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неопределенность

 保護する施設を造りだすと言いだしたのは愛だった。

 あの夜のあと愛は神さまになれるうわさの調査を本格的に開始すると同時に、表向きには擁護施設だが自分と同じと言うべきか、陽菜や小夜、晴子と言った同じ能力を持った人間たちを集める施設を造り始めていた。

 わたし優衣も同じ能力を持っているとも愛は言うが、実感が持てない状況の中で愛は能力の制御と言うものもでき始めているようで、事情を総一郎にも話した上見せ、湯川グループの協力も得ていた。

 あの日から3日以上経過して、小夜と晴子を見つけた廃墟となったレジャー施設や近くの空き施設などを買収し、本格的な工事が始まり、愛とわたしは建設現場に来ていた。

 建て直しや解体、リフォームと言った事象が起きて音が聞こえている中でわたしたちスーツ姿の女性2人は結構浮いていて、時折作業している人間数人が眼をこちらに向けているのが見え、愛は時折愛想笑いし手も降っていた。

「―――それにしても、おじいさまに見せるとは、思い切ったことをするな? あいかわらず?」

「―――でも、効果的だったでしょう? お姉さま?」

 普通の人間が見れば一応は関係者だと思われるが、作業中の工事現場にいるヘルメットをかぶり、少し不自然に見えるごく普通の女性会社員2人と言う組み合わせのわたしたちの話す内容は前後をふくめてこれからのことの話しだった。

「別の意味で血圧上がって倒れるぞ? あれ―――」

「愛~~~!」

 数日前愛は事情を総一郎に話を信じてもらうために能力を使い、総一郎はおどろいていたがよろこんで協力すると言う意志を示し、わたしたちが話している中でご機嫌な様子で姿をあらわした。

 わたしたちから見て祖父と言う身分の総一郎だが、外見よりも2、30歳ほども若く見え体格もいいし老けている様子もなく、身体も健康なのかこちらに向かって笑顔で走ってきていた。

「―――おじいさま、身体に悪いですよ?」

「だからどうした? 老い先短いし、死んだらお前らガッポガッポだぞ?」

「―――」

 走って来た総一郎を愛は大丈夫かと言うように聞くが総一郎は気にするなと言うように言うと本気なのか冗談なのかわからない言葉を吐きだし、わたしは言葉を失っていた。

「確かにそうですね?」

「そうだ! お前たちのためなら死ねる!」

 どこまで冗談だと言う返し方を愛もするし、総一郎もあわせるように膝をついて演劇のような大げさな動きをして返した。

「―――ブラックユーモアはいいとして、おじいさま、不意なお願いに出資していただきありがとうございます。」

「―――ぁ、いや―――」

「あなたの孫の湯川愛ではなく、アサルトトレーディング社長としてここに感謝の意を示します。」

 ミュージカルのような一場面になりかけている中でこれから後どうなるかと言う状況だったが、一気に変えたのは愛で、次はと言うよう真剣に言うと頭を下げ、総一郎がこれはと言う反応の中で付け足すように言った。

「―――それにしてもだ。思い切った作戦を考えた物だ?」

「―――ほかに方法がないと思いましたので。」

 口を開くと総一郎は建て直しを始めているレジャー施設のほうに眼を向け、愛も同じように眼を向けた。

 愛の言う通りで、ここにはほかにも施設を建造予定だし、裏で何かを進めることはできそうな状態だとも言えた。

 地位をうまく利用したと言えば聞こえがいいが、財力に物を言わせたとも言え、陽菜たちと言うか、あの子たちを守ると言うか、未知の能力を手にした子供たちを守る予定となる主無き城が形成を始めていると言えた。

「―――愛。」

「―――零夜―――」

「れーくん。」

 2人が眼を向けわたしも眼を向けている中で愛を呼ぶ声が聞こえ、声の方向に振り返ってみると零夜の姿が見え、わたしが零夜と呼ぶ中で愛も零夜を呼んだ。

「―――聞いて飛んで来たよ? どうしたんだい? 突然こんなことをするなんて―――?」

「―――」

「聞けば湯川グループはメインスポンサーで君はアサルトトレーディング社長として活動しているそうじゃないか? 税金対策かい? それならいい人を紹介するよ?」

 零夜はわたしたちに近づきながら何を考えていると言うように言い、愛が黙って零夜の方に顔を向けている中で、零夜は話しを続けた。

「―――」

「神のおぼしめし、みたいなものでしょうか?」

 あの裏向きの事情を知っているのはわたしと愛、陽菜に晴子に小夜、総一郎だけで、零夜やほかの人間は表向きには愛ことアサルトトレーディングが異なる事業に手を出したと言う状況だと言えた。

 理由は何だと聞かれるのは必然的状況で、わたしはどう説明するかと言う中で、愛は笑顔で零夜に答えを返した。

「―――――」

「もしくは気まぐれ。」

 零夜がどういうことだと言う反応の中で、愛はご機嫌そうな反応で返した。

「気まぐれ―――」

「気まぐれでいいことしたらだめ?」

「だめ、じゃないけど―――」

 神のおぼしめしや気まぐれ、不意な思い付きと言えば事実と言えば事実だが、深い経緯を話しても信じてもらえないし、見ても信じられないしで、愛は状況的にある意味一番いい答えを返したと言えた。

 総一郎は信じてくれたし返し方も子供のような笑顔で、愛は零夜には信じてもらえないと判断したようで一切話さないし、普段通りと言うような反応で返し、零夜はうまく言葉を返せない表情をしていた。

「―――なんか普通と違うこともしたいと思いましたしね?」

「―――――」

 考えるまでもないと言うか、直感と言うか、答えをすでに愛は用意していたのかわからないが答えるだけ答えた状況で、零夜は言葉を失っていた。

「ぁ、おばあさま?」

「?!」

「?!」

 総一郎が零夜にどういうかと言う反応をして顔を向ける中で、口を開いたのは愛で、愛から見て前の方向、総一郎と零夜から見て八千代が歩いて来て総一郎は振り返り、わたしは顔を向けた。

「―――――」

「来てくれたんですね?」

「―――」

 わたしと言い総一郎と言い、零夜と八千代が不意な愛の行動の理由を探ろうとしているのは解るし、思わず口走るかもしれないしで次に出す言葉に困っている中で愛はと言えばいつもの調子で答えた。

「―――海外留学に会社建設の次は、慈善事業への協力ですか?」

「ぁ~? まぁな?」

 八千代は総一郎に眼を向けると愛をまた甘やかしているなと言うように嫌味に言い、総一郎は眼を向けた時点で顔も眼も合わせず、返事もそうだけどどうしたと言うように返した。

「それとも、孫をきらいな人間から遠ざけるための手段ですか?」

「―――――」

「何のことだ? 意味が解らんな?」

 これのどこと言うか、だれが一緒に3人の子を産んだ2人だと言うだれがどう見ても険悪な雰囲気で、倦怠期を通り越して冷戦までも超し、再び対戦が起きている状態だった。

わたしはと言えば眼の前の現実を手で覆い隠し、小さくだがため息を出すことしかできなかった。

2人の関係は悪いがグループとホールディングは会社としての関係は悪くなく、争うことよりも協力することが多く、この一件にも2つの企業は協力しているが、2人の関係はより激化しそうだった。

離婚してしまえばいいとも言う状況だしわたしたちの親こと娘たちも承認しているが、グループとホールディングの分与と言った権利と言うか、個人間の離婚調停がうまく調整できないと言うか、お互いの権利主張に納得していないらしいのだ。

子供のあれ僕のだこれわたしのだと言った失礼だが子供っぽいし大人げない夫婦間戦争をしているのだが、肝心な問題は愛だ。

愛と言うと心情の愛ではなくて言うまでもなく2人から見て孫でわたしから見て従妹の愛で、眼の前にいて物みたいに扱うことになるし大きな声では言えないが、経営手腕もあるし、本格的には血縁的に立場も微妙な愛の取得権が欲しいのだ。

「幼稚舎の時からそう、純一さんを裏で操る、失礼、説得して自分の管理が行き届く場所へと入舎させ、わたしから遠ざけようとしている。」

「―――お前がいれようとしていた方は愛が5年の時に共学になったし、高校上がる時には廃校だろう? いい投資をオレはしたと思うんだがな―――?」

「根本はと言えば―――」

 状況的にだれがどう見ても総一郎優勢で時代錯誤もあるしで、八千代が不利ではあるが、2人の会話はだれがどう聞いても不毛な会話だとしか言いようがないし、夫婦げんかは犬も食べないと言う話が理解できる気がした。

「―――」

 当の本人の愛はと言えば裏が果てまでわかっていますとと言うか、逆に何もわかっていないと言うかわかる気がないのか笑顔をお互いに向けていた。

「大人のお金の話はここですると後で響くと思いますよ?」

 2人の不毛な会話を止めたのは笑顔の愛だった。

「わたしのことはわたしで決めますし、おばあさまの協力にも感謝していますし、れーくん、零夜さんとの婚約も一応は考えてはおきますので。」

「―――?」

「―――そろそろ陽菜ちゃんたちが来るころなので、わたしは少し失礼します。それでは。」

 わたしのような長く知っているからこそだが思うが、愛の返した言葉と言うか、回答は少し押しの強いもので愛とは思えず不信だった。

 普段ならこの後愛と八千代が険悪な雰囲気の微妙な口数の少ない会話になる。

 2人は一族全員の総意だが一番接触させたくない2人で、立場的にお互いに大嫌いだと言う意志が丸見えだが立場と言うか、関係を踏まえてと言うか、後のことを考えてと言うか、話し合わないことが多いのだ。

「―――愛。」

 背を向け歩き去っていく愛をわたしは追いかけだした。

 普段ならば八千代との会話は愛は眼もそらすし、反応も半分以上適当な上笑顔なんて絶対に見せることはないが、愛は笑顔だった。

「―――?」

「―――お前? 大丈夫か?」

「何がですか?」

 先を歩いている愛はわたしの声に反応して眼を向けるがまだ眼こそ細めていないがまだ笑顔のままで、何かと言う表情をしているし、わたしが大丈夫かと聞くが、愛は何もないですよと言うように返した。

 何がですかとわたしは聞かれたがお前何か違わないかと聞いても気のせいだと言われる可能性が大だし、時にはこう言った反応も返すとも思うし、わたしは何かということを返すことはできなかった。

 愛はわたしが軽くだが気を使うように聞いてきたと言うように判断したようで、わたしが考えている間に少し急ぎ足で進み始め、わたしを半場置いて行くような状態だった。


 身分的なものを利用したと言えば嫌味にもなるが、ほかに方法がない状況で、わたし愛は祖父総一郎に頼んで表向きは養護施設で裏向きは神さまになれるうわさに関連して、能力を手に入れた人間たちを集める施設の建設を始めていた。

 あの恐竜のような怪物に襲われてから1週間以上が経過する中で、施設の建設やリフォームは始まっているが、わたしたちの方はと言えば、進展がない状況だった。

 事件のこともそうで、わたしを助けてくれた女性の身元もわからず、食い殺された男の身元も同様で、怪物に襲われることもなく、仲間も増えることも、能力も進展することもなかった。

 不要の長物なんて言う単語が存在するが便利だが持ってみても役に立たない道具と同様で、わたしにできることは現状ではないと言う方が正解で、わたしは仕事の合間を見つけてここに来たと言う状況だった。

 ここに来た中でわたしは優衣や総一郎たちと会い話していたが、少し自分が能力の影響なのか、高揚感を持っている気がした。

 少しだが能力を使えるようになっているし、本気になれば何から何までできるかもしれないと言う状況で、八千代と話した時も生かしておいているからありがたく思えとも思い少しと言うかかなりだが自分が殺意を持っている自覚が存在した。

 話しも長くなりそうだし、顔も見るのも嫌だし、殺意も出てくるしで、長くいるとまずいと思い、わたしは感情を押し殺して会話の場から去ることにした。

 半場無理に笑顔を造り逃げるように進み始めたので、優衣が心配そうに聞いてきたが、わたしは悟られるとまずいと思い笑顔で返し、優衣は少し怪しんだが一応は納得してくれたようだった。

「―――?」

 あると言えばある無いと言えばないと言う状況で、陽菜たちが来ると言うのも、ここに来ないと言うわけではないが会う予定はないと言うか、実は口実だし、会社にでも戻って仕事をしようかと思う中で電話が鳴った。

「―――陽菜ちゃん?」

『愛さん? 陽菜です。これから―――』

 電話は陽菜からで、わたしは電話に出た。

 ほかにも同じ能力に目覚める人間がいることはわかったが、どこをどう探せばいいかとか、詳しい個人の情報も解るわけもなく、見えるが手に取れない状況の中で、同じ状況の数少ない仲間の1人とも言える。

 優衣も仲間だがまだそれほど目覚めていないと言う状態で、わたしとはまだ同じように話せる状況でもないし、電話越しとは言え陽菜の声が聞こえると少しうれしかった。


 結局わたしはこれからのことも考えてと言うように、半場甘えているとも思えるが陽菜と言うか、陽菜と晴子と小夜と会っていた。

 元レジャー施設の近くの港の廃倉庫の1つでわたしたちは集まることにしていた。

 この廃倉庫一帯も建設開発する施設に位置し、表向きには擁護施設使用者の能力開発とか職業訓練、治療などだが、裏向きにはわたしたちを集め、保護し、あの怪物たちとかと戦える準備をする場所にする気だ。

 明確な工事計画は未定でわたしと言うか、わたしたちに一任されていると言う状況だ。

「―――リーダーとか、そう言うのはなしにしようね? 大人のわたしだってよくわからないことだらけだから?」

 最初は青いレジャーシートを無駄に広い倉庫内の適当な場所に置いただけだったが、わたしもひろってきたり買って来たりで、ゴミと言うか、適当なものを寄せ集めて倉庫内部に即席な部屋のような物をわたしたちは造ってそこで話し合っていた。

 口を開いたのはわたしで、わたしが彼女たちを引きつれなければならないが、わたしだってわからない部分は多いし、自身もなかった。

「―――それに、こう見えて結構偉いんだよ? 会社経営してるし、だけどここまで権力は振りかざしたくないしね?」

「ぁあ、はい―――」

「はい―――」

 晴子と小夜はわたしが言う中で大人のあなたがと言うように返事を返した。

「―――だけど、愛さん。どうします?」

「―――――」

「―――どうやってほかの子たちを探したり集めます?」

 子供の前で大人がこんなこと言うものでもないなとわたしが思う中で、口を開いたのは陽菜で、どうしますかとはと言う顔をわたしがしていると、陽菜はこれからすることはと言うように返した。

「ここだけで足りるでしょうか? ケンカとか起きないかな? わたしたちが体験したネットワークとかで仲間と話し合うことはできないんですか?」

「ぁ―――」

 陽菜はわたしよりも現実的な意見を出す中で、あのネットワークを使ってみたらどうかと来たが、陽菜も知ってはいると思うし、わたしと言うか陽菜に晴子と小夜も挑戦したが、無理でむずかしいと言う反応を返すしかなかった。

「わたしたちも見えるけど、だれかと話しあえる気がするんだけど―――」

「聞いてもらえないと言うか、量が多すぎてわからないと言うか、音楽みたいに聞いていると言うか―――」

「―――――」

 言葉を返したのはわたしではなく、むずかしいと言うような表情をしている小夜と晴子で、彼女たち2人の表現はかなり妥当だった。

 ネットワークと言う表現通りでPCで動画や音楽のサイトを見て回っているような感覚で、疑似体験的なのだ。

「―――わたしはネットワークしか見えないし、やっぱり愛さんたちと違うんだ―――」

「―――――」

 ネットワークと言えば少し使ってみてみたがわたしたちと言うか、陽菜と優衣が違うことにわたしたちは気がついていた。

 違う点が何かと聞かれると陽菜にはネットワーク回線を見ることはできるが、わたしたちと違って声を聞くことや疑似体験すると言うかができないみたいなのだ。

 優衣はわたしは見えたが反応がないと言う状況だし、疑似体験でわたしたちは5感を使えるが陽菜は視覚だけな上ネットワークを見て回ることしかできないようだった。

「ひ!? 陽菜ちゃんは遅いだけだよ!?」

「そうだよ!? いずれわたしたちみたいにできるようになるよ!?」

 仲間意識と言うべきか、陽菜が少し落ち込んでいると言うか、陰気な雰囲気を出し始める中で小夜が違うと言うように言い、晴子も合わせるように言葉を足した。

「だけど愛さんは見たでしょう? わたしには身体に白い骨みたいなものが出てたし―――」

「骨? なにそれ?!」

「どういうこと? 何なの?! そんなのできるの!?」

 2人に対して陽菜はありがとうと言うような表情を向けるが、問題は解決できていないと言うようにわたしに言い、聞いた晴子はおどろき、小夜もあわせるようにおどろいた。

「―――――」

「愛さん!?」

「愛さん!?」

 陽菜の言う通りで、陽菜に初めて会った時に陽菜の身体に白い物体が付着していたことは事実だが、わたしが触れた瞬間に勢いよく砕けたし、小夜と晴子にどう説明するかと言う状況なった。

 答えは返せなくて考え込むようになるし、2人は心配そうな表情を向けるし、陽菜は知っているが、自分でも理由がわからないし、わたしと同じように考え始めた。

「―――何にしてもネットワークを頼りに、1人1人と言うか、探せるだけ探すしかないですね?」

「―――そうね―――?」

「白化のことも、わたしが勝手にそう呼んでたんだけど、わかると言うか、知っている人もいるかもしれないし―――」

 考える以前にこれ以外に方法はないと言うように陽菜は簡単に言い、考えているわたしだったが、答え、陽菜は自分ではどうしようもないし、半場諦めているようにも見えた。

 悪く言うと他人任せだが、ほかに何かいい案があるかと聞かれたらないしで、わたしたちはこの後何を話し合うべきかと言う状況だった。

「―――ネットワークを使って、呼びかけてみたらどうでしょうか? 電話みたいに?」

「―――電話?」

 陽菜にわたしが返事を返す中で口を開いたのは小夜で、思いついたと言うように言い晴子がどういうことかと聞いた。

「―――――」

「ぅわっ?!」

「―――ぁ? 電話?」

 電話と言えばと言う中で、不意にわたしの電話がなりはじめた。

「―――お姉さま?」

「愛さん、いい加減そう呼ぶの止めましょうよ? 不気味ですよ?」

 携帯の着信画面を見てみるとお姉さまこと優衣からで、わたしが相手を言う中で陽菜はいい年してと言うか、古いと言うか、30代のオバサンが言うことではないと言うようにあきれたように言った。

「もしも―――」

『愛! テレビつけろ! テレビ!』

 わたしも解ってはいるが長い間の習慣と言う状態で、放置して電話に出る中で電話の相手の優衣はかなり慌てた様子だった。

「テレビ?」

『いいからつけろ!』

「―――どうしたんですか―――?」

 テレビをすぐにつけろと言い、意味も解らないし、わたしは優衣に聞く中で深く聞くなと言うように言われた。

「テレビ―――」

「ぁ? わたしの携帯使いましょう?」

「ぁ? ありがとう?」

 テレビと言われてもこんな場所にあるわけないしと言う状況で、どうしようかなと探している中で陽菜が携帯を取出し、テレビを起動した。

「チャンネルは?」

『5! 5? 5だ!』

 つけろと言われても一体全体何か意味も解らないし、テレビと言えば番組と言うかチャンネルが存在し、わたしが聞く中で優衣は慌てながらもチャンネルを言い、陽菜はチャンネルを合わし、わたしに画面を見せた。

『―――の夏川雪乃さん、27歳で、雪乃さんは―――』

「―――?」

 テレビがここに必要になると言う課題を頭の中に入れる中で画面を見ると調度ニュースの途中で女性が惨殺されたと言う内容で、女性アナウンサーが記事を読み上げているよう最中だが、わたしは2つの違和感を持った

1つは画面に映ったアナウンサーの左横に移った被害者の写真と思われる女性の顔で、どこかで見た覚えがある気がすることと、もう一つはわたしはアナウンサーが読み上げる内容と下に表示された文字が一致しないように感じた。


『襲ったのは怪物!?』


 感じたと言うか、わたしだけではないし、この場にいた4人全員やこのテレビ番組と言うかニュースを見ている人間全員同じ反応だと思った。

 だれがどう見ても襲ったのは怪物と書かれていた。

『―――夜のことで、死因は鋭利な刃物3本で背中を刺され、刺した刃物が胸を貫通した後引き抜かれた事による出血多量で―――』

 殺人が起きた中で少し不謹慎な意見だが奇妙な事件が起きているなと思う中でニュースは読み続けられ、映像は警察の現場検証や市民などへのインタヴュー映像に切り替わっていた。

「―――これが何か?」

 意味が不明だと言う状況でこんなものを見て何の意味がと言うようにわたしは優衣に聞き、陽菜たちは携帯の画面に眼を向けていた。

 女性こと雪乃に見覚えがある気がしたが他人のそら似だと思うし、どうすればいいと言状況だった。

『―――通報した30代前半の女性の証言によると、怪物に襲われたと証言し、犯人は非常に大柄な体型の―――』

「お前を助けた女性だ!」

「―――ぇ?」

 放送は続いていると言う状態で、アナウンサーが事件の詳細を話している中で、優衣は答えをだし、わたしは何のことだと言うようにしか反応することしかできなかった。

「―――ぁ?」

 見覚えがある気がしたとか言い、他人のそら似とかかもしれないと思ったが、彼女は間違いなくあの時怪物に襲われかけたわたしを助けた女性だった。

 会った時は暗かったし、最終的に血まみれだったし、わたしも状況的に動転していたしで、テレビを見ている現状も時間も経過しているし写真の表情も違うしで、よく見ればそうだと言うしかなかった。

「夏川、雪乃―――」

 わたしは優衣に言われ、テレビの画面越しに移る名前と聞こえる声に反応し、再度確認するように助けた女性の名を呼んだ。

 決して変わることのない事実だが、確かに彼女はわたしを助けてくれた女性で、わたしに後をお願いとも言った女性だ。

 どこのだれかもわからないと言う状況だったが、無事にどこのだれかわかったことはよかったことだと言えるが、わたしたちのことと言い、報道されることをふくめ、事件は普通の出来事ではないことに発展するのは確かだと言えた。

 彼女を調べることができれば何か情報が手に入るかもしれないとも考えた。


 よくもまあドラマティックな出来事が起きるものだとわたし優衣は思った。

 考えてみても欲しいがわたしが愛を助けた女性の名前を知っているわけもないが、なぜ知っていたかと言うと愛が陽菜たちと話し合い、電話をなる前に遠くにいた電話が鳴ったのだ。

 どこのだれかと言うと事件を担当することになった警官こと刑事で、世に言う公開捜査になったとのことでわたしたちに捜査協力もかねて情報を提供してほしいとのことだった。

 悲惨な事件だったし情報も無くて解決もむずかしいし、仕事とは言え被害者の愛に実直に伝え聞くのは気まずいし、連絡先もわたししか知らずで、伝えた結果だった。

「内緒にしてほしいし、本来はダメなことなんですよぉ?」

「―――そうですよね?」

 事件がテレビで報道されてから3日後、わたしたちは担当の刑事の30代前半ほどと思われ話し方に少し訛りが見られる男性に被害者の女性こと夏川雪乃の住んでいたアパートに連れられて、彼女の部屋の近くまで来ていた。

「―――だけど、手掛かりもないしで、それにこれ見ましたよね?」

「ぇぇ、どういう意味でしょうか?」

「―――交友関係を調べてみたんですけど、特別人に恨みを買うような人でもないし、彼女って書いてあるけどそう言う女性とかいないし、友人とかや家族にも順番で数人来てもらったんですが、進展のある何かは何もないって言われたんです。」

 刑事と話しているのはわたしではなく愛と刑事で、刑事の言う通りで、本来はダメと言うか厳禁なことだが、ほかに情報もないしで彼が捜査の一環として愛に雪乃の部屋を見て欲しいと言ったのだ。

 愛と雪乃にはあの事件以外で交友関係は一切なく、警察関係者や親族でもないし、関係者と言え被害者の家に連れていくのはどう考えても普通ではない事態だが、彼は携帯の画面に写った写真を愛に見せてほかに方法や情報がないと言う表情だった。

『わたしが死んだら彼女を部屋に 夏川雪乃』

 愛も同じようにわからないと言う表情で、わたし優衣も車に乗せられて行く途中でも見せられた写真で、名前は直筆だがほかの文字はパソコンで打った文字をプリンターで印刷したと思われる紙を写した写真だった。

 あの事件のことに絶対に関係していると思われるが、愛はいつも通りの意味が解らないと言う表情をしていた。

「―――自分の死を予言していた?」

「予言?」

 刑事は刑事で考えていると言うか、推測していることがあると言う様子で言い、愛はどういう意味だと聞き返した。

「あなたがたすけることも予定の範囲だった?」

「―――?」

「彼女は何かを見つけていた?」

 ほかにもまだ考えられることがあると言うように彼は続け、愛が余計に意味が解らないと言う表情の中で彼は言葉を続ける中で、雪乃の部屋の前に到着した。

「―――テープは張ってあるんですけど、もう鑑識とかも調べ終わってますし、すっごい汚い部屋だったんですが、きれいな部屋になってますんで?」

「汚い?」

「―――何年か前にはやったでしょう? テレビで? ほら? あれですよ? 汚宅訪問! 汚い住宅って書いて汚宅なんですよ。ここ。」

 扉の向こうには人の声と言うか、気配のような物も感じられないが、警察が捜査時に一般人の進入禁止用に使うテープが一応は人が通れる範囲内でだが扉の前に大量に張られていた。

 物騒だなとわたしが半場思う中で彼はとんだ仕事になったと言うように言い、わたしがどういう意味かと聞き返すと、彼はうそは言いませんと言うように返した。

「まぁ、そうだったと言うべきなんですがぁ? なんか変な本とか集めててー?」

「変?」

「―――魔法とか、神話とか、なんかそう言った怪しいなものばっかりで―――」

 彼はよく考えたら違うなと言うように返すが、それにしてもと言う反応で、わたしがどういうことだと言う反応の中で、彼はこれも仕事だし話してもいいかなと言うように言った。

「―――後を、お願い―――?」

「!?」

「?!」

 仕事とは言え死んだ人間悪く言うのも道かなと言う表情を刑事がしている中で口を開いたのは会話に入ってない愛で、愛は扉のほうに眼を向けてその言葉を口にし、わたしたちは一気に眼を向けた。

「―――あの人が、あの、雪乃さんが、死ぬ間際に―――」

「―――やっぱりなんかあるんですかね~?」

「愛―――」

 愛は勢いよく振り返るとわたしたちに訴えかけるように言い、雪乃が死ぬ間際に愛に言った言葉だと理解した彼は少し考えるような物言いで返し、わたしはと言えば表向きにも裏向きに行くべき理由があると思ったし言葉もでなかった。

「―――まぁ、とにかく、入ってみてください。」

「―――ぁ、はい―――」

 このままではだめだと言うように彼は言うと愛に入るように言った。

「車の中でも言いましたけど、手袋をしてあまり室内の物に触れないでくださいね? 奇妙なことや何かを見つけたら教えてくださいね? 一応念を入れて手も合わせることも忘れずに?」

「はい。」

 普通こんなことをするわけにはいかないと言う状況で、彼は愛に対して注意事項を念入りに教え愛は言うとおりにすると言うように返事を返し、刑事が最後に手を合わせる中で愛もあわせて手を合わせ、眼も閉じた。

「―――では―――」

「―――ぁっ? わたしも―――?」

 生きましょうと言うように愛が開いたままのドアから室内に入りかけ、わたしも合わせて入ろうとする中で、彼がわたしを止めた。

「―――ぁ、お姉さ―――」

「オレや優衣さんがいると、何かあっても考えにくいでしょう? 1人でじっくり見てください。」

 腕を前に出されて止められた状態で、愛が気づき振り返りわたしを呼ぼうとする中で彼は一瞬わたしに頼みますと言うように眼を向けた後、愛に顔を向けると言葉通りにそうしてほしいと言うように言った。

「―――では?」

 不服なのはわたしも愛も同じだが、いつまでもこうしているわけにもいかないと言う状況で、愛はわかったと言うようにわたしに背を向け、手を合わせて頭を下げるような動作を見せると室内へと入って行き、姿が見えなくなった。

「―――と? 見えなくなったな?」

「―――どういう意味だ?」

 愛が見えなくなる中で、彼は不意に愛がいなくなったことが都合のいいことだと言うようなことを言い、わたしは何事だと言うように聞き返した。

「―――あんまりね、このことと言い捜査のこと話すといけないんですがね―――?」

「―――?」

 わかっていると思うし同じことを繰り返しますがと言うように言い、わたしが真意を理解できない中で彼は片手を服の中に入れてタバコの箱を取り出していた。

「吸ってもいいですか?」

「―――ああ。」

「―――すみませんね? こんな時に? 身体に悪いし、こんな時に吸うのは失礼だってわかってはいるんですけどやめられなくって?」

 吸うために持っていることは必然だと言えるし、彼は吸っていいかと確認する中で、わたしはタバコを気にしないが言葉の真意も聞きたいし、いいと言ったからには答えてもらうと言うように自分の腕を組んだ。

 彼はと言えばわたしが答えるとライターを取出して火をつけ、一服して紫煙を吐きだす中で申し訳ないと言うように返した。

「―――率直に言うとね、あなたの従妹こと、愛さんが一番疑われているんです。」

「―――――!」

 自分も言いたくはないが言わないと話が進まないと言う表情で彼は言い、わたしは言葉を聞いてどうしてだと言う反応をするしかできなかった。

「―――そちらのことも調べさせてもらったんですよ? 湯川グループの? と言うか愛さんの?」

「―――――」

「―――やっぱり知ってるんですね? 彼女の裏の事情?」

 人が殺されたのだし深い事情もあるしで、関係者もある程度調べられると言う状況だしで、愛にはわたしたちには話していないがわたしたちが知っている後ろ暗い事情もあるしで、否定できなかった。

どうするかと考えて眼を反らす中で、彼は再び紫煙を吐きだしながらわたしに聞き返してきた。

「―――全員と言うわけじゃないんです。オレもその1人ですし? 栗野さ、オレの上司なんですが、彼は犯人じゃないが絶対に鍵を握っているって言うし―――」

「―――――」

「ぁ? これ黙っててくださいね? 栗野さんも命令で? 上の方にも実は内密なんです。」

 正確には彼の上司だと思う人間がだが、世に言う刑事の感と言うものを持っているようで愛と言うか、事件の捜査を深く踏み込もうとしている状況だと言えた。

 わたしは何にしても答えられない状況だが、彼はと言えば仕事と言えば仕事で、時にはこう言うことも必要だと言うような少し言いたくはないと言うような表情で言っていた。

「―――だけど、事件のこと知っているでしょう? あの異常な死体? 信じられます?」

「―――――」

 あの時のことを愛は話してくれたが、本当かどうか信じられないが襲ったのは恐竜のような怪物だったと言うしで、忘れ去られているかもしれないが見つかった男も死体は何かに食い殺されたように見る以上に無残な死体になっていたそうだった。

「―――それでですよ? 裏でヤクザとかと取引したとか考えているのが2課にいるそうで―――」

「―――」

「特殊な嗜好性の性癖集団も関わっているんじゃないかって声もあるんです。アンダーグラウンドな性の話しって聞いたことあるでしょう? SMは基本として食人ことカニバリズムとか、スカト―――、あー、ここらでやめておきます。」

 愛がそう言った思考を持っている可能性は絶対に捨てきれないことと、彼らの仕事こと捜査に関わることは事実だから笑えない話だった。

 神さまになれると言う奇妙なうわさが事実で、愛と雪乃の関係は証明できるが話せるものでもないし、彼は現実的にと言うように事件のことを推測しているようだが、心の奥底から否定したい事実が存在していた。

 わたしが黙っている中で彼は話を続けたが、愛のわたしの立場や関係と言うか、こんな時に話すこともでもないしで、これ以上はさすがに言うのはまずいと言うか嫌そうな表情をして眼を反らし、言うのを止めた。

「帰路も同じなんでしょう? 本来は彼女を狙っていて2人は巻き込まれたとか言う線もあって―――、あ、これもなんですが、2課の人間で家を監視している刑事がいます。」

「―――なに?」

「―――し? 写真と、彼女の、詳細です。」

 裏向きの事情を知らなければ疑いの眼は愛に向くのは当然と言えば失礼だがある程度向くことがあると言える状況で、わたしが腕を組むのを止め、返事をどう返すかと言う表情の中で彼は言葉を続ける中で不意に勢いよくわたしに近づき、小声で話すと自分の服から一枚の紙を取り出すとわたしに受け取るように前に出した。

 わたしがそんなことが起きているのかと言うことと、言っていいのかと言うように返す中で、彼は言葉を続け、何にしても紙を受け取れと合図し、わたしは受け取り、服のポケットの中に入れた。

 確かに受け取ったとお互いに顔で合図する中で、愛が玄関に姿をあらわした。


 少しだが過度な期待をし過ぎていたとわたし愛は思った。

 雪乃の部屋に入ってこそ見るが、何もないと言うか、正確には捜査や主亡き現状で必要最低限の生活用品などを持ちさられ、家具家電つきの普通の雰囲気の2LDKの室内だった。

 室内が汚れていたと言われたが、汚れていたと言う雰囲気は一切なく、必要最低限の物しか置かれておらず室内は空虚な印象でもあった。

入って軽くだが中を見て見たりと、後で困らない程度に調べてみたが、彼らの捜査に役立つことや、わたしたちのことを知る何か手がかりと言うものは全く発見できない状態だと言えた。

感じたことと言うか、感想はと言えば、口にはださなかったがわたしの住んでいるのが3LDKで少し広くセキュリティーも厳重だが、部屋の荷物のことを考え、安全は無視してわたしは2LDKの方が十二分に暮らしやすい広さだと思ったことだった。

これから後でわたしたちあれしろこれしろと言われても何もできないと言う状況で、優衣の言われた通りで内密にすると言うことにも了承し、わたしたちは返されることになった。

 優衣が事を終えて帰ろうと歩き出す中で刑事がわたしを見張っていることを教え、写真を渡してもくれた。

「―――お姉さま?」

 ふりだしと言うか、最初に戻ったと言うべきか意味や進展がなかったことだったのか本格的にはわからないが、一応はどこのだれかわかったし、彼女も成仏できるだろうと思うしかなかった。

 本題はこれからどうするかと言う状況でわたしが歩きながら考えていると、優衣の電話が鳴り、何だろうと思う中で優衣は電話に出て話し終えると、気分が悪そうな様子でため息を勢いよく吐きだした。

「ぁ~、わけのわからんことが起きている上にややこしい問題まで持ち込まれる―――」

「―――? どうしたんですか?」

 わたしがどうしたと言うように顔を向ける中で、困ると言うか、文句を言い始め、わたしはわけのわからないこが神さまになれるうわさと判断するとして、ややこしい問題は何かというように問いかけた。

「プロジェクト カグヤの一件だ。」

「それが何か?」

 困ったことになったと言うように優衣が返し、わたしは何かと聞き返した。

 わたしたちがよく言っているこのプロジェクト カグヤと言うのは現在湯川グループと日本政府と言うか国がメインスポンサーだが、多くの企業と同時に進めている一大事業計画を意味している。

 うそのような話だが5年ほど前に政府が突如として将来月や火星と言った地球以外の惑星に住居と言うか、海外に先行して入植地を造ると言う計画を公共に発表した。

50年から100年以内には実現すると言う目標を発表をしたが、夢物語のような物で現在は一般人は湯川グループが協力しているなど一部の情報や一応ある程度は知っているが半場忘れ去られそれがどうしたと言う状況だ。

「前の施設警護の話だ。あの問題児を使うとか言う馬鹿な話だが、あの問題児がどうやら日本には一度帰ったらしいが行方不明らしいんだ?」

「行方不明? 問題児?」

「アフリカのあの? なんていう国だった? まぁ、国名はいいとして、あの大使館の一件の兵隊だ。POとか言うのか? まあいいがAGSのな?」

 世に言う政治家と言った偉い人間の一部が勝手に押し進めることもあるし、第一現在の科学技術でほかの惑星に住むことは不可能だとも思われるし、反対意見も出て中止を訴える声明を出す人間も存在していた。

眼の前のことと言うか、地球を環境を無視しているとも言われ、母なる地球を捨てるのかというある意味空想的な意見や日本の現在の財政的事情のことを考えろと言う意見も多く出ていた。

本題となるがプロジェクトカグヤの関連施設や関係する人間には反対する人間の中に過激な行動に出て攻撃や被害、最悪営利目的の誘拐をされるかもしれない人間も多く存在し、警戒な体制が敷かれていた。

 関連する施設と言えば実家の方も警備や警察が巡回するようになるなど少し厳重になったそうだが、これは置いておいて本題は警備している警備会社の1つが近く担当が代わるが、信任がかなりの問題児らしいのだ。

 この話は前に優衣から聞いていたが、彼が行方不明だと優衣は言い、わたしが聞き返す中で優衣は少しだけだが逆に好都合だと言うような物言いをしていた。

 話しは続くが優衣の言うAGSは、Advanced Guard Security Japanと言う警備会社だが、その問題児はアメリカのワシントンDCの本社に勤務している日本人社員だそうだ。

 AGSは日本では普通の警備会社だがワシントン本社では最近海外と言うか、少し前から日本でも有名になり始めた民間軍事会社こと軍事的行動を国家などから請け負うPMCと言う会社らしかった。

 海外では関係して社員もPOことプライベートオペレーターとも言われているそうで、そのPOと言うか、社員は少し前に出張していた国の日本大使館で大きな問題を起こしたと言われているのだ。

 言われていると言うのも、この人物の事件の関与も確かな情報ではないそうで、深い事情はわからないが大使館で本当に問題を起こしたのはテロリストだとか、CIAのエージェントとか言うようなアクション映画のような顔負けな話だった。

「6年か7年前だったか? お前もおじいさまに進められて困っただろう? 聖歌も辞めそうになったし?」

「ぁー、はい。」

「日本支社と本社が仲悪いし、営業体制の違いとか言ったか? 本社の命令に逆らえないそうだしこれを気に本気で独立すればいいんだ―――」

 ここまで詳しいのはAGSは実は日本と言うか、正確にはアメリカの方らしいのだが湯川グループと言うか総一郎に関係する会社である。

わたしも優衣の言うとおりに仕事の関係でお世話になったことがある会社だ。

優衣の言う通りで、5、6年ほど前に少し大きい問題を起こして聖歌が辞めようとした原因を造った会社でもあって困りもしたこともあり、AGSはお世話にもなっているが問題の多い会社でもあった。

日本では普通の警備会社でアメリカではPMCと、ほかにも支社が存在するが、仲が悪いと言うか、体制が合わないと言うか、ほとんど別の会社として機能と言うか活動し、優衣の言う通りで独立したほうが利口な状況だそうだ。

独立の方向へ進んでいるが利権が関与していて本社と支社がどちらも譲れない状況ともわたしは聞いていた。

「名前も出したくない、いかにも普通な名前だが、こういうのが意外と犯罪に走るのだとも思うが、まぁ、それはいいとして、どこのどんな人間か知らんし、シンガポールの支社が誘拐したとか言う情報もある。」

「誘拐?」

「利益の問題とかそう言う話だそうだ。」

 こんなことする人間なんて絶対に信頼できないと言うような物言いで優衣は言い、願いがかなうならばこのまま行方不明になって担当が代わればいいと言うような物言いだった。

 支社が誘拐したとか言う少し奇妙な言葉も発し、何かと気になりわたしが聞くと、優衣は考えるまでもないと言うか、だれがどう見ても聞くなと言うか、言うのも嫌だと言う表情をしていた。

 わたしはと言えば名前がだれかと気になったが、言った優衣の表情のことを踏まえて聞けない状況になった上で優衣はまだ言葉を続けた。

「その上まだ子供だ。」

「子供?」

「33だそうだ。異例の出世だとさ? あの手の仕事は50手前でも1人前にも程遠いらしいがな?」

 どうしようもないと言う表情で言い、子供と言うのを聞き、わたしがどういうことかと聞くと優衣は答えを返してきた。

 わたしが35歳だし、警備会社と言うか、PMCの社員の立身出世がどの程度の順序や仮定を持つかわからないが、確かにわたしたちよりも若いし子供だと言えた。

 軍人の部類に入るかわからないが、職種的系列からみて大柄で屈強な身体を持った男を創造したが、優衣の子供と言う話を聞き、民間会社だしサラリーマンのような普通の人間なのかとも思った。

「行方不明の真偽も問われているが、肝心なのは3人だぞ? ほかにも仕事で何人殺しているかわからんし―――」

「―――でも、大使館職員全員無傷だったんでしょう?」

「―――それとこれとは別だ。眼つきの悪さと言い、よほどひどいサディストなんだろうな―――」

 話を整理すると新任の若手の担当が行方不明になったと言う一大事だが、優衣にとっては好都合で、よければこのまま永遠と言えば言い過ぎだが見つからないでほしいと言う状況のようだった。

 わたしはと言えば少し前の日本大使館が襲撃された事件のことを少しだが思い出し、犠牲者がなかったのだし、彼もある意味では優秀な人間ではないのかと言うように言ったが、優衣は即座に否定した。

 話しから考えるに優衣は写真か何かで顔を見たことがあるようで、顔に大きい傷があるとか海賊みたいに眼帯をしているとかみたいによほど凄い顔をしているのかとも思い、少しだがこの時興味がわいた。

 わたし自身の身に起きたことと言い、細かくは知らないが大変なことが起きているし言えるし、わたしはグループの方にはあまり関われないが、歩きながらわたしはこれから本当に忙しくなると思った。

 

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