Common
年が明けていた。
時は1998年の12月26日から5日以上が経過し、西暦は1998年から1999年へと変化していた。
カレンダーなどに表示されていた12月を意味するDec、言わばDecemberの表示が1月を意味するJan、言わばJanuaryへと変わり、新しい時代を迎えかけているとも言えるが、俺山中と言うか、リードもふくむがあまり変化はないという状況だった。
何もしていないし起きないと言うわけではなく、聖那のことやあの日の事件のことと言った複雑な事情をふくめて俺たちは聖那を手伝うことにもなり、AGEの本社内の開いていて普段人の立ち寄らない場所にかくまわれ居住することになった。
状況を踏まえリードと共用と言うかルームシェアで、無人だが本来は人4、5人ほどで机を置いて使う6畳半ほどの少し小さい部署として使われるひろい部屋を使わせてもらい薄い壁一枚で半分に割った部屋にしていた。
ドアを開けると部屋の中心が壁でわけられ、ドアを開いた方向から見てリードが左、右に居住することとなった。
会社の施設と言う建物と言う都合上トイレやシャワー、洗濯機と言った場所や家電は別の場所になるが、換気扇や窓などシーツと言った日常品をある程度そろえれば必要最低限の生活はできる部屋になると言えた。
生活を始めて5日以上が経過し人気の無い事務部屋から2人の男が暮らす必要最低限の物資が置かれた日常生活の部屋になったと言う状態で、俺たちはここで空き時間を過ごすことになった。
空き時間を過ごすとは言え状況的に開いた時間はないと言う状態で、リードは聖那たちの手伝いに行っていることが多く、俺も手伝いに行くことも多かった。
聖那とリードを手伝う以外に俺は何もしていないから楽と言う状態でもなく、空いた時間に訓練や携帯に送信された飛鳥たちの情報や装備を整理し覚えて勉強や訓練をしていると言う状態だった。
リードに教えられた部分も存在するが、携帯には教えられていなかったりする第3次世界大戦などの未来の歴史や時間航行の難解な理論や背景、神のこともだが俺が見た怪物たちのことについても書かれていた。
タイムマシンがゲートと呼ばれていることや、オーヴァーマシンのメカニズムと、実に興味深いものだったが、特にリードの気にしていたニクサーのイラストを見た時少し寒気が身体中に走った。
ソーに似ているが手から伸びた異様に長い3本のつめが伸びている恐ろしい恐竜の絵が見え、これが雷也の身体を貫いたのかと思うと自分の身に起きることも想像したくないし、ハイブリッダーと言えリードがあれほどの反応を示すのも理解できる気がした。
訓練も普通の物でもなく外に出て身体を動かし鍛えると言うか長時間走ることや、リードに手伝ってもらうこともあったが戦闘訓練など、やるべきことは山積みだった。
軍人や自衛隊員と言うのは一見すると筋肉が多いばかりの人間が慣れるとばかり思われる印象が強いが、どちらかと言えば必要なのは精神力で、筋肉や体力と言った方面は学習能力と言ったこともふくめ二の次と言う方が正解だ。
長時間走ると言えば体力を求められると思うし、実際2、3時間訓練で走る上身体を鍛えさせられ重い装備を持たされる始末だが、次第に身体も鍛えられるし、つらいと思えるのは最初の数か月だけだ。
精神論で呆れ果てた条文で、へどと言うものが出るのがこういうものだと言えるが、ならうより、なれろと言う状態が正解だ。
このならうより、なれろと言う体制にも嫌気がさして辞めた理由に入るが、自衛隊を辞めた後も俺は身体をなまらせたくないこともあるが自衛隊などでしていた訓練などを自力でだが続け、職業柄やそれ以外の勉強も続けこの生活は日常化していた。
個人的な話だが身体と言うものは科学的に言う昔取った杵柄と言うものがあてにならないと言う意見を参考にして杵柄にしないようにしていたと言う部分もある。
昔と言えば絶対に気のせいとだと言えるが、半世紀以上の時は経過しているが背景に第二次大戦期の軍国主義の亡霊たちが一部の上司を通じて俺たちを時折洗脳しているような気がしたのも嫌になった理由の1つだ。
指示には従うが命令は拒否すると言うような、個人の屁理屈と言うか、心までは売らないと言う精神が上の人間たちから反発を食らっていたのもやめた理由の1つだった。
極め付きにもなると言うか、ここまで言うかと言う領域だが、憲法9条や国の歴史、価値観も縛られたくもなかったし、戦死してもいいし本望だと言えるし世界を見て戦ってから死にたかった。
現在では生きるために戦うと言うか、戦うために生きると言う状況で、海を越えた先には俺が求めている以上の答えが存在していたし、現状は普通の人間が体験できないかもしれない体験をしていて、不謹慎だが毎日満足と言うか充実しているとも思った。
リードや聖那といった普通ならも絶対に会えない人間にも会えたし、これから何が起きるかわからないが、何としてでも生きられるならば結末を見届けてみようとも思った。
「―――あー、そう言えば―――」
『どうしました? 山中さん?』
「おわ?! 恋?」
この時は寒いにも関わらず朝の3時ごろに眼が覚め、少し眠たくかなり寒い気もしたが、眼も覚めるし雪も降っていないし凍死する心配も絶対ないので身体を動かしに外に出ていた帰りに勉強のために携帯の画面を見ている時だった。
警察などの動きもある程度調べる意味もあって外にも出ていたが、朝早すぎだから当然だとも思うが意外と動いていないとも思えた。
社内に帰る少し前に警察官を見て眼が軽くあったが関心もないと言うか新聞でも報じられたが気づいていないと言う反応だった。
帰りに開いている店を見つけ、ビールを買い物もして帰ったが、不審そうな顔でも見られず、犯罪者でも正々堂々と歩いていたりしていると意外と怪しまれないと言う話が存在するがその証明だとも言えた。
社内に入り携帯を見始める中で、自分はもうある意味犯罪者だし、外に運動に出たと言えば少し身体も重い気がするし歳だし物覚えも悪く、問題はほかにあるし、ほかの問題を思い出し、思わず口に出そうして止める中で無線機越しに恋が不意に話しかけて来た。
「―――」
『―――どうしました?』
「―――あ、いや―――」
無線機や与えられた装備の一式も非常時のために肌身離さず持ち歩いていると言う状態だが、不意な無線はおどろくと言う状態で、どう返せばいいと言う状況だった。
『―――ひょっとして、ヘリコプターの免許の件ですか?』
「―――ぁ、知ってるのか―――?」
恋に聞かれた通りで、ほかの問題と言うのは実はヘリコプターの免許のことで、実は俺は免許を取っている最中にこの事態に遭遇していた。
「―――まぁ、もういいよ? この仕事もあるしな?」
事実これ以外の言葉が出ないと言う状況だった。
『―――でもあとは最終試験だけなんでしょう? もう乗れるんですよね?』
「まぁ、そうだが―――」
恋がどこまで調べているか知らないが、調べていることは調べつくしていると言う状態のようで、俺は免許を後少しで手に入れられると言う状況だった。
『偽造IDに免許追加しときますね?』
「―――やめてくれ。」
携帯に送信された情報やリードから教えられた情報に、ここ何日か話して解ることだが、未来人には大変失礼だが少しこの時代と違い現実的な部分に欠ける一面が存在している。
『え?』
「やめてくれと言ったんだ。この状況だしIDも役に立たない。ご厚意だけ受け取って置く。」
何でですかと言うように恋が言う中で俺は思った通りの言葉を返した。
与えてくれた装備の中には偽造パスポートなども用意され、非常時にも使えそうだが現状ではまだ使うほどの代物でもないと言う状況だった。
前に聞いた偽札の件と言い、何をおくってくるかわからないと言う状況でもあるし、丁重に断ったと言う状況でもあった。
「―――さ、昨日送ったウェザビーカスタムがお気に召しませんでしたか?」
「―――ぁ? いや? ゲートで送ってきたやつか? そうじゃないんだが―――」
「山中さんはアメリカ製の銃が好きだと聞いてますし、よろこぶと―――――」
ご厚意だけ受け取っておくと返すと恋は理由がわからないと言うように質問し、俺は不満はないと言うように返したが、恋は理由を探そうとしているようだった。
恋の言うウェザビーカスタムとは数日前に恋と言うか、ワーパーがこれからの任務のた眼に送って来た装備の1つだ。
AGEの空いた部屋に居住することが決まり、落ち着き始めた中でタイムマシン、言わばゲートを使用し、世に言う時間を超えた転送と言うものがおこなわれるようになり、装備などが贈られるようになってきたうちの1つでもある。
正確にはウェザビーマークVと言う銃で、M81などのAMRと比べると劣るが、7mm口径の威力の4倍と言う小銃中最高威力の弾丸を使用する精密射撃ボルトアクションライフルを徹底的に近代改修した銃だった。
高威力でもあり、原形がボルトアクションライフルで反動も強く、連射できないと言う弱点が存在するが、高倍率のスコープを基本に、フォアグリップやバイポッド、ピストルグリップに伸縮性ストックと、素人が見てもわかる過激な改造がされていた。
根本の部品の素材から変えているし、ここまで改造した上にボルトハンドルを右利き左利き両利き対応の仕様に変更しマガジンも延長され、マズルブレーキやサプレッサーまで装着可能にしているし、文句を言う方が狂っていると言う状況だ。
「―――ぇ? いや、あれは気に入ってるよ?」
状況が状況で動転していると言うか、いい加減になれたと言う部分もあるが、職業柄職場によっては大した装備も手に入らずと言う状況もあるし、断ったのは少し意気込みもなくしかけているし身を引き締めようと思った部分もあった。
身を引き締めようとは思うが送られてきたものは有効に使わなくてはいけないと思うし、第一アメリカ製の銃が好きなのは本当であの銃は非常に気に入っていたことも事実だった。
銃器の精通すれば銃はAKやドラグノフ、トカレフと言ったロシア製に勝るものはないと言うのも解るが、個人の好き嫌いもあるし、45と言いアメリカ系の銃の好きな俺があれほどの銃が気に入らないはずがなかった。
「―――ならどうし―――」
「恋、経済事情と言うものを知ってくれ? お前の時代と物価やらが違うんだ。厳しい装備で仕事をしてるし、こんな円満な装備を受け取る仕事は初めてだ。うれしくて少し気がゆるんでいる気がしてな? 気を引き締めようと思っているんだ。」
「―――――」
恋が説明を求めると言うように言う中で俺は理由を説明し、納得してくれたのか恋は聞き入っているような状態で何も言わなかった。
送られてくる装備も実は余分を通り過ぎると言う量で、十二分に戦争ができる量が送られ、逆に返した方がいいと思う量にもなっていた。
「―――仏門みたいだが精進しないとな?」
「―――――」
「―――安心しろよ? 装備は有効に使わせてもらう。」
言っていて自分でも古くさい発言だとも思ったが、現実問題厳しい仕事も多くしてきた上現在のフリータイムで気も緩んでいるような状態で、言葉通りに精進する必要があると思った。
恋は解っているのかいないのか、落ち込んでいるのか、俺がこういう人間だと教えられているのかわからないが、黙って聞いていると言う状態で、俺はと言えば落ち込むなと言うように言葉を返した。
状況が状況で、個人的にだが軽くだが気遣いのような物をしてくれたのを踏みにじったのかもしれないが、通信機越でわからないし、直接傷つけたかと聞くのも少し考えてしまうものだった。
教えと言うべきか、訓練や修練と言うべきか、授業とも言えるかもしれないが、何にしてもわたし聖那はリードからナノマシンの使用法を教わり、活用して実践し、リードとナノマシンを使用した疑似的な戦闘もしていた。
父こと敬護が研究し、わたしの身体に投与されていたナノマシンは人間の脳波や神経伝達の際に発生する微弱な電気、筋肉の収縮などと言った身体の意思伝達を応用させて変化させるものだとリードに言われた。
冗談のような話だが精神論的な話で、無駄に強さを求めればナノマシンに脳などを浸食され言葉通りの殺戮機械と化すとも言われ、ナノマシンを的確に調節して戦えるようになるためにわたしは同時に精神の鍛錬も受けていた。
わたしの身体はナノマシンに逆に制御されかけているとのことで、調査や身体の一部を銃火器に変えて戦うことは後回しと言う方向で、座禅や柔道の基礎の受け身、それに武士道などの精神なども教えられた。
武士道と言うと日本人の文化と言うものだが、わたしはよく知らないし、少しして日本人だと解ったし山中の担当だと思うがリードは事細かに話しをしていた。
海外の人間の方が他国の文化に詳しいことがあると言うがリードは代表例と言うか、彼らの独自の文化なのか、アニメやゲームと多少奇異な部分も多いが異常なほど詳しかった。
『―――タイムマシン、いやゲートテクノロジーを使い、未来から来た聖那の身体に埋め込まれたナノマシンの進化系、オーヴァーマシンを身体に持つ遺伝子改良種、ハイブリッダー』
『Generative Automatic Transporter Energy And Entrance、直訳すれば、出力自動移動資源および進入路―――』
『―――信じられるか? ナノマシン自体未知の現象なのに未来人とは!? それに神の実在?!』
リードからナノマシンの使用法の教習を受けている中で、遠くで防弾防爆などのガラス越しに見ていた鈴村の辻がわたしとリードのことについて話し合っていた。
辻も鈴村もある程度説明を受けたがまだ信じられないと言うような反応で、辻が口を開く中で鈴村は静止するように言い、辻は鈴村に向かって勢いよく聞き返した。
普通の人間の耳では距離や構造上絶対に聞こえない状態だが、わたしは身体の中に宿ると言うか、埋め込まれたナノマシンを使いこなすことで、リードに教習を受けながらも彼らの話を聞いていた。
『―――それにあの相棒のゲームボーイモドキ! あれが携帯電話? 10年以内に実用化する? どうなっている―――』
わたし自身と言うか、敬護の研究自体が未知だが、一番未知と言うか奇妙なのはリードと山中の2人で、2人はここに来た事情も非常に違っていた。
簡単に言うとリードはと言えば世界を揺るがす犯罪者を追ってこの時代に来たと言い、山中は気が付くと不意に起きた時間移動の事故でこの時代に来た中でリードと会ったそうだった。
何の因果と言うか2人が同じAGSの社員と言う関係で未来からの依頼で一緒に仕事をすることになったそうだ。
AGSはAGEののちの発展企業の1つで、Advanced Guard Securityの略で、傭兵こと軍人のアルバイトを海外などに派遣する会社ことPMCまたは、PMASC、PMSCsと略称される民間軍事会社だそうだ。
リードはと言えば現在から数百年後の未来から来ているが、山中は本人が言うには現在から換算して20年後、性格には2022年の中期ごろから来たと言っていた。
わたしが敬護の研究を完成させた後、AGEは後に操業するAGSの社員ことPOの山中たちをDNAなどを使いID管理させ、数百年後にはリードこと人間をハイブリッダーさせるオーヴァーマシンを開発したそうだ。
『―――日本に連絡して私立探偵を依頼したんだぞ? もしあの男が言った通りの子供が住所の場所に本当にいたらどうするんだ―――?』
敬護の研究が少し遠い未来の世代の少しだけだが人間に応用され、数百年後ではわたしのような一部の成功例ではなくだれもが生まれながらにリードのようにハイブリッダーになれる時代が到来していると言えた。
山中は中間の世代に当たると言え、わたしのナノマシンには適合しない確率が高いと言うか、死ぬと言うが正解だそうだし、オーヴァーマシンは胎児にしか効力を発揮しないが、性格にはハーフハイブリッダーだが彼には適合するそうだ。
リードほどになるともう絶対に信じる以外に方法がないが、半信半疑なるのは失礼な表現だが中途半端な状況の山中で、辻が主導で、鈴村は彼に言われ仕方ないと言う状態だが彼の調査を始めていた。
辻が言うには彼は日本人かと聞いた時に日本語がわからないふりをしていたし信用ができないと言ったのだ。
あとで不意な母国語で理解できなかったと山中は弁明したそうだが、リードが鈴村に最初山中が日系2世だと話したとも言い、リードはもう疑うとまずいが、山中はどこか信用できないとし調査すると言う方針にしていた。
AGSが生まれることやここ数十年先の未来も話すし、辻が一番疑い深いと言い、わたしも少し疑っているが、怪しいのは手に持っていた携帯電話だった。
言葉として聞いたことや見たこともあるし、どんなものかは一応は知っているが、彼の持っている携帯電話はわたしたちが知っている物とはかなり異なっていた。
技術が発達し、彼の時代ではスマートフォンと言うそうで、十数年後にはシェア数こと所持数が100%を超し、1台で現在のPC以上の性能を持っている上、この時代では無理だがインターネットへの接続もできるそうだ。
縦10Cm以上、横10Cm未満、うすさ推定5mmで表一面が画面で、裏には小型だが高解像度のデジタルカメラにライトも装着され、画面が操作用のキーとなるタッチパネルと呼ばれる機能を搭載していた。
話しの中で10年後には実用すると山中が言い、10数年後に大きい地震や国際的事件がアメリカで起きるなど、ほかにも信じられないようなこと言うしで辻は山中を信頼できないと断言する状態だった。
話す山中はと言えば自分は1989年生まれで、10歳の自分が日本にいると言ったことを踏まえ、辻が日本の方へ連絡し調査を始め現在報告待ちの状態になっている。
怪しい素振りもまったく見せずに絶対にうそを言っていないと言う雰囲気で山中は言う上、証拠もあると言うように血液を採ればいいとも言ったそうで、辻も意地になっているようだった。
「―――精神に乱れが見られますよ?」
鈴村は半塲本当かも知れないなと言う反応の中で、辻が絶対とまでは言えないが信じられないと言う反応で話している中で、わたしはリードに話しかけられた。
「―――ぁ。」
「ここまでにしましょうか?」
正確に言うとと言うか、わたしはよく考えるとリードとナノマシンの制御の訓練の最中で、最中に彼らの会話を盗み聞きしている状態だった中でリードに声をかけられた。
熱心に指導している中で彼らの話を聞いていたことは知ってか知らずか、リードは何も聞かないがリードは精神に乱れがあると言ったし、乱れているとか言うこと言われると少し不味い状況だし、言った通りに動くのを止めた。
わたしの現在の精神状態が身体にどう影響するかわからないが、ナノマシンにしてもオーヴァーマシンにしても、実際一応は有限だが肉眼的に見ると無尽蔵な生産能力を持っていた。
身体から大量の銃火器を出して連射したり、刃物を出して振り回したり、激しく動き回ったりと言う状況の中でわたしはリードに声をかけられて動きを止め、リードもあわせて止まり、リードは床に座り丁重に頭を下げた。
柔道とかのお辞儀の真似だと思うが、戦闘服な上武道とかでもないし、火器を使う時点で論外だと思うが、お構いなしと言うようにどこかで手に入れたであろう結構間違った日本文化の真似をしていた。
間違っているとは言え本当に敬意を持っていると言う反応で、先ほどまで鬼神を通り越した勢いで戦っているようにも見えたが、頭を深く下げているし、言葉遣いや教え方も丁寧だし文句や間違いの指摘は到底言えなかった。
教えられたことも、これから教えられることも多く存在し、研究を手伝うことや調査によろこんで手伝うと言うか名誉とまで言い、少し乱暴そうだし相棒の山中は怪しく思われているが、悪い人ではないとは一応思った。
仕事は増えたが嫌な気もしないし、オレリードは聖那とのナノマシン使用の訓練を終えてAGEの社内を歩いていたが問題をどうするかと考えていた。
問題はと言えば聖那がどこまで使いこなせるようになるかと、ナノマシンのことをどのようにして調べるか、アーウェーをどこにいるか調べて追うかに加え、山中をどのように使うかと言うことだった。
あれから時が経過し年を超し、アーウェーの手掛かりも何もない状態の中で聖那の手伝いと言うか、面倒と言うか、教育する中で、予期はしていたが山中が怪しいと疑われていた。
一応はオレの指揮下の部下になるし、雑務などを与えてみたりすると働くし、自分で仕事も見つけるし、現状を踏まえて自力でだが学習もしていて結構役に立つように見えるが、オレ以上に疑心暗鬼を持たれていた。
遺伝子研究を推進する企業からPMCが誕生すること自体信じられないと聖那たちと言うか、辻たちには思われるだろうし、オレも山中ほどではないが怪しまれているが、最大の問題は山中が極めて近い未来から来たとも言えることだった。
オレほどまで来ると脅される以前の問題で信じるしかないと言う状況だが、遠いと言えば遠く、近いと言えば近い山中は20年後から来ているため、疑心暗鬼が隠せないのだ。
ソ連の崩壊やベルリンの壁崩壊、日本では地下鉄サリン事件などが起きたが、1999年以降も世界は激動の時代を迎えているしで、山中は話しの中で近くて遠い未来を話し、辻と言う男に疑われたのだ。
正確に計算すると23年後だが911にイラク戦争、黒人初ことバラク オバマの米国大統領就任、日本で女性を使った新札の発行や311と、歴史は絶えることなく続くが、激動は変わらず起きると言う状況だ。
証拠があるとして山中は現在こと10歳になると思われる自分の住所などを教え、血液を採取させるなど、辻たちは調査を始めある意味信頼させ一時は収まっている状況だった。
「おう? リー?」
知ってか知らずか、うわさをすれば影が差すと言うべきか、少し休憩にビールでも飲みたいなと思っているとビールが数本入っていると思われるビニールの買い物袋を持った山中が本当に都合よく声をかけて歩いてきた。
「―――ビー、ぉ?」
時間にして結構朝早いし、少し呼吸が荒く聞こえるし服装も普段と違う運動着で、訓練で外に出たついでに適当な店によってビール買ってきたと言う雰囲気で、袋から取り出し、ビールいるか飲むかと言いかける中でオレは言うまでもないと言うように受け取った。
受け取ったとは言うが、山中が袋からビールを取り出し飲むかと聞きかけカンを手の上に乗せている中で、ビールのカンは山中が投げたわけでもないのに高速でオレに向かって飛んで来たかと思うと、オレの手に収まると言うか受け取った。
「―――電磁石か?」
「まぁ、そうだな?」
受け取り笑みを浮かべているオレに対して山中の聞く通りで、調度飲みたかったし、ビンではなくカンだったしで、オレは腕を電磁石に変え、強力な磁力を発生させて半場強引にビールを奪い取った状況だった。
「腕の中をコイルに変えて、手のひらを磁石に変え、だとすると電力は―――」
「お前がハーフハイブリッダーなったら教えてやるよ?」
ほかにも重力制御や風力発生と言った能力も混ぜたが、山中が推測を始め、ほかの金属がなぜ引き寄せられないかと言う話にもなるし、オレは深い話話だと言うように笑って返した。
「―――そう来るか?」
「迷うことはないぞ? ブロス?」
「―――考えさせてもらうよ?」
ハーフハイブリッダーになれば仲間間の専用の通信で情報も送信できて教えられるし、適合性はあるしで、オレは半分は冗談で言う中で、山中はそうだよなと言うように返し、オレは遠慮するなと言うように言ったが、山中は断った。
言い方や声の大きさ、顔の表情などを分析してみると実体として受け入れるのもいいが本格的にはまずいのではないかと言う反応をしていた。
オレことハイブリッダーの高い利便性は認めているが、当然だが人間としての境界線を越えるにはまだ少し抵抗があると言う反応なのは確かだと言えた。
オレの場合生まれながらのハイブリッダーで、仲間たちに人間に生まれなかったことに誇りを持つように教えられるが、途中からあの人間の偉業を受け入れるには何重もの心の準備も必要だ。
ハーフハイブリッダー化させる方がある意味都合がいいが、第一普通の人間と言うか、山中は本来この時代の人間ではないし、時間航行の都合上ハーフハイブリッダー化させれば飛鳥(あの女)から存分に怒られそうだった。
山中もオレ同様にある程度は冗談と理解し、了承しているしで、返事は中途半端だが状況的に妥当な返事を返したとも言えた。
「―――」
「―――にしてもだ。これからどうなるんだ?」
ビールを受け取りオレがカンを開ける中で、山中は軽くだがため息を吐きだして言う中でオレは軽くだが一口飲んだ。
「―――アーウェーについて手がかりは?」
「―――」
同じ兵士だからこそわかると言うか、オレが考えるように何にしても仕事をするだけだと言うように山中は質問し、オレは何もないと言うように口は開かなったが首を軽く横に振って返した、
「―――あらゆるセンサー機器の塊だと思われるお前が発見できないとなると、高領域のステルスか、それともあのゴーレム同様に研究が進み神に―――」
ハイブリッダーの感覚器官は人間を通り越した領域で特定の個人を見つけるなど簡単なことだが、問題のアーウェーの反応はなく、過去も未来も同一だし、山中の言うとおりに研究はかなり進んでいると言えた。
進んでいる上、命令無視したオレ1人では解決は不可能だと言えるが、裏向きではあるがオーグとワープの助力も得られ、このままでは終わることはないとオレは絶対に信じていた。
山中まで置いて帰りオレに任せると言うある意味醜態も存在するし、オーグやワープが何か台本を書いていると思うが、オレはアーウェーを殺すだけだし、聖那を守り、研究の詳細を調べ、推進させるだけだ。
山中と言えばADAMをゴーレムと言うようになり、オレもゴーレムと言うようにし、アーウェーの創造した泥人形には適合しているともいえこの時代の人間にまで馬鹿にされていい気分だった。
「―――――」
オレたちはここに来てから基本的に2人で昼夜の2交代制を決め、オレはビールを飲んだ後はこの後夜の時間までは一休みの予定で、山中は朝早くから夕方ぐらいまでの担当だ。
この2交代はほぼ不動と言うべきで、少しの間一緒にいてわかったが山中はオレとは結構対照的な部分を持っていて生活リズムが代表例だ。
何日も起きていることや徹夜、変動などもオレたちは職業柄できないわけではないが、オレが夜型人間と言うか夜行性で主に夜動くが、山中は昼行性と言うか昼型人間で夜明け前に起きて陽が落ちる時には寝ている。
「―――どうした? 何か変か? わかったのか?」
「ぁ? いや? ダメだ―――」
「そうか?」
あと任せるかとでも言おうかと思い、これからのことを考えている山中に顔を向けている中で山中は質問してきたが、オレは考えていることも言わずに適当に返し、山中は再び考え始めた。
「何にしても、任せたぞ?」
「ああ、おやすみな?」
オーヴァーマシンを使えば身体の疲れなどを本来感じず、理論上は半永久的に活動できるが、人間としての身体の記憶や精神が関係しているのか、一応はと言うように疲労も感じるし、オレは昼は山中に任せることにした。
山中はと言えばいつもの通りで深くは詮索しないと言うようにオレを見送り、見えはしなかったが、考えても仕方ないなと言う表情をしていた。
これからは山中の時間だ。
ハイブリッダーはオーヴァーマシンも使用し人間以上の感覚を持ち、前や後ろ意外というか、周囲の人間の表情や状態を見ると言うか的確に推測することができる。
視覚情報以外にも多数の情報を視覚で処理していると言え、通常の人間以上に人間を外見以上に的確に判別できるとも言える。
どこかの国とかの言葉で第一印象が大切とか、人は見かけによらずとか、東洋の言葉で山椒は小粒でも非常に辛いとあるが、人間は外見を重視するが肉眼で外見と言う情報が役に立たな過ぎるとも言える。
ハイブリッダー事態姿形を自由自在に硬化や軟化、できることもあってオレたちは人間を外見で判断せず的確に調査している。
話しの意図が読めないと思うが実は山中のことで、オレは何度も山中を見たが、オレたちこと西洋系の人間の基準から見て日本人と言うこともあるが山中は少し外見的に判別がむずかしい外見をしている。
聖那や辻、鈴村と一緒にいれば日本人の男だと結構判別できるし、彼らの間では大人の男として判別されているようにも見えるが、単体だと失礼だが外見的には人間としては断定できるが、年齢や性別に判別に困る外見をしている。
身長も低いし体格的に肩幅もあまり広くなく、顔も幼げでどちらかと言えば顔が丸く、眼が細くて眼つきの悪い一重だが、これが二重で少し見繕えば体格的に女にばかせられるとも思った。
胸板も厚くなく細身で、よく言えば中性的だが悪く言うと男と女の区別ができないし33歳だと言ったが10代前半ほどにも見え、オレから見るとまるで子供で年下に見えた。
日本やガラパゴス諸島、日本では小笠原が該当するが特定の古来の生物が外来種によって絶滅の危機にあると言う話があるが人間も同様だと思ったし、オレの国こと未来では絶対に見ることのできない人種だと言えた。
過去にロシアや中国と言ったお隣の2つの大国の猛攻や、オレたちの先祖がした黒船来航、第2次大戦と言いこの古来種はよく滅び去られなかったなと思った。
初対面の時も外見も無視しレントゲンで骨格やサーモグラフィーで体温、身体から聞こえる音、身体から発せられる汗などの臭気から成人男性と判別したが、AGSの上着による誤解と言い、外見での判断が本気で役に立たないと思った。
外見と言えば髪も違い、オレたちの職種から見て普通の長さではなく前髪が顔よりは短いが顔を覆い隠すように長い上に男性不相応と言えば失礼だが整い色もいい直毛だった。
軍隊組織と言った組織では規律や同一性、品行方正と言った集団性を求められることが多く、個体個別の判断や集団性にも乱れも生じるし論外な上、行動中に邪魔にもなることが多いしでいいことはないのが現実だ。
兵士になる女性もこれは同一で、髪を切らなくていいとされている場合も存在するが、軍隊に入る女性の多くは訓練が始まるのに合わせて男同様に髪を切り落とすことが多いことも事実だ。
現在はPOと言う一応は民間組織の一員だが、多くの人間が伸ばす理由がないと言う中で伸ばしているし、深くは詮索しないが何か理由はありそうだが、聞くのも面倒だしオレは深くは聞かないことにした。
深く聞かないと言えばひげで、会った時は無精ひげが生えていたが、髪が伸びるのは自然現象だから仕方ないしそれがどうしたとか言うように伸ばしているが、ひげだけは生えるのが我慢できないようで毎日そっているようだった。
伸びているのと傷や血まみれだったらどちらがいいかと聞かれると後者を選ぶと言う雰囲気で、顔をよくみてみると普通の人間ではわからないが、カミソリの傷あとが残っていた。
日本人は海外に行くと一部の人間がひげを伸ばすが、あれはできる限り成人や年配に見えるためにする処置でこれが幼く見える原因の1つでもあると言えた。
髪も長く顔も幼げな上華奢な外見で、外見的には失礼だがどちらかと言えば優男の領域だ。
オレの髪とひげも人のことは言えないし、山中よりも長いが、これはハイブリッダーの能力のためで、肩の近くまで伸ばし左側の一部が稲妻のように変形しているが、これは昆虫の触覚を応用した鋭利な感覚器官だ。
感覚器官と言えば、感覚的に見ると言えばだが聖那が山中と並ぶと聖那が逆に恐ろしいほど異常に小さく虚弱に見えた。
細かい理屈は無視して何にしても山中は聖那と並ぶと何とか男だと判明し、一見すると細身で貧弱な体型に見えるが、日頃の訓練の効果か身体も筋肉が的確に増長しているし、服を着た外見不相応に引き締まり、鍛えられた身体をしている。
外見不相応と言えば声も普通の人間と言うか、男としても低すぎる声だし、この当時の日本の流行語大賞に脱いでもすごいとか言う言葉が存在した気がするがまさにその通りだと言えた。
20世紀から21世紀ごろの日本の米軍基地問題で日本人の女性暴行や殺害事件などの話を聞くが、体型もふくめこれにあの控えめな性格や行動力では力技に持ち込まれて殺されてもおかしくないとも思った。
弱小種である影響か未来では日本人は人口上事実希少種で、純血と言う意味での人種が多く存在せず、多くは他国との混血児だ。
飛鳥(あの女)もその1人だと思うし中国系ハーフかクォーターだと考えられるが、奇妙なのは桜の方で山中よりも純度の高い日本人女性のように見えた。
隔世遺伝と言う可能性も桜には存在するが、日本人は個体としての優秀さが認められており、機構が規定した人種保護や再生、徹底的な教育などによる意図的な交配種である可能性も高いとも言えた。
日本の歴史と言えば山中の生きていたころこと20数年後の日本では日本革新運動と言う一大事件が起きている。
この歴史的出来事は日本版名誉革命とも言われ、後世の歴史に多く名を残している。
名誉革命とは本来英国で起きた歴史的事件で、ある意味現在で言う政権交代とも言うべき事象だが当時として数少ない流血沙汰ではなかったことからこの名誉と言う名称が歴史に名を残している。
荒木侑史と言う政治家が仲間の大量の政治家を裏切ったことを発端に大規模な政権交代と言うか政変を開始し、徹底的な経済対策、本格的な法改正を開始し、日本と言う国そのものを半々世紀こと25年で大変革及び経済的に回復させたのだ。
その時代を生きる当事者の山中はと言えばそんなことを知らないし興味がないと言う雰囲気だった。
日本人の多くとまでは言えないが、これはある意味当然の結果だ。
オレのようなアメリカ人的意見かもしれないが、日本人と言う人種の多くは政治を絵空事としてとらえていることが多いと言うか、信用していないし言葉通りの他人任せだ。
発端と言えば第2次世界大戦敗戦で、GHQ統治に大まかな憲法改正と言った国家主導の国家改革の中で国家崇拝に加え軍需と産業を否定された結果だ。
国家崇拝の上に軍需と産業と束縛から解放された結果、日本の中小企業やジャパニメーションと言った技術と文化が成長を始め、不特定多数の個体ことサブカルチャーが全盛を始めたのだ。
2010年代初頭に本格的な全盛を始めるオタク文化が代表例で、サブカルチャーが本来の文化に悪く言えば浸食や圧倒、乗り換えられ、よく言えば代替えや浸透、受け入れられた。
信仰や守るべき、受け継ぐべきは国家や偶像ではなく、技術や文化であり、彼らは愛国心よりも技術や文化と言った個体を守ることを優先させていると言える。
組織性を否定しているとも思われるが、逆に個体の集合化した組織性の強さを尊重し、オレと会った時のように仲間は仲間として認識し、敵を敵として認識すると言う、悪く言うと偏見的思考だが、よく言えば強い集団心理を持った個体の1つだと言える。
言わば政治などは二の次で、事実山中も送られてきた武器や兵器、大戦の深い経緯と言った部分やハイブリッダーの文化に興味は示したが、未来の歴史や機構やワープと言った組織編成や世界情勢にはあまり眼を向けてはいなかった。
彼個人の思考と言うものも存在するかもしれないが、自分の目的と言うか、満足する給金が出るならば上がどこのだれだろうが構わないしこちらの個体は武器の使い方を覚えて戦うだけだと言う徹底的な傭兵思考だった。
傭兵ならば当然の思考とも言えるが、この時代には2つの巨大な勢力の内の1つ、言わばソ連も崩壊し、敵も味方も境界線がわかりにくくになる中で、汚れ仕事を請け負うことが多いとは言え金銭と言うものを信頼するのは人間して当然の真理だとも言える。
第2次世界大戦中や自衛隊と言い、日本人の指揮系統は質の高い物だったと情報にも存在するが、平和憲法などでこう言った人材を批難し日本は平気で国外に流出させる惜しい国家に変化したのだとも思った。
人道に反する話だが軍人に必要なのは戦うことに疑念を持たず、人を殺せ、相応の技能を身に着ける事である。
山中が日本を飛び出したのは若気の至りと言うものも存在するかもしれないが、憲法9条や自衛隊の存在意義と言った疑念を持たせる現状の日本と言う国家にがまんができない結果だとも思えた。
「―――どうやらあの女お前に話したくないことがあるようだ。よほどな?」
時間が経過して午後4時半を過ぎた頃で、陽が沈み始めたと思う中で山中があの女こと飛鳥から連絡があったと伝えに部屋に来た。
状況的にそれでも通用すると判断したようで、山中は説明することもなく、オレもすぐに飛鳥だと理解した。
ここから数Km先の場所で数時間後にアーウェーの造りだした生物兵器こと、ヴァリーが大量発生すると説明してくれ、準備を始める中で山中は口を開いた。
「―――?」
「すぐには知らせるなと言われた。」
何のことだと言う反応をオレが見せる中で山中は無表情に言ったが、これは何かあるぞと言うようにオレに言った。
「ワーパーのやり方だ。」
「何にしても、実戦なんだな?」
オレも少しいら立ちを感じたがここで山中を怒っても意味がないし、いつものことだと言うように返す中で、山中は昨日ワーパーが送って来た改造されたボルトアクションライフルの動作確認をしていた。
銃の動作確認をするとき関心と言えばほめ言葉になるが、会話中にも関わらず眼を離さず確認し、かなり集中しているうえに銃をかなり気に入っているようだった。
送られてきた武器の中にはグロックやベレッタと言った9mm、5.56mmなどのアサルトライフルなどもふくまれていたが、持ち変える気もない様子でどうしてかと聞くと45などのアメリカ製でストッピングパワーの高い銃が好きだと答えた。
銃と言えばこの時代はソ連製の銃が高性能だが、神ではないが国家と言う信仰の対象を失い求める偶像は一切存在せず、技術と文化と言う利益を生み出す物体に信仰と言うか興味を移し、その1つが彼にはオレの国の銃になったのだと思った。
「山中、前に話した通りだ。わかっているな?」
「ああ、俺はお前の援護だな?」
「そうだ。」
オレと山中はワーパーからの連絡が来るまでアーウェー探しをまったくしていなかったわけではなく、オレから山中、山中からオレと言った情報交換もふくまれるが、戦闘訓練を基本に山中と段取りなどを決めていた。
アーウェーの情報が手に入らなかったことは事実だが、オレが再確認するように聞くと山中も聞かれると忘れてないぞと言うように答え、オレは間違いないと言うように返した。
「―――それにしても、あいつら本当に起きることがわかっているようだな?」
「ああ。」
まだ時間はあるが休んでいる場合ではないと言う状況で、山中も銃の動作確認や準備を終え、話し合う中でオレたちは動き出し部屋を出て歩きながらも話し合っていた。
オレも山中もいつものようにAGSの上着を着て、オレの腰には拳銃、背中にはケースに入っているが山中から借りたショットガン、山中も同様に拳銃を腰にかくし、ライフルケースにあのライフル銃を入れて肩に背負っていた。
「―――お前は、感じているんだろう?」
「―――」
山中に聞かれてオレはそうだと言うように首を縦に動かすしかなかった。
オレのと言うかハイブリッダーの鋭利な感覚で足取りと言えるものが、微塵もわからない状況だったが、言葉通り数時間後に起きることにあわせて普段とは違う感覚が得られていた。
「ヴァリー、ヴァルキュリア、戦乙女、量産型の人工の神―――」
「―――」
オレが答える中で山中はオレに対してではないが、山中は自分自身に対してだと思うが覚えたことを思い出そうとしているのか復習しているのか、考えるような素振りを見せ始めた。
これからオレたちが相手をする予定になっているのはアーウェーの造りだしたヴァリーと言う怪物と言うよりも、人工的な神だ。
語源はValkyrieで、ヴァルキリーとも言われる北欧神話の神を原形にしている。
本来は半神で、多種多様な種類と能力を持った戦闘の神であり、アーウェーは原形に山中の言うとおりに量産型の人工的な神を生み出したのだ。
原形自体が戦争などに関係した神であり、ヴァリーは非常に高い戦闘能力を持っている。
ゾンと同様に遠隔操作されていることは同様だが、ゾンと違い後期に製作され腐敗や知能低下と言う弱点が解消されより高度な任務の遂行が可能だ。
普通の人間との最大の違いは全身を白い外殻に身を包まれ強化されている上、テレパシーなどの相互間通信と言う連携能力まで持っている。
「―――Zom V同様に感染するヴァリーVも存在する。」
「厄介だな? いや、変態的と言うべきだな?」
復習するならばオレもと言うように付け足すように言うと、山中は少しだがため息をもらしながら返した。
普通の人間で、オレから見れば未来の事情も知らない過去に生まれた人間とは言え、事情を知りゾンとの戦闘の一件で一度実戦経験を得ているが、人間外の存在との戦闘にこう言った反応をするのは当然だと言えた。
「―――すべての女性に感染し、適合性があるものを―――、リー?」
ゾンVとヴァリーVはゾンとヴァリーの改良型であり、Vは病原体ことヴァイラスを意味し、オリジナルと違い感染して増殖する。
感染力が非常に高く双方空気感染し、ゾンの場合は多くは男性にヴァリーの場合多くは女性だが、人間を問わず生物を遺伝的に神へと変化させるのだ。
真剣に考え、思い出そうとしている山中に対して不謹慎だし、オレは頭の中に全部入っていると言う状況で、変態的と言う山中の言葉を聞いてオレはおもしろくて軽くだが笑い出していた。
「HENTAI―――」
「―――Scrap」
オレの言った後大笑いしだしたHENTAIと言う言葉は日本で広まり始めたサブカルチャーの1つで、本来は山中の言う通りの変態と言うか、異常者と言うか一種の異常性癖を意味している単語だ。
心の奥底からアーウェーに似合っていると思い笑いだし、俺が少し悪いことを言ったなと言う反応で山中は仕方ないなと言う反応で言葉を返した。
Scrapと言っていたのはオレだが、山中もこの物言いは気に入ったようで、時折だが同じように言い始めていた。
来るべき日に備えて訓練していたことは事実だとわたし聖那は考えていた。
考えてこそいたが、異常事態とも言えるがリードから訓練を受けている中で、ある程度日常化して風景の中で、不意に実戦をすると言いだしたのはリードだった。
確かにわたしも彼らの言うゾンビことゾンと戦った経験も一応持っているし、彼らと戦い訓練していることも変えられない事実だ。
辻も鈴村もある程度の訓練も受けてくれ、ある意味待っていたとも言えるが、不意と言う状況だった。
「―――――」
時刻は午後5時過ぎでもうすぐ5時半ごろ、わたしは何をしていたかと言うと勉強で、日本の学校のこともあるし、ここでの編入も考えなくてはいけないしで、時間を見つけてはしていると言う時に2人が呼んでいると鈴村に言われた。
2人はと言えばすでに戦闘準備を終えていつでもどこでもだれでも来いと言う雰囲気で、リードはあなたに来てほしいと言う表情をして、山中は無表情でこちらを見ていた。
2人ともあの普段着と言うか、上着姿の背中には大きい銃が入っていると思われるケースも背負われ、これから行くのは戦場で敵を殺しに行くと言う殺意に満ちた表情をしていた。
殺意に満ちているとは言うが、彼らが殺人鬼の顔と言うわけではなく、職業柄なのか、人を殺しなれていると言うべきなのか、ふつうこれから起きることを相反して不気味なほど落ち着いた無表情で異様な雰囲気から違和感からだ。
『あなたは来て身の保身をするだけでいいです。』
「へ?」
『我々ができる限り戦わないでいいように心がけます。』
あの最初の戦いでかなりのことをして罪悪感も残っていると言う状況で、準備もしていたし断りにくいと言う状況で本気でどうしようかと迷っているとリードが落ち着いた物言いで言った。
わたしがどういうことかと言う反応の中で、リードはほかに何もしなくていいですよと言うように言った。
リードの話し方には相変わらず機械を通したような違和感のある声だった。
これは彼らが使用している自動式の音声翻訳機の動作の副作用で、本来は性能が高くて違和感は本来ないものだが、彼らは自分たちの身分を人間と明確に差別すると言う名目上、故意に違和感が出るようにして言ういるそうだった。
「―――相変わらず意味不明なことを―――、山中!」
近くにいた辻と鈴村の内、辻が勢いよくリードに近づこうとする中で、山中が手を横に上げて辻を止めた。
「俺たちがこれから行くのはお前たちから見て人殺しだ。良心の呵責もあるし精神的な被害を必要最小限にしようとしているんだが?」
「―――お前!?」
「もう一度言うぞ? 俺たちの仕事は人殺しだ。自己防衛と言う必要最低限と言う部分はあるかもわからんが、人殺しの手伝いはしなくていいからせめて見るだけでいいと言っているんだ。それがわからんか?」
ほかに言いようと言うものも考えない物言いで山中は言い、辻が言葉を返そうとする中で山中はほかに何も言い様もないし率直に言うと言うように返した。
「根本はと言えば俺たち(PO)の仕事だ。子供や科学者の出る幕じゃない。」
お前らと言うか、わたしたちは邪魔者だとまでは言う気はないと思うが、山中はこちらにも事情があると言うように続けて言って辻を黙らせた。
わたしの眼の前には彼の身体が見えわたしよりも一回り大きい体格だった。
鈴村は彼よりも背は低いが体格と言うか肩幅が広く貫禄が存在し、辻よりも背が低く細身で、辻よりも肩幅や胸板も厚くなく、長い髪と言い失礼だが軍人と言うよりも少しだが涼しげな優男と言う外見だった。
性格と言い、不相応と言えば変だがかなり低い声と言い、職業柄の言動と言い、普通の人間ではない外見不相応の異様な雰囲気でもあると思った。
死神としての仕事も完全停止状態で、本来と言えば変と見られるかもしれないがオレドギーは急な仕事と言うものも存在すると言うわけでもなく、穏やかとまでは言えないがある意味普段通りの日常を過ごしていた。
少し違う点と言えば仕事を協力することになった悪魔ことアリーの表向きに働いている会社ことサイツ社に時折足を運んでいることだった。
アリーとあの仕事のことで話し合いと言う面も存在するが、オレの職場とアリーの会社はある程度の商業的接点が存在し、関係も踏まえ会社にも知られ、いつの間にか表裏問わずに使い走りにされている状態だった。
「―――あ~、も~最悪。」
「アリー、サインしてくれないか?」
この日オレは人間の方として仕事に来て話し合いに来た状況で、アリーと軽くだが段取りを確認し、署名をもらう仕事なのだが、アリーは世に言うご機嫌斜めの状態だった。
彼女もここで働いていると言うよりは、悪魔と言うか人としての情けのような物で、ほかにも出版社やら占星術やらとほかにも多数働いているが、仕事は落ち着いて時間だけがあると言う状況のようだった。
「あっち行きたいよ~? ディランとカークと一緒に遊びたいよ~?」
「―――――」
どの仕事でも商業的にも成功している状態で、仕事も少なく書類仕事をしていれば給料ももらえる状態のようだがその書類仕事も終わったと言う状況のようだった。
社内の人間の手伝いをしようとしても、貴女は本格的なビジネスウーマンとして一番苦労したのだからいいから休んでいてほしいと言われる半場女王様のような身分と生活だそうだ。
オレの言葉も聞かずに机の上に両足を乗せ言葉通りの言葉できないと暴れまわっていた。
アリーのオフィスには本当に座っているだけでいいと言う身分の部屋で、少し広く空調設備も整えられ簡素な構造だがベッドのような物も見られ、2、3日なら生活できそうな備えまでもされていた。
極め付きに日本製の最新鋭の家庭用ゲーム機数台と巨大な画面のテレビまで置かれ、部屋の使用用途を少し考えるような部屋にもなっていた。
「ね~ドギ~? いいでしょ~?」
「―――オレはいいと思うが、上の連中がな―――」
オレが頼むよと言うようなため息を吐きだしている中でだれが仕事しないと言ったと言うように身体を起こし、書類に署名なら書くと言うように書く中でアリーは退屈だと言うように言い、オレは仕方ないと言うように返した。
「―――ジョセフも雲隠れしているし、すまん、タバコ吸ってくる。」
ジョセフに会った少しして日付が変わる中で、オレは何度かジョセフに会おうと思い店を訪れたり探したが、アリーと言い、会ったと言う情報はなかった。
ほかにも情報もないし動けないしと言う状況だと言いかける中で、オレはタバコを吸いたくなり、部屋を出て行こうと歩き出した。
「ドギー?」
「ニンテンドーでもしてろ?」
「これSonyもあるのよ?! プレイステーション! セガサターンとか知ってる!? TamagotchiはBANDAIよ?」
肝心な時に吸いたくなるしこれだから喫煙者は困ると言うようにアリーはオレを呼び止めるが、オレは時間でも潰して黙ってろと言うように返すとアリーは言葉を返してきた。
部屋を出る中でも声が聞こえ、オレは詳しくは知らないがあの家庭用ゲーム機とかのことをくわしく話しているようだった。
ライダーズのことでも話し合いになったが、土台普通の人間であるオレには使える代物でもないし、仕事もないしで、オレたち2人はいつ来るかもわからない仕事を待っている状態だった。
ここに来るようになってからアリーのオフィスと言い喫煙所と言い、トイレへの道のりもだがなれたもので、オレは入る直前に1本を箱から取り出して口に入れる中でライターを取出し、喫煙所の扉を開くと火をつけた。
「―――――」
扉を閉める中でタバコに火をつけ吸い紫煙を少しして吐きだすと、ここではこういうことを繰り返していた。
喫煙所なんてものが用意されているがサイツ社は人間以外にも健康志向の人間が多いようで、いつ来ても喫煙所にはオレ以外の人間の姿はなかった。
ほかの会社やら個人やらが来て吸うことがあるようで、備え付けの大型のゴミ箱兼灰皿の中を見てみると数えるほどだが吸殻が落ちているのが見えるが、会社の規模として少ない本数だった。
「―――もう一本吸うか?」
吸い終えたし戻ろうかとも思ったが、これからここでもうすることもないし、書類受け取ったら会社に戻って仕事するかと言う状況で、もう一息入れてからにしようとオレは2本目に火をつけた。
「ドギーッ!」
「―――おわっ?! アリー?!」
どうせ慌てる必要もないし時間をかけて吸い、中ほどまで吸い灰を一度落とし、仕事のことを考えている中で突然アリーが喫煙所に来て扉を勢いよく開き、オレをおどろかせた。
「―――なんだよ!?」
「よろこんで!? ディナから連絡来た!? 仕事よ!?」
時間をつぶしていろと言う風にも言ったし、この何日間で同じようなこともしていたしで、どうせ言われたとおりに遊んでいるとも思っていたしで、これはなかった状況で、オレが何かと聞くとアリーは上機嫌で話してきた。
「―――仕事? ああ? 例の―――」
「行くはよ!?」
「ぇ? あ? おい?!」
おどろきはしたが何にしてもと言うようにオレはタバコを吸い終えたし灰皿に捨てる中で、仕事が来たのかと反応する中でアリーはオレの手を取り、ひっぱり勢いよく早足で歩き出した。
一体全体どこに行くかもオレは聞いていないがアリーは自信満々と言うか、待っていたと言っても過言ではないと言う雰囲気だった。
東洋の言葉で乙女心と秋の空は虚ろいやすいこと、変化しやすいと聞くがアリーはその代表例の1人だと思った。
ジャパニメーションと言う言葉が存在している。
これは日本のカートゥーンを意味する単語で、日本のジャパンと日本ではカートゥーンを意味するアニメを融合させた言語だ。
日本のカートゥーンは世界的に高い技術を誇り、多くの種類も生み出し、子供の楽しみとは一線を超える大人も楽しめるエンターテインメントとしての価値も持っている。
わたしアリスが突然なぜこんなことを語るかと言えば、事実は小説よりも奇なりと言う言葉が、わたしたちの世界で通用するか否か、鏡越しに映った身体全体を見て考えてしまったからだ。
トイレの鏡に映っているのは10、1歳ほどの少女で、これがわたしアリス フローレスの本当の姿だ。
魔法と言うものが存在し、魔法を使える人間たちが住む世界が存在し、魔法が存在する世界から一部の人間が自由自在に行き来をしているのが現実で、わたしは魔法を使い姿を変え身分を偽り世界までも越えている状態だ。
マットたちと接している大人のわたしと現在のわたしとどちらが本物かと聞かれるとこの鏡に映しだされる後者で、こう言った物語は信じられないがジャパニメーションを探すと数多く存在するそうだ。
日本で製作され日本人にあわせて製作されていると言う部分もあるそうだが、この国ことアメリカや他国でも高く評価され、他国にも多大な影響を与えているそうだが、わたしたちにとっては驚愕の光景だった。
わたしも少しだが見てみたがまるで一部に関係者でも存在するかと疑うような精巧な設定で、普通の人間たちの創造力も見下すことはできない脅威だと認識も始まっていた。
怪物もどこかにいる普通の人間が造りだしたものだと言う見解も存在し、調査は全体的に見て行き詰っていると言うよりも大きな壁が眼の前に存在している状況だと言えた。
「―――」
「アリス?」
「―――キャリー」
話しかけられるのは当然で、何も言わずにと言うか、鏡を怒った表情で見ている状況で、同じ年齢ほどの少女こと、仲間のキャリーが話しかけて来た。
「大丈夫? 疲れてない? あっちの人たちとうまくいってないって聞いたけど本当?」
「大丈夫よ? 少し疲れてはいるけどね?」
ここがどこかと聞けば普通の世界ではないわたしたちの世界で、わたしは自分の住む本来の世界へと戻り、定期的な報告に来ていた。
来ているとは言うがむずかしい話し合いや、これからの方針、調査に進展はあったかなどと報告は終わっている状態で、後少しすればまたあの世界へと戻り、調査を再開すると言う状態だった。
「―――わたしたちまで、駆り出すことないのにね?」
「そうだよね?」
わたしたちも自分たちの住む場所が脅威にさらされることや、絶滅することが困っていないとは言えないが、人間の世界から見れば大人の仕事と言う状態で、キャリーの言葉と言い、子供のわたしたちが調査に駆り出されるのは腑に落ちない状況だった。
「それに聞いたよ? わたしはこっちの世界と関係を持っている小さい雑誌社に入って調査していい人もいっぱいいるけどさ、アリスは警官で変な人がいるんでしょ?」
「―――うん。まあ、そうだね―――」
「―――――」
キャリーは幸運にと言うべきで調査方法はと言えば雑誌社に侵入して調べると言う方法で、わたしは言うまでもなく警察を調べ、キャリーの言うとおりに変な人と言うかマットがいる状況だった。
間違いではないよと言うようにわたしがキャリーに返す中でキャリーは大きくため息を吐きだした。
「―――これ単位にするなんて考えたよね~?」
「―――うん。そうだね?」
実際の年齢を踏まえると言う状況だが、人員が不足していると言う部分もふくめ、わたしたちのこの調査は学校などの必須の課題としても区分され、公式の職務にも分類されていた。
わたしたちは結果として怪物に対して明確な調査結果は報告できず、追従する普通の世界の調査を結果として報告し、学校では単位として、職務としては結果を出したとして少額だが給金を受け取っている状況だった。
ジャパニメーションを知ったこともこの調査の一環で、魔法と言う普通の人間から見ると非現実的なものと違い科学技術を異常なほど発展させた人間の中に見た非現実的な一片だと言えた。
「アリス~? 同じように答えないでよ~?」
これから後少ししたらわたしたちの世界とあの世界へと入口を通ると言う状況で、こんなことして何の意味があるのかとわたしが考えている中で、キャリーはわたしに困っていると言うように言葉を返してきた。
「―――ごめん。だけど、もう戻らないとね?」
「―――――そうだよね?」
だれも調査に進展が起きないし、異世界の科学技術に驚かされるし、極め付きに調査中の不幸こと、最悪怪物に襲われて死んだと言う話も聞くしキャリーの反応は当然の物言いだと言えるが、わたしはどうしようもないと言うように答えた。
悪く言えば適当に調査しているとも言える上命の危険もあるが、逆らえるわけもないしでキャリーはわたしの戻ると言う言葉を聞くと現実に引き戻さないでほしいと言うかのようにため息を吐きだして言った。
「じゃあね?」
「うん。じゃあ? 手紙書くからね? 遠くでも話そうね?」
「―――――」
わたしも不安がまったくないと言えばうそになるが、存亡の危機とも言える状況を実感できるわけもなく、半場習慣化した毎日を過ごしている状況だった。
わたしの親も祖父母をふくめほかの人間の親たちも同じようなことを続けていたそうだし、止めることや進展が起きるわけもなくわたしたちは惰性な状況を生きているとも言えたが、何ができるとしか言えない時でもあった。
起きることがどんなことにしても続けなくてはいけないと言う状況で、わたしはキャリーに別れを告げ、キャリーも不満そうだがわかったと言うように返事を返し、わたしと合わせるように手を振ったお互い別れた。
母ことリリーからイヴを家に置いておく許可が意外にもすぐに下りた。
常識的に考えるとすぐに警察などに引き渡すことが普通だが、わたしアンと言う人間を育ててきたと言う事情もふくまれると思うが、リリーはわたしの意見を聞き入れた上、職業上の人脈を使い偽造したIDまで用意するとまで言いだした。
わたしの存在自体が事態が非常識な事態だし、リリー自身の行動も賛否がわかれる答えで、ゾンビが出たこともふくめ、調べなくてはいけないが、絶対に普通のことが起きていないのは必然だった。
わたしのことと言えばリリーはイヴのことを紹介し、何とかすると言いだす中で酒盛りをすると言いだすなど、あの一件以来かなり故意にだとは思うし、親に対して少し失礼だが人間としての常識に反した行動をとることがあった。
元気全開だとある意味言えるリリーのことは放置して、イヴのことは自分のためにもなると思うが、イヴの方はと言えば何も知らないと言うし、常識的な部分に欠ける一面も持っているが調べようもなく、わたしは別の情報源を探していた。
学校に勉強にバイトと、高校生と言う身分であり、イヴと言う幼い子の世話と言うものが不意に増えたが、何日かほどは何起きず、ある程度だが変かもしれないが、普段通りの1日を過ごしていた。
「―――イヴー? ただいま~?」
「―――おかえり~。」
この日もと言う状況で、わたしはバイトを終えて帰って来た。
時計を見ると時間はもうすぐ6時ほどで、わたしがドアを開けるとイヴはわたしに向かって走ってきて勢いよく抱き付いた。
「―――ずっと声聞こえてたでしょ?」
「でもいないもん。」
どこかに連れていくわけにもいかないし、ある程度何かを教え、覚えたら学校に通わすなどともリリーとも決めているが、イヴはまだ幼いし外には出せないような状況だった。
家に1人にしておくのは良くないことだとも思うが、わたしの能力が役に立つと言う状況で、テレパシーなどを使いわたしはイヴを間接的に見て世話をしている状況だった。
テレパシーで四六時中話し合っていると言う状況だし、わたしは嫌になると思ったが、イヴはと言えば帰ってくるとわたしをいつも変わらない反応で迎えてくれ、何にしても1人切は嫌だと言う反応だった。
「―――」
「―――アン?」
抱き付かれ、頭をなでて、イヴがよろこんでいると言う状況の中で、わたしはと言うか、わたしのPSIが普段とは違う気配を感じた。
「―――なに?」
「アン?」
気配と言えば見えてはいないかもしれないが、何かの人と言うか、生物が存在することを意味する状況で、わたしはイヴに非常にと言うか、かなり酷似した気配を大量に感じ取った。
1人や2人ではなく、20人以上で、正確には数は把握できないが、最低でも100人ほどの人数を感じ取ることができた。
「―――アン?」
「―――ここにいて? いい? すぐ戻る。」
何事もなく数日間が過ぎていたと言う中で、不意に覚えた感覚ではあったが、迷っている時間はない状況だと思った。
イヴが何度もわたしを呼ぶ中で、わたしは膝をつくとイヴを軽くだが抱きしめた後、詳しくは言えないがと言うように言い、気配のした方向と言うか近くの場所へと一瞬でテレポートした。
不意なことではあるが何にしても手掛かりだと言えるし、わたしは言葉通りにイヴを部屋に残した。
嵐の前の静けさと言う言葉が存在するが、現場に到着し、車から降りた俺こと山中はその言葉通りの状況だと思った。
場所はAGEの本社から車で移動して数十分ほどの場所で、郊外の廃工業地帯と言うか、この場所は俺の生きている時代ではAGEの本社と関連する施設や住宅地が近くにある場所に位置していた。
現在AGEの本社があることを知っているが、以前にその場所に何があったかと聞かれると知るわけもないしで、周囲に緑も多いし森林地帯を開拓したと思っていたし、この時代でももう使われていないが、古くはかなり広い工業地帯のようだった。
規模もどれくらいわからず、人の気配も俺たちことリードと聖那以外に存在せず、時間も午後6時を過ぎ、暗く寒く、人気の無い場所になっていた。
「―――」
人の気配がないと言う状況が普通だが、飛鳥たちにこれから何か起きると伝えられ、これが言葉通りの嵐の前の静けさになることは必然だと言え、俺は何も感じていないがリードは機嫌が悪そうにうなり始め、聖那は何か変だと言う表情をしていた。
「―――反応3、これは俺たちか。」
「―――」
「GPS機能だ。この時代には普通に存在するだろ? カーナビのような物だ。レーダーと言うべきか?」
オレが携帯を取り出してGPS機能を使いだす中で、聖那は一体全体それは何だと言うように眼を向け、俺は何かというように聖那に説明した。
考えてみるとと言う状況で、聖那にはよくわからない状況だと言えた。
俺の時代では携帯電話の所持率は日本では100%以上と、よほどの事情がない限り持っているし、人によっては2台持っている時代だが、この時代では持っている方がめずらしいと言える時代だ。
所持率は推定して30%以上60%未満で、持っているかと聞かれたら持っていないと言う方が多く、持っていても大人が多く、子供も余程以上の事情がない限りは持っていないと言える。
本来この時代の俺が子供の時は持っていた記憶がなかったし、子供とも大人とも言えない微妙な年齢で、実際としてはこの時年上とは言え聖那が持っているのはむずかしいと言えた。
10年以上も時が経過し、機能も多機能化し、年数で言うと20年ほどしか経過していないが、聖那と俺では十二分な科学技術に差が存在すると言え、聖那たちから見て俺は十二分に未来から来た人間なのだと静かに実感した。
極め付きに携帯を使えるようにしたとも恋に言われ、俺は聖那たちに近い人間だと思っていたがリードや恋たちに近い人間なのだとも思った。
携帯はと言えば俺の時代からのメールなどは受け取れないが、恋からメールが来るなど、一部の機能などは使え、このGPSは未来から送られてきた機能の1つだ。
本来はAGSが海外派遣したPO用に任意で自由に使えるようにしている機能で、サイバーテロと言う被害にあう懸念も存在するが、AGSのPOは戦場の中心でもITを使用するハイテクPOとして注目も集めている。
『山中、時間は?』
「午後6時28分30秒、時間まで30分ほど―――」
聖那が携帯を見せて説明しようとしている中でリードが俺に質問し、俺は答え、わかっているとは思うし再確認を込めてだが、これから起きることがいつ起きるかと言うことを伝えた。
リードの声は普段の声と違い、無線機を通したような反響交じりの奇妙な声だが、これはハイブリッダーの能力の1つで、全自動翻訳機と言う機能の副作用だそうだ。
聞いてみるとこの声は制度を上げれば反響などは一切起きないようにできるが、リードのようなハイブリッダーは人間との地位を明確に区分するために故意にこの状態を維持しているそうだ。
「―――ワーパーが送って来たこの周辺の地図だ。」
「―――オレが先頭を行き中心部まで行く、山中はオレを後方から援護、ミス聖那、あなたは彼の後ろに。」
聖那に携帯のことも教えるべきだが、本題はと言うように俺はリードに携帯の画面を見せ、リードは答えを出した。
恋がメールで送って来たGPS情報で、周辺の簡単にだが地図が表示されていた。
地図の写された画面の中心に小さい赤い光の点ことこの携帯の現在位置が表示され、近くにはリードと聖那を意味すると思われる小さい2つの青い光の点が光っていた。
「わかった。」
「はい。」
「―――行くぞ。」
ほかに何か言うことはあるかと聞かれたらないと言う状況だし、俺は答える前にリードは歩き出し、俺もリードに続き、聖那はと言えば答える中で俺の後ろをついて歩き始めた。
激しい雨が降り雷鳴が響き渡り、ふき飛ばされるような風が出るような気配もなく、廃墟として同然の静けさが周囲を覆っていた。
実感が持てないと言う状況で、疑うのも失礼だが恋たちにだまされたような気もするが、何にしても俺たちは進み出し、暗く人気の無い廃墟の中に侵入した。
だれが見てもこれから何かが起きるのとは無縁そうに見える上、暗くて人気の無い巨大な廃工業地帯だとわたし聖那は思い、気味も悪いし汚い上、嫌なにおいもしていてすぐに帰りたくもなったが2人は気にする様子もなく進んでいた。
2人して姿勢を低くしている上、足早に移動し、わたしは少し急がないと置いていかれる速度だった。
普通に考えるとあの姿勢では動きにくいし足に負担がかかって動きが遅そうに見えるが、2人して軍人だし、足も速いし職業柄のなれや訓練の結果なのかとこの時思った。
訓練と言えばリードは眼を発光させ進行方向を照らして歩いているようだった。
オーヴァーマシンを使用し眼を懐中電灯のように変えているそうで、通常の人間では信じられないほど眼から強い光が溢れていた。
リードの後ろを歩く山中は右の二の腕の上部と腰の左側にライトを装着し、右手にライトを持ってリードが向く方向とは反対の方向にあわせるように反対方向に向けていた。
2人して軍隊の訓練のものだと思うが、少し独特な動きをしていると思った。
特に山中のライトの持ち方で、ライトを逆手に持って前に向けていた。
普通ライトこと懐中電灯を手に持つとわたしが持っているように灯りの出る部分を親指と一指し指の方に向けて持つが、彼は逆に持っていた。
「―――なに?」
進む中で遅れるなと言うように軽く山中に怒られると言うこともありながら、最初はこの場所の中央を目指すと言うことになる中で、移動して十数分が経過するころだと思うが異常が起きた。
「―――地震、じゃないな?」
『急ごう。』
「ああ。」
異常が何かと聞かれると強い振動と音で、周囲全体が強く振動し、大きな音が響き渡った後、遠くで何かが壊れるような音が響き渡った。
わたしがおどろいている中で口を開いたのは山中で、彼の言う通りでだれに聞いてもだが、地震だと言えるものではなかった。
地震がこんなに短い時間で振動が終わるわけもないし、一番妥当なのは遠くで何か大きくて重たい何かが落ちたような音だった。
変な推測かもしれないが、家に車とか大岩が落ちたならばこんな音がするし振動が起きるのではないかと言う振動だった。
リードはと言えば細かく気にすることはないし、それをこれから調べると言うように言い再び進み出し、山中は答え同じように進み始める中で少し警戒したほうがいいなと言うように腰から拳銃を取り出し、リードも背中の銃を取り出していた。




