Common 2
初めてオレドギーがアリーと会った時はよく見てなくてわからなかったが、アリーの乗っている新しいバイクはホンダのCBR900RR、別名ファイヤーブレードと呼ばれる日本制のバイクだった。
10年ほど前からだがジャパンバッシングが起こって車が破壊されるだのと言う騒動が起きていたが、アリーはと言えば気にする様子もなく乗っていた。
オレはと言えばディナから連絡が来たと言うアリーの言葉を聞き、仕事でサイツ社に来ていることもあったしで、職場で使用される社員用の乗用車で前を行くアリーについて行っている状態だった。
「―――ここか? アリー?」
走り続けて十数分後人気の無い場所に森林地帯にアリーはバイクを止め、オレも車を止めた。
道路は一応舗装はされているが老朽化し、土や砂ぼこりで覆われ悪路と化し、オレの乗用車では長時間走るのはよくないと思える場所で止まった。
アリーがバイクから降りてヘルメットを勢いよく脱ぐ中で、オレも車のエンジンを切るとドアを開けて少し大きい声で質問した。
「ええ、そうよ。」
「確かなんだろうな? どう見たって廃墟だぞ?」
ディナと言い上からの情報だと思うが、どこまでが正確な情報かもわからないがアリーは自信満々に返し、オレは眼の前の光景に対し疑う以外の言葉が出なかった。
眼の前に広がっているのは廃墟で、ここは確か十年ほど前郊外の工業地帯だったが、経営難か何かで使用されなくなった場所で、眼の前の建物は窓が割れ、一部の壁が崩れていたり、だれが書いたか知らないが落書きがされ、特に損傷がひどく見えた。
時間も6時15分ほど前で、こんな時間にこんな場所に来るのはよほどの物好きだったり、遊び場を探している若い人間に経済的貧困と言った、特定の事情を持っている人間だけだ。
「ドギー、銃持ってきてる。」
「―――一応はな?」
こんな時間にこれからこの場所に入るのかと、止めて明日にしないかとか、信じられないのだがと言うオレの表情をアリーは知ってか知らずか、無視していると言う状況でオレに質問して来た。
アリーは入ることは絶対に変えないと言う様子で、オレが答えてホルスターに収納している銃を見せる中でアリーは銃を取り出して弾丸を装填した。
「じゃ、いこ。」
「―――――」
人と言うか、オレは死神でアリーは悪魔だが、どちらにしても何にしても話を聞けと言うこともアリーは聞かず、いこうと言うと廃墟に向かって歩き出し、オレは本当に行くのかと言うように反応するしかなかった。
「―――どしたの?」
「―――おま―――」
迷いのないアリーの方がいいのか、迷っているオレが悪いのかわからないが、遅れているオレに対し、いかないのとアリーが聞く中でオレがお前は本当に行くのかと聞きかけた時だった。
「―――?!」
「―――!?」
オレがアリーに聞きかける中で周囲に不意に強い振動が起きて大きい音が聞こえた。
「―――爆弾?」
「テロか? いや、まさか?」
何事かと言うように最初に口を開いたのはアリーで、聞こえた音はここから近くて遠い場所で何かが爆発したような音だった。
電気やガス、水道と言った爆発の根源と言うものが存在するわけもないし、仮に存在していたとしてもこれほど大きな音がするかと聞きたくなる音で、オレは思わずテロを一瞬だが疑った。
「―――何にしても、いきましょう?」
「―――ああ。」
テロだとも考えたが、こんな場所でテロをする必要はないし、老朽化した建物が自然倒壊でも起こしたのかともオレが考えだす中で、アリーは迷うまでもないと言うように言い廃墟の方へと進み、オレも行くと言うようについて行くことにした。
警察に通報すると言うことも先決だし、常識で考えると逃げることも必要だと思われるが、職業柄の都合と言うことも手伝い、このまま引き返すわけにもいかない状況で仕方なしの行動だった。
気が進まない部分もないわけではないが、アリーを止めることも必要だと思うし、進まないわけにはいかなかった。
この状況の一部の詳細を的確に説明できるのは彼らだけだとわたしアリスは思った。
わたしはキャリーと別れた後人間の世界へと移動したが、移動した場所に普段は絶対にいないはずの人影と言うか、人の気配を感じた。
わたしが姿をあらわしたのは十数年ほど前無理な増改築や開発が原因で倒産したと言われる郊外の廃工業地帯兼職員用住居地帯だ。
草木も生い茂り住み心地も悪く住むのも小動物程度のこの場所ならばどこで人が変な風に現れても適当にごまかせると思いここを選んでいたが、この日に限ってなぜか3人の人影の姿が見えた。
「―――――?」
世界を移動する中で普段は自然の音以外何も聞こえない中で足音が聞こえ、わたしはすぐに身を隠す中で、早足で進む3人を少し見たが、この3人がどう考えても奇妙なのだ。
先頭を進む1人目は頭に懐中電灯でも装着しているのか眼が光り進行方向を照らし、2人目は同じような動きだがライトは肩と腰に装着し、手に持って歩いて計3つで周囲を照らしていた。
3人目は前を進む2人を違い、ライトを1つしか手に持っておらず、2人を追いかけているように見えた。
物好きが遊び半分で来たと考えられもするし、奥に進んでいったし、気づかれてないようだしこの隙に逃げようとも思ったが、わたしは進みゆく先頭の2人にどうしてもだが眼が向いた。
眼が向いたのはどうしてかと聞かれると、わたしは彼らと見たことがあったからで、どこかと聞かれるとわたしが潜入している警察署だった。
的確に言うと去年の12月26日で、わたしと言うか、マットとジョーもだが、彼らをよくは見えていなかったが眼の前で目撃している。
だれかと聞かれると間違いなくあの警察署と強襲したと思われる容疑者の2人組だった。
見間違いかもしれないが、状況的に見間違いで片付けるには無理があるし、こういう場所を寝床などにして隠れるとすれば警察も調べず、彼らのような人間がこう言った場所に来るには十二分な理由があると言えた。
理由が説明できると思う中で、奇妙なのは最後の1人こと3人目で、本来のわたしよりも5、6歳ほど年上に見えるアジア系の女性と言うか、少女のようだった。
マットが1人を日本人かと言っていたのを少し思い出したが、こんな時に彼女が日本人かどうか詳細に見分けられるわけもなかった。
2人が早足で移動している中で彼女は2人を必死で追いかけている様子で、どこかで捕まえた適当な人質と言うようには見えず、仲間にしては人間としても違いすぎると思った。
応援を呼ぶかと言う考えもないわけではなかったが、わたしがなぜここにいるかと聞かれかねないし、自分自身の身の保身もあるし、その上追い打ちをかけるように、彼らの進行方向から何か奇妙な音が聞こえた上地面全体が大きく振動した。
無視など到底できない状況で、わたしは姿をこの世界用の大人の姿へと変え、使いもしないが持っていた銃を手に取り、彼らのあとを追いかけることにした。
あの大きな振動が起きた後、どこか遠くと言うか、最初に起きた場所で似たようなことが起きていると思われる音が遠くから聞こえているとわたし聖那は進みながら思った。
前を進む2人はと言えばわかってはいるが何にしても進むぞと言うように進んでいき、2人合わせてPOとかの意味はよくわからないが、軍人と言う立場は本物のようで、2人してかなり統制のとれた動きで進んでいた。
わたしは彼らの後ろを何とか遅れずに進んでいくと言う状態だった。
『山中。時間は?』
「―――午後7時5分前。もう時間と言う方が妥当だな?」
2人は軍人特有のだと思われるが合図や動作で進み、2人して英語で話し合い、リードの方は全自動翻訳機を使用しているが、山中はリードに対しては英語で話していた。
わたしはリードにナノマシンで使用可能な全自動翻訳機の使用方法と言うか、設計図と言うか、概念を教えてもらい、2か国の言語どちらを聞いても日本語に聞こえる状態になっていた。
翻訳機越しにだが山中の英語はよく聞いてみると英語を普段から話しているような英語ではなく、他国の言語として覚えた話し方や発音で、日本人らしいと言えば日本人らしい話し方をしていた。
2人が主導でわたしが後ろを進んでいく中で、目的の場所まで後少しと思われる場所でリードが立ちどまり、山中に時間を聞いて山中が答える中で、山中は携帯電話を取り出した。
「―――――リー、見ろ。」
取り出して操作し画面の表示がレーダーと思われる映像に切り替わる中で、山中は画面をリードに見るように言い、リードも眼に向けた。
「―――上?」
「―――ああ、そうだ。」
わたしが見てもよくはわからないが、見てみると先ほど山中が見せた時と違い、点が3つだったのが、10倍以上の別の色の点が映像に映っていた。
どういうことだと言うように山中は考えている表情だったが、少ししてよく考えてみればと言うように頭を上げた。
実質上は照明が切れたりなくなっていたりして明るさもかけらもなく、空の見えない天井が見えるが、山中の言葉に対してリードは軽く微笑んで間違いないと言うように答えた。
「―――?」
「―――さあ、巨大シロバエ退治だ。」
「―――。」
確かに先ほどから普通とは違う何かをわたしも感じていて、一体全体何がどこかと言うことがわからなかったし、本当に上なのかと思い上を見る中でリードはこれからが本番だと言うように言って歩き出した。
山中も歩き出すリードを見ると携帯電話を服の中に戻し、銃を手に取ると軽くだが使えるかどうかの確認だと思うが上の部分を軽く動かした後、リード追い始めた。
わたしは何にしても彼らに続いた。
中世のヨーロッパ圏で一斉にとは言えないが革命的に芸術や文化、思考と言った転換期が訪れた時代が存在している。
後の世に言われるルネサンス期、日本語では文芸復興とも言われる時代で、レオナルド ダ ヴィンチ、ドナテロ、ミケランジェロ、ラファエロと呼ばれる芸術以外にも多くの才能を発揮し開花させた人間たちの活躍した時代としても有名だ。
この時代を発端に絵画は革命的な変化を遂げ、特に教会の壁などにかかれる宗教絵画においては人類の創造の産物とは思えない写実性と精巧性に加え、華麗さが存在している。
俺山中がなぜこのような歴史と言うか、美術と言うか、科学の授業をしたかと言うと、現在の俺の現実の眼の前の光景がその華麗な光景に似ているが、現実と言うものは本当に酷い物だと思ったからだ。
夜を昼間に変えるような壮麗な光に、背中に持つ巨大な羽根で空を華麗に舞う大量の美少女こと天使、この2つに加え、教会の宗教絵画同様に人間が見上げると言う条件はそろっている。
条件は同じと言えるが、宗教絵画は神を信じずともその光景に思わず眼と言うか、心を奪われ、身体を抑え止められるような衝撃が走るような心情を持てるが、これに対しては眼を背けたいしすぐにでも葬り去りなかった。
「―――ハチドリかこいつら?」
何を見ているかと聞かれると、未来から送られてきた情報が確実に正解ならば、Version7ことアーウェーの造りだした人工の神の1つ、ヴァリーの集団だ。
一見すると外見は普通の人間の女性に非常に酷似しているが、背中には身体よりも大きくたくましい羽根が生えている上、表皮と言うか、身に着けている服もだが真白に染まっていた。
剣や盾、身体に鎧のような装飾品を身に着けているように見え、外見はルネサンス期の絵画や彫刻そのものだが、見上げた空を最低何十最高何百と言う数が空を大きな羽音を上げて飛び回っているのだ。
飛び回っているが、絵画や彫刻のような聡明さはどこにも存在しないと思った。
本能的に入り乱れていると言う様子で、全体の動きは集団性と言うか、統一性や共同性と言った行動性を一切感じられず、お互いを一応敵でないと認識し、争っている様子は見られないが入り乱れて混沌たる世界を創造していた。
日本の地獄絵図やルネサンス期の黙示録の絵画、ピカソのゲルニカなどには到底負けるが、聞きしに勝ると言う状態で、俺たちの眼の前ではこれは絵ではないし、現実を見ろと言うようにヴァリーは羽音を周囲に響かせていた。
羽根は鳥の羽根だが、ヴァリーは普通の鳥と違い、軽く羽ばたき、滑空すると言う様子を一切見せず、その飛ぶ姿は俺の言う通りハチドリそのものだった。
ハチドリとは鳥に詳しい人間ならば言うまでもないが鳥の一種で、最大の特徴は普通の鳥と違い、ハチのように羽根を高速で羽ばたかせて飛ぶことだ。
ハチと言った昆虫は実質1秒間に150回以上羽ばたき、ハチドリは正確には1秒間に50回以上羽ばたき、回数では劣るが十二分に酷似した飛行能力を持っている。
運動消費量が多いと言う弱点が存在するが、これによってふつうの鳥と違い待機飛行ことホバリングや後退、飛行時の微妙な位置調整や姿勢制御を可能にしているのだ。
ハチドリがなぜこのような飛行をするようになったかと言うと、ハチやチョウのように花の蜜などを吸って生きるために進化したと言う説が正しいとされている。
宗教絵画などを例にしたが、実質上の光景は海外のオオカバマダラの大量発生やイナゴなどによる農耕被害、スズメバチの巣の外を警戒する時などで見られる害虫や昆虫の大量発生の光景に近いと言えた。
「―――それにしても、どうなっている?」
『―――?』
「運動量や時間、筋肉量、どの分野から見てもあの状態で飛び続けるのは不可能だ。」
科学的な話になるが、人間が自分たちの身体で飛べないのは理由が存在している。
1つは羽根のある翼を持っていないことも主だが、2つめは身体における筋肉の割合で、鳥の羽根こと腕の筋肉を人間で換算した場合、数十倍の容量を持ち、この2つの条件がそろうことのない人間は飛ぶことは不可能だ。
極め付きに運動消費量や熱量ことカロリーで、ハチドリは言うまでもないが、鳥の身体と言うのは消費が激しいことでも知られ、人間の接種カロリーなどでは飛行するには考えるまでもなく燃料不足だ。
神話をもとにした絵に出てくる背中に羽の生えた人間こと天使が存在するが、科学的な観点から言うとだれがどう見ても飛べないと言うのが必然的な答えだ。
このことに不意に気付いた俺は思わずと言うように言い、リードが何かと俺に顔を向ける中で俺はリードに質問するなかで、ヴァリーは気にすることもなく空を飛び回っていた。
『―――これが、神だ。』
「―――こんなものを生み出す人間に、俺たちは勝ち目はあるのか?」
よく考えてみろと言うようにリードは言い、俺は一応は納得ができたが、思わずと言うように眼の前の光景を見て本当に不安になった。
眼の前のリードも似たようなものだと思われるが、飛鳥たちから教えられ自分で勉強もしたし、リードには人間の常識の範囲で探究すれば事実がわかるが、ヴァリーには人間としての常識も通用しそうにもなかったからだ。
知識は持っているだけでは役に立たず、うまく使わなければ無駄になることはだれにでもわかることだが、オレリードは山中がアダムのことをゴーレムと言ったことと言いまさにその通りだと思った。
眼の前の空で飛びまわるヴァリーを見た山中の感想もその一つで、山中は飛び回るヴァリーを見てハチドリのようだと言い、オレもまさにその通りだと思った。
原形となる神話や、ハチドリのことを知らないわけではないが、言われて見るとそうで、ヴァリーは神と言うよりも大量の人間ハチドリが飛び回っているという方が正解だった。
「―――リー?」
「リードさん?」
聖那と山中が眼の前でヴァリーが大量に飛び回っている光景を見て表情を青くしている中で、オレは山中のハチドリと言う言葉を聞き、おかしくなり、軽くだが笑い出していた。
『ゴーレムと言い、お前のセンスは最高だな?』
「―――?」
「ゴーレム?」
こんな時に不意にどうして笑っていられるかと言う表情を山中が向ける中で、オレは山中に笑いながら言い、山中は何かという反応で聖那も意味不明だと言う反応だった。
「HACHIDORI、直訳するとBeebirdか―――」
「Beebird?」
ADAMのことかと山中が思い出すような表情をしている中で、まだ笑っていたがオレは大分落ち着いてくる中で、言葉を続け山中は本当にどういう意味だと言う反応をして言葉を返した。
ハチドリは日本語でHACHIDORIと書き、これはハチと鳥を組み合わせた単語で、ハチのような鳥だと言う意味を持っていると言える。
山中のヴァリーを見てもの判断だが、本気で最高だと思うし、オレはヴァリーを影と言うか、山中の感覚を見習ってビーバードと言う方が本気でいいと思った。
『何にしてもだ。こいつらはハチ以下だ。全員叩き落とすぞ?』
「―――――」
山中がこの異様な光景に恐怖感を持っていることは事実だが、アダムやゾンとの戦闘も経験しているし、オレは大丈夫だし心配するなと言うように言い、言葉通りの本当に叩き落とすと言うようにヴァリーたちに眼を向けた。
オレに言われた山中はと言えば、オレの言うことは後にして、あの時同様にやるしかないのかと言うような表情をするとヴァリーたちのほうに眼を向け、聖那はわたしはどうすればと言うようにオレたちを見ていた。
わたしアリーもだが、ドギーのような本来は普通の人間には到底理解できる感覚ではないが、同じ能力を持ったような人間と言うか、人間外の生き物の気配を感じ取ることや、近くにいると解ることがある。
この世界にわたしのような人間がまったく存在しないとは言えず、ケヴィンと言い多くの種が存在するが、現在わたしとドギーの眼に映る光景は、その常識に反していると言えた。
郊外の廃工業地帯で異様な音に微妙に仲間がいる気配がしていたが、空には異常な数の生物が虫のように飛び回っていた。
「―――ギリシャ彫刻?」
生物とは言うがよくみてみると1つ1つと言うか、1人1人が人間の形をしていた、口を開いたドギーの言う通りで、その姿はギリシャ彫刻そのものだった。
全身が服をふくめて真白で、鎧のような装飾まで見られ1人1人違い、個性的で背中には巨大な羽根まで生えて空を飛んでいたが、奇妙なのはわたしの感じる感覚だった。
「――――」
一番妥当な表現は神に非常ななど程と言うか、あと一歩と言うべきか、少しと言うか、何にしても本当によく似ているが後少し足りないと言う感覚だった。
人間などほかの生物との混血児こと、半分神のようにも感じられず、人間にも近い気もして、何なのかよく理解できない存在な上、全員が女性のようにも見えた。
「―――なんなんだ?」
「―――わからない。」
永遠に見ていると何が起きるかもわからないし、わたしと言いドギーと言い、銃も持っているし戦闘能力も相応にあるが、近くの壁に隠れている中でドギーがわたしに質問したが、わたしは思った通りに返すしかなかった。
「なに?」
「―――わからないの。」
「―――」
お前がわからないのかと言うようにドギーは聞き、わたしは本当にそうだと言うように返すしかなく、ドギーは用心のためにと言うように銃を取り出していた。
「不用意に撃たない方が―――」
ある意味大収穫とも言える事態だが、ドギーにとっては異様な事態で脅威でしかないし、近づいて来たら撃つと言う様子だった。
わたしはと言えば気持ちはわかるけどやめた方がいいと言う言いかけた時で、不意にどこかで銃声のような音が聞こえた。
「―――――?」
「―――?」
余計に意味が解らないと言う状況だし、わたしとドギーは壁越しに少しだけ爆発のした方向に眼を向けた。
「―――空飛ぶターミネーター?」
「―――アリー?」
ドギーのような人間の眼の動体視力や感覚では空で爆発が起きているようにしか見えないが、わたしの眼は爆発の中に見えた異様な光景の正体を見せていた。
わたしの言葉通りで、ドギーは見えず意味が解らない状況だが、空を飛び回っているあの正体不明の生き物たちの中心に不意に空を飛ぶターミネーターが姿をあらわして彼らを攻撃していた。
ターミネーターと言うのは言うまでもなくユニヴァーサルが配給している映画のことで、監督は最近タイタニックでも有名になったジェームズキャメロンで、アーノルドシュワルツェネッガー主演のSFサイバーパンクの傑作映画だ。
シュワルツェネッガー演ずる未来から来た殺人ロボットが未来で重要人物となる人間の母親を殺そうとする話で、不意に姿をあらわした空を飛ぶ人間は彼に非常に似ていた。
似ていたとは言うが、雰囲気的なもので、第一ターミネーターは空を飛べないし、外見は推定して20代ほどの男性でわたしよりも若く見え、男としての細身な体格だった。
極め付けに眼で、ターミネーター同様に光っているが、本来と言えば変だがターミネーターが眼を赤く光らせているのに対して、男は眼を青白く光らせていた。
攻撃も腕が銃や剣に変化しているようにみえ、飛びながら殴ったり蹴り落としたりで、どちらかと言えばマーヴェルコミックのアイアンマンやバットマンだと思った。
ヴァリーと呼ばれる怪物は一見するとギリシャ彫刻のような外見で強固なように見えるが、身体の強度はわたし聖那の眼や感覚で図る限りは人間を少し硬くした程度だと判断できた。
身に着けている服や装飾品など、一部が固さが異なったり、剣に刃が存在していて切れることや、服の部分が服相応に動くことや、顔などの表情も動くことが分かった。
極め付けにと言うべきで、山中の撃ったライフル銃の弾丸が顔面に勢いよく命中すると、ヴァリーの身体と言うか、顔の半分は勢いよく砕け散り破壊された。
クレー射撃などをしたことがあると彼は言い、元自衛隊員で傭兵だとも言っていたし、銃の腕は確かで空飛ぶ彼女たちを見事に撃ち落していた。
ヴァリーこと、彼女たちの数量的に撃てば当たると言う状態だが、銃が1発ずつしか撃てないと言う種類の特性と言うこともあるらしいが、1発ずつを的確に頭部などの急所に命中させていた。
「―――」
人間ではないことは明確なようで、地面に落下すると陶器製の物体のように勢いよく砕けちり、少しすると跡形もなく姿も形も影も消していた。
『―――聖那、大丈夫か?』
わたしはと言えば隠れて見物していると言う状態で、空ではリードが、地面では山中がヴァリーと戦闘をしている状態で、山中がわたしの安否を無線機越しに聞いてきた。
「はい。」
『リード、飛鳥たちの情報は―――』
一見すると2人して身勝手撃っているように見えるが、2人して統制と協力、と言うか、お互いに助け助け合うと言う戦闘で、お互い自分の仲間に迫る敵を撃ち、たすけ合っていた。
一見すると山中の方が不利かと思われるが、リードが援護し、リードに隙がある場合山中が見事に援護していた。
「―――?」
戦闘しながら話し合い、助け合い、援護されると感謝し、2人は戦っていると言うよりも共同で仕事をしている同僚だとも思えた。
山中の言う通りで本当にわたしの出番はないし、あの時のようなことをしなくいいのだと安心した時、わたしは人の気配を感じた。
正確には感じたと言うよりも、ナノマシンによって得た高度な感覚で少しだけだが影と言うか、顔を見て見られたのに気づいて逃げた音を聞いたと言うべきだった。
職業柄想定外のことが起きるのには慣れているつもりだし、前の戦闘でゾンビとも戦い現在はと言えば羽根の生えた人間と戦っている俺山中だが、聖那が不意に走り出したのは想定外の事態だった。
走り出したとは言えこちらの戦いに身を投げ出したのではなく、不意に来た方向とは違う建物の奥の方へと走り出したのだ。
リードも気づき、俺も同じだがこんな時にと言う状況だった。
「聖那!?」
『人影を見ました! 追います。』
戦いながらもだが、お前は何をしているんだと言う状況で、無線で呼びかけると聖那は勢いよく言葉を返した。
「人影?」
『もし誰かが見ていたなら不味い状況です!』
言葉を返してきた聖那の言葉に対し、少しだがおどろいた反応を返したのはリードも同じで、聖那は戦いはしないがこう言ったことならと言う物言いだった。
「―――」
『とにかく、人影は彼女に任せよう。』
「そうだな?」
仮に人間がいたとしてもこのような状況だれも信じないと思うし、放って置いてもいいとも言えるが、俺と言いリードと言い、追いかけられる状況ではなかった。
リードの無線越しの言葉もそうで、俺と言うか、俺たちはヴァリー退治に集中することにして、俺は背後に迫っていたヴァリーに対しナイフを抜き放ち、首筋を勢いよく切り裂いた。
『OMIGOTO!』
「―――刃が欠ける。」
『仕事終わったらワーパーにいいナイフ送ってもらうようかけあってやるよ。』
頸動脈を切り裂かれ、本来は多量に血が噴き出す中でヴァリーは血を吹きださないが、致命傷を負ったことは同様で地面に勢いよく倒れる中で、リードは俺に対し冗談交じりに日本語でほめ言葉をかけた。
俺はと言えば思わず反射的にしたことだし、人を殺しておいて不謹慎とも言えるが、武器を粗末に扱ったので刃が欠けると言うか、痛むと言う酷く現実的なことを言った。
手に持っているナイフは普通のナイフではなく、日本製の金属製の刃と言うか短刀で、少しこれは困ると言う反応の中でリードは心配するなと言うように言葉を付け足した。
時間的に空が暗いのが普通だが昼間のように明るい上、人間の女性の形をした彫刻が動き回っている上に空を飛びまわっていた。
彫刻が飛び回っている中で2人の人間と言うか、人間と呼べるのかわからない2人の男と1人の少女が彫刻を破壊していると言うか、殺している状況だった。
全体的な意味と言うか、理由をわたしアリスは知りたいが、どう見ても1人の男は普通の人間だが残り2人が普通の人間には到底感じられなかった。
魔法を使えると言う普通の人間ではないわたしの感覚だが、普通には見えず、見つかるとまずいと思い、この場からまずは離れることにして走りだしたが、運の悪いことが起きていた。
「―――」
「待ちなさい!」
運の悪いことがないかと言えば戦っていると言うか、正確には物陰に隠れて見ていたと言う方が正しい少女がわたしを追いかけて来ていた。
物陰に隠れて慎重に見ていたつもりで、一瞬顔を見られたとも思い逃げ出す中で、気のせいだとも思っていたが、気のせいではないようで、わたしは逃げる中で少女に追いかけられて呼び止められた。
「―――あの、待って―――」
「―――動くな!」
「―――!」
呼び止めた声は少し強気な声だったが、わたしが立ち止まる中でかけた声は少し待ってほしいと言う普通に声をかけるような声だったが、わたしは構わずに振り返る中で一気に少女に対して銃を向けた。
動くなと言う言葉も加え、少女は待って撃たないでと言うように両手をすぐに上げた。
よくみてみると小柄な少女で、現在のわたしが20代前半ほどの姿になっているが、少女は実質上のわたしよりも幼いアジア系の少女のようだった。
英語を流暢に話しこそしているが、マットが片方の男を日本人かと言っていたし、彼女も同じ日本人なのかと思った。
神と言うものが存在し、死ねば天国も地獄も存在し、輪廻転生と言ったことが実在していることをオレドギーは一応は死神代行としては知っているつもりだ。
神と言った非現実的な存在が絵空事と言うべきか、神話などに見られる奇跡を起こせることも知っているし、現実では起きないようなことがどこかで起きているとも考えられるのが現実だ。
見えない場所で神の所業たることが起きているとも言えるが、眼の前の状況はだれがどう見てもその1つとは到底思えなかった。
「―――あの2人、ね?」
空を飛び回っている彼女たちのことも知りたいが一番の謎は彼らと戦っていると言うか、虐殺している2人の男で、アリーもだが、オレには見覚えがあった。
見た場所がどこかと聞かれると新聞やテレビと言ったメディアで、去年のクリスマスと言うか、半月ほど前に警察署を強襲したとされるテロ集団の容疑者と言うか、主犯と思われる2人に非常に似ていた。
アリーはと言えばオレが一体全体どうなっているとか言った細かいことを考えているのはいいと言う表情で、2人を絶対に捕まえると言う態度が見て取れた。
外見こそゾンよりも華麗に見え、武器なども身に着け、表面的には強そうに見て取れたヴァリーだったが、意外にも強くなく、俺山中は何とか生き延びることができていたが、根本の問題が解決できていないと思った。
飛鳥たちの言う通りで確かにヴァリーが大量発生していることは事実だし、リードの言う通りで叩き落としていくのも目標だが、アーウェーに関する手掛かりはない状態だった。
リードも同じように考えていると思うが、数も順調に減っていると言う状況で、何にしても連携をとる中で本題はと言うように俺が言うしかないと思った。
「―――それにしても、ワーパーたちはここにいけと言ったが、手掛かりはあったか?」
『いや、こいつらもプログラミング通りに動いていて何も知らないようだしな。』
最初はヴァリーたちは主にリードに攻撃を向けていたが、時間が経過し俺の方が弱いと判断したのか攻撃が向き始め、ヴァリーの首の中央に勢いよくナイフを突き刺す中で俺は質問した。
全身真白で彫刻のように変化し、ヴァリーは無表情かと思っていたが、銃撃された時と言い近づくと顔を変え苦痛に満ちた表情が見える中でリードが返事を返し、俺は首を突き刺したヴァリーを蹴り飛ばした。
出血と言う文字と言う言葉自体無用で血液と言うものは一滴もでない状態でヴァリーは倒れ、幻覚や立体映像であるかのように姿を消した。
彼女たちと言うべきだと思うが、リードの言うプログラミング通りと言う言葉同様全員アーウェーに決められ与えられた命令通りにしか動けず、人間でもなく、本当の神にもなれず、戦うだけと言う狂気の生命体と化していた。
骨折り損のくたびれもうけと言う言葉がこの世に存在している。
最終的に結果として利益こそ得ることができたが、損失も出したと言う状態で、利益か損失ことプライマイナスどちらかと言えばマイナスの面が多いと言う結果を示している。
これはオレリードの職業柄だけではないし、ほかの仕事やどんなものだって存在すると思うし、この仕事もその一つかと考え始めていた。
アーウェーの造りだした人工の神はオレのような敵対勢力との戦力及び、計画成功時の伏兵や管理職と言った役割分担をされ、大量の数が存在し、オレと山中は計画の阻止の一環として駆除を任されたのではないかとも思った。
「―――?」
先に考え付いているかどうかわからないが山中も同じように考え出すころ合いだと思う中で、オレはここにオレたちやヴァリー以外の人間と言うか、人間外の存在の気配を見つけることができた。
正確には聖那が人影を見た時に確かに人がいる気配あるのは事実だが、普通の人間だと思っていたし、軽く見ていたが、改めて確認すると普通の人間ではないことが理解できた。
銃を向けられたわたし聖那は銃を向けられ撃たれたらまずいと言うことは事実だが、普段銃なんか見たこともないし、あまりと言えば失礼だし変かもしれないが実感は持てないが何にしても危険な状況だし手を挙げた。
銃を向けているのはだれかはわからないが、スーツ姿の外国人と言うか、正確にはわたしの方が外国人なのだが、この国の女性だった。
外見から判断して年齢はわたしよりも年上の女性で、追いかけていた中で立ち止まり、不意にわたしに動くなと言い銃を向けて来たのだ。
「―――お、落ち着いてください?」
「両手を上げて床に伏せて!」
「あ、あの―――」
手も上げ、こちらは敵意はないと言うように言うが女性はそんなものは聞かないと言うように言い返し、わたしはどうしようと言う反応をするしかなかった。
「急いで。」
「―――は、はい―――」
幸いなのはリードに教えてもらった翻訳機が動作しているため、言っている言語が的確に翻訳され日本語として理解できるため、言われたとおりにすぐに動けることで、わたしは言うとおりにするしかなかった。
「あなたは何者? ここで何をしていたの? あの2人と彼らは何者?」
「―――あ、あの―――」
「答えなさい! わたしは警察よ?」
床に伏せる中で女性は銃を下さないし、近づきながら質問し、わたしが話を聞いてほしいと言う中で警察と言う単語を口にし、警察官だと言う証明だと思うが、わたしに対して身分証明書だと思うものを見せた。
日本とは違うものだと思うし、実質問題日本の方の警察だと身分証明する者も見たこともないしで、わたしは本当にそうなのかと考えるしかなかった。
わたしアン自身もと言えるが、場所事態も奇妙だと言えるが奇妙な人間たちがテレポートした場所には集まっていた。
普通の人間では理解することができないがわたしの鋭敏なPSIのサイコメトリーによって周囲の情報からわたしをふくめ合計7人の人間が存在することが分かったが、奇妙な反応だった。
普通と言えば変だがわたしの感覚ではテレパシーで精神と言うか、思考を聞き取ることができるが、彼ら全員なぜか聞き取れないし、サイコメトリーで感知して人数と位置と性別と、正確な情報を得ることができなかった。
PSIはどれにしてもだが、テレパシーは微調整が必要だと言う部分も存在するし、こう言った場所の何かに左右されている場合や、個人差でわかりにくい部分もあるしで、わたしは別のPSIで情報取集を始めた。
「―――どうなってるの? 空? イヴに似てる―――?」
イヴに非常に酷似した感覚を追ってここにテレポートしてきたが、根源はと言えば透視越しに見える空を大量に飛び回っていた。
背中の鳥の翼の生えた人間と言うか、天使のように見えるが、服をふくめ身体全てが真白で、どちらかと言えば石膏の彫刻や像のようだった。
像が丸ごと動き出したと言うようにも見え、服装も多くが宗教的な服装に見え鎧や盾に剣と武装までしていた。
幻想的な光景にも思われるが、異様なのは飛行方法で、昆虫のように連続で羽ばたき、独特の羽音まで出していた。
音が耳障りだと思いながらも彼女たちがイヴに関係していることは確かだが、彼女を捕まえて聞きただすようなことは無理だと思うし、仮にできたとしても逆にまずいことも起きかねないと思った。
まずいことが何かと聞かれるとなぜここにいると言う状況な上、なぜ戦っているか理解できないし、絶対にそうとは言えないかもしれないが、男2人組に追いかけられないかと言うことだ。
見ると去年の終わりごろニュース番組で見た警察署を強襲したテログループの主犯と思われる2人組に似ているし、片方が空まで飛んで彼女たちを虐殺しているとも言える状況だった。
虐殺と言うか、正確には破壊と言うべきで、彼女たちは攻撃を受けることや、地面に落ちると身体が勢いよく砕け、イヴと似た気配があるとは言え本当に人間なのかとも疑った。
「―――それにしても、警官?」
ここで姿をあらわすとあの2人に何をされるかわからないし、残り2人は特に目立った様子がなくここにも来ないしとりあえず問題はないが、問題は計7人中わたしを入れて5人のことを話したが、残り2人だ。
1人はわたしよりも2、3歳ほど年下に見える少女だが、もう一人は20代ほどの女性な上警官だった。
地理的に偶然居合せたとか、通りすがったとか、遊んでいたとか言ううそも通用しそうにないし、わたしは自分のこともあって隠れて見ているしかないし、少女は女性に拘束され職務質問を受けていた。
人間と言う生き物は常識と言う概念に囚われ過ぎ、時として思いもしないことに遭遇し、痛手と言えば悪い言い方にもなるが、強い衝撃を受けることが多くある。
オレリードも現状の中でそれを体感した1人で、なぜヴァリーがここに姿をあらわしたのかを明確に理解することができたし、ここで起きたあの大きな音の謎を解明できた。
普通の人間ではない何かがいると言うことがわかる中で、正確に何かと調べようとした時に普通この場所この時代では見ることができないものまで存在していることがヴァリーの集まった原因だった。
『―――っ? 風?』
改めて見直してみるとと言う状況で、集まった原因が地面に見え、ヴァリーが集まって覆っていると言う状況だったが、不意に息を吹き返したかのように動き出し、空高く飛び上がった。
地面で戦っている山中には何が起きているかわからず、普通よりも強い風が吹いたと言う状況だったが、オレはその逃げる巨大な物体が確かに見えていた。
『―――逃げる?』
「そうだな?」
集まったヴァリー全体の数は把握できていないが、3分の2ほどまで殺した時で、ヴァリーは不意に全員が視点を一斉にオレたちから、集まる原因が飛んで行った空の向こうと言う別方向に向け、飛び立っていった。
山中の言う通り逃げるように見て取れる状況で、オレは言いながら山中の方へ近づいた。
飛行していた状態だったが、何にしてもオレは一時休憩と言う状態で着地した。
「―――――」
「OTSUKARESAN」
「―――日本語はいい。」
よく言えばいい運動をしたと言う状況で、悪く言うと危機的状況を生き残ったと言う状況で、山中は息を少し切らしている状態だった。
オーヴァーマシンを与え多少身体能力が向上しているとは言え根本は普通の人間で、これ以上は消耗戦になるとも言え、終わるころ合いとも言えた。
銃弾を大量に持って行けと指示しておいたが、頭部や心臓を撃ち抜くなどの急所を狙っていたが、弾丸も残り少ないし、銃も持っていたナイフも言った通りにいたんでいると言う状況だった。
オレが思わずと言うように日本語を真似して返すが、空も明るかったが本来の暗い風景にも戻り始め、こんな時に止めてくれと言うように山中は返した。
オレの言ったOTSUKARESANとは、日本人が仕事などが終わった時に仲間同士で疲れたなとか、よくやった時とかに言う言葉だ。
「―――――山中、少しの間聖那を頼む。」
「え? おい?! あ?」
ここで次に出る言葉は何も収穫もなかったし、引き上げるぞとか言うような言葉だが、オレは山中が言葉をかける前に空へと再び飛びあがり高速でヴァリーを追いかけた。
山中のような普通の人間ならば見ることはできていないし、ヴァリーも意味不明な何かと思い攻撃していたと思うが、オレの眼にはなぜここにヴァリーがいたのかと言う理由が見えていた。
ヴァリーは逃げたその根源を追いオレはヴァリーを追い、山中はと言えば追いかけることもできず傍観している状況だと言えた。
b 一緒に行ければとも俺山中はこの時思ったが当然リードと一緒に空を飛べることもできず、できることはと言えば飛び去っていくヴァリーと追いかけていくリードだけだった。
未来とは言えこれが本当に人間のできる技術なのかと言う情景で、リードが神を凌駕するとも言い、戦争と言い、人間と言い、科学技術と言い、人間の能力の脅威を見たとも思えた。
ヴァリーやリードと言うよりも時間的にもう空を見ていると言う状況になりかけていたが、俺は何にしてもと言う状況で、恋に無線連絡を入れた。
「恋、おい? 恋? 恋? いないのか?」
『―――――』
「桜は? 飛鳥? Scrap―――」
だれがどう見ても状況が変化したと言う状態で通達する必要があるし、一段落とも言えたが、いけと命令された後もふくめ、戦闘中もだが何度呼びかけてもみたが恋たちは返事を返すことがなかった。
呼びかける中で無線機越しに聞こえるのは無線の砂嵐ではなく、連絡はできているが話さないと言うようにほとんど無音の状態で、俺はリードの言うことをふくめ、こんな時に本当に役に立たないと思った。
「ワーパー、何を考えている?」
役に立たないと言うよりも、仕事のこともあるし、ある程度の答えを知っているために逆に何も言えないのかもとも後で思ったが、いら立ちしか現状では感じられなかった。
「―――何にしても、聖那と合流しよう。」
連絡を受けた時も不意だし、この時連絡が来たら何を言われるかわからないし、最悪リードの言った場所に行けとも言われかねないし、俺は口を開いた通り聖那と合流することにして歩き出した。
歩きながらライフルをケースに戻し、拳銃を収納し、携帯を取り出しで、状況も終了したしで油断して俺はあまり周囲を警戒していなかった。
細かい事情と言うものなんて一切わからないし、ここに情報があるのは間違いないし、よくは解らないが指名手配の人間が意味不明な怪物と戦っているのを見ていたわたしアリーは、地上で戦っていた方を追うことにした。
理由が何かわからないが不意にあの化け物と言うべきか、女性たちと言うべきか迷うが、彼女たちは空へと飛んで行き、男の片方が追いかけて空へと消えていった。
わたしは能力的に負えないわけでもないが、実を言うと正体不明で何かわからず、危ないし近寄りたくなかったと言う部分もあり、普通の人間の彼を追った方がいいと判断していた。
普通の人間とは言うが、彼も変で、普通の人間と言うか、近くのドギーが代表例だと思うが、人間の眼には見えない粒子状のものが彼の身体を覆っているようだった。
「―――おい? アリー?」
「何よ? 離してよ?」
歩き出す中でドギーに腕をとられ、表情を見るとこれは困った事になったし、本当に行くのかと言う表情と呼びかけ方で、それがどうしたと言うようにわたしは反応した。
「警察に通報すべきだ。」
「―――――」
「―――人間的な意見とか言わないでくれよ? だけど指名手配犯だ。オレの仕事のことも理解してくれ。」
ジョセフの言った言葉の意味が本当に理解できていないが、上からの命令だし、こんな異常も起きているし、2人が絶対に関わっているし、迷う必要はないと言う中で、ドギーは常識的な言葉を口にした。
わたしはと言えばこんな時にと言う気もしている中でドギーは気持ちもわかるがと言う表情と物言いで返し、わたしも納得するしかなかった。
納得し、何にしても逃げられると嫌だし行こうと合図してわたしたちは再び歩き出した。
訓練を受けたり、教育を受けたり、実質的に働くことも経験しているが、正確に言うとわたしアリスは偽警官だ。
思わずとんでもない出来事に遭遇する中で当事者と言うか、関係者と言えると思うがその中の少女が不意に追いかけて来て、わたしは思わずと言うように手に持っていた銃を向け、手を上げさせ伏せさせてしまった。
訓練で一応は一通りのことができてIDも見せたし、質問している最中だった。
「―――名前は? ここで何をしているの? あれは何だったの?」
不意に動いて抵抗できないように手をあげた体制で床に伏せさせ、顔も下を向いている少女に対してわたしは質問した。
『―――SEINA? 俺だ。どこにいる?』
「?」
『近くにいるのは解るが、正確には解らないんだ。頼む、反応してくれ。』
質問をして少女が待ってほしいとか、落ち着いてとか、話すとか言っている中で、不意に少女とは違う低い男の声が少女の耳元から聞こえて来た。
みてみると耳にイヤフォンが装着されていて、無線機と接続されていて、あの2人のどちらかが通信を入れて来たようだった。
「セイナって言うの?」
「ああ、はい―――」
無線越しに男が言ったことが正確ならばと言う状況で、わたしが名前を確認すると銃を向けられて少し慌てている部分もあるが、間違いないと言うように返してきた。
「セイナ―――?!」
「!?」
どちらが来るにしてもと少し困ると言う状況の中で、かなり近くで先ほどと同じ声で少女ことセイナを呼ぶ声が聞こえた。
「YAMANAKASERN!(ヤマナカサーン!)」
近くにいるのかと思っている中で、SEINAは男の名前だと思うが、声に対して少し大きい声で答えた。
「―――セイナ? 探したぞ―――」
声の主の男こと、ヤマナカサーンは人を困らせるなと言う物言いで答えながら姿をあらわした。
空で戦っていた大柄の男の方ではなく、地上で戦っていた小柄な男の方で、声に反応して歩いて来てわたしと眼が合った。
「YAMANAKASAN!」
「―――だれだ?」
セイナの発音が先ほどと微妙に発音が変わり、ヤマナカサンと言ったように聞こえ、異様に複雑な名前だし、発音の強弱とかの関係とかなと深く考える間もなく、彼はと言えばだれがどう見ても友好的ではないと言う反応と言葉を返してきた。
片手に握れるほどの大きさの長方形の物体を手に持っていた、わたしに聞くなかでヤマナカサンは服の中に入れ、勢いよく銃を取り出してわたしに向けた。
何度も書いている気がするし、これからもだと思うが無視して、不測の事態が起きることは職業柄仕方ないとも言えると俺山中は考えている。
考えているとは言えこの状況下で現地の人間に遭遇することはよくないと言えるし、よくは事情はわからないが聖那は地面に倒れているし、だれかはわからないが銃まで持っている始末だった。
外見的には20十代前半ほどの白人女性で、銃とは無縁そうな雰囲気だが、持っているとと言う状況で、俺はこれはまずいと思い銃を向けた。
「―――ここで何をしている? 両手を上げて床に伏せろ! 急げ!」
「山中さ―――」
どこまで見ているかもわからないし、聖那も脅されている可能性もあるしで、俺はとにかくと言うように銃を向けて女性に強引に指示を求め、聖那はと言えばダメだと言うような反応だったが俺は何にしても言葉を続け1発発砲した。
「―――失せろ!」
銃弾は女性にも聖那にも命中せず女性の足元に命中し、跳弾した後どこかへ飛んで行く中で、俺は女性に勢いよく言葉を発した。
「―――――」
「―――失せろと言ったんだ! 失せろ!」
女性は銃を持っているが撃ち返すこともなく、相手が人を殺しなれたPOとも思いもしないだろうしで、俺の言葉を続けるのに対して脅えるような反応まで見せ始めていた。
この銃を向けて大声でものを言い指示する行為は意外に難しいし訓練を必要としているし、発砲も踏まえ訓練なしの一般人にはかなりの威圧になると言えた。
威圧になるとは言え相手も銃を持っているし、一歩間違えれば最悪共倒れとも言え、殺すと厄介そうだし、俺は迷うことはないと言うようにここから追い出すために先ほど同様に足元を狙って再び引き金を引いた。
構えと言い足元の近くを狙うことと言い、わたしアリスに失せろと言った威圧的な物言いと言い、先ほどの戦闘やあの大柄な男との連携もだが、ヤマナカサンと呼ばれた男はマットやジョーの言った通り銃の扱いや何かに熟知した人間のようだった。
わたしも素人ではない方だが、あの戦闘や彼女たちのことと言い、この銃の腕前を踏まえると、いつでも殺せるがここでは殺さんから本気でここから消えろと言う物言いで、人のことは言えないが非常識だしわたしは言われたとおりに退散するしかなかった。
特に男の怖いのが眼で、声とは対照的に訓練を受けた相応と言うか、殺人と言った非常識なことが平気でできる良心と言うものを失っていることを感じるような生気をあまりにも感じられない茶の瞳に細く鋭い一重だった。
ここは退くが、2人と言い、少女と言い、わたしとは違う人間外の何かに関わっていることも確かで、これは警察ではなくわたしたちの領分だとも思った。
山中のしたことは脅迫や非常識以外の何事でもないが、発砲こそしているが女性が逃げる中で追いかけて撃ち殺すこともなく、撃ちながら女性が逃げるのを見計らい少しずつわたしに近づいて来ていた。
考えてみると彼女が警官だと言うことはわたししか知らないし、山中はまずいことをしたとも言えるが、女性が逃げたと確認すると銃をおろした。
少しの間また来ないかと言うように逃げた先を見ていたが、山中はわたしの前で膝をついた。
「聖那? 大丈夫か? 怪我はないか?」
「あ、はい―――」
「撃たれなかったか?」
伏せているわたしに対し山中は声をかけ、わたしが答えて起き上がろうとする中で、膝をついたままわたしを見上げ心配そうに聞いてきた。
「―――銃まで持って、何者だ?」
「―――警官、だそうです。」
「何?!」
よく考えてみると銃声やら羽音やら何か物音がしていたが、いつの間にか音がなくなり、山中は大きい銃をケースの中に戻しているし、リードの姿は見えないが一段落して迎えに来た中でと言うことのようだった。
追い払ったがなぜ人がいると言うように山中は言い、わたしに質問したと言うわけではないが、わたしは一応はと言うように答え、山中は本当なのかと言うように聞いてきた。
「―――あ? でもこんなこと信じないか?」
これはまずいぞと言う表情だったが、一瞬でと言うか、よく考えたらと言うような表情に代わり、問題ないなと言うように言った。
「―――何にしても、一時休戦のようだ。」
「休戦?」
「終わったわけじゃない、リードが逃げたあいつらを追っていった。」
一息というように息を吐きだす中でいい、わたしが終わったのではないのかと聞く中で、山中は少し問題があると言うように返した。
「恋からも連絡が取れないし、動き回るのは危険だ。」
「―――」
「俺はリードとワーパーから連絡が来るか、連絡をあと数回してみる。」
リードがいると言うことが感覚器官的に感じられないし、山中もそれだけではないと言うように返し、わたしがどうしようと言うまでもなく次のことを伝えると言うように口を開いた。
「―――そう言えばお前はどうする?」
「ぁ。」
「―――放置するわけにはいかんし―――、何にしても一緒にいろ。」
忘れていたと言うわけではないと思うが、わたしの方はどうするかと言うように聞き、わたしが同じように忘れていたわけではないがどうするかと考えていなかった中で、山中はすぐに方針を決めた。
「はい―――」
「―――何にしても、一度車に戻ろう。リードも空も飛べるし、戻って来られるだろう。」
返事を返す中で銃を前方へと向け、前を先に行くからついて来いと言うように歩き出し、わたしは何にしても彼について行くことにした。
実際問題ナノマシンも身体に存在し、使えば彼以上の強さをわたしが持っていることは事実だが、彼はいく時に言った通りにわたしを戦闘に巻き込まないように配慮をしてくrているようだった。
あの警官の女性を追い払うのに多少強引な部分も見られたが、殺しもしなかったし、状況的にも妥当な判断だと言えた。
わたしアリーが現状の様子を見るに置いてわかったことはと言うと、あの2人の内1人の本名や愛称かわからないが、呼び合う時に使う名前があるようだった。
わかったのがどうしてかと言えば、いつからいてどこからあらわれたのかわからないが、仲間と思われる少女がいて彼を呼んだためだ。
男が少女を無線で呼びかける中で、少女の方がセイナと言う名前だと解ったし、男がヤマナカサーンと呼ばれたのが聞こえ、男の名前が山中だと解った。
ヤマナカサーンはおそらく日本語のYAMANAKASERNで、正確にはYAMANAKASANと言う発音だと思った。
YAMANAKASANとか言う名前があるのかもしれないが、SERN、SANは日本語のMrを意味していると考えられる単語と思えるし、正確にはSANを無視してYAMANAKAで間違いないと思った。
日本が好きな部分があるとは言え日本語の知識も少ししかなくてわからないが、漢字で『山中』か『山仲』と書くと思われ、この言葉は山の中間だと言うような意味を持っている。
名前と言うが、正確にはこれは姓と言うか、苗字の方だと思われ、日本の姓にはこう言った自然を扱ったものが多く存在し、男はアジア系に見えるし、日系とかかもしれないが山仲は少し少ないらしく、間違いなく名前は山中だと思った。
無線で仲間の少女ことセイナを呼びかける中で山中は少女を見つけた。
見つける中で近くで謎の女性を見て、わたしがなんとなく銃を持っているなと思う中で、セイナも地面に伏せさせられているしで、銃を取り出し発砲して一気に追い払ったのをわたしたちは見ていた。
「―――あの女性、と言うか少女魔法使いね?」
「―――なにぃ?」
「魔法使い、あの姿もIDも偽造、実際は10歳ぐらいの子供よ?」
強行的で非常識な上、女性がどうしてここにいたのかと言う疑問もあるが、2人が話した後一緒に歩き出す中で、わたしはドギーに対してあることを口にした。
ドギーが何を言いたいのか意味が解らないと言う中で、わたしは詳細を説明した。
セイナに銃を向けていたのは普通に見ると20代前半ほどの女性に見えるが、実際と言うか、わたしの眼で見ての話だが、高度な魔法を使った表面的な偽装だった。
魔法が存在するのかと聞かれたらわたしたち同様に存在する上、彼らが存在する異世界まで存在し、一般の人間に知られず、一部の人間しか知らないが、交通や協力、大半が私的だが交易も存在している。
一見すると普通の人間から言えば何の目的もなしにヴァリーは空を飛んでいるように見えるが、オレリードの眼にはヴァリーがおっている正体が見えた。
正体が見えたとは言うが、普通の人間ならば注視しなければ見えない状態と言うべきで、半透明な上巨大な物体だった。
正体不明な何かと思われるが、オレの眼に映ったのはアームドスーツだった。
山中の話した通りの巨大人型兵器ことアームドスーツで身長は推定して60フィート以上のどちらかと言えば大型で、何でこんな場所にと少し奇妙にも思いながらオレが追いかけている中で不意に姿を消した。
アームドスーツは基本的に身長は50フィート以下が一般的で、可変能力を有しているが、この機体は可変能力が存在しない特異な機体のようにも見えた。
光学迷彩と言えば普通は装備していないのが普通と言う以前に、ワープなどの機構と深い関係を持つPMASCや特例の任務を除き除外するが条約上搭載が禁止されている。
追いかけていた機体は大型な上光学迷彩で全身を覆い、周囲の反応から見てゲート装置を搭載していると考えられ、ゲートを起動し姿を消したと推定できたが、このゲート装置の搭載も機構などの取り決めに置いては厳禁になっている。
オレの時代こと未来ならば当然に存在するが、見たこともない機種で、この時代にアームドスーツなど存在しないし、造りだせる技術もないしで、新種の機体でオレ同様に未来から来たと考えて間違いないと言えた。
この時代で異常を発見し、用心として光学迷彩まで使用して調査を開始する中でヴァリーに突然襲われ、墜落した場所にオレたちは居合せたとも考えられるが、ヴァリーから逃げたが、墜落したのは想定外だった。
「―――光学迷彩にゲート装置の搭載は違法だぞ。」
複雑な事情は無視して、オレたちが戦っている中で体制を立て直して飛び上がって逃げ、オレが追いかけだしたと言う状況だが、墜落し、オレが何を考えていると言うように口を開く中でヴァリーの矛先はオレへと変わっていた。
墜落したアームドスーツのことも気になるが、眼の前の問題解決をする必要があると言う状況で、オレは何にしても高速でヴァリーを片付け、墜落したアームドスーツの胴体に着陸していた。
追いかけてきたこともあり、着地したのはあの場所から十数kmほど離れた場所の山林地帯で、オレは知ら得る必要もあるが、少し休憩と言うか、身体を動かすのを止めていた。
「―――――」
身体を休めていたと言う部分もあるが、オレはこのアームドスーツの全体の大きさと言い、姿が奇妙と言うか、信じられないが人間が乗っていないように見えた。
普通の人間ではわからないが、ハイブリッダーのセンサーや変化した眼ならではと言う感覚で運転席らしきものが見え、硬く閉じられているが、中に人影のような物が見えなかったのだ。
無人で稼働するプログラミングも無論存在するが、運転席は省略されることが多く、墜落もしているしこんな場所を無人で飛ばすのは不用心なのは当然で、ゲート装置の搭載と言い、外見と言い謎だらけの機体だった。
姿も大きいだけではなく、人型に近く武装も豊富に装備されているようにも見えた。
「―――?」
なぞは多いがヴァリーも片付いたし、一度山中と聖那の連絡しようとした時、オレは少し遠くから普通の人間には聞くことができないが、アームドスーツが飛んでいると思われる金属音を聞いた。
「―――――2体」
普通の人間では聞き取れないとしたが、常識では信じられないほど低空で飛行している上、大きさも先ほど同様に大きめで、光学迷彩を搭載していると言うのも見るまでもなくわかった。
どこからやって来たと言う状況で、オレは勢いよく飛び上がり、空中で滞空飛行して音の方向を見る中で肉眼では注視しないと見えないが、低空飛行している2体のアームドスーツの姿を視認した。
「―――何をしている?」
オレの追っていた消えた機体と言い光学迷彩で姿を隠しているとは言え、この時代で言えば戦闘機を一気に20台か30台を平気で低空で飛ばしていると言う現職の軍人でも常識を疑う光景と思考だ。
墜落すれば近隣住民にも多大な被害も出るし、搭乗者ことアームドスーターも無傷では済まないし最悪死亡する。
事故が無くても目撃される可能性も高い状況で、アームドスーターは何をやっているともおもったし、オレは注意のために足と言うか、身体をアームドスーツの方へと飛ばした。
「―――見たことのない機体だな?」
光学迷彩で姿を隠しているし、見つけられないと言う余裕でも存在し、視界に映っていないオレを飛行する鳥とでも思っているのか、かなり近くまで来て追尾する状態になったがアームドスーツは反応を変えないと言うか気づいていないような反応だった。
仮にレーダーやカメラ、センサーで確認されたとしても、人間が飛んでいるとは思わないだろうし、鳥の類だろうと認識するか間違い、機械の誤作動だと判断するのが普通だ。
誤作動と言えばオレの眼に誤りがないわけではないと思うが、光学迷彩などを無視してみたこの2体のアームドスーツの外観はあの機体と言いオレには見たことのない機体だった。
身長は55フィートほどと、少し大きい程度だが、大きく違うのは外観で、銀色交じりの白色を基調に青赤黒、緑と、非常に迷彩と言うか、色彩が色鮮やかな上、顔と言い非常に人間らしい外観をしていた。
巨大人型兵器なのだから人に似ているのが普通だと思われるが、複雑な関節機構の増加や省略化された科学的人としての部品と言った点を踏まえると、人に似ているが人に似ていない不気味な姿になるのが巨大人型兵器の鉄則だ。
オレが一般的に見るアームドスーツもジャパニメーションで見るようなロボットとは言えず、アンテナと言った鋭角的な部品は内臓式に変更され、部品が増えるとして頭部も省略されるか胴体とほぼ一体化している。
自立時に姿勢を保つために足を太く短くして尾や第3、第4の足を持っていたり、移動速度を向上させるためにタイヤなどを設け、作業の効率性を上げるために腕を足元まで届くまで伸ばしているのが普通だ。
ジャパニメーションに登場するロボットで何に一番似ているかと聞かれると、「モビルポリスパトレイバー」に登場している作業用レイバーなどが一番妥当で、銃も腕と一体化しているのが一般的だ。
人型と言うよりも半魚人だったりは虫類と昆虫、機械と猛獣を混ぜ合わせたような外見をしているのが普通で、変形も姿勢変更による移動効率化と言う方が正解だ。
「―――そこのアームドスーツ。何をしている?」
人のことは言えないが普通ではこんな場所に姿をあらわすことはなく、光学迷彩まで搭載していること踏まえると機構の命令で動いていると思えるが、オレはあの違法アームドスーツに逃げられたこともあって確認のために一応声をかけた。
「―――こちらはPMASCAGS、特殊職務専攻別働隊第1特殊工作部隊隊長のリード ファイヤー大佐だ。」
オレの言った特殊職務専攻別働隊第1特殊工作部隊隊長は機構と言うか、ワーパーと言うよりも機構の犬のあの女が名付けた部隊名だ。
仕事のない時に勝手に名づけ、部隊総指揮官は飛鳥で桜とか言うのは副指揮官、恋はオペレーターで、オレは言葉通り第1特殊工作部隊隊長で、山中は副隊長だ。
立場と言うものも存在するのか、聖那も書類上でだがパートタイマーと言うべきか、派遣と言うべきか、臨時的な職員としても一応規定され、給料も支払われてもいる状況にもされていた。
「そちらの所属組織及び部隊、目的を聞きたい!」
無線通信などの周波数なども瞬時に調べて通信が聞こえているしオレが少し機嫌が悪くて高圧的にものを言ったはずだが、アームドスーツは横にオレなど飛んでいないと言うように飛び続けていた。
「―――繰り返す。こちらはPMASCAGS、特殊職務専攻別働隊第1特殊工作部隊隊長のリード ファイヤー大佐だ。そちらの所属組織及び部隊、目的を聞きたい!」
逃げられて少しいら立っていたし、取りついて部品引き壊してやろうかとも思いもしたが、冷静にならないとまずいと言う状況で、オレは呼びかけを続けたが、反応がなかった。
「繰り返す。こちらはPMASCAGS、特殊職務専攻別働隊第1特殊工作部隊隊長のリード ファイヤー大佐だ。そちらの所属組織及び部隊、目的を聞きたい! 30秒以内に返答がなければ強硬手段をとる! 繰り返す! 強硬手段をとる!」
普通ならば1回で十二分に返事が来るし、遅れても2度目だが、2体は全く反応せず、オレは仕方ないと言うように先ほど以上に高圧な物言いで返した。
「―――?」
東洋の言葉だと思うが3度目の正直と言う言葉があったなと思いだす中で、数える間もなく2体は不意に飛行速度と高度を上げ、オレから遠ざかって行った。
「―――逃がすかよ!?」
あの場所にアームドスーツ以外にも人間外の存在が言って、聖那がと山中が危ないとも言えるが、2人が一緒なら大丈夫だとも判断し、オレは逃げて行ったアームドスーツを追った。
「―――」
飛行速度と高度を上げ、オレから遠ざかったとは言ってもハイブリッダーの能力を上回ることはできず、オレは1分としない間に追いついて片方の腹部に取りついた。
強硬手段に出るとも言ったし、オレは手加減するのも嫌いだしで、オーヴァーマシンのクラッキングもして簡単に開けるようにしたが、時間もかかるし面倒だし胸部の部品を破壊し、コクピットを半場強引に開いた。
「―――聞こえているか? 返事をしろ? こちらは―――」
中を開き、入りながらみてみると室内灯が点滅し、赤い非常灯に切り替わり始めている状態で、狭苦しい中の奥の方にシートに座った搭乗者らしき人影が見えたが、オレは少し厄介な問題が起きたことに気が付いた。
「―――気絶してやがる。」
よくみてみると山中よりも小柄で10代ほどの少年で、強引に取りつきもしたし、ハイブリッダーのオレがこれほどのことをすればおどろいたりして殺されると誤解するとも言え、気絶して当然だとも言えた。
『リード? お前何をしている? すぐに引き返せ!?』
オレのオーヴァーマシンも浸透させて操縦できるし設定も変え情報の収集も始めたし、最初からのようだが自動操縦に設定もしていたようで、墜落するなどの危機はないと言えた。
コクピット内などを調べてみると隣を飛んでいるアームドスーツの中だと思うが、少年と同じほどの少女が心配そうな表情をしているのが見えた。
オレが中にいて仲間も中にいて、どうすればいいかもわからず手の出しようがないと言う状況で、オレが何にしてもこいつら何者だと言うように情報収取を始めようとした時、飛鳥が不意に通信を入れて来た。
「―――飛鳥?」
『引き返せ! この馬鹿!』
放置しておいてこんな時にと言うように通信をしてきたし、何かとオレが聞こうと名前を呼ぶ中で、飛鳥は問答無用に引き返せと言いだした。
「オレの通信記録を見ているはずだ。所属不明の―――」
『引き返せ、命令だ。指揮官はわたしだ。』
「―――」
これを放置するのかと言う状況で、オレがいいのかと言いかける中で飛鳥はお前には関係のないことと言うか、オレの言葉を押しのけるように言った。
「―――指揮官ならば―――」
『なりたくてなったわけじゃない。わたしは引き抜きなんだ。とにかく仕事を増やすな。』
逆に指揮官としてならこれに迅速な対応が必要だとも言おうとしたが、飛鳥は自分の立場が半場いやで面倒だと言うような物言いでオレの言葉を一気に跳ね除けた。
「ワーパー、貴様機構からの天下り―――」
『―――それがどうした!?』
「Scrap―――」
飛鳥のなりたくてなったわけじゃないと言う事情は知らないが、だれにしても上の人間たちが下の人間たちにどう考えても異常が起きていることを放置や無視、果てには手伝わせることは多く存在するが、飛鳥も同様のようだ。
『それにお前も確認しただろう? 眼の前のそれ以前に普通ではない存在が2人の近くにいただろうが? 自分のことも考えろ!? 2人に身に何かあれば、お前の身が一番危険なんだぞ?』
「―――わかったよ。」
オレがおまえもしやと聞きかける中で、飛鳥はと言えばそれよりもと言うように、故意にだと思うが少し嫌味が混じったような言い方をし、オレは逆らえなかった。
不本意ながらここはと言うようにアームドスーツから手を離し、コクピットから出て重力に任せて落下を始まろうとする中で飛鳥はまだ聞かないと思ったらしく言葉を続け、オレはそれ以上言うなと言うように言葉を返した。
「―――何にしても戻る。」
高度は推測して100m以上と高度的に低いが、オレは言いながらすぐに身体の向きを変え、身体を飛行形態へと移行した。
『―――――』
「それとだ。」
言うことも聞かないし手間取らせてと言うようなため息を飛鳥が漏らすのが聞こえる中でオレは飛行を始め、山中たちの場所へ戻る前に飛鳥に一言おうと思った。
『―――――?』
「必ず貴様はオレがぶっ殺す。ワーパー。」
飛鳥にも深い事情があると思うが、なんとなくと言うか、本能的と言えるかもしれないが、オレは個人的にこの女が心の奥底から気にくわなかった。
あとで説明してもらうぞとか言うのかとか、何だと言うような反応をした声が聞こえる中で、オレは心の奥底に存在してる言葉を一言一句間違えることなく伝え、空への高速飛行を開始した。
あのアームドスーツのことは気になるが、命令には逆らえないし、2人のこともあるし、後で絶対ワーパーにも説明させるとも思い、オレは2人のいる場所へと急いで戻った。




