Ghosts And Creature
AGSには前衛と呼ばれる企業が多く存在している。
軍需産業と言った組織は必然として社員用の上着や服などを始め作業着メーカーも存在し、遺伝子研究主導のAGE、Advanced Generational Enterprise本社もその1つと言われている。
うわさ程度だがAGSの関係者の中には第2次大戦期に歴史の裏で活躍した人間も多く存在し、俺山中が受けた仕事に代表されるように、本来は大手PMCが請け負う仕事が多く来ているそうだ。
前衛企業と第2次大戦の裏で活躍した人間たちと、表裏を問わず会社は数多くの接点を持ち、資本や規模的には一般的な企業や大手PMCから見れば中小企業だが裏向きでは大企業顔負けの名声を持っている。
企業体制的に独立した形式だが現在でもと言うか、1998年当時AGEの本社特殊警備13部4係は立ち上げに多く貢献したとも言われ、AGEはAGSと特に接点の多い会社として社員は認知している。
特に現在有名なのはスマートフォンを使用したID管理で、遺伝子研究と言う表向きの能力を有効に使い、国籍から性別、名前などの個人情報を本格的に管理する下請け業や健康診断などの医療や衛星部門にも関与している。
「―――とりあえず、何も話さなかったが―――」
「―――――」
「どういうことだAGEだと?」
リードに話すなと指示され彼らに同行したと言うか、連行されたと言うか、追従したと言う状況の中で俺とリードはAGEの本社に来ていた。
AGSの社員ことPOでAGEを知らない人間は存在しないと言う方が正しい状態だし、リードには同じ社員として十二分に答える必要もあるし、俺は質問した。
「―――それにしても、2005年だったか? 建て直しと移設をしたのは?」
「ああ? そうか? お前は20年後の本社を知っているのか?」
俺が思わずと言うように聞くとリードは一応そう言えばと言うように聞いてきた。
必然的な事実だが俺は2020年代のAGE本社を知っている。
AGEは2005年に移設してここから35km先の郊外の人気の無い森林地帯に移動している。
俺の時代にはここは建て直され支社と言うか出張所として機能している。
「―――彼女は関係者なのか?」
「―――――」
俺が話しているが、リードの様子はここに来てからと言うか、少女にあってからどこか時折反応が悪い部分が存在し、奇妙な様子で深く考えているように見えた。
「―――リード。」
「―――ぁ?! すまん? なんだ?!」
「―――聞いてなかったな?」
再び考えるような動作を見せる中で俺がリードの名前を呼ぶとやっと気付いたと言う状況だった。
「―――で、何だ?」
「―――話を変える。」
「―――?」
このまま話していては話しがまともに進まないと言う状況で、リードがどういうことだと言う顔をしているが唐突に話を変えると言うように言った。
「―――リード、俺たちは歴史的な事実に関わっているんじゃないのか?」
「?!」
「―――図星か?」
俺はあの時のリードの様子と言い、このままだと面倒なので推測の領域だが率直な質問をしたし、リードは俺の言う図星化と言う言葉通りの本当におどろいた反応を見せた。
「―――オリジナルマザーと言うのを聞いた。あの子は世に言う、お前の能力の、始祖研究をしたような能力を持った女性、いや、少女か?」
これが俺の推測だった。
AGEはAGS創業以前から操業し遺伝子研究にも力を入れていたし、表向きには出なかったが彼女のような存在が現状的にいてもおかしくないと言えた。
ここがたとえ1998年だとしても、架空の物語ではあるがマイケル クライトン原作の
スティーブン スピルバーグが映画監督の「ジュラシックパーク」のように、映像越しにだが恐竜を遺伝子の力で復活させている功績が存在している。
WindowsなどのPCOSや本体の性能と言った文明機器が俺の時代こと現在の文明機器と比べると格段に劣っているが、日進月歩が起きていることは事実で、このころ日本で携帯電話にウェブ接続を可能としたサービスが始まったころでもある。
「―――――鋭いな?」
「―――――」
「―――確かに、そうだ。」
少し迷っていたがと言う反応で、少しだけリードは間を開けたが、否定せずにその通りだと言うように答えた。
「山中、オレたちは歴史的事態に関わっている可能性が存在している。」
「―――」
「―――この際だ。協力、してくれるな?」
言うと勢いよく立ち上がり、俺が落ち着けと言うような表情を向ける中で、ここまで来て嫌と言うことはないようなと言うように質問して来た。
「―――大丈夫なのか? 俺たちもだが歴史を変えることや影響を与えることは? 世に言うタイムパラドックスとかを引き起こさないのか?」
「―――」
「―――あの時お前警官を殺さなかっただろう? 歴史的に重要な人間だったのではないか?」
予感が的中したとは言え、肝心なのはこれ以外のこともだが俺はこのことを懸念していた。
タイムパラドックスとはSFなどにおける時間航行の専門用語で、過去で起こした事象が未来へと影響する事故だ。
未来からの時間旅行者の歴史変更が代表例で、俺と言い言葉通りの未来からの時間旅行者で歴史を変えることが多大な影響を与える危険性があると思った。
「―――あの警官は確かにそう言えるが彼女は逆だ。俺たちは歴史の一部になっているし、ここに存在しないと逆に歴史に影響を与える。」
「―――?」
「オレもここにいる人間がオレ自身だと言うことはまだ少し信じられないが、オレの脳には未来の記録が存在する。信じてくれ。」
歴史が変わればまずいことになると思ったが、リードはそれはないと言う反応で答えを返し、どう言うことだと言う表情をしているとリードは再び言葉を発した。
話を総合するとあるリードから見てだが、未来にある歴史が存在し、俺たちはその歴史を変えようとしているのではないと言えた。
これから起きると言うか、決まっている事象に俺たちが未来人かと言う理屈は放置して現状もふくめるがここに存在し関わっているようだった。
「―――――そうは言っても、これからどうするんだ?」
「―――言われたとおり、待つしかないな?」
後ろと言うか部屋の出口を見ながらだが、リードの頼みに答えたが問題はこの後で、俺たちは辻と言う男に言われて社内の人気の無い休憩所に案内され、待機している状態で、返されたリードはいすに座りなおし、少し考えるそぶりを見せだした。
少女があの後どうなったと言う状況だが何も知らせない状況で安否も気になるし、個人的にだがリードにチョコとペプシネックスをもらった礼にビールの1つか2つでも買いたかったが、不用意に社内を動き回るわけにもいかなかった。
特にあの辻と言う男は気難しそうな顔をしていたし、不用意に動き回ると本気で怒られそうだった。
文句は続き休憩所とは言うが、物置のように狭く幸いと言えば照明が存在し、すわれる長いすと、換気扇と窓が存在し、空気が悪くなった時には換気扇のスイッチを入れることや、窓を開ければ空気の入れ替えができる粗末な部屋だった。
「―――」
「―――すまんな?」
「あ? いや、いいさ? これも仕事だ。」
これからどうなるんだと言うように思わず少しだけだがため息を吐き出してしまい、リードにあやまられ、俺はあやまり返した。
「―――それにしても、よくわかったな? なかなか洞察力があるな?」
「―――よく言われるが、女の感が身にでもついてるのかな?」
「は?」
リードによくわかったと言われた俺は思わずと言うか、思ったことを口にしてリードを混乱させてしまった。
「母子家庭でな? 祖父も単親赴任でな? 祖母もふくめて姉もいたし、女に囲まれて育ったんでな? 女の感みたいなものが身についているのかもな?」
「―――母子家庭、か。」
「―――その代り女々しいかもしれないがな?」
推理小説での推理みたいなものが苦手だが、自画自賛するようだが俺は洞察力と言うか、予感と言うか、予想とか呼べるものが結構当たる場合が存在し、俺はもしかしてと言うようにいつもこう考えていた。
思わずと言うように説明してしまいリードが返す中で、俺は言い部分だけではないぞと言うように笑って返し、リードは一応は笑って反応を返したが、少し嫌そうな顔をしている気がした。
「―――――」
いやそうな顔をしたのを放置し、俺は家族の話しをする中で少しと言うか、そう言えばと言うように一瞬かもと言えるが、家族と言うか、姉桜華のことを考えてしまっていた。
25あたりの時に日本を出て以来、書類や手続きと言った類以外に日本に戻ったことはなく、精神的にと言えるが、日本の土を後少しで10年踏んでいないことに俺はなり、桜華や母こと朱鷺や祖母のイヨはどうしているのかと考えてしまった。
突然自衛隊を辞め日本まで飛び出し海外に行きPOとなり、本来の時代に変えればあの一件もあるが、こんなことにも俺は関わりどうなり、どう言った反応かと少し気が重くなっていた。
「―――どうした?」
「あ? いや、何でもない?」
一瞬と言うか、実際結構と言うか、考えていることが顔に出ているともよく言われることもあり、結構気が重そうな顔をしていたのかリードに心配され、俺は問題ないと言うように返した。
「―――それにお前のせいじゃないし、逆に不快なのは俺の方じゃないのか?」
「―――?」
「―――――あの時第3次世界大戦とか言い、対戦相手が神とか言い、複雑な事情もあると思うし、要らん荷物を背負わされたようなものだと思うが?」
話しを少し変えようとも思ったし、俺はある意味50万ドルのビッグビジネスと手に入れたわけだが、リードには同じ条件のビッグビジネスだとしても、俺のような荷物がついてきたことになるので思わず聞いた。
別段長い時間話さないと落ち着かないと言う性質ではないが、少女と会ったせいで続きになっていたし、俺はこれからの仕事に置いて情報が欲しいし話を続けさせようと思った。
「金も本物のようだし、偽物かと疑ったが、装備も円満だし信じるしかないようだしな?」
「―――わかるのか? 金が本物か?」
「―――この仕事何年やっていると思うんだ? 手触りでわかる。」
5万ドルも現金で渡され、武器も服も手に入り、桜と飛鳥たちが何者にしても現金も言う通り偽札かと疑っていたが調べると本物だった。
お前札が偽物か本物かを見分けられるのかと言うようにリードが少しおどろいて聞いてきたが、俺は手で札に触れるような動作を見せながら正直に答えた。
札を本物か偽物か見分けるには眼で見分けるのは意外とむずかしく、なれると解るようになると言うか、仕事をしている中でだれかは忘れたが教えられ、俺は手触りで札が本物か偽物かの見分けと言うか、分別ができるようになれていた。
「まあ、そうは言ってもオレたちの時代では札の価値はあってないようなものだがな?」
「―――?」
見分けると言うか、本物かと判断ができるのかとリードは聞いてきたが、ここではあまり意味はないと言うような物言いを返した。
「―――スペースフロンティアやゲノムフロンティアってやつさ? 宇宙開拓や技術開発がはじまり、資源が豊富になり物の価値が低下した上、通貨も国際的に電子統合した結果現金の価値が低下と言うか崩壊したんだ。」
「―――と言うことはこれは?!」
「―――一応正式に発行されたものだが、オレたちの時代ではそんなものは紙切れほどの値打ちしか持っていないんだ。オレの給料も現在価値に換算するとこの時代の国家予算ぐらいになるぞ?」
この大金に価値がないとはどういう表情を俺がしているとリードは返事を返し、これは偽札かとも半塲思う中でリードは一応は本物だと言うように返した。
「―――だがある意味、いや、ビットコインとまでは言えないが、正真正銘の本当の偽札?!」
「―――まぁ、そう言うことになるな?」
話を統合すれば奇妙な表現とも言えるが、飛鳥から渡され俺の手にある現金は未来の正式な発行所で発行された本当の偽物のお金だと言え、俺が結論を言う中で、リードは少し考えたが間違っていないと言うように返した。
「―――――50万は表向きとして、未来向けの給料もオレぐらいに支払われるが、それよりもお前札の見分けができることと言い何年この仕事をしている? それにいくつだ?」
「―――8、いや、9年で、もう少しで10年で、33だ。」
「―――10年、それに33歳?」
飛鳥と桜に教えられ、計算してリードも俺の年齢や経歴を理解しているとは思うが、話しの流れ的に年齢を聞かれ答えたが、リードは本当にそうなのかと言う反応だった。
「―――AGSには25になる少し前に入った。」
「33? 25? PMCの資格条件に―――、そうか?! PMEPの前進か?!」
「―――ああ? それもあるな?」
ある意味リードとは先輩後輩上司部下、同僚仲間と言う身分になるしで、情報交換もふくめ思い出すように言って話を続ける中でリードがある言葉を口にして、俺は思わずそうだと言うように返した。
リードの言ったPMEPとはPrivate Military Education Programの略で、AGSが主導だったがアメリカ合衆国の一部のPMCが2015年に発起し、広まり始めている教育と言うべきか、資格と言うか、条件と言うものだ。
ウェブの紹介などで表向きにはあまり知られていないが簡単に言うとPMCのような民間組織で一般人に有料やヴォランティアで軍隊式の訓練や講習、証明を与え、民間組織から本格的と言うか、ある程度技術を身に着けた軍人を排出しようと言う計画だ。
軍人と言うが、正確には民兵や志願兵とも言える。
AGSは半年だが多くのPMCが軍隊組織での経験を4年以上とし、海外言語に精通するなどの多くの資格が求められ、半場退役軍人のたまり場や天下りの場から本格的な軍隊組織への再編することも狙いになり、俺はある意味PMEPの前進の1人と言える。
正規軍と言った国家の軍隊組織から民間組織への人材流出防止の手段の1つとしても注目され、一部の政府関係組織も本格的な導入に動き出している方向とも聞いている。
若年時から兵士を育成し、低賃金の少ない時間で働かせることも目的でAGSにはPMEPを受けて来た職員も存在し、俺は低所得者層と思われる15、6ほどの態度の悪そうな黒人と異様に粋がっているように見える白人の少年を見たこともあった。
期待できるかもだが、すぐに死にそうな老人も職員として存在し、治安の悪い発展途上国では10歳以下の少年兵など多く存在しているが、世界的な不況の波紋が先進国の少年少女を問わず、人間への常識や雇用、道徳観を崩壊させ始めているとも言えた。
日本では自衛隊や軍隊に入りたがる人間なんて少ないが、自由の国と言うか、全身的な立場も俺も人のことは言える立場ではないが、金のためなら何でもやると言う資本主義の極致とも言えるアメリカならではの光景だとも俺は思ったことがあった。
軍隊に入りたがると言えばAGSの入社前の面接と言うか入口の警備が曲者で、パスポートを見せるまではどこの部署の職員の息子だとか、子供は入るなとまで言われたことがあった。
入社後も少しの間アメリカ人の同僚から偽造パスポートを持った中学生ぐらいかと疑われていたそうだった。
仕事中も発展途上国に人身売買され兵士として酷使労働させられている日本人と疑われたこともあった。
いい加減にしてほしいし無難に対応したが、日本こと故郷では小さい時はあったし大人になってないとは言えなかったが、顔立ちが幼く女性らしく見えるらしいので女や同性愛者と疑われることも多かった。
自衛隊時代同性愛者に告白されるしで、外見で人間を見る人間が少々と言うか、結構嫌いになっている。
一問題ありと言う状況で、会社の入り口の前の警備員にも顔を覚えられ、体格的に少し小さいこともあるが、「サムライボーイ」と言われ始め、これが現在のコードネームの由来にもなったことは言うまでもない状況だ。
「―――どうした? お前も同じぐらいだろう?」
「―――22だ。」
「―――22?」
最近は身体の衰えも多少感じるが、職業的に鍛えていることもあり、リードとは規格が本当に違いすぎるがアメリカ人とは国際的に体格も違うし、軍人と言うことをふくめ同じ年齢とばかり考えていたが、意外な反応がかえってきた。
「―――PMEP。」
「そうだ。戦場経験はお前以上だ。」
仮定の話だがこれからも不況が進み、科学技術が発達し、PMEPが一般的に広まりを見せれば22歳でも戦場経験が10年以上、最悪年齢と直結する人間が存在してもおかしくないと言えた。
俺がそうかと言う反応を返す中でリードは不敵に微笑んでかえした。
「―――お前、親は? 家族は? 兄弟とかはいないのか?」
「―――いないと言うかわからない、母親も娼婦だったと言われている。」
よく考えるとと言う状況で、これほどの人間を生み出す人間はどう言った存在かと思ったが、生まれも存分なものだし、聞いて少しだが罪悪感が起きた。
「悪いことを聞いたと思うな。オレには家族はいないが、偉大なる女神ミスファイヤーが存在する。」
「ミス ファイヤー? 偉大なる女神?」
次に何を言うかと考えるような表情をしているとリードは笑いながら続け、意味不明な言葉を続けた。
「―――何の因果かわからんが同じ苗字でな? オレたちハイブリッダーの人権擁護運動の創始者であり、本当の神ではないが、ハイブリッダーにとっては神に等しい、いや、それ以上の存在だ―――」
「―――――」
能力的に考えると普通の人間として扱われないのは当然とも言えるし、リードの言ったミスファイヤーは彼らを守ろうと人権運動をしている女性のようだった。
「お前は家族はいないのか?」
「―――いや、俺も仕事柄独り身だが、年齢で言えば年上だが、階級をふくめて、俺は役にたたなそうだし、逆に教えてもらうことがたくさんありそうだな? 大佐?」
家族などいなくても彼女がいると言う表情でリードは聞き、10歳以上も年下だが、話をすればするほど状況に能力をふくめて熟練した兵士と言えるし、役に立ちそうもないと言うように少し皮肉のように俺は言った。
質問の中で家族はと聞いてきたが、これはアメリカ基準での場合だが、結婚しているか聞いたことになり、表現的には家庭とも言えるが、リードは結婚はしていないようだった。
「―――――いや、逆に参考になった。」
「―――?」
「オレの時代には戦場に出る普通の人間は心身両方から見ても脆弱な人間ばかりでな? この時代の人間の戦闘能力は非常に勉強になる。」
どうなんだと言う表情を向けていると、リードは不敵に微笑み、本当にご機嫌そうな表情を見せた。
「―――あの時のナイフを使った戦い方も見事だった。」
「―――ああ? あれか?」
話す中でリードは特にいうように言い、俺は少女と戦った時ナイフを使い勢いよく首を切り裂いた時の話をしているのだと思った。
「―――どうした?」
「あ? 職業適性があったんだと思ってな?」
ほめられこそしたが、俺はこのことを考えるといつも複雑な心境になり、思わずと言う状況で気が重い表情をしたため、リードに何かと言われ、俺は思わず言葉を返した。
「適性?」
「―――お前も解るだろう? あんな方法はCQCの範疇や常識から言えば不適当な行動だ。」
「まあ、そうだな?」
何を言いだすと言うようにリードが返す中で、俺はリードに質問し直し、リードは確かにその通りだと言う反応を返した。
「前からは一突きするか、後ろから忍び寄ってかき切るかだが、俺はなぜかああやって首を切り裂くのが得意なんだ。」
「―――得意?」
「踏み込む距離、届く刃の範囲、刃の振り方、切り裂くべき場所、それに刃が対象に触れた瞬間に走る衝撃から刃や腕、手首をいかに動かせば効率よく切り裂けるか一瞬でわかるんだ。」
言葉の通りで実際のナイフによる戦闘はできる限り近づいて確実にあたると判断した場合に急所を一瞬で攻撃して殺すと言う方法が一般的だ。
俺が少女にしたようなナイフで首を切り裂くのは華麗だが現実的な戦闘で言うと身体の動きも大ぶりで隙も多いし、刃も痛みやすく、回避されると言う最悪の事態の時に対処がむずかしくなる。
むずかしくなると言うが、俺はなぜかと言うほどのこれが異常なほど得意と言うか、職業適性があるようだった。
得意とはと言うようにリードが言う中で俺は的確に一瞬でわかることだけを言っておいた。
「―――日本人がだれでもサムライと言うわけではないんだ。俺は事実ルーツをたどれば農民の子だと思うし、サムライとは程遠いし遺伝とは言えないんだ。」
「―――――」
「―――まぁ、昔はもっとすごい人間がいたとか言うし、普通の定義も時代によって違うのかもしれないがな?」
海外の人間から見られると日本人と言えば昔は刀を持っていると思われているだろうし、俺はリードの前でわかるかどうか知らないがサムライではないと否定した。
一応はと言うようにリードが聞いている中で俺はため息を吐き出したが、言葉を続け、言葉には出さなかったがこれが一種のカルチャーショックと言えるとも思った。
「―――――そう言えば、何にしても、普通の人間と言えば、お前は何者なんだ? 失礼だが―――――」
「人間外。」
「―――まぁ、そうだが―――」
話題を変えたいし肝心なことだとも言えるが、俺は表面上はしているように見られる事もあるかもしれないが人種差別が嫌いだ。
外見や年齢性別で差別されることは許されないことだし、リードがたとえ普通と違うとしても質問して大丈夫かと言う微妙な反応の中で、リードは機嫌を悪くするのとは逆に非常にうれしそうな反応で答えを返した。
自分で人間外とか言うかと言う反応を俺がする中で、リードはよく聞けと言うようなうれしそうな表情をしていた。
「―――そう微妙な顔をするな? あのEVEは置いておくとして、お前とオレはある意味で兄弟みたいなものだぞ?」
「―――――?」
推測の中であの少女をリードがああなった要因と言うか、始祖研究の女性なのではないかと言ったが、リードは俺を兄弟みたいなものだと言う奇妙な発言をした。
「AGEがAGSの下請けとしてID管理や衛星、健康管理をしていることは知っているな?」
「―――――ああ。」
「―――AGEはお前のようなPOの遺伝子や能力を参考に、オレたちハイブリッダーを造りだしたんだ。」
AGSの社員ならば基礎的な事実で、それがどうしたと言うように半場こたえる中で、リードはこれは間違いない情報だと言うように答えた。
「―――――ハイブリッダー?」
「―――ああ、仲良くしよう、ブロス。」
この時俺はハイブリッダーと言う言葉を改めて聞いた状態で、どういう意味かと言う思う中でリードは不敵に微笑みながら俺に言葉を返してきた。
混合などを意味する単語、Hybridから来た言葉だと思うが、直訳すれば混合した存在と言う意味も持ち、意味不明な言葉だった。
ハイブリッドと言えば一般的に有名なのが車のハイブリッドカーで、これは普通の車がガソリンを原動力にしているのに対して電気などのほかの原動力も併用して動く構造の車を意味している。
燃料費の節約を基本に、燃費効率やCO2削減と言った環境保護と言った点でも高い注目も集めている車種でもある。
「―――見ろ?」
「―――――ぉぉ?」
笑みを絶やさないまま言うとリードは不意に右腕を上げ、ハイブリッダーの能力を見せた。
あの夜と言うか、半日ほど前にも一応は見たが、見事な光景だった。
表現はこの世に複数存在しているが変形と言う表現が一番正確で、上げた右腕と言うか、腕の服も含めてだが複雑な仕組みの機械の武器へと一瞬で変形した。
変形した際に聞こえる音は金属などの物体と言うか、銃の弾丸を装填するコッキングに似たような音で、右腕は狙撃専用なのか細長い銃のような武器に変形していた。
「―――怖いか?」
「―――いや、見事だ―――」
普通こんなもの見ればだれでも恐怖で腰が抜けたりすると思うが、俺はなぜか全く怖い気がしないし、高い技術の芸術作品と言うか、工業製品と言うか、新しい武器を見ているような躍動感を覚えた。
「―――やはり遺伝子か?」
「―――」
リードの言葉が正しいならば、リードはあの少女や俺のようなAGSの職員ことPOの副産物とも言える。
ある意味原形でもある俺のような人間がおどろかないのは言葉通りに遺伝子の力の御威光かと言うようにリードが言う中で、リードは腕を普通の状態に戻した。
武器から普通の腕に戻るのは言葉通りの一瞬で、言葉通りに物騒な武器が一瞬で普通の腕に何事もなかった状態に戻った。
「―――だが、服が―――?!」
服も部品のように変形したと表現したが、言葉通りで腕が元に戻ると服まで元通りになっているのだ。
架空の物語の中で身体の一部に機械の部品や武器を埋め込むこと、サイボーグ化は有名な話だが、服は部品ではないので破れるのが現実と言うか、架空の物語の中でのある意味常識だが、リードにこの常識は通用しないようだった。
「オーヴァーマシンの功績だ。」
「オーヴァーマシン?」
一体全体原理はどうなっていると言うように俺がリードの腕に眼を向けている中で、リードは答えを出すと言うように言い、俺には聞きなれない言葉を口にした。
原始と言うべきか、原形と言うべきか、先祖と言うべきか、オレリードが本格的に山中の前でハイブリッダーの能力を見せたが、山中はおどろいていたが、恐怖と言う感情と言うか、反応を見せなかった。
見事だとも言い、AGSのPOとしての潜在的な性質がオレと言う進化した存在と言うか、変形した存在と言うか、子孫の成長をよろこんでいるとも言え、本題はと言うようにオレは話を続けた。
話しを聞き、質問を返し、半信半疑の状態とも言えるが、信じるしかないと言う表情で、真剣に考えている表情でもあった。
「―――ナノマシンの進化系? 自由自在に物体と言うか身体を変化、増殖、減少が可能? 質量保存の法則からの解放? 神を凌駕する性能?」
「―――そうだ。第3次大戦は人間の常識を塗り替えたが、オレたちは戦争の歴史を変え第3次大戦を勝利に導いた。」
「驚異的だな?」
興味深いと言う反応でオレと言うか、ハイブリッダーのことを聞き、オレも自身のことを話すのは少し気分がいい話つづけ、山中は言いものではあるが、とんでもないなと言う反応をしていた。
「―――妊娠6ヶ月以内の胎児へと投与、それに、強い毒性があるが俺にもハーフハイブリッダー化の適性? AGSは俺たちをモルモットにしてこんな恐ろしいものを―――、人権が制限されるのも―――、あ? すまない?」
「いや、いいさ?」
話せば話すほどオレと山中の接点は数多く存在する。
理論上理解はできるようだが、山中は人間と機械を一体化させるナノマシンやサイボーグ技術が提唱されたころに生まれ、言葉通りのジェネレーションギャップと言うか脅威を感じているようだった。
脅威と言うか、恐怖感も感じているようで、オレと言う存在がある意味自分を造りだした一部とも言えオレに一種の嫌悪感を出す中で失礼だと思いあやまり、オレは当然の反応だと思い気にするなと言うように返した。
「―――その代り、戦場市場をはじめとして、経済を破綻させたがな?」
「何?」
話す中でオレは問題も話すことにしたし、山中は何を言われるにしても興味深いと言うか、仕事の情報交換もふくめるが、おどろくことが多いと言える状況だった。
「破綻?」
「―――人件費に銃器に車両戦艦飛行機、核もふくめるが、これが人権制限の引き金の裏の事情でもあるが、アームドスーツが代表例だ。」
オレたちの職業柄戦場市場や戦争経済の崩壊は死活問題と言える状況だし、確かにオレと言うか、ハイブリッダーほどの能力ならばほかの兵器は価値を失うのは道理だと言う表情の山中に、オレは代表例を言うことにした。
「アームドスーツ?」
「―――超時空要塞マクロスは知っているか?」
「―――フロンティアなら―――?」
山中が生まれた時代には存在しない兵器だし、なんだそれだと言う反応の中で、オレはたとえ話を出すことにして、山中は突然何の話だと言う反応だが、一応は知っていると言う反応を返した。
超時空要塞マクロスは日本のカートゥーンこと、ジャパニメーションの1つで、宇宙で暮らし始め出す未来の人間と巨人宇宙人との戦争と共存、文化の違いを描いた話だ。
山中の言うと言うか、答えたフロンティアはその中のシリーズ化した作品の1つで、2000年以降の作品だが、山中もこの時代から見ればある意味未来人だとして放置し、山中の年齢ならばちょうどよく見ている時だと言えた。
「陸や空、宇宙だけでなく海中や劣悪な環境に対応して変形可能なヴァリアブルファイター(VF)、モビルスーツガンダムと言ったモビルスーツ(MS)のような巨大人型兵器が実現しと言ったらわかるか?」
「―――何?」
ジャパニメーションの話しなんかしてどういう意味だと言う反応で、オレが説明するが、山中は即座には言葉の意味を納得できない状態のようだった。
話しの中でMSガンダムと言ったが、これジャパニメーションの1つで人類が宇宙で暮らすようになった未来に地球人類と宇宙移民が戦うと言う話で、MSは劇中オリジナルの兵器だ。
マクロスと言いガンダムと言いどちらにしてもアニメとしてのむずかしい議題が存在するが、巨大人型兵器こと、人が搭乗するロボット同士の戦いがジャパニメーションとしての真骨頂を発揮しているとも言える。
「―――バカな? 巨大人型兵器が実現したと言うのか? 可変能力まで? いや、待て? たとえ実在したとしてもお前がいたとすれば?」
「―――その通りだ。」
「―――何てことだ、いや、ヤックデカルチャー―――」
巨大人型兵器など非現実的だと思われるが1950年代以降科学技術が進歩を遂げ、架空の物語に進んだ科学技術の中には必然的にロボットと言った人と密接に関わる機械が登場しているし、ロボットは人間に一番近くて遠い科学的存在だと言える。
特に1970年代以降日本を基盤に架空の物語に巨大人型兵器が登場を始め、全盛期とも言える山中には実現は一番理解できるが一番理解に苦しむ現実だと言えた。
実現すれば事実上戦争を変えるが、オレと言う存在を見れば戦争など別の領域だし、山中は本当におどろきを隠せない反応をしていた。
山中がヤックデカルチャーと言ったがこれはマクロスに登場する巨人宇宙人の言葉で、非常におどろいた時などの発する言葉で、山中もこの時代と言うか、2020年代前期のサブカルチャーの影響を多大に受けているとも言えた。
「―――そう言えば、お前よくScrapと言うが、トランスフォーマーが好きなのか?」
「―――?」
「Scrapはどう考えてもトランスフォーマーだろうが? プライムだろう? それと俺はビーストウォーズとアルマダ、実写版をリアルタイムで見ているんだが?」
おどろきを隠せないと言う表情の中で山中は次に疑問が残ると言うようにオレに質問して来た。
オレが何かとおどろく暇もなく山中は言い逃れはできないぞと言うように返してきた。
「好きなんじゃなくて教科書だ。」
「は?!」
山中の言葉通りだし、確かにScrapはトランスフォーマープライムだし、オレは山中に事実を伝えたが、案の定で逆に意味が解らないと言う反応だった。
「架空の物語の中には人間外の存在も登場する物も多いだろう? オレたちはそれを人生の手本や文化形成に役立てているのさ。」
「―――ああ。そうなのか―――?」
ジャパニメーションと言ったサブカルチャーはこの時代当時に本格的な全盛期を迎え始めたが批難が多い部分も存在し、山中にとっては一応は納得できるが教科書になると言うのは信じられない話だと言えた。
「―――オレたちの時代では別段めずらしいことではないんだ? ターミネーターも立派な時間航行の教材だ。」
「ターミネーター?」
少しおどろいてはいるが、オレは話を続け、山中は次は何だと言うように返した。
「―――知らないのか?」
「いや? アバターのキャメロンの出世作だろう? アーノルドシュワルツェネッガーのでもあるが―――」
この時代の人間だし山中が知らないと言うことはないと思うが、結構知っていると言う反応を返した。
「そこまで知ってるならカイル リースは知っているだろう? 逮捕されて警察に取り調べを受けるが、未来から来たことや出来事を話しても頭のおかしい狂人か、信じてもらえないと言う見本になっているんだ。」
「―――――なるほど、真実だとすれば確かに道理だ。」
オレの言うカイルリースとはターミネーターに登場するキャラクターで、未来から主人公の女性を守りに来た男のことで、移動して来た時代の警察に話すが、常識的に考えると信じてもらえない状況になっていた。
この映像は時間航行の際の教材の1つになっているし、山中に言う中で、確かにその通りだと言う反応を返した。
「―――審判の日、か。」
「ああ、そうだな?」
「―――それに、未来の話と言えばよく考えてみるとあの時第3次大戦と言い、対戦相手が神だったと言ったが―――」
オレの話し出した未来の話を実に興味深いと言う反応で聞いていたが、オレもだが肝心なことを話していない状況だった。
山中の言う審判の日はターミネーターの劇中に登場する言葉で、未来で起きた機械対人間の戦争の始まりの日を意味し、オレが言葉を返す中で、山中は本題だと言うように聞いてきた。
「―――宇宙人や幻想の生物と言った空想の存在が実在し、無いものを探す方が不便だとまで言ったことと言い、あのゾンビどもは人工の神とか言ったが? あのゴーレムも神なのか?」
「―――」
「おい? 俺は真剣に聞いているんだ?」
失礼だし先ほどのアームドスーツの一件もあり一応は抑えたが、腹を抱えると言うか、大声で笑いたかった。
山中はオレにゾンもふくむがアーウェーの開発したあの人工的な神と言うか雑兵に対して真剣に質問したが、会った時と言いADAMをゴーレムと表現したのが実におもしろかった。
旧約聖書の記述によると神は地球上の成分から最初に人間ことアダムを造りだしたと言われ、本来人間は聖書の世界では土やちりの塊が原形だったと言われている。
一方でゴーレムは別の神話の怪物で、魔法と言った非科学的な力と、土などを原料として作りだされた人造人間と言われている。
ゴーレムはある意味そう言った能力を持っている場合に限られるが、人間が造りだせる場合も存在し、日本などでも東洋魔術でKUGUTSUと言った似た物を造りだす技術も存在している。
人工的なアダムを造りだそうとしたが、結局神にならず、ゴーレムと言う不完全作を生み出したと言うようなもので、アーウェーが聞けばさぞかしご立腹だろうが、オレは山中の無意識な言葉がもっともだと思って笑いが抑えられなかった。
「―――スマン、ゴーレム―――」
「―――何がおかしいんだ?」
「土、いやドロ人形―――」
山中には一体全体何がおかしいんだと言う状態だが、アーウェーのことを馬鹿にしていることに他ならないし、こいつとはこれからもどこかうまくやって行けそうだとも思ったし、オレは抑えようとするが笑いが止まらなかった。
「―――何にしてもだ。円満な武器や装備、予算まで渡されたことと言い、これからの仕事に俺は情報が必要なんだが?」
「―――」
「―――俺たちは何と戦っている? 何が起きている? これから何をすべきなんだ?」
真面目に話す山中に対してオレは何とか抑えて話そうとするが話せず、待ってくれと言うように合図するが山中は肝心なことを話そうと言うように言いだした。
「―――恋、リードが少し壊れている。代わりに話してくれ?」
「―――ぉぃ? 待て? 待てよ?」
これではダメだと判断したようで、山中は無線で恋と連絡を取り始めた。
「―――――恋? 恋? おい? どうした? 答えろ?」
「―――どうした?」
「―――恋と、連絡が取れないんだが?」
オレも少し落ち着いてきたし、笑うのが止まり始めたし話せると言う時に、山中が何か異常事態だと言う反応を見せ、落ち着いたオレが質問すると山中は何が起きたと言うような反応で聞いてきた。
『―――山中か?』
「―――?!」
『恋は休みと言うか、別の仕事だ。わたしだ。飛鳥だ。恋がいない間指揮官としてお前の補佐をする。』
オレにとっても何があったと言う状況だが、不意に山中の無線機から恋とは違う少し気の強いと言うか、間違いなく気の強い個人的にだが少し気にくわない女の声こと、堂城飛鳥の声が聞こえた。
「―――飛鳥?」
『―――そうだ。で? なんだ? どうした?』
山中も思わずと言う反応で、飛鳥はなんでも行って来いと言う反応だが、山中もおどろきを隠せないようだった。
「―――いや、すまん。何にしてもだ。情報が欲しいんだが?」
『―――情報?』
「―――俺たちは何と戦っている? 何が起きている? これから何をすべきなんだ?」
山中はオレが見ている前で無線機越しの飛鳥に対して同じ質問をした。
『―――資料はいずれその端末にも転送するし、しばらくは待機―――』
「大佐、多少なりともレクチャーは必要だと思われるが?」
『―――――』
資料を渡すとは言うが、物言いが多少違うだけで飛鳥は恋と同じような反応を返す中で、山中はいい加減にしろと言うよう言い、少し強引に黙らせた。
「―――リードの能力も見たし、金もふくめて壮大なうそとは言わせんぞ? これから俺はどうなる?」
「―――あ? それだけは保障されると言うかする。」
答えろ飛鳥と言うように言葉を山中は続ける中で、オレはそれだけは問題ないと言うように答えた。
「―――」
『―――――お前?』
「―――――生き残ったら、が付け加えられるがな?」
本格的に落ち着いてきたなと言うような表情を山中が向ける中で飛鳥はオレにお前どういうつもりだと言うように言う中で、オレは少し重要なことをつけたした。
「―――生き残ったら、か―――」
聞くと山中は状況的にそれ以外のことはないよなと言う反応を示し、近くのいすに少し勢いよく座り、勢いよくため息をはき出し、考えるような表情をした。
「機構の狙いはプロジェクトヤーウェーの阻止と、オレとお前のバランサー化だろうな?」
「―――バランサー? あの時あった2人か?」
詳しいことは合わせて話すようにする必要もあるが、オレは山中に起きたことも踏まえて話そうと思い、バランサーのことを話すと、山中は彼らのことかと言うように反応した。
「―――そう言えばお前荒木かと聞いたが? だれか心当たりがあるのか?」
「―――あ、いや? あれは本当に勘違いなんだ。荒木ってのは俺の友人だが、あんな場所には絶対にいないからな?」
話す中でオレは山中があの時バランサーの1人の名前を聞き、人違いだったと返したが、本当にそうなのかと質問するが、本当にそうだと言うように返した。
「―――言い切れるのか?」
「―――政治家になったんだ。親父のあとをついでな? あんな場所にはいないよ。」
「―――」
山中の立場が立場だし、状況を踏まえて知り合いや友人がなっている可能性があるとも思い質問するが、山中は絶対に違うと言うように返し、絶対に関係性のなさそうな答えを出した。
特定の事情で未来で働くことになった人間に政治家や元軍人が存在しないとは言えないが、交友関係で接点が存在するとまでは思えない状況だった。
「―――アラキ―――」
山中が荒木と言い、オレは一瞬あることを思い出して少し考えた。
何を思い出すかと言うとこの当時の時代のことで、この時代に行くことを踏まえ、オレはこの時代をふくめ1、2世紀ほどの記録を集めていたが、その中にアラキと言う名前を見た覚えがあったのだ。
正確には荒木侑史と言う男で、2020年代前半から活躍を始め、親や妻をふくめて筋金入りの政治家一家の人間の1人で、日本革新運動と呼ばれる日本の政治の歴史を変えると言われるほどの革新的改革を始めた政治家として知られている。
見たことがあり、山中が政治家になったとは言うことが一致しているが、政治家になったのは20年以上前な上、友人としては年齢が行きすぎていた。
年齢が行きすぎてはいるが、息子が結構な不良な上親の意に逆らって自衛隊に入ったらしく、確かその息子が山中と同じ年齢だった気がしたが、自衛隊では奇妙だが少し有名人にはなったが政治家にはなっていないなとオレは一瞬思い出していた。
「どうした?」
「あ、いや、何でもない?」
考えるそぶりと言うか、表情と言うか、時間も少し経過し、山中は何を考えているんだと言うようにオレに声をかけ、オレは気にするのは面倒だし、同じ苗字や名前などたくさんいると思い、偶然の一致の類としてこの話を放置することにした。
「何にしても、話を本題に戻そう?」
「ああ、そうだな?」
肝心なのはバランサーのことを話すことで、バランサー個人をだれかと詮索することではないと言うように山中は言い、オレは少し考えて悪かったと言うように返し、話を続けた。
「―――確か緊急事態とか―――」
「緊急事態措置対応部隊総司令部。」
「―――そう! それだ?」
曲がりなりにも山中は英語を母国語にしていない人間なのは確かなようで、一度言っただけでは正確には単語を理解できなかったようで、考えている中でオレが指摘すると間違いないと言うように返した。
「―――これについてはオレも実はうわさ程度でな? ワーパー、説明願いたいんだが?」
『―――』
「―――飛鳥に聞けと言うことか?」
オレ自身もバランサーが存在していると言うのはうわさの領域だし、眼は山中に向けたが、心理的にはオレは眼を飛鳥に向け質問し、山中も察したのか黙っている飛鳥に質問した。
「―――答えそうもないが? お前の情報でいいから教えてくれ。」
「―――神対人間の第3次大戦、国連再編組織のオーグ結成までは説明したな? オレの言うワーパーはオーグの直轄PMCで、バランサーはその中の実在が疑問視されている特殊部隊だ。」
無線機から飛鳥の声は帰って来ずと言う状況で、山中はオレの情報の方が正確だと判断したようで無線を使ったことも放置してオレに質問し、オレは質問に答えた。
「―――特殊部隊? 実在が疑問視?」
「―――ただしこれは表向きだ。正確には司法取引で集められた犯罪者ども集まり集団だと言われている。」
「―――――」
聞き返す山中に対しオレは正直に答え、山中は少し言葉を失っているようだった。
「―――司法取引―――」
「―――別段めずらしい話じゃないだろう? オレたちの時代では本格的に職員として起用する制度を確立させただけだ。」
山中の生まれた当時の日本に司法取引制度は存在しないが、海外生活も長いようだし、職業柄と言うか、知っているようだが、犯罪者どもの集まり集団と聞き、深く考えるような表情を見せる中でオレはよくあることとして話した。
「―――俺も犯罪者、か―――」
「―――あれ? 待てよ―――?」
職業柄人を殺すことなどもあるかもしれないが、どこかまだと言うか、仕事だしと一応は越えられない境界線があると言う反応だが、反応をする中でオレは山中が彼らに心当たりがあったようにあることを不意に思い出した。
「―――どうした?」
「バランサーは2人組の女だと聞いたんだが?」
「―――女? 男女だったぞ? どう見ても?」
あることと言うのは山中に何かと問いかけられて答えたオレの言葉通りで、オレはバランサーのうわさを聞いていたが、2人組の女だと聞いていたのだ。
「―――ほかにも人間がいるんだろう? 管轄とかの問題じゃないのか?」
「それもあるかもしれないが、1人がハイブリッダーなのは言いとして、もう1人がハーフゴッドらしくてな? かなり恐ろしい女らしんだ。」
「ハーフゴッド?」
言葉を出せば的確な答えを返すと言う状態で、山中は部隊や組織なのだからほかにも人間や場所もあると平然と言い、オレも納得するが、有名なのは女性2人で、オレが説明する中で山中は単語の1つを聞き返してきた。
「言葉の通りの半分神の女でな? その女が非常に残酷な性格で神だろうが人間だろうが何だろうが殺しまくっているらしいんだ。」
「―――仲間だとしてもお眼にかかりたくはないな? あまり?」
ほかに言いようもないし、半分神の女がバランサーの中に存在し、オレは暴れまわっていると言うか、殺しまくっていると言うように話すと山中はひどくいやそうな反応を返した。
「そういやな反応をするな? 本題になるがオレはわりにあう強大な敵を追っているんだ。」
「強大な、敵?」
士気の低下と言うか、労働意欲を低下させるわけにもいかず、オレは嫌そうな山中に対して悪い話ではないと言うように言葉を続け、山中はどういうことだと言うように返した。
「―――そうだ。強大な敵―――――」
『アーウェー サテライト。』
「―――ワーパー―――」
犯罪者の仲間になるとしてもこれは悪いことをしているわけではないし、士気高揚は必要だと思い、話そうとする中でワーパーこと飛鳥が口を開き、オレは余計なことをと言うように飛鳥に向かって返した。
「アーウェー、サテライト―――?」
「あのゾンビどもを造りだした男だ。」
「?! 何?!」
飛鳥の言葉を聞き、一体全体そいつは何者だと言う反応の山中に対し、オレは答えを教え、山中はなんだとと言う反応を返した。
「オレよりかは劣るが優秀な遺伝子を改良や人工授精され、超常的な能力を手に入れ、半場だが神の領域に近づいた存在だ。」
「―――デザイナーベビーによる人工的な神や超人の創造と言うことか?」
「そう言うことになる。」
何者だと言う表情を向ける中でオレは答え、山中は質問し、オレはそれで間違いないと言うように返した。
山中の言うデザイナーベビーとは遺伝子などの科学で提唱された概念で、ある程度だが人工的に優秀な遺伝子を持った子供を誕生させようと概念で、研究はそれの延長かと聞く部分もあったようにも見えた。
「―――そう言えば、人工の神だと言ったが、あの恐竜の怪物たちのこともか?」
「―――恐竜の怪物? ソーのことか?」
「ソー?」
なんだとと言う反応をした山中はオレに質問したが、聞いて来たのはゾンのことではなく、オレは思わず聞き返し、山中もなんだと言う反応を返した。
「ソー、ダイナソーのソーか?」
「そうだ。」
言葉を聞いた山中はオレに確認をするように聞き、オレは間違いないと言うように答えた。
ソーは恐竜を意味するダイナソーから名付けられた名前で、トカゲと言う意味が存在している。
「―――お前、ソーを見たのか? そう言えば、飛鳥たちと話した時言ってたな? よく生きてたな?」
「そいつのおかげ、いや、雷也のおかげだ―――。」
「―――」
飛鳥たちと話していた時も恐竜の怪物と言っていたことをオレは思い出し、質問する中で、山中は現在はオレの手と言うか、持ち歩いているショットガンを指さし、オレは銃のことを再確認した。
山中と同じ時代から来た犠牲者が持っていたのを山中が手に入れて、現在は俺の手中にある状態だった。
「―――何にしても、あのゾンどもの仲間じゃない?」
『時間航行技術の実現で生態系に異常が生じた結果生まれた怪物、DM、ディメンション モンスターの一種だ。』
「―――飛鳥―――」
知識も何もない山中から見れば何もかも同じかもしれないと言う状況で、オレに聞き返す中で飛鳥が答えを返し、オレはお前はいい時に返すと言うように口を開いた。
「ディメンションモンスター?」
『そうだ。溶けるのを見ただろう? 生態系、言わば食物連鎖の影響から外れた怪物だ。』
「―――そうか―――」
山中は聞き返すが、飛鳥の言う通りと言うか、返す通りで、ソーはDMと呼ばれる怪物の一種で、時間航行技術の実現が生態系に異常を与えた結果生まれた怪物と考えられている。
ほかにも昆虫型イニーや食虫植物型のプリーなど、多種多様だが、共通して黒い体色で眼が照明のように赤く光るのが特徴で、言われた山中は納得したようで、答えを返すと少し考えるようなそぶりを見せた。
「―――雷也の身体に、3つの傷があったが、あれもソーにやられたのか?」
「―――お前? なんと言った?」
「え?」
飛鳥が答えたし、オレは話を戻そうとする中で、山中が少し考えるような素振りでものを言い、オレは山中の言葉を聞き、とんでもないことを言った気がして聞き直し、山中はなんだと言う反応を返した。
「―――雷也の身体に3つの傷跡があった―――」
「ニクサーが近くにいたのか? 本気で大丈夫だったのか?」
死んだ仲間に3つの傷跡があったと山中は言い、オレはニクサーがいたのかと心配になり、山中に勢いよく質問した。
「ニクサー? つめを持つ者?」
「そうだ。ソーのリーダー格だ。巨大なつめと巨大な体格のソーがいただろう? 見なかったのか?」
「―――いや、見たのは傷と、傷を負った雷也だけだ。」
聞き返す山中はどういう意味かと聞き、オレは何にしても簡単な答えをだし、見たのかと聞くが、山中は見ていないと答えた。
ニクサーはソーの一種で肉食恐竜の恐ろしいつめを意味するディノニクスが名前の元となっているソーだ。
普通のソーよりも体格も大きく、本来のディノニクスは左右の足に鋭いつめが存在するがニクサーは左右の手に1m以上もある3本の長いつめを持っているのが最大の特徴で、少しだが執念深いことでも知られている。
「―――?」
「まぁいい、無事なら―――」
執念深いとはいえ、山中を狙っていたとは言えないし、不思議そうな顔をする山中に帰するなと言うように返した。
「―――話を本題に戻すが、人工の神とか言ったがこれは違法研究だ。オーグにも逮捕され、裁判も受けたが証拠不十分で無罪、釈放もされている。」
「―――――」
ソーやゾンを見たことと、オレが言ったことをふくめ一般的と言うか、当然な反応を山中がする中で、オレは冷静に答えを返し、あんなものを造りだしたと言うこともあると思うが、山中は考えるような表情を見せた。
裁判を受けたと言うオレの言葉も聞けば当然で、一般論と言うか、法的常識だが、よほどの事実がなければ裁判の結果は法的に権利と言うか、義務のような物で、同じ罪状同じ人間による裁判はむずかしいのだ。
簡単に言うと2度目は無いと考えた方が一番いいのだ。
「―――オレが逮捕したが失敗してもいる。その上セデンの人間だから始末が面倒だ。」
「セデン?」
「サテライト エデンの略だ。」
少し言うのは嫌だが状況を踏まえてオレは失敗したことにはある意味オレにも責任があることを山中に話したとも言えるが、山中は別の言葉に反応し、オレは言葉の意味を教えた。
「サテライト、エデン、人工の楽園、神の庭―――?」
『―――オーグと対局をなす国際組織だ。』
サテライト エデン、人工の楽園とも言えるし、疑問符以外が出ないと思われる状況だが、問題はほかにもあるし、オレが話を続け、なんだそれだと山中が反応する中で、飛鳥が口を開いた。
『―――正確には機関で、ほかにも同盟、連盟、連合、連邦、出して行けばきりがないが、機構と第3大戦後思想上の対立で冷戦下に突入している。機構は人間全盛の組織統治、機関はAI、言わば人工知能による組織統治をしている。』
「―――――」
貴様はとも飛鳥のことは思ったが、飛鳥は簡単にだが説明してくれた。
「―――AI? スカイネットか?」
『―――まぁ、そういうものだ―――』
飛鳥の言葉を聞き、山中は飛鳥に質問し、飛鳥は一応はあっていると言う反応を返した。
スカイネットとはこの時代ごろに放映された映画「ターミネーター」の中に登場する人間を支配しようと戦争を仕掛けたと言う架空のコンピューターだ。
「どちらかと言えばミッション インポッシブル的だがな?」
「―――?」
飛鳥が山中の質問に答える中でオレは山中に付け足すように言い、山中は案の定と言うようにどういう意味だと言う表情をして反応した。
ミッション インポッシブルとは東西冷戦下の諜報合戦を描いた人気ドラマのタイトルで、山中のような日本人にはスパイ大作戦として有名だが世代的には少し後の映画を見た世代だが、状況的に理解すると思い、細かくは言わずに話をオレは進めた。
「―――第2次大戦後の東西冷戦と同様に人間統治と機械管理と言った意見対立し、それほど別段仲が悪いと言うわけではないが、裏で結託している部分もあるが経済競争を基本に優位性を競い、多組織との関係による間接的戦争や諜報合戦をしている。」
「―――疑似的な冷戦の再現と言うことか?」
「そうだ。」
ミッション インポッシブルのことも理解しているような反応で、オレが説明をすると山中は結論を言い、オレは間違いないと言えるのでオレはその通りだと言うように返した。
「―――機械だけの統治体制では不完全だとして、第3次大戦の神側の敗退や機構に優勢を証明することを踏まえ、神を超える人工的な神を生み出そうと違法な神体実験などをしたのが、オレの言うプロジェクトヤーウェーだ。」
「―――神への侮辱、いや、冒涜だな?」
飛鳥がある程度話すが、オレは何にしても山中に答えを出すと、山中は何を考えていると言うように言葉を返した。
「―――第3次大戦で神は負けたぞ? 時も5年以上経過したし、研究で最高寿命も10万年ほどと言われている。DNAなどの構成がよく似ているが異なる別の生物だし、偉大な生き物と言えるか?」
「―――――」
「―――日本人だろう? それほどの信仰はないだろうから納得できるだろう? 神話が事実でないことも知っているだろう? 神が人間を服従させるために作り上げた虚言だよ。 過重解釈がクリスト教のガリレオ ガリレイの天動説を否定したとも言える。」
侮辱に冒涜だと山中は言ったが、オレの返した言葉に山中は言葉を失ったようで、オレは追い打ちをかけた。
「―――天使と悪魔、ダン ブラウン、か―――」
「それを言うならダヴィンチ コードだろう? 2千年以上も経過しているんだぞ? 正確な情報もないのに事実が伝わると? それに神どももだれが人間を造ったか知らないし、造ったのは現在生きている子孫だと考えるのが妥当だ。」
「―――確かに、日本神話では夫婦神が、イザナギとイザナミが存在している―――」
オレの言葉を聞いた山中は思わずと言うように言葉を口にした。
天使と悪魔とは本の名前で、ダン ブラウンとは著者の名前であり、オレの口にしたダヴィンチ コードも同じ作者の本と言うか、小説だ。
正確には山中の生まれた時代の、現在で言う10年後ほどに出版され、クリスト教の神話こと、聖書に関して科学的見地を取り入れたことで数多くの物議を呼んだ傑作小説だ。
リードの言ったことを聞き、うそにしては本当に行き過ぎている話と言うか、状況的に認めるしかできない事実だと俺山中は考えながら思った。
リードの能力やあの戦闘を見て知ったこともふくめるが、極め付きと言うようにこれまでの話を事実と受け止めると、リードの話す神の話は神話などで発生する科学的な矛盾点を十二分に解決できるとも言えた。
逆に納得できるとも言え、俺はリードに言われて聖書以外にも日本神話など、数多くの神話のことを少し考えて腕を組んだ。
「―――そう言えば、お前『イザナギノタタカイ』とかに巻き込まれたとか聞いたが―――?」
「―――そのことは後にしよう、それに俺の方で処理するから、話を続けよう。」
「―――ああ、そうだな? わかった。」
リードの言葉を聞いて思わず、イザナギとイザナミの名前をだしリードにそう言えばと言うように聞かれたが、俺は話しが進まないと思ったし、後回しにすることにしたし、リードもすぐに了承した。
荒木の件と言い話が脱線しかけることも多く、リードには深入りする話でもないとも言えたし、日本に帰ると言うことも必要で、俺は本当に後回しにするべきだと思った。
「―――何にしてもだ。」
わかったと言った後口を開いたのはリードで、表情と言うか、反応を見ればわかるが、リードは改めてと言うように座り直し、俺に顔を向けたが無線機越しの飛鳥に眼を向けているようだった。
「―――アーウェーは機関の保護下にもあるし、そもそもお前らの失態の埋め合わせをオレはしているんだが?」
「―――なるほど? 公の組織が、オーグが一度失態を犯して下手に動けないと言うわけか?」
話を踏まえるとと言うかよく考えるとオーグは失敗しているとも言え、リードは俺の予想通りで飛鳥に対して批難の言葉を向け、俺も飛鳥に対して言うように口を開いた。
「お前を次期監視官として育成させ、計画を阻止させ、オレたち2人をバランサーとしてハイブリッダーのオレをオーグの犬として飼いならす。それがオーグの描いた脚本だ。違うか? ワーパー?」
『―――――』
「―――沈黙は肯定を意味することがあるぞ? 間違いないと考えていいんだな? ワーパー?」
リードは質問するが飛鳥は答えず、リードは言葉を続けるが、何にしても飛鳥は答えると言う様子はなかった。
沈黙は肯定を意味するとリードは言ったが、これは一部の宗教などで見られる考えで、たとえ神が虚言を発していても、未来でも人生の見本などとして活用されていることが確かだとも言えた。
わからないことは多いがある程度の知識を俺は得ることができたが、これだけではまだ不十分と言えるも、少し話し合うのも疲れている気がした。
昨日目覚めて一切寝ていない状態だし、時計を見ると後少しで9時と言うほどだった。
「―――」
「―――答える気、なしか?」
眠たいなとも思ったが話し中だしあの少女のこともあるしで寝るわけにはいかないが、眠いことには変わりなく俺はあくびをしていた。
あくびをするとは言え一応は抑えてわかりにくくはしている中で、リードは飛鳥が応える気がないと言う反応を見て、気分が悪いのかタバコを取り出していた。
「―――おい? 空気がこも―――?」
ここは一応休憩所と言うか、待機所のようだが灰皿もないし、狭い部屋で、ここで吸うのは反対しないが空気がこもり悪くなると言うように嫌そうに言いかける中で、俺は別の物へ眼が向いた。
「―――?!」
何に眼が向いたかと聞かれるとリードの後ろの窓と言うか、窓に映った俺の後ろの光景だった。
部屋の入り口でだれかと言うか、顔は見えなかったが服装や動きから見て女性だと思うが、見ていると言うか立っていると言うか倒れかけて壁と言うか柱を支えにしてたっているような姿が見え、雰囲気も何か異様な気がして俺は勢いよく振り返った。
「―――どうした?」
「―――いや? だれかいなかったか?」
勢いよく振り返ってみるが影も形もなく、ふつう考えてみるとリードの立ち位置と言うか、座り的に考えると先に見えているし、リードが先に気が付かないのが逆におかしいが、リードはなんだどうしたと言うように俺に聞いてきた。
リードがタバコに火をつけ、ふかし始める中で俺はリードの方に向き直り見なかったのかと質問するが、リードは何のことだと言う反応をしていた。
「―――いや? だれもいなかったぞ? おい?」
「―――?」
リードには本当に何も見えていなかった言う反応だが、俺は気のせいだとして片づけたいと言う部分もあるし、リードが声をかける中で見えた方向へと足を向け、外の通路を見渡した。
「―――――」
「―――昨日の1件と言い疲れてるんじゃないのか? 幽霊も存在しないわけではないがここには反応は一切ないぞ?」
「―――まあ、そうかもしれんな?」
見渡してみるが人の気配と言うものは一切なく、本当に何もないし、俺の気のせいだったのかもと言う反応をする中で、リードはあの独特のタバコの紫煙と言うか黒煙を吐き出しながら言い、俺は言葉通りにその通りだと言うように返した。
「―――休むか? 休むのも大事だぞ? 見てるぞ?」
「―――いや、いい? すまない、休むのも大事だが、とても眠る気にはなれない―――。」
休むかと言われたが、なんとなくだが眠る気になれず、ここまでの時間になると起きているほうが楽だし、これからのことも考えたいし、眠る気になれなかった。
「―――なににしても、一度窓開けるぞ?」
「―――ああ。」
「―――と言うか換気扇回すか?」
飛鳥と桜も普通のタバコではないと言ってたし、普通の人間が吸ったら不味いと言う部分もあるかもで、俺は言いながら服をマスク代わりにして窓へと進み、リードが応える中で窓を開けると、換気扇があると思い探し始めた。
昨日リードが初めて吸った時は飛鳥に安全位置に誘導されたが、リードの吸うタバコは酷いタバコで煙に触れるだけで皮膚が何か変な気がしたし、眼に酷く痛むほどしみた。
「―――なあ、お前休まないならオレ逆に休んでていいか?」
「は?」
眼を抑えながらリードに離れ、換気扇を運よく見つけてスイッチを押す中でリードはタバコを吸い終える中で俺にこんな時にどういうことだと言う言葉を向けて来た。
「―――朝苦手でな? 休みたいんだ? その代り、夜見てるから? いいか?」
「まぁ、いいが、俺起きてるし―――」
「OK! ありがとな?」
休むかと聞き、本当は休みたかったのはリードのようで、夜は任せろと言うように言い、俺は分担とかそう言うわけではないが、了承すると、リードは機嫌よく返事を返し、勢いよく横になった。
「―――いや、俺が年寄りなのか?」
10歳以上も歳も離れているし、若いなと思う中で俺は自分が年を取っているのだとも思ったし、何にしてもこれからどうするかと考え始め、再び外こと窓の方に眼を向けた。
「おい?! お前たち!?」
「?」
「?!」
携帯の充電はどうするべきか、渡された装備にはほかにどんなものがあるかなど、調べることはたくさんあるなと思い始めた。
陽も上ったし、適当な店なら開いてもいるし買い出しもできると思う中で後ろから男の声が聞こえ、俺は振り返り、リードは寝ていたが完全には寝ていない状態でから跳ね起きた。
「―――」
「これはお前たちじゃないのか?」
振り返ると立っていたのは昨日少女を保護しに来た若い男で、近くにいた俺に近寄り、手に持っていた新聞の記事を指さして何かを聞いてきた。
「―――」
「お前たち何をした? 警察署爆破? 麻薬組織だと? どういうことだ?」
「―――どうした?」
新聞の記事を見ると新聞の記事の写真には解像度が少し悪くモノクロームだが、俺たち2人の姿が映っていた。
記事を見ると警察署に麻薬組織が強襲したのではないかと言う記事が書かれていた。
「―――おい?!」
「―――なるほどな?」
新聞を見ていたが俺は男から新聞を奪い取り、文句を言われる中でどうしたと聞いてきたリードにこのことを聞きに来たみたいだと言うように記事を見せるとリードは確かに少し不味いなと言うように返した。
「―――昨日聖那が言ったゾンビと言い、何が起きている?!」
「―――」
「答えろ!?」
俺もある程度は知っているし、記事のことはある程度は事実だが、聞かれても答えるべきかどうかは困ると言う状況で、俺はどうすると言うようにリードに眼を向ける中で男は聞き返してきた。
『―――日本人か?』
「あ?」
『日本人かと聞いたんだ?』
リードも話すべきかと言う表情の中で男は俺にとっては懐かしい故郷の言語である日本語で不意に俺に対し日本人かと聞いてきた。
「―――他国の言語か? 中国語か?」
「―――いや、いい? 間違いだったようだ。すまない。」
「―――――?」
俺は日本語のわからないように言葉を返し、男があやまり、リードがお前日本人だろうがと言う反応をしていると思い、振り返ると案の定と言う顔をしていて、あわせろと言うように俺は表情を変えた。
「―――警察がおそらく事件解決のために出した虚言だ。」
「―――?」
「―――たとえ真実だとしてもオレたちを追い出したり警察に突き出すのは現状ではお前たちには不利益だと思うが?」
リードはわかったと言う表情をすると男に対し答えを返し、男がなんだとと言う表情を見せる中で、リードは渡すとどうなるかわかっているよなと言うように、脅しをかけて言った。
「オレたちはお前たちの味方だ。正義ではないがな?」
リードの言葉を聞き、俺は思わず軽くだが笑い、口笛を吹いた。
「―――わかった。なににしても、おとなしくしてろ? 歩き回るなよ? 聖那が目覚めたら何もかも話してもらうからな?!」
常識的と言えば変かもしれないが、眼の前にいる犯罪者とも言える2人の対処を男はできないと言う反応で、少し考えていたようだがすぐに処分を伝え、部屋を後にしていった。
「―――」
男は新聞を置いていくと言うか、俺の手に握られたままだった。
「―――何で日本人だと言わなかった?」
「―――言う必要が?」
「―――?」
男が出ていく中で俺はリードに何故あの時日本人かと聞かれた時に何故本当に日本人かと言わなかったかと聞かれ、思わずと言うように本音を口にした。
「―――日本人だと解れば通訳とかに使えるとか、都合よく引き込んで仲間にできると思われるし、現状で敵か味方かもわからない人間に友好な情報を与える必要があると思うか?」
「―――まぁ、確かにな?」
リードにとっては話し的に彼らある意味は仲間だが、俺にはわからないし、損益は正確にはわからないが、自分を不利にする情報は話したくないし、リードに理由を言うと納得してもらえた。
「―――情報は戦力だ。わかっているだろう?」
「―――」
「第二次大戦日本敗戦理由の1つだぞ? わかっているか?」
眠ろうとしていた人間に迷惑かも知れないが、俺は言葉を続けた。
「―――この時代の、日本人のお前が言うとすごみがあるが、2、3いいか?」
「なんだよ?」
「お前は日本のそう言った軍国主義者か? それと、お前の話し方だ。クセか? だれに教えられた? 英国上流階級のアクセントが強いと言うか、よく真似しているが―――?」
個人の意見と言えばそこまでだが、戦力に情報はふくまれ、情報に戦力はふくまれているし、第2次大戦後の冷戦化を超え現在でもだが戦場では情報は高い価値を持っている。
アメリカのCIA、旧ソ連のKGB、英国のMI6と、組織の名を出していけば切がないが、国家規模の諜報組織合戦が世界の運命を分けると言っても過言ではなく、職業軍人にとって情報は個人でも多大な価値を持っていると言える。
俺1人と言う普通の兵士だとすれば大げさな言葉だが、根本を見ると一国家の軍大将や元首も同一の個人であり、人や物を問わず過去の不祥事や栄光など、個体の情報が何の反応を起こすかわからない状況と言え、情報の扱いには細心の注意が必要だ。
「―――軍国主義も共産主義も嫌いだし、俺は日本も嫌いで兵士としてここに来た。それに、話し方と言えばこれが本来の英語だし、お前も黒人アクセントが見られるが? 失礼だがな?」
「―――俺は仲間に教えられたと言うか、これはハイブリッダー独自の英語方式だ。」
「誇りがある。と言うことか?」
リードは一応は仲間であるし、ある程度の情報をと言うか、話し話されたし、質問されたしで、俺はリードに質問に答えを返したが、俺はリードが白人に見えるが話し方に黒人特有のアクセントがあることに気が付いて、質問を受け逆に質問もした。
聞きなれない人間にはわからないが英語にも日本と同様に訛とも言うべきだが、アクセントが存在し、国や人種、地域によって発音が異なっている。
英語は英国が始まりの言語であり、英国英語は日本語で言う京言葉や東京での話し方にも相当し、リードに返した通り奇妙かもしれないし、日本語では米国英語が一般的で奇妙に見られるがこれで正しいと俺は思って話している状況だった。
リードもこれは事情があって話していると言うように言い、ハイブリッダー独自とも言い、自分の話し方に自身を持っているようで、俺はリードに質問を返したが、言うまでもないと言う表情だった。
これから何が起きるかわからないが、確かなことと言うか、信じられると言うか、この男を俺は信用するしかないと言う状況だった。
リードと山中こと、2人の男が話していたそのころと言う時、わたし聖那はベッドで横になり点滴を受け、半場起きているような、半場寝ているような状態だった。
ナノマシンの暴走の結果身体の調整が上手にできず、わたしの身体に極度な負担を与え、体調不良と言うか、栄養失調と言うべきか、身体中で不具合が発生して動けこそするが安静の状態になっていた。
幸いと言うのは暴走こそしたが脳も無事で、ナノマシンを使い眼を変化させて自己分析をして身体の状態を見た結果半日も寝ていれば治ると言う状態で、わたしは手を伸ばし、病室の天井を見ていた。
病室の壁や天井の色は普通は白だが、ここでは少しだが青色が混じったと言うか、うすい青色が使われ、わたしは半塲すんだ青空を見ているような気分になったと言うか、青空の下で昼寝する自分を想像していた。
「―――」
想像こそしているが、現実に眼を向けなくてはいけないと言う状況で、わたしはナノマシンを使い身体の中の状況を見ていたが、使えるようになったわたしにならばわかるが、あの戦闘のあと、高度なプログラミングが加えられていた。
わたしのナノマシン自体も未来的だが、技術的に言うと最低でも100年、最高でも500年は進んでいると言うプログラミングで、わたしナノマシンよりも高度な容量も持った極小の機械が動作してわたしのナノマシンの補佐をしているようだった。
補佐をしていると言うか、修復や誤差修正、リプログラミングと言うべきで、わたしのナノマシンはほとんど生まれ替わり始めていると言うべき状態だとも言えた。
プログラムに介入した物体も、ナノマシンが10の9乗分の1と言う極小単位で状況を踏まえあの男が与えた物なのかと考えられるが、9乗以上の、最低でも倍以上の極小単位の機械で、わたしの能力では調べられない領域だった。
「―――聖那? 大丈夫か?」
わたしは落ち着いているし、普通の状態だが、暴走状態へ突入したと言うことを踏まえ実は半場隔離されている状態で、天井を見ていると全身を防爆仕様の服に身を包んだ鈴村の姿が見え、わたしに話しかけて来た。
わたしの能力の上では防護と言う意味では役に立たないが、自分の身を守ると言う目的ではなく、わたしの後先のことを考えての行動だと言われた。
視覚的に他人から見られて自分が危険な状況だと言う認識をナノマシンにも与え、抑えられるのではないかと言うことで試しているそうだった。
「―――はい。」
身体を固定されているわけではないが、わたしは首だけを動かして返事を返した。
鈴村の来ている防爆服は身体全体を覆うもので、声も遠く聞こえる気がしたが、心配している様子がわかり、わたしは大丈夫だと言うように返事を返した。
顔色と言ったものは少し悪いように見らえるかもしれないが、それ以外は健康そのもので、わたしは本当はすぐにでも彼と話がしたいと思っていたが、状況的にすぐにかなうのはむずかしそうだった。
「―――まだ眠いか?」
「いいえ、でも、休みます。休んで、彼らと話さないといけません。」
「―――そうか?」
鈴村は心配するように聞く中で、わたしは本当はすぐに動けそうだが、彼らに不要な心配や動揺を与えたくなく、何にしてもすぐには行動に移せないと思うし、眠るように眼を閉じ、眼を閉じた鈴村の背を向け歩き去る足音が聞こえ始めた。
身体中のナノマシンが変化を始める中で、現状を維持する部分と言うか、前の部分や以上点を記憶すると言った複雑な変化がわたしの中で起きているし、害はないと言えたし、わたしは寝て待つしかなかった。
目覚めたらわたしはすぐに彼らと話さないといけないし、体力をつけないといけないと思った。
あの後と言う状況で、少しの間俺山中とリードは少し話したが、リードがやはり休みたいと言いだして昼になる前に休み出し、俺はどうすると言うこともできず、起きたままで適当に時間をつぶしている状態だった。
飛鳥から渡された装備の中には何が入っているかなど詳細に調べていく中でここで少しの間暮らしてはいける偽造のIDも存在し、装備も資金も円満な状態は何度調べても同じなので調べるのを止め、携帯を使って音楽を聴いていた。
渡されたものの中には未来で造られたものなのか使用用途が一切わからない物体も多く存在したが、後で恋やリードに聞くことにして放置した。
携帯のバッテリーの心配もあるが、バッテリーの心配よりも音楽を聞く方が精神の心配をしなくていい気がするし、予備のバッテリーを数個持ち歩いてもいたし、充電器も見つけ、気兼ねなく聞いていると言う状態だった。
状況的にサービスもないしウェブにアクセスできないし、最新の曲は聞けないが、CDからPC、携帯本体、そしてMicro SDHCカードへとポートした曲も数千曲とかなりあり、一応は退屈はしなかった。
「―――」
リードが休んでいるので派手なことはできないが歌に合わせて振付があるので踊って見たり、ゲームで遊んだり、時間をつぶせるだけのことはして、時間をつぶして時間が経過している状況だった。
身体も動かしたし、動くのを止めて集中して落ち着いたクラシック系の音楽でも聞こうとしていた時で、時間は夕方になりかけている時、状況が変わった。
「―――――」
「―――おお? 起きたか? おはよう?」
「ああ。よく寝た。」
逆に俺が眠くなり始めた頃にリードが眠りから覚め、機嫌が非常によさそうな反応で返してきた。
この時聞いていた音楽はカノンで、言い部分まで来ていたが、俺はリードが目覚めると同時に一度音を消した。
「―――クラシックからアニソンとか多種多様な音楽が聞こえたが、お前のスマフォか?」
「あ? 聞こえ、と言うか起きてたか?」
イヤホンを耳から外す中でリードは俺の方は見なかったが質問し、安眠妨害をしていたのかと言う状況だった。
「いや、睡眠中の情報を集めて処理した結果だ。」
「―――お前はどこまでできるんだ?」
「不可能を探す方が不可能だ。」
睡眠中に身体に情報を収集する機械を造りだし、目覚めると同時に情報処理して俺の聞いていた音楽を分析していたようだった。
「ラジオ体操と言い、そう言えばフロンティアの曲も全曲あったぞ?」
「―――リアルタイムで見ているんだぞ? アルバムを買った。」
踊りの中にはラジオ体操もふくまれ、何にしてもリードと俺は眼覚めの一会話と言うように話し始め、リードはタバコを取出して吸い始めた。
「―――特に何かあった。―――様子はないようだな?」
「ああ、そうだな? あれからあの男も来なかったしな?」
情報も収集してもいるし、俺が音楽を聴いている状態が続いていたし、トイレなど以外は歩き回らなかったし何かあると言う言葉は言葉通りに本当に出なかった。
「―――おお? そうだ?」
「?」
これからどうすると言うか、外も不要に出歩くのはむずかしそうだし、あの少女も目覚めていないようだし、することもないしと言う状況で、顔を合わせているとリードが何か思い出したと言うような反応を見せて立ち上がった。
「―――どうし―――?」
立ち上がるとリードは俺に近づき、手を前に出すと、手から何か黒い光と言うか、光線と言うか、粒子状の何かが俺に向かって飛んできて俺を胸部と腹部の中心あたりを包囲した。
飛んで来たとは言うが速度も遅いし触れられていると言う感触もない状態だが、確かに何かが存在しているようだった。
「―――おい? これ―――?」
「―――オーヴァーマシンだ。」
「何?」
正体不明の物体にある程度の推測ができていなかったわけではないが、リードが俺の前に出したのはオーヴァーマシンのようで、見ているうちのオーヴァーマシンは姿を不意に消したと言うか、俺の身体の中に入ったようだった。
「―――?」
「IDタグのようなものだ。身体に害はない。」
「―――ならいいが?」
原理も不明だがこの状況だしハーフハイブリッダー化させるのかとも思ったが、リードは害はないと言うように返し、俺は一安心した。
リードことハイブリッダーの能力は魅力的で便利で、不便はないように感じるし受け入れない理由はないと思うが、俺にも一応は人間ではない何かになると言う恐怖感と言うものがあるようだった。
「―――お?」
IDタグの代わりだとも言い、GPSみたいなものかと何もないが身体を見ていると、不意に眼の前のリードの服装がオーヴァーマシンの能力か、服装が着替えたわけではないが、一瞬で服装だけが変わった。
同じAGSの冬服の上着姿だったが、サングラスは変わらないが、白いシャツ以外はネクタイまで黒いスーツ、手には黒い皮手袋、頭に中折れ帽も被り、足もアーミーブーツだったが高級感漂う黒い革靴へと姿が変わった。
簡単に言うと世に言うMIBスタイルだった。
MIBとはMen In Blackの略で、黒衣の男たちと言う意味であり、宇宙人と戦う人間たちを描いた同名の海外のSF映画が存在しているが、実際のMIBは宇宙人関係の逸話で登場する正体不明の人間たちで、MIBは彼らを原形にしている。
「あ? すまん? それかせ?」
「―――え? おい?」
突然着替えてどうしたと言う状況だが、リードは不意に俺を見ると俺が首にかけていたマフラーを奪うと言うか、言葉通りかり、首にはおった。
「―――アル カポネか? お前は?」
「―――いや、俺はアンタッチャブルだ?」
「―――確かにな?」
俺の言うアル カポネとは1920年代後期から活躍始めたアメリカのシカゴで暴れたイタリア系ギャングと言うかマフィアで、マフラーをはおったリードの姿は紛れもなくアル カポネのように見えた。
アンタッチャブルだとリードは返したが、これは当時カポネが警察を買収していたが、できなった刑事や警察たちをそう呼んでいたそうだった。
手出しができないことや、触れることができない存在としてアンタッチャブルとして言い始め、リードは確かに普通の人間では触れるのは簡単ではないなとも思った。
「さ、お前の番だ?」
「は?」
不意に服装を変えてどうしたと言う状況だが、お前の番だと言われ、お前と同じこと白と言う意味だが、俺には意味の解らない状況だった。
「IDタグのような物だと言ったが、俺ほどは無理だが脳の情報を読み取りある程度の身体能力の向上や表面上の偽装は可能だ。」
「―――――」
「―――オレたちは歴史に関わっていると言っただろう? 一応は失礼でない格好をする必要があると思ったし、お前にならできる。」
説明をリードから受け、簡単に言うとある程度だがお前と同じ言葉できるかと半場疑心暗鬼な眼で見ていると、リードは理由もあわせて説明し、絶対に可能だと言うように言い切った。
「それにハーフハイブリッダー化すると互換共有とかが起きてめんどうだし、歴史にも関わる可能性もあるし―――」
「―――お? ぉぉ?」
「―――さすがだな?」
リードの話を聞きながら、俺は言葉通りならば服装がリードと同様に一瞬で変わるんだよなと言うように右腕を上げてみていると服の袖が黒いスーツと白いシャツのような姿へと変わり、見ていると一気に広がって行った。
重要なことをリードが言っていた気もするが後回しにして、反対の腕の先も変化を始め、リードよりも時間で言うと1.5倍ほどかかったが、俺はマフラーはないがリードと同じ姿になっていたと言うか、少し違う服装になっていた。
「―――トレンチコート? それに英国仕様か?」
「―――?」
「心理状態も多少反映されるからな? まぁ、オレと区別もつくしいいだろう?」
リードの言う通りで、服は同じ黒いスーツで、中折れ帽も被っているが、リードよりも高級と言うか、同じ黒だが色もふくめ外見的にだが質感も違い、ネクタイはピンで止められ、皮手袋も種類が違い合皮のようだし、靴も高級そうだが同じ合皮のようだった。
最大の外見的な違いはリードはマフラーだが、俺はスーツとは少し色が薄いが黒いトレンチコートを着ていた。
お前ことリードと違うぞと言うように見ているとリードが英国仕様かと聞いたが、事実この服にはそれらしい部分もあった。
俺もMIBのような服装をするならば本格英国紳士風にも扮したいとも考えていたこともあるし、何かと言う反応の中でリードは心理状態も反映されるとも言った。
脳の情報を読み取ると言われ、お前にならできると言われ、心理状態も反映されると言われたが俺はリードのさすがだなと言う物言いの通りに一応はものの見事にオーヴァーマシンを使いこなしたようだった。
「―――表面的な偽装だからな? 他人に化けることや透明になることもできるが、派手に動くと元に戻るかもしれないから、気を付けろよ?」
「ああ―――」
ほかに何か言うことがないのかと言う状況だが、リードは使えるのは案の定だと言う反応で、面白くないとか言う反応も返さず最後に注意点を付け足すように言い、俺はそうなのかと返すしかなかった。
「―――?」
「どうした?」
「―――だれか来る。」
未来の科学の結晶がある意味リードから見れば原始的な生物の俺に簡単に使いこなせていいのかと変化した服と言うか、腕を見ているとだれか来ると言われ、あの男が来た方向こと通路のほうに眼を向けると足音が聞こえた。
後は待てばとも言える状況だが、早すぎる気もするし、足音が聞こえたとは言うが、精神的な感覚か先ほどの男とは違い足取りは遅い気がした。
「―――――」
少しして見覚えの無い年配の男が姿をあらわした。
「―――お二人とも、よろしいですか?」
「―――ああ? かまわんが?」
俺がだれだと見ている中で、男が一瞬スーツ姿に変化した俺たちをおどろいたように見えたが話しかけ、俺が見ている中でリードは言葉を返した。
「―――」
「リード、リード ファイヤー、こいつは山中、山中一輝だ。」
「あ、わたしは鈴村大五郎と言います。」
呼び出しに来たがなんと呼べばいいかと言う表情をしている中でリードは男に名前を教え、俺の名前も教えると男こと鈴村大五郎は名前を名乗った。
あの男と言い日本人のようで丁寧な態度で頭を下げていた。
「―――ヤマナカ―――?」
「日系2世だ。」
「―――ああ、そうでしたか?」
聞きなれた日本語の単語と言うか、名前だと言うように鈴村は言って俺に眼を向け、さてどう言い訳するかと思っているとリードが適当にうそを言ってくれ、鈴村は信じたようだった。
「―――彼女が、呼んでいます。あなたと話したいと言っています。」
「―――わかった。」
名前のことはいいとして、何にしても彼女こと、少女が眼を覚ましたようで、リードが立ち上がり、俺もリードに合わせるように身体を動かした。
「―――では、こちらに―――」
警戒していると言う言葉が丸出しで鈴村は指示して来て前を歩き出した。
「行くぞ?」
「ああ?」
俺も行くのかと言う状況でリードに呼ばれたが、何にしてもオレはリードの後ろについて歩くことにした。
「―――さっきはすまんな?」
「なにがだ?」
「―――いや、何でもない?」
鈴村に見られ日本人だと言うことを現状で知られるのはよくないと思ったし、俺がどう対処しようと思っている中でリードが応えてくれたし、礼を言ったがリードは知らないふりをしてくれているようだった。
演技力と言うか、思考力と言うか、うそを言うのは俺よりもリードの方が上のようで、お前もやるなと思って俺は軽く笑って返すしかなかった。
目覚めたわたし聖那は病室のベッドに座り、2人を待っている状況だった。
眼覚めて少したった後鈴村に2人を呼んでほしいと言い、鈴村は2人の方へ行き、残った辻はと言えばわたしの前で腕を組み、気にくわないと言うか、2人が信用できないと言うか、どうするかと言う表情をしていた。
昨日の一件と言うか、朝のニュースをふくめ疑心暗鬼がないとは言えないが、わたしはと言えば2人が来るのを待ち、来たら詳しい話を聞くしかなかった。
「―――気持ちはわかりますから―――」
「―――――」
「わたしだってある意味同じようなものですよ?」
言葉通りの状況だし、わたしも普通でない状態だし、普通ではない彼らを批難することはできない状況で、辻も言葉を聞いて言い返せない状況だった。
「―――」
「鈴村さん。」
待っているとと言うか、来るころあいと言う状況で鈴村が姿をあらわすとあの時の男2人が姿をあらわした。
服装は黒いスーツ姿に変わっていたが、間違いなくあの2人で、あの時は勢いでよく見ていなかったが背の高い男と背の低い男の対照的な2人組だった。
背の高い男は髪は黒で長く、眼にはサングラスをかけ、背の低い男は先ほどと辻から聞いたが日系人の男性のようで、眼付きが悪いと言うか鋭い顔をしていた。
男とは言うが背の高い方と違い顔立ちは少し丸く角度や少し手を加えたら女性も見えそうな顔で、あの眼が二重だったら本格的な女性の顔になると思った。
「―――2人を、連れて来たぞ? 聖那?」
鈴村はわたしに声をかけ、言葉通りのことを言った。
「―――身体の方は、もう本当に大丈夫だね?」
「ええ、何にしても、彼らと話さないといけません。」
鈴村はわたしのことを聞いてきた、わたしは休んでいるひまはないと言うように言葉を返した。
「―――」
「辻さん。本当に落ち着いてください。」
話しは聞くが2人のことは信用できないと言う表情をした辻はわたしの前に立ち、これ以上近寄って話をするなと言う状況だが、わたしは下がるように言った。
「―――聖那―――!」
「―――お願いします。」
辻はこの状況で彼らの言うとおりにするのはダメだと言うように言うが、わたしは下がるように言った。
「―――それに、不用意に手を出すとわたしたちの方が危険です。」
「―――――」
昨日と言うか、夜と言うか、朝のことを考えると必然的な状況で、危険なのはわたしたちの方で、わたしが念を押すように言うと辻は後ろに下がったが、まだ信用はしてないし勘違いするなと言うように2人を見ていた。
「―――――」
「―――――」
「―――――」
背の高い男はわたしだけを見ていると言う状況でわたしに近づき見下ろし、もう一人の男はそんなに警戒するなと言うように辻を見てため息を吐き出していた。
「―――?」
背の高い男がわたしの前で被っていた帽子を手に取り、胸に当てると、わたしの前で膝をついた。
「―――――と?」
「―――――」
何事かと見ているともう一人の方も合わせるようにと言うか、遅れたが合わせるようにわたしの前で地面に膝をつき、遅れたが帽子を脱いだ。
「―――Excuse Me? Are you ORIHARA SEINA Of ORIHARA KEIGOs Daughter?」
「―――」
よく考えるとと言う状況で、膝をついたこと自体意味不明中で、わたしは鈴村や辻もいてここがアメリカと言うことも半塲忘れていたし、彼が英語で話して思わず意味を理解できない状況だった。
『―――失礼? 言葉が解りませんでしたか?』
「―――え?」
『申し訳ありません。これでもう一度言いますが、あなたは折原敬護の娘の折原聖那さんではないですか?』
言った単語の中に心なしか折原とか聖那とか、わたしの名前と言うか、警護こと父の名前も口にした気がすると思う中で彼は流暢だが奇妙な日本語で話しかけて来た。
流暢であれば奇妙とは言えないが、声が電話と言うか、無線機を通したような声で、口の動きよりも少し遅れているような気もするし、反響が起きた奇妙な声だった。
「お前?! 何者なんだ?!」
「―――」
わたし自身もおどろいているが一番に奇妙だと言う反応をしたのは辻で、男に問いかける中でわたしが待ってと言うように言いかける中でもう一人が勢いよく立ち上がって辻のほうに眼を向けた。
「Please Wait a Minute. Be Quiet!」
「―――」
英語をわたしはここに来て一応はある程度わかるようにはなり始めたが、彼は少しの間黙っとけ言うようなことを辻に言ったようで、辻が見ていると何かすると撃つと言うように銃を取り出す構えを見せ、辻は黙りこんだ。
『―――あ、申し遅れました。リード ファイヤーともうします。彼はわたしの相棒の山中一輝です。』
「―――ああ、はぁ? はい―――」
もう一人と言うか、山中は鈴村の方にも眼を向ける中でわたしの前で膝をついた男こと、リードは再び質問して来た。
「―――確かに、わたしは折原敬護の娘、折原聖那ですが? ミスターリードでしたか? あなたはいったい?」
『―――』
「―――あの?」
聞かれた質問に対してわたしは答え、逆にと言うように彼のことが気になり何者かと質問すると彼は少し眼を下に向けたかと思うと眼を背けた。
『―――不謹慎と言うか、複雑に話になりますし、信じてもらえないかもしれませんが、折原敬護と言うか、あなたの研究成果と言うべき存在です。』
「―――研究成果?」
眼を反らしていたが、彼は少し経ち迷っているひまはないと言うように答えたが、わたしは意味が解らない答えだった。
「―――そう言えば、あの時あなたはわたしとオリジナルマザーと言いましたけど? どういう意味ですか? あなたは何者なんですか? 父の敬護の研究は―――?」
『―――あなたが完成させるんです。』
思い出してみればと言う状況で、2人は暴走したわたしを止めてもいるし普通の人間とは言えないが、リードの言ったオリジナルマザーの意味も解らない状況だった。
彼が何者かもわからないし、第一研究成果と言われたが父こと敬護の研究は完成せずに終わっているし、ほかの人間とかが警護の研究を成功させた結果とも言えるし、どうすると言う中でリードはあなたが完成させると言った。
『―――そのためにわたしが、いや、オレが存在します。』
「―――――?」
付け足すように言うとリードは身体を起こしわたしを見下ろすとサングラス越しの眼が青白く光るのが見えた。
眼が確かに発光しているように見えるし、光の色は青白い特異な色で一度見ると忘れられないような色をしていた。
わたしは神の声を聞いたと言うのはこの場では冗談にならない状況かもしれないが、俺山中は話していないと言うか、俺に口も開いていないと言うか言葉を向けていない状態だがリードの声が聞こえていた。
人間ではできないと思うが脳波や電波、オーヴァーマシンを利用した特殊な通信方法で声を直に脳に届けているようで、俺は少女の部屋に行くまでに指示を出されていた。
『不可能を探す方が不便だと言っただろう?』
『特殊な方法でお前と話すと言うか通信している。』
『2人には注意しろ。』
指示されるだけ指示され、返事ができるかわからないし、できても届いているかわからない状態で、俺は心の中で一応わかったと言うように返しリードと少女こと聖那を見ていたが、リードに声をかけた若い男の方を黙らせた。
「―――?」
黙らせる中で俺はリードの言ったことと自分の情報で気になることがあった。
気になるのは何かと言えば少女の名前で折原聖那と言ったことで、俺はこの名前をここで目覚めた時に見たメールで見ていたし、確かAGSJの社長と同じ名前だったと言うか、間違いなく同じだと思った。
あの2人の男と言い、片方が鈴村と言い、少女のこともあると思うがなぜここにいるのかは放置して、疑うまでもなく、話し方も100%日本人だし、俺は少女が後のAGSJの社長なのかと少し考えていた。
彼女があのリードを能力の現況を造りだしたのかと言うことも考え、オーヴァーマシンをふくめ、俺も次期と言うか、ある意味未来で関わることになるかもしれないが、肝心なのは彼女の外見から判断される年齢だった。
推測して15、6、7に見え、俺の生きている時代ならば調度3、40代と言え社長と言う身分にもなっていると思うが、本当に彼女かと言う確信が持てず、この後もだが俺は少し後までリードに詳しくは聞かなかった。
わたし聖那と違うがよく似ているし、よく似ているが非常に似ている存在がいると言う感覚がナノマシンの力でわかっていたが、現在はナノマシンは半塲静止状態でわからなかったが、眼の前にはその存在ことリードが間違いなく存在していた。
自分自身が人間ではない存在に代わり自身に対してわからないことが多い状況で不安と言った負の感情で押しつぶされそうだが、彼はわたしとは対照的に人間ではないことを受け入れ毅然とした態度をとっているように見えた。
「―――――?」
これから何が話されると言う状況の中でリードはわたしに対して手を伸ばし、手が眼の前に迫り、眼を覆い隠した。
「―――!?」
こんな時になぜか目隠しをされたと言う意味不明な事態だが、何かと思う数秒後に、わたしの頭に異変が起きた。
ナノマシンの記録と脳の記憶、彼の伝えようとする記憶が彼の手からなのか伝達がされているようだった。
教科書と言うか、本一冊と言うか、1時間分の学校の授業と言えるべき量の情報が一瞬でわたしのナノマシンと脳に伝達され、処理され、あいまいではあるが記憶された。
「―――」
時間にして5秒と経過していないが、わたしに与えられた情報は正確に文字で表現すると本が何十冊もできそうな膨大と言うよりも広大な情報で、この時代よりも発展した技術と言うか、未来の情報が与えられた。
わたしのナノマシンはこの時代から見れば普通ではなく発展した技術ではあるが、彼とわたしでは性能は雲泥の差だった。
雲泥の差は当然で、わたしに伝達された情報の中にはナノマシンとは異なる未知の未来技術なども伝えられ、理論と言った話も通用し、彼が未来から来たのは確かな事実だったようだ。
「―――――」
「―――ご理解してもらえましたか?」
「わたしが、研究の始まり? だからオリジナルマザー?」
整理するとわたしはこのナノマシンの研究を完成させるが、成功の裏にはわたしの研究結果の発展系の能力を持った人間こと、ハイブリッダーが未来から来てわたしの研究を手伝うと言うことだ。
オリジナルマザーと言ったが、これは生物学的な子孫を意味するものではなく、学術的な子孫と言うか、後継者としての経緯を示しての言葉のようだった。
彼ことリード自身も自分もこのことを知っていたが、自分がそのハイブリッダーとは思ってもいなかったようだった。
「―――未来から来た? 第3次世界大戦? 神対人類で神敗北? ハイブリッダー? オーヴァーマシン―――?」
ほかにも聞きたい情報が存在するが、整理ができているが整理ができていないと言うか、辞書の要領で、もって入るが普段使ってないので使い慣れないと言う状態で、言葉と言うか、探している情報が出せない状態だった。
「お前? 聖那に何をした?!」
わたしが口を開く中でだれがどう見てもおかしいと言う状況の中で辻がリードに問いかけるが、もう一人ことリードは手を出すなと言うように辻の前で通るなと言うように手を上げていた。
「―――だけど、父の、研究の―――!?」
「―――それについてはオレもわからないんです。」
情報が欲しいと思い必死で情報を整理したが、わたしはある情報がないことに気が付き、リードに質問するが、同じようにわからないと返された。
何がわからないかと言うと敬護の研究のことで、敬護がどこでこの科学技術を見つけたかと言うことがわからなかったのだ。
「―――これからあなたと共に調べ、たすけ、守ります。」
「―――」
「―――オレたちの過去と未来を守ると言うこともありますが、あなたを1人の少女として守るように心がけます。」
重要な情報源と言うか、とんでもない情報を手に入れたが肝心の情報が手に入らないしどうすればいいと思っている中で、リードはわたしの前で再びひざをついた。
彼の与えた情報が正しいならば彼は未来から来たことになる上、わたしがここで研究と言うか調査を止めたならば彼の存在が否定されることになる。
空想の世界などで言われるタイムパラドックスを引き起こすと言え、彼は歴史を守ると言うこともあるが、真剣な表情でわたしを1人の少女として守ると言った。
信じるか信じないかと言われると信じられないが、あの与えられた情報と言い、彼と言う存在と言い、信じる以外に方法がないと言えたし、これから信じていき、知るしかないと言える状況にほかならなかった。




