接触と覚醒 前編
彼方が倒れたあの時あの場所にはわたし真矢のほかに彼方、桃子、遥香、道、枝葉、それに鈴がいたが、彼方は眼をまだ覚まさないしわからないが、意見が一致したのは桃子だけだった。
話しの読めない部分が存在するが、意見が一致したと言うのはわたしが見たと言うか、気のせいかもしれないが、彼方の背後にたっているように見えた気がする女性の話で、桃子とわたし以外そんなものは見ていないと言うのだ。
異常が起きると思いわたしたちを探していた鈴も偶然と言う時に彼方が倒れる寸前にわたしたちを見つけ、彼方の背中を見たが、わたしと桃子に質問される中でそんなもの見なかったし何のことだと言う反応もしていた。
道も枝葉も一体全体何を言っているのと言う表情で、現状的に2人して幻覚でも見たのではないかとも聞き始めたが、わたしと言い桃子と言い、気のせいでは片づけるには不自然過ぎると言う表情をして顔をあわせるしかなかった。
「―――――」
遥香はと言えばそんなこと知るか鈴がどうしてこんな場所にいると言うおどろいた表情をしていたが、考えてみるとあの男どこ行ったと言うように動き出していたかと思うと、再び勇を追うためか姿を消した。
彼方は倒れた後眼を覚ます気配が一切なく、救急車とかを呼ぶわけにもいかず幸いと言えば鈴の家が近くだったので一度鈴の家に運べたことだ。
医療の知識とかがあるわけではないが、枝葉と道が医師を呼び診察させると彼方は普通に眠っているだけで、身体に別段異常はないそうだった。
「―――や、真矢!」
「―――ぇ?」
現在はと言えばわたしと桃子は一夜明けて学校に来て朝のホームルームの最中だった。
心配だが休むわけにもいかず、家に帰らないわけにもいかず、3人一斉に休むと学校に怪しまれるかもしれないし、カークが見てくれるとも言いだすし、幸いかどうかわからないが聖歌が家にいないで、彼方は鈴の家でお休み中だ。
勇から銃弾の予備とかをもらったことと言い、勇が言い、彼方が消滅させたとも言えるあのネメシスとかと言い、彼方のこととか考えている中で、わたしは小声でだが桃子に声をかけられた。
「―――なに?」
「呼んでる。先生。」
「え?」
考えてもどうにもなるものでもないが、考えなければどうしようもないと言う状況で、先生やらの話を適当に聞き流していたのだが、桃子が声をかけ、わたしは何かと聞くと桃子は前見てと言うように言い、わたしは前こと教卓に眼を向けた。
「―――空野さんはぁ?」
「―――ぁ?」
先生こと大野はわたしたちが入学して数か月ほどして人間関係を大体は把握していると思われ、わたしに仲よしの彼方はどうしたのと言うように聞いていて、わたしはそうだわたしが言わないといけないのだと思った。
本人は眼覚めない上他人の家でお休み中だし、第一母親が出張で海外に言っているし、うわさのことと言い話せない部分も存在するが、事情を一番理解しているのはわたしで、クラス内の生徒も眼をわたしに向けていた。
「―――ぁ―――」
「―――夏風邪を引いたみたいなんです。」
家に電話してもわからないだろうし、わたしが適当に何か言はないといけないと思い口を開きかける中で桃子が用意していたかのように口を開いた。
「―――夏風邪?」
「季節が変わりましたからね? 電話で学校に連絡も忘れていて、昨日一緒に遊んでいたんですが体調が悪そうな気配がありまして―――」
大野がどういうことだと言うように聞く中で桃子は入念に準備していたし、間違えないし、ほかに聞きたいことありますかと言うように説明を始めた。
「彼方、いえ、空野さんの母親こと聖歌さんも海外に出張しているし、その上わたしたち昨日ほかの学校の子の家で遊んでたしで、だれもいない家に1人で帰すのもどうかと思うので、その子の家に了承をとって泊まらせたんです。」
「―――あ、そうなの―――」
不意に桃子が話し始めたが、一応同じグループと大野は理解しているそうで、わかりましたと言うように返した。
理路整然と言う物言いで、夏風邪を引いたと言ううそを言ったことと言い、桃子は一応間違っていないと言うか、差しさわりの無い答えを出していた。
「あ、そうだ? 連絡先が必要ですか?」
「あ? いや、いいですよ?」
理由があるならいいと言うように大野は反応している中で桃子は最後にと言うように言い、連絡先を教えようと携帯を取り出したが、大野はそこまでしなくてもいいと言うように返した。
「―――いえ、一応のこともありますから―――」
「いいですから、理由がわかれば問題ないし、どこにいるかわかっているならいいんです。それに個人情報とかも関わりますからね? それと他校の友達の家なんでしょう? 他の学校にも迷惑がかかりますからね?」
「―――そうですか―――」
桃子がいいんですかと言うような表情で言う中で、大野はと言えば本当にいいからと言うように言い、桃子はそこまで言うならと言うように携帯を戻した。
「―――ナイス、グッジョブ桃子!」
一通り話し終え、大野が話を別の方向へと変える中で桃子は何とかなったと言うように一息吐き出す中でわたしは小声で桃子によくできたと言った。
「―――ホント、だけど、何にしても、ばれないようにしないとね?」
「―――うん。」
考え事していて声が耳に入らなかった状態な上たすけてもらった状態で、本当に助かったとも言えるが、桃子はと言えばこれで一安心だけど油断できないと言うように返し、わたしもそうだと言うように返すしかなかった。
問題は山積みだが、一番大切なのは真剣に考えるまでもなく不必要に他人には教えず広めず、不要な混乱を招かないことだ。
だれか明確な答えを知っているかと言えば、わたし桃子もふくむがだれもいないし、昨日の一件を踏まえるとと言うか、確定した事実とは言えないかもしれないが、神のみぞ知ると言う言葉も当てにならない可能性も高いと言える。
幸いと言えば翌日こと現在の状況で、この場で事実を知っている人間ことわたしと真矢、道以外に彼方の学校を休んでいる理由が偽装にしても通用したことだ。
カークたちの存在と言い、どこまでが本当で、わたしの偽装もどこまで通用するかわからないし、ここまで来ると黙っていることがいいのか悪いのかわからないが、不用意に他人に知らせるのは何をされるかもわからないし不味いと思った。
世渡り上手と言えば少し間違った表現かもしれないが、世の中上手く偽装する人間がいるものだとわたしセリーは思った。
どこのだれのことかと聞けば朝のホームルームの桃子のことで、彼方が学校に来ていないことを入谷が真矢に聞くと、真矢に代わって桃子がすばやく答えたのだ。
入谷に言われ、昨日はあの後あの場には戻らず引き返したが、昨日のことを踏まえると絶対に何かが起きて、彼方の身に何かが起きたことも絶対とも言えるが、彼方の現状も踏まえると、入谷こと、公的な人間の学校の教師とかも深く踏み入れそうにない状況だ。
わたしたちの調査した内容も踏まえると、彼女たちは調節者に接触した後、異常事態が起き、彼方は一応は無事だが動けない状況で、他校の生徒の家こと夢野鈴の家にいると推測できる。
異常が起きたことを知らされたのは彼方たちがわたし伊那と理沙、それに白夜の家を出て数時間以上経過した時だった。
家ではカークに変わりケヴィンとディナが晩ご飯の支度を始め、白夜はと言えばいつもの調子で、わたしと理沙が明日の準備をしたりしている時に道が先にだが枝葉も遅れてだが電話で連絡して来た。
電話では説明しにくいし、夏になったとは言え少し暗くなるのも早いし、明日も学校だしで、現在ことわたしたちはと言えばいつも通りに学校に来ているで、詳しいことは学校が終わってからになりそうだった。
「―――それにしても、携帯がこんなに便利だなんておどろいたね?」
「ね~?」
カークが日本に着た後すぐにわたしたちに携帯を買い与え、電話番号やメールアドレス、使用法などを教えられ、使い始め、わたしたちはと言えば携帯の性能を言葉通りに身をもって実感していた。
主にカークからだが使用の一部には無論制限こと、使用の限界もされてこそいるが、限界がどこにあるかもわからないし、こう言った情報の手に入るし便利の限りだし、機能を堪能し、学校の友達ともアドレスなどの交換も始めていた。
わたし鈴と遥香、それに雪乃が彼方に真矢、それに桃子と違うと言うようなことを言われていたが、真矢と桃子の見たと言う彼方の背後に立っていた女性の姿は全くと言うほどに見られなかった。
彼方も倒れ、とりあえずと言うようにわたしの家で休ませた状態で、一夜明けたが彼方は目覚めないままで、心配だったがカークがやってきて面倒を見ると言い、住所を教えていたためか雪乃も来たしで、彼女たちに彼方を任せて学校に行くことにした。
気になるが中学生のわたしが何とかするなんてできないし、学校に来てみれば遥香が先に来ていて、顔こそ合わせたが、遥香も女性のことなんて知らないと言う表情で、わたしは念入りに確認することもできず、時間を過ごすことになった。
膠着したこの状況を永久に放棄するわけではないし、よくないとはわかっているが、遥香もだと思うが話しずらい状況とも思ったし、わたしは見えもしないが、眼を遥香のすわる位置とは逆に向けていた。
普通の人間ではわからないと言うか、18まで人間として生きていたわたしが言う資格があるか不明で、悪魔のわたしカークだからこそわかるが、ディナも感じているがわたしたちの目線から見ても異常事態なのは明確だ。
真矢たちの話を整理する限りでは遥香が謎の男女を追いかけていて、あわせるように追いかけていたら化け物に襲われかけ、まずいと思う中で彼方が化け物を一瞬で倒したと言うことで、現在彼方はと言えば眼を閉じて静かに眠っている。
眠ってこそいるが、彼女の身体からは普通の身体と言うか、神だとしても異常だと思えるほどの能力の余波と言えるものが出ていることが感じられた。
人間では感じられないが肌で感じるほどと言う領域で、休んでいる部屋に入ると悪い感覚ではないが肌が震える感覚がした。
悪い感覚でないと表現したが、殺気と言うか、気まずいと言う雰囲気と言うか、場の空気が悪いと言うものではなく、言う通りの神と言う存在として威風による威圧的な物ながら偉大なる存在としての暖かさも感じられた。
「―――」
「―――どう考えても異常だよな?」
「―――ですよね?」
運ばれた鈴の家の部屋で休んでいる彼女を見ている中で口を開いたのはディナで、わたしも言う通りだと言うように返すしかなかった。
「―――それと、雪乃さん、でしたか?」
「―――はい。」
意味が解らないと言うような表情をしている中で、わたしはベッドで寝ている彼方の横側、正確には頭の近くにすわり、寝ている彼方の顔を少し心配そうに見ている女性こと雪乃に声をかけ、雪乃は振り返ると答えた。
推定して20代前後半ほどで、わたしと同じほどで、髪は肩よりも少し長く伸びた直毛で、わたしのようなアルビノほどではないが、日本人にしては色白だが、元気がよさそうな雰囲気の女性だった。
「―――お前はその力をどこで手に入れた? ジョセフ スミスと言う男とあったことがあるか? その能力がどんなものかよく理解しているよな?」
「―――すべてではないです。」
「―――どういう意味だ?」
少し早口にディナは質問し、雪乃はと言えば最後の質問にだけは何とか答えられると言うように言い、ディナはと言えば一気に質問を3つしたことも気にせず、どの質問に答えたかと言うことを理解していないようだった。
「―――雪乃さん、その能力をどこで手に入れたと言うか、いつ目覚めました? 少し言い方を変えるとして、いつ使えるようになったと気が付きました?」
「翌日、いや、あれは―――」
あなたに急に質問をされてもわからないと言うようにわたしは会話に少し強引に割って入り質問すると雪乃は少し考えるような表情を見せ、口を閉じた。
言っていいか不味いか考えていると言うよりも、あれが本当に最初でいいのか、どこからが始まりと言えるのか、そう言うあなたたちこそ何者で、本当に軽く話して大丈夫なのかとも考えているように見えた。
物忘れと言う言葉が存在し、これは不意に人間の身に起きる現象だ。
言うまでもなくだれもが認知する常識的現象だが、わたし雪乃の身に起きた能力の隠し絵は最初のその物忘れかと思うほどのことだったのだ。
発端はあの黒人の男と会った後の夜で、家に帰ってわたしは水を飲んでいたのだが、水を切らしてしまったのだ。
水を切らすと言うのも変な表現だが、わたしは水道水の水を飲み水としてはあまり使わずペットボトルの水などを箱で購入していたのだが、予備も買い忘れていた中で、家に帰ると最後の水を飲みほしてしまったのだ。
切らしてしまったとは言うが、家にはポットや急須に水やお茶が少し残り、冷蔵庫にジュースなどと言った飲み物もあったし、急を要するわけでもないし、明日でいいと思って寝てしまったのだ。
「―――朝起きたら見覚えのない水が補充されていた?」
「最初に思い当たるのがそれなんです。」
思い出すように話す中でカークはそれで間違いないかと聞く中で、わたしは確信は持てないと言うように答えるしかなかった。
「―――それよりも、この能力を持っていたと思われる人を知っているんですね?」
「外国人と言うか、黒人の、4,50代ほどの男の人、だけど、映画みたいなおしゃべりな感じじゃなくって、落ち着いた雰囲気の―――」
カークがそれでと言うように聞く中でわたしは後はと言うように返すしかない中で、カークは携帯を取出し、軽く操作すると画面をわたしに見せた。
「この方では?」
画面を見ると服装こそ違うが紛れもないあの時見た黒人の男がこちらに落ち着いた笑顔を向けて映っていた。
来ている服はあの時見たスーツではなく大きな麦わら帽子をかぶり、黄色基調のチェック柄の長そでシャツにサスペンダーが装着されているカーゴパンツ姿で、片手には大きなくわらしき物体を持って肩に抱えていた。
別れ際に農業をやりたいとか言っていたが実現したのかと思った。
「―――はい。この人です。間違いないです。」
「ディナ、間違いないようです。」
「何考えてんだジョセフのやつはーっ!?」
質問されたわたしはと言えば深く考えている場合ではないし、外国人は似たような顔が多くて見間違いが多いとか言うが、見間違いとも思えないし、即決するとカークは一大事だと言うようにディナに返し、ディナは言うとおりに困ったと言うように反応した。
「あのボケジジイーっ! 日本語でこう言う時どういうんだっけーっ?! 子宮かき回しーっ!?」
「市中引き回しです。どうしてそんな複雑で歪曲で卑猥な間違いするんですか? それと彼は認知症が進んでいるので、代行者だったことを覚えていない可能性があります。市中引き回しなどすれば施設もろとも訴えられますよ?」
困ったと言う反応の後は漫画みたいに頭をかき回して暴れ、少し卑猥な言葉を言ったディナに対し、カークはと言えば落ち着いた反応で言い間違いを訂正し、実際にした場合の問題を指摘した。
「あーっ!? ちきしょーっ!? こなくそーっ!? しゃらくせーっ!?」
「まったく、どこで覚えたのやら―――」
外見はと言えば彼方たちよりも幼い子供と言う雰囲気のディナは、外国人で人形のような雰囲気でかわいいが、先ほどから行動と言い、言動と言い、性格と言い、真反対な方向性をしているのが丸見えだった。
ほかにも騒いでいる言葉は出ているが、カークはと言えばあきれたなと言うように言い、手を組む中でわたしに眼を向けた。
(うるさいな~? 病人の前で騒いじゃいけないって大人に教えられなかったの~?)
暴れている中で不意に彼方と言うか、正確には彼方の近くで身体を丸めていた謎の小さい生き物こと、リューが口を開くと身体を起こし、こちらに顔を向けて来た。
「―――リュー―――」
(カークだっけ? 保護者だろう? しっかり面倒見てよ?)
「だれが保護者だ!?」
カークがそう言えばいたんだと言うようにリューの名を呼ぶ中で、リューはカークに向かってディナをどうにかしてと言うように言うがディナが反論した。
(細かい理屈はいいから部屋から出て話そうよ? 彼方ちゃんに迷惑だよ? 僕の寝息自体うるさいかなって思って出て行こうと思ってたのに―――)
「―――――」
(あ、それと雪乃さんだっけ? 彼方ちゃんのためにありがとうね?)
彼方がどこかで拾ってきた全身黄緑色でハムスターよりも身体が大きく、子ねこや子犬よりも小柄な正体不明の生き物だが、彼と言うべきか、素の性格なのか彼方の育て方がいいのか、わたしたちと違い状況的に常識的な言葉を口にしていた。
積もる話もあると言うもので、リューの言葉は道理にかなっているし、彼方はと言えば起きる気配もないし、わたしたちはとりあえず部屋を出ることにした。
世の中上手くいかないことばかりだし、解せないと言う言葉が適当だし、わたしは遥香はあの夜再び追跡を続けたが、結局見つけられず、時間のむだだし家に帰り、次の日も何食わぬ顔で学校に来ていた。
いじめもなくなったと言うか、なくならせたと言う状況で、何か異常が起きていてもわたしに何かを言ってくる人間はいなかった。
親も仕事が忙しいと言って担任以前に学校の話しも聞かないだろうし、問題も面倒にしたくないだろうし、酷い問題も起きていないで、わたしは放任されていた。
「―――――」
目下の最大の問題は、空気の悪さで、昼休み、わたしは黙って鈴をいじめようと包囲していた生徒たちを見ていた。
いじめているわけではないし、兆候もあるが、わたしが入れば問題になりそうだし、鈴も逃げるのも下手だし、彼女たちも手が出せないで、動けない状態なのだ。
「夢野さん?」
「―――ぁ?」
「?」
1発本気で殴ってやろうかとも思う中で不意に少し遠くから夢野こと、鈴を呼ぶ声が聞え、鈴がこの声はと言うように眼を向け、わたしもだれかと眼を向けた。
「夏休みの部室の解放の件なんだけど―――」
眼を向けると高等部の女子生徒で、大人びた雰囲気で、制服ではなく私服でも着ていればもう女性と言う雰囲気の生徒で、話しかけた内容と言い、鈴の部活の先輩のようだった。
中高一貫で協力する部分が鈴に幸運とつかみ取らせたと言え、鈴を包囲していた生徒はと言えば、声を聞き、見た後こんな時によくも都合よく来るな覚えていろと言うように鈴に眼を向け去っていった。
「―――先輩―――」
「―――」
去っていく中で鈴はよかったと思いながらも彼女にいじめられていたと言うのを話すのは止めようと言う表情で彼女を呼ぶ中で、逃げ去っていた鈴をいじめようとしていた生徒たちに眼を向けた。
「先輩?」
「―――――」
「―――」
見ればわたしだけでなくてもいい雰囲気ではないのはわかるし、彼女も心配しているのかと思う中で鈴が再び呼ぶ中で、一度鈴に眼を向けたかと思うとわたしに眼を向け、鈴もわたしに顔を向けて来た。
「入野、遥香さんだった?」
「―――はい―――」
「高等部にもあなたのうわさは届いてるは。」
顔を向ける中で少し怒っていると言うか、真剣な表情でわたしに質問し、わたしは面倒なことになりそうだと思い、眼を反らしながらも確かにそうだけどと言うように答えると、彼女はそうなのと言うように言葉を返した。
「―――だからどうなの? 放っといてよ?」
「―――夢野さんの、鈴ちゃんの友達なんでしょう?」
「そうだけど、何の関係があるの? あなたに?」
わたしはと言えばそれがどうしたと言うように返す中で、彼女はと言えば鈴のことはあなたにも責任があるのではないかと言うように聞き、わたしはそれがどうしたと言うように背を向けた。
「―――」
「―――遥香ちゃん!」
現状で起きていることなんて到底信じてもらえないだろうし、話したくもないし、大人びた態度で冷静になれと言われるとだれでも同じだと思うが腹が立つで、わたしは言う通り放っておいてほしいと言うように去ろうしたとき鈴がわたしを呼んだ。
「―――?!」
「―――もう一回、もう一回話し合おう? 真剣に? こんなのダメだよ?! 彼方ちゃん、倒れちゃったんだよ? まだ起きてないんだよ? わたしの家で休ませてるの! 雪乃さんと、遥香ちゃん知らないけどカークさんって人が看てるの! お願い! 待って!」
言ってもむだと言うようにわたしが足を止めない中で軽く走る音が聞え、どうせそれ以上は追いかけては来ないだろうと思いかけた時、鈴が後ろから抱き付いてきたと言うか、わたしを拘束した。
拘束すると言うよりも、強く抱きしめたと言う方がやはり有力で、抱き付くといかないでと言うように力を入れる中で昨日起きたことを話しだした。
確かに彼方が倒れるのを見た気がして、使いすぎて疲れると言う気もすることもわかるが、まだ眼を覚ましていないとは少し貧弱なのではないかと考えた。
「こんなの嫌だよ? おかしいよ? 遥香ちゃんも?! いじめられるのはいやだけど、こんなのはもっといやだ! 前みたいに戻ろ―――、いや、前よりももっと良くなろうよ!?」
「―――」
「だから、だから、もう一度だけ、もう一度だけでいいからみんなと話しあおう!? このままじゃ何も解決しないし、死んじゃう! だから! だからせめてあと一回でいいから!? わたしのお願い聞いて! お願い! 遥香ちゃん!」
鈴はと言えば言うとおりに本気で待ってと言うように話を続け、半場泣き出していることもわかり、わたしはと言えば思いもせず強い力に振り払うこともできずに聞いていた。
「―――」
「考えておくなんて言わないで! 絶対に! 放課後うちに来て! 知ってるでしょう?!」
抱き付く力を鈴が緩め始める中でわたしは絶対にとまでは言えないが、気が向いたらと言うような返事を返そうとする中で、鈴はわたしが口にはしなかった絶対を口にして、再び抱きしめる力を強めた。
わかった言うとおりにすると言うまで絶対に離さないと言う物言いと、雰囲気と力で、わたしは気が進まないが、一度だけとも言ったし、言うとおりにした方がいいなと言うように感じた。
感じたとは言え、彼方たちも鈴も、雪乃も気が抜けている気がするし、言ってもまたうまくまとまる気がしなかった。
昨日みたいなことが起きて実際問題食欲があるかと聞かれるとないと言えばうそになるが、あるかと聞かれるとないで、食事がのどを通らないとまでは言えないが、わたし桃子は飲み物を軽く飲んで終わらせることにした。
真矢も同じだと思うが、そんなことないと言うか、腹が減っては戦はできないとでも言うかのように教室に帰りながら食べると言うか、買ってきたパンをおいしくはないが栄養として口の中に押し込んでいる言う雰囲気だった。
お気に入りの人気メニューで手に入りにくく、普段なら手に入ったら飛び跳ねるような笑顔でよろこんで食べている物だが、この日だけは絶対に手に入れてだれにも渡さないと言う雰囲気で手に入れて食べていた。
普段より少し急いで食べているように見えると言うか、早く学校終われわたしは彼方が心配で早く見に行きたいと言うことが顔に書いてあるようにも感じ、わたしも心配でおいしいとかなんて冗談でも聞けなかった。
「―――これで3度目―――」
誠意はわかるが、押し込んでいる状態で勢いと量が多いのが原因だが詰まらせてこれで3度目で、炭酸飲料を飲んで押し込むのを見る中で、わたしもさすがにと思い、少し落ち着いてと言うように言った。
「―――へ?」
「気持ちはわかるけど、あわてたらダメ。わたしたちが急いでもこの世界が変わらないからね? それにおいしくないでしょ? 真矢らしくもないよ?」
「―――む~、ごもっとも。」
飲み終え苦しかったと言うように一息吐き出し、大きく下品なゲップもする中で何か言った桃子と言うように顔を向ける中で、わたしは落ち着こうよと言うように言うと、真矢は不本意だがわかったと言うように返した。
「―――とにかく、もうすぐ終わるから―――」
わたしも気になっているし、時間にして後、2、3時間の辛抱で、一緒に頑張ろうと言うように言いかける中で、わたしのプレコグニションが働き始めた。
「―――桃子?」
「―――――ぇ?」
「え?」
真矢のわたしを呼ぶ声が聞こえる中でわたしは身体に負担をかけないように力を抜き身体を丸めようとした瞬間に起きたが、瞬間的に終わり、わたしは見えた光景と、眼の前の光景が一致して思わず前を見て、何だと言うように真矢も眼を向けた。
わたしたちはと言えば現在教室に戻るために校舎内の廊下を歩いているわけだが、その場所が見えていて、中央にだれかがたっているのが見えたと思う中で終わり、わたしは確認するように前を見たのだ。
結局として一番用心しなければならないのはわたし真矢で、半場上の空と言う状態で、桃子にも注意される中で、だけどと言いたくもなるが、桃子の方が筋も通っている上逆に不自然になっているわたし自身も反省しなくてはダメだとも思った。
長い午前も終わったし、後数時間だけ我慢すればいいしと言う中で、校舎を桃子と歩いていると桃子が倒れたかと思う中で、不意に我に返ったように顔を前に向けた。
桃子の身にまた何か起きたのかと言うのがわかったが、これは意味不明でわたしもあわせるように顔を前に向けた。
「―――大野先生? それに、セレナーデ? だっけ?」
「―――」
前に向けると、少し先に大野先生とセリーがたっていてわたしたちを見ていた。
校舎内はこの時間普段少し騒がしいが、めずらしく静かで、人気もなく、変な話だが2人はわたしたちと話すためにここにいると言うかのような表情をしていた。
「―――木之本さん? だっけ? 大丈夫? 空野さんの夏風邪でもうつった?」
「―――ぁあ、大丈夫?」
考えてみると留学生だし、わたしたちみたいな普通の生徒と違う事情もあるし、顔はこっちを見ているが身体も向き合っているし、担任と話す事情もあるかもしれないし、表情も気のせいで、そんなわけないと言う状況だとも思った。
現にセリーは大丈夫と聞いてきた後心配そうに見ているし、桃子も元気そうで、わたしも問題ないと言うように返した。
「―――さ、桃子帰ろ―――」
「空野さんは本当に夏風邪で?」
「?」
倒れかけていると怪しまれるし、わたしは早く桃子を起こして逃げ去ろうと言う中で、大野が重く低い声で質問し、わたしたちを見おろしていた。
普段の大野と違う雰囲気で、引き締まったと言うか、堅牢な意志と言うか、別人にも感じるほどだった。
「―――入谷―――」
「―――これからわたしたちの事情もある程度話して、彼女たちにも話させます。大丈夫、うまく話します。」
彼方が夏風邪をひいたとうそを言ったが、それを聞くにしても怖すぎる反応で、セリーが待ちなさいと言うよう呼ぶ中で、大野はそれではだめだと言うように返し、わたしたちに近づいてきた。
「―――待ちなさい。大野先生。」
物言いから彼らはもしかしてわたしたちの事情を何か知っているのかと言う雰囲気で、勢いよく走って逃げた方がいいかとか、最悪学校を出た方がいいかとも思う中で、大野の後ろでセリーとは違う大野を呼ぶ声が聞こえた。
「?」
「―――?」
「―――時期尚早よ?」
だれかと思い大野は振り返り、わたしも眼を向ける中で声の主は眼を向けられる中で待てと言うように口を開き、腕を組んだ。
30代前後半ほどの、日本人ではない化粧をしていない白衣を着た女性と言うか、保険医のアンジェラだった。
「あせる気持ちはわかるけどね?」
「―――」
「だけどその子たちも混乱しているでしょう? わからない?」
アンジェラは歩きながら話だし、大野があなたはと言うように眼を向ける中で、言うとおりにあせる気持ちはわかるが後少し待った方がいいと言うように言葉を続けた。
「―――」
「バランサーの知り合い、それにあなたたちの人前で話せない事情を少しだけ知っていて、わたしもある意味その関係者とだけここでは言っておきましょうか?」
「!?」
大野の次はわたしと桃子に怖がらなくていいと言うような眼を向け話し出すが、かなり重要なことを言った。
「―――安心して? わたしは一応味方。彼らも同じなの。そんな怖い顔しないで?」
「まさか、アンジェラ ブラウン、きさま―――」
「―――ごめんなさいね?」
バランサーとも言ったし、知っているとも言い、わたしたちのことを知っているとも言い、この人一体と思い少し警戒しかける中で、アンジェラは違うと言うように返す中で、大野が反論しようとする中で不意に奇妙な動きを起こした。
両手で首を抑え、苦しいと言う素振りで膝をつく中でアンジェラがあやまる中で大野は苦しいと言うように倒れ、アンジェラの前に手を前に伸ばした。
「あんた! 入谷に何し―――」
眼が血走り、苦しみ顔色が眼に見えて悪くなっているのが少し遠くから見ているわたしたちでもわかる状態で、わたしと桃子は何が起きているか意味が解らず、セリーも反論しようとする中で同じ反応を見せだした。
「―――ぅ?」
「―――――」
2人してアンジェラの前で倒れて苦しんで暴れていて、2人してよくみてみると不意に呼吸ができなくなったのかと言う行動に見える中で、不意に暴れるのを止め、2人して本当にそうだったのか、呼吸を整え始めるのが聞こえた。
「―――そのまさか。だけどまだあの子たちに口外はなし、それと、その気になればわたしが何をできるかよく考えて行動した方が利口よ? それにわたしは勇たちみたいになまやさしくはないからね?」
原理は不明だが大野がまさかと言いかけた言葉をアンジェラは言わせたくなかったようで、アンジェラは2人の了承と言うか、拒否権はないと言うように言い放つ中で、わたしたちに眼を向けた。
「―――まあ、あなたたちなら、少し考えたらわかるかな?」
「?」
眼を向ける中で、アンジェラは考えてみたら意味ないかなと言うように言い、わたしたちは意味がわかないと言うような反応をするしかなかった。
「アン、あなたも少しやりすぎよ?」
「―――聖那―――」
考えて答えを見つけられるわけでもない状態の中で、不意にアンジェラの後ろから足音がアンジェラを呼ぶ声が聞え、アンは振り返ると歩いてきた人間の名をこんな時に来てと言うように呼んだ。
「―――校長、先生?」
「校長先生!?」
眼を向けたのはわたしたちも同様で、口を開いたのは桃子で、わたしもおどろくしかなかった。
3、40代前後半の落ち着いたと言うか、落ち着いた雰囲気のスーツ姿の女性で、わたしたちにわたしが出てきたら意外よねと言う表情を向けていた。
だれかと言われるとまさに言う通りで、学校内や配布されたプリントとかで見たことあるし、あいさつぐらいしたことあるが、ここで校長が出るのはないと思った。
アンジェラが聖那と呼んだが、彼女の正確な名前は確か折原聖那だ。
「―――――校長? まさか? あなたが―――? いや、あなたも―――?」
「ごめんなさいね? 大野先生?」
少し呼吸が荒いが、大野は起き上がる中で何でと言うように校長に聞く中で、校長こと、聖那は不意に銃を出して大野に向けた。
「?!」
「あなたたちもだけど、警察みたいな場所にもわたしたちはもう手をまわしてあるの。それに権限はあなたたちよりも強いから訴えてもむだ。」
常識的に考えると校長が銃持って教師に向けると言うか、日本では銃を普通の人間は持ってないで、大野がおどろいている中で、聖那はわかるでしょうと言うように言った。
「―――ぅえっ?!」
「?! 銃!?」
「人のことは言えないけど、物騒なものはあまり持ち歩かない方が利口よ?」
おとなしくここは帰りなさいと言う表情の中で、動こうとしたのがセリーで、聖那を座った眼で見ながら両手を腰の後ろに持っていき、だれが見てもいかにも武器を出しそうな構えの中で、異常事態が起きた。
セリーが腰に持って行った両手を勢いよく前に出すと同時に両手に握られていた物体が、原理は不明だがセリーの意志を無視し聖那に向かっていったみたいだった。
飛んで行った物体はナイフとかみたいなものではなく、本物かどうかわからないが2丁の銀色の銃で、現状で銃を投げ飛ばすとは思えなかった。
正確にはベレッタM92Fだと思われるが、聖那が銃を持っていない手を肩ほどの高さまで上げると2つの銃は磁石で吸いよせられたかのように手に命中して止まり、わたしがおどろいている中で、聖那はムダだと言ったでしょうと言うように言った。
「アン、お願いね?」
「―――ん。」
言った後はアンジェラに眼を向け、アンジェラはわかったと言うように反応すると、聖那の前で2つの銃が浮遊した。
浮遊したと言えば遠まわしで、宙に浮いていると言う状態で、わたしと桃子、それにセリーと大野がどうなっていると言う表情の中で2人は見慣れた光景と言うように見ていると、銃の銃口が2人に向かっていた。
「薬室に弾丸入れたままデコッキングしていると傷むはよ? それに不用心よ?」
大野が待ってくれと言うように手を上げ、セリーが信じられないわたし殺されるのかと言うような眼の中で、アンジェラは銃の使い方が悪いと言うように言う中で、銃の安全装置が解除され撃鉄が起こされるのが見えた。
「―――?」
「―――安心して、殺しはしない―――」
本気でこれ不味いぞと言うように見ていると、不意に2丁の銃から弾奏が抜かれ、腕を組んだアンジェラは言うとおりに殺しはしないと言う中で、スライドが動き、弾丸が排莢された。
「無力化するだけ。」
「―――――」
空中分解と言う言葉が存在するが、間違いと言えば間違いで、正解と言えば正解だった。
アンジェラが口を開く中で銃の弾奏が抜かれ、弾丸が排莢され、その2つも浮かんでいると思う中で、銃が手も触れてもいないにも関わらず、分解され始めたのだ。
分解と表現したが、破壊ではなく、言う通りの本当の分解で、テイクダウンレバーが外れたのが遠目に見えた中で、スライドが前に飛び出してフレームから外れ、スライドからバレルが外され、弾奏から弾丸が全弾排出された。
拳銃と言うのは、正確にはオートマティックだが、大きく言うとフレームとスライド、マガジンに分かれていて、3つの部品として手入れや部品交換、改造と言う要点上分解が可能で、弾丸も抜けば無力化が可能だ。
無力化が可能だが、これは別の意味で説明不可能な事態だった。
「ことを荒げたくないの、銃で収まると思ったけど油断した。それにわたしたちが動けば凄惨なことになる。ここは退きなさい?」
わたしたちにも眼もくれず、聖那は大野とセリーを軽く注意するように言って、あっちに行けと言うように首で合図した。
「―――ぇ? え? え?」
「セリー? 何を?」
「身体が? 勝手に―――? うわ!?」
不本意だが言うとおりにしますと言うような表情を大野が見せる中で不意にセリーが大野の前に出たと言うか、後ろから軽く押されたかのような反応で出て来て、手を銃の前と言うか、下のあたりにだした。
大野が危険だと言うように言う中でセリーは自分でもわからないと言う反応で、彼女の手に分解している宙に浮いた銃が勢いよく落ち、銃弾が数発ほど落ちた。
「―――早くひろっていきなさい。それと、そろそろ2人を守る騎士が来るからね。」
「―――覚えてなさい―――」
奪われて帰っては来たが、無効化された状態で、組み立てる時間なんてないと言う中で、アンジェラは悪いけどと言うように言うと、セリーは言うとおりに忘れるなと言うように言って銃弾をひろい、大野も手伝ってすべてひろうと逃げるように去っていった。
「―――行こうか?」
「ええ。」
去っていって2人を見送っていたが、わたしたちももう言うことはないと言うようにアンジェラは帰ろうと言うように聖那に言い、聖那もわかったと言うように返した。
「―――――」
「ごめんなさいね? わたしたちは関係者だけど、力になれると言うわけではないの。それに、あなたの仲間が来るから? それじゃあね?」
「話してもいいけど、公に出さないでね?」
言葉なんて出てこないと言う状況で、聖那はそれじゃあねと言うように手を振って去り始め、アンジェラは少し違うが同じように歩き去っていった。
「―――真矢?! 桃子?!」
「?」
「大丈夫!?」
わたしと桃子は何だったのと言うように顔を合わす中で、後ろからものすごい勢いで走る足音が聞えたかと思うと、後ろからわたしたちを心配そうに勢いよく呼ぶ道の声が聞こえた。
普段の道の声と違い本当に慌てたと言うか、危機感を持ったと言うか、本気で心配したと言うかのような声で、普段と違うと言うか、言ったら普段そんな風に見えないと言うこともあるが、低くかっこいい男らしい声だった。
桃子も似たように考えたのか、一瞬だれか理解できなかったと言う表情で、お互い振り返ると考えるまでもなく道で、本気で心配したと言うようにわたしたちに駆け寄って来た。
「―――なにもなかった? 本当に大丈夫? 怪しいやつとか見なかった?」
「―――どうしたのよ? 道―――」
先ほどのやり取りや見た光景も意味が解らないが、道の様子も変で、まるでここは危険だと言うような物言いで、わたしは何事かと言わないといけないが、反対に道に聞いてしまった。
「奇妙な気配を感じたんだ。普通の人間には気づかないけどね? それで、真矢と桃子がその近くにいることがわかって、駆けつけてきたんだ。」
聞いてしまったが、道は何もなかったならいいんだけどと言うように話だしたが、ここ油断できないと言うかのように時折周囲を見わたし、本当に慌てて来たようで呼吸もまだ少し乱れていた。
「―――だけど、途中で、消えた―――?」
「―――大野先生が、それにセリー、アンジェラ先生と校長、いえ、折原聖那が―――」
「何? 桃子? どういう意味?」
呼吸を整える中で、道は気配が消えたとも言い、どうしてと言う反応の中で、事情を桃子が説明するが、見たわたしもあれが何か説明できないで、道も顔をわたしに向けるが、わたしも上手く説明できないと言うように首を左右に振った。
「大野先生? それと校長―――?」
「え?」
桃子の言ったことを道は一応と言うか、一部と言うか、一端と言う部分は理解できたが、すべてを知ることはできないみたいで、とにかくここから離れようと言う中で、道の背中越しにだれかが軽くだが走ってくる足音が聞こえた。
「―――――あら?」
「イヴ先生?」
だれかと思い眼を向けたわたしたちはその場に似合わない少女のような女性が姿をあらわしたのを見た。
だれかと聞かれると、イヴ ブラウン先生で、わたしたちよりも最高4、5歳ほどしか違わないほどにも見え、長い直毛のきれいな髪に落ち着いたと言うか、純真無垢と言う雰囲気で、服装も白基調でこの場に絶対に走ってくる可能性のない人間だった。
「―――――」
「―――アンジェラ先生とか言ってたけど、2人の身に何か起きたみたいで、イヴ先生もまさか―――」
少し考えてみると合点の行く話で、アンジェラとイヴは姉妹だそうだし、アンジェラと同じようにわたしたちに関係している可能性も存在し、何かあったのと言うように見ているイヴに対し、道は質問した。
「―――バランサーの知り合い、それとあなたたちの事情を少しだけ知っていて、わたしもその関係者―――」
「そんなこと言ってたっけ? そう言えば―――」
「あなたも似たような理由で?」
質問する中で桃子は思い出してみればと言うように口を開き、多少かけている部分がある気がするが、アンジェラの言ったことを復唱し、わたしがそう言えばと言うように返す中で、道は冷静にイヴに質問した。
「―――まさか、タイミングが合わなかったとか無いでしょうね?」
質問するとイヴはそうだと言う反応を見せたが、それ以上は何も言わずわたしたちに笑顔を向けたが、少しして道がもしやと言うように質問し、イヴは実はその通りなのと言う反応を見せた。
「真矢? 桃子? アンジェラ先生は?」
「―――」
「―――あっちだそうです。話の前後や入り乱れが無いように、いった方が、話し合った方がいいと思いますよ?」
気が抜けたような雰囲気と思っていたが、見た以上でどうしようと言うか、笑顔でわたしたちとみている中で、道がアンジェラがどっちに行ったか聞き、わたしたちがいった方向を指さす中で、道はわかりましたからと言うようにアンジェラの行った方向を指さした。
「―――アン~?」
「―――まったく―――」
指差した方向に眼を向けるとイヴは先ほどと同様軽くだが走り始める中で聞こえるかわからないがアンジェラを呼び、言葉通りに走り去っていった。
深い事情はわからないが、何か起きたようだし、後で聞くと言う表情を道は見せるが、道の困ったものだと言うような表情はどちらかと言えばあのイヴの行動で、意味が解らないと言う反応でもあった。
意味が解らないと言えばわたしたちもある意味同様で、あまり迷惑かけないようにしようと少し考えた。
推定される体長は30Cm以下で、楕円形、手足は短く、全身を黄緑色の毛と言うか、羽毛で覆われている正体不明の生き物をわたし雪乃は見ていた。
彼方がどこかで拾ってきた正体不明の生き物な上、人間の言葉を話すと言うか、テレパシーみたいなもので伝える上、カークも見ているが、これは何だと言う表情をしていた。
知能も非常に高く、彼方が教えたのか、文字を読め、数字を理解して計算し、小学生程度の必要最低限の知識は持っているみたいで、現在はと言えば彼方のスマフォでインターネットを見ながらわたしたちと話していた。
(―――じゃあ、カークもあの怪物のことは知らないんだね?)
「はい。」
彼方のスマフォを壁に立てかけ、後ろ足で立つと前足を使って操作して巨大なタブレットのように扱い、情報収集をしている状態で、部屋から出た後話し合いに参加し情報交換をしていた。
スマフォの使用も彼方から許可もとっているそうで、手慣れたと言うか、身体も動かしなれていると言う雰囲気だった。
「―――いや、待て? しかし、あれは―――」
(何? 何でもいいよ!? 言ってよ? こんな状況だよ?)
話しはわたしの話をおいて、リューが僕のことも調べようと言いだし調べ出したが、わたしと違いわかることは少ないと言うか、無いに等しいと言う中で、不意にカークがあれはどうだと言う反応をし、リューはとにかく言えと言うように返した。
「―――20年ほど前の話しです。実は―――」
「ストップ!」
言われたら話しますが少し問題があると言うようにカークが言いかける中で、不意にディナが止めた。
「ディナ―――」
「当てにならない! アリーが勝手にそう言い始めたんだ。それに簡単すぎるし、絶対に参考にならない!」
あなたはと言うようにカークが言いかける中でディナはそれは無しと言うように言った。
「―――アリー?」
「アルティア アークライト、わたしの母です。彼女は20年ほど前あの怪物の調査を命じられて、調査をしたんです。結局として何もわからなかったと言う状態なんですが、調査後、彼女が彼らを『ソー』と呼称したんです。」
「―――ソー?」
聞き覚えのない名前が出たなと言うようにわたしがだれかと言うように聞く中で、カークはここまで来たし言っておきますと言うように返し、わたしはその言葉に反応した。
「言うなと言っただろうが!?」
(ソー?)
「S、A、U、R、恐竜を意味する英単語、Dinosaurからとった名前で、トカゲと言う意味があります。」
秘密と言うよりも話すとややこしいことになると言うようにディナが言う中でリューがそれなにと言うように聞く中で、カークは細かく答えた。
(―――なんと言うか、僕が言うのもなんだけど、そのまんまだね?)
「黒い獣や影の竜、怪物とも言われていたんですが、母やあなたの言う通りだしこれが一番いいと思うんですけどね?」
(もうそう呼ぼうよ? 真矢ちゃんたちが来て彼方ちゃんが眼を覚ましたらそう話そう?)
トカゲと聞き、言われ見ればと言うように返すとカークはこれの方がいいですよねと言うように言い、1人と1匹は勝手に話を進めていた。
(だけど20年前からいたんだね? 少なくとも?)
「―――報告によれば紀元前には、2千年以上前にはいたことがわたしたちの記録でもわかっています。」
(でも恐竜ってのは6500万年前だっけ? そのころに絶滅したんだよね? 図鑑読んだけど、だとすると僕たちは―――)
リューはないよりもいいしありがたいと言うようにカークに返し、カークもそれに関係してと言うように話を続け、リューもこの謎を解き明かしたいと言うように話し合っていた。
「―――お母さんが知っている可能性があるなら、と言うか調査したなら話を聞けば―――」
「アリーは死んだ。それも調査結果も満足に、いや十分に報告せずにな。」
話しが進みそうもない中でわたしは考えてみればと言うようにカークに聞こうとする中でディナがそうは問屋が卸さないと言うように返した。
「―――10年ほど前です。わたしが大学進学する前に―――」
「すみません―――」
「いえ、いいですよ? もう10年近く経っていますから?」
カークが詳しくはわたしがと言うように軽く言い、わたしは悪いことを聞いたと言うようにあやまる中で、カークは気にしなくていいと言うように返した。
「だけどディナ、母さんが何か情報を手に入れていたことは明確なんでしょう? 報告書も提出や開示許可されている物もみましたし、ミスタードギーからも話しを聞きましたが―――」
「わかったよ? 確かにアリーは影の血族の権利を行使してすべての情報開示を許可しなかった事実が存在する! 魔王のわたしに言わせて満足か!?」
気にしなくていいと言ったようにカークは本題に入ると言うようにディナに質問するとディナはどうせわたしが悪いんだろうがと言うように返した。
(ドギー?)
「当時調査をしていた同僚です。」
「―――――」
彼方からメールで送られ信じられないような情報だったが、ここまで来ると返って信憑性があると言うもので、わたしはと言えば2人の話を少し遠い眼で見ていた中でリューがだれと言うように質問し、カークはリューに教えた。
「―――存命ではあるのですが、彼も母からの権限で口止めされていると言って、棺桶まで持っていくと言って全部は話しませんでした。それに、現在少し重要な役職についているので、会うにはアポイントメントが必要です。」
「会っても話さないと思うけどな?」
付け足してわたしにも伝えておくと言うようにカークは言うと、ディナは僧にしてもと言うように言葉を続けた。
「それと、報告書が事実ならば、影の血族に対抗しうる第3の、それも人間側の勢力が存在する可能性が高い上、警察署爆破事件の被疑者としての関係性を踏まえると―――」
「わかったわかったわかったーっ!」
教えたあとディナに向き直り、まだありますよと言うようにカークは続けるが、ディナはもうやめろと言うように勢いよく返した。
「まったくもう―――」
「警察署? それに爆破?」
ディナはもう言うなと言う表情の中で、わたしはカークの言った単語の中でかなり物騒な単語が聞え、カークにそれは何だと言うように聞いた。
「―――母が調査をしていた時期、正確に言うと1998年の12月26日なんですが、地元の警察署が麻薬常習者の集団に強襲され、爆破されたらしいんです。」
「―――物騒ですね?」
「幸いと言うべきか、現状では少し頼りになりませんが、その時わたしは父と英国へ行っていたんで、よくは知らないんですけどね。」
聞くとカークはそれはと言うようにわたしに答え、さすがアメリカと言うべきか、まるで映画みたいな話で、怖いなと思う中で、カークはそうでもないと言うように返した。
「―――だけど、ここからが奇妙なんです―――」
「奇妙?」
1998年と言ったし、わたしもまだ子供の時期で、当時調査した本人も死んでいるし、20年以上前と言う長い時間も経過し、本人の息子も当時はその場にいなかったで、関係ないと言うようにも感じるが、カークはここからがと言うような表情を見せた。
理解できないと言う表情と物言いで、考えるような動きも見せ、わたしが聞き返す中でカークは口を開いた。
「事件の重要な容疑者2人が怪物調査中のアリーの前に姿をあらわしたんだ。」
「へ?」
「姿をあらわした上、アリーを一瞬で窮地に追い込みもしたみたいだ。」
理解できないと言うカークの表情に対し、カークよりも先に口を開いて説明をしたのはディナで、わたしがどういうことかと言う反応の中でディナは言葉を続けた。
「神や天使、悪魔の混成10個師団を1人で全滅させるほどの力を秘めた影の血族の末裔である母がそんなことは絶対にないと思われているし、虚偽の報告をしたのではないかとも疑われています。」
「師団と言うのは1個でも小国や基地1つ分の戦力はある。そのアリーをたった2人で、いや、厳密には1人が死ぬ寸前まで追い詰めたらしいし―――」
「―――そう言えば、話しを踏まえると、彼方さんたちに起きたことは似ていませんか? 彼に?」
ディナもカークも理解できないと言うような表情で、カークが母こと、アリーに限ってそういうことをするかと言う物言いで、ディナも本当なのかと疑っている物言いの中でカークはディナに話を振った。
「彼?」
「眼が青白く発光したと―――」
「―――」
だれのことだよと言うようにディナが聞くとカークは思い出してくださいと言うように言うと、ディナは心底あれはうそくさいと言う表情をした。
(何? 彼って? 彼方ちゃんたち以外にも眼が青白く光った人間がいるの? それも20年前に?)
「彼と言うのはわたしの母を窮地に追い込んだとされる被疑者の1人で、母は『R』と仮称していました。」
リューが青白く発光したと言う言葉に強く反応して質問すると、カークは確かと言うように返した。
(―――その人も眼が青白く発光していた?)
「母の報告書が真実ならばです。」
話してよと言うようにリューが聞くが、カークも断言はできないと言うように返した。
昨夜起きたことを真矢と鈴にメールで伝えられ、心配になり来てみて話を聞いてと言う状況で、彼方たちと眼が青白く発光したことよりも凄まじい力を発揮したことに集中していて、眼が青白く発光したことをわたしも少し忘れていた。
現状の結論と言うか、わかったことはと言えば、あの怪物を『ソー』と仮称すべきことと、複雑なことに巻き込まれたこと、そして、20年以上前に似たような人間がいたと言うか、似たようなことが起きていたことがわかったことだ。
放課後になった後真矢はすぐにでも走って鈴の家に行きそうな雰囲気で、急いでと言うのが顔に書いてあるし、すぐにでも急いでと言うようにわたし桃子と道に言いたそうだった。
言いたそうではあるが、走ると転ぶとか言って言い聞かせ、わたしは雪乃にメールして彼方の状態がどうなのか聞き、道はと言えば昼休みの一件の事情を聞いたが少し理解できないと言う表情をして、不意に走り出すと置き去りになりそうだった。
鈴にもメールをするとわたしたちは少し終るのが遅く、帰るのも遅くなるから先にいってと言う返信が来た。
「―――昼休みのあとにも話したけど、超能力、エスパーみたいなもの?」
「見る限り、そうよね?」
3人並んで帰ると言うか、鈴の家に向かって歩き出す中で、わたしは道も考えている状態の新しい問題こと、アンジェラのしたことについても話し合う必要が存在し、わたしはこの可能性はと言うように聞くと、真矢もそれ以外該当するものが無いと言うように返した。
「―――気道を塞がれたのかしら?」
「?」
「大野先生と、セレナーデさん、倒れたでしょう? それと苦しそうな顔してた。事実ならば、超能力、サイコキネシス? 念動力みたいな物で首をこうギュッと握りしめたなら―――」
真矢がわたしも納得できると言う表情の中で、わたしはもう少し踏み入ってと言うように続け、真矢がどういうことかと言うような反応の中で言った通りに首を絞めるように上げた手を握りしめた。
「5キロもあれば十分なんだって? 真矢、体力測定したけどそれ以上あったよね?」
「5キロ? わたしたちでも人殺しは簡単にできるってこと?」
「そうだけど。本題は、わたしたちの身に起きていることは、超能力が使えることになる力なの―――?」
握りしめる中でわたしは真矢に体力測定の結果も考え、こんなに簡単と言うように言うと、真矢はそうなのと言うような反応で、わたしはと言えばおどろくのはわかるが、自分たちの身に起きたことを考えないといけないと言うように返した。
「真矢たちの手に入れた力は、そう言ったものとは違う―――」
「―――違うって、道、あんた本物見たことあるの? まさか?」
「ない、だけど僕の感覚がそれを伝えてる。アンジェラ先生も、イヴ先生も真矢たちと似たような気配を出していないし、僕があの時感じ取ったのも異なる気配だったんだ。」
解答を返したのは道で、考えながらも絶対に違うと言う返し方で、真矢が根拠もないのにと言うように聞き返す中で、道はそうだけど間違いないと言える部分があると言うように返した。
「―――どんな風に違うの? ―――てかどんな風に感じてるの?」
「―――身体全体で感じると言うか、見えない何かが飛んできて触れるみたいな感じなんだ。人によっては臭いとか、普通の人には見えないけど、身体から微弱だけど波のような物が出ているんだ。」
「感覚的なもので、言葉では言い表しにくい?」
言われてもわからないと言うように真矢が聞く中で、道はなんとも言えないけどたぶんこんな感じとでも言うかのように答え、わたしは悪く言うとわからないのかと言うように聞いた。
「だけど、真矢と桃子は、もう人間の領域じゃない―――、本質的に言うと、無意識に2人ともそう言ったものをすごく出しているから、少し僕の身体にも負担がかかってる―――」
「負担?」
「それと、あの気配は人間だったみたいだけど、僕と同じか、それ以上か―――」
わからないのかと言うようにわたしが聞いたが、道は否定しないと言うように話を続け、負担と言い、真矢がそんなことが起きているのと言うように聞く中で、道はわたしたちに、油断してはいけないと言うように続けた。
「あんたの変身だって―――」
「僕と真矢たちは違う! ケタ違いなんだ。本当に!」
待ってよあれほどすごいことしてと言うように真矢が言いかける中で、道はわかってくれと言うように一気に返した。
「―――ごめん。一番混乱しているのは真矢たちだ。だけど、ケタ違いを通り越している。自然の摂理に反している―――」
「―――――」
「あの晩から、より一層と強くなった。それに―――」
一気に返しこそしたが、道は考えてみればと言うようにあやまるが眼を反らして考えるようなそぶりを見せ始め、考えながら話していると言う状態になった。
「―――まずは、わかりやすく説明しないと、最初から―――」
話し出すも再び考え出す始末で、道は少し考えた後、このままではうまく伝えられないと言うように言った。
「まず、僕の力について、話さないとね?」
「変身以外にも、あの後いろいろ見せてもらったけど―――」
「いまいち理解できないって言う顔だね?」
落ち着いてと言うように道が話し始め、真矢がそう言えばと言うように返し、道は見せてもダメだったよねと言うように返した。
「変身に式神、陰陽道、東洋魔術、と呼ばれるものよね? 一般的に?」
「そう。だね―――」
真矢が言われたとおりだと言う表情の中でわたしが思い返してみてと言うように言うと、道はそれで間違いないと言うように返した。
「普通に見ればとんでもなく常識外れだけど、実は科学の応用なんだ。」
「科学?」
「非科学的と言ったらそこまでだけど、正確には僕もらしいと言うようにしか知らないんだ。」
返すと道は話すけど信じてもらえないだろうなと言うように言い、真矢がこの場に置いてそれはと言うように返すと、道もそれは僕もわかると言うように返した。
「―――らしい―――?」
「スイッチ、みたいなものなんだ? 身体と言うか、思考通りにさっきも桃子が言ったみたいに変身できると言うか、術式が使えると言うか―――」
真矢があんたが説明すると言ったのに何そのわかり肉話と言う反応の中で、僕も本当はよくわかってないよ悪かったけど仕方ないだろうと言うような表情をしていた。
「魔法を、使える人間が存在する?」
「―――」
「わたしたち普通の人間が使えないのは、使えない人間だから!?」
道の話を整理してと言うようにわたしは聞くが、道も真剣に考えている状態が続いている中で、わたしはもしやと言うように聞いてみた。
「―――そうだよ。それだよ―――?」
「わたしたちではその化学反応を起こせない!?」
「その通りだよ!」
言われて道はわたしの言ったことを僕の言いたかったのはそれだと言う反応を示し、それだと言うように人差し指立てる中で、わたしは関係してと言うように聞き、道は言うとおりにそれだと言うように返した。
「限定されるってこと? 普通は? と言うか使える人間は?」
「適性って言うべき?」
「そう。適性なんだ。」
話を聞いた真矢は結論としてはと言うように聞き、わたしがさらにと言うように続けると、道はその通りだと言うように返した。
「―――だけど―――」
「―――ここでわたしたち?」
返したが、道は再び待てよと言うような反応をすると真矢はわたしかと言うように聞くと、道は声では返さなかったがそうだと言う反応を見せた。
「いや、でも、だけど、突然目覚めると言うか、覚醒する場合もあるし、個体差も存在する。年齢を経て変化する場合もあるし―――」
「可能性としてはある。だけどどこかに腑に落ちない部分が存在する。突然すぎる?」
考えると言うよりも考察すると言う動きの中で道は答え、わたしは再び道の言った言葉を整理した。
「―――突然すぎるのは別段問題ないんだ。問題なのはその覚醒した力の不可思議性だ。」
「不可思議性?」
「―――訓練すれば身につく場合もあるんだ。だけど―――」
言われた道は最後の突然なのは問題ないと言うように冷静に返すが、わたしたちの身についた力が理解できないと言う反応で、わたしがそれはと言うように聞くと、道はどう言えばいいかと言うように考え出した。
「―――だけどだけどめんどいはねーっ?! はっきり言ってよ!?」
「限界と言う数値を無視してる。覚醒とか訓練とか才能を無視してる。人間の領域もだ。」
「―――――」
順序を追って話すのが普通だが、だけどを繰り返す道に真矢は業を煮やした状態で、道はと言えば、聞いてほしいと言うように返した。
「真矢限定って言ったよね? 桃子は適正と言ったけど、科学の応用って僕は言ったよね? なんていうか、一応は物理法則? 世に言うそう言うものに縛られているんだ。」
「限界が存在して、わたしたちはそれを無視してる? いや、無視することができる?」
「―――何でもできる。神は万能、―――そう言う意味? 神さまになれるってのは?」
聞いてと言うように道は続け、わたしが整理すればと言うように聞き、真矢は思い出してみればと言うように言った。
「―――質量保存の法則とか言うのがあったよね? あれと同じなんだ。簡単に言うと。」
「―――?」
「ビン、密閉した空間で火をつけると自然に消えるってやつだよ。酸欠みたいな限界が起きるんだ。僕たちの場合は―――」
真矢が確かあれはと言うような反応の中で道は続け、真矢がちょっと待ってよわたしも言いたいことがあると言うような表情をしていたが続けた。
「―――だけど、僕たちはそう、花火みたいなものだ―――」
「花火?」
「酸欠になった状態の中に火をつけた花火を放っても途中で火は消えずに最後まで燃え尽きるんだ。これは酸素が無くても燃えるための物質が花火に十分に存在するためなんだ。僕たちはこの範疇だけど―――」
続けていたが、道はそう言えばと言うように言い、真矢が言いたいことは放置して、突然はなんて意味が解らないと言うような反応を示し、道は真矢の反応に対してこれだと言うように答えた。
「―――一見すると不可思議に見えるが理論上は可能で、わたしたちは?」
「中に爆弾を入れるようなものだよ? ビンも中身も跡形もなし、本来の場合は―――」
整理すればと言うようにわたしは聞くと、道はこれは極端な例だけどと言うように言うが、再び次になんと言うべきかと言うように考え出した。
「信じられないぐらい頑丈で壊せなかったとか?」
「―――それならまだわかるけど―――」
「まただけどね?」
本来の場合と言うようなことを聞いた真矢はもしやと言うように聞くが、道は少し違うと言うように返し、真矢はもういい加減にしてよと言うように返した。
「理屈が通じないんだ。爆弾を入れるとか言ったけど、爆弾がなくなっちゃったり、爆発しなかったり、手品みたいにお花に代わったり、別の場所で爆発したり、種もしかけも本当にない、手品でもない本当の魔法と言うべきなんだ。」
「ビンの大きさも変わっているし、中身も存在している。自己増殖?」
「―――それもある。中味以上のものが出てくるし、大きさも無限に膨れ上がる。普通なら身体が限界を迎えるはずなんだ―――」
真矢の言葉に対し、それもわかっているけどと言うように道は答え、わたしが思い返してみればと言うよう聞くと、道はその通りだけど、まだ疑問が残ると言うように返した。
「―――限界?」
「最悪、死ぬ―――」
「―――――」
話が進むならと言うように真矢が聞くと、道はこれだけは間違いないよと言うように真剣な表情で返した。
「死―――」
「負担が大きすぎ―――、彼方はその影響を受けた? だから眠ってる? いや、力に関係してあの程度で済んだ? まだ?」
真矢はこれはさすがに冗談ではないと言う反応の中で、道は話しを続けると考えてみればと言うように彼方のことを言った。
「―――桃子、彼方の状態は? 雪乃さんに聞いたんだよね? メールは?」
「―――まだ返事待ち―――、あ? 来てるみたい?」
推測の域だがと言うような表情だが、わたしも真矢もだが納得できる話で、道は彼方はどうなっているのと言うように聞き、わたしは雪乃からメールが来てないからと言いながら携帯を見ると、メールが来ているみたいだった。
From 夏川雪乃
添付 なし
本文
彼方ちゃんまだ眼が覚めていません。
静かに眠っていますが、
このままおいて行くわけにもいかないので、
家に届けることを考えています。
カークさんが送ると言っていますがかまいませんか?
メールを呼んで見ると雪乃からで、彼方はまだ目を覚ましていないと書かれていた。
「―――まだ、眠ってるんだ―――」
「―――――」
「こんな時に聖歌さんは―――」
雪乃のメールを見た真矢は心配だと言うように言い、わたしは仕方ないよと言うように返そうとする中で、真矢はほかにも困ったことがあると言うように続けた。
「―――でも―――」
「わかってる。彼方ならお母さんには話さないだろうし、迷惑かけたくないとか言うもんね? それに話せないよ?」
聖歌と言う言葉を口にし、わたしがそれはと言うように返すと、真矢もそれはわかっていると言うように返し、話せないと言うのは彼女の親もと言うのがふくまれている気がした。
「―――とにかく、鈴の―――」
「!?」
「―――あ? ごめん? 僕のだ?」
迷っていても仕方ないし、何も解決しないし、進展を目指してと言えば言い過ぎだが、まずは深い事情は無視して、彼方の眠っている鈴の家に行こうと言うように口を開く中で、周囲に黒電話が鳴るような音が響きわかった。
わたしと真矢が何事かとおどろいている中で、反応したのは道で、電話の着信音だったようで、道は電話に出た。
漫画やテレビとかで黒電話と言う物体の着信音と言うか、呼び出し音なんて聞いたことがあるが、実際と言うか、近くで聞くと意外と音が大きくておどろくものだが、鳴らしたと言うか、設定していた張本人こと道は平然とした反応で電話に出た。
わたし真矢はと言えば少し遅れてそう言えば道設定していたっけと言うことを思い出す状況の中で、道は電話越しのだれかと話し始めていた。
言うと悪い気もするが道は世に言う機械音痴で、電話を取り出した時一瞬これどうやったら出られるんだっけと言うように止まったように見えたが、両手で丁寧に操作し、両手で電話を持って電話に出ていた。
「はい、もしもし? え? ああ、ハドウさんでしたっけ? ひさしぶりですね?」
『―――』
「え? はい? まさか? そんなことしてませんよ?」
電話に出ると道は普通に話していたが、電話越しの相手が何かを言うと、少し表情を変えたと言うか、言った通りにそんなことと言うか、悪いことはしていないと言うように返した。
「ボリュームあげて!」
「―――はい。でも、わかりました。だけど、僕たちは違います。はい、信じて欲しいです。」
動いたのは桃子で、小声でだが道の電話をあててない反対の耳に向かって指示を出すが、道は桃子に静かにと言うように顔の前で人差し指も立て、静かにしてと言うように合図し、電話の相手に返した。
「―――わかりました。気を付けます。はい。そちらも、いずれまた会いましょう。では―――」
「―――だれから? ハドウって言った?」
「うん。ハドウさん。前の騒動の―――」
桃子は少し興奮しているが、道は冷静に対応すると少し話した後電話を切り、桃子が質問すると、桃子にと言うように言ったが、不意にわたしに眼を向けた。
「―――いや、待て? あの時真矢いなかった?」
「?」
わたしに向かった道の眼はわたしを信じられないと言うか、疑っていると言う眼で、どうしたのと言う反応で、わたしは意味が解らなかった。
「―――どうしたの?」
「あの時の実験が、ユーチューブって言うんだっけ? それに出たらしいんだ。」
「なんですって?!」
質問をしたのは桃子で、道と言い何かが起きたと言う表情の中で起きたことを伝え、桃子はそんなこと信じられないと言うように返した。
「―――ぇっと? 真矢、どうすればいいんだっけ?」
深い事情は言いと言うか、論より証拠と言うよりに動画を見ようと携帯の操作を始めたが、道は方法がわからないようで、わたしに聞いてきた。
「―――もう? こんな時に機械音痴は勘弁してよ? You Tubeの見方も知らないの!?」
「電話とメールぐらいしかできないよ―――」
仕方ないと言うようにわたしは自分の携帯の操作を始め、道はと言えばそんなこと言われてもと言うように返した。
「将来有望な若者が何してんのよ? 最近の子ってのはね、アメーバやLineとかやって写真取り込んで、ようつべに動画うpして深夜の変態アニメ録画してみるもんでしょうが!? あんたどんな青春おくってんのよ!?」
「枝葉さんみたいな変な教育吹き込まないでよ!? こんな時に!?」
「―――――」
道はと言えばやってくれるのかと言うように携帯を下すがわたしはできて当然だと言うように言うが、道は一般論と言うか、オタクとかに対して少し失礼な返しをする中で、桃子は2人とも落ち着いてと言うような少し困った笑顔で見ていた。
「ほら! You Tube! それで!? なに見るの!?」
「―――ぇっと―――」
口を動かしていたが手も無論動かしていて、わたしは道に開いた画面を見せた中で、不意に道は桃子の横に立ち桃子に何かを言った。
「―――真矢は違うみたいだね?」
「―――?」
「―――そうね?」
注意して聞いて見ればと言うように聞くと道は真矢は違うと言うように言い、わたしが意味が解らないなからで、桃子は納得したと言うように返した。
「―――とにかく、アップロードされたヤバい動画見るんでしょう? タイトルとかは? タグは? ジャンルは?」
「―――」
「もう2人とも何よー!?」
深い事情はわからないが、動画を見る以外理由はないし、見る動画を聞こうとする中で2人は小声で話し合い、話しが進まないと言うように言うと2人はこれは悪いことをしたと言うように2人はわたしに顔を向けた。
「―――ごめん。真矢、ちょっと疑ったんだ―――」
「疑った?」
「あの時、あの場所にいなかったでしょう? やりかねないと言ったら悪いけど、できそうだし、真矢が隠れて撮っていたんじゃないかって思ったの―――」
眼を向ける中で道は申し訳ないと言うように言い、わたしがどう言うことよと言うように聞くと、桃子が同じように悪いことをしたと言うように言った。
「―――あ? ステルス迷彩の話?」
少し考えたらわかる話で、わたし以外が少し前に呼び出された時の話だと気づき、わたしが聞くと、道と桃子は申し訳ないと言うような表情を見せた。
「―――いや、あの時無理よ? 桃子ならわかるでしょう?」
「―――うん―――」
「とにかく、動画見ようよ?」
思い返してみればさらにと言う状況で、わたしには不可能な部分が多く存在し、桃子もそう言えばと言うように返すが、疑っていたと言う部分があるのか眼を反らしていた。
眼を桃子は反らし、道も同じだったが、少し考えるとわたしが疑われても当然と言う部分も感じると言うか、一理あるだが、疑念は一応は解いてくれたみたいだし、わたしは話しを進めようと言うように言った。
真矢に言われて自覚はしているが僕道は機械音痴と言うべきだ。
壊すほどではなく、学校でもパソコンの授業とかがあって機械の扱いは必要最低限のことはできるようにしているつもりだが、携帯も電話とメール以外の機能の多くの使い方がわからないし、ネットも使い方があまり使い方がわかっていない状態だ。
一方で真矢はと言えば言われてすぐにYou Tubeを使えるようにして、現状はと言えば情報を頼りに動画を3人で見ていた。
「―――」
「―――」
「―――」
僕たちが見たままの光景で、半透明の物体が動き回っているのが見えた上、画面上を文字が動き回っていた。
「―――ねえ? 真矢? この文字何? 邪魔なんだけど―――?」
書かれている文字は見ている人が書いているのか、感想めいたことが書かれ、真矢がそんなことができるとか聞いていた気もするが、文字の色が赤や青、黄色と多種多様で、映像を見ながら僕は別の意味で疲れていた。
日本の技術スゲーじゃんwww
もっと映像をくれ! もっともっとだ! もっとだぁぁぁあ!
エイリアン「仲間割れか?」
ユニウス条約違反じゃねーかwww
タイムデパート「開発中の我社の超大型透明マントです。」
出てくる文字は知っている人ならばわかると思うが、アニメやゲーム、ドラマのセリフや設定だと思われ、現状から見えると不謹慎だと言うほかない上、真矢は少し笑いながら見ていた。
「―――これで間違いないの!?」
「真矢、落ち着いて。」
実物を見ていない真矢はこの映像の感想を書いている人間たちと同じような反応なのではないかと言う雰囲気で、笑いながら僕たちに聞き、桃子はと言えば落ち着いてと言うように返した。
REXにも搭載させたのかwww オタコンやらかしたなwww
→ Seed DestinyやAVPみたいに次は母艦が出るぜ?
なんと醜い姿なんだ―――
→ 課金が足りないからこうなっているんだ。
プレデター「盗まれた。」
見た人の感想と言うか、コメントも似たような状態で、見た人の多くは僕たちの見たあの光景を本物とは思っていないみたいで、真矢もコメントを見ながら笑っていた。
「―――真矢、これ、どう思う?」
「―――どう思うって―――、これが? うそでしょう!? 絶対偽物だって? これ!? こんな時になんてものみせんのよ!?」
笑ってみている真矢に対し、僕が聞くと真矢はこれはうそくさいと言う反応で、僕は桃子をダメだ信じてもらえないと言うように見るが、桃子は真剣に動画を見ていた。
「―――これは悪ふざけよ? 道? 悪いけどそうにしか見えない、わたしには―――」
「―――真矢―――」
「だって、本気になればわたしにだってつくれるよ?」
真矢はと言えば時間のむだだけど、いいもの見た彼方にも気晴らしに見せようと言うような物言いで、僕がお願い信じてこれが真実ですと言いかける中で真矢がとんでもないことを言った。
「―――ぇ?」
「CG編集ソフトとかを使えばいいの。早ければ3時間もあればできる。実写版のトランスフォーマー知らないとは言わせないはよ? フツーの人でも簡単にできるソフトが出回ってるの。」
どこまで冗談を言えばいいのかと聞きたくもなるが、真矢はうそは言ってないと言うように返した。
「MMDとか知らないの?」
「―――いや、真矢、仮にできたとしてもそう言うのってお金かかるんじゃ―――」
「フリーソフトって言葉知らないの? 無料、結構ハイスペックなのあるよ? これだから機械音痴は―――」
平常通りと言うように続け、僕がそうだとしてもと言うように聞くが、すごくとかと言いかける中で真矢は疑り深いなと言うように返した。
「―――真矢の言うとおりね?」
「桃子まで!?」
「―――偽物とまでは言ってないでしょう? だけど、似たような映像も作れる事実がある。わたしもこう言った映像見たことあるから―――」
理解させるにはどうすればいいかと考えている中で、桃子まで賛同し、僕が見たよねと言うように返そうとすると、桃子はどちらにも立たないと言うような発言をした。
「―――だけど、それよりも、気になるのは―――わたしはこのアングル? 視点―――」
「―――?」
「―――どこで撮影したの?」
一緒に見たのに桃子は冷静で、僕はと言えばどうすればと言う反応の中で、桃子は映像を見ながら指さしながら疑問だと言うように言い、僕が何と言うように眼を向けると、桃子は疑問点を口にした。
「―――あの場所なのは間違いないけど、位置が高すぎる。どこかの建物から―――」
「―――――言われて見れば―――」
桃子の言葉の通りで場所は同じ場所だが、言う通り僕たちが見ていた時と視点が違い、考えるまでもないが、気づくとも言え、見上げた僕たちの視点と血が、高い場所と言うか、少し高い建物から撮影したと言う視点だった。
「―――とにかく、彼方たちにも知らせよう? わたしにはそれほど重要には思えないけどね―――」
近くの建物にいただれかが撮影していたりする可能性も十二分に存在したし、撮影位置が偶然一致した合成映像みたいな物かもしれないで、結局として、真実はわからないと言うべきで、僕と真矢が考えている中で口を開いたのは真矢だった。
考えてみればと言う状況で、いつまでも話しているわけにもいかない状態で、僕たちは少し急ぎ足で進み始めた。
桃子や真矢たちに後で聞いたがわたし彼方は本当に何事もなかったかのようにと言うか、朝に目覚めず長い時間眠っていた以外は本当に静かに眠っていたそうだった。
昼頃のカークの会話やリューの心配していた寝息、それに鈴の家に運ばれたことも目覚めた後で知ったことで、わたしはと言えば眠っている時に夢を見たようだった。
夢を見たと言うのも夢と言うのは見ると言うか、起きても実感が持てない現象だと言うのは考えるまでもなく、わたしは気が付くとどこか温かい場所で眠っていることに気が付いた。
「―――――?!」
眼を開くと心地よいあたたかい光と気温に包まれ、身体も少し重たい気がしてもう一度眼を閉じかける中で、わたしは光の度合いと言うか、感覚的に周囲が水の中だと言うことに遅れて気が付いた。
「―――――?」
気が付き思わず苦しいと言うか、鼻の中や口、それに肺に水を入れないように鼻と口を思わず覆ったがわたしは水の中にいるが苦しくない気がした。
手を離してみると本当に苦しくなく、肌と言うか身体中に触れる水の感触は間違いなく存在するが、鼻で呼吸も可能で、眼も水中と違って普通に見えていて、わたしは水の中で浮いているようだった。
「―――――」
あわせて身体を起こしたと言うか、頭を上に向けた状態で、わたしはこの場所で呼吸ができる理由はわからないが生存本能と呼ばれるものか、ここにいると不味いと思い、水から出ようと考え上へと向かって泳いだ。
泳げないと言うわけではなく、それなりにわたしは泳げる方だがこれほど深い場所で泳いだことはなく、上がれないとも思ったが、数十秒ほど泳いだわたしは水の上に顔を出すことはできた。
「―――――っ!?」
よかった出られたと思い新鮮な酸素を身体の中に取り入れようとした瞬間、わたしは身体中と言うか、器官に違和感と言うか、水の入っている感触を覚え、勢い良くせき込んだ。
「―――――」
せきには案の定と言うか、絶対以外の言葉が存在しないが、水がふくまれている感触が存在し、鼻の中にも水が詰まっていて気持ちも悪く、わたしは顔を出す中で必死に呼吸を整えた。
少し長くせき込んでいて、かなり長い時間水に使っていたと言うか、死にかけて幻覚を見ていたと言うか、臨死体験をしたのかなとも考えたが、わたしは顔を出した水の上が静かなことに気付いた。
波のような物はなく、風も吹いておらず、わたし以外の人影もなく、岸や砂浜と言った陸地は見えないが、顔を出して波にのまれる危険を頭にいれていない状態だったので、不幸中の幸いと言えた。
「―――――」
不幸中の幸いとは言え次の問題はと言え陸地が見えない状態で、わたしは眼を凝らして探してみるが見えず、仮に見えたとしても泳いでいくのは無理そうで、おぼれ死にそうだと思った。
「―――?」
もしかして同じことを繰り返しているのかと思う中で、地に足がついたと言う感覚が足元に置き、何事かと思う中で、水は足首のあたりまでしかないほどまでに下がっていた。
悠長なことは言っている場合ではないが、落ち着いて見てみると空もきれいな青空で、地平線と言うものが見えるほどに広く、眼の前に広がる光景以外何も存在しない空間だった。
足元を見ると水も澄んでいて、澄んでいる水の中に見える石は丸い小石が多く、裸足で踏みしめても安全そうに見えた。
「―――ぁ? あの服―――? いや、少し違う―――?」
足元と言うか、足を見るとわたしは裸足で、先ほどまで身体全体水に浸かっていたが神も濡れていないと言うか、湿気も感じず、服は大丈夫かと確認しようとする中で、わたしは服装が違うことに気が付いた。
真矢と桃子と一緒に見た壊れた東京の夢の中で来ていた服と少し似た服だった。
「―――リュー?」
服装は置いておくとして夢の続きだとわたしは思い、リューがいるかもと思い声をかけるが気配も声もなくわたしはこの場所に1人だけのようだった。
「真矢ちゃん? 桃子ちゃん? 道―――」
ほかのだれかはと言うように声をかけるが、同様で影も形もなかった。
「―――ここ、どこ?」
同じことが何度も起きていて、言葉も繰り返していて、行動も似たようなものだが、答えは出ることはなく、教えられず、実体験しているわたしも知らない場所なのは間違いなかった。
「―――――足、つくよね?」
思い切って前に進もうと思う中で、先ほど混ぜ全身使っていたことを思い出し、一歩先が人が沈むほど深いのではないかと疑い、足で進行方向の地面を軽くだが叩いていた。
考えてみると水が透き通っていてむだな行為とも後で思えたが、わたしは安全を確認し、足を進め始めた。
「―――?」
進み始めた中で、足元で動く水の感触を実感し、足の動きにあわせて跳ねる音が聞え、どこまで続いているのかと思う中で、進む先に十数人ほどの人影のような物が見えた。
「―――――」
普通ならば声をかけたと思うが、人影のような物であって人影に見えないと言うか、人間に見えない黒い塊で、わたしは思わず怖いと思い、少し後ろに下がり逃げかけた。
距離も身体全体が見ることができるが少し離れている程度で、明るさも夜みたいに暗くなく、全身黒い服を着ていてもあれほど人としての姿が鮮明にならないのは奇妙で、人影が動いているようにも見えた。
「―――――?」
後ろに下がった足音か、気配を感じたのか、視界に入ったかわからないが、人影のような物体の内の1つがわたしの方に身体の正面を向けたように見えた。
ほかの人影は反応して軽く見て、同じように見た後すぐに向きを戻したが、最初の1人が腕を上げたと言うか、わたしを指さすような動作を見せた。
「―――あっち?」
指をさしていたが、指をさしているのはわたしよりも少し上向きで、わたしにではなく、わたしの後ろで、怒ってはいないがこっちは危険だ来るなあっちに行けと善意と言うか、やさしさとして強く言っているかのようだった。
思わずにあっちと言う中で、人影がそうだと言うように首が縦に動いたように見えると輪郭が少し明確になり、手のひらを前にしてさあ行けもうこっちに来るな帰れと言うように軽く押すような動作を見せた。
動作を見せる中で少しだけだが人影の輪郭が少し鮮明に見え、見てみると大人の男性のように見えた。
「―――――」
意味が解らないが前に進もうとする以前にこっち来るなと言うようにほかの人影が顔を向け始めている気がして、わたしはわかりました言うとおりにしますありがとうございますと言うように少し勢い良く頭を下げると背を向け去ることにした。
『―――――』
『―――――』
『―――――』
本気で言うと走った方がよさそうな気もしたが早足でわたしが移動する中で、先ほどまでは聞こえなかったが、彼らなのか話し合うような声が聞こえたが、わたしは無視すると言うか、聞いてないと言うように歩き続けた。
『―――そう、こっちよ―――』
「?!」
『―――』
早足で進みだした中で不意に進む方向から女性の声が聞え、だれかと思い立ち止まると、同じような人影が1つ少し先に見え、反対側の彼らに対してか、手を振るような動作を見せていた。
「―――――」
手を振っているように見え、もしやと思い後ろを見ると、先ほどわたしにこっちに行けと言うように指さしたと思われる人影が遠目にだが手を振っているように見えた。
「―――――?」
手を振っていたが少ししてこれで失礼しますと言うかのように振るのを止めると頭を下げ人影はあの大量の中に再び戻った。
わたしはあの人影の指示にあわせるならば、女性の声をした人影と話さなければいけないのかと思い前を向いた瞬間に、周囲の光景が変化していた。
「―――っひ!?」
光景が変化したことも重要だが、わたしは足元に何かがある気がして、何かと思い見た瞬間思わずおどろいて声をあげ腰を抜かした。
「―――――」
言葉を間違っているが怖いもの見たさと言うか、見てしまい逆に眼を反らせないと言うか、本来ならば存在するものが存在しないことで思わず凝視してしまっていた。
見ている物体が何かと聞かれると死体で、葬儀で見るような整頓されたものではなく、全身血まみれで服も破れ、うつぶせに倒れ首を上と言うか、わたしの方に向け白目をむいていた。
生きているのではないかとも思ったが、動く気配がまったくなく、わたしはと言えば見ている中で自分でも何を考えているかわからないが、男の体格を見始めていた。
年齢は推定して2、30代ほどで中肉中背、髪は少し長めで、それ以外の特徴もあるが、壮絶とも言える死に顔以外からは見られるものは少ないと言うか、見られるわけもなかった。
「―――――?!」
死体にもおどろいたが、次はと言えば気になったのが臭いで、鉄さびの匂いと魚の生臭い匂いが混じり合ったと言うか、強い血のにおいで、鼻を手で覆い、こみ上げる吐き気を少し強引に抑えようとする中で、わたしは近くにも死体を見つけた。
「―――――」
言葉を失うと言うもので、顔を少し上に向けてみると、身体の向きや身体の損傷度合いは異なるが、似たような死体が倒れているのが見えた。
人数はおおよそだが十数人ほどで、老若男女いて、全員わたしよりも年上と言うか、大人に見え、物言わぬ骸とはこう言うのを言うのかと思わすように動いていなかった。
周囲も薄暗く昔の映画のような白黒のようにも感じ、人が倒れていると言うのはわかるが色と言うのがわかりにくいと言うか、ここは彼らを乱雑に押し込んだ狭い死体置き場と言う雰囲気だった。
『分岐点の1つ、そう言うべきでしょうね。』
「!?」
よく見てみると体格が大きかったり髪の色や質感、それに服装がなんとなくだが日本らしく見えず、銃のような物を握っていたり、薬莢のような物も落ちていて、日本ではないのかと思う中で、声が再び聞こえた。
『―――』
「―――あなたは、だれなんですか―――?」
声は少し後ろから聞こえた気がしたが、いつの間にか声の主と思われる女性が少し先と言うか、部屋の中央に立っていてわたしを見ていた。
暗くてよく見えないが2、30代ほどのスーツ姿の大人の女性で、落ち着いてと言うような眼でわたしを見ている中で、わたしは意味も解らず、説明してほしいと言うように女性に声をかけた。
聞いて見ると言うか、思い出してみれば声は昨日あの夜に後ろから聞こえた声で、わたしはここでその後の記憶がないことに気が付いた。
「それに、分岐点―――?」
『わたしは本来あなたたちとも彼らとも関係しない立ち位置、異なる分岐点に位置し、本来は侵入不可避な位置に立つ存在―――』
「だれなんですか? それにここどこですか? 帰りたい!」
わたしが思い出したとしても、それ以外はだれかもわからず場所もわからず、聞いてもまともに答えないで話し続け、わたしは答えてと言うように返した。
「―――――?」
『わたしと同じ立ち位置の存在が、あなたたちから見た異端者が存在する。異端者が確変の要因と1つとなり分岐を変化させ継承される。』
「―――――」
返す中で不意に周囲の光景が下から上にだが変わっていった。
死体も消えたと言うか、都会のスクランブル交差点と言うような場所で、カッコウの声を真似た音と『とおりゃんせ』のメロディーも聞こえ、たくさんの人間が歩いていた。
不意で意味が解らないと言う中で女性はと言えば話し続け、わたしはと言えば人ごみの声や音に巻き込まれかけながら話を聞きとっていたと言うか、声が耳元で聞こえてくるような感覚がした。
『探してわたしへ、じゃなくて本来の位置へ返して、後はわたしが見つけて支配、じゃなくて、指揮下に置くから。それからがわたしの好きにする―――んじゃなくて、わたしたちもふくめ、本当の戦いとなるから覚悟して―――』
「―――?」
話しを整理するとだれかを探せと言っているようだが、先ほどまでと違い言葉を途切れると言うか、顔を反らし言い間違いを訂正するような物言いでわたしはどうすればいいのか意味が解らなかった。
『―――――お願いね。』
「―――ぁ―――?」
深い理屈はわからないと言うか、もう1人のわたしと同様で、あらわれたかと思う中で彼女は姿が幻だったのかと言うように透き通ると言うか、消え始め、わたしが待ってと言い切る前に消えた。
あわせるように周囲の景色も暗くなったと言うか、先ほどとは違うが暗い空間へと変化し、わたしは1人だけになった。
「―――どうしたらいいのっ!? だれか教えてよっ!? わっかんないのに頼まないでっ!?」
思わず出る本音と言うもので、わたしは届かない可能性も高いが大きく叫ぶがだれも答えてくれない中で、膝をつき、そして手をついた。
突然変わり始めた日常の中でだれも答えを知らず教えてくれず、探すにしても手がかりがなく、わたしは泣き出すしかなかった。
『―――強く、思い、願うんだ。』
「?」
『具体像を造り出すんだ。かせはお前自身の心の中にある。目覚めた内なる力を解き放つんだ。』
泣き出し、涙が地面に落ちた中で、頭もとに足音が聞こえた気がしたかと思うと、不意にわたしに対してか話しかけるような男だと思われる声の物言いが聞え、何かと思い顔を上げると、人の足らしきものが見えた。
『―――どうしたい? ここから先に何を求める? 知らないまま終わるのも道の1つだがどうする?』
「―――帰りたい―――」
顔を上げる中で膝をついて座りわたしに対して問いかける中で、わたしは勢いよく抱き付いて思わず帰りたいと発した。
「帰りたいです! こんな場所いやです! こんなことになって嫌だけど知りたくないけどわからないままも嫌です! たすけ―――て?」
『飲み込まれるな。解き放つ錠を選べ、理想像を造りだすんだ。』
「―――――」
抱き付いた中で落ち着けと言うように肩に手を置かれた中で、わたしは必死で訴えかける中で、彼の言う、目覚めた内なる力と呼ばれるものを感じた気がした。
身体の中の奥、心臓のあたりから沸き上がると言う感覚で、恥ずかしい思いをした時のように赤くなると言うか、寒くて身体中に鳥肌が立つような感覚にも似ていた。
わたしはそれが次に身体全体中に、つま先から手の指の先、髪の毛1本へ余ることなく走った気がする中で、男が気を付けろと言うように言う中で、わたしは心臓の鼓動が高まるのを感じた。
感じる中で次にわたしは、その力が指の先からあふれ出そうな感覚がしてみてみると、わたしの指の先は、左右の指すべてが光を放ち、髪も先端から光り始め、光が身体全体に広がり始めていた。
光も指の先から水のようにあふれるように出て地面に落ちていて、異常だと思い止まれと思うと止まるが指の先の光が指から手へと広がり、足も同様で止まれと思う中で、身体全体の流れを止めたが、光と言うか、力が身体中に充満する感覚がした。
男の姿もなく、わたしは暗闇の中に残されていたが、わたしが光を半場放っていた状態で、一度流れ出るのを止めたが、わたしは身体中に抑えきれないほどの力を感じ、合わせるように身体の先端だった光も身体へと広がりを始めた。
身体中に抑えきれないと言うか、際限なくあふれ出てくるような感覚で、抑えていると空気を入れ過ぎた風船が割れるように、光があふれると言うか、隙間から吹き出すか限界に達して爆発しそうだった。
目覚めた内なる力が光となりあふれ出ているならば合点の行く話で、わたしの身体は熱く、苦しく、動けないと思う中で、1つ大事なことを思った。
人間が本来持つべき力ではないと言うことだ。




