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転移か移転か 前編

 調節者と思われる2人とアンと出会った後、わたし入谷は何かができると言うわけでもなく、何の収穫もないままに帰路についていた。

 特に帰路に何かがあると言うわけでもないし、何事もなく部屋に帰りついていた。

 明日は学校だし、忘れられては困るが一応は教師だし、明日の準備やこれからのことを踏まえてどう行動するか考えなくてはならない状況で、すぐには寝られない状況だった。

 状況と言えばセリーにも聞くことがあると言う状況で、わたしは部屋の中に入るとそのことを思い出し、セリーに電話をかけていた。

『―――入谷?』

 数回ほど鳴らしてみるとすぐに出た。

 数百年生きている身と言うか、電話自体ない時代に生まれ石器時代よりかはいい時代で暮らしていた身としては、遠いどこかで会いたいだれかと連絡の取りたい時に連絡できると言うものは安心できると言え、無事を確認できた。

「―――よその学校の制服着て調査だとか言って侵入しましたね?」

『?!』

「と言うか潜入と言う方が正解ですね?」

 安心もできて何もなくてよかったとも言えるが、遠まわしに言うのは嫌だし、セリーから見ていつでも聞かれると言うか連絡されると嫌な身分に変化した状況だと言え、セリーがおどろいている中でわたしは言葉を少し訂正した。

「な? なな? ななな?! 何のこと?」

「―――密告、みたいなものです。」 

「密告?」

 聞かれて図星と言うか、思った通りと言うか、実際に潜入していたと言うことは確かと言うか、本当のようで何であなたが知っているのと言う反応の中で、わたしは一応と言うように答えを返し、セリーは聞き返してきた。

 協力者たちではないが、密告と言うか、教えられたことは事実だし、わたしは事実かうそかを確かめる必要もあったし、セリーの反応から見て事実のようだった。


 入谷は男としていい方だが感と言うか考えが浅いと言うか、詰めが甘いと言うか、少し惜しい男だとわたしセリーだけでなく、仲間と言うか、入って数日だが教室の一応同級生も考えていた。

 この考えが何を意味するかと聞かれるとこの日のわたしの行動で、いずれ知られる可能性もあると思うし、自分で話すかもしれないが、入谷が当然だと言うように知っていて携帯で聞いてきたことにおどろいたのだ。

 自分で先に話すことを大前提にしていた状態で聞かれ、少し慌てし知らないふりをしようとしたが、入谷は密告と言う奇妙な言葉を口にした。

『―――間違いないんですね?』

「協力者?」

 開き直ると言うか、もううそは言えないと言うか、うそを言う気事態ないし、入谷が間違いないのだなと聞きかける中で、わたしは協力者から教えてもらったのかと言うように聞いた。

『―――ある意味そうです。』

「ある意味?」

『深い事情は詮索しないでください。』

 協力者以外ないと思う中で、入谷の受け答えは普通ならばと言うか、入谷の正確ならばはいそうですとか言うが、答えが変だった。

 ある意味では正解だと言う意味だし、わたしがどういう意味かと聞く中で入谷は冷静な物腰で言葉通りに詮索するなと返した。

『セリー―――。』

「―――わかった。確かにそうした。」

 入谷がこんな変な答えを返すかと思いもするが、何にしても困ると言うようにわたしの名を呼び、わたしはここで否定してもダメだと思いすぐに自分のしたことを認めた。

『密告したのは調節者バランサーの仲間です。』

「―――?!」

 どうしてもこのもの言いには引っかかるし密告した協力者がどこのだれかと聞きたいが、聞いても答えないだろうと思っている中で、入谷は次の話だと言うように答えを出した。

「仲間?」

『学校の資料には眼を通していますね? アンジェラ ブラウンです。』

「アンジェラ―――?」

 調節者と言う言葉を口にしたが、性格には調節者ではなくその仲間だとも言い、わたしが仲間とは何だと聞く中で、入谷は答えを返しわたしはだれかと言う反応をするしかなかった。

『―――何者なんだ? 確かに少し変わっていると思ったが、調節者とまで関わっているとは―――?』

「―――そう言えば書いてあったわね? 10年ぐらい前に―――」

 電話越しにでもわかるほどに入谷は深く考えているように聞こえ、わたしもアンのことを思い出していた。

 アンこと、アンジェラ ブラウンは普通に見るとと言う変だが、ある意味めずらしい外国人の中学校の保険室の先生だ。

 保険養護教諭とか言うらしいが細かい理屈は無視して、外国人ではあるが日本語には精通して話せるし、文化にも精通している上、少し態度は悪く見えるが、優しくていい先生だそうだ。

 同じく学校で教師をしているイヴ ブラウンとは遠縁の姪だが、イヴは幼い時に両親を飛行機事故で無くしたためアンの母リリー ブラウンに引き取られ、血縁はある意味ないが義理の妹になるそうだ。

 100%健康優良児と言うか吸血鬼のわたしたちとは到底無縁だが、アンには関連すると言うか、少し奇妙なことが報告書に書かれていたのだ。

 奇妙なことが何かと言えば彼女がPSIと言った非科学的な存在を医学的な見地から研究していると言う冗談のような情報だ。

 エスパーと言えば一般の人間にはわかると思うが、超能力と言った研究を彼女が個人でしていると言うのだ。

 世界各国を飛び回っており医者としても技術も高いそうだが、その技術の高さは専門家から見て以上の領域だそうだし、彼女自身がそう言った人間の1人なのではないかと言ううわさも出ているそうだった。

 調べればまだ出ると言う状態で幼い時に離婚調停中の父に誘拐されドイツの有名大学病院へ入院されかけていたり、軍人が家を訪問したなど、探せば本当なのかと言う証拠もあるそうだった。

『そちらにはイヴが向かったと来ましたが―――』

「イヴ? イヴ ブラウン? アンの妹の?」

『―――来てないんですか? いや、会ってないんですか?』

 わたしが情報を思い出している中で入谷は再び質問するが、わたしにとっては意味の解らない質問だった。

 入谷の物言いが確かならイヴがわたしに会いに来たことになるが、わたしはイヴらしき人間にはあってないし、入谷はアンから言われた情報を確かめるために聞いたらしいが、ある程度か、うそも話されている可能性もあると思った。

『―――何にしても―――』

「やめない。」

 気になることあるが本題はわたしのこともだし、いい加減にしてくれないかと電話越しの入谷は続けようとする中で、わたしは即座に反論した。

「わたしたちの問題でしょう?」

『―――』

「どーせあの学校と言うか、クラスのあの女の子達も裏で無理して守る気なんでしょう?」

 中途半端な反応の入谷には困るし、わたしは絶対にこれは好機だと思うし、何が起きるにしても言うように言い返すと入谷は黙りわたしは追い打ちだと言うように強く言葉を返した。

「それに純血種とかそう言う話はなしで、一応は姪と伯父って言う関係でしょ? 少しは姪のわがままとか聞いてよ?」

『!?』

「気づかないとかでも思ったの? まるわかりよ? 第一ツバキとのこと考えるとね。」

 絶対に入谷は曲げない部分があると思うしあの一息という部分まで持ってきたわたしはこれからのこともあるし思い切って入谷に言うことを言った。

 絶対に電話越しにでもどうしてそのことをと言う表情をした入谷の顔が浮かぶ中で、わたしは少しいい加減にしろと言うか、見栄や意地を張るなと言うように言った。

 電話越しに入谷の声は聞こえないが、この後どうするかと聞いても絶対に許さないとは言わないと思うし、少し機嫌が悪く反応するが、何にしてもいいと言う答えが出るのは絶対だった。


 ほかの人間たちも深い事情と言うか、事象が起きている中で、わたしカークの目線だが時間はベッドで眠ろうとしていた時からかなり飛ぶが、日本の空港に到着していた。

 出発時間と時差が手伝うし来てみると知ってはいたし、時差ボケを起こさないように眠ったり起きていたりと調節はしていたが夜と言うか、真夜中になる寸前で、季節は夏も近いが空港の窓から見える夜空はまだ寒そうに見えた。

 予定では半年だが、2人の世話や家の改築、白夜こと妖狐の精神改革も必要だし、長い滞在になりそうだった。

 母の遺産やサイツ社の協力、仕事で若いながら本も出して副収入があるとは言え、本業の弁護士のこともあるし、手回しがされていると思うと少し辛い状況だとも言えた。

「―――ぁ?」

 これも何かの因果だし、放りだすわけではないが本業は二の次にしてあの子たちを何とかしようと空港を歩き出す中で、進行方向に自分の名前が書かれた大きいボードが頭上よりも上の位置に見えた。

「―――ミス アミ? なぜここに!?」

 妖狐が迎えに来るとは心の奥底から絶対に思えないし、伊那と理沙はこんな時間だし無理だと思うが文字が子供の描いたようなアルファベッドだしで、妖狐に強引に頼んできたのかと思ったが持っていたのは別の人間だった。

 別の人間と言うか、正確に言うとわたしの知り合いで、アミと言う女性だった。

「―――ひさしぶり。」

「なぜ、ここに?」

 落ち着いた雰囲気の眼鏡をかけた1、20代ほどのネクタイはしていないが落ち着いた色調のスーツ姿のアジア系女性こと、アミはわたしの知り合いと言うか、性格には母アリーの古い知り合いの同僚だ。

「ディナ様に頼まれたの。」

「ディナに?」

 どうしてここにいるのかと何度も聞くわけにもいかずで、アミを見ているとアミは答えを教えないといけないと言うように口を開き、わたしは何にしてもおどろくしかなかった。

「何にしても、こっちよ?」

「ぁ? はい?」

 こんな時間だしで、時間を考えて移動しなくてはいけないと言う状況で、アミは少し急ごうと言うように言うと勢いよく背を向け歩き出し、わたしは返事をして彼女に続くしかなかった。

「―――ミスタードギーは元気ですか?」

「元気、だけど上の仕事は相変わらず性に合わないって言ってる。」

「―――そうでしょうね?」

 理由は教えられ、深い内容を聞きたいがほかのこともあると言うようにわたしは質問するとアミは質問に答え、わたしは言うまでもないと反応するしかなかった。

 アリーの古い知り合いの同僚と言うが、同僚と言うのがわたしの口にしたドギーと言う男性だ。

「何にしても死神の立場は中立でしょう? 動きやすいからって駆り出されたってことなの―――」

「そうですか―――?」

 悪魔の自分自身に神に半妖と存在するが、口を開いたアミの言う通りで死神も存在し、アミは死神でドギーもその1人だ。

死神は天使や悪魔同様に神の代理として雑用をさせられることが多く、これも一例だと言えた。

「ミスアミ、ディ―――」

「あら? やっぱり寝ちゃってる。」

 ディナに頼まれたことなら時間があればしますよと言うように言いかける中でアミは少し意味が解らない言葉を口にした。

「?」

「―――ぁ~ぁ? 人まで集まってる? 写真までとって――」

「?!」

 一体全体何のことを言っているんだと言う状況で、わたしが何かとアミの見ている方向に眼を向ける中でアミは再び口を開く中で、わたしは衝撃的なものを眼にした。

「―――何をしている! 写真を撮るな! 消えろ!」

 アミの言う通り人が集まっているし、写真も撮っている人間もいるしで、見たある意味関係者のわたしとしてはこれ以外の言葉は出なかったし人払いをするしかなかった。

「わたしの写真も撮るな!?」

 注意して一部は何だよと言う表情はしたが納得してクモの子を散らすように逃げて行ったが、一部は懲りずに次はわたしの写真も撮る豪傑まで存在すると言う始末だった。

白と言うよりも銀に近い髪に赤い瞳、透き通るような白い肌と言うどこのだれが見ても空想の産物のような自分の外見がこれほど厄介だと思うことはなかった。

「―――何で? 何で?! 何で?!」

 人払いを終えてまったくと言う時間もなく、本題はと言うようにわたしは先ほどまでの人の集まりの中心の前に立ち、写真を撮られていた存在に対してと言うか、だれかと言うか、アミしか答えられないと思うが、何でだと言う言葉しか出なかった。

 正体は何かというと、言うまでもなく伊那と理沙の2人だった。

2人が無理を言ってか、ディナに言われてか、どんな事情にしても白夜は連れてこないだろうし、おそらくアミが連れて来たのだと思うし、夜遅いし眠たくて空港のいすに座り、お互いを支え合って眠っていることまでは解るが、なぜか2人はメイド服姿だった。

 眠ってもいるし無意識に出たのだと思うがお互いに耳と尾まで出している始末で、人も集まっていて写真までとられる始末で、一歩間違えれば非常にまずい事態になる状況だった。

「ディナ様が2人に直にあって、これを着て迎えに行くとあなたがよろこぶと伝えて―――」

「―――――」

「それにしても本当にかわいいはね? 最近と言うか、結構日本でよく見るけど、中世の召使いの服装?」 

 慌てているわたしに対してアミが答える中で、わたしはあとで絶対にディナを殴る心の奥底で決めた。

 確かに眠っている上、狐耳な上メイド服姿の幼い少女の双子はどこのだれが見ても可愛いし、迎えに来てくれたこともふくめてがうれしいとも思ったが、場所と言うか、限度があると思った。

「―――カーク?」

 強引と言えば変だが自分を落ち着かせ、ここは落ち着いて頭を整理し、2人を家まで運ぶことがわたしの使命だと考えている中で気が重そうに考え込んでいるように見えたことは必然だし、アミはわたしに声をかけてきた。

「―――――いえ? すみません? 大丈夫です? 軽くめまいがしただけです―――」

「飛行機によったの? 来てくれたからおどろいて興奮した?」

「いえ、大丈夫ですから―――」

アミはディナの部下の3人ほどこの世界に対して無知でもないが、少し知識に欠けると言う部分も存在するしで、わたしの慌てている様子を2人が来たためだと理解し、この服の危険性を理解していないと思った。

絵に描いたと言うか、日本語流で言う本格的2次元世界の光景だった。

MOEなどに代表される2000年以後の日本で広まり始めた文化の1つ的光景で、ここに置いておけば先ほどのような事態が復活する状況で、見る限り振り返る人間が時折見えた。

「―――伊那さま? 理沙さま? わたしです。カークです。」

「―――ぅ?」

「―――ぅ?」

 寝ているしこのまま家まで運べば都合もいいが、彼女たちのために来たのでもあるし、来てもくれたし、立場もあるしで、わたしは2人に声をかけ、起こそうとする中で2人は眠たそうな反応だが半分ほどだが眼を開けた。

「伊那、カークさん来たぁ。」

「ぅん、来た~。」

「―――寝ぼけていますね?」

 理沙の方が眼を開けたが閉じる中で伊那起こすと理沙は眼を開けて反応するが、次は理沙が眠り始め、伊那も再び眼を閉じ、わたしは状況通りの言葉しか出なかった。

「―――わたしが家までお運びいたしますので、どうかお休みください。」

「―――おやすみ―――」

「なさい―――」

 2人は眠ったらダメだと言うようにお互いを起こし合う動作を見せ始め、眠いのを我慢しようとしているのが見えたが、わたしはこれは無理だと思い2人に眠っていいと伝えると、2人は言う通りに眠り始めた。

「ぁ? そう言えば?」

「―――?」

「―――ディナ様からの伝言なんだけど、前にかした500ドルもう少し待ってほしいんだって。」

 わたしが運べばもしかすると怪しまれて警察に通報されるかもしれないが、ここに置いておくわけにもいかず、何にしても運ぼうと考える中でアミは口を開き、何かとわたしが彼女に眼をむけるなかで、アミはディナからの伝言を言った。

「―――心の奥底から嫌だと返してほしいです。」

「相変わらずの関係の悪さなのね?」

「ええ。」

 アミの言う前にかした500ドルとは少し忘れていた、わたしがディナに本当に貸した500ドルのことで、少し前にあの3人が警察に捕まった際の保釈金の代理の払いでもあり、日本での活動資金にもふくめて近く返してもらう予定だったお金だ。

 表情には出ないと言うか、本気で限度を超えたと言う領域で、わたしはアミに本気で優しく見えただろう笑顔と合わせた物言いで返したが、返事は拒否を出した。

アミがため息を吐きだして聞く中で、わたしはこの質問にも笑顔で返し、寝ている2人を抱きかかえた。

少女とは言え小学5年生の子供2人を持ち上げ、結構な重さを感じた。

失礼な表現かもしれないが、この年ごろは育ちざかりになるころでもあるし、いいわけにもなるかもしれないが、ある意味重いのは成長の証拠にもなると言え、この子たちは極めて健康体だと思う中で、わたしは彼女たちを白夜の家へと運ぶことにした。

本当は愛車のバイクで行きたかったが、手続きなどの深い関係上すぐに乗れるわけもなく、この日はあの家までアミの用意し運転する軽自動車で移動することになった。


 人間だの神だの怪物だのと突き詰めて調べていけば細かいし、絶対に複雑怪奇なことにもなるが、わたし枝葉は細かいことはいいとして不謹慎だが本当に心の奥底から心躍っている状態だった。

 幼い時からの訓練の成果とも言えるがよく考えるとわたしだって世に言う異形の1つだし、彼方や道が深く考えている中で、おもちゃが実銃に変わったことと言い、わたしは次に何が起きるか実に楽しみだった。

 自分自身が忍者の家系で秘術とかで信じられないほどの超人的な能力も身につけられたしで、わたしは自分たちのこともふくめ、心は好奇心で満ちていると言えた。

「―――そこだ!」

 夜の一件で大げさな表現だが彼女たちが苦悩している状況の中で一休みした夜、わたしが何をしているかと言うと気にもしない上に眠りもせずに道の家の警備をしていた。

 正確にはわたしは忍者であるから御庭番の隠密行動と言え、わたしは屋根の上を走っていたが、勢いよく飛び上がって手裏剣を勢いよく屋根の上に大量に投げた。

 正確には投げた手裏剣は四方手裏剣と言う手裏剣でアニメや映画とかでもよく出てくる手裏剣だ。

 刃も切れるようにしているし、直撃すれば結構な効果を持っていると言える。

「―――やっぱり! 何かいる!」

 普通の人間ならば注意しなければ見えないし、わたしが屋根の上に向かって適当に手裏剣を投げたように見られるが、闇夜に溶け込んでいるとも言えるが、わたしが手裏剣を投げた場所には確かに見えない何かが存在していた。

 証拠に何もない場所で投げた手裏剣が見えない何かに跳ね返り、勢いよく乾いた金属音を周囲に響かせていた。

 よく見れば全身を防弾繊維やベストと言った近代的な防具で覆った人間たちだった。

身体の防具だったり振り払う腕だったり、銃を盾にしたりしてわたしの手裏剣を防いだようだった。

『Flash Bung!』

 暗いし半透明に見えるし距離も手伝い肉眼ではわかりにくいが、5人一組のようで5人の中の1人がわたしが投げた手裏剣を刃を使って払ったようで、光る刃と人影に、ゴーグルやライトだと思うが顔の部分に赤い2つの眼が見えた。

 見えると同時に人間の女性の声で、英語だと思われる言葉で何かを言うとわたしにと言うか、わたしの足元に何かを投げてきた。

「―――――」

 彼女と言って本当に女性と判断すべきかはわからないが、彼女を仮称するとして、彼女の言った言葉はフラッシュバンこと、閃光手榴弾を意味する単語に聞こえ、わたしの足元に落ちたかと思うと一瞬で強い光を周囲が震えるほどの轟音が響き渡った。

「―――逃げられた。か―――」

 考えるよりも前に身体が動くようになっていると言えばよくある表現だが、まさにその通りでわたしは何かを投げられたと同時に防御へと移行し、閃光手榴弾の激しい光と音を防いだ。

 当然と言えば当然で、この隙にと言う状況で、彼らの姿は影も形も音も、臭いと言う感覚と言うべきか、気配的に感じ取れず、わたしの言った言葉通りで逃げられてしまった。


 深追いするのは追撃できるから有利だと思われるが、相手の罠に誘い込まれたり、有利な場所に先導されたり、最悪殺される可能性も多くて危険だし、わたしは逃げられたと言った後すぐに道の家と言うか庭に戻っていた。

 正確に言うと言うか、ある意味自分で言っているのだが御庭番と言う身分だし、持ち場を離れるのもダメだとも思った。

 神宮寺家の庭は相変わらず広くて静かで、月明かりに照らされる姿は日本の庭と言う落ち着いた色調の伝統文化がだれかの力添えではないが、時を超えて継承されているようでわたしは朝や昼だってそうだがいつ見てもきれいだと思った。

「―――枝葉ちゃん。」

「―――恵さん。」

 これからどうすると言うか、特に予定もないし、時刻的に言うと昨日の一件になってしまったが桃子と真矢の持っていたおもちゃの銃が実銃になったと言う逸話もあるが、もう遅いし朝に備えて寝るかと思う中でわたしを呼ぶ声が聞こえた。

 声の方向に眼を向ける前にわたしは相手の名前こと道の曾祖母こと恵の名を呼んだ。

 わたしが呼んだ通りで、家の渡り廊下には恵の姿が見えた。

「―――御庭番かえ?」

「ええ、はい。」

 ほかに答えはないと言う状況だが、わたしが一応はと言うか、こう言う時には答えるものだと言う状況で答えた。

「―――恵さんは、眠れないんですか?」

 時間は深夜と言える領域だしよほどの事情や仕事でもない限り普通の人間は寝ている時間で、恵には失礼だが年を取ると眠りが浅くなるとか聞くがわたしは眠れないのかと聞いた。

「いいや、ご不じょ、トイレよ、おやすみねぇ?」

「―――はい。」

「ホントは道のことも気になるけど、身体の方がもたんけんどうもいかん―――」

 恵はわたしが心配そうに答えたので安心していいと言うように笑顔で答えるとトイレの方へ歩き出し、わたしが返事を返すと恵は少し不安そうに言って歩き去って行った。

「―――」

 恵の言葉を聞いたわたしはある人間としての善意と言う意味とあるが、半場悪意だが、道の様子を見に行こうと思った。

 最悪あの心配性丸出しな性格だし眠らずに資料でも漁っているとも思ったし、わたしが行けば気分でも壊れてふて寝でもいいから眠ると思うし行こうと思った。

「―――――?」

 抜き足差し足忍び足、足音立てずで気配なしな上高速でわたしは道の部屋の近くにまで来た。

 不謹慎だと思うが、こんなことは一生に一度起きるかもわからない事態だし、困るよりも楽しんだ方がいいと思うし、わたしは軽い足取りで向かっていたが、何か奇妙な気配を感じた。

 道の部屋に道以外と言うか、部屋の中にいる道の近くにだれかがいる気配がした。

 あの一件で精神的によほど疲れたのか、道は幸いと言うべきか、机とかでは寝ておらず、普通に布団で寝ているようだが、気配での感覚だが、だれかが寝ている道の横で横になって道を見ているようだった。

「―――?」

 道以外にこの家には恵と祖母と道の父と現状でわたししかいないが、気配は別の人間な上、わたしはこの気配を昔どこかで感じた気がしながらも道の部屋の戸を隙間3Cmと言うほどに開いて中をみた。

「―――!? ぁ?」

 幽霊と言う言葉が一番正解だと言えた。

 開いて室内を見た瞬間と言うか一瞬だと言う方が正解だが、道の部屋の中と言うか、寝ている道の横には巫女と思われる服を着た女性が布団の中には入ってないが道と添い寝をしていた。

 わたしが開く瞬間に女性は戸が開いたことに気づくと眼を向け、わたしと眼が合ったし身体も半透明な気がしたし、幽霊だと思う瞬間に女性は姿を消していた。

 消したと言うか消えたと言う表現が正解だが、おどろくひまがないと言う状況で、見られて不味いと思う中で、その巫女姿の女性がわたしのいる側と言うか、渡り廊下の端こと突き当りの5、6m先にどうやったと言うか、幽霊ならできると思うが姿をあらわしたかと思うと突き当りを曲がって消えていった。

「―――憂、お姉ちゃん?」

 気配以外にも姿形までもだが、信じられないが道の死んだ母親こと憂に似ていた。

 道とは小さい頃からと言うか、生まれる前から知っていることもあるし、憂ともわたしは縁もあるのは必然で、わたしは思わず小さい時から慣れ親しんたような物言いで憂を呼んでしまった。

「―――枝葉さん?」

 少しだけだが追いかけるようにして前に出た上思わずと言うように声を出したため道が眼を覚ましたようでわたしの名を呼んだ。

「―――」

「―――バカやってないで、早く寝てくださ―――」

 わたしがまずいとも考える中で道はわたしを呼んだ時と言い眠そうな物言いで、夜なのに迷惑だと注意する物言いだが、半分寝ぼけているようで全部言い終える前にまた眠ってしまったようだった。

「―――――」

 別段問題ないと言えば不謹慎だが、道の物言いは普段通りであの幽霊みたいな物体に呪いとかをかけられた雰囲気は感じられず、家に帰った時の困り果てて落ち込んだ状況と違い逆にいいとも言える雰囲気だった。

 わたし一人しか見ていないわけだし信じてもらえる確証もない状態だし、道を起こして話しても絶対に信じないと思った。

 仮に信じたとしてもと言うか、少し怖い話だがこの状況だし何が起きるかわからないし、知っていて放置している場合もあるかもで、わたしも少し怖いが嫌な気配もなく、明日に備えて眠ることにした。


 眼が覚めると自分の部屋のベッドでわたし彼方は眠っていたと言うか、横になっている状態で、いつも通りと言うか、普段通りとも言える朝の光景が広がっていて枕元では携帯電話のアラームが鳴っていた。

 多少の眠気と言うものも感じるがいつも通りと言う調子で特に何か異常が起きたと言う様子もなくいつも通りの朝だが、何かが違うことは言うまでもないし、先ほどまで真矢と桃子と東京と思われる廃墟にいたと言う奇妙な状況だった。

「―――夢?」

(―――ぅ?)

 服も普段通りの服で、どこも壊れた様子も見えないし、夢でも見ていたのかと言う状況だし、携帯のアラームを切る中で言葉通りに夢だったのかと言うように言い、リューが目を覚ましかけていた。

(しま――っ?! ぇ?!)

「おはよう。リュー。」

 夢だとしても現実だとしても迫りくる時間に対応するように動き出す中でリューが慌てた反応を見せる中で、わたしはリューにあいさつしてベッドから起き上がり、歩き出した。

(―――え?! えぇ!? ええ!?)

「どうしたの? 変な夢でも見た?」

 一体全体何がどうなっているか教えてくれと言うようにリューが慌てている中で、意味不明の事態に遭遇している張本人のわたしはリューに対して平常心で対応した。

(―――僕たち、と言うか真矢ちゃんと桃子ちゃんとトウキョとかにいたよね?)

「え―――?」

 現実的判断と言うもので、夢だとして片づけてしまおうとわたしが笑顔な中で、口を開いたリューの言葉は、信じられないがあなたことわたし彼方と同じ夢を見たと言いましたと言っているような言葉だった。

(―――ろぼっととかを見た後―――)

「―――――」

 わたしがなんと言ったのと言う反応の中でリューは思い出すかのように言い、間違いなくリューはわたしと同じ体験をしていることは確かだった。

「―――――ぁ? 電話?」

(真矢ちゃんだね?)

 あれが現実だったのかと思い始める中で、携帯電話が鳴り始め、どうやら真矢からの電話のようだった。

 ロボットと言えばこの真矢から電話がかかってきた際になる着信音で、真矢が設定してくれたが、ガンダムとかだったと思うが有名なロボットアニメの曲で、曲名は確か「泪のムコウ」だそうだ。

「もしも―――」

『彼方!? 大丈夫!?』

 真矢は時折朝に電話かけてくることもあるしで、わたしはリューのことにおどろきながらも落ち着いた様子で電話に出る中で電話越しの真矢は電話越しにでもわかるかなり慌てた様子だった。

『生きてる!? リュー近くにいる?! 真横にゴジラみたいなのとかいないでしょうね!?』

 認めたくないと言う以前にあのことは間違いなく事実かもしれないと言う電話だった。

「―――い、生きてるよ? それよりもどうしたの? 真矢ちゃ―――」

『―――よく聞いてかな―――』

『真矢ー? 真矢ちゃ~ん?』

 ここでわたしが慌てたらすぐにでも飛んできそうな勢いで、わたしが落ち着かせようと話す中で真矢は急げと言うように言うが、少し遠くて小さいが、遠くから真矢の母こと透子の声が聞こえた。

『なによー? お母さ~ん!?』

『―――電話ー? 木之本さん。桃子ちゃんよ~? 急いで代わってほしいってー?』

『ごめん。彼方すぐ戻る。』

 起きている上、ご飯なら食べるしこんな忙しい時に声をかけないでくれと言うように真矢が電話越しに言うと、遠く小さい声の透子は桃子が真矢の家に電話をかけてきたと言っているようだった。

 急いで代わってと言うように言われた真矢は言うとおりにすると言うような反応でいい、携帯から離れたようだった。

(―――真矢ちゃんも、桃子ちゃんも、同じみたいだね?)

「―――うん。そうみたいだね?」

 落ち着いてこそいるがわたしはごめんなさい夢で済まそうと思いましたし言葉も出ませんと言う状況で、リューが真剣に言う中でその通りだと返すしかなかった。

(―――それにしても―――)

「―――どうしたの?」

(かゆいんだよ!? 身体が!? 何でか!?)

 わたしが言い返した中でリューはこれだけはと言うように言い、わたしが何かと聞く中で、緊迫している雰囲気だったがリューは故意に倒れ、軽くだが暴れまわり始めた。

(あ~? かゆい!? ノミとかいないのに何で!?)

「―――何でかな? シャンプーが合わないとか? 犬用買う? 強力だって聞くよ?」

 よく考えるとあの場所にいた時身体が少しかゆい気がするとか言っていたが、本当にかゆいようで身体をかきまくっている状態で、昨日も洗ったしで、リューが暴れる中でほかに要因もないし、対処法を話した。

(―――僕の身体はいいから!? それ買ってくるんでいいから! それよりも真矢ちゃんは?)

「―――桃子ちゃ―――」

『彼方! 桃子とも話して!』

 対処法を話すとこんなことよりもと言うようにリューはいい、わたしがまだ桃子と話していると言いかける中で電話越しに真矢の声が勢いよく響き渡った。

『―――彼方?』

「桃子ちゃん?」

 電話越しに不意に桃子の声が聞こえ、わたしは返事を返し桃子かと聞いた。

 声が微妙に遠いと言うか、小さく変で、推測と言うか、真矢が携帯の受話器と家の電話の受話器を押し当てていると言えた。

「―――いったん切るね? 携帯にかける。」

『―――ぁ? そうね?』

 一応話せるとは思うし不可能ではないが、人間慌てると意味不明な行動をすると言うか、無理な状況だし、わたしは桃子に冷静に伝えると真矢との電話を切り、桃子に電話をかけた。

「もしもし?」

『―――』

「―――桃子ちゃん?」

 鳴らすとすぐに桃子は出たが、言葉を返さず、わたしは本当に出たのかと確認するように桃子の名を呼んだ。

『―――廃墟の東京を見た夢見なかった?』

「―――見た。と言うよりも夢じゃないと言う方が正しいよね?」

 思う通りと言うか、考えるまでもないと言うか、絶対的な事実を話すと言う状態で、桃子が質問してきたがわたしはその答えに対して期待以上と言うか、言うまでもないが言ってほしくないと言う答えを実直に返した。

『―――――』

「―――携帯だと話しにくいね? 会って話そうか? 学校いこ?」

『―――うん。そうね―――』

 わたしの言葉を聞いた桃子は返してほしくはないが絶対に返すと言う反応で何も言わず、わたしも同じ状況だが奇妙なほど落ち着いている状態だし、わたしは落ち着いている中で対処法を提案し、桃子も了承した。

 携帯電話越しでは話しにくいし、真矢の声も聞こえないし、機能的に複数の電話と会話ができないわけでもないと思うが、桃子が気の重そうな表情が電話越しにでもわかるほどに頭に浮かぶし、顔を合わせて話し合うことが一番いい判断だった。


 常識外のことが起きているが常識をある程度通すことも必要で、わたしはこの日少ししてどう対処するかを考えていた。

 対処とは何をするかと言うとリューのことで、状況的に連れて行って話の輪に入れることも必要だと思われるが、学校に連れていくのはどうかと言う状況だった。

(いかなくていいの?)

「―――ぁ? いや? あの、その―――」

(僕はここにいるんでしょ? あのかごはいいの?)

 準備をある程度終え、リューは結構賢いみたいだし、話しもできるしうまくいっておとなしくさせておくのも手だと思い、思い切って連れて行こうと思い見ている中で、リューがわたしに言葉を返した。

 連れていくにしてもバッグの中に入れたらいいとか、どうやって入れて行こうかと考えている状況で、わたしがどう返すかと言う中でリューは思ったことと違う答えを返した。

(―――そりゃ前みたいにあんな女が来たら怖いけどさ、彼方ちゃん言ったでしょ? ここでおとなしくしてろって?)

「―――」

(あのことも気になるけど、僕も話しに言った方がいいと思うけどさ、何かわかんないけど僕がいるとまずい場所なんでしょ?)

 常識をわきまえているのはリューの方で、わたしが言葉を返すまでもなくと言うように、わたしを論破した。

(いってらっしゃい。待ってるよ。)

 ほんの数日ほどだがわたしの育て方がいいのか、リュー自身の持って生まれた性格と言うべきなのか領分と言うものを心得ているようで、座って待っていると言うように常識的な言葉を返した。

 常識的と言えばリューの身体で、気のせいだと思うが少しまた大きくなっている気がしたし、リューにはわたしのことにも関係しているかもしれないし、ほかの生き物と確実に違う常識外の部分が存在していた。

 リューの何が違うかと言うと結構下品な話になるが排泄器官で、リューは食事をするみたいだが糞尿と言った排泄を一切しない上、身体を念入りに調べてみたがそう言った器官と言うか、身体の部位が一切存在しなかった。

 動物を飼っている同級生に始末が大変だと聞いたことがあるし、覚悟はしていたが一切ないと言うか、それ以前の問題だが、肝心なのは迫る時間だった。

 

 結局はリューを連れて行かないことにして、わたしは学校に行くことにした。

 準備を終えてあとはリューをどうしようかと言う状況だったのであとはリューと言う荷物が無いと言う変化になったが、何にしてもわたしは家を出ることにした。

 連れていく方がいいのではないかと言う考えも頭の中に浮かんだが勢いよく振り払い、合わせるように首を勢いよく振り、真矢と桃子と話し合うことが重要だと思いわたしは勢いよく玄関の扉を開いた。

「―――――ぇ?」

 外の道に眼を向けると5,6人と少し多い人間たちが家の近くを歩いていた。

「―――警察?」

 歩いていると言うよりも、性格には次にでたわたしの言葉通りで、彼らは警察の制服だと思われる服を着ているし、何かを調べていると言うように見えた。

「―――」

 人通りなんて少ない場所に大勢と言えば言い過ぎだが大人が家の周辺と言うか、道を調べまわっているような中で、わたしは何にしても玄関の鍵を閉め、学校に行こうとしたが、玄関の鍵を閉める中である悪い予感がよぎった。

 悪い予感が何かと言うと、昨日桃子が撃った銃のことで、銃声が通報されたのではないかと思ったのだ。

「―――あの? 何か起きたんですか?」

 玄関の鍵を閉めたわたしは道に出ると1人の体格のいい男の警官に何気なくと言うように質問していた。

 わたしの質問した警官の後ろでは結構大規模と言えば変だが、本格的な捜査がされていて、何かを入念に探しているのか、警察犬の姿が3匹見え、3匹は何かを探すように地面のにおいを確認するように顔を地面と言うか下に向けていた。

「―――昨日の夜ね、ヤクザがここの近くに来て鉄砲を撃ったかもしれないんだ。」

 よく考えると自分が挙動不審に見えるかもしれなかったが、他人と言うか、彼から見てわたしは平常心と言うか、家の前で警官なんて見たら普通子供はおどろくと言うように思う反応で子供にわかるようにと言うようにひざをついて話してくれた。

「昨日の夜ぱーんとか言う音聞かなかった? あれらしいんだ。」

「―――あ~、そう言えば~?」

 警官に質問されたわたしは桃子と言うか、友達が撃ちましたとは到底言えない状況で、言われて見ればと言うように返すしかなかった。

「―――少し早いけど花火とかかもしれないし、放っておいたんだけど薬莢が見つかったらしくてね?」

「―――薬莢?」

 警官はこれは困ったことになったと言う反応で答え、わたしは何かというように返すしかなかった。

 真矢に聞けばわかると思うが、わたしに銃の知識が深くないのは言うまでもないが、薬莢と言う言葉は一応は聞いたことがあるし、銃を撃った後に出る円筒形の金属の物体だと言うことは一応理解した。

「言われてもわからないよね? まぁ、気を付けてね?」

 邪魔にもなると思うし、足元に落ちるし踏んで転びそうだし何であんなものが撃った後に出てくるかわからないし、警官もわたしに言ってもわからないと思うしと言うように言いこれから学校なら気を付けてと言うように言った。

「―――大丈夫だからね? 僕たちが―――」

「ちょっと? 部外者にできる限り口外は避けて!?」

「―――あちゃ?」

 警察官は市民を守るのが仕事ですと言うように警官が最後に言おうとする中で、後ろにいた警察犬を従えていた1人が彼を呼ぶと言うか、注意して近づいてきて、彼はまずいなと言う反応をした。

 3人もいて遠くて帽子を被っていて下も向いていたし、解りにくかったが、声を聞くと中央にいたのは女性で、わたしたちの方に犬と一緒に近づいてきた。

「こんな場所だけど国際的な犯罪かもしれないのよ? こんな子に話してどうなるの?」

「すみません。すみませ―――」

「―――ちょっ?! シーザー?」

 銃と言えば日本では常識だが法律上持ち歩けるものでもないし、世に言う密輸とか密造、密売とかと言った言葉も出るし、国外から来るのが常識だと思うし、女性が黙らせようとするのも仕方ないと思った。

 先ほどまで自信満々だった彼も平謝りと言う中で、不意に犬が動き出し、女性が止めようと呼ぶが、止まらずわたしに近づいてきた。

「―――――?」

 少しおどろきもしたが警察の犬と言えば厳しいしつけも受けているだろうし、噛むことはないと思っていたが、シーザーと呼ばれた犬はわたしの前で背を向け、地面に座った。

「あ~? またそれね? わかったわよ? その子は安全なのね?」

「―――――?」

 女性は呆れ果てたと言う反応で、わたしはと言えば意味が解らないとしか言いようがなかった。

「ごめんなさいね? 朝から騒がしくて?」

「あ、いえ―――」

 犬ことシーザーを困った犬だと言うように見ている女性だが、本題はと言うようにわたしにあやまり、わたしはあやまられる理由もないしと言うように返して。

「―――あの、それで―――?」

「シーザーって言うの。」

「シーザー? いい名前ですね?」

 桃子の銃のことだとも思うが、絶対に言えないが、不思議なことと言えば眼の前の現象で、この子は何をしているんですかと聞く中で女性は答え、わたしは思った通りにいい名前だと思ったし、言葉通りに返した。

「―――そうとう人見知りが激しいの、捨て犬からここまで成り上がって来たって言うこともあるけど、安全だと言う人間見つけるとそうやって守るみたいにあなたの前に立つの。」

「―――そうなんですか。」

 こういうことだと言うように女性は話す中で、わたしはシーザーに顔を向け、シーザーはわたしに顔を向けると笑顔を向けたようにも見えた。

「訓練時代と言うか、小さい時から凶悪でね? 訓練中とかに何度か人間の指とかも食いちぎったこともあるらしいし、前の飼主が暴力をふるってたとかの影響で人を見分ける力でもあるみたいで―――」

「―――わっ!?」

 本当かわからないが女性は少し恐ろしいと言うか、物騒な話をしながらとにかく仕事に戻るぞと言うようにシーザーの手綱を引くとシーザーが勢いよく何度も吠えはじめ、わたしもおどろいた。

「―――あ~、わかったわかっ――――」

「彼方~~~?!」

 彼女の言うことは本当かどうかはわからないが何にしても言った通り信憑性はあるようでわたしを守るかのようにも見え、女性が少し引き下がる中で、少し遠くからわたしを呼ぶ聞きなれた声が聞こえた。

「彼方~~~?!」

「真矢ちゃっ?!」

「よかったー?! 無事だったー! 怪我ないー!?」

 この声は真矢だと思う中で再びわたしを呼ぶ声が聞こえ、位置的に後ろから来るなと思い呼ぼうとする中で、真矢はわたしから見て左横から勢いよく姿をあらわし抱き付いてきた。

 勢いにおどろいてかシーザーも吠えるのを止めて何事かと振り返り、真矢はあのことも踏まえてか、身体のことも気遣っているようだった。

「も~? 最悪よ~? 朝から!? そりゃニュース見たけどこんな近くって思わなかったし、通せんぼされて~?」

「あ? そうなんだ?」

「学校も回り道になるよ~? も~? 最悪~? どこの馬鹿よ~?」

 普段とは違う場所から来たけどどうしてと質問する必要もなく真矢は答えを返し、わたしがそうなのかと返す中で、真矢はあのこともあるし不満ならまだあると言うように言葉を続けた。

 銃を撃ったのは桃子だと思うし、真矢が知らないわけはないと思うが勢いと言うか状況的に忘れていると言うような言葉と反応だとわたしは思った。

「げっ!? ヤッバ?! ど真ん中!?」

 抱き付いた状態から真矢は離れたがなんか人の気配があると言うように警官たちのほうに眼を向け、よく考えたら警官の悪口を言ったと言うような反応だった。

「あ?! あの違うんです!? 警察が迷惑とかは思ってないし! 悪いのは犯罪者だし―――」

「―――あ? 真矢ちゃん? 遅刻するよ? 行こうか?」

 慌てて言葉を返す真矢に、わたしはよく考えたらと言うか、これが学生の最高の逃げ道だしとも思い言い、わたしは真矢をひっぱってその場から逃げることにした。

「―――お気をつけて。」

「え?」

 引っ張って逃げ、距離も5、6m以上離れ、彼らも作業に戻りだすだろうと言う時、わたしは後ろから奇妙な声を聞いた気がして、何かと思い立ち止まり振り返った。

「―――どうしたの? 彼方?」

「あ? いや? 何でもない? 行こうか?」

「そうだね?」

 声は低い男の人の声で、わたしを気遣う優しい物言いだが、声はあの警官の声でも女性の声でもないと言う声だった。

 ほかのだれかが声をかけたとは思えないし、彼らが話し合っているのも見えるし、だれかが言った何かを気のせいか聞き間違いかと思っている中で、真矢が声をかけて来た。

わたしは何にしてもあのことを真矢と桃子と、それに道たちとも話さないといけないし、気のせいだとその場で割り切り、言葉通りに何でもないと判断し、歩き出し、真矢もあわせるように小走りに歩き始めた。


学校に到着すると事件のことが少しだけだが話題になっていた。

情報収集と言う意味もあるし、銃を撃った張本人だと思われるわたし桃子も話しに入りたかったが、口も堅い方だが思わずと言うように口を滑らす可能性もあるし、ほかのだれかとは少しだけだが会話に入れなかった。

わたしが心配性で先に早く気過ぎたかもしれないと言う部分もあるが、彼方と真矢がまだ来てないし、ほかの生徒とも話題の中で振られたが、怖いねとか、信じられないとかと言う無難な返事を返すしかなかった。

『―――日本のゲームとか、メディアとか? アニメやゲームでも出てるんですよ? トイガンメーカーの大手の1つ、東京マルイって言うんですが、遊戯銃を出しているんです。』

『―――銃としては非常に貴重であり、国際的な密売組織や密造、密輸組織が背景にいると推定され、地元警察署は捜査員を増員すると発表しました。』

『口径が特殊でしてね? 口径は小さいけど、大口径とかの、マグナム並の威力を持っているんです。犠牲者がいないのは幸いですが、目撃者がいないのが問題ですね?』

 彼方たちが来る前にとわたしは携帯を使いテレビやネットと調べられる情報を集められるだけ集めていた。

『住宅街で実銃発砲か?』

『超プレミア実物拳銃日本流出か?』

『国際犯罪が背景にあると思われる中で銃声と空薬莢以外の情報一切なし』

 調べるだけ調べてみたが、悪く言えば表向きかもしれないが、幸いと言うべきかわたしと言うか、わたしたちを特定する手段は見つけられていないと言う状況のようだった。

「最近人がたった数日で白骨化したとか変な事件あったけど次は実銃だってさ~?」

「物騒なこと多いよね~? お母さん言ってたよ? 昔治安とかよくて静かだからここ選んでローンまで組んだのに大失敗だって~?」

「そう言えば事件のあった場所彼方ちゃんの家の近くじゃない?」

 事件の当事者と言うか、ある意味張本人と言うべき状況だが言えるわけもなかった。

安全と言うか、何のためにと言うか、他人からみたら意味不明かもしれないし、判明したら大ごとだがわたしは銃をバッグの中に入れて学校に持ってきていたし、わたしは彼方と真矢を待ち続けるしかなかった。

「―――木之―――、桃子? 大丈夫?」

「―――あ、神ぐ、道―――」

 鈴もあの場にいたが違う学校だし、よく考えたら道もいたと言うと言う状況で、少し孤立しているように見えたのか、道が気遣ってかわたしに話しかけて来た。

 昨日のことも知っているし、お互いに気まずいし話しにくいと言う状況で、道とわたしはお互いを呼び合う前に名前ではなく苗字で呼ぼうとし、名前で言い直した。

「―――あの―――」

「ごめん。悪いのはわたしよね?」

 昨日のことだがと道が言いかける中で、わたしは苦笑いして言葉を返すしかなかった。

「―――本当に代わっているとは思ってはいたけど、確かめたかったし、衝動が抑えられなかったと言うか―――」

「―――」

「持ってると撃ちたくなるって本当なのね?」

 わたしの言うことは仕方ないと言えない状況だし、道が気の強い男でもあったら言いわけするなとでも怒りそうな状況だが、道はどうするかと言うようにわたしを見ていた。

 お互いあの事件の真相を知っているが人には正直には話せないし、話しても信じてもらえないしで、お互いに言葉が見つからない状況だと言えた。

「なんだよ道?! 乗り換えたのか!?」

「ぅわっ!?」

 これからどうしようかとかはなしあうべきで、お互いにわかっているがどちらが先に切り出すと言うか、言っていいのかと言う緊迫した状況の中で、道の男友達の生徒が後ろから勢いよく道に軽い心情と言う雰囲気で抱き付いて来た。

 抱き付いたと言うよりも軽く首を絞めて格闘技の技をしようとしていると言う方が正解で、彼の抱きしめた腕は首を軽くだが締めている状態だった。

「名前でまで呼んで~? 気安いな~? 彼方の胸まで触ったのにこの浮気者~?」

「あ? あれは事故だって?!」

 殺意と言うものもないし、第一道事態武道を習っているし不利なのは彼の方だが、道はと言えばわかっているしと言う反応だった。

 わかってこそいるが痛い部分をつかれたと言うように道は困ったと言う反応だった。

「このリア充~?」

「リアジュウってなんだよ? リアルな獣? とにかく離れろよ?」

「これだから本物は嫌なんだよ~?」

 彼はと言えばいつもの冗談だと言うように道とふれあい、道はと言えばこの場では困ると言うように彼を引き離す中で、彼は冗談ながら少し腹が立つと言うように返した。

「木之本さ~ん? 知ってるでしょ~? 彼方とのこと~? こいつ予約済みだよ~?」

「予約済みってなんだよ? とにかく、重要な話あるからあっち行ってくれ!?」

「なんだよ~? 木之本さんは女子にしても高値の華なんだぞ~? 近づくには仲のいい彼方と真矢と仲のいいお前が一番なんだぞ~? わかってくれよ~?」

 こっちにも来てと言うか、話しに混ぜてと言うように彼が顔を向ける中で、わたしは笑顔で返すと軽い調子で言う中で道が追い返し背を向けさせ、彼はと言えばあきらめないぞと言うように言っていた。

「―――桃子!?」

「桃子ちゃん?!」

 少しだけだが道の対応がわたしと言うか、女子と男子で微妙に違うなと思う中で、彼方と真矢が教室に入ってきて最初に真矢が、次に彼方がわたしの名前を呼んだ。

 あの場所に道はいなかったし、不要に話せる状態でもないし、電話で確認して2人と言うかわたしたち3人で一度話した後に話し合わなければならない状況だし、わたしは一安心した表情を2人に向けた。


 わたし真矢と彼方が少し遅れてきたことは事実だ。

 遅れたことを話すので、桃子に怒られたのではないかと思うがそうではなく、教室に入ってわたしと言い彼方と言い桃子の名を呼び、桃子がわたしたちに顔を向ける中で、悪い時と言えば失礼かもしれないが話しを止めるかのように校内放送が始まった。

 彼方も昨日の事件も現場が家の近くで大丈夫かと聞かれている中で、校内放送と言うのは結構厄介なもので重要なことを話すこともあり、無視できないのが現実でわたしたちは耳を傾けた。

『―――空野彼方さん、木之本桃子さん、神宮寺道くんは至急1階生活指導室に来てください、繰り返します。1年―――』

「へ?」

「―――呼ばれたね? わたし? 桃子ちゃんも?」

 最初の部分は話している部分もあったし、機械の調子が悪いのか操作が悪いのか途切れていたが、間違いなく彼方と桃子と道を呼び、わたしは呼ばれなかった。

 わたしがおどろいている中で、彼方は冷静に対応し、桃子はいすから立ち上がった。

「―――僕まで呼ばれたし、何だろう?」

「―――とにかく、行きましょう?」

 関係で言うと個人的には仲がいいと言う関係だが学校行事の中では無縁と言うか、同じクラスと言う関係で、一緒に呼ばれる理由もないし、道がどういうことだと言う反応の中で、桃子は行こうと言うように呼びかけた。

「―――だけど―――」

「大丈夫。偶然の一致よ? だれかが本当に知っているわけないから。」

 行ったら怖い眼にでも会うのではないかと言うように彼方が言い、近くも彼方に声をかけたり放送を聞いて彼方に眼を向けた生徒も不安そうな反応を見せる中で、桃子は勢いよく大丈夫だし問題ないと言うように言った。

「―――そうだといいけど―――」

「―――真矢は、とにかくお願いね? 行こう?!」

 状況的に見て考えられるのは神さまになれるうわさのこと以外ないと言う反応だが、桃子は絶対にないと言うように言うと言葉通りに1階の生活指導室に行くように教室を出て行った。

 彼方も少しの間迷っていたように見えたが桃子を追いかけ、道も僕も呼ばれたから行くよと言うようにわたしに眼で合図して彼方を追いかけ始めた。

 わたしも実際問題いきたいが、呼ばれていないし予鈴もなったし先生こと入谷も来たしで、これから追いかけるのはまずいと言う状況で、自分のいすに座るしかなかった。

 

 生活指導室と聞かれると何か怖い先生にでも怒られそうな場所とかとわたし彼方だけでなくても思うが、桃子について行く形で行ってみて知っている場所だったし改めて見てみると普通と言うか、開いた教室をそう呼んでいるだけの教室のようだった。

 教室と言っても生徒が学校で勉強する教室があるわけでもないと言う教室の1つで、授業以外の用途で使われている場所とも言えた。

 わたしがここだと言うように見ている中で動き出したのは桃子だった。

「失礼します!」

 勢いよく言うと勢いよく桃子は扉を開いた。

「桃子ちゃ―――」

 もう少し慎重に言った方がいいのではないかと思いわたしが声をかけながらも室内に眼を向ける中で、わたしは本来ここにいるはずのない人間の姿を見て、大声はあげなかったが言葉を失うほどにおどろいた。

「―――どうしたの2人と―――も?」

 わたしたち2人の反応を見たら異常なのは当然で、道がなにかと言うように聞き、わたしと同じように眼を室内に向ける中で、道も同じものを見て言葉を失った。

「鈴、ちゃん?」

「―――鈴?」

 わたしたちの学校とは違う赤基調の制服で三つ編みに眼鏡、胸に大事そうにスケッチブックを抱えた少女こと夢野鈴がわたしたちに眼を向けず、顔を下に向けた姿で視界の先に立っていた。

「―――それに、伊那ちゃん? 理沙ちゃん? 枝葉さんまで?!」

「え? ぁ?」

 わたしと桃子が鈴の名を呼ぶ中で、次に反応したのは道で、わたしたちから見て鈴の右の方に小学5年ほどに見える双子の少女こと、清水伊那と理沙の姿が見えた上、枝葉の姿まで見えた。

 2人はいつもの調子で眼があうと軽くだが2人合わせてお辞儀をした。

「―――入りなさい。」

 3人に眼をわたしたちは奪われていたと言う状況で、生活指導だと思われる眼鏡をかけた少し厳しそうな外見の女性の先生と、ほかには学校の人間ではないと思われる人間が鈴と2人の中央に立っていた。

 立っているのは2人組の男女で、一見するとスーツ姿だが、よく見ると普通のスーツ姿と違い、年齢も3、40代ほどに見え、学生にも見えないし会社か何かの制服だと思う中で、生活指導の教師が入るように指示を出してきた。

「失礼します。」

「失礼します。」

「―――失礼します。」

 一番にと言うように桃子が入り、わたしも遅れましたがと言うように入り、道も僕も遅れましたが同じくと言うように入った。

「彼方ちゃーん!」

「わっ!? 鈴ちゃん?!」

 室内に入り3人横に並びましたと言う状況の中で、不意に鈴が顔を上げ、顔は本気で泣き出しそうな表情をしていて勢いよくわたしの名を呼んで走り出しわたしに抱き付いてきた。

「こわかったよぉ!? 突然呼ばれたかと思ったら車に乗せられてこんな場所に連れてこられてぇ!?」

「―――大変だったね?」

 こんな場所に何でいるのかと質問したいが、わたしが抱き付かれておどろいている中で鈴は勢い良く簡単すぎるが一応は事情を説明しわたしは抱き付き泣き出す鈴を深く詮索するのはむずかしいと思い聞かないことにして抱きしめ返した。

「―――知り合い、で間違いなのね?」

「ああ? はい?」

 泣いて抱き付き名前まで呼び聞くまでもないと言う状況だが教師は確認し、わたしはそうだと言うように答えた。

「―――鈴に何したの!? 答えないとただじゃおかないはよ?!」

「―――」

「あなたたち何者!? 答えなさい!?」

 わたしが泣いている鈴をもう大丈夫だと言うように抱きしめ返している中で動き出したのは桃子で勢いよくかみついて抱えるように勢いよく言い、2人の男女は不意な勢いにおどろく中で桃子は言葉通りに答えろと言うように勢いよく言った。

「―――道く~ん?」

 答えないなら許さないと言うような雰囲気を桃子が見せる中で、枝葉が先ほどの鈴と同様に道の方に向かって道を呼んで進んできた。

「はい。緊迫した空気をほぐそうとしなくて結構ですし、抱き付く口実を造らないでください?」

 枝葉の道を呼ぶ物言いは先ほどと鈴と違い明るく冗談のような物言いが感じられ、道もと言うか、間違いなく鈴とは違うことを感じとり、抱き付こうとする枝葉を片手で押しとどめ、いい加減にしてくださいと言うように口を開いた。

「―――桃子ちゃん、落ち着いて? それで? いったい何の用ですか?」

 わたしは鈴に抱き付かれているし、桃子は少し冷静さを失っているし、枝葉が半場冗談で道に抱き着つこうとするのを止めたし、状況的に一番落ち着いて対処できるのは道で、道は何事かと質問した。

「―――あなたたち、知り合いで間違いないのね?」

「―――そうですけど―――」

 聞いて来たのは教師で、質問に答えたはわたしだが、わたしは何か問題がありますかと言う心情の表情で眼を向けるしかできなかった。

「―――失礼します。」

 教師の方は確認したと言うような反応の中で、だれかと聞きたい男女2人の内男に眼を向けると、男はあいさつをするとわたしたちに近づいてきた。

「―――これ、君たちだよね?」

 わたしたちに近づくと片手をスーツの腰のポケットの中に入れ、何かというか、一枚の紙を出してわたしたちに見せて質問した。

「―――あ?」

「これって!?」

「―――ぁ?」

 紙をよく見てみると写真で、いつと聞かれると昨日の夜だと思うが、わたしと桃子、道に伊那と理沙、それに枝葉が映った写真が写っていた。

 写っているとは言うが、撮影で何か問題が起きたのかピントと言うか照準が少し上手くいかなかったようで、少し上手く映っていないように見えたが、間違いなくわたしたちだった。

「あれ? だけどこれ―――?」

 わたしが最初に反応し、次に桃子、抱き付いたままだが振り返り確認した鈴が写真を見てる中で、わたしは写真に関して異常を発見した。

 何が異常かと聞かれると撮影位置のことで、わたしにはカメラとかの知識はないが、知識も関係なくだれがどう見ても写真のようにわたしたちを取るにはかなり離れた位置な上高い場所で撮影しないとできない写真だった。

 奇妙なことだとも思うが、昨日見たあの奇妙な透明な物体の眼だと思われる位置から撮影したのではないかとわたしは思った。


 話しも長くなるしと言う状況で、彼方に桃子、道と伊那と理沙、そしてわたし枝葉はいすに座るように指示され、桃子がいやそうだったが従い、わたしも彼方も、道も全員がすわった。

 いすとは言ってもここは一応は教室でもないし学校の生徒が使うようないすではなくパイプイスに座ることとなり、わたしも座る中で、謎の男女の内男の方が始めますと言うように雰囲気を見せた。

 先ほど勢いよく彼方に抱き付いた鈴は学校で呼ばれた後ここに連れてこられたと言う少し異常な事態だが、わたしは事情が違っていた。

 道の親族こと、神宮寺家の電話がかかり、牧野枝葉と言う女性が知り合いにいるなら早急に学校に行ってほしいと言われ、それを聞いたわたしは学校に行くと教師の1人に案内され待っていたと言う状況だった。

 待っている中で何かと聞こうと思う中ですぐに鈴が来た後に上すぐに道たちも来たと言う状況で、後はこれからという状況だった。

「まず、僕は警備会社AGSの羽藤京華と言います。」

「同じくサリー アンダーソンです。」

 授業の合図と思われる音が学校内でなり始める中で2人は話し始め、遅れましたがと言うように名乗って2人は名刺を出した。

「―――警備会社?」

「AGSって? あのCMの?」

 なにそれと言うかのように彼方が聞き、桃子は聞き覚えはあるけどと言うような反応だった。

「学校がシールはってるよね?」

「はい、そうです。」

 桃子が聞いたことがあると言うように言う中で彼方が反応し、そう言えばと言うような表情をしていて、羽藤と名乗った男はその通りだと言った。

後で詳しく調べてみたが、AGSはAdvanced Guard Securityの略で1999年12月31日に創設したアメリカ、ワシントンDCに本社を持つ警備会社で、規模としては中小だが2010年には日本株式で上場も開始した一応大手でもある。

彼方の言う通りで、この学校もAGSに警備を依頼しているようで、警備していると言う証明をしたステッカーが特定の場所にこれを見ろと言うようにはりつけられていた。

時折だがテレビCMも放映され「新しい治安維持を提案する。」を企業目標に活動している。

「―――なに? 何が目的?」

「桃子ちゃん―――――」

 一番警戒しているのは桃子で、いつの間にこの写真を撮ったとか、どこで撮ったとか、だれがとったとか、聞きたいことが山ほどあるぞと言うような表情で言う中で彼方が桃子を止めた。

「―――昨日、変なものを見たでしょう?」

「―――――だとしたぐむっ?!」

「す!? すみません!? ちょっと朝友達と喧嘩しちゃって!? 少し機嫌が悪いんです!」

 少し間が開いたが羽藤は遠まわしにするのもダメだなと言うように直球で聞いてきた。

 わたしと言いわたしの方に少しだけ眼を合わせた道と言い、あの昨日見た奇妙な物体のことだとすぐに思った。

桃子が勢いよく立ち上がり、人によっては遠まわしな物言いに聞こえるし、いい加減に言いたいことを言えと言う反応の中で桃子を止めたのは彼方で、言うことは本当かわからないが彼方は半分と言うかかなりの苦笑いで言いながら桃子の口を押えて強引に座らせた。

「―――確かに、半透明なような、何かを見た気がしますが―――?」

「道!?」

「桃子ちゃん!?」

 話が進まないなと言う判断が出るのは当然で、桃子が彼方に抑えられて座らされる中で道が質問し、桃子が待てと言うように言いかける中で彼方が再び桃子を抑えた。

「光学迷彩、という言葉を聞いたことがありますか?」

「―――?」

 聞かれた羽藤はこれからだと言うよう言葉を返したが、質問して来た道は意味が解らないと言うような反応だった。

「―――?」

「透明になれる装置―――?」

「まぁ、簡単に言うとそうとも言えます。」

 少し時間が経過したがよく考えると昨日枝葉があの何かを見る前の時そんなことを言っていたような気がするなと言うように考える反応を道が見せる中で、わたしが答え、羽藤は少し違うが一応正解と言うように返した。

「―――実はね、昨日君たちが見たあれね? 大きな声で言えないんだけどね? 試作中の装置の実験だったんだよ?」

「実験?」

「ここからが本題なんだけど、内密に、内緒にしてくれないかな?」

 羽藤は言葉を続け、対応は主にと言うように道が対応するようになる中で、羽藤は軽くだが頭を下げて頼み込む姿勢を見せた。

「―――実は大きな声で言えないんだけど、裏に自衛隊とか、大きい大学とか、大きい組織や政府みたいなのとか関わっててね? 不味いんだけど実験もあそこで無許可でやってたし、大っぴらにするとまずいんだ?」

 羽藤から見て眼の前のこの男の子こと、道が話に対応するのが分かったと言う状況で、羽藤は全員には聞こえるが道にだけ耳打ちするように言うし、表情を言葉通りに話されたら困ると言う表情をしていた。

「―――他言無用と言うことですか?」

「―――そうだね? そう言う方が正しいね?」

 受け答えする道は子供に対してと言うように話す羽藤と違い、大人びた反応で返し、羽藤はその通りだと言うように返した。

「悪いようにはしないよ? 悪党みたいだけど、国家機密や企業秘密とかって言う大人の事情をわかってくれるかな?」

 一見すると穏やかな物言いだが羽藤は本気で表ざたに口外されると困ると言う表情と慌てた反応をしていた。

「―――いいよね?」

「――――――」

「わかりました。」

 僕が決めることではないし、最後には全員の声や反応を見た方がいいと言うように道は言うと桃子と言うか、彼方に眼を向けた。

口を押えられて何を言っているかわからないが、待ちなさいとか言っている桃子を抑えている彼方は口は開かないが、いいからとすばやく2回言うかのように首を勢いよく2回縦に動かした。

 全員の主権を道はいつの間にか握っている状態で、わたしは言葉に出さないがいいと返し、伊那と理沙の2人もあなたがそう言うならと言うように首を縦に1回動かして返し、1名こと桃子の不満を無視して羽藤の提案は受け入れられた。

 思わずそうしますと言う言葉を聞いたと言う反応で、羽藤とサリーはおどろいていたが、道が丁重な対応もしたこともあって信用され、わたしたちはすぐに解放された。

 解放された後でわたしはAGSのことを調べ出したのだが、AGSにはほかの情報も存在していた。

 日本ではごく普通の警備会社だが、ワシントンDCの本社やアメリカ、他国ではPMCとして主に海外で活動している会社だそうだった。

自分の異能な能力柄、少しは聞いたことがあったが、Private Military Companyの略で、日本語略すると民間軍事会社を意味し、海外に傭兵を派遣している会社だ。

 傭兵と言うのは簡単に言うと国家と言うか政府のような軍隊組織にいる軍人ではなく一時的に金銭で雇われる軍人で、言わば軍人のパートタイマーや派遣社員を意味し、PMCは日本で言う派遣会社と言うべきだ。

 調べている中で思い出してみるとわたしの一族の中にも能力を生かして海外でPMCで仕事をしている人間もいるとも思い出し、近く連絡でも入れてみようと思う中で、わたしは別の情報や奇妙な情報も手に入れることもできた。

 多くは出せないが1つはAGSの軍需産業との接点で、大手軍需産業と協力し新兵器の試供や実験開発にも関与しているとのことで、高い成果を出しているとのことだった。

新兵器開発と言えば結構極秘裏に進められるし、あの一件もその一端とも言えるのだと少し納得したが、後の情報が奇妙だった。

 2つめはAGSの資本金で、株主ではないが25%以上をワシントンDC本社社長と日本支社副社長が個人的に出資しているが、この2人が名前と性別、2、30代ほどの外見である以外は一切の経歴が不明でAGSは公開していないそうだった。

 公開していないと言うか、把握していないと言う方が正解のようで、2人が自己発表するには2人は友人で1990年代にIT時代に先駆けて取得した特許で莫大な利益を得ていてAGSに無償で投資しているとのことだった。

 真偽は不明だがAGSには資本も多く存在することも事実だが、わたしが見つけた中で一番気になったのは3つめのことで、「委員会」と呼ばれている組織がAGSの背景に存在していると言ううわさだ。

 AGSは国際企業だが実は支社単体の規模としてみると本社をふくめて中小だが、大手PMCや政府、軍需産業と言った大きな組織と接点を持っている事実が存在し、その背景に委員会が関与していると言うのだ。

 委員会がどういう組織なのかと聞かれると長くなるが、簡単に言うと軍事的裏工作を裏で指示し世界の調和を保とうとする実在が疑問視されている秘密組織だそうだ。

 近年だとソ連の崩壊や911テロ、イラク戦争などに関与しているとも言われているが、AGSと違い世に言うオカルト的な話になってきていた。

 夜の一件やわたしも人のことは言えないが、仕事に政府の下請けもあることも事実だが最近と言うか、養生こと父が言うには1950年代の時点で仕事は皆無と言う状況だと言っていた。

歴史を裏で操る組織なんて空想の物語やオカルト系、歴史の話の中で多く存在していると言う方が妥当で、仮に実在するとしてもしなくても、わたしの手に負える問題ではないと思ったし、大学に戻ることにした。


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