言うのが1番だとも言えるが、言葉では明確にはむずかしい心情だった。

「―――遥香―――?」

「―――――なに?」

 殴った音を聞いていたようで、ドア越しに母こと真理亜のわたしを呼ぶ声が聞こえ、わたしは余計に問題が増えただけだと思いながらも無視もするわけにもいかず、返事をした。

「―――大きい音が聞えたから? それで、ね? 夜遅いから、近所迷惑だから―――」

「―――」

 真理亜はおかえりとも言うついでにと言うように話し、わたしはと言えば一応は黙って聞いていた。

「―――わかった。」

「ぇ?」

「わかったって言ったでしょ!? もういいでしょ? ほかに用がないならどっかいってよ!?」

 常識的に考えれば悪いのはわたしで、真理亜にいやながらも一応は言う通りですごめんなさいと言うように言うと、真理亜はよく聞こえていなかったのか何か言ったと言うかのように反応したがわたしは2度は言わないと言うように勢いよく返した。

「―――――」

「親とは仲良くしなさい? 孝行したい時に親はなし、よ?」

「!?」

 本来わたしだって真理亜のような大人しいと言うか、清楚と言うか、物静かな性格だったが、能力覚醒後は悠長なことは言ってられないと言うように代わり、母とは話す機会が減っていた。

 罪悪感みたいなものがないわけではないが、わたしの事情なんて理解できないだろうし、これから後特にすることも思いつかないで、1度寝ようかと思う時、後ろから声が聞こえた。

「―――それとこの家だってあなたの親ががんばって建てた物でしょう? あなたのためにと言う部分もあると思うはよ? どんなものでも大切にしないとだめよ?」

「―――あんた―――」

「―――安心して? 結菜はいないから? それとお母さんにばれると不味いでしょう? 小声で話しましょう? できる限り?」

 振り返るとベッドに座った桜華の姿が見え、あなたに用がある終わるまで寝かさないと言う雰囲気だった。

 言われて見れば確かにその通りと言うようなことを桜華が続け、わたしが何時のまに入ったと言うように反応する中で、桜華は言うまでもないことだけどと言うように返した。

「―――――」

「ケンカ腰にならないで? 暴力もきらいよ? 普通に話し合えるでしょう?」

 わたしたちの力は常識外で、半場不可能はないと言う言葉が妥当で、追い出してやろうかと構える中で桜華は言うとおりに話し合うこともできないのかと叱責するように言った。

「―――何の用?」

「もう少し仲よくしてもいいんじゃない?」

 わかったそれでと言うように返すと桜華は本題はと言うように聞いてわたしに眼を向けた。

「―――彼方ちゃんたちは無理だとして、鈴ちゃんとは友達なんでしょう? 小さい時から? あなたは自分が呪われたように考えて、ものすごく不幸だと思いこんで自棄になって人生を捨てようとしているように見える。」

「関係ないでしょ!?」

「そうね。関係ない。だけど本当にこのままでいいとは思ってないでしょう? いつまでも続けられると思う? 本当に失った時後悔するのはあなたよ?」

 わたしたちの関係を結菜たちから多少は聞いていると思われるような物言いだが、お前に言われることでもないわたしの勝手だと言うように返すと、桜華はそれは認めるがそれでもと言うように返した。

「―――深い悲しみはわたしたちにとっていずれ絶対に禁忌の扉を開く鍵となる。わたしはもうその扉を開けてしまった可能性がある。あなたはまだ扉を見ていないでしょう?」

「どういう意味? それ?」

「むずかしい話は無視して、とにかく、仲よくね? あなたの家族とも言えるんだから。」

 返した後少し間をあけたが言葉を続け、わたしは言われた言葉の意味がわからず、説明しろと言うように聞くが、桜華はそこまでは聞かないでと言うような表情で返すと、始めてあらわれた時同様に姿を消した。

 姿を消し追いかけることもできず、意味もわからず、うまく言い返す言葉も出ず、また八つ当たりでもすれば真理亜が飛んでくるかもで、わたしは煮え切らない思いで、少し間を置き落ち着きできることはと言えば、大きくため息を吐きだすことだけだった。


 同じことに遭遇したならば多くの人間が仕事を休むとは思うが、わたし雪乃はあの後現実逃避と言う部分もあるが、職場に来て仕事をしていた。

 現実逃避とは言うが、問題は彼方たちのことではなくわたし個人のことで、話すわけにもいかず、本当を言うと仕事も休みだが、職場から都合よく手が足りないから来てほしいと言うヘルプのメールが来てそれに合わせてもいた。

 わたしのしている夜の仕事と言うのは実は経理こと、簡単に言うとお金の管理で、明確には接待業関係の仕事の裏方だ。

 細かく言うとここはキャバクラやホステス、それにコンパニオンと言った女性中心の接待業の管理会社と言うような会社だ。

わたしはと言えば実は関係会社の元キャバ嬢で大学卒業を契機に関係する資格も取っていてそれにものを言わせてこちらに就職をし直したのだ。

「―――コーヒーコーヒー」

 来て初めて数時間後、不意にコーヒーが飲みたくなり、席を外しわたしは休憩所に行き自動販売機から缶コーヒーを買っていた。

「―――」

「あなたも大変なのね?」

「!?」

 自販機から取り出し、封を切り一口と言うように飲んだ中で不意にだれもいなかった真横から声が聞こえ、おどろいて眼を向けると桜華が自販機に背を預けて立っていた。

 わたしと同じように一休みに何か飲みに来たと言う雰囲気で、手には缶の紅茶が握られていた。

「―――あなた―――えっと―――」

「桜華、やま―――、じゃなくて、水野桜華。」

 はじめてあらわれた時も突然と言うものだが、これも同じで、わたしがおどろきそう言えばあなたはと言う反応の中で桜華は改めてと言うように名乗った。

「―――?」

「ごめんなさい。結婚する前の旧姓を言いかけたの。気にしないで?」

「―――ああ、そうなんですか―――?」

 名乗ったが、考えてみると苗字を言い直した部分が存在し、不可解だと思う中で、桜華は少し眼を反らしている状態で話しているが、言うとおりにあやまるように返し、わたしはと言えばそれならと言うように返した。

「はいこれ。」

「?」

「わたしもあなたと同じようなことをしているの。研究と言うか、調査結果をまとめてある。あなたと同じでそれほど進展はないけどね? それと凛ちゃんと結菜みたいな仲間の名簿、悪用はしないで? いい? それと危険な人間のリストアップもあるから―――」

 わたしの前に姿をあらわしたこと自体意味が理解できない中で不意に桜華はわたしの前に手を出すと、受け取ってほしいと言うように手の中には小さく細長い物体こと、USBフラッシュメモリーが見えた。

 USBフラッシュメモリーで間違いないよねと言うように見ている中で、桜華は詳細を離し始めた。

「それと連絡する場合はわたしの名前を使って? あなたには家族がいるから。そう言えば信じてもらえる。」

「―――」

「どうしてわたしにって顔ね?」

 詳細を少し整理すると重要な情報の入ったメモリーで、桜華が説明を続ける中でわたしに渡してどうすればと言う表情をしていると、桜華は説明すると言うように言ってわたしに手を取った。

「あなたにしか頼めないの。わたしはダメなの。わたしは大罪を犯す、敵になるかもしれないから。」

「―――敵?」

 手を取ると受け取ってほしいと言うようにメモリーを持った手の上にわたしに手を置かせ反対の手でお願いと言うように包むように握った。

握った中で言うとおりにわたしではだめと言うように言い、わたしはどういう意味かと言うように聞き、反対の手も使い握り返したと言うか、メモリーを落とさないように大切に握った。

「―――お願い、それと、忙しいから―――」

「ぁ?」

 言うとおりに後はお願いと言うように桜華は言うと、桜華の身体が透け始め、半透明になるのが見え、わたしが待ってと呼びかけようとする中で桜華の姿はなかった。

 桜華の姿を消した方法がわたしにできないわけではなく、追って話を聞けないかと考えないわけでもないが、仕事の合間のことで、わたしはその場に立ち尽くすしかなかった。

 彼女の姿は影も形もなくなったが、さてに持っていた封の着られた紅茶の匂いがわたしの缶コーヒー同様に少しだけ漂っているなと思う中で、同じように何かを飲みに来た同僚が声をかけるのが聞こえた。


 頭では理解していても、現実に直面すると本格的に思い知らされると言うもので、僕道はこれからどうするかと考えていた。

 彼方たちの力は僕や枝葉の力を追い抜くと言うか、雲泥や月とすっぽん、上と下と言うほどに違い、最初に説明した時安心してと言うかのように言っていたが、これほど無責任なことは自分でもないと思った。

 思いはするが、家に帰ると思い詰めすぎても仕方ないとも龍蔵に言われ、その後にお風呂でも入ってリラックスしなさいとも彼は言い、僕は脱衣所に来ていた。

「―――」

 来ては見たが、最初にすることはと言えば服と言うか脱いだ制服が汚れて破れていないかと言った損傷度合いの確認を僕は始めた。

 起きることに備えて予備などがないわけではないが、使い捨てと言うわけでもなく、特に酷いと言うか、処分するほどでもないと僕は判断し、服をおいた。

「―――――」

「あなたは最善を尽くしてる。」

「?!」

 服を脱ぎ上半身を裸になる中で、脱衣所の鏡に僕は眼が向いた。

 子供だからと言う部分もあるが、背も高くなく武道などもしているが結構細身で、死んだ母に似て女性っぽく、頼りなさげで役に立たないように見えた。

 中学になると背は結構伸び始めるとか龍蔵や大人に言われ、数か月ほどだが少しは男らしくなったかなとも思い、大きくなるのにあわせて買った大きめの靴や制服も意味があるのかと思う中で、不意に後ろから女性の声が聞こえた。

「―――あなた。桜華さん―――?」

 枝葉の声ではないと思い振り返ると、なぜかあの時突然あらわれた女性の1人こと、桜華がたっていた。

「十分に、十二分に、ね。」

「―――――どうやって入って来たんですか?」

「―――しちゃいけないとも思ったんだけど、力を使ってね?」

 名前を呼ぶ中で桜華はそうだと言う表情をすると言うとおりにあなたこと、僕をがんばっていると言うように言った。

僕はと言えば理屈では力を使ったとわかるが、何でこんな場所にと言うように聞くと、桜華は言う通り悪いことをしたと言うようにあやまるように言った。

「―――ぁ?」

「あの子たちの心の支えになってあげて? 女の子は意外とあなたみたいな子を頼りにしてるから。役に立たないなんて思はないで?」

「ぁ、あの―――」

 あやまるように言う中で不意に桜華は僕に近寄ると両手を僕の頬に当て、お願いねと言うように優しく頼むように言い、僕はと言えば不意な行動に言葉に詰まった。

 枝葉も似たようなことをするが姉のような物として考えているが、桜華はと言えばほぼ初対面の女性で、本当にお願いねと言うような表情と素振り、それに手の触れる感触が気恥ずかしく感じた。

「―――わたしにもあなたみたいな弟がいたの。あなたよりも幼い時から一緒だった。小さい時から一緒だった。かわいかった。」

「か、かわいい―――」

「親にとっては子はいつまでも子供のままで、姉にとって弟もそれは同様なの。あなたもあの子たちの知るあなたとしてあの子たちを守りなさい? 決して人としての境界を超えてはダメ―――」

 彼女がすぐにこの場から消えれば大人の女性の魅力と言うものを感じているんだと理解できるが、僕はと言えば身体中に熱が広がる感覚と、身体全体の硬直、それに彼女が手を離すまで動けそうもなかった。

「―――――」

 手を離してほしいと言うべきか、話すのを待つべきかと言う状況の中で、不意に桜華は表情を暗くしたと言うか、涙でも流しだしそうな悲しげな表情を見せ、片手で顔を軽くおおった。

「―――あ? あの?」

「―――何で? どうして―――? わたしが、悪かったの―――?」

「?」

 不意に泣かれても困ると言うもので、どうしたんですかと言うように聞こうとする中で、桜華は意味の解らないことを口にした。

「―――?」

「―――道く~ん!? いる~!?」

 意味が解らないが、彼方たちと同じ状態の人間で、苦労もたくさんあると言う部分も存在すると思うが、僕はそれ以前にここで2、3程度しか交わした会話の中で少し奇妙な部分に

待てよと言うように気づいた中で、不意に枝葉の声が廊下から聞こえた。

「?!」

「―――ぁ?!」

「一緒に入ろ~! お姉ちゃんと~!?」

 声の方向に桜華は勢いよく眼を向けると眼が発光したと思う中で桜華は勢いよく姿を消し、僕が待ってくださいとか言う声も届かない間に消えると枝葉が脱衣所の戸を勢いよく開けて来た。

「―――あれ? どうしたの?」

「入りません。」

「え~?」

 断ってもやると言う雰囲気丸出しと言う以前に、すでにバスタオル姿な上遊ぶ気なのかゴーグルやシュノーケール、浮き輪まで持ってきている始末だった。

バスタオルの下もこれは絶対に最近新しく買ったとか言っていた水着とかでも見せるために着ているなとも推測できた。

僕がこんな時に来ないでくださいと言う表情の中で意味が理解できないと言うように聞き、僕は断りますと言うように返すと、枝葉は無邪気な子供が理由を理解できないと言うような反応をした。

「小さいころから一緒に~?」

「実家の方で遊んでてください―――、1人で。」

 言うとおりに小さい頃こと、2、3年前までは一緒に入ったりしたものだが僕はもう中学生で入る年でもないと思うし、遊ぶ気100%の枝葉と入ると何をされるかわからないで、僕は言い切る前に帰ってくださいと言うように返し、枝葉の開けた戸を閉め追い返した。

 僕の家のバスルームこと、風呂は一般の家と比較すると大きく広く、悪い表現だが少し泳げるほどだ。

小さい時は遊んだものだがそんな年でもないと思うし、枝葉に返した通りでと言うか、枝葉の家はもっと大きく広いので、そんなことするならと言うような意味合いも存在した。

 気を紛らわそうとしてくれていると言う部分もあると思うが、1人で気を休ませたいと言う気持ちも強く、僕は枝葉がいったかわからないがいい加減にしてよと言うように大きくため息を吐きだしていた。

『わたしにも弟がいたの。』

 ため息を吐きだした後で、僕は桜華の言った少し気になる部分を思い出し考え始めた。

 微妙な言葉の違いで、いると言う言い間違いかもしれないが、言い間違いだとすれば冗談と言えず、事実だとすれば彼女の言う弟の身に何か起きて疎遠になっているか、最悪死んでいることになっていると言えた。

 気もあまり進むものではないが、彼女のことを調べる必要もあると思いながら、僕は考えることも重要だがいつまでもこうしている場合ではないと考え風呂に入ることにした。


 情報と言うものは正否を問わず膨大に存在するもので、膨大な情報の中から有益な情報と無益な情報を取捨選択する必要が存在する。

 夜の一件を終え、彼方と言うか、真矢と桃子たちも家に送り届け、伊那と理沙を家に連れ帰った後、わたしカークはどうしても気になることが1つあってバイクから降りた後携帯を出して電話帳を開いていた。

 2人のめんどうを見ることも重要だが、気になることがなにかと聞かれると、真矢と桃子が話したアンジェラ ブラウンと言う名の女性で、わたしには同姓同名の知り合いが存在している。

 正確にはアリーの知り合いで、幼いころから何度か顔をあわせたことがあり、一応と言うように携帯の電話番号やメールアドレスを交換していると言う関係だ。

「?」

 違うと思うが万が一と言う部分も存在し、確認するかやめるかと言う状況で、携帯の電話帳から彼女のナンバーを見ている時、何の因果か、当の本人から電話がかかって来た。


Angella Brown


 紛れもなく彼女からで、彼女の名前も表示されていて、わたしはおどろくと言うか、本当に出て大丈夫かと思いもして、少し間を置いたが、とにかく電話に出た。

「ハロー?」

『カーク? カーク アークライト?』

「はい。そうです―――」

 電話に出たわたしは疑心暗鬼と言うように返事する中で、電話の主こと、アンは電話番号を間違えたか、いや、登録式だしそれはないよな別人が出たかと言うようにわたしかを確認するように聞き、わたしはそれであっていますと言うように返した。

「ミス アン―――?」

『あなたの予測通りよ。』

「―――?」

 電話をしようとも思ったが、彼女はと言えば厳密に言えば母の知り合いで、わたしとは一応程度の交流しかなく、電話してくるとはめずらしいですねと言うようにあなたかと聞くと、アンは不意に意味不明な言葉を口にした。

『真矢と桃子から、話は聞いたんでしょう?』

「―――何の話ですか?」

『しらばっくれてもダメ。それと電話しようと思ってたでしょう? いつまでたってもかかってこないから、待ちきれなくなってこっちからかけたの。』

 意味不明と言うか、ある意味思った通りの話を始め、わたしは少し故意だが理解できないと言うように返す中で、アンはそんなわけはないと言うように速攻で返した。

『2人がどこまで話したから知らないけど、わたしも関係者なの。それと、あなたの母親が悪魔最強の戦闘種族の『影の血族』で、あなたがそのハーフだと言うことも知っている。』

「―――」

『ライダーシステムも知っている。夏川雪乃が代行者の委任を受けていることも。それとバランサーとも関係を持っている。ここまで言ったら信じてくれる?』

 証明すればいいんでしょうと言うように続け、わたしが聞いている中でアンは知っていて欲しいが知っていて欲しくない情報も知っていた。

『―――イヴも仲間よ。だけど伝えた通りだけどいつも協力ができるってわけじゃないから。それだけは肝に銘じておいて?』

「―――」

『時と場合によっては敵にまわることもあるから。それとメールとかで大量に質問とか送っても返信はしないからね。それじゃ。』

 わたしにしてもアンにしても気になっていること言うだけ言って聞くだけ聞くと言うようにアンは続け、わたしはと言えば黙って聞いていた中で、アンはこれだけ言えばいいなと言うように言うと電話を切った。

 昔から彼女には少し感が強いなと思う部分が存在し、真矢たちの話したことや電話の内容を踏まえると、彼女が真矢たちの言う通りの超能力者と言うのは本当なのかと思わず考え始めた。

 わたしの持っている携帯電話はと言えば、持っている人間が普通の人間でも悪魔でも超能力者でも別段問題ない知らないだれでもいいと言うように通話が切れた音をだれであれ等しく鳴らし続けているように見えた。

わたしはそれを思考の妨げになるために止めた。


 喫煙者が人を待っている時に気にするのはここでタバコを吸っていいか悪いかで、調べて知っていることだがこの家に住む2人はタバコは吸わないで、灰皿は無論なく、オレ勇はもういいやと言うように開き直って吸っていた。

 携帯灰皿も持ってきているし、禁煙だと言われても知らなかった次はしないと言えばよく、匂いが残るとか言われるかもしれないが、無視して遅いなと思う中で目標の人物が帰って来て電気の灯されてない部屋のドアを開けた。

 質素と言えば聞こえはいいが、悪く言うと幸薄そうな細身の女性で、女性は部屋に入ると電気をつけるとクローゼットを開け着替えを始めた。

「―――桜華さん? 帰ったんですか?」

「―――ただいま―――」

 オレはと言えば部屋のベッドの柵に腰を下ろしているが、光学迷彩を使って姿を消していて目標人物の女性こと、桜華は気づいていない状態で、オレはと言えば着替えの後で話そうと言うように眼を反らした中で桜華を呼ぶ男の声が聞こえた。

「―――なんですか?」

「―――最近帰りが遅いけど―――」

「それがなんですか? 悪いけど忙しいんです。着替えるから出ててくれません?」

 別段見てもあまり怒りそうにない表情だから少しぐらい見てもいいかなと言うオレの意志は放って置くが、桜華を呼ぶ声の主は姿をあらわすと桜華を見つめていた。

桜華が用や言いたいことがあるのかと言うように手を止めて聞くと質問するが、桜華は少し冷たい物言いで返した。

「桜華さん―――」

「わたしとあなたは書類だけの夫婦です。お互い深く関わらないと言う取り決めを忘れてませんか? わたしは責任と言うか、世間体上本来辞めるはずだったんですよ?」

 男は心配なんですと言うように桜華を呼ぶが、桜華はそれはわかってはいるがわたしには関係ないことだと言うように返し、眼も男には向けていなかった。

「社会的立場もあるし、上司であるあなたの伯父に引き止められて、会社も動いてくれて、どうしてもと言うことで籍を入れたんです。忘れてませんか? 何度も言わせないでくれません?」

「―――――だけど―――」

「わたしはあの子の姉でいたかったんです。いい人が見つかるまでの一時しのぎとも言っていたでしょう? 期待する事なんて何もないでしょう?」

 桜華は何度も言わせないでと言うように続け、男がそれでもと言うように返す中で、桜華はクローゼットを一度締め、部屋から出るそぶりを見せた。

「桜華ぁっ!」

「!」

「ずっと、ずっと恋焦がれて、一目見た時から、昔から―――」

 長くと言うよりもあなたとは話したくないと言う雰囲気が丸出しで、部屋を出て行こうとする中で男は桜華の名を呼ぶと勢いよく向かい、近くのベッドの上に押し倒した。

「―――」

「―――どうして、どうして君は―――」

「―――あなたたちみたいな普通な人から見ればどうせあの子は家出した自分勝手で人殺しの狂人よ? だけどね? 仕事としてやってたの。それにわたしにとってはかけがえのない家族だったの。」

 男は桜華の服を少し強引に脱がしだしたが下着が見える中で桜華の顔を見て手を止めた。

 桜華の表情には生気と言うものがあまり感じられず、そんなことをしても意味がないと言っているようにも男は感じたようで、男が泣きだしそうと言うか、悔しそうな表情をする中で桜華はわかっているでしょうと言うように返した。

「それはあなたが捨てるようにホームへ入れた母さんもばあちゃんも同じ。あの子が死んでわたしの人生、いえ、母さんの人生滅茶苦茶よ? うまく行くなんて最初から思っていなかった。前提が間違っている。観鈴お姉さんもおばあちゃんも―――」

「だから、だから僕が、君だけでもと―――」

「結婚して子供生んで幸せ? 笑わせないで? あなたは父と同じよ? 幸せ押し売りして女の人生を奪って自己満足してるだけ。この家もお金もあなたもいらない。わたしはあの子の姉でいたかった。普通に見たら罪悪感で不幸でもそれでよかった。ある意味幸せよ。」

 桜華は追い打ちをかけるように言うと、男はそれは違うと言うように返すが、桜華はそれでもと言うように返した。

「わたしが悪いの? あなたが悪いの? それともあの子が悪いの?」

「あいつが!? あいつが!? あのろくでなしが―――」

「悪く言うくせに利用して置いていい身分ね? 好きにしたら―――?」

 桜華はああもういやだと言うように顔を上に向ける中で聞くと、男は許せないと言うように言う中で、桜華は投げやりな物言いで返した。

「―――女は抱けばなんとかなるとか考える頭悪い男と寝ちゃダメだよ?」

「!?」

「?」

 男はと言えば悔しそうな顔をしていたが言うとおりにしてやると言うように手を下着に手を伸ばそうとする中で、オレは2人に声をかけ姿をあらわすと男は非常におどろいた反応を見せ、桜華はいつの間にと言うようにオレに眼を向けた。

「だれだ? ここで何してる? それに―――」

「―――荒木くん? いえ、バランサーね?」

「ピンポーン!」

男は最後にそれにいつの間にとか言いかける途中で桜華はあなたはと言うようにオレを呼ぶと身体を起す中でオレは多少棒読みと言うか、いい加減な言い方だが間違いないよと言うように返事を返した。

「荒木? それにバランサー?」

 男はと言えば桜華の言った意味不明な言葉とオレのふざけた言い方だが正解と言うような受け答えに混乱している素振りを見せた。

「だけど―――、違う? どうして? なぜ彼と同じ姿を、いえ、同じ顔をしているの?」

「さすが? わかるんだ。」

「―――?」

 桜華はオレの名を呼んだが、言う通りの理解できないと言うようにオレに聞き、オレはと言えばご名答と言うように返し、男はと言えば蚊帳の外の会話と言う表情をしていた。

「―――タバコまで同じ―――」

「細かい理屈は無視して、ここにいるのは彼方ちゃんたちに対してと同じで、仕事で来たんだ。このろくでなし殺されると困るからね。」

「―――殺さないはよ。割にあわない。殺して刑務所なんかに入りたくないからね。」

 オレはと言えば話しながら2本目を吸い始めている状態で、桜華はそれはと言うように箱を見て反応する中でオレは理由を説明し、桜華はそれはお疲れと言うように返した。

 タバコのにおいと煙はと言えばオーヴァーマシンで調節済みで、姿をあらわすまではわからない状態で、桜華はタバコのにおいだと言う反応を少し見せた。

「さすがだね? あなたの一族の生き方は見習いたいものだ。」

「―――」

「勘違いしないで? それにこの家は禁煙よ? それで、ほかに用はないの?」

 オレはと言えば一息吐き出す中で桜華に言うと思ったと言うように返す中で、男がもしやこいつと言うように見ていると、桜華は言うとおりに間違えるなと言うように返し、最後の部分はオレに対しても質問だった。

「それとあなたには関係ないことよ? 出ててくれない? 大した用でもないんでしょう?」

「―――――わかった。」

 桜華はオレと話したいのか出て行けと言うように言うと男は少し待てと言う表情だったが、少ししてここは言うとおりにするしかないと言うよう返事をすると立ち上がり、部屋を出て行き始めた。

 オレはと言えば残っていてもったいない気もするが吸っていたタバコを携帯灰皿に捨てていた。

「―――ごめんなさいね? だけど、わからないでしょう? わたしの悲しみなんて?」

「!」

 出ていく途中で桜華は呼び止めるように言うが、火に油を注いだ上、火薬まで入れる様な一言で、男は出ていく時に部屋のドアを勢い良く締め、室内に大きくしまる音が響いた。

「―――それで? それとバランサーとは? 調節するものって言う意味があると思うんだけど―――?」

「彼方ちゃんたちたすけてくれたお礼もあるんだけど、さっきので仕事完了。抱かれてたら家ごと吹っ飛ばしてたでしょ? それを止めに来たの。グッドタイミングだったでしょ?」

 気持ちはわかるけど出ていく時にこれだから嫌いだと言う表情を桜華は見せた後、オレに本題はと言うように聞くと、オレは笑顔な上親指を立てて言うとおりにもう終わったよよくやっただろうと言うように言った。

「そう。だけど―――」

「バランサーの正体はお預けだよ。調節するものと言う意味はあっているけどね? それとこの顔してるのはオレが面食いだから。カッコいいだろ? ナルシー?」

「―――」

 本当にそれだけなのかと言うか、わたしが聞きたいことがあると言うように桜華が口を開きかける中で、オレは聞きたいことの答えはこれだと言うように答えると軽く笑い、桜華はこんな時に冗談を言うのは止めてと言う表情をした。

 本音を言うと話すべきことはほかにも多く存在するが、時が満ちていないような状態で、オレは言い終え姿を消すことにした。

 彼女には悪いと思うし言っていることにも事実が存在し、良心が痛むし本音を言うとすぐにも話したいが、オレは仕事を放棄することになることを踏まえ、言うわけにはいかなかった。


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