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  総一郎に優衣を頼むと言われたのは5、6年ほど前の時だった。

 会社の経営を始め軌道に乗り始めた頃でもあり、聖歌が辞めると言う大問題が終わった後でもあり、社内ことアサルトトレーディングが会社として本当に落ち着きを取り戻し始めた時だった。

 実家を離れたとは言えわたし愛も自分の生まれた立場もあるし、一族と言うかグループ、言わば会社の関係者でもあり、会長に直に呼ばれたら行くし頼まれたら引き受けるし、その日も何の用かと言う状況で呼ばれて行くと総一郎に優衣を頼むと言われたのだ。

 呼ばれた場所もあの広い実家の中ではなく、家からもかなり離れているし普段は使われていないと言うか、第2次大戦前に一部の使用人用に用意されていた家をいつの間にか直した普通の平屋の一軒家だった。

「―――正直言うと、俺はグループをつぶす気だ。」 

「!?」

 書類上ではあるが優衣は一応グループ傘下の会社の人間であるが、アサルトトレーディングの正式な社員として扱ってくれと言う頼みかと思う中で、総一郎は真剣な表情でわたしに向かって返し、わたしはおどろくしかできなかった。

 わたしはと言えば優衣は現在のままでもいいとも考えていたし、グループのこともあるし、問題ない手腕を持っていると思っていた中での総一郎のグループをつぶすと言う不意な発言だった。

「―――もううんざりだ―――」

 外見や物言い的には若く見えるが、わたしの父こと純一やわたしの年齢を考えると定年をすでにと言うか、とうの昔に超えているし、総一郎の物言いは老人が本気で疲れたと言う物言いだった。

「グループの会社は中小の会社に分裂させたり、他社に吸収合併する準備は整っている。俺が死ぬ前には終わると思うが残った場合も純一に任せてある。」

「―――あの―――?」

「―――オレも年齢的に考えると何時死んでも不思議じゃないんだ。それにホールディングもグループがなくなれば後ろ盾もないし瓦解するだろう。」

 つぶすと言うか、言葉通りに分けてグループとは関係のない状態にさせるようだが、わたしは意味不明だと思い声をかける中で総一郎は言葉を続けた。

しず真維まいも海外に行かせた。あとは優衣だけだ。」

 総一郎の言う静と真維とは優衣同様のわたしの従妹たちのことで、静が長女の娘、真維が次女の娘で、現在2人は次女は家族と一緒だが海外で暮らしているし、時折会いに行っている。

 優衣、静、真維、そしてわたし愛の順で生まれ、厳密に言うとわたしは違うが湯川家は女性が多い家系になっている。

「グループがなくなっても年に数千万円ほど出るようにしているから、ボケたらかまわずどこにでも入れてくれ。余るなら純一にもいっているが好きに使ってもいいようにしている。」

「―――――」

「―――オレも歳をとった。八千代のこと、すまんな?」

 意図が読み込めないと言う状況だが、グループをつぶすと言うのは本当のようで、自分の処分のこともまるで事務手続きに書類のようにもう簡単に決めているようだった。

「―――リヴァ―――」

「―――おじいさま―――」

 わたしはこの時遠い眼をしている総一郎を見て彼が心の奥底から本気なのだと思った。

 彼が言うリヴァとはわたしの父こと純一の母親で、家系的に言うとわたしの本当の父方の祖母に当たる女性だそうだ。

 前にも話しに出たと思うが総一郎は湯川グループの婿養子で、経営破綻寸前の会社を3代目として引継ぎ事業拡大と休養を兼ねてアメリカ旅行中に彼女と出会い、彼女は妊娠した。

 緊急の用事で日本に帰るとグループへの婿養子入りが勝手に決められ八千代と結婚が決定、アメリカに戻った時には純一が生まれリヴァは死んでいたそうで、総一郎は純一を引き取った。

「―――純一を、息子を、いや、父親を恨んでいるか? 俺はどうだ?」

「―――いえ。」

 普段は年齢の割に外見もだがむだに元気な総一郎だが、この時は年齢相応の年老いた男と言う印象で、わたしは実際恨んでいてもこの表情を見れば絶対に怨んでいると言えないと思うし、事実恨んでないし否定した。

 本当を言うと純一もふくまれるがわたしの母こと玲は湯川家とも関係のない人間だし、血縁的に言うとわたしは縁もゆかりもない人間だし、血族の闘争に巻き込まれた状態とも言えるが、それで家族を恨む気はなかった。

 八千代以外十分に祖父母、親や従姉妹として十二分に愛情を注いでくれたと思っているし、時折しか会えないが母玲の方の祖母も存在している。

「―――玲とは、母親とはうまくやっているか?」

「はい―――」

 それならいいがと言うように総一郎は言葉を続け、わたしは軽くだが笑顔で答えた。

「―――いい女だ。あ? 性的な意味ないぞ?」

「わかっていますよ?」

「―――ハハハ?」

 彼から見て息子こと純一はいい女を見つけたと言うように言ったが、少し変な意味にとられると思ったか総一郎は性的な意味はないと言い、わたしも表情を見ればわかると言うように返すと、総一郎は軽く笑った。

「―――お前もあの女と純一の遺伝子を引き継いで見事なものだ。俺の女神だ。」

「―――言いすぎですよ?」

「親ばかならぬ孫バカだ。ハハハ。」

 わたしも歳をとったとはいえ日常的な孫と祖父の会話と言う光景で、ほめられ、言い過ぎだと返し、総一郎はと言えば笑って返していた。

「―――優衣も同じだ。俺とあいつの夫婦げんかに巻き込むのを終わりにしたいんだ。」

「―――ぁ。」

「あいつに似て優衣は譲歩とかを知らない時がある。ほかの仕事がないとは思えんが、保険として優衣を頼む。」

 笑っていたが総一郎はこれだけはと言うように言い、わたしは意図が少し読み込めたと思う中で、総一郎は改めてと言うように優衣を頼むと言った。

 家系と言う事情の中でわたし自身が本来この場にいてはいけない存在なのか、優衣の方がいなければいけない存在なのか、時代錯誤などとか言う言葉などが浮かぶ中で、わたしは何にしても言うとおりすると言う意志だけはあった。


 5、6年ほど前のことだが、わたし優衣は本来は使用人用だった家を建て直し普通の家に直した家にいる総一郎呼ばれ、不意に愛を頼むと言はれた。

 細かく言うと現在もだがわたしはグループとホールディング内を飛び回っている状態で、時折愛の会社の仕事を手伝うためにアサルトトレーディングに出入りしていたりするが、本格的に愛の会社の社員になれと言うことだった。

 準備も進んでいるし、グループと言い、アサルトトレーディングと言い忙しい中で愛にも話して了承させたそうで、ほかに仕事がないと言うわけではながし、何にしてもわたしは命令に従うことにした。

「―――愛にも言ったが、俺はグループをつぶす気だ。」

「―――へ?」

「潰すと言ったんだ。つぶす。法的にないことにする。」

 命令を終えた総一郎は一息というように吐きだした後、次の話になるがと言うように切だし、わたしはなんと言ったと言うような反応を返す中で、総一郎は何度も言わせるなと言うように返した。

「もう、うんざりだ。」

「―――――」

「残っても純一にも後を任せているし、なくなっても年に数千万ほど入るようにはしてるから、世話とかに心配はしなくていいからな?」

 言葉通りと言うような雰囲気で、わたしは切り出す中で愛にもいったと言い、これを愛にも言ったのかと少し思った。

「年を考えてくれ? 家で年金と貯金でのんびりしてるか盆栽したり、時折海外旅行とか行くんだろうが? こんな生活散々だ!?」

「―――――」

「とっととボケてホームとかにでも突っ込まれた方がまだましだ。」

 八千代もいないしこれはもう本音を心の奥底から出していると言う物言いで、わたしが何も言わない中で自虐的な状況だがそこまで言うかと言うまで言った。

「―――静と真維は海外に行かせたし、後はお前だけと言うか、愛が一番心配だし、お前にしか頼めない―――」

「――――――?」

 自分のことは置いておいて本題に移ると言いだすような物言いの中で、総一郎は不意に落ち込んだような表情をして口を止め、わたしは何事かというような反応をするしかなかった。

「―――お前も曲がりなりにも姉だろう? 愛の悪いうわさを知っているだろう?」

「――――――はい。」

 正確に言うとわたしは総一郎から見て末っ子の、正確には3女の娘こと孫で、愛は長男の娘とは言え年齢的に一番若いし血縁的にわたしは従姉で、曲がりなりにも姉で、反対にと言うか、同様に曲がりなりにも妹と言うのは事実だ。

 親が兄弟姉妹と言えわたしと愛、それに総一郎の言った静と真維は家庭的な事情で幼い時一緒に暮らしていた時間も長いし、親が違うし祖父が同じだけと言う話を家族以外のほかの人間にしてもおどろかれるほどだ。

 わたしも明確に理解したのも10歳頃だし、現在でもだが愛の反応を見ればわかるが本当の姉妹のようにわたしたちは育っているし、愛は静と真維、それにわたしを区別するためにわたしをお姉さまと呼んでいるのはその時の名残だ。

 関連して静は長女の娘で愛からはお姉さんや静さん、真維は次女の娘で愛からはお姉ちゃんや真維ちゃんと呼ばれている。

「―――明確に言うとこの家とは縁もゆかりもないし、純一もだが、俺の責任なんだよな―――」

 総一郎は湯川家の遠縁であるが、愛は純一と言いわたしの祖母こと八千代の血縁でもない上海外の血まで混じっているし、中はいいが八千代からの目線だが湯川家の人間ではないし、彼の言うとおり問題を抱えてもいる。

 外見的には清楚でわたしたちの前では本当に幼く子供のような印象だが、性的なうわさが絶えないし、証拠も多く見つかっているし、明らかにわたしたちとはちがっていた。

 極め付きにだがかなり不味い方向にも言っているそうだし、本当にいずれ何か起きかねないとも思った。

「―――純一と玲の結婚の賛成、俺は間違っていたと思うか?」

「いえ?」

「裕子たちに子供が生まれた時、お前のあとに静や真維が生まれた後、純一からはじゃじゃ馬娘が欲しいとか隠れて思ったと言うか、望んだ俺が悪いのか?」

 大人になってからと言うものの、総一郎は大体はこう言った調子で、愛の話となると少し落ち込んでいる状態だ。

 湯川家の伝統を守るとか言うような観点から言えば間違っているのかもしれないが、家督制度とかなんてすたれた物でもあるし、わたしは聞かれてもこれ以上落ち込ませるのはダメだし、そうではないと言うように返す中で総一郎は続けた。

 彼の言う裕子とは純一の妹こと長女で、静の母で、わたしの伯母だ。

愛が成人してから聞いたのだが、総一郎は実は純一が成人後と言うか、3人の孫が生まれた後、言う通りにある意味本当に生まれてしまったがじゃじゃ馬娘とも言えるような娘や孫を望んでいたそうだ。

わたしも少し気は強い方だが彼の言うじゃじゃ馬とは程遠いし、静と真維も愛には劣るが清楚な印象だし、物足りないと言う時に純一が玲を連れて来て、結婚を許可して結果として愛が生まれてしまったのだ。

八千代は後継ぎとして男が欲しかったが1人も生まれず、頼みの純一も不意にあらわれた玲にとられ、家系を重んじる人間から見れば愛が嫌われるのはある意味当然の結果だと言えた。

八千代も幼い時はわたしたちには甘いが、愛だけはめんどうを厳重に見ておけと指示し、けがをするほどではないが愛は暴力を受け悪口も言われていたのをわたしと言い、静たちは知っている。

伝統だの家系だの、血筋と言うものはわたしたちは気にしないようにしたし、第一愛は可愛かったし、第一総一郎と純一、玲の鉄壁の守りも存在し、玲に置いては愛とのことで一度八千代を怪我させ入院までさせた前科を持っている。

玲は無論やりすぎだが、古い時代を話しにした小説や史実の中には家督の問題で子供を、特に幼女を殺すとか言うような話も存在することを大人になって知ったし、現在でもないとは言えないし、愛が被害にあわないのはある意味幸いと言えるのかもしれない。

「―――女ばかり生まれてるし、湯川家も終わりだ。」

「―――――」

「子孫を増やすには女が生まれる方が都合がいいんだ。自然淘汰や遺伝子学に優勢の法則の常識だ。」

 関係して総一郎はと言えば政略結婚させられた腹いせもできたと言う物言いで、わたしから愛まで全員溺愛しているのがまるわかりだし、グループをつぶすとも先ほど言ったが、完全に瓦解する前に周囲に人間を避難させるようだった。

 話しを踏まえるとわたしは批難させる1人のようで、これはわたしの考え方だと思うが、よそでいい男を見つけろとか、結婚はお前の意志で決めろとか、これからは好きにできるぞと言っているようだった。

「―――愛はその影響を受けているのか?」

「?」

「―――男だよ? まあ、この時代だし女かもしれんが、言っただろう? うわさを聞き始めて時折考えるんだが、愛はおそらく半本能的にそれが働いたり、別な覚醒遺伝的なもので子孫を残す相手を探しているんじゃないかってな?」

 話している中で総一郎は考えてみればと言うように言い、わたしが何のことだと言う反応の中で総一郎は冗談のような話を真剣に言った。

「―――すまん。変なことを言って? 何年か前にそんなエイリアン映画を見た気がしてな? 忘れてくれ?」

「―――」

「何にしてもだ。純一と言い玲と言い意外と放任しているし、俺が気にするものでもないと思うが、零夜と言い、周りの男はなんか信用できないし、最後の審判はお前だ。頼んだぞ?」

 冗談のような話で、半場何を言っているんだと思う中で総一郎はあやまるし理由も説明し、わたしはと言えば聞いている中で何にしても頼むと言われた。

「―――はい。」

 断る理由と言うものも存在しないし、わたしは何にしても移動することもふくめて引き受けることにした。

 年齢的には大人だし、手間をかけたりかける必要なんてかけらもないと思う部分もないわけではないが、どんなことがあるにしても、これからのことをと考えるとと思い、わたしは引き受けるしはいと言った。

 引き受けるとは言うが、愛と総一郎には悪いが、愛には零夜のような男がそばにいて支えた方がいいともこの時思った。


 スピーシーズと言う映画が存在している。

 配給はMGMこと、始まる前にライオンが咆哮を上げることで有名な映画会社で、一部では有名なアニメ映画などの配給もおこなっているが、この映画はその事実とは対照的にグロテスクなSFホラー映画だ。

 遠い宇宙のどこかから不意に送られてきた謎の通信を傍受し、解読した結果人間の遺伝子改良の情報が確認され、その情報を頼りに遺伝子改良をした人間を作り出した結果怪物が生まれたと言う話だ。

 怪物とは言うが外見は普通の少女と言うか、成長速度が異常に早いが女性で、この女性が怪物へと変身する能力を持ち、本能のままに人を殺し、本能のままに繁殖しようと性行為に及ぶと言うエロティクス的要素もあわせ持っている。

 わたし愛がどうしてこんな映画の話をしたかと言えば、時折自分がそう言った存在だった方がどれほど楽だったかと思う時があるからだ。

 わたしの身体の中にある人間で言う性欲は普通の領域ではないし、年を取ったにも関わらず衰えずより強くなった気がするし、1日に数人以上の相手もしたこともある。

 猿のように楽しむとか言うような話が存在するが、自分で言うのもなんだがわたしはそれを通り越して獣や怪物が楽しむと言う領域だ。

Eyes Wide Shutに登場したような世に言う秘匿性の乱交パーティーのような物にも参加した経験も持っている。

 有益に使いたいと関連する仕事も若い時に面接に何か所か行ってみたが、速攻で断られた苦い経験も持っている。

 特称な場合も存在するがわたしのように背が高いことや、わたしの場合水泳だがスポーツで鍛え上げ腹筋も引き締まった身体な上、留学もしたこともあるような高学歴の人間は後先の問題もふくめ入れたくないそうで、言葉通り持て余している状態になっている。

 いら立ちを隠せないとまでは言えなかったが、面接を終え気晴らしに見ようと適当に借りたレンタルDVDの映画がこれで、これなら自分がこの怪物で勝手に繁殖して人間を絶滅まで追い込んだ方がまだいいのではないかと冗談で少し考えてしまったのだ。

 怪物ならば映画同様に退治される可能性も存在するし、人類と存亡をかけて戦うような非現実で非常識的だがある意味で楽しいことも待っているし、現実とは違う体験と人生を本能のままにおくれるとも思った。

 夢のような暮らしとも思われるが、年をとれば天才も凡人にしか過ぎないとも言われるし、お嬢様も35となれば普通のと言うか、立派と言えば変かもしれないがどこにでもいるありふれたおばさんだ。

社長とも言われ国際的な会社持ちだが小さい会社だし、どちらかと言えばわたしはお山の大将であり、大それたことはできないのが現実で持て余していることは多く存在し、子供の時のような夢踊ることや心臓が止まるほどおどろく物語など存在しないのだ。

 持て余しているとは言え自力での処理もできるし、立場も高いし、他人の力は時折で、それなりには何とかなっていると言う状態で、これがどこからか知らないが身内や交友関係で親族に漏れたようでもあった。

 確かに多少派手な面も存在するが、うわさとして1人歩きした分もないとは言えないし、親こと純一と玲はと言えば特に気にせず、肥大化した部分も存在し優衣たちに説明する必要もあるが、説明すると面倒になりそうだった。

これ以上の悪化を回避するためにわたしは口を開かないことにしたし、知っていても何も言わないし、優衣たちは黙認状態と言え、わたしはよほど重大なことが起きた以外話さないことにも決めていた。

わたしの性癖のことを家族と言うか、親族へ話すか話さないかは放置し、わたし自身現在気になるのはそう言った感覚がある気がするが、本格的にその気にならず、適当な場所で誘った3人との相手を最終的に断ったことだ。

 神さまになれるうわさの能力が関係しているのか不明だが、普段と違いそう言った気分と言うものに一切ならず、3人全員相応の場所や雰囲気まで言ったことは事実だが、最終的にその気にならず断り、後腐れも無いようにお金もわたした。

 最初の1人はわたしより2、3歳ほど前後があると思われる中肉中背の容姿も普通の男性で、世に言ういい雰囲気になっているように見えたがわたしが重要な状態になる以前に断り終わらせた。

 彼はと言えばどういうことだと言う表情をしていたが、わたしはと言えば足早に去っていき、少し時間をおいて別の場所で別の相手こそ少し年下の女性を誘って相手をすることにした。

 経験柄わかるが女性は男性との経験があるが女性との経験がないと言うのがまるわかりで、興味本位で誘われた雰囲気だった。

彼女が場の雰囲気に踊らされている状態になりかけている中でわたしは適当に止めて同様にお金を渡し、不用意に足を踏み込めると戻れないとか言うようなことを適当に言って彼女から去った。

 同じようなことを繰り返して3人目はと言えば4、50代ほどの少し髪の薄い男性で、断りお金まで出し、服を着ようとした瞬間ここまで来てと押し倒されかけたが、力技で振り払った。

 鍛え上げられている関係か握力が女性としては異常に強いし、腕を握って握りしめれば大の男でも悲鳴を上げさせ、最高抑え込むこともわたしはでき、わたしは男性の腕を強く握りしめた後抑え込みはしなかったが勢いよく振り払い男から去った。

 普段と言うか、感覚的なものだが3人ほどでは済まないような気分で、すぐにでも発散したいが、何かが違う気がすると言うか、自分でも何がしたいのかわからない状況だった。

「―――やっぱりかわいい~♡」

 現状のわたしはと言えば何事もなかったようにと言うか、そんなこと知らないと言うように施設を訪れ、陽菜たちの前にいて彼女たちのために買ってきたメイド服姿を着させてよろこんでいた。

 現実から逃避しているのかもしれないし、この子たちには迷惑千万かもしれないが、かわいいことは事実だし、35にもなったわたしが着て楽しめる服でもなく、目の保養になることは事実だ。

「―――えーと、愛さん、この格好には何か意味があるんですか?」

「特にないの~、だけどかわいいでしょう~?」

 質問をしたのは小夜だがわたしはと言えば正直にそうだと言うように返すしかなかった。

「ほかにもたくさんあるのよ~? よかったら着て~? これからに備えてたくさん用意しているの~?」

「職権乱用なんじゃ―――」

「いいからいいから~?」

 自分たちの身に何が起きているかわからないし、これからどうなるかわからないし、謎は多いが、わたしはと言えば表向きには陽菜たちに不安や不信感、不謹慎に思われないように平静以上に振る舞っていた。

 言う通りで服はメイド服以外にもコスプレ系の衣装を多くそろえ、陽菜が質問する通り半場職権乱用だが、わたしはこれぐらいは人間としてしてもいいと思った。

 自分が人間でなく怪物であった方がよかったと思ったことが過去にはあるとしたが、現状はと言えば自分は怪物以上の存在になっているし、眼の前には同じ存在の少女3人が存在している。

 後をお願いと言はれたがどこまですればいいかわからないし、わたしに本当は責任なんて物は存在しないのかもしれないが、なんとなくだができる限りのことはした方がいいと思った。

「―――でも、こんな格好、一度してみたかった。かわいい―――」

 陽菜と小夜が確かにかわいいけど現状でこの格好をするのはどうかと思うと言う表情の中で晴子はと言えば言った通りと言うか、少し恥ずかしそうだがうれしそうな表情をしていた。

 いつ何がどうなるかも本気でわからないし、不謹慎なことをしているかもしれないが、大人のわたしが一番安心しているように見せて、この子たちを安心させることが大切だともこの時考えていた。


 立ち回りがうまいのか、猫を被っているのか、世渡り上手なのか、わたし優衣たちと言った関係が深い人間の前だけなのか、深く考えすぎだがトランスと言ったように、精神的に異なる人格が存在しているのかと愛を疑うことは日常茶飯事だ。

 現状こと施設に来ている愛はと言えば来ている陽菜たちを半場着せ替え人形にしてご満悦と言う状況で、あのうわさのことと言い、真剣に考えているのかと少し疑うほどだ。

 疑うほどとは言え、愛は何とかすると言ったし、あの子たちを落ち着かせようとしたり、情報を手に入れたり、時間を稼いだりしている場合も存在するし、本当に計り知れない部分を持っている。

「―――――、愛。」

「―――あ? お姉さま?」

 様子を見に来たわたしはと言えば調度それを目撃した状態で、このままで本当に大丈夫かと心配になり、愛に声をかけると、愛は来てたんだと言うように反応した。

「あ、じゃないだろう? 遊んでいる場合か?」

 表向きには児童養護施設、裏向きには陽菜たちのような能力者を保護する秘密裏の施設を建造がここでは進んでいる言った通りのあそんでいる場合ではない状態だ。

 わたしたちのいるこの場所も愛が能力者の集合場所にするとか言っているが、ほかの場所が本格的な工事や改修、建造が終わる中で、ここは半場陽菜たちの荷物置き場や、子供の基地、大人にばれると確実に怒られそうな秘密の遊び場状態になっていた。

 陽菜たちは無論中学生であり、能力上仕方ないし、わたしたちの助力が必要で、わたしも少し悪いとも思うが黙認するとするが、一番の問題は愛の私物系だ。

「―――また服買ったな? それとあれは何だ? カメラ? 撮影機材? それとあの巨大テレビはまだわかるがあの下のゲーム機やDVDデッキと思われるものは何だ!?」

「―――あはは、あの―――」

「笑ってごまかすな!」

 愛が本気なのかと疑うのは本当のことで、愛がここに持ってきている私物の多くは半分以上陽菜たちで遊ぶための遊び道具で、わたしがどういうことかと聞く中で愛はと言えば軽く笑って答え、わたしは冗談にならんと返した。

 服とは言うがゴスロリやバニーガール、セーラー服と、一歩間違えれば怪しい店でも使われそうなコスプレ系の服が用意され、絶対撮影して楽しむ以外使用しない撮影機材に、テレビには遊ぶ気全開の最新鋭ゲームハードが接続されている。

「―――知ってると思うが、表向きには受け入れる人間や職員も集まっているし、寄付もグループやホールディング、それにアサルトトレーディングや関連会社に集まっているんだぞ? まだ運営まで半年以上かかる予定なんだぞ? その環境でだぞ?」

「―――順調なんですね。」

「ほかの国とかの大手までが援助しようかと言う話が進んでいる中で、肝心のここが進んでないだろうが!?」

 表向きこと偽装の方の児童養護施設はと言えば実は順調すぎる状態で、本格的機能は半年以上先を予定しているが、信じられないが受け入れる人間が殺到している状態だ。

 表向きにはそれなりに偽装ができればいいと言うのが愛と言い、総一郎と言い、わたしたちの目標だったが、現状を踏まえると本当に本末転倒な状況になりかけている。

 再三言うぞと言うように愛に言うが、よかったと言うように返すが、わたしはそれでいいのかと言うように返した。

「―――だけど、最近考えるんですよね―――」

「―――何をだ?」

「―――わたしたち自身わからないことも多いし、仮に安全だとしてもこんなところに勝手に集めてと言うか、連れてきていいのかって?」

 わたしがいい加減にしろと言う態度で話してる中で愛はと言えばだけどと言う通りの物言いで話だし、わたしが何かと言う中で愛は本当にいいのかと言うように返した。

「―――確かに、事実だとしても―――」

「お母さんたち、心配させたくない―――」

「晴子―――」

 眼の前で見たわたしたち事態信じられないし、事態解決のために仲間を集め、同じような惨劇が起きないようにすることが目的だが、ここに来ることは表向きの事情的にまずい場合もある。

 わたしが考えても見ればと言うように言う中で、晴子が心配だと言うように言い、わたしは確かにその通りだと言うように返した。

「黙って、出ていくことになるもんね?」

「それならまだいいんじゃない? 訳も分からず引きこもっている子もいるかも―――」

「小夜、陽菜―――」

 事情が本当であれ、うそであれ、他人に指図することや、強引にここに連れ込むことはできないし、第一ここは表向きには公的機関であり、他人やほかの家族や人間の領域に侵入するのはむずかしい状態だ。

 小夜がわたしたちは許可とか言うものをとっているからいいと言うように言う中で陽菜は続け、わたしは確かにその通りだと2人の名を呼ぶしかなかった。

「―――」

 調べてみたり、探してみたり、連れて来てもまったく能力が無かったり、持っていても断る場合も存在するし、小さな親切大きなお世話とか言うように言われる場合も存在する。

 行動範囲や能力の組織的限界という問題を解決する必要があると少し考えだす中で、愛が不意に両手を軽くたたいた。

「―――だから、一応は対策を考えておきました。」

「―――対策?」

 わたしがさてどうするどう動くと言う表情をしている中で、愛は一応は問題ないと言うように言い、わたしはどういうことだと言うように返した。

「これです。」

「パソコン?」

 わたしに聞かれた愛はこれから説明すると言うように言い、近くに置かれていたテーブルの方に歩き出し、テーブルの上にどういう理由かわからないが置かれていたノートパソコンを開き、起動させた。

「―――?」

「専用のコミュニケーションサイトを立ち上げたんです。」

「サイト? コミュニケーション?」

 起動させるとブラウザことウェブソフトを起動させると見たこともないようなサイトをわたしに見せ、わたしが何かと見ていると愛は簡単にと言うように言い、わたしはどういうことだと言うように返すしかなかった。

「―――お前な、TwitterやLineとかみたいにホイホイと集まるものだと思うか? 事情が事情だぞ? 少し見せろ? どうせ変なこと書いているやつのたまり場になって―――、ああ、やっぱり―――」

「―――でも、いくつかそれらしいのも―――」

「―――まあ、確かに整理するとそれらしいのも見れるが―――」

 考えてみるとITで情報収集と言うか、仲間集めを愛は考えたようで、わたしはうまくいくわけないだろうと言うように返しサイトの方を見てみたが、少しあれていた。

 大炎上と言われるほどの大問題とは言えないが怪しまれているのは当然の状態で、愛はと言えばむだではないと言うように言い、わたしも見ていると一応は良し悪しの状態は五分五分の状態だった。

 サイトは創設者こと愛が個人情報などは出してないが神さまになれるうわさの真偽や関係者、関係した出来事の情報収集をしていると言う発言を発端にかなりの量の書き込みがされていた。

 中途半端に造られたサイトではないようだし、管理もされているし、愛も冗談ではこんなことはしないだろうしで、情報は一応はかなり集まっているようだった。

『女の子しかなれないって話聞いた。』

『恐竜とかゾンビとか、白い彫刻みたいな姿の人間や怪物に襲われたと聞いた。』

『神さまになれた人間の中には眼が青白く光る人間が存在するらしい。』

 集まってこそいるが聞いたとからしいとか、どこのだれが呼んでもだれかから聞いたと言うような情報が多く、信憑性には欠けるが、これまでにわたしたちの身に起きたことを踏まえるとある程度は事実が一応は存在するようだった。

『宇宙人の出る映画みたいな話だけど黒いネクタイをしたスーツ姿の人間が時折助けに来るらしい。』

『全身黒い服で武装した集団が怪物を襲い皆殺しにするらしい。』

 見てみると関係ないようなことも書かれ、年に数回ほどテレビで放送される奇妙な出来事やら映像やらを集め談義する番組の中みたいなことも書かれていた。

『このサイト創設したあんたあれでしょ? テレビとかで宇宙人とか絶対いるとか言って眼鏡の大学教授とかと論議する類の頭お花畑のキチオタだろ? くっだらないしやめたら?』

『わたしはある宗教法人に現在所属していますが、あなたの確かめている神さまになれるうわさと言うのはわたしたちの崇拝する神たちの再来についてではないでしょうか? 詳細を聞きたいので返事をくれませんか?』

『わたしは仲間です。たすけに来てほしいです。怖くて何もできないし外に出れないし、だれも信じられません。あなたたちが真の仲間で助けに来てくれることを祈っています。』

 見れば見るほどで、わたしは見るのを一度止めた。

「―――」

「―――一応は情報は集まっていますし、使い方とか、理由とか、あの怪物のこともいずれわかると思います。ここも、その受け入れる準備を、少し急ぎます。」

「―――まあ、そうだな―――」

 こんなことでは逆に不毛だし、おい愛これはと言うように一言少し言った方がいいと思い顔を向けると愛はこれからですと言うように言い、わたしも言われたら確かにそうだと言うように返した。

 確かにそうだと言うように返したが、実を言うと愛の表情がそうした要因でもあって、わかってはいるのだが、まあここはと言うように、愛が大人になったにも関わらずわたしはつい愛を甘やかしてしまうのだ。

 陽菜たちも同じようなと言うか、似たような表情をしているし、現状どこまで言っていいか現実程度もわからないし、ある意味いつも通りに愛や陽菜たちに接していた。


 金持ちの考えていることと言うか、人間だれしもだが赤の他人が一番だが親族や友人の考えていることは完璧には理解できないことは当然の事実だ。

 事実は受け止めるとして、理解できないことは総一郎に呼び出されたわたし愛が総一郎にされた質問のことだ。

 施設の建造計画は予定通りに進んでいるし、グループを法的に解散させると言う計画も優衣を引き受けることをふくめわたしも少し協力して進んでいるし、問題もないわけではないが特に大きな問題もなく順調だが、新しい問題が生まれたとも言えた。

「―――イザナギノタタカイ?」

「―――その反応じゃ知らないようだな?」

 総一郎の聞いたことをわたしが一体何ですかそれと言うように聞くと総一郎は困ったなと言うようにわたしから眼を背け、ため息を大きく吐き出して言葉を返した。

「悪かった。」

「―――あの―――?」

「八千代、と言うよりも零夜がなんだがなんかあやしい組織に手を貸してるみたいなんだ。」

 ため息を吐きだした総一郎はあやまり失礼だったと言うようにわたしにいいからと言うように手を前に出していた。

自分も知らないしお前ことわたしなら知っているかもと言うように考えている表情と言うか雰囲気で、わたしがなんですかと聞きかけると総一郎はお前に隠し立てはしないと言うようにすぐに答えた。

「怪しい組織? れーくんが?」

「ああ、それに宗教かなんかが絡んでるみたいなんだ。怪しいな。」

「―――宗教―――?」

 意味不明だったが総一郎の言うことは少し気になる情報で、零夜の名前まで口にし、わたしがどういうことと聞く中で総一郎はまあ聞けと言うように言い、わたしはそうなのかと言うように反応するしかできなかった。

「―――まあ、見ろ―――」

「―――」

「―――と言うか、聞けだな?」

 言うと総一郎は見ているわたしから見て横こと座った方向に向けていたデスクトップパソコンの画面をわたしに向け、操作を始めた。

 わたしの倍以上生きているし、世代的なものもあり、機械が苦手だと言う偏見を持たれるかもしれないが、総一郎はなれた手つきでパソコンを操作していた。

『―――それで?』

『決まったことは変えられません。管理者の一族とは言え僕、いえ、わたしも参加者の1人に選ばれましたから―――』

 操作をすると保存されたらしいあるデータを再生させ、見てみると音楽用のソフトが作動しているように見え、音楽でも聞かせるのかと思うと、だれかの話し声だった。

 最初に声を出したのは聞き覚えのある声こと、少し機嫌の悪そうな八千代で、言葉を返したのは少し困ったことになっていると言うように返す零夜の声だった。

『まあ、それはあなたならば解決できるとして問題ないとします。それで愛は?』

『外すことも、選定も、結果を変えることは不可能です。』

 零夜の言葉を聞いた八千代は言った通りに気にしていないが、これが本題だと言うように聞き、零夜はそれについても同様ですと言うように答えた。

「―――? おじいさま、これ?」

「盗聴器だよ、家中に仕掛けられてる。それとここにはない。」

「盗聴器?!」

 意味が解らないが何にしても2人が話している音のようだったが、不意に総一郎が音を止め、わたしが近づきながらこれは何ですかと聞くように言うと総一郎は少しいら立っているような物言いで答えわたしはどういう意味だと言うように聞き返した。

「―――八千代だよ。俺に離婚すると言うか、させる要因を作ると言うか、証拠をどうしても手に入れたいらしい、業社とかに頼んで浮気とかのな? 浮気請負の女も幾らか雇っているらしいしな。」

「そこまでして―――」

 わたしがおどろいている中で総一郎は仕掛けたのは俺じゃないと言うように返し、詳細を説明したが、八千代が仕掛けたと言い、信じられないと言うように返すしかなかった。

「ホールディングには古株の支えもあるが現在グループが経営手動をほぼ握っているし、俺のグループ崩壊計画も漏れている可能性もある。どーしても俺を悪人にしたいんだろうな?」

「―――」

「―――俺が女として本気で愛していたのはリヴァだけだ。それにあの女のせいで俺は3人も生む手伝いしてあいつはまじめにしない子育てもして大学まで行かせて精力なんて枯れ果ててんだ。年も考えろ―――」

 探せば探すほどと言う状態で、わたしがおどろいて言葉を失っている中で総一郎は背を後ろに向け疲れているんだと言うような雰囲気ながら言葉を続けた。

 総一郎の言う八千代がまじめに子育てをしないと言うのは本当と言うか、かなりの男尊女卑的で、純一が海外留学などもしたが、あとこと裕子たち娘が高校進学や大学進学の方針などをかなり反対したそうだ。

総一郎はわたしたち孫娘たちもだが純一をふくんで娘たちを手伝って大学進学まで面倒を見たし、わたしをふくめて海外留学もさせてくれた。

静や真維が海外で暮らしているし、わたしほどではないが、よく言えば謙虚な大和撫子と言えるが悪く言えば男尊女卑的で、八千代は少し悪く見られていることは必然だ。

「―――まあ、こう言ったスケベな話は大人になったとはいえ孫にする話でもないし、本題はこれからだ。続けるぞ? いいな?」

「はい―――」

「―――しゃくに触ったと言うこともあって仕返しと言う部分もあったんだが、本題はそれを逆利用して逆に盗聴した記録を整理した会話なんだ。」

 落ち込んでたりしていても仕方ないと言うように総一郎は身体を戻すと再び操作を始めて会話を再生をしていいかわたしに聞き、わたしがいいと言う中で詳細を話し出した。

「不謹慎だがある意味便利なもんだよ? それにあいつが仕掛けた物だからこんなことしていても俺がすぐに疑われることもないからな?」

「―――そうですか―――」

「ある意味違法行為だからな? 真似するなよ? 愛?」

 手慣れた手つきでと言うように総一郎はキーボードやマウスを操作しながら言い、わたしが答える中で総一郎はこれだけはと言うように言って再び音声の再生を押した。

『―――しかし、審判となった神野じんの家の報告によれば無事ふるい落としには成功したそうです。』

『―――さすが神野家ね?』

『はい、事実いぬだと思わしきジャーナリストの男性と、さるの大谷家の令嬢が行方不明だと言う情報が出ています。いととりと思わしき人間の死亡も確認されました。』

 わたしがしませんとか言う前に再生された音声の中で零夜は問題は起きたがこのままではないと言うように言うと八千代はいいですねと言うように返し、零夜は続けてと言うように返した。

『―――肝心のみの男は? それと大谷と言えば牧野家の代わりに雇用した忍び一族よね? 働きはどう?』

『みの男は現在シンガポールにいると言う情報があり、大使館などや彼の勤める会社のその支社に確認の連絡したのですが、反応も悪いし、死んでいないとは言え身動きはできない状態こと、日本には来れないと思われます。』

 零夜の少し安心したような物言いに対し、八千代はぬか喜びは厳禁だと言うように言うが、零夜は抜かりはないと言うように返した。

 言っていることの深い意味は知れないが、ふるい落としをはじめとして死亡や行方不明と、少しいい雰囲気ではないことをよろこんでいるような不謹慎な部分が見られた。

 声に時折小さい砂嵐や音の大きさの変化や、一時的に切れそうな部分が存在するが問題なく聞き取れる程度だった。

『―――大谷家については確かに有能ですが、全盛期の牧野家と比べると規模や能力、人数は各段に劣りますし、令嬢が行方不明の一件もこれからの動向やホールディングとの関係に深く影響すると思います。』

『―――そう。』

『それと牧野家は先代から縮小を始め、現当主の養生で思考転回し、暗殺稼業など裏の事情に関与する仕事は国をふくめ一切だれからもどこからも請け負わない方針を決めているそうです。』

 零夜が報告し、とにかく八千代が聞いていると言う状態だった。

『現在は本家こと神宮寺家御庭番の本格戦闘勢力を筆頭に、小さい柔道場や剣道場などの普通の武道場を切り盛りして残す程度です。規模で言うと全盛期の10%ほど残っていますが、制裁はどうされますか? されますか?』

『―――不要です。惜しい人材で不謹慎ですが再生の見込みもない、手を離れたが経済的援助も求めてこないし、わたしたちの誇りを守りもせず無視し汚すも同然の人間たちに手を下せばわたしたちの手が汚れるだけです。』

『わかりました。』

 零夜は御庭番なんていう時代劇のような言葉を口にするし、八千代も詳細な理由はわからないが牧野家と言う一家を悪く言っているし、全体的にと言うか、感覚的に雰囲気のいい会話とは思えなかった。

『―――それと―――』

『何?』

『―――みの男のことです。』

 雰囲気のいい会話とは思えないが、事務報告と言うように零夜は続け、あと一つと言うように言うと八千代が何かと言うと零夜は答えた。

『―――』

『勤める会社に連絡する際、と言うか再確認する際身分を聞かれ、ホールディングの名義とあなたの代理として名前を使ったのですが、数日後返事が来ると、我社はグループと協力関係にあると言われまして、以後協力できないと返されました。』

 音声だけでわからないが八千代がかなりいやな顔をしたのが眼に見えてわかる間が空き、少し時間を置いて零夜は要点だけを伝えますと言うように言った。

『少しと言うか、かなり高圧な物言いで、あの会社がグループと関係があることは少し知っていましたが、これほどとは思いませんでした。以後、グループ代表こと、総一郎さまの耳にこの情報が届く可能性があります。』

『―――届いても問題ないでしょう? 彼に理解できるほどの知識や協力、能力もないし、理解できても対応することは不可能だと思います。』

『―――』

 零夜は少し不測の事態が起きたと言うように言い、最悪なことになる可能性も示唆するとも言うが、八千代は確かにそうだがそれほどの脅威ではないこと、想定内の事態だと言うように返した。

『―――零夜さん、確かに彼は賢いけど、イザナギノタタカイへのあなたや愛への関与や、湯川家の裏事情まで知ることはできません。あなたはイザナギノタタカイへことを集中しなさい? それと表向きもふくめて報告書の破棄を忘れずにね?』

『―――わかりました。―――失礼します。』

 わたしの思い込みかもしれないが、あなたは安心し過ぎていると言うように零夜が黙っている中で、八千代はそれよりも早く行けと言うように言い、零夜は言うとおりにして出て言ったようだった。

 家中に仕掛けられていると総一郎はいい、音声だけで場所はわからないが、少し小さいがドアの閉まるような音が最後に聞こえ、総一郎は音声を止めた。

「―――イザナギはおそらく、日本神話の伊弉諾、タタカイは無論戦闘の戦い、前にお前に見せてもらった神のうわさの能力と言い、神や宗教に関係するし、お前の名前も出してたし何か知っていると思ったんだが―――」

「―――」

「まいったな。情報は手に入るのに、答えにたどりつけない―――」

 音声を止め、わたしがほかにはないと解っているが画面を見続けている中で総一郎は口を開き、わたしが眼だけは一応向けようと言う中で、言うとおりにダメだと言うように言い、背を後ろに向けた。

 外見よりも若く見え、背筋も伸びて曲がっておらず、元気そうだが、よくみてみると歳相応に疲れているんだと言う雰囲気が出ていた。

 総一郎の身体のことも少し心配だが、音声と言うか、会話を思い出してみると確かにわたしの名前も出たし、イザナギノタタカイのイザナギが日本神話の伊弉諾ならば確かに神に関係しているし、能力の手がかりの可能性も高いと言えた。

 会話の内容も気になるが、一番の疑問は零夜と八千代が話し合っていることで、確かに2人がホールディングの人間として関係はあるのは明確だが、会話の内容は経営などのことで話している内容とはだれが聞いても解る別物だ。

 総一郎も零夜が怪しい宗教の組織と関わっているとも言い、表立っては聞けない情報が手に入ったとも言えた。

「八千代のやつには俺と違い湯川家としての先祖代々の本格的なパイプがある。先祖代々の中に怪しい宗教や組織、人間がごまんといる。零夜もその1人なのは明確だ。」

「―――――」

「―――出て来たワードの中から検索したり、零夜が言うようにシンガポールに関係する協力してる会社も調べさせてみたんだが、多すぎるし本当に手掛かりになるようなならないような情報ばかりだ。」

 興味が会話に少し移りかかりながらもわたしは総一郎にお疲れですね言うように声をかけようとする中で総一郎は身体と言うか、眼を勢いよくPCの画面こと前に戻すと勢いよく話だし、操作すると次は書類のような資料を出し始めた。

「神野大谷、牧野と、出てくる名前と言うか、苗字をふくめほかにも調べさせてみたんだが、怪しいと言うか、不鮮明な情報ばかりでな?」

「不鮮明?」

 操作しながら総一郎は言った通りに本当に手掛かりになるようなことが無いと言うように言い、わたしはどういうことかと言うように聞いた。

「―――まず最初の神野家なんだが、―――と言うか疲れた。ほかをふくめてプリントアウトするから自分で眼を通してくれるか? フラッシュメモリーにいれた方とかがいいか?」

「―――あ、そうですか―――」

「すまん、歳だな―――」

 聞けと言うように言うが、総一郎は目頭を手で抑え、疲れたと言うのが丸見えでこれ以上は無理だと言うように言い、わたしは無理しない方がいいですよと言うように言う中で総一郎はあやまった。

 あやまりはするが総一郎はPCが一般に流通し始める時代の前の時代と言うか、一般化が始まったのは調度わたし生まれた頃で、孫がいるような人間が使うと言うか、使えるようになるのは若いころに存在しないことをふくめると至難の業の領域だ。

 わたしは総一郎から先ほどの会話の音声をふくめ、調べた内容を記録したUSBフラッシュメモリーを受け取ることにした。


神野家


湯川家との関係性を踏まえ神主をしている神野修の一家が関係していると思われる。

神野家の家系に特に大きな問題はなく、娘沙良(34)も大学卒業後大手企業に就職するかたわら神社関係の職務の資格なども取得し活動もしている。

家族や交友関係、金銭と言った大きな問題となる問題はなく、特に問題の無い家系である。


いぬと思わしきジャーナリストの男


 いぬと言う言葉が動物の犬などを意味するかは不明であり調査を継続しています。

 湯川家に関係することではないがプロのカメラマンでありジャーナリストの望月雷也(28)と言う男性が現在行方不明である。

 偶然の一致か不明であるが、望月雷也は現在28才であり戌年生まれ、関係性がないか調査を進める。


さるの大谷家の令嬢


 湯川家との関係性を踏まえ、湯川家と関係を持つ大谷有限会社社長の娘大谷楓(30)と推定される。

 大谷有限会社はホールディングに数十年前から援助され急速に会社としての発展をしており、大谷楓自身も会社内で少し大きい権限を持っている。

 望月雷也と共通するか不明だが、偶然の一致か彼女は年齢を踏まえると申年生まれであり、彼らの言ういぬ、さるは動物、または干支などの動物を意味しているとも推定され、さるはさるお方などと言う文法の使用法でないと推測される。


いととりと思わしき人間の死亡


 漢字は不明だがいととりと言う苗字、または名前の人間が実在し、最近そう言った人間が死亡していないか調査中である。

 会話内容を踏まえ、干支の動物を意味する亥といととり、言わばイノシシとトリとも考えられ、関係する人間が死亡していないか調査中である。

 干支に関係し、これは調査者たちのこじつけかもしれないが、最初に調べた神野家の娘沙良は辰年生まれである。


牧野家


会話の名前から調べた情報だが、牧野養生と言う道場経営者と家系だと思われる。

 現在では非常に小規模だが牧野家は3、40年ほど前は支部を多く持つ大手武道場経営組織としても有名であるが、養生が経営者として就任後は縮小を開始し、現在は全盛期の10%ほどの規模で活躍している小規模道場である。

小規模とはなるが人気はあまり衰えておらず、江戸幕府全盛期将軍家や旗本大名の守護をしたと言う逸話も存在し、秘術なども存在するとされ、一部の人間からはカルト的な人気も存在する。


神宮寺家


 前述の牧野家にも関係するが、牧野家に守護されていたと言うよりも、牧野家が神宮寺家の行事などを大名からの命令などで補助をしていたとされる。

 神宮寺家は現在会社員の神宮寺龍蔵が管理している神社が存在し、龍蔵は養生と友人関係であり、現在でも牧野家との関係があることも確認される。

 確認こそされ長い歴史を持つが、龍蔵の息子道、牧野養生の娘枝葉との姉弟のような関係を踏まえるとご近所づきあいと言う程度の関係と推測される。


忍び一族


 調査の関係で判明したが大谷家と牧野家は忍者の家系である。

 忍者の家系とは言うが、実際問題として現在でも裏で暗躍と言うか、職業柄活動しているかと言う事実は忍者と言う存在上真偽は現在過去未来をふくめ不明であり、真偽の追及はむだであると思われるが一応調査を継続する。

 牧野家が道場経営していたと言う調査結果を出したが、現在では牧野家とは経営上縁を切った関係のない道場や人間などが忍者の教育を請け負っている場合も存在していると言う情報を現在手に入れている。


肝心のみの男


 会話の内容やこれまでの調査内容を踏まえると、蛇を意味する巳年の男である可能性が高く、会話内に登場したシンガポールと言う国名を参考に、海外旅行中や在住の邦人などを現在調査中である。

 会話の内容から湯川グループと関係すると言う事実が存在し、関係するシンガポールなどの海外の会社も調査したが、該当する人物をたとえ邦人に限定したとしても膨大な人数の人間が存在している。

 会話に関連してみの男が勤務する会社の人間がホールディングに協力できないと言う意志を示したことを踏まえると、グループに強く関係し、関連を持つ会社に所属する社員であり、味方の可能性は高いと言える。


イザナギノタタカイ


 イザナギが伊弉諾、タタカイが戦いと推定され、伊弉諾の戦いが正確な文字と推定される。

 伊弉諾とは日本書紀や古事記に登場する日本神話に登場する神々の1人の男性の神で、2対1体となること女性の神で夫婦となる伊邪那美いざなみが存在し、日本創世に深く関与し数多くの神を生み出したとされている。

 神話の中で伊弉諾や伊邪那美が激しい戦いをしたと言う話は存在しないが、伊邪那美が死に死者としてけがれたことを発端に2人が対立することや、会話からの推測から宗教的儀式とも推測され、参加者の命が関わる危険な儀式とも考えられる。

 

総一郎の渡してくれたUSBフラッシュメモリーに移された資料を受けとったわたし愛は、自分のと言うか、陽菜たちと会う場所においていたノートパソコンを使い資料に眼を通してみて、大体の情報を整理してみた。

整理こそしてみたが、わたしたちの身に起きたこととは関係がないと言う情報ばかりで、情報をくれた総一郎の言う通りで、調査も途中のようだし、わたしが整理しなくても不鮮明とわかる状態だった。

関係ないかもしれないが八千代はわたしの名前を口にしていたし、自分の身に起きたことも踏まえ、神には一応関係しているし、一応はと言うように頭には入れておかないといけないと思った。

座って少し考えて自分の部屋で見て整理すればよかったかもしれないとも思ったが、最近はここに来ることが多く、わたしもここで寝泊まりできる準備もしているし、陽菜たちが来ない可能性があるとしてもいつ来てもいい状態にしておきたかった。

「みの男? ヘビ? それにシンガポール?」

 八千代がわたしの名前を口にしたことと、偶然の一致かもしれないがあのうわさとこの話が一応神と言う言葉で関係を持っている可能性が存在する中で、わたしはこれも偶然の一致なのかと思う言葉も見つけた。

 わたしが見た夢のような出来事で見ただれかもわからない男のことで、彼の年齢や生まれ年なんてわからないが、彼の眼を見た後わたしは確かに彼の眼をヘビの眼だと考えてしまったし、以前の優衣の話しでシンガポールが出たことも思い出したのだ。

 確かめても見たいが、八千代や零夜を、特に八千代だがわたしが問いただしても絶対に話さないだろうし、聞くだけむだかもしれないが、偶然の一致だとしても、奇妙すぎる一致だと言えるのも確かだった。


現状に置いて事実をだれかと言うか、普通の人間に教えると言うことは、最悪予期せぬ結果を生み出す可能性も高く、簡単には話せないし、わたし優衣も仲間のようだが判別できるわけでもないが、事情を知った仲間が欲しいのは事実だった。

多ければよいと言うわけでもないし、総一郎のように愛を全力で補助するような人間が存在するわけでもないし、わたしは一応と言えば失礼だが期待できるし、零夜に話すことに決めた。

携帯で話すだけでは信じてもらえないと思うし、施設に呼び出したが、零夜はと言えば優衣ことわたしに呼び出されるようなことしたかなと言う表情をしていた。

零夜はホールディング側の一応偉い人間であり、わたしもグループの一応偉い人間だし、お互い会社に関係する会議や電話と、話す機会がないわけではないが、個人的なことで呼び出すことが無いのが普通だ。

幼い時は愛もだが一緒に遊んだりもしていたが、成長して大人になれば特別な感情を持った関係でもないしそうなるのが普通で、わたしも呼び出してすまないと言う表情をするしかなかった。

「―――愛のことだ。」

歩き出す中でわたしは本題はと言うように切りだし、零夜も顔を見ると愛のことかと言うような表情をしていた。

「―――大学卒業したかと思えば、海外留学して、1流企業に就職したかと思ったら会社始めて、次は慈善事業チャリティー、何でもしますよね?」

「―――まあな。」

 零夜はと言えば最近のこともふくめ、愛はすごいですねと言うように言い、わたしもそうだなと言うように返した。

「―――最初は、留学から帰った後とかでグループの関連会社とかで秘書とかとして働かせる予定だったんでしょ? それがあんなに逆転しちゃって、ある意味で―――」

「―――――」

 大学卒業後にしろ、留学後にしろ、愛をグループと言うか総一郎や関連会社の秘書として働かせる予定があったのは事実だし、現状に発展したのはある意味予定外の状態とも言えた。

 35にもなりさすがにもう落ち着いただろうと言う中でこの事態で、言葉や外向きにはでないがわたしもだが、零夜と言い内心かなり慌てているとも言えたが、本題は愛の身に起きたことだ。

「―――それでだ、まあ、大人にもなったし、35にもなったし、歳よりのたわごととも言うし、わたしもそんな年に近づいてるし口だしすべきではないと思うんだがな―――?」

「―――心配は心配、なんですよね? 親にとっては子供はいつまでたっても子供だっていうし、たとえ従姉でも姉にとっては妹は妹、僕も妹のように扱ってきたし、僕も少し心配です。最近のあの調子と言い―――」

「零夜―――」

 本題を話さなくてはいけないが、率直にと言うか、正直にと言うか、見ても信じられないし、順序立てて話す必要があるし、わたしも困っていると言うよう説明を返す中で、零夜も同じように返した。

 表情も確かにそうですねと言う心配する表情で、わたしも解ってくれるかと言うように零夜の名を呼んだ。

「―――まあでも、僕たちみたいな心配する人間とか、聖歌さんでしたっけ? 優秀な部下にも恵まれているし、愛も人徳があるし、見放しはしませんよ。」

 困ってこそいると言う表情を見せたが、言う通りで兄のようにと言う言葉がたされるような言葉を返した。

「―――愛のこと、頼めるか?」

「―――優衣さん? あっちの方いくの? 愛の特別担当部署だよね?」

「―――ああ? 本題はこっちでしないといけないからな。」

 本題にと言う状況だが、歩く途中でわたしは方向を変えると言うか、いつも通りに愛や陽菜たちのいる場所へと行こうとすると、零夜が少し嫌そうな物言いで返し、わたしは陽菜たちもいると解りやすいし、来てくれないと困ると言うように言った。

 悪く言うと遊び場になっているあの場所は表向きには愛が担当する特別部署と言うことになっており、現在は陽菜やわたしたちを除外し、特別なことがない他者の限り出入りを禁止されている状態とも言える。

「―――」

「どうした?」

 子供がそっち言ったら不味いんじゃないのと言うような表情を零夜はしているし、わたしは問題ないし来ても問題ないと言うように言うが、零夜は少しと言うか、一応隠してはいるが嫌そうだった。

 わたしがかまわないと言うように先に入り、あわせるように入っても来たが、本当にいいのかなと言うような表情もしていた。

「―――あ、いや、愛が小さい女の子連れて来てることありますよね? 確か―――」

「陽菜か? 小夜? 晴子?」

 出入りする人間が少ないとはいえ制限を設けているわけではないし、わたしがどうしたと聞くと零夜は言うべきかなと言うように口を開き、わたしは女の子と聞き、陽菜たちの名前をだして行った。

「―――何度か見たんだけど、なんていうか、眼があった事もあって、話しやあいさつとかもされたんだけどその中の1人の子が、なんか、なんとなく、苦手で―――」

「―――苦手?」

「さっき言った、陽菜って言う少し変わった名前の子なんだけど、なんか、怖いって言うか―――」

 話せば話すほど零夜の物言いは悪くなり、わたしがどういうことかと聞く中で、零夜はまるで少し脅える子供のような物言いで返した。

「怖い?」

「―――なんか、眼と言うか、全体的に―――」

「気のせいじゃないのか?」

 陽菜が怖いとはどういうことがわからないし、零夜はなんとなくだがと言うように言い、わたしもなんとなくと言うか、言うとおりに気のせいだと言うように返した。

「―――それに、あの時に愛に似てるような―――?」

「あの時? それに愛? まさか? 考え過ぎだろう?」

 言いながら零夜は理解できないと言うか、気に入らないと言うような物言いでもいい、あの時が何時の時かわからないが、わたしは愛に似ていると言うことを聞き、わたしは違うと言うように少し笑いながら返した。

「―――陽菜と愛は似てないだろう? 何にしてもだ、愛? いるか?」

 零夜の言っていることは少し意味不明な気もするが、歩いているといつの間にかと言うように普段愛たちが来ている場所へと到着し、わたしは玄関こと、大きな両開きの扉を開けながら愛を呼んだ。

「―――お姉さま―――、れーくん?!」

「―――どうした? って? 陽菜たちは来てないのか?」

「ま、毎日は来ませんよ―――? 携帯でも連絡あったし―――」

 扉を開けるとノートパソコンを見ながら少し考え事をしているように見える愛の姿が見え、わたしの声に反応する中で、後ろにいた零夜に対しておどろいた反応を見せた。

 室内を見てみると零夜にとっては幸運か、陽菜たちは来てないのか姿が見えず、わたしが零夜に対しておどろいていると言う部分もあると思うが、彼女たちはどうしたと言うように愛に聞く中で、愛は少し慌てた様子だった。

 少し思い出してみるとと言うか、考えてみると愛の言う通りで、陽菜たちも毎日は来ないのが当然だ。

「―――なんだ? まるで子供が違法性のアダルトサイトでも見ていたような反応だな?」

「あ、あの、少し忙しい仕事がありまして―――、ホントですって?!」

 言うわたしも問題だと思うがパソコン見ていて人が来て慌てると言えば見ていると気まずい雰囲気になるサイトである可能性が高いし、愛は違法なアダルトサイトかどうかは不明だが実際見ていたら不味い状況になるものを見ていたのは明確だと言えた。

言った後本当に見ていたのかと言うように冗談半分でパソコンの方に眼を向け、首を傾けると、言い訳しているように言っていた愛は率直に否定した。

事実上パソコンを見てみるとサイトなどは開いておらず、黒い壁紙で左側にショートカット用のアイコンが見えるデスクトップ画面が映っていただけだった。


優衣はわたし愛にとって最大の味方にもなるし、最大の敵にもなる可能性が潜んでいる。

優衣はグループとホールディングの仲介役でもあるし、グループの処理の1つとしてわたしの会社にも出入りし、正規の社員として雇用する準備も進めているが、優衣がホールディングに移る可能性もないとは言えないのが現実だ。

総一郎が死んだ場合純一ことわたしたちは湯川家と本格的に血縁もないし、総一郎の処理が間に合わず、優衣がホールディング側に本格的に行けば、八千代の指示でわたしと言うか、わたしたちの会社も吸収される可能性も存在すると言える。

別段吸収されたり会社が消えると言うのが嫌と言うわけではないが、八千代に振り回されるのは必然だと言えるし、無茶な経営戦略や経済的発展を目的とした政略結婚と、行動に制限をかけられるのは必然だ。

 総一郎の計画は順調に進み、純一や玲、わたしの協力もあって1、2年後には実現するそうだが、わたしの考えた最悪のシナリオが進行していない可能性は決してないとは言えず、優衣はその要点と言える。

「―――それよりも?! どーしたの? れーくんまで連れて!?」

 総一郎か渡された資料を見てどうするかとも考えていたし、優衣に説明するべきだとも考え始め、湯川家の事情にも振り回すことにもなるし陽菜たちが来ていなくてよかったと思う時に優衣が来たが、なぜか零夜が一緒に来ていた。

 調度よくと優衣が来たが零夜がいるとなると好都合とも言えず、味方とも敵とも言えない状態で、資料のことを気づかれないかと心配で、わたしは少し慌てていたし2人から見て怪しまれているのは明確だった。

 優衣が冗談のように子供が違法性のアダルトサイトでも見ていたみたいだとも言ったが、実際問題見ていた方が自分のこともあるし、興味があったとか言って開き直れるし、まだ心臓にいい方だとも思った。

「―――零夜に、事情を話した方がいいと思うんだ。」

「事情?」

 わたしがどうして零夜がと言うように聞く中で優衣は少し軽い雰囲気だったが、本題はと言うように少し空気を重くするような物言いで返し、零夜はと言えば何のことだと言う反応で返した。

「―――おじいさまにも見せたんだ。八千代にもゆくゆくな?」

「はあ―――」

 言われて見れば確かにそうで、おじいさまこと総一郎には見せていて協力してもらえているし、優衣は零夜も仲間に入れ、最終的には八千代も仲間にした方がいいと考えたようだった。

 少し考えてみるとわたしと八千代では協力することは絶対にないし、零夜も最近話す機会も少ないし、優衣の提案は少しいい案とも言えた。

「―――事情って―――」

「―――お? 陽菜?」

 うまくいけばイザナギノタタカイの情報なども手に入るなと思っている中で、零夜が事情って何と言い書ける中で愛が来た扉から音が聞こえ、わたしもだが眼を向けると陽菜が来ていて、優衣は声をかけた。

「―――違う!」

「?」

「陽菜ちゃんじゃない―――」

 違うと言ったのはわたしで、優衣がいったい何が違うと言う反応だが、わたしは自分でもわからないが、入って来た陽菜が見えた瞬間に一瞬別なものと言うか、人間と言うか、理屈では説明できないが陽菜でない気がしたのだ。

 雰囲気と言うか、感覚とも言うべきかもしれないが、神の能力でそう言ったものが鋭敏になっている可能性もあるが、零夜も来たこともあるし、あせっている部分もあるかもしれないが、わたしは瞬時に口を開いてしまっていた。

 勘違いとも言え、それで済めばいいかもしれないとも思うが、陽菜はと言えばわたしの言ったことが瞬間的なことで理解できていないのかわからないが、何か起きたのかと言うように優衣の後ろで足を止め、外見は間違いなく陽菜だった。


 愛の言うことが事実だと言うのは認めるしかないと言うべきだ。

 わたしが零夜を連れて話をしようとしていた中で、愛は少し慌て、零夜が事情って何と聞くように言い、話しを進めると言うようにわたしが切りだそうとする中で、陽菜が来たことまではある意味で普通の状況だった。

 神の能力の覚醒と言う常識外の事態は存在するが、無視して一応のこの場での陽菜が来ると言う常識的な一場面だが、本題は不意に愛が陽菜を陽菜でないと言い放ったことだ。

 陽菜ではないと言う愛の表情と物言いは瞬発的に出たと言う表情で、絶対に違うと言う表情だった。

「―――おい、愛、何を言って―――」

『やはりわかりますか?』

「―――る―――?」

 冗談のような表情ではないと言うか、その場しのぎのうそにも見えず、陽菜も困るだろうと言う状況で、わたしがどうしたんだと言う中で、陽菜の方から陽菜とは異なる奇妙な声が聞こえ、わたしは陽菜の方へ顔を向けた。

 奇妙な声と表現したが、小夜や晴子の声や普通の人間の声ではなく、機械などで合成されたと言うか、無線機のような通信機器を通したような声で、同じ声が重複しているような声だった。

「―――姿が―――?」

「―――だれだ?」

「―――」

 口を開いたのは零夜で、言う通りだし、愛の言った陽菜ではないと言うのは事実だったと言う状況で、陽菜と言うべきか、陽菜に化けていたその人間は瞬時に別の人間へと姿を変えた。

 形を変えたと言うよりも、瞬時に別人に変わったと言う印象で、陽菜とは声もだが外見も身長も、雰囲気も服装も異なる人間になっていてわたしたちに何も言わずに眼を向けた。

 外見的には陽菜よりも2、3歳ほど年上に見える女性と言うか、中学校2、3年か、高校1、2年世ほどに見える少女だった。

少女は年齢不相応以上に落ち着いたと言うか、冷たいと言うべき表情に加え、不釣り合いな白いシャツ以外ネクタイまで黒いスーツ姿で、足から下もスカートではなくズボンで、幼くも見えるが、女性らしい細く引き締まった身体だと認識できた。

「―――――」

 わたしも零夜もおどろいてているが、一番おどろいているのは愛で、まさしくそんなと言う表情で少女を見ていた。

「―――な、か、ま、なの―――?」

「な、か、ま? 仲間?」

「―――なに? 何なの? この子は? 新しい子とか連れて来たの? 2人とも?」

 何者だと言うようにわたしが見ていると、片言と言うか、1文字ずつだが口を開いたのは愛で、わたしも愛の言った仲間と言う言葉の意図を理解し、少女を見る中で、零夜は何事か意味が理解できないと言う状態になっているようだった。

「―――仲間ではありません。関係者、傍観者、そして回答者、とでも言っておきましょう。」

「―――回答者―――?」

「―――」

 状況と言うか、少女の言うことも意味不明の状態で、零夜がだれなんだと言うように言う中でわたしも言葉を返せなかった。

「―――関係者と言いましたがこれはあくまで立場であり、わたし自身の名は桜、佐藤桜と言います。」

 以後お見知りおきをなどと言いそうな冷淡な口調で少女こと、佐藤桜は言うと言葉にあわせて軽く会釈した。

「―――陽菜ちゃんとかの、友―――」

「違います。それとあなたはここにいると危険ですよ? 高橋零夜さん。」

「―――――」

 陽菜の友達の中で少し変わった子がいるんだなと言うようなことでも零夜が言いかける中で、桜は率直に答えを返した上、零夜が名前を言ってないにも関わらず、桜は零夜の名前を口にした。

「あなたも同様ですよ、湯川優衣さん。」

「―――名前を―――?」

「―――――」

 次はあなたですよと言うようにわたしに言い、愛も見覚えがないと言う表情をしているし、桜はわたしたちが名乗りもしていないのに、名前を知っているようだった。

「―――あなた、何者―――?」

「わたしが言えるのは現状ではあなたたちに危機が差し迫っていると言うことだけです。」

「―――?」

 現状で一番正しいとも言える言葉を口にしたのは愛で、桜は確かに何者かは名のったが、明確な答えでもない状態だが、桜はと言えば答える気はないしそれ以外のことならと言うように言葉を愛に返し、愛はと言えば意味が解らないと言う様子だった。

「―――ハロー?」

「?」

「レン? ああ、うん、わかってる。だけどわたしは確認しないといけないから。」

 意味が解らないのはわたしも零夜も同じだが、桜を見ていると不意に桜から少し音が小さいが調度電話の着信音のような音が聞こえた。

わたしたちが軽くおどろいている中で、桜は片方の耳に手を当て、耳に携帯に連結されてイヤホンを装着しているようで、だれかと話し始めた。

言っていることの深い意味は計り知れないが、愛や陽菜たちの何かに関係していることは事実だし、10代前後半ほどに見えるが不釣り合いな背格好や姿や話し方と言い、普通ではないことは明確だった。


神さまになれるうわさの能力を仮に第6感のような感覚や能力の覚醒と考えるとする。

5感とは眼で見る視覚、耳で聞く聴覚、鼻でにおいを感じる嗅覚、舌で味を感じる味覚、手で触れる触覚で、第6感とは科学的にそのどれにも属さず、根拠も存在せず、科学的に説明できない感覚で、超能力などがそれに該当するとされている。

不意に桜と名乗る謎の少女があらわれた中で、わたし愛がなぜこのようなことを言ったかと言うと、桜が話している中で、能力の覚醒と呼べるものが起きたからだが、この覚醒を意図的に、言わば自分の意志で起こせないかと思ったからだ。

 一瞬強い頭痛が走ったかと思うと身体中にその痛みが伝染したかのような痛みが起こる上、通常の人間では起こせないことが不意に起きてできるとすれば、だれでなくても迷惑だし、制御できないかと考えるのは当然だとも言える。

「―――――ふせて!」

 身体中に起きたかと思った不快感が一瞬で消えたわたしは、思わず起きたことにあわせるように零夜と優衣に対して勢いよく言い、地面にふせた。

 意味不明な行動だが、起きた瞬間に視界が一瞬塞がれたと言うか、別の光景が見えたと言う状況で、わたしは塞がれた後、同じ光景の中で何かと言うか、煙が勢いよく飛んでくるのが見えた。

 見えたかと思うと光景が消え、普段の光景へと戻ったが、根拠のない自信かもしれないが、わたしがその光景が非常に近い未来の光景の可能性がして、危険が迫っていると思い、思わずと言うように行動に出てしまった。


 愛が不意に意味は解らないが伏せてと言った後、だれかに後ろから突き飛ばされたと言うか、押し倒されたようにわたし優衣は感じた。

 感じたと言うか、愛は少し離れた場所にいるが調度愛に押し倒されたならばこんな感覚ではないかと言う感覚だったし、零夜が押し倒したわけではなく、零夜のほうに眼を向けてみると零夜も地面に倒れていた。

 倒れてこそいるが、わたしが地面に倒れ、零夜も倒れていることを実感したのは、なぞの音のあとだった。

「―――零夜?」

「優衣さん? 愛は?!」

「―――?!」

 音と言うか、視界と言うか、正確には頭上だが煙や土埃、細かい何かの残骸が舞っていたり落ちて来たりしている状態で、わたしは零夜を確認し、声をかけると零夜はわたしを確認した後愛のほうに眼を向けわたしも眼を向けた。

「―――なんだ? 何が起きた―――?」

「愛? 大丈夫?」

「わたしは大丈夫ですー!」

 考えられるのは何らかの事故だと思うが、わたしが何事かと言うように言い、零夜が愛を呼ぶと少し遠くに見えた愛は起き上がりながら無事だと言うように返してきた。

「―――そうだ? 桜は? さっきの少女は?」

「―――いない?」

「どこに行った?」

 まったく見えないと言うわけではないが、5m以上ともなると見えないと言うか、視界が悪いと言う状態の中でわたしは思い出してみればと言うように桜のことを思い出して、周囲を見渡したが、桜の姿が見えなかった。

 零夜も同様で半場逃げ出したのか言うように言い、わたしも言う通りどこに行ったんだと言うように返した。

「だれ!? その子から離れなさい!? 離しなさい!?」

「―――愛?」

 起き上がり状況観察と言うものはできたがこの状態ではよくわからないと言う状態で、愛も近くにいた方がいいと言うように思う中で、不意に愛が意味不明だが、だれかに対して強い口調で何かを言うのが聞こえわたしは愛のいる方へ眼を向けた。

 眼を向けると愛が見えるのがわかるが、愛はわたしたちの方へ背を向け、わたしたちの眼では見えないが遠い先のだれかと話しているようだったが、話しの口調から判断して桜のようには思えなかった。


 原因はよくはわからないが爆発か何かが起きたことは明確で、わたし愛は何とか最悪の事態は回避できたと思った。

 回避こそできたが、事後処理と言う言葉も存在し、理由と言うものを探さなければいけない状況で、わたしは零夜に大丈夫かと声をかけられた後、原因を探すと言うか、優衣たちを半場無視して周囲を見渡し始めていた。

 視界こそ悪いが全く見えないわけではないし、ここから出ればいいとも考えている中で、わたしは桜らしき人影を目撃したが、奇妙な光景が見えた。

 奇妙な光景が何かと言えば、桜の姿で、あの爆発に巻き込まれたのか、わたしのふせてと言う言葉を聞いて伏せていたのかわからないが、地面に倒れていたのが見えたが、彼女が起き上がる時、眼が光って見えたのだ。

 眼の光は青緑色の光で、動物の眼のように闇夜で光るような眼ではなく、照明のように明るい光で、起き上がる時、光は確かにわたしの方向と言うか、眼があった。

 眼が光る事態奇妙な光景だが、本当に奇妙な光景はその後で、起き上がろうとする桜の身体と言うか、腕を強引に引っ張ってかなり強引に起き上がらせようとする手が見えたのだ。

「―――愛? どうした?」

「―――あの、桜って子が―――」

「―――?」

 優衣にとっては視界も悪く意味も解らない状態で、近づく足音が聞こえる中でわたしに質問し、わたしは桜の見えた方を指さし、優衣はその方向に眼を向けた。

「―――だれとは、ぞんざいな言葉ね?」

「―――?」

「だれだ? だれかいるのか? 何が起きているんだ?」

 優衣が眼を向けた方向こと、わたしの見る先では桜が抵抗している様子が見えるが、強引な力に対抗できない様に見える中でわたしの声に対してか返事のような物言いが返り、わたしがおどろいている中で優衣はその声の先に声をかけた。

「―――なに? だれかいるの? と言うかなにも見えない? 愛? 換気扇とかは? 扉どこ?」

「―――――」

 零夜はと言えばだれかいる以前に見通しが悪いから何とかしようと言う物言いでわたしたちに近づいて来ていた。

「―――」

「どうした? 愛?」

 わたしに声をかけたのは優衣で、わたしは声が聞こえてきた後、1度だけしか聞こえなかったが、声に聞き覚えがある気がした。

「あの声、聞き覚えがある―――?」

「は? え?」

「―――だれ?!」

 優衣に聞かれ思わず答え、優衣がなんだってと言うように聞く中で、わたしは再度確認するように聞いた。

「―――さすがお金持ちのお嬢様、こんな場所造るなんて、御大層ね?」

「―――?」

「―――ん? っく?」

 だれかとわたしが聞く中で声の主は答えたと言うか、わたしに対してと言うように言う中で、不意に眼の前から少しと言うか、周囲の煙などを吹き飛ばすような風が吹き、煙などを吹き飛ばした。

「―――――まあ、だけど、人が集まるのは別問題だと思うけどね?」

「―――だれだ?」

 不意に勢いよく風こそふいたが、わたしは声の主がだれか気になり、優衣はと言えば風に吹かれて軽くだがおどろいている中で声の主はなんでもうまくいくと思った大間違いだと言うように言い、優衣はだれかと言うように声の主に聞いた。

 視界も回復し、わたしたちの眼の前には桜の二の腕を強くおさえている女性の姿が見えた。

「―――あなたは―――?」

「―――深い事情はわかんないけど、この子も仲間―――」

 わたしが思わずおどろく中で、女性が話し出すと言うか、桜は先ほどから抵抗しているが、逃げられないと言う状態で、女性の方があなたの仲間だと言うように言いかける中で、右上方から奇妙な音が聞こえた。

「―――っ?! あ? ―――!?」

「―――!」

「―――!」

 何の音か理解できない中で不意に女性の手元に何かが当たったかのように見えると、桜から手を離した中で音が再び聞こえると女性の腕全体の力が不意に抜けたかのように落ち、何かと理解する間もなく女性は地面に倒れた。

 倒れたと言うよりも、頭を強い何かに押し飛ばされたと言うようにも見えた。

「―――!?」

「血?」

「な、何てこと―――」

 手が離れた瞬間に桜は勢いよく女性から離れ、距離をとる中で女性の方に眼を向けるが、わたしもだが、意味も解らないと言うように見え、倒れて女性は動かず、頭から赤い液体こと、血が流れ出しているようだった。

「―――」

「―――」

「―――」

 考えるまでもないことで、わたしと優衣、それに零夜は音の聞こえた方向に眼を向けていた。

「―――な、なんだ?」

「人間、なのか?」

「―――」

 口を開いたのは優衣と零夜で、これはわたし個人だけの意見ではないかもしれないが、アニメや漫画のような光景が見えた。

 よく見て簡単に言うと高い場所にたっている人間の姿で、影からの判断だが男向きの服を着た非常に大柄な女性の姿のようだが、眼が青白く光っていた。

 眼の光は夜行性の動物が暗闇で見せるような眼ではなく照明のような光で、不自然に明るく、LED照明のような明るさで、両方の手には銃のような物も握られ、双方の銃からライトなのか赤い光が見えていた。

「―――」

 わたしはと言えば、見た中で急速にと言うべきで、あの怪物に会った後優衣に連れられて実家に戻り見た夢を思い出し、口を開けなかった。

 夢の中でわたしに銃を向けた存在に非常に似ている雰囲気で、違うのは女性であることで、赤い光が2つ見えることで、夢とは違うようで似ている存在だと言うことは明確だった。

「―――パールさん? どうしてここに?」

「―――?」

 わたしがこれが半場正夢になるのかならないのかと見ている中で口を開いたのは桜で、桜は彼女と言うべきか、あの人間かもわからない物体に対して言葉通りにどうしてここにいると言う反応をしていた。

「―――――!?」

「なんだ? あの動き?」

 優衣がおどろき、零夜が思わず言葉に出した通りで、彼女は立っている場所から降りて桜に近づいて行ったが、飛び降りた時の動きはだれがどう見ても普通ではなかった。

 重力に逆らっていると言うべきか、一瞬だが浮いたと言うべきか、降りて地面に着地する瞬間に不自然に身体全体に制動が起き、身体全体が一瞬だが宙に浮き、彼女はと言えば気にする様子もなく桜に近づいていた。

『―――佐藤桜だな? 大丈夫か? 怪我はないか?』

「―――――どうしてあなたがここに!?」

『―――人手不足でな? かり出されたんだ。手当もでないし最悪だ。』

 開いた口から出た声と光に照らされた姿、それに物腰は見間違うことなき女性で、大柄でサングラスをかけ、桜がパールと言ったが、愛称かどうか不明で日本語も流暢だが、日本人と言う雰囲気ではなかった。

 桜がここにいる意味が解らないと言うように聞く中で、パールはと言えば言うのがめんどうだが半場事務作業的な物言いで返していた。

 話してこそいるが、パールの話し方と言うか、声が奇妙で、調度電話越しと言うか、電波越しのような声にも聞こえ、少しだけだが反響のような物が起きているようだった。

『言葉通りに不用意に歴史への介在はしたくないが、機構命令だ。それにゆうが出るのを嫌がってな。』

「―――あなたには間接的にとは言え強い権限が―――」

『人間は神になることはできない、反対に神は人間になることはできない、それにわたしは―――』

 2人はと言えばわたしたちも気にせずと言うか、後回しと言うか、一応は見ているが放置するように話し合っていた。

「お前たちは、何者だ?!」

「―――れーくん?」

「何をしているかわかっているのか!? あれは殺人だぞ?」

 2人が話し合い、何にしてもパールの方が立てるか手を貸すぞと言うように片手をだし、桜が手を伸ばし立ち上がる中で、勢いよく口を開いたのは零夜で、わたしが零夜と呼ぶように言う中で零夜は倒れた女性の方を指さした。

「―――その眼も、さっきのおかしな動きも、何かのトリック―――」

『やってくれるじゃない?』

「―――? へ?」

 零夜は女性の方を指さした後、パールの先ほどの異様な動きは映像系の技術を利用したトリックだと言うように言う中で、桜とも、優衣ともわたしとも、それにパールとも違う女性の声が聞こえた。

 声はパールとは違うが似たような何か、音響装置かなにかで加工されたような声だった。

 この場所に現在いる女性はわたしと桜と優衣、それにパールだけで、男は零夜だけで、女性の声は違うならばだれだと言う状況だが、声は先ほど少し聞いた聞き覚えのある声で、零夜は声の方向こと死体の方へ眼を向けていた。

「―――」

「―――」

「―――な、なに―――?」

 死体とわたしは表現したが、もはや彼女は死体ではない状態で、背中こそ向いている状態だが、彼女は確かに起き上がっているし、言葉を発したのはだれの眼と言うか、耳から聞いても明確で、わたしと優衣は言葉を失い、零夜はどうしてだと言うように反応した。

『やはりファイヴセブンでは殺傷力が低いな?』

「言ってる場合ですか!?」

 パールはと言えば死んだ人間が生き返ったにも関わらず当然だと言う反応で、桜はと言えば先ほどとは違い、少し慌てた反応で、パールの後ろに隠れるように後ろに立ち、銃のような物を取り出して女性に向けた。

『―――頭ではわかってたけど、実際問題体験するとひっどいもんね? だけどさいっこう、これが神の能力―――』

『―――人の道を踏み外したか―――』

 わたしたち全員が言葉を失っている中で女性はこちらに顔を向け、顔と言うか、頭全体血まみれの中で状態とは裏腹に気分は最高にいいと言うように話し出す中で、パールは女性を酷いものを見るように言った。

『―――どこのだれか知んないけど―――』

「―――」

「たっぷりと礼をさせてもらうは!?」

 言いながら女性はパールの方へと顔を向けると、血まみれだった顔から血がなくなり、血で汚れた服の血も消え、元の状態よりも良い状態になったのではないかと思うほどに変化し、声も元の状態へ戻っていた。

 わたしのみにも一応は起きているし人のことは言えないのかもしれないが、最初の不意にあらわれた桜を筆頭に、どこのだれが見ても常識外の出来事だった。


 常識的な観点から言えば人間は脳を損傷すれば100%死ぬ可能性が高いと言えるが、医学的には損傷しても程度によってと言うか、天文学的な奇跡とも言える症例も存在するそうで死なない可能性も存在しているそうだ。

 医学や常識、わたし優衣の一般的な思考能力は置いておくわけにもいかないが、眼の前で起きたことはその常識などを無視した光景だと言えた。

 頭に銃が撃ち込まれていることは明確で、血も流れ出していたし、出血多量などでも死ぬ可能性も視野に置かれるが、彼女は確かに起き上がり、それがどうしたわたしは元気で生きていると言うように話して動いた。

「―――愛?」

「―――え?」

 女性が覚悟しろと言う雰囲気の中で動いたのはパールと呼ばれた女性で、何を考えているんだと言うべきで、不意に愛に眼を向けた。

 眼を向けたとは言うが、サングラス越しで、原因は不明だが眼まで青白く光っているが、首の向きや雰囲気、わたしと零夜が顔や身体を動かす中で微動だにしないことから、目線は身体も顔も動かしていない愛に向いていると言えた。

 桜と言い女性と言い、理由は不明だし何をしようとしているかわからないが、愛が目的なのは明確でわたしが愛はどうするのかと言うように眼を向けると、愛に異常が起きていた。

「―――なんです―――」

「眼? 眼だ!? お前?! 眼どうした!?」

「―――――?」

 わたしに向かって愛はわたしに何か話しかけても意味ないし、こんな時に何ですかと言うように返そうとする中で、わたしは愛の身に起きた異常を教えた。

 自分の身に起きた異常に気が付いてないと言うか、わかってないと言うか、把握できないのは当然で、愛の眼がパールと同じように青白く発光しているのだ。

 発行しているとは言えまだと言えば進行しそうな表現だが光が少し弱く、瞳や瞳孔、白目の部位がまだ確認できる光度で、愛はと言えば本当に気付いていないと言う反応だった。

「―――どうなっている? お前らと言い、眼が!?」

「―――」

 零夜もどうしたと言うように見ている中で女性はと言えば意味が解らないことが起きていると言うように言い、わたしはお前が知っているのではないかと言うように顔を向けたが、女性は答えなかった。

「―――お前がここでは不利だと言うことだ。」

「―――――、何―――?」

「ここは退け、彼女の覚醒はまだ制御がむずかしい、一歩間違えればわたしたちの命も危ういし、お前も2度目は無理かもしれんぞ?」

 女性が意味不明だと言う反応の中で、パールが答え、女性がどういうことかと言うように返す中で、パールは言う通りにしろと言うように言い、銃を向けた。

 銃を向けたが、手に持っていた2つの銃が腕を上げる寸前にパールの手の中でと言うか、黒い物体と言うか、光の球体につつまれたかと思うとパールの銃は姿を変え少し大型の銃に変わっていた。

 パールは拳銃は確かファイヴセブンとかとも言い、少し大型の銃に変わったと表現したが、わたしは銃にはくわしくないが、奇妙な形状の銃で、大まかに言うと横に細長い四角形の銃だった。

 銃かとかなり疑う外見で、パールの持ち方や先端の少し突き出たような細長い銃口、よく見れば上側に半透明のケースに入った弾丸のような物も見られ、銃の知識のない人間からすれば使っているのを見て、あれ銃だと言うように納得する外見をした銃だった。

 現実と空想の境界線がわからなくなると言う状態だが、パールはと言えば女性に銃を向け、女性はと言えばどうするかと言う表情をしていた。

「どうしても彼女と相手をしたいならばわたしが先に相手をするぞ? 桜もそれは同様だ。1人が半覚醒や制御が存在し、わたしも本来の彼女の仲間と異なるとは言え同等の能力かそれ以上の相手をするのは不利だと思うが?」

「―――ここは退く、だが覚えてろ? わたしがどんな存在かと言うことを、思い知らせてやる! いずれ!」

 来ないのかと言うようにパールが言うと、女性は勢いよく返した瞬間、姿が消えた。

「―――消えた? 消えた!?」

「―――――」

 いずれと言った後に身体を後ろに向けたかのような動きを見せたかと思うと女性の姿はもうなく、わたしはどこに行ったのかと言うように周囲を見渡すが、彼女の姿はなくなっていた。

「―――と言うか、お前たち事態何者なんだ? その光る眼は何だ? それに愛?! あの女のことを知っているのか? それに―――」

「―――」

「―――待てっ!?」

 愛からも聞くことがある中で、パールはと言えば女性が去ったのにあわせるかのように、立ち去るかのように背を向けて歩き出し、わたしが呼び止めようとする中で桜は軽くだが丁寧に一礼すると背を向けパールを追いかけた。

「―――待ってください!?」

「―――」

「あなたたちは、いったい―――?」

 わたしが追いかけようとする中で2人を呼び止めたのは愛で、わたしが呼び止めようとしても聞かなかった中でパールは立ち止まると顔だけ振り返り、桜も止まるが、身体全体をこちらに向け待つと言う表情と態度を向ける中で、愛はパールに質問した。

 眼はあいかわらず光り続けていて、わたしはそう言えばと言うように携帯を取り出していた。

「―――桜ちゃん、って言った? それにパール? 仲間なの―――、って? お姉さま―――!?」

 だれか教えて欲しいと言うように愛が言いかける中でわたしは携帯のカメラを画面設定を切り替え、自分撮りこと、画面を見ている本人が自分の顔を見られるようにして愛に見せた。

「―――――なに? これ? え?」

 眼の前の2人の眼が光っていることが説明できない上、自分の眼も光っている状態に気付いていなかったようだった。

わたしが見せて気付き、携帯を勢いよくわたしの手からとって見始め、手で眼のあたりを触って確認を始めたことから、眼が光ることに感覚的な違和感はないようだった。

「―――さっき、お姉さまが眼って言ってたけど―――」

「それのことだよ。」

「―――――」

 光っているのは間違いないと認識した愛はそう言えばと言うようにわたしに聞き、わたしは間違いないと言うように答え、愛がこのことだったのかと携帯の画面と言うか、自分の顔と言うか眼を見ている中で2人に眼を向けた。

「―――敵でも味方でもない。」

「?」

「正義でも悪でもない。」

 眼を向けた中で口を開いたのはパールの方で、少し間を置いた上、回りくどいと言いたくなるような物言いで言いだした。

「―――たとえて言うと、調節者バランサーだ。」

「バランサー?」

「バランサー?」

 子供向けの話しでもあるまいし早く言えとも思いかける中でパールは答えたが、これも意味不明な答えだった。

「―――もっとも、わたしがそれを名乗る資格はないのかもしれないがな?」

「―――――?」

「わたしは、いや、わたしたちは仲間ではない、だがお前は仲間を集めろ、集める中で答えが集まり、答えを集めようとする中で仲間が集まる。わたしに言えるのはそれだけだ。」

 バランサーと言うと直訳的に言うと調節するものだとか言う意味があると少し考えだす中で、パールは自分がそんな人間ではないと言うように言った。

わたしがどういう意味かと言う反応の中でパールは再び口を開くと顔を前と言うか、わたしたちから見て背を向けた方向に戻し、歩き出し、桜も歩き出した。


細かい理屈などは無視して、明確な事実は絶対に2人がわたし愛の知らないことと言うか、この場にいる零夜や優衣、陽菜たちにもわからないことを知っていることで、わたしは答えて欲しいと言うように2人を追いかけた。

よく考えてみると優衣がわたしの眼を光っていることを見せるために見せた携帯を手に持ったままだったが、わたしは何にしても出て行った2人を追いかけて外へと出た。

2人が出て行った方向はわたしたちが普段出入りしている入り口とは別の方向で、元は海沿いのレジャー施設と言うこともあり、ここもその時、時折その施設の倉庫としても使用されていたそうだった。

「―――愛!」

「愛!」

 場所の細かい理屈は無視し、わたしは2人を追いかけたが、2人は歩いているようにも見えるが意外にも早く、わたしは走り出していた。

「―――」

 影も形も見えず、気配もなく、追ってもむだと言う状況で、わたしは走っていた中で勢いよく立ち止まった。

「―――?」

「―――愛? おい!?」

 彼女たちを探すと言うのはあきらめるべき事態とも言えるが、わたしは彼女たちを追い外に出る中で眼の前に見える光景に奇妙な違和感を不意に覚え、わたしを走り出していた。

 奇妙な感覚と言うのは既視感と言うもので、一応は普段は見ているが、見ていても聞き流していると言うか、見逃している風景で、よく見えてないとも言うが、わたしはそうではないと思うように確かめるように走り出した。

「―――――」

 少ししてわたしは勢いよく走るのを止め止まったが、止まる少し前にわたしは既視感の理由を知ることができた上、わたしはある意味で一度ここに来たことがあった。

 間違いなく怪物に襲われた後見た夢の中で見た光景の中の1つで、間違いなくわたしが泳いでいる夢を見たあの海だった。

 優衣と零夜が呼んでいる気もするが、わたしはあの時泳いだ時に見えた浮きや走った横道、あの時とは逆に立ち位置の浜にホテルのような施設と言うか、荒廃しているのを直した元レジャー施設も間違いなく同一だった。

 同一なのは目覚める少し前まで見ていた2人のなぞの男が戦っていた石垣までも同一で、わたしが眼を向ける前から言うまでもなく変えられない事実だと言うように存在していた。

わたしが眼の前の光景を見ている中でまるで次の物語の幕あけと言うか、これから起きる事への警告と言うか、なぜどうしてかと言うように眼を奪われている場合ではないと伝えるかのようにわたしの携帯電話に陽菜からのメールの着信音が鳴った。


愛たちのいる場所から去って行ったわたしパールと桜は勇と合流したが、勇はと言えばここで起きていることなんて知らないと言うかのように合流地点でわたしたちに背を向け、地面にすわっていた。

わたしたちが来たのを確認こそして振り返るが、確認すると起きあがりもせず顔をもと向けた方向に戻し、素振りでわかるがタバコ欲しげと言うか、吸いたげな顔をしていた。

桜はと言えば声をかけようとするのが見え、わたしは桜を止めた。

「勇、帰るぞ。」

「―――ああ、終わったのか? よかった―――」

「そんなに彼女たちの前に出るのがいやか?」

 一仕事終えた状況で、わたしが声をかけると勇はやっとかと言うように言うと起き上がり、わたしはと言えば、勇の態度の悪さに少し怒るように聞いた。

「―――ここでのオレの立場は知っているだろう? 話しがややこしくなるし、説明もしにくいし、第一オレはあいつもだが、信じた世界を失った気分なんだが?」

「―――勇―――」

「お前はいいよ? 世に言う無限の可能性ってものを信じられるものを見たんだからさ? だけどオレは違うんだよ―――」

 怒るように聞いたわたしに対して勇は勢いよく振り返るとだれがどう見ても不機嫌そうな顔で言うなと言うように言い、わたしがお前はと言うように返す中で再びわたしたちに背を向けて言葉を返した。

「―――私情を持ち込むのは悪いとわかっているがな、さすがに限度がある。確かに作戦参加には了承したが、機構も少しばかり性質が悪いぞ?」

「―――――わかった。飛鳥と恋、機構に―――」

「細かいことはいい、終わったなら引き上げる。」

 自分が言っていることと対応、わたしへ言う言葉も悪いものと自覚はしているようだが、我慢ができないと言うように勇は返し、わたしは仕方ないな言うとおりに何とか言っておくとか言い返しかける中で勇は言葉を返し、姿を消した。

 呼び止める言葉も出ないと言う状況で、わたしは見ていた桜に対して気にするなと言うように目配せしたが、勇の姿は見えなくなっていて、桜はと言えば恋と連絡をし、はなしはじめていた。

 わたしと言い、勇と言い、桜と言い、この一件に関わっている人間の多くがだが特称な事情持ちと言う状態で、調節者でもあるし、わたしは少し事情もあって割り切れているが、勇は逆に事情があってこの仕事に特に気乗りしていないことは明確だった。

 特称と言うか、特殊と言うか、特別と言うか、日本語で言うと類似する文字が複数存在するが、調節者と言うわたしたちの身分は予期せぬ事実を垣間見ることが多く、勇もわたしもある意味同じものを見ているが反応が異なっていることは明確だ。


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