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接触と覚醒 後編

 修羅場と言う言葉を聞いたことあって、意味と言うか、雰囲気的に非常に険悪な場所と言うのが妥当だが、わたし理沙と伊那は現状がそれなのかと思った。

 現状がどうなっているかと聞かれると、わたしたちが一番最初に鈴の家に到着し、カークと再会し、雪乃とも話し合っている中で桃子たちがやって来た時までは普通だった。

 真矢が彼方を心配して見に行き、道とカークが顔をあわせお互いに話は聞いていますと言うように話し始め、桃子と雪乃が話し合い枝葉が着た後で最後にと言うように鈴が帰って来た。

「―――」

「―――なによ?」

「何であんたが来てんのよ? いや、あんたまで来てんのよ?」

 玄関から鈴の声も聞こえ、返って来たんだと言うように真矢が軽く走って出迎える中で、鈴の横に遥香も姿をあらわし、真矢と遥香の修羅場とも言える雰囲気が始まった。

 最初に口を開いたのは遥香で、真矢も同じような返事を返した。

「―――やっぱり帰る。」

「―――」

「鈴!」

 追い返す気はないが遥香は帰ると言いだし、真矢は帰るなら好きにしろと言う表情の中で鈴が遥香の腕を手に取って勢いよく止め、遥香は振り払おうとするが、鈴は手を離さなかった。

「―――わたしはいてもいなくても構わない。それに聞きたいこともあるの。だけど文句言うんだったら許さないから。」

「―――鈴に言われて来たのよ? 招かれて家で暴れるみたいな変なことしないは? ほかの客がバカじゃなかったらね?」

「彼方のことぶりっ子とか言ったら殴るからね?」

 考えてみれば鈴は遥香との関係もあるし、どうしてもと言って連れて来たなと言うように見え、真矢は腕を組みわかったと言うように言うが、遥香も言われなくてもと言うように返し、最後に真矢もこれだけはと言うように言った。

「妖狐がまだですが、始めた方がいいですね。」

「―――白夜さんですか?」

「そうです。待っていると日付が変わります。」

 招かれざる客と言う雰囲気だったが、現状のこの家の主は厳密鈴で、真矢はと言えばお客で、遥香も同様で、通され居間に入るとカークがそれではと言うように言うが、鈴がもしかしてと言うように聞く中で、カークはその通りだと言うように返した。

 わたしの伊那の使いであり、母こと、白夜の使いではないので、カークは時折母を結構手荒に扱っているのを見るが、これもそうだった。

「―――?」

「カーク アークライトさん。さっき言った白夜は2人の、伊那ちゃんと理沙ちゃんのお母さんで―――」

 居間に入った遥香は見慣れない上に外国人だと思う人間がいると言うように不審そうな眼をカークに向けると、鈴がカークを紹介と言うか、説明を始めた。

「―――てか雪乃まで―――」

「はぁい?」

 説明をそれなりにと言うように聞き流す中で遥香は雪乃に眼を向け、どうしてここにと言う中で、雪乃は少し困っていると言うか、突然でおどろいたけどよく来たねと言うような笑顔で返事を返した。

「―――鈴、いいの?」

「―――彼方ちゃんは、わたしのベッドで休んでる。」

 こんなに遠慮なしに人間を上げてと言うように遥香が聞くと、鈴はいいのと言うように返した。

「―――――」

「連れて帰るから。いちいち騒がないで。」

 冗談を言うなとでも言いそうな遥香に対し黙れと言うように真矢は返し、遥香はあんたはと言うように眼を向けたが黙り、真矢は眼を反らしたと言うか、別の方向に眼を向けた。

「カークさん、送ってくれると聞きましたがいいんですか?」

「―――――」

 真矢が向けた別の方向はカークの方で、眼を向ける中で桃子があわせるように質問し、カークは問題ありませんよと言うように合図を返していた。

「―――さて、何から話さないといけないんだったっけ?」

 桃子とカークの話を聞くと、カークが彼方を運ぶと言っているそうで、真矢は少しの間2人の会話を聞いていたが、少しすると全員を見られる位置へと移動し、全員そろったから始めようかと言うように言った。

 はじめようとは言ったが、言うとおりに何からと言うか、いつからと言うか、だれから話すのかと言う議題が数多く存在していた。


 ことはすでに起きてしまっているが、過去に起きてしまったことを思い出して話すことは可能で、情報交換や共有、自分たちの身に起きたと言うか、覚醒している能力について話し合う必要が存在した。

 カークの言う通り白夜がだが、来ていない人間が存在し、彼方は眠ったままみたいだが、わたし真矢は幸か不幸かわからないが遥香も来たしで話し合うには十二分な具材が手に入ったと思った。

 遥香はと言えば本当に言った通りに鈴に言われたとおりに来たと言う表情で、きらいではあるが、わたしが彼方を心配するみたいに鈴を心配しているのだとも思い、悪く見るのも少しは止めてやるかとも少し考えた。

「ミス鈴、わたしたちのような大勢がいて、親が帰ってきた際に心配はされませんか?」

「―――ぁー、大丈夫だと思います。たぶん。」

「―――?」

 話しを始めようと言う時だが、来た時から気になっていたと言うようにカークが鈴に質問すると、鈴は大丈夫と返したが、たぶんとも言い、確信は持てないと言う反応を返し、カークが大丈夫と言ったがどうして心配そうなのかと言う表情をした。

 前に見たが鈴の母親と言い、彼方の母親と言い、見れば納得もするが、説明するのは普通の人間に話すのもむずかしく、流暢な日本語を話すとは言え外国人のカークに話すのはさらにむずかしいだろうなと思った。

「―――うまく言いますから。」

「―――わたしも頭を下げます。」

「大丈夫です。それに、仕事が不規則なので―――」

 心配そうな表情のカークに心配はないと言うように返すと、カークは問題が起きた時はたすけますと言うように返すが、鈴は本当に問題はないと言うように返した。

「―――一番の問題人物たちが、そろったな?」

「だれ? このちび?」

「―――――この国のクソガキどもは礼儀を知らんのか―――?」

 良くも悪くもと言うか、彼方は眠っていて事実上いないことになるが、ディナの言う通りでわたしに桃子、鈴、それに雪乃もそろった。

雪乃と遥香、鈴を道は少し違うと言っていたが、何にしても仲間同士で話し合える絶好の機会と言えるが無論遥香が無意識は不明だが、ディナを怒らせる言葉を口にし、ディナは怒るぞと言うように言った。

「ディナ、話が進まないので落ち着いてください。」

「―――わかった。」

 拳を震わせ、うなり、覚悟しろ礼儀と言うものを教え込んでやると言う表情のディナだったが、カークに抑えられ、言うとおりに抑えた。

 本題は情報交換と言うもので、ケンカをするために来たのではないし、わたしも遥香とケンカをしないように聞きたいことを聞きだせるかと言うか、彼女が口を開くことがあるか少し心配だった。


 話して話され、聞いて聞かされ、整理して整理され、わたしたちは自身の身に起きたことを話していくが、一番の問題は、わたし鈴、遥香、雪乃、彼方、真矢、それに桃子たちだった。

 問題が解決しない上に雪乃の代行者の話に、真矢と桃子の話した学校の先生たちのひと悶着の一件と言い、話しは終息と言う言葉が無縁に感じるほどだった。

 会議は踊るなんて言葉存在するが、踊っていると言うか、踊らされていると言う状況で、少し不謹慎かもしれないが、眠っていて話に交じってない彼方が少しうらやましくも感じた。

「―――代行者とか、ソーとか、超能力とか、わたしと桃子しか見てない女の人とか、むずかしい理屈は無視して、肝心なことは、と言うか、わたしはあんたに聞きたいことがあるんだけど?」

「何?」

「―――ケンカ腰にならないで? 聞きたいのは前にあんたが言っていたこと。」

 一通りと言うように話を終えた中で真矢が遥香に聞きたいことがあると言うように聞き、遥香が反応する中で、真矢はあんたの気持ちもわかるけどとにかく答えて欲しいと言うように言った。

「―――前あんたが言っていたことと、荒木って言うのが言っていたこと、で、その、なんて言うか―――」

「何? はっきり言ってよ?」

「わかった? 時間移動みたいなものができるようになったの?」

 答えを推測して、間違いないかと言うような物言いで真矢は言っているが、本当に聞いて大丈夫かと言うように言うのを止めようとする中で、遥香が腹が立つと言うように言う中で、真矢は勢いよく遠まわしな言い方はしないと言うように返した。

「―――?」

「言ったでしょ? 何でもできるようになるって? 過去にも未来にも好き勝手行けるようなるとかもあんた言わなかった?」

 言われて遥香は質問の意味が理解できないと言うように反応すると、真矢は忘れたのかと言うように再び質問した。

「まぁ、言ったけど―――」

「荒木って男が言ったことも思い出して!? 現実になるとか言ったでしょう? あれがわたしたちの造りだした未来と言う可能性は?」

 質問された張本人こと、遥香かは確かにそんなこと言ったなと言う反応の中で、真矢は遥香に思い出して答えろと言うように聞いた。

「―――ありえない。」

「あんたね―――」

「未来なんて何もなかったはよ?!」

 真矢に言われたことを頭で少し整理することができたのか、遥香はそんなことは本気でなく、変なことを聞くなと言うように返すが、真矢も信用できないと言うように聞こうとすると、遥香は何度も聞くなと言うように返した。

「―――未来なんていってみたけど、あんな風になっていることはなかった。通常営業ってやつ? 2、300年ぐらいじゃ風景なんて変わってなかった。」

「―――――」

「何? ドラえもんの世界みたいに空飛ぶ車が走っているのでも想像してた?」

 返すと遥香は本気で黙らせてやると言うように続け、真矢が聞きたいのはそう言うことじゃなくてと言うような表情で口を開かないでいると、遥香は期待はずれかと言うように聞いた。

「過去にも行けると思うはよ? だけど古くさいしバカみたいだし、ぼろだし、いきたくもない。恐竜とかにでもあって見たいの? エサにでもなっちゃえば? バカらし―――」

 真矢の質問を論破する気と言うか相手もしたくないと言うような言葉だった。

「遥香―――」

「何よ? ゆ―――」

「1つよろしいでしょうか?」

 あなたはもう少し節操と言うものを知りなさいとでも言うかのように雪乃が声をかけ、遥香が文句あるとでも言いかける中で、不意にカークが片手を上げ、聞きたいことがあると言うように遥香に眼を向けた。

「ディナ。」

「―――事実か? 時間移動なんて、信じられない―――」

 カークはわたしよりもあなたが聞きたいのではないのですかと言うようにディナに眼を向け呼ぶとディナは本気で疑っていると言うように遥香に質問した。

 ディナの表情は本気で信じられないと言う表で、カークもディナに同意すると言う表情をしていた。

「―――ディナだった? あんた魔王だった? それとカーク? 影の血族だが悪魔とか言ったけど本当? ある意味本場物の神さまでしょう? できないとか―――」

「わたしたちには不可能です。」

「―――――ぇ?」

 質問された遥香は変なことを聞くと言うように返そうとするが、カークは断言すると言うように返し、遥香は信じられないこと言わなかったと言うように反応した。

「人間同様に机上の空論と言うものです。理論と言うものは証明されていますが、実現はされていないんです。」

「―――そう言えば、理論上実現可能なんですよね?」

「―――その通りです。ミス桃子。」

 遥香に聞いてほしいと言うようにカークが続ける中で、口を挟んだのは桃子で、カークもその通りだと言うように返した。

「あ? それわたしも聞いたことある。あんたたちもなの!?」

「―――神は万能なんて大嘘ですよ? 人間と比較すれば身体能力は確かに高く、生命力も同様で、人間が持っていないような強力な力を持っていますが、不死身ではないし、寿命も存在し、不可能は事も多く存在します。」

「時間移動もその1つだが、それをまるで外出でもして来たみたいに―――?」

 不意に会話にカーク、ディナ、桃子も少し混じったが、真矢も言われて見ればと言うように反応するとカークは冷静に答え、ディナは本気で遥香の言ったことが信じられないと言うように言った。

 深い理屈はわからないが、桃子と真矢まで言うのだから、時間移動が一応科学的に可能なようだった。

「―――わかったはよ?」

「!?」

「証拠見せればいいんでしょ?」

 ディナが信じられないと言うように見ている中で不意に遥香が口を開くと同時に、周囲が不意に暗闇に包まれ、わたしが電気が切れたかと思っている中で、遥香が少しめんどうだが言うとおりに証拠を見せると言った。

「―――これは―――?」

「―――――適当にやったけど、たぶん明日の昼頃。」

 行った後すぐに電気が戻ったかのように明るくなったが、わたしは室内と言うか、室外からの明るさも感じ、窓の方へ眼を向けると、外が明るく、カークもおどろいている中で、遥香はこれぐらいでおどろかないでと言うように返した。

「―――――ちょっと待ってよ? 明日の昼に移動したってこと?」

「―――その、可能性高い、真矢、見て? 鈴も? 雪乃さんも、道も?」

 時間的に少し暗いと言うか、夕方頃だが、外は昼前か昼頃だと思う景色で、真矢が信じられないと言うように聞く中で、桃子が不意に間違いないと言うように言い、自分の携帯を見てと言うように言った。

「―――時報も明日のようです。時計が、電波式が混乱しています。間違いなく、未来―――?」

(においも変わったよ? 間違いなく昼頃の匂いだ。それに彼方ちゃんが部屋にいない!?)

 遥香以外が桃子の携帯に集まって携帯を見ると日付表示が明日に変更されている状態で、カークはと言えば自分の携帯を時報にかけて確認し、腕時計をわたしたちに見せると針が高速で回転していた。

 一瞬で別の時間に移動したと推測すると言うか、事実ならば機械が修正されることや、時報の通達の確実性、リューの言う言葉も納得できた。

「―――真矢!?」

「あ?」

「わたしも行きます。」

 彼方がいないと言う言葉を聞いた真矢は急いで彼方の寝ている部屋へと飛んで行き、真矢待ってわたしも行くと言うように桃子も追い、カークが続き、部屋に向かって言った。

「―――いなかった。」

「落ち着いて? 真矢? ここが明日なら、真実なら、彼方はもう眼が覚めていたり、カークさんが家に運んでいたりするから、無事だから―――」

「―――うん。」

 走っていく音が聞えたかと思うが、部屋はすぐ近くであり、十数秒ほどして真矢は戻ってくると本当にいなかったと言うそれ以外の言葉を失った反応で、桃子も同じような表情だが考えてみてと言う言葉に、一応納得した反応を示した。

「―――もういい?」

「―――――ぁ?」

 十分見せたと言うように桃子は言うと再び暗転し、全員がおどろいている中で、おどろく暇もないと言うように再び周囲が戻った。

「―――真矢!」

「―――――」

「―――真矢~?」

 戻ると真矢は問答無用で再び彼方の寝ている場所へと走っていき、家が揺れるのではないかと思うような音も響かせる中で桃子の声が聞こえた。

「―――よかった―――」

「本当。心臓に悪い―――」

 同じようにと言えば失礼だが、数十秒ほどして戻って来て、本当に安心したと言う表情をして膝を抜かし、桃子も本音はと言うように同じような表情をして膝を抜かした。

 わたしは見に行かず、カークも先ほどと違い見に行かなかったが、遥香が2人に、ましてや彼方に協力させることなんてないと思うし、2人を見ると本当にあの時はいなかったんだと断定するしかなかった。

 カークはと言えばある意味冷静で、時報に電話をかけて時間を確認し、腕時計を全員に見せると、針が混乱するように勢いよく回転していた。


 真矢と桃子の反応やカークの時計の異常に果ては時報と、遥香の言うことが疑う余地がないことは証明されたとも言えるが、肝心な話はこの後のことを話し合う必要が存在することだ。

真矢と桃子が一番動揺しており、少し落ち着くまでの間、遥香はそれがどうしたと言う反応で、雪乃も不味いことをしてと言う表情で、わたし枝葉はと言えば黙っていた。

心の中ではすでに踊りまくっているが、道に面倒なことになるから少し大人しくしていてくれと言われ、道はと言えばカークと顔をあわせ、お互いにどういうことですか申し訳ありませんがわかりませんごめんなさいと言う顔をしていた。

「―――だけど、解せないはね? 神って何でもできるんじゃないの?」

「―――遥香―――」

「雪乃は黙ってて。」

 遥香はと言えば行動を起こした中でより深く踏み入ろうと言うように続け、雪乃が先ほどと同様に止めろと言いかける中で遥香は言うとおりに黙っていてと言うように言い、カークとディナに眼を向けた。

「首切られても死なないとか、手足生え変わったりとかすんでしょう? 身体腐っても生きてたりとかあるけど、漫画とかでもあるでしょ? 時間移動なんて朝飯前とかじゃないの? 本気で? 信じらんない?」

「―――――」

「雪乃、どうすんのよ? お手上げじゃない?」

 冗談だったら許さないと言うように聞く中で、カークとディナは説明できないと言うような表情で、顔をあわせ小声で話し出す中で、遥香は雪乃に対していい加減にしてほしいと言うように言った。

「―――ミス 雪乃―――」

「―――わたしにもできます。だけど怖くて1度したきりです。」

「―――――」

 カークがディナと話していたが不意に雪乃に眼を向け、あなたはどうなのかと言うように聞くと、雪乃は言うとおりにわたしは一度だけはしたと言うように答えた。

 道は最初に鈴、後は真矢と桃子で、3人してそんなことは無理だと言うような表情で全員一致で首を左右に振った。

「怖いって雪乃―――」

「過去にも行ける。歴史を変えることができる。最悪宇宙の誕生を止めることだってできる。筋肉バカ、言っちゃなんだけどあなたにもわかるでしょう? もしかしたらすでにだれかが変えている可能性もある!」

 冗談もそれぐらいにしてと言うように遥香は返すが、雪乃は冷静なれと言うように返した。

「まさか?」

「ディナさん。本当にそうなんですか?」

「―――どうします? ディナ?」

「―――――」

 温めてと言うように雪乃が聞き、カークも同じように聞くが、ディナは少し考えさせてくれと言うように深く考えるように眼を閉じ、腕を組んだ。

「―――ダメだ。お手上げだ。何も思いつかん!」

 考えていたが10秒と経たない間にディナは言う通りの反応で、腰かけていたソファに勢いよく倒れた。

「―――肝心なことは神側に知られないようにもすることだ―――」

「そうですね。頼みますよ? ディナ。」

「それは任せておくとして―――」

 問題はほかにもあると言うようにディナは言うとカークはそれはあなたの問題だと言うと、ディナは起き上がり、本題はと言うように言うと真矢に桃子、鈴と雪乃、そして遥香に眼を向けた。

(―――彼方ちゃんもだね?)

 最後にと言うように彼方の眠っている方向に眼を向けると、リューが僕がわかりにと言うように返事を返した。

「変な真似はするなとしか言いようがないな。」

「当然でしょ?」

 ほかに言うことがないと言うようにディナが言うと、真矢は当然だと言うようにかえした。

「―――何でわたし見るのよ!?」

「あんたがいろいろやりすぎてるからでしょ!?」

「わたしの勝手だ!」

 返す中で真矢は一瞬わたしは大丈夫だけどあいつはと言うように遥香に眼を向け、遥香もなんだその眼はと言うように勢いよく言うと、真矢は信用できないと言うように返し、遥香はお前の知ったことかと言うように返した。

「―――とにかく、争うのはなしです。」

「そうですね。」

 お前を見てると腹が立つと言うように眼と言うか、顔全体を遥香が真矢から反らす中で道がいい加減にしてと言うように言い、カークも賛同した。

「―――だけど、道と言い、カークさんと言い、雪乃さんもわからない―――」

「―――――もうしわけありません。」

「いえ、あやまらなくていいです。」

 肝心の問題が片付いてないと言うように桃子が厳しい指摘をする中でカークが頭を下げて真剣にあやまり、桃子はあなたは悪くないですと言うように返した。

「だけど道、バランサーとかみたいのとかと本格的に戦うことになるかもしれないし、そう言えばあんたたちの家になんか武器とかみたいな物ないの? 銃とかバズーカとか? 鎖鎌とかは? 用心は必要よ?!」

「ないよ!? 僕たちをテロリストとかと勘違いしないで!」

 言ったのは真矢で、真剣には言っているが、物騒な話で、わたしは別段悪くないとも思い多少そう言ったものがないとは言えないが、道はこんな時にそんなこと言う場合かと言うように返した。

「まぁ、なくもないと言えば、うそになるけど―――」

「―――?」

「―――」

 返しこそしたが、道は言う通り、本当になくもないと言えばうそになると言うように学校のバッグの中から短刀と言うか、少し短いが木刀と言うか、仕込み刀を出して見せその後に閃光手榴弾もだした。

真矢が何事かと言うように見ている中で、道は仕方ないから見せるよと言うかのように刃を見せた。

「―――真剣? 仕込み? うそ? 本物? 五エ門みたい?!」

「あ? ちょ? 真矢―――」

「見せて? 本物? おっもい? 切れんの? 人とかも!?」

 見せた中で真矢は真剣におどろく中で、興味津々だと言うように道から奪い取り、そんな強引にと言う道も気にせず、すごいと言うように刃を見ていた。

「―――ぁ?」

「銃刀法って知ってるよね? これは登録してあるもので、それと法律違反ギリギリ、爆弾も大きい音と光だけのこけおどし、鎖鎌はもしかしたらあるかもしれないけど、枝葉さんのとこに? だけど物騒過ぎるから。」

 気持ちはわかるけどあまり見て欲しくはないと言うように道はすばやく奪い返し、真矢がもうちょっと見せてよと言う表情の中で、至極もっともな一般論を返した。

 見せるのは嫌だったけど、説明には必要だったと言う表情を道はしていた。

「銃は父さんが緊急時用って言って猟銃買ったけど、それ以外はないからね?」

「―――――」

「2人の銃だって届けた方がいいと思うよ? 警察に? だけど事情が事情だろう? 原因解明の糸口になると思うし、第一本来は真矢のだし―――」

 道の言う通りで、日本には常識的だが銃刀法と呼ばれる一般の人間の銃や刀と言った道具の持ち歩きなどに制限が設けられているで、道は真矢に対してとにかく聞いてと言うように話を続けた。

「まぁ、だけど、2、30年前だったらあったかもしれないけどね?」

「2、30年前!?」

 話しを聞いていた真矢は道の言う通りだが、遥香のこととかもあるし、言う通りにはできないと言う表情の中で道が不意に真矢の言うことは何とかなったかもしれないと言うように言うが、真矢は意味が解らないと言うように返した。

「僕が生まれる前、と言うか、枝葉さんも生まれる前の話だけど、僕たちはもっと大規模な組織で海外にも遠征していたらしいんだ。協力者も多くて銃火器とかも豊富に持っていたし、警察とかにも手回しが聞いていたらしいんだ。」

「何で縮小したのよ?」

「母さんが、先代が元から病弱だったのに余計に身体を壊したんだ。多忙で、それが原因で、それに海外のことにまで手を出す義務は僕らにはないし、規模や経営、雇用者数を維持することなんてできなかったんだ。縮小して当然だったんだ。」

 理由を説明してと言う真矢の表情に対し道は冷静に返すが、真矢はこんなこともあるだろうどうして納得できないと言うように返すと、道はこれだけは仕方ないと言うように言った。

「海外のことは海外の人間に任せて、仕事も徐々に分割して言ったんだ。それに母さんは、先代は僕が生まれる前から、産む前から少し病弱だったって父さん言ってたし―――」

 道の言うことは神宮寺家との裏事情を知っているわたしだからこそ知っているが、言っていることは紛れもない事実だ。

道は母こと憂を先代と言い直し、生まれる前を産む前とも言い直し、物言いは真矢やわたしたちの道ではなく、幼いながらも現状の神宮寺家の跡取り道としての立ち位置を明確に意識して発言しているようにわたしは思えた。

「―――ごめん。」

「いいけど、だけど人道的措置って言うものあるだろう? 法に触れる以前に最悪僕が生まれてなかったこともありえるんだよ?」

 言われて見ればわたしが悪かったと言うように真矢はあやまりはしたが、道は念入りにと言うように続け、真矢はわかったこれ以上言わないと言うよう反応を見せた。

「―――とにかく、こちらも文献などを調べてみます。沙良さん、神野の家にも通達して協力を仰ぎましょう。枝葉さん。」

「ラジャー!」

「―――こういう時そう言う返事って意外と頼もしく感じますね。少し不謹慎な気がするけど―――」

 お互いに申し訳ないと言う動きの中で話しを進めようと言うように口を開いたのはカークに眼を向け直した道で、わたしにも指示をだし、手を上げて笑顔で元気よく返事をすると道はこんな時にと言うような表情を見せたが、それもいいかと言う表情をしていた。

 文献と言うのは言うまでもない神宮寺家などの古い記録で、どんなことが起きたにしても、起きるにしても、情報が不足しているから本腰を入れて調べないといけないと言うような表情を道はしていた。

 わたしはと言えばどうの言う通り不謹慎で言えないが、おもしろいことばかり起き始めていると思った。


自分の身に起きたことを踏まえて関係する人間と話しをして、聞いて、整理して、真矢は一応手に入れたい情報の1つを手に入れたが、次の問題がまた出てきてきりがないと言う表情をしているようにわたし桃子は見えた。


時間の移動ができることも何でもできると言った範疇で、わたしたちにいずれできるようになる可能性も存在すると言うか、わたしはプレコグニションができるのはその予兆なのかとも少し考えた。

 考えこそしたが、わからないもので、第一人者のカークたちの知らぬ存ぜぬ想定外困ったと言う状況で、わたしたちで知らべて行くと言うのは変わらないのかと思う中でだれかの携帯か着信音のような音が鳴りだした。

「―――ごめん。わたし―――」

 全員少し重い沈黙を勢いよくとまでは言えないが、破る音で、雪乃にメールが来たようだった。

「―――っげ!?」

 メールが来たのね誰からだろうと言うように雪乃は見ていたが、不意にどこのだれが見てもわかると言うか、まるで漫画やアニメのように嫌な相手から来たと言いそうな反応をした。

「?」

「『っげ!?』はないでしょう? 雪乃? 『っげ!?』って、漫画じゃあるまいし―――」

 遥香以外全員何事かと言うように雪乃のこれは困ったことになったと言う顔を見る中で、遥香はと言えば冷静にそれはないと言うように言った。

「それでなに? これから仕事とかじゃないの? ホントに大丈夫?」

「―――ああ、大丈夫。ごめん? みんな? ひどく個人的なことだから? 本気で気にしないで?」

 冷静と言うか、場の雰囲気を少し理解していないと言うか、普段からこう言う状態なのかわからないが、遥香は雪乃に大丈夫かと言うように聞くと、雪乃はあわてているが、あなたたちには本当に関係のないことだと言うように言って携帯を服の中に戻した。

 苦笑いと言うか、顔が引きつっていて、後回しにしてこれからのことを考えないといけないが、考えないと不味いことになると言う表情でもあって、理由はわからないが彼女にもわたしたちの知らない事情があるようだった。


 雪乃の携帯のメールの着信音とメールの内容を見た反応に大きくおどろくことはなく、わたし真矢はまだ一応はと言うか、少しは冷静なのだとも思ったが、話しがそれほど進んでないことも実感していた。

 前に数歩進んで後ろに数歩下がってを繰り返して進んでいると言う感覚で、数歩と言えば2、3歩で、まったく進んでないとは言えないが、あまり進んでいないことに違いはなかった。

 夜も再び深けるだろうし、大事なことと言うか、必要最低限できることと言うか、彼方を家まで運んだ後はいつも通りに帰るしかないなと思った。

「―――――?!」

「―――真矢!? あなたも!? 感じたの!?」

(―――どうしたの?)

 聖歌が現在家にいないし、本人の同意もなしだが、心配だし泊まり込みでもしようか、昼間は開いている人に任せて明日は桃子に泊まってもらって白夜あたりにでも頼めば何とかなるかなと思い始めた時だった。

 道が鈴の家に行く道中で話した、見えない何かが飛んでくると言う感覚を勢いよく身体中に感じ、桃子も同じなのかと言うように聞き、リューも聞いてきた。

「桃子! 眼!」

「真矢! あなたも! それに感じる―――」

「わかる。これが―――」

 眼を向けてみると、桃子には前兆と言うか、証明だと言うように昨夜のように眼が青白く発光していると言うように伝える中で、桃子もあなたも同じと言うように返す中で、わたしは彼方のいる方に眼を向け、思わずと言うように言った。

「―――人の気配、いえ、記憶と言うか、存在の見えない表明―――?」

「これが神って言うべきなの? 桃子の物も感じる―――」

「―――あ、ちょ? 2人とも?」

 見えない何かがわたしに手に触れた物体の感触がわかるかのように、触れると話しかけると言うか、正体を教えてくれると言う感覚で、わたしも桃子も彼方のそう言ったものを感じているようだった。

 桃子もわたしも全員が何事かと見ている中で、気にすることもないと言うか、放置すると言うか、彼方のことが気になり思わずと言うように立ち上がり、彼方のもとへと向かい始めていた。

 道が意味が解らないと言うように声をかけるが、わたしたちは不意に自身の身に起きた感覚を半場信じられず、確認したいと言う一心で足を進めていた。


 法則と言うか兆候と言うべきか、引き金と言うか、細かい理屈は無視するとして、桃子と真矢、それに彼方たちは眼が青白く光りだすと能力が飛躍的に上昇するように僕道は見えたと言うか、ほかの人間もそう考えたと思った。

 2人して部屋まで出ていき、何を考えているんだと言う雰囲気の中で僕たち全員が追いかける中で、2人は彼方の寝ている鈴の部屋に向かっていた。

 2人して自分たちでもまだ確信が持てないと言う雰囲気で、真矢は勢何とか落ち着けと自分に言い聞かせるように良く息を吐きだすのが見え、桃子も遅れてだが似たようにいきを大きく吐きだしていた。

「―――真矢、感じる? 試してみる?」

「うん。」

 吸った後落ち着いたと言う表情で桃子が真矢に声をかけ、真矢は当然だと言うように返した。

「―――――」

「―――浮いて―――」

(うん。浮いてる。)

 桃子が返事を返した後、僕と言い、多くがおどろいて言葉が出なかったが、口を開いたのは鈴で、2人は僕たちの見ている前で床から数10Cmほど浮かび上がり、鈴に抱えられていたリューが間違いないと言うように続けた。

 飛んだと言う言葉は妥当ではなく、2人は落ちることなく静止している状態で、2人は眼を顔をあわし、お互いに手と手をあわせた。

「ようやく覚醒って―――」

遅かったなとでも言うかのように遥香が腕を組みながら言おうとする中で、2人の身体が元の床に戻ると、眼の光が点滅したように見えたかと思うと光が消え、2人は倒れると言うか、膝をつきかけ、お互いにお互いを支え合った。

「真矢? 桃子?」

「―――桃子、大丈夫?」

「やっぱり、わたしにはこの能力に対する体力が足りないみたいね?」

 2人して不意な行動で意味が解らない状態で、大丈夫かと声をかけようとすると、真矢が桃子に声をかけ、桃子は頭を抑えながら大丈夫だけど同じ状態のあなたとは違うようだと言うように返した。

「―――わたしは体力バカなだけよ? 桃子も上手く使いこなせるようになるよ? だけど、問題は―――」

「ええ、彼方―――」

「―――――」

真矢は気にしないでと言うように言い、桃子もわかっていると言うように返し、2人は再び進み始めた。

「―――2人とも―――」

「―――道、ひどく広い場所用意できない?」

「え?」

 2人して自分の身に起きていることは理解できているが、説明できていないと言う状態で、僕が呼び止めかけると2人は同時に僕の方に眼を向け、お願いと言うように言ったが、急で意図を理解できなかった。

「彼方が大変なの―――」

「彼方が―――」

「とにかくお願いね。」

 理解できない中で真矢が理由を説明し、僕がそう言う意味なのはわかったが、2人して彼方の身に何かが起こっているかがわかっているかのような表情だった。

 桃子は落ち着いた口調だが細かい理由は後で説明すると言うか、もうすぐわかるとも取れるが、すぐに危険な状況になると言うように言うと、真矢とあわせて彼方のいる方向へと進んでいった。

 僕たちはと言えばついて行くしかなかった。

(ね? ねぇ? 足元? 足元なんかない? 光ってない?)

「―――なにこれ? と言うか? あれ―――?」

「―――――?」

 ついて行くしかなく、僕が先頭で、次にリューを抱えた鈴、雪乃、カーク、枝葉、ディナ、最後に遥香と続いて行く中で、不意にリューが奇妙だと言う反応をして、聞いた鈴は足元に眼を向け、何かを見つけたようで、僕もそれを見つけた。

「―――っ!?」

「!?」

「なによこれ!? 静電気の塊!? バチッときたんだけど?」

 見た瞬間は大きさ2、3Cmほどの毛玉のように見えたが、よく見ると白く光っている上軽くだが大量に浮いている球体で、僕もなんだこれと思い手に取ろうとした瞬間、後ろから火花が散るような音が響いた。

 触ったら起きる音だとも思う中で、後ろを見ると、案の定と言えば失礼だが、好奇心半分で触れたであろう遥香が触れたであろう手を痛そうに振りながら文句を言っていた。

(大丈夫? 鈴ちゃん?)

「―――う、うん―――?」

 触れたのは鈴も同じようで、同じことが起きたようでリューに心配されるが、鈴は一応は大丈夫だかれこれなにと言う表情で返した。

「―――高エナジー体ですね。」

「?」

「神の力の一部をこの1つ1つに―――」

 冷静なのはカークで、手に取ると遥香や鈴と違い大きい音や痛がる様子はないが、手の上では火花が散るような嫌な音を出している中で、冷静に分析していた。

 僕と言うか、全員でそれが何かと言う表情の中でカークは簡単にだが説明をしようと言う時にカークの眼の前をその1つが通り過ぎて行った。

「―――――」

 足元に十数個ほど落ちていて、まだあるのかと言うようにカークが眼を向け、僕もあわせて眼を向けると、眼の前に大量の光る球体が舞っていた。

 足元に最初は見えたからほこりのようにも思われるが、実際眼の前に広がるのは雪が降っていると言うか、浮いて流れてこっちに来ていると言う光景で、桃子と真矢はと言えば気にせずに進み、彼方の寝ている部屋の前に立っていた。


 指の先から具現化した力の一部があふれ出るのが始まりで、量も増えてこぼれ出ると言う感覚へと移り、抑えようとすると身体中からあふれ出す上、抑えきれない力がわたし彼方の身体と言うか、身体中を光らせ始めていた。

 気付くとあたり一帯にあふれ出た光が床一杯に広がり、宙を舞い、数を増やし続けているが、わたしはと言えば、抑えながらも出して、大量に出てくるのを防ぐのに必死だった。

 あたり一帯に広がるほどの数を出したが、身体の中に残っている量は非常に膨大で、一気に吐き出せば楽だが、自分でも信じられないほどの量があることが感覚的にわかった。

「―――?」

 少しずつ出して抑えられるか、一気に出す前に身体が持たずに破裂するかのように放出されるか、わたしの身体が持つのかと思い、意味も解らない恐怖感で涙があふれている中で、不意に扉が開くような音が聞えた。

「―――――」

「―――やっぱり―――」

「真矢ちゃん? 桃子ちゃん?!」

 音の方向に眼を向けると言うか、周囲をよく見るといつの間にか薄暗い室内に変化していて、後で鈴の部屋だと気付いたが、音の方に眼を向けると、2人の人影が見えた。

 双方眼だと思われる部分が青白く光っていて、4つの光がわたしに向けられる中で、わたしは聞きなれた声こと、真矢の声を聞き、わたしは思わずと言うか、感覚的に、2人がだれかわかり2人の名を呼んだ。

「―――思ったとおりね?」

「わたしたちでは抑えきれない―――!」

 感覚的と言うが、慣れ親しんだと言う状況ではなく、この力が教えてくれると言うか、伝達して来たと言うか、人とは違う感性が真矢と桃子だと言うことを伝えているようだった。

 2人は部屋に入ってくるとわたしの現状を把握しているのか、桃子が見た以上のことが起きていると言うように言い、真矢は言うとおりに、わたしたちではなんとかできそうにないと言った。

「真矢ちゃん、桃子ちゃ―――」

「安心して、絶対に何とかする。と言うかさせる。だから安心して、泣かないで、わたしがいるから、いや、わたしたちがいるから、信じて? 絶対に―――」

「―――うん。うん―――!」

 来てくれたのは無論うれしいが、来ても何の解決にもならないで、どうしようと言うように言いかける中で、真矢がわたしを抱きしめた。

言うとおりに絶対に何とかすると言うように言い、わたしは最初と言うか、不安だが、任せると言うか、言うとおりに信じることにした。

「―――真矢。」

「うん。だけど―――」

「真矢、桃子―――?」

 信じると言うか、桃子の目線的言えば信じさせたけど本題はこれで終わらないと言うように桃子が真矢を呼び、抱きしめるのを止めた真矢が何とかしないといけないと言いかける中で、入って来た方向から道の声が聞こえた。

「―――わ!? 真矢ちゃん?」

 薄暗い部屋の中はわたしが出した光と眼を光らせた桃子と真矢がいて、異様な光景で、わたしも考えてみればと言うように眼の前に手を当てると手に青白い光が見え、わたしの眼も青白く発光しているようだった。

 道たちにわたしたちがどう見えているのかと思う中で、不意に真矢がわたしを勢い良く抱きかかえた。

 非常に軽いと言うように持ち上げ、わたしはと言えばおどろいて少し暴れたが、強い力で持っていて、しっかりと支えられている気がした。

「真矢!?」

「家が壊れる。用意してって言ったけど間にあわないでしょう? 少しでも安全な場所に連れていく。」

 わたしもおどろいたが、先ほどの言動と言い、理由がわかるが、道は理解できないで、なにをしているのと言うように真矢を呼ぶと、真矢は言うとおりここは危険だと言うように返し、道たちに背を向けた。

「―――とにかく、急いでください。」

 背を向けると真矢は外の前に向かうと施錠を外して窓を開ける中で、桃子は道に対してか、同じように見ているカークたちに対し頼んだと言うように言っている中で真矢は外に出た。

 出ると屋外と言うか、季節特有の少し湿り、生暖かい気温を感じ、空を見ると暗く、わたしは昨夜から1日中寝ていたのかと思いかける中で、真矢が空に飛びあがった。

 飛び上がったと表現したが、飛び降りたわけではなく、真矢は宙高く跳躍し、桃子も後ろから追いかけて飛んできていた。


 わかることは昨夜と条件と言うか、状態が似ていることで、要因は不明だが能力が覚醒したようで、桃子と真矢は僕道たちの前から彼方を抱きかかえて飛び出して行ってしまった。

 言葉通りの飛び出したで、外に出た瞬間に僕たちの見ている前で勢いよく人間を超えた跳躍力と距離を見せ、飛んで行ってしまった。

 家が壊れると真矢は言い、話しを整理すれば、本当かうそかわからないが、彼方は力が爆発しかけている状態で、非常に危険な状況だと推測でき、僕は考えるまでもなく、真矢と桃子、それに彼方を追いかけていた。


 頼りになるのかならないのか、わたしたちには男手が少ない状況で、ケヴィンと言うカークとディナの仲間の初老の男がいるとわたし雪乃は聞いていたが、現状では道とカークだけの微妙な状態だった。

 頼りないとまでは言えないが、道は子供で、カークは細身で、ケヴィンは年を取っていると聞いたで、道は彼方を追いかけ出し、合わせるようにカークが追いかけ始めた。

 枝葉もあわせてと言うように少し遅れて後ろと言うか、別方向に進み、一気に姿を消した。

「あ? 道くん?」

「―――わたしも行きます。」

「はい。」

 追うのかと言うようにわたしが呼ぶ中で無視され、同じようにいきますと言うカークに返事を返し、道は言ってしまい。わたしたちは置いて行かれていた。

 頼りがいがあると言えばあるかもしれないが、置いて行かれたわたしたちはと言えば、一度顔をあわせたと言うか、だれがいるか確認した。

「遥香ちゃん!」

「?」

「一緒に、一緒に連れて行って! わたしも行きたい!」

 残っているのはわたし、ディナ、清水姉妹、遥香と鈴で、わたしはその気になれば追いかけられると言うか、待っていた方がいいかなと言う状況の中で、不意に口を開いたのは鈴で、遥香を呼んだ。

 遥香が突然わたしを呼んでどうしたと言う反応の中で、鈴はお願いと言うように言った。

「―――――」

「お願い!」

 2人の関係はと言えばわたしたちも周知済みで、遥香はと言えばだけどと言う表情の中で、鈴はあなたしかいないのと言うように言うが、遥香はわたしに言われてもと言う表情をしていた。

「鈴さん。」

「鈴さん。」

 連れて来て釣れて来られてこんな面倒なことにと言う表情の遥香で、これはまだ序の口だろうと言う中で、鈴がどうしてもだめと言う泣き出しそうな表情を見せる中で、伊那と理沙の2人が心配そうに鈴を呼んだ。

 遥香はと言えば冷静で、大ごとにはならないと言う表情をして、だれかと言うかあの2人やカークと道とかが何とかするだろうと言う表情をしていた。

「―――鈴―――」

「―――何があったの? どうしてこんなことになったの? だれも教えてくれない、だれも知らない、変な部分ばっかり教えられる―――」

 遥香らしくあなたにもわかるでしょ細かい理屈は抜き後で聞けばいいとでも言うかのように鈴を呼ぶ中で、鈴はこんなのは嫌だと言うように言い、遥香を黙らせた。

「元通りにならないなら、わたしは前に行きたい! 知りたい! 中途半端で終わらせたくない! 彼方ちゃんたちのたすけになりたい! だけどわたしは何もできない! まだあなたにしか頼れないの! お願い! 遥香ちゃん―――」

「―――――鈴―――」

「なんで? なんで? なんでそんなに、こんなに変わったの? わたしなにも変わってないよ? 彼方ちゃんたちもだよ? いじめられるのが、いじめられるのがそんなに嫌だったの? この力でそうなるならダメだよ? 何とかするために、いかなきゃ!?」

 遥香を黙らせる中で勢いよく抱き付き、お願いと言うように繰り返し、遥香は言われてもあいつこと、真矢のこともあるで、いきたくないと言うような物言いの中で鈴は続けた。

「―――」

「しっかり捕まってなさい? 振り下ろされないようにね? あなたの頼みだからね? わたしは別にどうでもいいんだからね? 幼なじみのよしみよ?」

「―――うん!」

 わたしも気になるし、伊那と理沙もどうすればいいですかと言うようにわたしに眼を向け、人の足で追いつくものではないし、わたしが鈴と伊那と理沙を能力ででも運ぼうとする中で、遥香が抱き付いた鈴を離すと不意に背を向け、座った。

 だれが見ても背負って運ぶと言う構えで、遠慮するなと言うように遥香は鈴に言い、鈴はわかったと言うように真剣に返事を返すと遥香の背にのった。


 彼方の身体からあふれ出ている光のおかげで道筋ができていたこともあるが、わたし鈴にとっては遥香の足が速いおかげだとも思い、遥香の背にのったわたしは少ししてすぐ彼方たちに追いつき始めていた。

 先頭が真矢で次が桃子、次がいつの間にか変身した道で少し横にはカーク、見えないが枝葉もいると思われ、その後にわたしたちが続き、後ろでは遅れながらもと言うようにディナと雪乃が理沙と伊那の手を引きついて来ていた。

 真矢に抱きかかえられた彼方、続く桃子と道、リューを背中に乗せたわたし鈴と伊那と理沙以外は素と言うか、能力柄十二分に超人的に移動できるようになっているようだった。

「―――――?」

「―――ぁ?」

 桃子も昨夜はまだ少し普通の領域だとも思っていて、真矢も一時的だと思っていたが、いつの間にかで、要因はわからないが、わたしと違い飛躍的に成長していた。

 遠く見える中で、要因は何かと考えている中で、不意に真矢が移動を止め、公園の時計台の上に着地し、桃子は少し離れた位置の遊具へ着地し、ほかの全員もあわせるように着地した。

「真矢!」

「ここじゃダメ!」

 家が壊れるとも言い飛び出して言ったが、彼方の身体は頭や手足の先から光り始めているのか、光が身体の中央に向かっているかのように光っているのが見えた。

 突然飛び出してと言うように道が真矢を呼ぶが、真矢はそんなことは問題ではないと言うように返した。

「?」

「このままじゃ彼方爆発する! 死にはしないかもしれないけど、ここら一帯吹き飛ぶ! いや、それだけじゃすまないの! 最悪この世界もろとも木端微塵かもしれない!」

「広くて頑丈な、遠い離れた場所が必要なの! 解放させてあげないとダメ!」

 ダメの意味が解らないと言う道に対し、真矢は一度しか言わないから真剣に聞いてと言うように言い、桃子は付け足すように言った。

「核シェルターとか、海はダメ! 津波になる! ―――かくなる上は―――」

「真矢!? 何考えてるの?」

「宇宙まで言って解放させるの! それしか方法がない! 被害は最小限にできる!」

 急いでと言うように真矢は言い、間に合わないならと言うように不意に空を見上げ、道が言うとおりに何を考えているんだと言うように聞くと、真矢は自分の考えたとんでもない作戦を口にした。

「―――真矢、飛べる?」

「やるしかないでしょう?」

 2人して本気のようで、桃子が真矢に心配だと言うように聞くと、真矢は無理やりでもやるしかないと言うように返した。

「――――!?」

「鈴?」

 彼方の身に起きた変化と言うか、これから起きることは2人を見てもわかるが大変なことだと思う中で、未来予知が起きた。


 見えたのはテレビで見るような宇宙から見た地球で、日本だと思うあたりから白い点のような光が見えたかと思うと、一気に広がり、地球が覆われたかと思うと、白い光が宇宙全体に広がっていく様子だった。

 周囲が白い光に包まれていたが、不意にと言うか、光がなくなると言うか、まるで時間が戻るかのように地球が元の姿に戻り、わたしの身体は高速で地球の先ほどの白い光の点に向かっているようだった

 考えてみると宇宙の真空で息ができないとか、大気圏の摩擦熱で燃え尽きるとか、時間が戻るとか言う理屈を無視して、気づくと眼の前に先ほどよりも強く激しい光に包まれ、苦しむような彼方の姿が見える中で、予知は終わった。


 瞬間的にわたしはこれはまさしくこれから起きることだと判断し、遥香がどうしたとかと言いかけていた気がするが、思わず叫んでいた。

「ダメ!」

「―――!?」

「宇宙でも間に合わない! ここで食い止めるしかない! ほかに方法がない!」

 幸運と言うべきで、全員わたしの声を聞いてくれ、届くかはわからないが、本気で飛び上がろうとしていた真矢と桃子を止められ、わたしはそれでもダメだと言うように言った。

「真矢、ちゃん―――」

「彼方? 大丈夫?」

「鈴ちゃんの言うこと本当。わかるの。ダメ、何もかも壊れる。この世界も、一貫の終わり―――」

 真矢と桃子がわたしに眼を向ける中で、彼方が真矢を呼び、真矢が反応を見る中で、彼方はわたしに眼を向け、間違いないよねと言う確認すると言うか、確信を得るためにと言うように言った。

「―――? 遥香ちゃ―――?」

「下がってなさい? 鈴? ここはわたしと雪乃の仕事よ?」

 わたしと彼方が言うならと言うように真矢と桃子は困りながらも納得した表情を見せる中で、不意に遥香がわたしを少し強引に下す中で、真矢たちに向かっていき、後は任せろと言うように言うと、雪乃に眼を向けた。

「―――あなたらしくないはね?」

「いつまでも続けんのが面倒なだけ。あいつには借りを造って置きたいしね? それに鈴の頼みだからね。」

 眼を向けられた雪乃はめずらしいことをするとでも言うように言うが、遥香はそんなことはないと言うように返し、わたしの頼みとも言った。

「それと、協力してもらうはよ? カーク? それと大魔王さま? ここまで来てうそだったら承知しないからね?」

「―――承知しました。」

「あんたたちもよ? ある程度はできるようなったんでしょ? 見せてもらうはよ? その眼みたいに見かけ倒しにならないでよ?」

 カークたちにも例外ではないと言うように伝え、カークが了承する中で、次は真矢たちにも伝え、真矢たちもわかったと言うように反応した。

「―――まずは人払い!」

「?!」

「飛んでる時も天の川みたいだったはよ? 見られたら大事よ? 速攻で片付けるはよ!?」

 真矢やカークたちがわかったと言う反応の中で、不意に遥香が人払いと言うと、不意に周囲に透明な壁のような物が姿をあらわしたかと思うと、わたしたちを一気に包囲した。

 外から見ると地面に底の部分が埋まっているが、球体の中に入れられた状態だと推測され、わたしと言い、何事かとみている中で、遥香はあとが面倒と言うように続けた。

「特殊な防壁です。外からは見えてないし、音も聞こえません。核ミサイルが落ちてもたぶん平気です。」

「―――これが、あのうわさの力―――」

「細かい話はなしです。眼の前の問題に集中しましょう。」

 わたしと言い、真矢たちと言い、カークたちと言い、意味が解らない状況だが、雪乃は慌てないでほしいと言うようにカークたちに説明した。

 伊那と理沙、道に枝葉、それにリューとわたしが一番何かできることが少ない状態だが、中に残された事を踏まえると、遥香は一応はと言うか、わたしのことを仲間として見てくれているのだと思った。


 見た通りの、言葉通りの、ほかに言いようがないが、彼方の身体からは本来人間ではない力が大量にあふれ出ていることが僕道にはわかった。

 あふれ出てこそいるが、見てみると言うか、気配のような物を感じてみると、似たような状態の3人は根本として同じぐらいの感覚だった。

 同じぐらいだが、違うのは一言で言えば制御と言うもので、彼方は制御がうまくできていないようで、力を壊れているか、さびたりして傷んで使い物にならない上、元栓の無い蛇口の水のように無尽蔵に放出しているみたいだった。

 手と言うか、力で抑えれば止まるが蛇口のように本来のものではないので止まらずあふれ続け、蛇口もない状態みたいで、水を一度と言うか、全部ぬいて蛇口を締められる量に抑えるようにするしかない状態のようだった。


 遥香と雪乃、カークとディナ、それに道と枝葉が協力でこれからのことに対処してくれるようだった。

 わたし桃子と真矢は無論当然と言うか、最初からその構えで、安全な場所も確保され、彼方をこの苦しい状態から何とか解放できそうだった。

 問題は遥香が用意した防壁の耐久制度で、信頼していないわけではないが、用心を兼ねて防壁を強化することにするのは言うまでもない暗黙の了解だ。

「―――真矢ちゃん。」

「大丈夫だから。後少しよ? もうちょっとの辛抱だから―――」

「―――」

 最終的な打ち合わせと言うような状況で、真矢は彼方を抱えたまま時計台の上で待機している状態で、彼方が大丈夫かと聞く中で、真矢は問題ないと言うように返し、わたしはこれでとりあえず一段落すると言うように見ていた。

 最初と言い不意な能力の覚醒だったが、わたしが3人の中で最初だったが、わたしは予知能力的に、次の真矢は身体能力的に、そして彼方は攻撃能力的に特化したみたいで、少し調節がうまくいっていないみたいだった。

 昨夜のあの一撃で大量放出し、身体も余波を受けたとも思われるが、あれですべてではなかったようで、現状の彼方はと言えば、昨夜のような、と言うか、それ以上の大放出が必要なようだった。

『―――それにしても、すごい進歩ね? 信じらんない?』

『本当ね? 言葉が出ない―――』

『―――テレパシーってやつよね? これ? 動画も画像もシェア可能よ?』

 後少し言う中で、不意に真矢が話しかけてきたと言うか、話してもいないが声だけが耳と言うか、頭に届いてきた。

 話しかけた真矢も信じられず、返したわたしも信じられないが、真矢の言う通りのテレパシーでわたしたちは話していた。

 口を使わず、思ったことを言語情報と言うか、声として相手の頭や鼓膜などに伝える能力で、真矢の動画と画像のシェアと言えば冗談にも聞こえるが、眼で見た光景や聞いた音や匂い、食べた物の味や物に触れた感触も伝えることができるみたいだった。

『雪乃さんとは話せない、鈴も遥香も、だけど―――』

『ええ、感じる。真矢の彼方を抱きしめる感覚、重み、絶対に離さない、たすける。心配だと言う意志、それに彼方の抱きしめられる感覚も、それ以外にも―――』

『―――彼方も、感じてるのよね?』

 鈴と遥香、それに雪乃が違うと言われていたが、真矢の言う通りここまで来てやっと明確にわかると言うもので、わたしたちと違い、彼女たちはわたしたちがテレパシーができていて、彼方とも話していることにも気づいていないようだった。

『―――だけど、この眼どうにかなんないのかな?』

『そうね? これが問題ね?』

 要因は不明だが能力は身体能力が主だが飛躍的に上昇し、昨夜の彼方ほどとまでは家内が似たようなことができるのは明確で心強いが、懸念は真矢の言う通りで、本格的に使うと副作用なのか、眼の青白い発光がより強くなっていた。

 収まらないかと先ほどから集中したり、眼を細めてみたりと、試しているが、これだけは解決できないようだった。

『Release』

「―――結界を頼みます。」

『さすが本場ね? 見事なもんと言うか、興味津々だけど、そんなこと言ってらんないはね―――』

 眼は放置すると言うか、後で考えるとして、カークも道も準備を始めていた。

 カークはライダーシステムを作動させるとシステムから人工音声が聞こえたかと思うと服が一瞬で変化し、鎧と言うか、防具を身に着けた姿へと変化した。

 道も準備を進めている中でわたしがカークを見入っていると、真矢がすごいと言うか、信じられないと言うようにカークに起きた感想を言っていた。

 カークの身に起きたのはまさにテレビで見るような変身で、身に着ける服も仮面ライダーと言うか、普通のライダーの着るスーツに防具を装着したと言う雰囲気で、フルフェイスのヘルメットまで被っていた。

 

 準備を整えるとは言うが、暗黙の了解ですぐに終わると言うもので、時計台の上の真矢はまだかと言うようにわたしカークに眼を向け、桃子もわたしたちに急いでと言うように眼を向けていた。

 ライダーシステムも起動して防護服へと姿も変え、道に指示された枝葉は道の服の中から数枚の紙と言うか、術式用のお札を出して周囲に散布していた。

 ディナもわたしもやるぞと言う表情で、わたしが眼を向けると、あいつらの心配をしろと言うように目配せすると彼方の方に眼を向け、わたしも眼を向けた。

「―――始めていいんですね?!」

「―――とっとと始めるはよ?」

「彼方? もう安心していいからね? はじめましょう? すぐに出して?! 思いっきり! それで終わらせよう?」

 眼を向けると真矢は準備が整ったのかと言うように大声で聞き、遥香はそんなこと聞くなと言うように言い、真矢は彼方に安心していいと言うように伝えた。

「―――――」

「―――肌がピリピリするって言うのか? 一歩間違えたらわたしたち全員黒焦げどころか跡形もなくなるぞ? 本当に信じられ―――」

 見ている前で真矢が彼方を抱えていた手を離すと彼方は宙に浮いていたかと思うと、真矢の頭の位置よりも少し高い位置に移動すると真矢は時計台から降りるが、地面に落ちることなく宙に浮いていた。

 わたしたちにとっても不測の事態で、言葉が出ないと言うように見ている中で、口を開いたのはディナだったが、見ている前で不意に彼方の身体が勢いよく光り始めた。

 力の解放が始まったのだ。


 遠慮しなくていいからと言うように真矢が言ったのをわたし彼方は何とか聞いていて、本当に大丈夫かと言う懸念が存在していたが、身体も限界に近づいていて、言うとおりにするしかなかった。

 あふれ出ていたと言うか、調節して少しずつ出していたものが一気に身体中に広がり、一瞬身体の中心と言うか、心臓が軸になっているのだと思うが、引っ張られるような一瞬強い痛みを感じ身体を丸めかける中で、一気に解き放たれた。

 身体は四肢と言うか、身体全体中を引きちぎられる寸前までに引っ張られているような強い痛みが走っている状態な上、解き放った力は身体全体中が跡形もなく燃え尽きてなくなるのではないかと思うほどの熱さも感じた。

 熱さと言うよりも痛みで、身体中を丸めたかったが、勢いでそれもできなかった。


 彼方の体内で蓄積されかけている神と言うか、未知の力を解放させた後、防壁によって起こる被害を食い止めようと言うわけだが、遥香もだと思うが、わたし雪乃は驚愕だと言うほかなかった。

 わたしたちの身に宿ったと言うか、覚醒したと言うか、与えられた力は確かに無尽蔵と言う言葉が適切だが、解放された彼方と、同じ能力を持った真矢、それに桃子はわたしと遥香、それに鈴もだが、質か何かが違うみたいだった。

 例えると理科や物理と言った学校の授業のような話だが、木と鉄でできた同じ大きさの物体で、外見的には同じだが、材質は言うまでもないが、重さや強度が段違いなのだ。

「―――――」

「―――ぅ、く―――」

 段違いと言うか、ケタ違いで、その気になれば出せると言うのはわかるが、わたしたちはもっと身体に力を入れないといけないが、桃子と真矢と言い、わたしたちほど必死と言うほどには見えなかった。

 必至と言うほどには見えないとしたが、彼方の力を抑えると言うか、防ぐ2人は確かに必死で、桃子がこれは苦しい、真矢も無理だと言うような反応をしたが、わたしたちほどではないと思った。

「―――壊れる―――!」

「遥香!」

「どうなってんのよ? 段違いじゃない? いや、それ追い越してる!? レベルで言うと2、30、いや、50ぐらい違うじゃない!? こんなの予想外よ!」」

 遥香が最初に用意した壁を基軸に彼方の力を抑え込んでいるわけだが、真矢と桃子、わたしと遥香、カークとディナ、それに道と彼が使っているお札みたいなもので壁を造り、伊那と理沙、枝葉、鈴は力をそれほど出せないのでわたしたちの後ろに回っている。

 最初は軽い暴走だと思っていたが、次期に押されるのは眼に見えていて、わたしも表情を崩すと不味いと思っている中で、遥香がこれは不味いと言うように言った。

 言うなと言うようにわたしは遥香を呼んだが、遥香はそんなことはわかっているが現状を真剣に考えて欲しいと言うように勢いよく返した。

 遥香の言っている通りで、テレビゲームの、厳密にはRPGのレベルで表現すると、100を最高として、確かに50以上の差が存在し、一歩間違えれば即死だと言えた。


 残されたわたし鈴と枝葉、伊那と理沙は見ていることしかできなかった。

 真矢がたっていたと言うか、彼方の下に見えていた時計台は光が見えた瞬間に壊れたと言うか、光が高温だったのか火をつけられたろうそくのように溶けて姿を消し、わたしたちの前には凄まじい白い光が見えた。

 厳密に言うと少し青色も交じってもいる気がするが、中心と思われる彼方の姿は見えず、わたしと鈴、それに伊那と理沙以外が全力で抑え、防ぎ、止めようとしていた。

 頑丈な箱や特殊な液体の中に爆弾を入れて、中で爆発させると言う処理方法をテレビのニュースで見たことがある気がするが、それと同じ原理だと思った。

「―――――ぁ!?」

「真矢!? あっ!?」

「―――――」

 遥香が無理だとか言うのが聞こえ、わたしが心配している中で、真矢が押し飛ばされたかのように地面に倒れ、桃子が大丈夫かと呼ぼうとする中で桃子も吹き飛ばされた。

 雪乃と遥香が大丈夫かと言う声をかける時間がなく、光が一気に広がり始め、真矢と桃子が起き上がろうとする中で、雪乃と遥香、それにカークたちも光の中に消えていった。

「―――――」

 一見すると大きい光にしか見えないと言うか、わたしは学校の授業で習った原爆のことを思い出した。

 70年以上も前に、日本が戦争をしていた時代に落とされた強力な爆弾だそうで、わたしは白い光がこちらに向かってきた瞬間、爆発した瞬間の原爆もこう言った光景だったのかと思った。

「―――――」

「―――夢野さん、いえ、鈴ちゃん。あきらめたらダメ。」

「!?」

 わたしの眼の前にも迫り、一貫の終わりかと思い眼を閉じ、身を守るように腕を前に出した瞬間、わたしは眼の前に人の気配を気のせいか感じる中で、背後から聞き覚えこそあるが、この場では本来聞こえもしない声が聞こえた。

「先輩?! 伊藤先輩?!」

「―――」

「―――それに―――!」

 まさかと思いわたしは眼を開き振り返ると、眼が青白く発光こそしているがその姿が見え、彼女はと言えば言うとおりに諦めるなと言うようにわたしを見ていて、わたしの前には女性がたっているのが見えた。

 後姿でだれかわからないが、大人の女性で、片手を光に向けているのが見え、光が収まると言うか、彼女が光を抑え始めているように見えた。

 抑え込む中で彼女はと言えば、足を進め始めていた。


 一筋縄ではいかないと思っていたが、彼方の力は同じ程度の力を持っているわたし真矢と桃子をもってしてもと言うか、ほかの人間たちを集めても抑えられない状態で、わたしは押し飛ばされてしまった。

 桃子も同様で、すぐにでも起き上がるなり、手だけでもと思ったが、すでに遅いと言う状況で、彼方の力は一瞬でわたしたちに迫ると言うか、覆われてしまった。

 強い光で眼を閉じているのか、閉じていないのかわからないほどで、彼方と言うか、力を通じてこの光がかなり熱いと言うか、強力なのを理解していて、本気で不味いと思った。

「―――気をしっかり持って? あなたはまだ生きている。彼方ちゃんをたすけたいんでしょう?」

「―――――?」

「桃子ちゃんもそれは同様でしょう?」

 あきらめたくはないが、眼の前に迫る光に手も足もでず、自分がまだ生きているのか、死んでいるのかわからず、意識が遠のいていたのかと思う中で、背後から声が聞こえた。

 声は聞き覚えのある声だが、考えなくてもわかるが、どう考えもこの場には不釣り合いな声と言うか、突然現れるにしては予想外過ぎる声で、わたしがおどろいている中で、その声は桃子にも声をかけ、元気づけていた。


 確かにわたし雪乃と言うか、彼方たち以外にも能力者と言うか、覚醒者と言うか、ディナたちの話を踏まえ、代行者とも呼ぶべきかもしれないが、ほかにも人間が存在することは理解はして接触もしていた。

 理解はしているが、不意な介入と言うもので、彼方の力を抑える手伝いこと、味方こそしてくれてありがたいが、予想外の出現はだれでもおどろくもので、だれだと思うほかなかった。

 わたしよりも年上の女性だと思われ、彼方たち同様に眼を青白く発光させ、彼方の力を見事に抑え込んでいた。

「―――あなたも急いで!」

「―――は? はいっ!?」

 だれだと言うように見ていたが、彼女はわたしにも眼を向けると見ているだけではだめだと言うように声をかけ、わたしも体勢を立て直し、制御を再開し、彼方の方へと足を進めていた。

 みてみると桃子と真矢の後ろと、鈴の後ろに先ほどまではいなかった少女の姿が見え、深い理屈は無視して彼女たちは手伝ってくれるようだった。

「―――何であの女が?」

「遥香?」

 助かったと思う中で、気に入らないと言うように言ったのはわたしの近くにいた遥香で、動向はと言えばわたしと同じように彼方の力を抑えるために力を発動させているが、言ったことと言い、表情は気に入らないと言う表情をしていた。

 1発殴ってやりたいが、猫も手も借りたいからここでは止めて、深いことは無視してあんたこと、わたしには後で詳しく話すと言う表情もしていた。


 真矢も同じように考えていると思うが、あなたがどうしてここにいると言う人間が、わたしたちの後ろには立っていて、真矢とわたし桃子に声をかけた。

 だれかと聞かれると、名前は知らないがよく見る顔と言うか、顔を何度かあわせて軽く話した図書室の図書委員と思われる上級生だった。

 図書室のPCを主に管理をしていると言うか、PCの切り忘れなどの確認をしている生徒で、昼休みや放課後にPCにかじりついて離れない真矢をわたし、または彼方、時として協力して引き離し、その隙に切ると言う暗黙了解の協力関係の彼女だった。

桜華おうかさん!」

 真矢とわたしはお互いに顔を合わせて彼女で間違いないけど細かいことを言うのはなしだと言うように合図し、大勢を立て直す中で、彼女は彼方に向かっている人影に向かって声をかけた。

「―――」

「―――後少しだけど、一番大切なのは、あなたたちの力―――、だから、がんばって―――」

 桜華と呼ばれた女性は振り返ると、わたしと真矢に対してか、全員に対してか言うと、再び彼方の方向に向き直り、再び進み始めた。

 振り返った時に見えた眼は青白く光っていて、わたしたちと同じように見え、たすけに来てくれたとも言えるが、友好的な雰囲気はあまり感じられず、わたしは少し彼方の身を心配した。


 1人の人間の身体以前にこの世界や真矢たちが持たないのではないかとわたし彼方が苦しみの中で思っていると、わたしはわたしの力と、正確には真矢と桃子もふくむが、同じ力の気配を2つ感じた。

 1つわたしに向かって歩いて来ていて、もう1人は鈴の背後に立っているのが見えた。

 深い事情はわからないが、わたしたちの力は5感と言うものを共有できるようで、わたしは向かって来ている女性の視線と、鈴の背後にいる女性の視点からそれを知ることができた。

『あなた自身で、放出する力を操るの―――』

「?」

『強く想像して? 抑え込んで、小さくして、身体の中に閉じ込めるの。』

 一番大切なことを言うと言うように不意に女性が言うのが聞こえ、わたしが何を言っているのかと思い、彼女に眼を向けよとする中で、彼女は落ち着いてと言うように続けた。

『―――あなたにならできる―――』

「―――」

『みんなを傷つけたくないでしょう? 止まってほしいでしょう? このままで終わりたくないでしょう?』

 落ち着いた口調だが、絶対にと言うように彼女は言い、わたしは無理ですとでも言いかける中で、彼女は口調は変わらないが、考えても見てと言うように続け、進める足を止めなかった。

「―――ぁ?」

『持っていかれてはダメ。気をしっかり保って。あなたの物にするの。』

 彼女の言うこのままで終わりたくないと言うのはその通りで、みんなががんばっている中でわたしもと言う中で、わたしは急に力が抜けていく気がした。

 昨夜と同じで、出すだけ出したためになくなって、身体の力がなくなっていくと言う感覚で、これで終わると言う中で、彼女はわたしにそれではだめだと言うように言った。

「持っていかれる? 気を保つ? あなたのものに、わたしのものにする?」

『踊らされてはダメ、未知の力だと言う事実は捨てきれないけど、捨てなくてもいいけど、自分の身体を構成する一部分として受け入れるの。』

 意味を教えてと言うように聞く中で、彼女は言葉を続けた。

『怒りや憎悪、殺意と言った負の感情や罪同様に一見すると邪悪で、奥深いものだけれど、決してそうではないの、そして使い方を間違えなければ絶対に崇高なものだから。』

「―――――」

『だから、お願い―――』

 あなたにならできると言うように続け、わたしは意味は解らないと言うか、使い方を間違えなければと言ったように言う通りだと思う部分も存在し、適当とも言えるが、意識を集中させる中で、彼女はくじけたらダメだと言うように言い、近づいてきた。

 近づく中で彼女はわたしに腕を伸ばし、わたしを抱きかかえるようにして近づけた。

 わたしと言うか、わたしたち同様に眼を青白く光らせる彼女はわたしに優しく微笑んでいた。


 現状に置いての異分子と言うか、違和感の多い存在はわたしカークとディナだと自負できるが、不意な介入して来た3人はわたしたち以外でも予期せぬ事態なことは同然で、わたしたちはと言えば現在力を解放し終えた彼方を抱きかかえている彼女を見ていた。

 推定してわたしと同じほどか、少し年上に見える2、30代ほどの女性で、彼女は彼方たちと同様に眼を青白く光らせていた。

 眼を青白く光らせているのは3人の内2人で、彼女は除外し、光っている方が鈴の背後に、光っていない方が真矢たちの近くに立っていた。

「―――大丈夫?」

「はい。だけど―――」

「安心して、彼方ちゃんは、いえ、あの子も生きているから。」

 よかった終ったと言うように真矢と桃子が膝をつく中で、眼を光らせていない少女が2人に大丈夫かと聞くと、真矢が問題けど彼方が気になると言うように言う中で、少女は問題ないと言うように返した。

「―――そう言えば、名前名のってなかったはね? りんよ? 小川凜。」

「凜―――」

「あっちは伊藤結菜いとうゆうな、それと、桜華さん。水野桜華みずのおうかさん。」

 無事だと伝える中で桃子があなたはと言うように見ていると、少女は名乗り、桃子がそんな名前なのかと言うように聞く中で、残り2人を紹介した。

「―――彼方!」

 紹介する中で桜華は真矢たちへと歩み寄り心配しなくてもいいと言うように彼方を近づけて見せ、真矢は彼方の名を呼んだ。

「凜ちゃん。お願いできる?」

「―――はい。」

 彼方が声にもならないような声をだし、真矢に眼を向け、真矢がよかった無事だったと言う反応を見せる中で、桜華はお願いと言うように凜に言うと、凜はわかったと言うように彼方を受け止め、抱きかかえた。

「―――桜華さ―――」

「前にも言ったでしょう? わたしはいずれ大罪を犯す。情を持ってはダメ。恨んで、殺意をもって、殺される人間として見て―――」

「待ちなさい!?」

 抱きかかえ、真矢と桃子が確認する中で、桜華は背を向け、凜が呼び、真矢と桃子が眼を向ける中で、桜華は振り返り、わたしは去った方がいいと言うよう言う中で、桜華を呼び止める声があった。

「突然いつもあらわれといて、どういう意味? あんたわたしのこと忘れたとは言わせないはよ!? 借りは返してもらうはよ!?」

「―――遥香?」

「あんたは黙ってなさい! これはわたしとその女の事情なの!」

 呼び止めたのは遥香で、深い事情があると言うように桜華に言い、真矢があんたその人のこと知ってんのと言うように呼ぶ中で、遥香はお前に関係ないと言うように返す中で、剣を抜き放っていた。

 力の恩恵による剣のようで、隠し持っていたと言う雰囲気もなく、非常に大型で彼女の身長ほどもある大剣で、これまでの状況と言った細かいことは抜きだわたしと戦えと言う雰囲気だった。

「―――っ!」

 一安心と言う中での一瞬即発の事態で、わたし以外の全員が動こうとする中で、動いたのは不意に現れた3人の中の1人、結菜で、高速で移動したかと思うと遥香の剣を跳ね飛ばしていた。

「―――――ぅ? っく?」

「首が飛ぶ以前に、身体中細切れになっているはよ? あなた? あなたは隙が大き過ぎる。」

 攻撃される一足前に遥香は気づき、防御の構えを見せる中で剣が飛び、結菜はいつの間にか、どこから出したのかわからないが、2つの剣で遥香を切りつけていた。

 剣舞と言う言葉が存在するが、結菜の遥香への切り付け方はその動きと言うか、連撃で、遥香は何とか当たる寸前で回避はしていたが、最後はと言うように追い込まれ、首筋に刃が触れかける中で結菜は変な真似をするなと言うように言った。


 一安心できた中での不測の事態と言うか、わたし鈴と言うか、鈴たちの知らない間に遥香と不意にあらわれた桜華と言う女性はあっているみたいで、あまり仲が良くないように見えた。

 よくない以前に、不意にわたしの部活の先輩こと、伊藤結菜まで姿をあらわし、現状はと言えば彼女は暴れようとした遥香に攻撃を仕掛け、強引に鎮静させると言うか、刃を向けていた。

 下手に動くと切り殺されかねない雰囲気で、わたしが止めてと一番に言う必要があるとも思うが、声が出なかった。

「やめなさい。結菜。」

「―――わかっています。」

 止めろと言ったのは桜華で、結菜は不本意だが言うとおりにすると言うか、最初からこんなことする気はなかった遥香が攻撃を始めるのを止めたかったと言うように剣を下すと言うか、剣を背中に収めた。

 収めたとは言うが、さやのような物はなく、背中に戻すような動きを見せると、剣が一瞬光ったかと思うと、姿を消していた。

「―――あんた。鈴の―――?!」

「―――そう。同じ部活の先輩で副部長の、伊藤結菜よ。」

 遥香も思い返してみれば昼間のと言うように聞く中で、結菜は言うまでもないと言うように返した。

「―――」

「―――ごめんね? 鈴ちゃん? 言わなくって―――」

「―――――」

 名も名乗り、わたしが間違いないんだと思い、否定もできないと思う中で、結菜はわたしに眼を向け、悪いことをしたと言うような悲しそうな表情であやまり、わたしはそんなことはないと言うように身振り手振りで合図した。

(知り合い?)

「―――うん。学校の先輩―――」

(センパイ―――?)

 聞いてきたのはリューで、わたしに対して知り合いなのかと聞き、わたしがそうだよこの人はと言うように返す中で、リューには少し難しすぎる言葉なのか、意味はなんとなく理解できると言う反応だった。

 わたしもある意味同様で、部活の先輩だと言うのは理解はできていたが、同じような力を持っていると言うか、正確には彼方たちの仲間だと言うのはまだ十分な理解ができていない状況だった。


 リューに対して鈴は伊藤結菜と名乗った女性を先輩だと説明し、彼女も自分が鈴の部活の先輩な上副部長だとも話し、わたし彼方と言うか、真矢や桃子たちも何とかどういった人間が把握できたと言う状況だった。

 わたしたちも結菜が紹介した凜と言う女性を知っていて紹介する必要があると思われるが、知っているが知らない、知らないが知っていると言うか、顔見知り程度の関係で、紹介はできなかった。

 困ったと言うように凜に眼を向ける中で、凜は突然すぎるよねごめんと言うように眼を向けると、真矢と桃子にも同じような表情を向けた後、結菜に眼を向けていた。

「―――――ぁ? 壁―――、っが!?」

 見ている中で、不意に先ほど真矢たちが用意した能力によって造りだされた周囲を覆っていた壁が消えていく中で、真矢はあれはと言う反応を見せ、わたしもと言うか、全員が言葉をなくした。

「―――――」

 壁のせいで外がよく見えていなかった状態で、解除した中でわたしたちはあの赤い眼のぬいぐるみみたいな怪物たちに包囲されていた。

「―――――あ?」

 一難去ってまた一難で、全員が再び戦闘状態へ移行しようとする中で、彼らは不意に煙になったかのように姿を消し、銃を取り出していた真矢も突然何でと言うように反応した。

 凛と結菜も同じような反応で、わたしたち同様に顔をあわせているが、わたしは彼らを見た中で、なんとなく気がかりな部分が存在した。

 わたしだけでなく、周囲にいるだれでもだと思うが、姿を消し、わたしたちを見ている中で、彼らが話し合っているように見えたのだ。

「2人とも、お願いね?」

「あ? 桜華さん!?」

「お願い―――」

 後でリューに何かを言っていたのかと聞かないといけないなと思う中で、動いたのは桜華で、不意に後は任せると言うように言うと、姿を消し、凜が呼びかける中で、止めないでと言うような声だけが聞こえた。

 凛と結菜は桜華の姿が消える中で、お互いに顔を合わし、困ったものだと言う表情をしていた。

 鈴と結菜の関係と、わたしたちと凜の関係もだが、彼女たちにも何か事情があるようだった。

 

 遠くから見ると言うのは他人事や第3者目線、そして自分には関係のないような出来事にも感じられるが、わたしヴィナはと言えばそう言って無視できると言うか、眼を反らせない現実にほかならないと思った。

 相乗してと言うか、わたしたちは姿を消しているが、以前からもだが同じように遠目に見ている人間が3人存在していた。

 前に見た吸血鬼の2人と、身に覚えはないが、普通の人間ではない力を持った2人の女性で、2人が見ている中で、もう1人は監視していると言う雰囲気だった。

「―――アンジェラ先生―――、と言うかイヴ先生まで仲間だなんて―――」

「ごめんなさいね? セレナーデさん。」

「―――――」

 少女が2人の内1人に対して意外だと言うように言うと、イヴと呼ばれた女性はあやまるように言うが、男性はと言えばなんと言えばと言う表情をしていた。

「それにしても―――」

「誠意は彼らも認めている。わたしもいいとは思っている。だけど彼らの命令なの。」

「校長と言い、上にだれがいる!? バランサーとはどういう関係なんだ!?」

 眼の前のことはいいとしてと言うように男は別の話題を振ろうとする中で、もう1人の白衣姿の女性がダメだと言うように返すと、男はいい加減にしろと言うように返した。

「―――事情はね、あなたやあなたたち、それに彼女たちや、わたしが思っている以上に複雑なの。」

 白衣姿の女性は気持ちはわたしもわかると言うように返すが、それでもダメだと言う意志を示す中で、わたしは身体に奇妙な感覚を得た。

「?!」

「!?」

「!? なに? だれ!?」

 だれかに押されると言うか、引っ張られると言うか、操られているような感覚で、前に歩み出ていて、わたしは特殊強化服の光学迷彩を解除した上、地面に伏せていた。

 わたし自身にも意味の解らない行動で、男と少女は突然のことにおどろいた反応を見せた。

「彼女たちも関係者よ? だけど、わたしの仲間と言うわけではないから。警告もかねて接触はしておかないとね。」

「―――きさま? いったい?」

「あなたの知り合いの知り合いの知り合い、コマンダー楊の師匠マスターの知り合い、と言えばわかってもらえる?」

 おどろいていないのはアンジェラと呼ばれた女性で、もう1人のイヴの方は少しおどろいていると言うか、うろたえているが、彼女はと言えばわたしの身に起きたことがわたしがやったと言うような物言いで話しかけた。

 深い理由はわからないが、お前は一体と言うように聞く中で、アンジェラは落ち着いてと言うように言い、楊の名前までだしたが、落ち着いていられる状況ではなかった。

「―――――!? こいつら!?」

「あの時の!?」

 動き出したのはわたしの部下たちで、合わせるように光学迷彩を消して姿をあらわし、男と少女が前に見たことがあると言う反応をする中で、銃を構えた。

『―――――!?』

『―――――!?』

『―――――!?』

 普通ならばここで全員動くな両手を上げて床に伏せろ大人しくしろで済むが、構える中で、異常が起きた。

 全員の持っていた銃と言うか、装備していた拳銃などもだが、手から飛ぶように勢いよく離れ、宙に浮いている上、装填がおこなわれ、すべての銃の銃口はアンとイヴ以外に向けられた。

「―――アン―――」

「わたしに任せて。」

「―――うん―――。」

 度を超しているからやめようと言うようにイヴがアンジェラに声をかけるが、アンジェラはここまで来たから押し切るべきだと言うようにイヴに返し、イヴは不本意だが、仕方ないよねとここは任せると言うように返事を返した。

「―――――接触は必要最低限にね? 情報開示も節度を持ってね? それと、火器の使用は極力控えてね?」

「―――」

「武器は返すは? だけど、追撃して見なさい? 死ぬよりも恐ろしい眼にあわすはよ? それでいいなら銃を向けて、命が惜しくないなら引き金を引きなさい?」

 肝心は事としてはと言うようにアンジェラが言うと、不意に銃の安全装置が作動したのが見える中で、地面に落ち、アンジェラはこれでおしまいと言うようにわたしたちに背を向けて歩き出した。

「―――待て!」

「―――――大野先せ―――」

「1つだけ、答えてください?」

 あわせてイヴもわたしも失礼しますと言うように頭を下げ、帰ろうとする中で男がアンジェラを呼び止め、ここまでにしてくれないと言うように返そうとする中で、大野と呼ばれた男はこれだけはと言うように質問した。

「あなたは、超能力者なのか?」

「―――ええ、そうよ。」

 信じられないがどうしても聞きたいと言うように男は聞くと、アンジェラはそれだけは間違いないと言うように返した。

「あの子たちは―――」

「質問は1つだけでしょう? 自分で言ったことは守って? それと、言ったでしょう?  接触は必要最低限にね? 情報開示も節度を持ってね? それと、火器の使用は極力控えてね?」

「―――」

 踏まえてと言うように男は続けるが、アンジェラははと言えばそれ以上はあなたの言うことと違っていると言うように返し黙らせた上、先ほどの言葉を繰り返しながら、わたしたちに眼を向けた。

 あなたたちも理解してほしいと言う上、わたしはそれを一応守っているとも言う表情で、わたしはと言えばマスク越しだったが、姿を見られていると言うか、この女何者だと言う表情を見透かされているような気がする中で、アンジェラは背を向けた。

 機会があればまた会って何か言うかもしれないが、とりあえずはここまでと言うように歩き去っていくと言うか、彼女たちは消えていき、わたしたちだけが残された。


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