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規格外の出来事 前編

 食事と言うか、簡単にだが食べ終えた後も真矢の戦闘訓練と言うべき状況はわたし彼方の家で続いていた。

 本当にこんなもの使って大丈夫なのかと言うおもちゃの銃を基本として、荷物の中に入れていた格闘技の教科書だと思われる本やら何やらを参考にして、服は柔道の服などに着替えるのは無理だが結構本格的なものだった。

 特に真矢が根気よく教えると言うか、よく話すのがシーキューシーとか言うものだった。

海外の軍隊が教えている格闘技だそうで、何かの単語の略称らしいがよく覚えられないし、相手が銃とか剣とかの武器を持っていることとか、殺しに来る前提で戦うそうで、武器を奪ったり押し倒したりと結構過激だった。

1階の居間で教えられ、下の階に降りる中で聖歌の書置きを見つけて真矢が一時おどろいていたが、これは放置して本題はわたしは一応は覚えたと言う程度の状態だった。

真矢は前から一度でいいからやってみたかったと言う満足げな顔をしているし、桃子は意外にも真矢の講義を熱心に聞き、何を考えているのか本気で覚えたそうな様子がうかがえた。

「―――」

 運動が苦手と言う方ではないが、あまり運動しない方だし、突然の運動で疲れたわたしは人休みと言うように居間で横になって天井を見ていた。

「桃子もやってみなって? こんど貸したげるし、おもしろいんだから?」

「年齢制限とかもあるし、本当に大丈夫なの?」

「へーきへーき? わたし始めてやったゲームバイオとメタルギアと龍が如くだよ?」

 うるさいとは思わないが、少し落ち着いて真矢と桃子は何か別世界の話に突入していた。

「暴力的になるとかうそうそ? 逆に勉強になるよ? これからのことにも学校の勉強にもね。彼方、わたしが歴史に詳しいの知ってるよね? あれゲームのおかげなんだよ?」

「そう、なの?」

 横になっているわたしも時折だが話には混じっていた。

 真矢が話している内容はゲームの話のようで、桃子にやってみるといいように進めているようだった。

 歴史に詳しいと真矢は言ったが事実そうで、学校の授業で歴史系が結構強いが、ゲームのおかげと言うのはどういうことかとわたしは少し疑問に思った。

 確かに真矢の家とかで戦国時代を舞台にしたゲームとか見たことがあるし、真矢に誘われて一緒にやってみたこともあるが操作方法が意味不明だし、人物も着色されて現実と絶対に違いすぎるだろうし、あれが勉強になるとは程遠い印象に見えた。


 自分でも少し悪い癖と言うか、家の環境の悪影響が出たとわたし真矢は思った。

 わたしはアニメとかゲームとか好きだし、男の方が好きだと言うものも結構好きだが、彼方たちには黙ってある意味普通の女の子として結構普通に生活していたし、ある意味1人で遊んでたことが災いして反動か桃子に半場押し進めていた。

 わたしがこうなったのはある意味母透子と父隼人のせいで、2人してああいったものが大好きな似たもの夫婦で結婚したらしく、わたしも子供として遺伝的と言うか、十二分な影響と言うか福音を受けたのだ。

 桃子の前で初めてやったゲームがバイオとメタルギアと龍が如くと言ったが、これも桃子が心配するように本来は12歳とか、14歳とか、18歳以上用とか年齢制限が設けられているし、本来わたしのような子供が遊ぶのは推奨されていないのだ。

 親も一応は考えてやらさなかったが、これが勝手で片方がいない時に幼いわたしに手伝って黙ってて、内緒にしてと手伝わせた結果で、現在は父や母よりもわたしの方がうまくなっている始末で後の祭りで取り返しのつかない状況だ。

 屁理屈になるかもしれないしわたし個人の場合かもしれないが、彼方みたいな普通な女の子たちと普通に生活したり遊んでもいるし、暴力を助長するとか言って子供の教育によくないとか言うが逆にうそに感じるほどだ。

 こういうゲームとか好きだけど現実で人殺しとか人殴ったりとか物を壊したりなんかわたしはしたくないし、現実がゲームみたいに気持ち悪くなったり何もかも壊れるのは悲しかったりいやにも感じる。

 彼方の前で歴史が得意とか言い、戦国BASARAとか参考にしているが、現実はあれほど派手ではないと思ってもいる。

現実と空想の違いや区別だってできているし、自分で言っても説得力に欠けるし自己中心的かもしれないが、わたしは分別ある人間だとも勝手に思っている。

だからこそ武器とか持って来たりこういうことをやっていると、少し非常識かもしれない自分の行動を正当化していることもあった。


真矢の教えてくれたことは結構これからのことに役に立ちそうだし感謝の限りだった。

自分でも何か資料を手に入れなくてはいけないが、真矢が持ってきた本もいくつか眼を通したし、特に熱心に教えてくれたCQCが特に一番役に立ちそうで、わたし桃子は気に入っていた。

ほか国の軍隊で考えられた格闘技で、よく見ると柔道とかの日本の武道にも似ている気がするが、何にしても銃のことと言い、役に立つことは確かだった。

「桃子も息抜きにやって見なさいよ? 特に最初のバイオなんか傑作よ?」

「―――よく聞いてたけど真矢がやってたなんて―――」

「意外だった~? ハハハ?」

 よく考えると他人こと彼方の家でよくもここまでと言う状況でわたしたちは暴れまわり、家主代理こと彼方は怒らずと言う状況である程度動いて疲れて横になっているようだった。

 彼方が疲れて横になっている中で、わたしがもっと詳しくなりたいなと見ている中で、真矢がゲームの話しも始めたのだ。

「メタルギアもよ? スネークって言うのが格好よくって~?」

 ある程度わたしと言い、彼方もだが知っていたが、本格的に話し始める真矢の現状はある意味カミングアウトと言う状況だとも言えた。

 彼方は長い付き合いで知っているかもしれないが、こう言ったことはどちらかと言えば男の子向けの話だし、一部の大人から見たらある意味教育に悪いとか言う部分あるし、こんな状況にしても正直に話せる相手になれたと思って少しうれしかった。

 人には人それぞれで好きなものや大事なものもあるし、悪く言われたくないと言う考えが浮かんで黙っていることや嫌いなことを好きだって言うこともあると思うし、正直になれる相手がいることがいるとは大切なことだ。

「―――ちょっ? 桃子? 大丈夫?」

 真矢が何にしても力説している中で不意にわたしに対して心配そうな眼を向けてきた。

「え?」

「眼、眼? 涙涙?」

「―――ぁ―――」

 何か思い当たることもなく何かという反応の中で、真矢は自分の顔を人差し指でだが軽くたたきながら涙出ていると言うように言い、わたしはほおに触れると涙が流れている感触があった。

「桃子ちゃん?」

「―――やだ? 何で? ゴミでも入ったかな?」

「―――桃子、あんた最近おかしいよ? 何があったの?」

 笑っているつもりだったが気づいてしまうとと言う状態で、わたしは真矢に言われて不意にだが感情がこみ上げると言うか、本格的に泣き出し始めていた。

 横になっていた彼方も真矢の言葉に反応し、わたしの顔を見て心配したのか起き上がり、真矢はわたしに近づき、手でだが涙をふき取り始めた。

「―――――」

「―――桃子? なんかあるなら言ってよ? なんかヤバいことでもおきんの?」

「桃子ちゃん?」

 大丈夫だと言うように見せるが真矢は感情が結構豊かな部分もあるが、本当に心配そうに聞き、彼方も追従して本当に大丈夫かとわたしの名を呼んできていた。

 昨日のこともあるしで、本当に心配されているようだった。

「―――こんな時に、ちょっといいかな?」

「―――――?」

「―――ぇ?」

 少し涙が出ていたが、わたしは思い切って少し複雑な家庭のことや、転校してきた理由、自殺を考えてみたこともあることを、話してみようと思った。

 不幸自慢とか、言いふらすようなことはないと思うし、この状況だし、わたしはできる限りの隠しごとは控えようとも思った。


 突然こんなこと話されてもと言う状況だった。

 話している最中に桃子が涙を流していて、わたし真矢が気にする中で、桃子は衝撃的な自分の過去を話し始めた。

 3、4際の時に父の暴力ことDVに耐えきれず母が離婚し、数年後に再婚して父親違いの弟が生まれたが原因不明で死んだこと、半狂乱になった母に殺されかけたこと、自分が死んでも仕方ないとも思い自殺まで考えていたことまでも話した。

 血縁ではないとは言え父親になった男には父親として、娘として良好な関係を持ち、精神状態の悪くなっている母を落ち着かせるために離れて暮らし始めたのが小学5年生の頃で、わたしと彼方の小学校の転校した時だとも話した。

 話した上にわたしと彼方に出会ったおかげでもう一度生きてみたいと言う意志が生まれたし、いずれ母とも和解しようとも思っているし、わたしがここで生きているのはあなたたちのおかげだとも言われた。

自殺するために引っ越しの時父に隠して持ってきたカミソリで指を怪我したことも話し、少し言いたくなかったと言うか、悲しげだが桃子はいつものように微笑んでいた。

「―――ありがとう。言って少し楽になった。」

 黙っていてごめんと言うように、桃子は手で涙をふき、これで話は終わると言うように言った。

「―――そんなことが―――」

「―――ごめんね? ずっと、言えなくって―――」

「いや?! いいよ?! 言はなくて!?」

 彼方も同様だと思うが、ほかの言葉が出てこないし、桃子は少し申し訳なさそうなかおであやまり、わたしは言う必要があるのかと言うように勢いよく返した。

「―――もう、うそ?! わたしたちのおかげって!? 生きてみたくなったって?! もう友達とか止められないじゃん?! これじゃあ親友以上の領域じゃん?!」

「―――ありがとう。真矢。―――いつも―――――」

「も~? 桃子~?」

 わたしが少し困った反応をしているといつもの調子で桃子にお礼を言われた。

桃子は結構ありがとうとか言うが、この繰り返される言葉にこれほど深い意味が込められていると思うと、わたしは普段と違い荷が重い息がするし、どうしようと言うように返すしかなかった。

「―――で、でも不幸でならわたしもでき婚だってお父さんとお母さん言ってたし、彼方も父親がろくでなしとか聖歌さん言ってたし、裁判で養育費勝ち取ったとか言ってざまーみろとか言ってたしだから一応は―――」

「―――真矢ちゃんなんでそんなに詳しく知ってるの?」

「―――よ、幼稚園の時実は保護者会議みたいなので偶然聞いちゃって? 大人になって意味を知ったと言うか? と言うか彼方話してくれなかったっけ? 話したの聖歌さんだったけ?」

 この時わたしは本当に少し慌てたと言うかある程度釣り合いをとれるようなことを言おうと思わずわたしたちのことも話し出してしまった。

 少し複雑だがわたしの両親は事実でき婚でわたしを産んだことは親から結構聞いている話で籍も入れていない世に言う内縁と言うのも置いておいて、思わず彼方の家の事情を話してしまったが、これは実際に幼稚園の時に聞いた話しだ。

 彼方の父親は名前は知らないが聖歌が妊娠して5カ月過ぎたころに捨てたそうだが、聖歌は仕返しとして本格的な裁判をして養育費の類も受け取っているそうで、この一軒家もその功績の1つとも言えるそうだ。

 聖歌の方もだが、聞いた話では父親は若いが結構なエリートだそうだ。

容姿もいい上子供をふくめよそで女の2人や3人平気で養える稼ぎもある上、政治家とかの偉い人間ともかかわりを持っていて、彼方と聖歌のことが公にばれると結構どころかかなりまずい立場にもあるそうだ。

 大人の難しい事情や、悪く言うと口止め料のような物をもらっていて彼方はある意味大人の大変悪い事情の栄養で育っているが、聖歌の母としての努力もあると思うがこんなにいい子に育っているのはある意味奇跡だとも思える。

極め付きにこれは本当に彼方には到底言えない上、うわさ程度と言うか、聖歌が口走った推測の話しだが、父親が聖歌を捨てた理由もほかの女が妊娠したためだそうで、彼方には母親が違うが同じ年ほどの異母兄弟か姉妹がいるそうだ。

「―――そう言えば、転校してきた時、桃子ちゃんちょっとと言うか、結構怖かった―――」

「―――ちょっ!? 彼方?!」

「―――」

 桃子の話を聞いた彼方はわたしの深く詮索しないでと思う心をある程度でも読んでいるか、もしかしたらこの年だし聖歌から自分のことも聞いているかもしれないが、話したことはいいとした反応した上に、思い当たる部分があると言うように言った。

ここまで来た上にこれはわたしがさすがにまずいのではないかと言う反応を返す中で、桃子はいいのと言うように微笑んで返した。

 本当は確かに彼方の言う通りで、初めて会った時の桃子は冷たしまなざしと言うか、瞳とはこう言うのを言うのかと言う表情だった。

 日本人形とかに似ているとかよく思っているが、精巧に作りすぎて人間と区別ができないと言うか、どちらが人形かわからなくなる怖さがわたしにもあった。

 転校して数か月ほどしてわたしたちと仲良くなるし普通の表情になったので、最初の時はなれなくて緊張していたと言うか、転校して悲しかったとか、反応に困っていたんだと思ったが、これほどの深い事情があるとは思わなかった。

 転校して少しした時も彼方がなれたかと言うように桃子に聞き、桃子は笑顔で返す中でこれほどの深い事情を抱えているとは思わなかったし、子供が言う言葉ではないと思うが、わたしたちは精神的に幼すぎた。

 この時をよく思い出してみると、桃子が料理で失敗して指を切ったと言ったことがあった気がしたし、あれはよく考えてみると、話を踏まえるとカミソリで切ったのではないかとわたしは考えてしまった。

 桃子は話しの中で薬指を見てたし、確かあの時カットバンしていたのは薬指だった気もわたしはしていた。

「―――死期、と言うか、鬼気迫ってたから、そう見えたんでしょうね? ごめんね?」

「―――でも、最近もそうだよ、ね?」

「―――ええ。」

 何にしてもあの時はと言うように桃子はあやまるが、彼方の質問を受けると、少し表情を変えた。

 あの初めて会った時の怖い表情ではなく、ある意味真逆とも言えるが、桃子の瞳の奥には生気と言うか、強い意志が感じられた。

「―――神さまになれるうわさは真実で、わたしたちは確かに力を手に入れている―――」

「―――――」

「これはだれにも変えられない事実―――」

 桃子はわたしたちに対して真剣に聞いてほしいと言うように言った。

「―――わたしには、未来が見えている。」

「プレコグニション? 雪乃さんが言っていた?」

「―――そう。真矢たちには、彼方には、見えないの? いえ、どこまで見えてるの?」

 桃子はわたしと彼方に対し、あのうわさの、神の力があるかないかではなく、どこまで見えていると言うか、能力の度合いを聞いてきた。

「―――わたしたちも、遥香たちのように力を使えるようになる。だけど、どこまで来ているのか―――」

「―――――桃子。」

 あの昨日彼方の元へと行けたことと言い、わたしはある意味あの2人のおかげだが、遥香から聞かされたが彼方のことと言い、桃子の銃のような物体と言い、わたしたちは徐々にだが、能力を使え始めている。

「―――そう言えば、プレコグニションだっけ? あれも? 夢も、なのかな?!」

「―――夢?」

 わたしも彼方も、桃子は少しはできているかもしれないが、自分自身では能力の度合いと言えるものを把握できていない状況だし、どうするかと言う中で、彼方は少し奇妙と言うか、個人的にかもしれないが少し引っかかる言葉を口にした。

「―――あ、リューは無理だとして、昨日ちょっとと言うかおとといだけど変な夢を見て―――」

「彼方も?」

「―――彼方も、ってことは? 真矢ちゃんも何か変な夢見たの?」

 リューは実在しているし、夢とは言えないが、彼方は奇妙な夢を見たようで、わたしが思わず昨日と言うか、同じようにおととい変な夢を見たことを思い出して言葉を返す中で、彼方も聞き返してきた。

 ある意味貴重な情報源とも言える当の本人と言うか、肝心のリューはと言えば来た時からもだが彼方のベッドで心地よく眠っている状態だった。

 見た時だが、なんとなくと言うか、わたしの気のせいだと思うが、少し身体が大きくなってやせている気がした。

「―――ぅわっ?!」

「桃子ちゃん?」

「詳しく教えて!?」

 これを待っていたと言うかのように桃子はわたしにとびかかる勢いで近づき、おどろくわたしと彼方を無視して話せと言うように言ってきた。

「なんでもいい! てがかりにな―――」

「―――桃子?」

「桃子、ちゃん?」

 桃子も必死な様子だし、わたしたちも何か考えないといけないと言うか、行動しないといけないと言う状態で、話そうとは思うし、落ち着いてほしいと言うように見ている中で桃子の表情が変わった。

 眼の色が変わったと表現する方が正しい状態で、わたしと彼方が何事かと思う中で桃子は勢いよく自分の頭を抱えた。

 自らの身を守るような動作にも見えるが、不意に激しい頭痛が起きたと言うように見られる動作だった。


 わたし桃子をふくむが、鈴もかもしれないが、能力を遥香や雪乃、能力は違うが道たちと違い使いこなせていないと言うか、制御できないと言う方が正しい表現だ。

 再びと言うようにわたしの身にプレコグニションが発動した。

 彼方たちから重要な情報が手に入りそうな時にと言う状況で、ある意味情報が手に入るから好都合と言えば好都合だが、都合が悪いと言うか不都合とも言えた。

 少しずつだが制御できているような感覚もあるが、まだ制御できないと言うか、自分の身体の能力に逆らえないと言う方が正解で、わたしの精神と言うか、脳に未来の情報が送り込まれ始めた。

「桃子? 桃子?!」

 真矢が呼んでいるが声に対する反応よりも頭痛と言うか、身体の反応が勝っていて答えられないし、わたしは叫びたいほどの頭痛を必死で我慢した。

 本当なら奇声と呼べるほどの叫び声をあげたいが、わたしは身体を小さく丸め、痛みを必死で我慢した。

 我慢すると言うか、待てば時が来ると言う状況で、わたしの眼と言うか、身体には未来の光景と言うか体験が映し出された。


 一瞬の空白の時間と言うか、未来を疑似体験する入口と言うべきか、一瞬の強く激しい白い光のあと、どこか広い場所に立っている少女と言うか、鈴の姿が見えた。

 時間も現在は正午こと午後二時を過ぎた頃だが、少し暗くなり始めている空も見え、時間が経過していることが分かった。

 見えている光景も本当はと言うと最初の時は頭痛が強くてわからなかったが、なれと言うか、うまく見られるようなったと言うべきか、どこか光景に画質の悪い映像を見ている粒子感と言うか、雑音も交じっているし、明確には見えにくかった。

 見ることが難しいとも言えるが、眼以外の感覚、言わば耳で聞く音や、鼻で感じ取る周囲のにおいが未来のほかの情報を与えてくれていた。

 耳で聞く音や、鼻で感じ取る周囲のにおいと表現したが、周囲と言うか、鈴の前だと思うが、人の金切声と言うか、悲鳴と言うか、断末魔のような声が聞こえ、灯油のような臭いが強くしていた。

「―――す―――」

 未来の記憶とは言うが間接的には現在のわたしの意志もある程度反映されているかもしれないと言う状況で、わたしは鈴にこんなところで何しているのと声をかけようとした瞬間、鈴が勢いよく振り返った。

「―――――」

 間違いなく鈴だったが、何よりも問題は鈴の表情で、わたしと同じ状況だと思うが、同じようなものが見えてここに来たが余計に意味が解らず、わたしの気配と言うか、わたしが来ることが分かって振り返ったと言うような表情だった。

「―――?」

 鈴の頭上5、6mほどの高さの場所で何かが動いた気がした。

 一体全体何かと聞かれても、何かということが全体的に理解できないのだ。

 わたしの見えている光景にも限界と言うものがあるのかもしれないが、たとえて言うと巨大で半透明な物体だった。

 巨大なガラスか、鏡か、どんなものにしても光と言うか、見えるものが変形して見えていた。

 一番妥当な表現は海外の映画「プレデター」に登場する宇宙人の身体だ。

 不気味な顔の宇宙人が人間を襲うと言う映画だが、この宇宙人が原理は不明だが身体を半透明にする装置を使って人間たちを追い詰めていくのだ。

正確な大きさは鈴の身体の大きさと言うか、推測の領域だが少し大きい乗用車一台分ほどの大きさで鈴に向かって落下しようとしているように見えた。

落下する速度は非常に早く、わたしが見ていると鈴の後ろと言うか、頭上に来て、鈴は何かが当たったことは明確で地面に倒れるように見える中で、わたしのプレコグニションは終わった。


彼方は知らないが、昨日の桃子にも同じことが起きていたことをわたし真矢は思い出した。

何が起きたからわからないと言うか、雪乃の言ったプレコグニションこと、未来予知で何かひどいものを見たと思われ、昨日はこの後勢いよくトイレに言って勢いよくはいた上、彼方が危ないとまで言いだした。

昨日もある程度だが彼方は危険な眼にあっていて、予知と言うものは当たっていたと言えるし、わたしたちにはわからないが、桃子は苦しみながらも未来を見ているとも言えた。

「―――バケツ! 彼方バケツ! バケツ持ってきて!?」

「―――え?!」

 昨日と同じことが起きるならば桃子は吐く可能性があると思い、わたしは彼方にここで吐いてもいいように大きいバケツか何かを持ってくるように指示した。

「―――バケツ?!」

「そう! バケツ!」

「わ? わかった?!」

 意味は解らないが何にしてもバケツを持って来いと言う言葉を理解したようで彼方は聞き直してきたし、わたしは急げと言うように言い、彼方は何にしても家の中にあると思うがバケツを取りに部屋を急いで出て行った。


 予知能力ではないがこの後起きるのは桃子が吐くことだと言えた。

 何が起きているかわたし彼方にはわからないが、真矢は少し慣れた反応と言うか、少し遅れたがまずいと言う反応でわたしに指示を出してバケツを持って来いと言った。

 調子と言うか、具合が悪そうと言うか、異変を起こした人間に近くにいた人間がバケツを持って来いと言えば吐くこと以外に考えられず、わたしは言うとおりにするしかなかった。

 バスルームの近くにおいていた掃除用の少し大きいバケツを手に取り、わたしは急いで2人のいる部屋に戻った。

「真矢ちゃん! 持ってきた!」

 バケツを持って戻ってきたわたしは何にしてもいいながら2人に近づくと、桃子の手が不意に真矢の肩に勢いよく触れた。

「?!」

「―――大丈夫、吐かないから―――」

「―――ちょっ?! 桃子?! 大丈夫?」

 何かわからないが、桃子は何か起きたことが終わったと言う状態で、わたしと真矢が桃子の行動におどろいている中で桃子は少し気分が悪いようだが吐くことはないことをわたしたちに伝えた。

「―――何にしても、横になった方がいいね?」

「―――そうね?」

「―――」

 真矢が桃子が吐くかもしれないと言うことに備えてバケツを用意しろと言い、わたしは用意したが、使わないようだが、桃子の様子は少し気分が悪そうな顔で、真矢に指示され、肩車されて近くのソファに向かった。

「彼方、水入れて来て? バケツに、それとタオルとか欲しい。」

「―――ぁ? うん。」

 これどうしようか、戻してくるのがいいかとバケツを見ていると真矢はわたしに指示を出してきて、わたしはまだ一応使うんだと言う反応をするしかなく、言われたとおりに動くしかなかった。

 タオルとか欲しいとも真矢は言い、ひたいを冷やすのに使うためだと思い、何にしてもわたしは少し急いだ。


 昨日よりもいいことがあればと言う状況で、いい気分と言ったことになれると言うものだが、いいのか悪いのかソファの上で横になっている桃子を見ながら、現状では微妙だとわたし真矢は思った。

 昨日と違い桃子は吐くことはなかったが、神の力に関係していると思うが、力を使うと言うか、発動する上で何か身体に変調が起きるようで、昨日ほどではないが少し疲れたような表情をしていた。

 昨日よりかは顔色もいいし、落ち着いているし、回復も早そうだが、本題は次に桃子が話す言葉だ。

「―――鈴が、危ない。」

「―――鈴?」

「鈴ちゃん?」

 これからどう桃子が出ると言う状況で桃子を見ていると、桃子は昨日彼方が危ないと言ったように、次は鈴が危ないと言った。

 何にしても昨日のようなことが鈴に起きると言うか、昨日の話を考えるとだれかが鈴を襲うのかもしれないとわたしは思った。

 危険だと言う状況を一番最後に理解したのは彼方だった。


 鈴が危ないと桃子は言ったが、この時わたし鈴は桃子の言ったことなども知るわけもないし、部活動も終わると言うか、ある程度一段落着いて帰ろうと思っている時だった。

 遥香が去って行った後わたしは少しの間どうしていいかもわからず動けない状態だったが、何にしても自分ができることをしようと、部室に戻って絵をかき続けようと思い、絵を描いて数時間ほど経っていた。

 わたしもふくむが生徒全員は創作活動に夢中で、何か食べたりトイレとかにも行くのも面倒な上、気づくと時間が経過していて、もう家に帰った方がいいと言う状況で、わたしも絵が仕上がるころ合いだった。

「―――――」

 遥香が来る前にかいていた絵を「違和感のある手足を持つ女性」と名付け、わたしは次の絵を描いていた。

 わたしはプレコグニションで見えた光景を絵に描いているが、この日はわたしをふくめだれの眼にもでもあると言うか自分の眼で見てもかなり奇妙な光景を見た上、奇妙だが精巧な絵がかけた。

 奇妙とは言うが、変とか言うものではなく、ある意味で言うと、非常に格好いいものだった。

「―――ロボット?」

 小声ではあるが、自分自身にだが問いかけるようにわたしは思わず口を開いた。

 言葉の通りで、見た光景と言うか、描いたものはロボットのような物体だった。

 ロボットとは言うが、工業製品の部品のような物ではなく、あのテレビ番組に出てくるようなロボットだった。

 身体の造りから見て特殊な鎧を着た人間には到底見えないし、人間のように2本の足で立ち2本の腕を持ち、1つの頭と胴体を持ち、身体と言うか、表面が装甲に覆われているようで、片手には銃のような物を握っているように見えた。

 絵と言うか見えた光景が薄暗くわかりにくくて詳細にかけてないが、顔も人間によく似て眼が2つと言うかカメラと言うかライトかもしれないかが光っているようにも見えた。

「―――――」

「―――夢野さん? 部室閉めるよ?」

「あ?! はい?!」

 見ているとあの高等部の副部長が声をかけ、よく見てみるとわたし以外は本格的に帰り始めている状況で、わたしも慌てて荷物を整理して部室をかけでた。

 申請などをすれば別段いくらでもいてもいいそうだが、美術部は文化部でもあるし学校の迷惑にならないようにと言う思考か、休みの日には夕方前には彼女のような先輩たちの指示で終わると言う暗黙の規則が存在していた。

高等部の生徒の一部と言うか多くはスポーツ部だが合宿とか言って寝泊りを始める豪傑も存在するそうだが、文化部は別の領域の部活になっているように見えた。

「―――すみません。」

「―――そう思うなら、1つ雑用として鍵は返しといてくれる?」

「―――あ? はい?」

 何にしても言われるように飛び出したが最後の1人と言う状況で、わたしが最後の1人になったと言うようにあやまる中で彼女は鍵を閉めると、笑顔でわたしの前に鍵を出してきて、わたしは受け取った。

「―――じゃあね?」

「―――あ、はい。」

 いじめではないと思うし、後輩に後を任せるための訓練とも言えるが、こう言ったことも1度や2度でもなかった。

わたしはある程度だが後輩としてある程度の雑用も部室内でし始めているし、彼女も同じ経験をしたのかもしれないが、数年後には彼女同様にわたしも部の中である程度で地位にあるのかもしれないとも思った。

「―――夢野さん?」

「―――あ、はい?」

 何にしても鍵を返して帰ろうと思う中で、先を少し機嫌がよさそうな様子で帰っているように見えた彼女が立ち止まりわたしの名を呼び、わたしは答えた。

「―――最近、物騒だから気を付けてね?」

「はい。」

「じゃあね。」

 振り返らず、背を向けたまま言うが、何にしてもわたしは答え、彼女はもう一度別れのあいさつを言って少し足ばやと言うか、軽くだがかけて帰って行った。


鍵を返すべき場所と言うか、鍵を補完する場所があるのだが返すとわたしはトイレに無意識に入っていた。

ある程度だがもう習慣化した行為で、わたしは部活動が終わると決まってトイレに行っていた。

行く時には行くが作業に没頭していると言うこともあるが普段は部活動中はあまり行くことは少ないし、部活動が終わるころにはある程度出したいころ合いにもなり、いらないものを捨てていくかのように出して帰るようにしていた。

 非日常的なことがわたしの身や周辺の人間にも起きているが、劇的な変化でもないし、わたしたちはある程度日常生活を続けていくしかない状況とも言える状況とも言えた。

「―――――」

 あとは帰る途中に軽く寄り道と言うか、絵を描く道具を買いに店に行くことや、ある程度おなかがすいていたら時折何かを食べて帰ると言った生活が日常化していた。

 絵を描くとは言っても絵の種類もたくさんで、わたしはそう言えば最近赤い絵の具が足りなくなっているなとトイレの中で座っていると考える中で、プレコグニションが起きた。

 赤い絵の具と言えば話の流れ的にプレコグニションの影響で書いた絵に血が多く描かれているために消費が激しいと思われるかもしれないが、絵には血は少なく、赤色が不足したのは偶然とも言えた。

 反対の青とかほかの色でも同じような反応だったと思うし、わたしは赤色でも別段不吉な予感とか言うものは一切感じていないし、問題はプレコグニションだった。

「―――――」

 わたしと桃子は確かに同じ能力を持っているが、昨日の白化の一件と言い、わたしと桃子のプレコグニションにはよく考え、比べると結構な違いが起きている。

 桃子には激しい頭痛と言うか、身体の不調が起きるがわたしには起きない上桃子よりもうまく意識的に使いこなせていると言うべきで、この時は無意識にではあるが、わたしは未来の光景を見ることになった。


 場所がどこかは正確にはわからないが屋外で、時間は考えて2、3時間は経過しているのか、違う日かわからないが時間が違うのは確かで空は薄暗く、夜が近い時間のようだが、見えたのは間違いなく桃子の姿だった。

 桃子の姿とは言うが、わたしには背を向け、何かを探すようにあわただしく左右を見るためか首と言うか、身体を小刻みに動かしているのが見えた。

 近くには彼方や真矢の姿は見えないし、遥香や雪乃は絶対に無理だし、何をそんなに本気で慌てて探しているとの言う状況だった。

「―――――と」

 わたしは桃子を呼んで見ようとする中で、桃子が勢いよく振り返った。

 表情は行動通りの慌てているような表情で、何であなたこと、わたし鈴がそこにいるのかと言う表情をしていた。

「―――――?」

 同じ言葉をそのまま返すと言う状況だが、不意にわたしは桃子の頭上5、6mほどの高さの場所に何か違和感のある物体が見えた気がして顔を上げた。

 見てみると桃子の上の方で車ほどの半透明の物体が見えた。

 半透明と言うか、視界が屈折していると言う表現が正解で、何か大きい半透明の物体と言うか、水や氷、ガラスが浮かんでいるようにも見えた。

一体全体何かと思う暇もなくプレコグニションは終わった。


 桃子と違い身体の不調は起きないが、桃子同様に本格的な制御はできていない状態で、無意識に起こすと言うか、不定期に起きると表現するべきか、勝手に起きると言うべき状態に変化はなかった。

 わたしと桃子で正確に違うと言えば能力と言うか行動力とも言え、目覚めた途端に桃子は事実確認に勢いよく動き出せたが、わたしは事実を否定して動き出せなかった。

 何でこんなことが起きると言う自問自答を続けても答えが出ないにも関わらず続け、黙っていると言うか、人にも聞けないしの状態がわたしには続いていた中で、真矢や彼方たちに会うことになった。

 確かにわたしはプレコグニションで彼女たちを見たことがあったが、見た時には何か嫌なことが起きている時が多かった。

「―――」

 昨日の夜別れる前に一応と言うように彼方や雪乃たちの携帯の電話番号やメールアドレスを教えてもらっていたことを思い出し、携帯を取り出そうとバッグに手を伸ばした。

 桃子とは正面向いてと言うか、携帯越しにでも話し合えないかもしれないが、何にしてもだれかに話した方がいいとも思ったし、彼方か真矢になら何か少し上手く言える気がした。

「―――あれ?」

 携帯を取り出そうとするが、見つからなかった。

「―――――あ?」

 こんな時にと言う時に起きる問題は起きると言うもので、わたしは携帯を家に置いてきたのではないかと思った。

「―――――」

 思ったと言うか、確かにそういう事態で、わたしは昨日家に帰った際と言うか、携帯電話を部屋の適当な場所と言うか、枕元に置いて、次の日の朝こと、この日だが置いたまま出て学校に来ていた。

 遥香と話した時に携帯の話をしたが、自分では持っていると思っての発言で、わたしは持っていなかったようで、電話しなかったと言うか、もしかしたら遥香も本当は電話したがわたしが出なかったと言う状況だったのかも知れなかった。

 遥香がわたしに電話をしたか、していないかと言う疑問は放置した。

わたしは何にしても連絡できる電話は学校にもあるが、最近多いと言うか普通だが肝心の電話番号やメールアドレスは電話に記憶させている状態で、携帯で桃子たちに連絡しなければいけないと考え、少し急いで家に帰ることにした。

「―――――まだ少し早い。」

「―――え?」

「―――でもあなたたちにならできるようになる。」

 トイレのドアを開けて出ようとした時に不意にどこかから女性の声が聞こえ、わたしは何事かと動きを止め、待っていると返事だと言うように言葉が返って来た。

 女性の声と表現したが、わたしと同じ生徒のようには聞こえず、落ち着いた大人の声のように感じた。

「―――だれか? いるの?」

ある意味盗み聞きしたような状態になるかもしれないし、少し後ろめたい状態で、ドアを開け、トイレの外を見てみるが、人の気配と言うか、わたし以外だれも入っていないようだった。

「―――気のせいかな?」

 ほかにも使っていた人間がいて先に出たかもしれないし、電話で話す外の声が聞こえたりしたのかもしれないと言う状況かもしれないとわたしは考えてドアを開けて外へと出た。

「―――まさかね?」

 携帯を取りに帰らないと思う中で、面倒だと思うと同時にわたしはあることを考えていて、手を洗っている時そんなことはないと言うように自ら口を開いて否定した。

ここで大事なことは何にしてもないと解ると不安だし、彼方たちに伝えるためにも急いで家に帰らないといけないと思って軽く走ってトイレを出た。

 何を考えていたかと言うとテレパシーとかができないかと言うことだった。

 テレビなどでも見る有名な超能力の1つで、心に思ったことと言うか、考えたことと言うか、口を閉じているが他人と話せる能力だ。

 否定したと言うか、わたしは正確にはあの声がこのテレパシーではないかと言うことと、テレパシーができるようなることを否定していた。

 テレパシーは腹話術と言うわけではなく、個人の頭と言うか、決まった人間にかもしれないし、脳かもしれないが脳に直に心に思ったことを伝えることが可能らしく、何にしても大切なのは遠くの人間ともすぐに話せる能力だ。

 いつでもどこでもできるし、だれかに逆にされたら困るかもしれないが、できたらできたで、昔はあまり考えられて無かったらしいが携帯電話のマナーみたいに、ある程度の規則もできるかもしれないとも思った。

口ではうまく伝えるのもむずかしいかもしれないが、見た物も伝えることができたら便利だともわたしは帰りながら少し考えていた。


わたし雪乃から見て遥香もだが、彼方と言い、真矢と言い、桃子と言い鈴と言い、生まれた時には携帯電話が日常生活に定着している世代だ。

わたしが生まれたころは一般的な流通はしておらず、少し年を取ったと言うか、小学生や10歳にもならない子供のころに一般普及が始まり、現在では携帯と言えば多機能型携帯電話こと、スマートフォンが一般化している。

わたしが携帯が苦手と言うわけではないが、わたしと遥香たちを比べると10歳以上も年齢差もあるし少し使いこなせてないと言うか順応性が悪いとも言えた。

インターネットの接続もできるとは言うが、わたしは機械が苦手で必要最低限の電話とメールができる程度だった。

「―――――」

 鈴の考えていたテレパシーなんてものが頭の中にあるわけでもなく、わたしは事実で横になって半場起きているか寝ている状態だった。

 職業柄夜働くことが多く昼夜は逆転しているし、子供の時も学校は行くのは嫌いではないと思ったが朝早く起きるのだけが我慢できず勉強の成績は少しよかったと言うか自力でがんばったが遅刻や寝すぎて欠席する常習犯だけは変えられなかった。

バイトと言い仕事は時間が選べるしいい気分だった。

夜に働くとは言え結構普通の仕事で、わたしはほかの時間に働いていると言う方が正解とも言え、大学卒業後に就職して上司先輩後輩問わず夜の仕事とか不規則だとか不平不満が多いが、わたしには実に快適な職場だった。

文句も言わず働くと言われ、社内の上下関係や信頼もよく、給料や待遇もよく、わたしもこの部屋は少し酷いと言うか、遥香が言うが世に言う汚部屋だが、職場に行けば立派な社会人の夏川雪乃だ。

部屋が汚いと言うか、これは神の力が手に入った後集め始めたものと言うか資料で、何か手がかりや解決策をわたしは探している状態で、捨てるに捨てられない資料だった。

「―――――ん~?」

 昨日何とか彼方たちと接触することはできたが、遥香の反応は無論悪い状態だったし、頼みの手の一つと言える道と言う少年の関係者からも有力な情報もあまり手に入らず、謎も増えるし仕事も連休だったのでわたしはある意味ふて寝状態だった。

 よかったことはと言えば白化の侵攻が収まったと言うか、劇的に解消されたことで、命の危機と言う部分もあったが、解消されるまで実は眠りづらい状況だったのでわたしは快眠を楽しんでいると言うかむさぼっているとも言えた。

「―――――」

 楽しみの時間は少ないと言うか、終りはおとずれるもので、プレコグニションが起きた。

 ある程度先の未来が見えると言う現象で、桃子と鈴によく起きているが、彼方や真矢、遥香にはあまり起きず、わたしは全員と全体的に比較すると中間ぐらいの能力の覚醒状況だった。

 遥香が実銃や剣を出していたがわたしも出せるようだし、神の御威光通りで常識外の行動もある程度はできて、プレコグニションも鈴よりかは劣るが少しは制御できていたし鈴同様に身体の不調はないが、最近何度も見るプレコグニションが数個ほどあった。

 映像が何度も繰り返されると言うか、同じ映像が出ると言うか、重要なことのようで何度言い聞かされるように同じものが見えた。

 事実結構わたしは重要に感じていたが、現実から半場目を反らそうとしていたこともあった。


 プレコグニションは言うまでもなく未来予知を意味しているが、未来予知の中で見える光景に異常が起きていた。

 現在の事態本当に異常だが、異常と言う以外に表現の方法が見つからず、1つ目としてあのぬいぐるみの怪物たちに異常が起きているのだ。

 ぬいぐるみが歩いていること自体以上で歩く様も中に人が入っていないかと聞きたくなるほど怪しいが放置して、問題は怪物たちも本来は恐竜のぬいぐるみのような外見だが、ぬいぐるみから本物の恐竜のようになっているのだ。

 本物の恐竜なんて見たことは当然ないが、図鑑や絵やテレビ番組、映画と言った作り物や最近のCGで造られたような恐竜が薄暗い場所でわたしを包囲していると言うか、わたしは怪物たちと戦っていた。

 遥香から聞いたと言うか、わたしもぬいぐるみと何度か戦ってみたことがあり、倒されると溶けて姿も形もなくすことは同一だが、外見と言うか体格もよく、身体の動きは獰猛そうに見え、威嚇するように鳴き声を上げ、わたしを確かに狙って攻撃してきていた。

 皮膚は黒く眼が光っていることも同一だが、皮膚は布のようではなくは虫類のようにひび割れて堅そうな皮膚で、眼もぬいぐるみが半場豆電球のように見えるが光が強く少しだが周囲を照らしていた。

 恐竜とは言うが異常に大きくはないが、身長はわたしと比較すれば1~2mほどはありそうで、大型と比べると小型だが、あの本能と言うか、殺意に満ちた動きや表情は紛れもない恐竜だった。

 何が起きるかわからないし、あのぬいぐるみたちが突然変異を起こしたとも言えるし、あれに集団で襲われたらいやだとも考えていた。


 2つめと言うか、次によく起きるこれが一番わたしは嫌と言うか、これを見るたびわたしは恐怖感がこみ上げていた。

 だれかにどうしてかと聞かれるとこのプレコグニションで見る光景でわたしは夜の闇の中で怪物に殺されるからだ。

 神さまになれるから不死身かもしれず、確かに傷を高速で回復させることや普通では直せない傷を治すことはできたが、わたしは不死身になれないようで、怪物に殺される光景が見えるのだ。

 見えると言うか、知らされると言うか、このプレコグニションは少し奇妙な感覚で、怪物に殺されかけているわたしの正面からの姿が見えると言うか、わたしの少し先に女性が見えてもいる状況で、その女性の視点かもしれない視点も見えていた。

 女性はわたしと同じか少し年上に見え髪が少し長く、少しいい会社ででも働いているのか高級そうな服を身に着けているように見え、首にハートをかたどったネックレスのような物が見えた。

 女性のほうに眼を向けると溶けかけている怪物の姿も見え、襲われかけている時にわたしが助けたようだが、わたしの背後には怪物がいつの間にか立っていたようだった。

 怪物と繰り返して書くが、この怪物も奇妙で、あの恐竜のぬいぐるみの怪物を本格的に恐竜にした上、さらにその上を行く姿になっていた。

 普通は身長1、2mだが3、4mほどで体格も格段によく引き締まり大柄な体型で、最大の特徴は手の指か伸びた鋭利そうな3本のつめで、長さが1m以上な上片腕を振り上げわたしにすぐにでも突き刺そうとしているようだった。

 わたしと言うか、女性が気が付いているのか、わたしは気が付かなかったにしろ、女性はわたしが殺される瞬間を見ている状況になっている。

わたしは何度も体験している部分もあるが、わたしはこの後起きることが怖くて動けないと言うか、身体も重い気がするし、何もできないと言うか、あきらめるしかない状況だった。

怪物が腕を勢いよく振り落とし、わたしの身体につめと言うか刃が突き刺さる寸前に女性は大声で何かを言うような表情を見せるが、わたしに声は聞こえず、何かと思う暇もなくつめはわたしの身体を突き抜けてわたしの胸の前に姿をあらわした。

つめと言うか刃を勢いよく突き刺された上に次は勢い良く引き抜かれたわたしと言うか、わたしの身体は無様に地面に倒れ、女性はわたしが殺された様を見ておどろいて言葉を失っているようだった。

 人が殺される瞬間なんてわたしだって見たくないものだし、彼女が見える中でこのプレコグニションは終わる。


 ほかにもあるが印象に強く残ると言うか、よく起きるのもこの最後のと言うか、3番目を含めた3つで、3つめは2つとは違う印象のことが起きていた。

 1つ目は薄暗い屋内で、2つめは真暗な夜と、暗い光景ばかりだったが、これだけは違って天気もいいし屋外で、地面には肩ほどの高さまで緑がおいしげり、透き通った青空には白い雲が浮かび、海も見え豊かな自然が広がっている光景だった。

 きれいとも言えるが、少し肌寒い感じがするし、何かわたしはこれが起きる時少しだけ感覚的だが言い知れぬ不安とはこういうことを言うのかと言う感覚が起きていた。

 この光景の中でわたしはだれかと話しているようで海と言うか、崖への落下防止の柵の前にだれかと言うか、男がわたし背を向けて立っているのが見えると男はわたしに気づいたのか振り返ってわたしを見た。

 見たと言うが髪が少し長く顔を少し覆い隠しているような髪型で、正確には遠目にだが眼が合った気がした。

 顔はわかりにくいが年はわたしと同じか年上に見え背も少し低く見え体系的に少し細く、少し落ち着いた雰囲気があるようにも見えたが、服装はミリタリーカジュアル系の服装で、少し失礼だが本格的に年を少し取り始めた中年男性のようにも見えた。

 男を見ていると口が動くのが見え、何かを言ったようだがわからず、これは未来予知と言うことで、わたしは口を動かして何かを言ったと言うか、言い返した感触を覚えたが、何を言ったかは理解できない状態だった。

 男の眼は怒っているようにも見え、待っていたから話そうこれはデートとかの楽しい話しではないし重要な話だと言う雰囲気で、わたしも彼の横へと進み横に立った。

 何を話しているか本当にわからないが、重要な話をしているようで、男の方がわたしを問い詰めているようにも感じ、男は感情を表に怒っているように話出すが、わたしは落ちついた反応で言葉を返していた。

 後少しで本当に言い争いになりそうと言う領域だが、彼もだと思うが領分を心得ているようでわたしたちは同じことを言い合い、繰り返し少し不毛な会話をしているようで、話している最中に男がだれかほかに来たと言うような反応で後ろを振り返ると終わっていた。


 プレコグニションの内容的にわかってはいるがわたしには死亡する可能性と言うか、殺される可能性が高いと言え、もしかしたら無駄な努力かもしれないが仕事以外は夜はできる限りは出歩かないようにしていた。

 昼間もと言うか、本来夜型の人間なので夕方ごろに買い物とかと言った日常の活動を始め必要最低限の暮らしをわたしはしている状況とも言えた。

昼夜は逆転しているが、ごく普通の日常生活の中で繰り返されるプレコグニションは現実から逃げている時と思う時に起こり、わたしの快眠を奪い、わたしの眼を覚まさせた。

「―――」

 彼方たちと言うか、仲間と言うか、同じ人間たちに失礼と言うか、ある程度の同じ人間もいると思うが、明日仕事なのにと思うように動き出す中で別のプレコグニションが軽くだが発動していた。

 明確には解らないが何かが起きると言う状況で、彼方たちが関わっているようで、わたしは明日仕事で体力を温存して起きたいが、大人としての面目もあるし、いかなくてはいけないなと思いながら軽く身体をほぐすために準備体操のようなことを始めていた。

 体操とは言うが半分意識が寝ているような状態でしているので、他人がみれば猿の人の真似や阿波踊りや外国の怪しい部族がする変な踊りに見えたかも知れなかった。

 わたしは普通の生活に戻りたいし、神さまなんかいなくても世の中回っていると思うし、遥香とは違うが戦えるなら戦って戦いたくない人間がいるなら助けたいし、同じ目的の仲間を集めたいとも考えていた。

 考えていたと言うと過去形だが現在でもこれは変わらない事実だし、少し態度と言うか、神の力の影響もあって性格は悪いが遥香はその第一号だし、彼方たちもだがわたしはあの子たちを一応は守ろうと考えていることだけは事実だ。

 守りたいし、戻りたいし、戦わせたくないともしたが、現状は多くの仲間と言う人間が否応なしに関わることが必然だった。


 雪乃が自分の部屋の中にいた時わたし遥香は他人から見られると何をしているんだと言う状況だが、高い塔の頂上から周囲を見渡していた。

 能力をうまく使っていると言う状況で、透明になっているわけではないが、心理や視覚効果や特殊能力と言うべきか、普通の人間や生物、カメラにはまる見えや映らないようにしているし、わたしはあの怪物や敵たちを探していた。

 隙だらけに見えるが能力もあるし上下左右どこにも視覚もないし、能力もあるが正々堂々としていたり、態度がとれる場所に立っていると意外と気づかれないし、あのぬいぐるみたちは夜でも決して襲ってこなかった。

 一夜明けたと言う状況で、わたしはあの話し合いのあと帰って少し眠った後、再びと言うか、気分も悪いし動く方が気分がいいと言う状態で、勢いよく動き出した。

 別段すぐにでも戦うと言う必要が絶対あるわけではないが、わたしは普段から雪乃の態度にも少し腹が立つし、昨日の話し合いへの強制参加のことで怒りも頂点で、相手には悪いが気晴らしがしたかった。

 雪乃には多少の付き合いもあるから大目に見るが、真矢もいずれ殴り返してやりたかったし、あの彼方の持っている生き物ことリューも本気で握りつぶしてやりたい上彼方も少し痛い眼にでもあえばいいとも考えていた。

 雪乃と比べるとプレコグニションも弱いし、わたしはどうしてと言うか、性格もあるかもしれないが実銃と言った武器を出せるし攻撃重視で、怪物を感覚的にだが探せるし、戦うことが一番いいとも考えていた。

 能力覚醒前からもだが、いじめを受けて学校を行くのをほとんど止めた状態にして、怪物狩りを優先させるようにもなり、わたしはこの能力が何にしても行動通りの戦う覚悟を決めていた。

 行動通りの戦う覚悟とは言うが、この日のわたしは収穫と言うべきか、特にないもないと言う状態が正しかった。

 夜が明けた頃に外へと出て駆け回り、普段ならば適当な群れや数のあのぬいぐるみや能力者が見つけられることや、危険な能力者が喧嘩を売ってくるが、一匹も見つからず、正午を過ぎていた。

探し疲れて休憩をしていると言う状態が正しく、わたしは塔の上に立っていたが、塔の頂上付近であおむけに倒れ少し勢いの強い風に吹かれていた。


桃子の鈴が危ないと言う発言を聞き、わたし真矢は急いでと言うか、現状ではまだ大丈夫かと聞くかのように鈴へと電話をかけたが、何度か鳴らしても連絡が取れない状況で、話し中でもないし、彼方が連絡してもダメだった。

電話にはでないのではないかと思い、一応はメールも送ったが、後でわかるが鈴が携帯電話を家に忘れている状態で、わたしも昨日のことをふくめて何か不味いことでも起きたのではないかと心配を始めていた。

桃子は昨日よりかは安定した状態で、言葉通りで本当に少し休めば動き出せそうな様子で、顔色もすぐによくなった上、わたしが何度か電話を鳴らす中で連絡ができないかと言うように身体を起こしてきた。

「桃子ちゃん、休んでて―――」

「―――」

 彼方は昨日の桃子のことも知らない状態で、わたしには大したことにないように見えるが、異常な様子の桃子を心配して桃子を寝かし直させ、うすいが毛布まで持ってきていた。

「―――携帯、持ってないんじゃないかな?」

「―――もってた―――、あ?」

 桃子を寝かせ、毛布を掛かける中で彼方はもしかしてと言うように言い、わたしが昨日番号と言いメールも教えてもらったしと言う状況の中でわたしは瞬時に彼方の言葉の言った糸を読み取った。

「持ち歩いてない?!」

「―――うん、この状況だけど、もしかしたら持ってないのかも―――、あ、バッテリー切れ?」

「―――――」

 持っていないと言う表現をよく考えると、携帯を持っているか持っていないと言う2つに分けられるが、連絡した鈴が持っているとしても持ち歩いてない場合が存在している状況だと言えた。

 彼方の言った言葉に対し、わたしの推測は当たったようで、彼方はそうだと言うように返す中で持ち歩いていない以外のもう一つの可能性も出してきた。

「―――どうする? 彼方?」

「探しに行きましょう?!」

「―――」

 持っていないこととバッテリーが切れていて、わたしたちが無駄に慌てている可能性もあるが、昨日と言い、これまでのことと言い、全く何もないとは言い切れず、どうしようとわたしが彼方に聞くと桃子は勢いよく答えを返した。

「わたしはもう大丈夫! 少し気分悪いけど昨日ほどじゃない! 行ける!」

 彼方と言い、わたしと言いまだ寝ていろと言う反応をする中で桃子は勢いよく言った。

 過去のことを話したことと言い、桃子には何か強い覚悟と言うか、わたしたちのためと言うか、自分のためでもあると思うが、強い意志が感じられる表情だった。

「―――まずは、ほかの、道とかにも連絡して見よう?」

「あ? 道にはわたしするね?」

「じゃあわたしは、と言うか、遥香は嫌だし、雪乃さん出るかわかんないし、あの2人は電話持ってないって言ってたし―――」

 考えてみると現状で事情を知っている人間で確実と言うか、一番連絡ができそうなのは少し忙しそうだが昨日より以前から連絡先を知っている道1人だけだった。

よく探せば正確には枝葉も一応ではあるが道のそばにいる可能性も高く、ほかに連絡はしても意味がなさそうだった。


 彼方から電話がかかって来た。

 だれの電話かと言えば僕道で、白夜と話している最中だった。

 ある意味最悪な事態だが、僕が聞いた情報は何にしても白夜が伊那と理沙以上に興味と言うか、関心と言うか、感覚的に理解していないと言う状況で、話しが進んでいない時に電話がかかって来た。

 確かに僕の眼から見て彼女には僕以上の能力があるようには感じるし、僕たちの身に起きていることを気づけないのは奇妙だが、彼方と遥香と言う少女が違うことと言い、個人差のような物で片付ける以外になかった。

「―――失礼します。」

「―――――」

 僕たちもだけどこれからどうするんですかと言うように白夜を見ていたし、言葉も出てこないし、家の工事業者の人間も先ほどから書類や作業の手順の話をしたいと言う顔をしてこっちを見ているが気まずくて入れない状況だった。

 幸か不幸な情報かわからないが、2人の近くにいた外国の男の人ことカークもある意味僕たちのような能力を持った仲間で、これまでは能力で移動して半場違法入国だったが、近く正式な手続きで日本に来るそうだった。

「―――彼方?」

 話を少し強引にだが中断する状態だが、何にしても現状に関わることかもしれないし、僕は出ないわけにはいかない中である意味天の助けとも言え、立ち上がり、歩きながら携帯を取出し画面を見ると彼方からの電話だった。

「―――もしもし?」

 部屋を出て戸を閉める中で僕は電話に出た。

『―――道?』

「どしたの? 彼方? 何かあった?」

 電話越しに聞こえる彼方の声は普段通りの口調に聞こえ、慌てた様子や怖がる様子、泣いているようにも聞こえず、僕は聞きなれた彼方の声が僕の名前を呼ぶ中で電話越しに彼方に何事かと質問した。

『―――あの、実は―――』

「―――何? 言って大丈夫だよ? どうしたの?」

『―――――』

 こちらからの言葉に対して反応が悪いが何にしても何か起きたのは確かなようで、僕は遠慮しないで言ってほしいが、彼方は言って大丈夫かと言うような反応だった。

「―――――ぇ」

『―――あれ? 真矢ちゃん?』

「―――ぇ? 彼方?」

 こんな時だし言うことを遠慮とかしている場合ではないと言うように僕が言いかける中で、電話越しの彼方が奇妙な反応をした。

 電話越しに向こうと言うか、彼方の声以外の現状がわからないが、近くに真矢がいるようで、真矢の身に何かが起きたような反応だった。

『真矢ちゃん? どうしたの? 大丈夫? 真矢ちゃん? どうかしたの? ねえ?!』

「―――彼方? 彼方大丈夫? 真矢近くにいるの? 真矢どうかしたの?」

 心配すると言うか、不安と言うか、困惑すると言う彼方の反応と言うか、声が聞こえ、僕は何事かと言うように聞くが、彼方は電話の向こうで本当にいるかわからないが真矢の名前を呼んでいた。

『―――真矢ちゃんの調子が? ―――ごめん。後でかけ直す。』

「え? ちょっと?! 彼方?」

『こっちと言うかそっちも大変だけど、こっちも何か起きてる。』

 真矢が本当にいるかわからないが、真矢の調子が急に悪くなったと言う反応で、彼方は僕に電話をかけて来て悪いが切ると言うように言った。

 僕が突然かけて来てまだ何も聞いてないし何の用だと言うように聞くこともできない中で彼方は電話を切った。

 こちらでは微妙な状況だが、彼方たちには進展が起きているようだった。


 電話をかけながらだがわたし彼方は真矢の言うことがもっともだと思った。

 道意外に連絡してもすぐにでも反応を返す人間はいなさそうで、失礼だが真矢の言う通り遥香は確実に無理だと言え、考える真矢のことも踏まえ、わたしは道と少しこのことを上手く話さないといけないなと考えた。

「―――なに? 何が起きてるの?」

 道に電話をかけたのはいいが何から話せばいいかなと少し考えてしまって言葉が少し出ない困った状況で、道が慌てなくていいと言うように話す中で、不意に真矢に異変が起きた。

「―――桃子ちゃんと、同じ?」

 電話で話そうとしている中で不意に真矢が両手で頭を抱え、床に膝をつき、苦しそうな声を出し始めた。

わたしは道と電話をしている場合ではないと思い、道には悪いが後でかけ直すとも言ったし、真矢が落ち着くまで真矢を見ようと思ったが、わたしは真矢のこの反応に見覚えがあると言うか、少し前に起きた桃子と症状が似ていたと言うか、そのままだった。

「―――真矢? あなた何が見えてるの?」

 同じことが起きているのかと聞くように桃子に眼を向けると、桃子は身体を起こして真矢に向けると苦しんでいるようにしか見えない真矢も気にしないと言うように真矢に質問した。


 人の嫌がることをしないとか、人の痛みを知るとか、人の大事にするものを大事にしろとか言うが、わたし真矢は桃子も同じ経験したと思われるだろう経験をして人権的な標語とかを絶対的に無視できない状況となり、言葉の意味を大絶賛で納得していた。

 人権とかを全く考えてない自己中だとかわたしは思はないが、少し自分勝手な部分もあると思うし、できる限りは行動とかには注意することがあると思っているが、これは放置して桃子も体験していたと思われる強烈なプレコグニションが不意に起きたのだ。

 彼方が電話をかける中でほかのだれかと話せたらとか、ほかにはいないのかとか少しと言うか、軽くだが考えている時に起き、激しい頭痛のような物が起きた。

 桃子もこれと同じ体験をしていたのだとすれば痛いとか言う領域で済まされない痛みで、桃子とは違うかもしれないが、脳の中心から空気と言うべきか、水と言うべきか、内臓が上向きと言うか、外に押されるような痛みだった。

 眼とか耳とか、鼻とかと言う顔の穴と言う穴から脳みそや内臓が勢いよく出たり、耐え切れず破裂したり、脳が潰れてしまうのではないかと言う痛みだった。

 

 予知能力と言うと見えると言う眼だけの情報に思われるが、疑似体験と言う表現が正解で、わたしは別の世界と言うか、異世界に一瞬で移動したような状態になっていた。

『―――――』

『―――――』

『―――――』

 頭痛は少し収まった状態で、何にしても眼を前に向けると薄暗い場所でだれと言うか、外国人だと思う人間たちが話し合っていた。

 正確に言うとわたしがいないと言うか、気づいていないと言うか、魂だけでとか、幽霊になってここに来たのではないかと言う状況で、彼らはわたしに気づいていないような反応で話し続けていた。

 外国人だとなぜ言えるかと言われると聞こえる話し声と言うか会話で、だれがどう聞いても日本語には聞こえないし、少しだけだが英語だと思う声で、彼らの容姿も髪が黒くて瞳が茶色も存在するが日本人と言うか、アジア系人らしくは全く見えなかった。

『――――――?』

「―――」

 特に眼と言うか印象に残ったのがわたしから見てわたしに背を向けている少し長い黒髪で背の高い男で、話している中でわたしに気が付いたと言うか、話している中でだれかがいないのか探して呼ぶような反応をして振り返った。

「―――ヤマナカ? 山中?」

 本当は英語ではないかもしれないし、状況的に不釣り合いな日本語らしい単語が彼から聞こえてきた。

 彼が本当にそう言ったかはわからないが、ほかの人間もあわせるように、いないだれかの名前なのか同じ言葉を言葉の中に混じって言い始めた。

本当にそう言ったのかわからないし、わたしにはそう聞こえたが、彼らは本当に山中と言っているようにわたしには聞こえた。

よく考えてみると日本人やハーフとかがいないとは限らないし、山中と言えばよくある名字だとも思うし、わたしは本当に彼らが山中と言っているのではないかと少し思った。


桃子とは状況は異なるかもしれず、わたしの場合かもしれないが、一瞬砂嵐のような物が視界全体に広がったかと思うと、テレビのチャンネルを変えたかのように周囲の光景が変わったと言うか、わたしは違う場所に立っていた。

 暗いしよく見えないがどこか西洋的な建物の中、正確には講堂と呼べるような天井と床の広い場所で、どこだと思っていると後ろから足音が聞こえた。

「―――?」

 足音がと思っていると後ろからライトか光が足元に見え、後ろからライトを手に持った人間が姿をあらわし、最初同様にわたしがいないような反応で先を歩き周囲を見わたし、先をライトで照らしていた。

 わたしよりも背が高く、大人の男のようだった。

「―――すり抜け―――、彼方?!」

 歩いている人間の歩いていた位置を踏まえるとわたしと間違いなく衝突するが、一瞬だったがわたしが透明と言うか、空気のようになってすり抜けたと実感する中で、遅れてなぜか後ろから足音が聞こえたかと思うと彼方が姿をあらわした。

 彼方は男に後ろをついて歩いているようで、彼方は不安そうな様子で無防備に当たりを見渡しているが、男は同じように不安だが警戒するように周囲を念入りにと言うように見渡していた。

 暗くてわかりにくいが男のライトを持っていない手には銃のような物も握られ、先の見えない場所に潜む何かといつでも戦える構えを見せていた。

 ゲームとか映画とか見ているわたしになら少しわかるが、彼は身体と言うか歩く姿勢も低く、ある程度の戦闘と言うか自衛隊や軍隊の訓練みたいなものを受けているようで、ライトの持ち方が戦闘独自の持ち方だった。

 ライトは普通は照明の部分を上に持ち、足元を照らすように持つが、男はライトを逆手に持ち、足元と言うよりも前に向けて先を進んでいた。

 動くのも少し早いが彼方に極力追いつけるように時折止まり、少しと言うか、一瞬でも振り返ってついてこられるか確認し、前に進む中で彼方は小走りに続いて行き、彼方たちを照らす光はわたしの眼の前で闇の中に消えていった。

 何か話しているようにも思えたが、不意な衝撃と言うように光景も切り替わり、何を言っているかは詳細には聞き取れなかった。


 身体の方は痛みで頭を抱えているようにも感じるが、眼の前に見える光景が切り替わる中で、わたしの手と言うか身体は別の動きをしていた。

 視点は前向きで眼の前には銃が握られ、弾奏を再装填している最中だった。

 この銃はわたしが持っているエアーガンと言うよりも、エアーガンと同じ実銃のようで、手に伝わる重量感と言い、弾奏の再装填の際に見えた金属製の銃弾と言い、装着されたライトやレーザーサイト、サプレッサーは本物に相違なく見えた。

 銃弾こそ出ないがモデルガンならばここまで精巧に再現されている場合も存在するが、これからのことも踏まえると偽物の銃とも少し考えにくかった。

「―――――?」

 銃の弾丸の再装填が終わるとわたしの手は下され、銃を下した方向に向けると、銃を持った手が見えた。

 わたしのこの時の意志はこの疑似体験とも言える状況で反映されているとも、されていないとも言えないと言うか、わからない状況で、わたしの眼はすぐに前を向いたが、わたしの眼は的確な情報を収集していた。

 手と言うか銃の種類から判断して相手は男だと思われるが非常に背が高いか体格がいいようで、大口径の45口径拳銃がわたしと違って小さく見えた。

 銃が改造されている部分もあるが、わたしが持っているのはH&K Mk23で大口径の45で、手の持っている銃は同じ45口径だが違う種類のSTI Edgeと思われる銃だった。

 45口径は英語の発音からフォーティーファイブと言う愛称でも言われる銃だ。

1911年に米ことアメリカ軍が正式採用したコルト社のM1911A1ガバメントをはじまりに、採用されていた45ACP弾の威力とともに高い信頼を獲得し誕生してから100年以上経過しても改良方など多くの派生型が存在している。

多くはガバメントクローンとも言われるが、わたしの持っているH&K Mk23とSTI Edgeはその中では確かに同様の45だが、ガバメントクローンとは言えない銃だ。

H&K Mk23はソーコムピストルとも言われ米軍の特殊部隊専用拳銃で難しく話すと長いが機構上ガバメントクローンとは言えない銃になっているし、STIの方はハイキャパと言われている。

ハイキャパは一見するとガバメントクローンとよく似ているが、こちらは形状や機構を生かしつつすべての部品を全面改修したものが多く、銃としての性能を高く高上させている。

よく見ると彼と言うべきか、見えた手に握られていた銃は黒基調だが実際とは違う部分が銀色の部分も存在し、改造されているように見えた。

 

3つの未来予知と言うべきか、未来と思われる疑似体験はどのくらいの時間が経過していたかわからないが、連続してわたしの身に起こり、わたしに何かを伝えようとしていると言うべきか、何かが起きることを伝えているようにも思えた。

いつまでこれが続いていたかと言うと、わたしの目線で言うと顔を前に向けた時には終わっている状況で、いつから呼んでいたのかわからないが近いような遠いような、距離がわからないが彼方がわたしを呼んでいる声が聞こえた。


真矢がわたし桃子と同じこと、言わばプレコグニションが不意に勢いよくと言えば変かもしれないが、起きて真矢にわたしにも起きた頭痛を与えているように見えた。

彼方は真矢を何度も呼ぶが答えず、わたしは何度も問いかけるが真矢は答えずと言う状況だったが、少しして頭を抱えるのを止め、床に手をついた。

真矢の顔と言うか口から少しでも落ち着くために息を整える声が聞こえるし、終わったことがわたしにはわかったが、彼方はわから無いようで起きている途中でも真矢の名前を呼び続けていた。

「――――桃子、あんたもこれと同じ眼にあったの?」

「―――真矢ちゃん?」

「―――――」

 彼方が名前を呼んでいる中で真矢はわたしに対して質問し、彼方は不意に言葉を口にした真矢に対しおどろく中で真矢は少し遅いが立ち上がった。

 質問した口調は普段の真矢と違ってかなり重々しい口調で、何か重たいものを身体全体で引きずっているような声だった。

「―――っく?!」

「あ?! 大丈夫?」

「無理しないで?! 真矢?! わかると思うけど相当きついの!」

 立ち上がったと表現したが後少しで立ち上がると言う位置まで来ると余韻と言うものが身体に残っているようで倒れかけ、彼方が危ないと言うように支え、わたしは真矢に動くとだめだと言うように少し強く言った。

「―――あ? 桃子ちゃ―――」

「わたしは大丈夫。それよりも真矢。」

「―――うん。」

 いいのか悪いのかわからないがわたしは慣れてきたと言う状態で、真矢を何とかしようと跳ね起きると彼方に心配されたが、一気に口に跳ね返し、何にしても言われると彼方は真矢をわたしが寝ていた場所に寝かした。

「―――ぅえ、脳みそ破裂しそう、爆発するかと思った―――」

「―――――」

「うわぁ、頭痛い、目玉とか内臓飛び出ると思った―――」

 半塲かれたような声で発せられた真矢の言葉は、かなり的確と言うか、同じような状況を体感したならわかる表現だと思った。

プレコグニションで起きる予知の副作用で起きる頭痛は酷い痛みだとは自分でも思ったが、真矢の表現した痛みは確かに同様のもので、思った通りの意見だとわたしは思った。

「てかその方がよかったかも?」

「―――怖いよ? それに死んじゃう。」

 不謹慎だが真矢の言う通りで、破裂したりある程度中から何かでた方が安心ではないかと思う痛みだが、彼方は冗談では済まされないと言うようにかなり困った物言いで返した。

 昨日のこともあるし、現在の彼方に死や殺しと言う言葉は少し控える状況とも言えた。

「―――――」

 能力が強くなっているのか、使いこなせるようになっているのか、見える情報が多くなっているのか、わたしは最初は終わった後はあまり何もなかったが、真矢と言い、何か副作用のような物が強くなっているようだった。

「―――大丈夫? 真矢ちゃん?」

「―――ちょっとダメ、ごめん。休ませて―――」

 副作用が能力の拡大に関係しているとも言えるが、まずはと言うように真矢を何とかしないといけないと言う状況で、彼方は言うと真矢のひたいにぬらしたタオルを置いた。

「ぁ~、つぇた~ぃ、きろちぃい~。」

 頭に冷たいタオルが置かれた真矢は心底に気持ちよさそうな反応を見せた。

「―――真矢、何か見えたの? 何が見えたの?」

「―――ごめん、役に立ちそうなもの何も見えないしわけわかんなかった~。」

「―――――そう。だけど、ありがとうね?」

 不謹慎とも言えるが現状で真矢に起きたことから貴重な情報が手に入ると思い、わたしは真矢に何が起きたか聞いたが、真矢はわたしと違い初めてかもしれないし、衝撃も大きいしで、うまく情報を集められなかったようだ。

 わたしだって人のことは言えないし、真矢には少し意味不明な言葉かもしれないが、わたしは一応と言うか、同じことになった真矢を責めるわけにもいかないし、同じ眼にあったと聞かれたし、気遣ってくれたとも思いお礼を言った。

「―――なににしても、真矢、休んで。ここはわたしと彼方に任せて。」

「―――ぅぇ~、わたしろぉ~?」

 ここで真矢を動かすわけにはいかないと言う状況で、わたしと彼方で何とかすると言い、真矢はダメ、わたしも行くとか言おうとしていると思うがだれが考えても無理だと言う風に見えた。

「―――無理だから。先に経験したわたしの意見聞いて。」

「―――ぉぅ。」

 言葉になっていないが真矢はわたしの言葉を聞くと仕方ないがわかったと言うように反応して返し、身体の力を抜いたと言うか、休み始め、わたしはこれからどうすると言うように彼方に眼を向けた。

 真矢はここに置いておくとして、わたしたちには鈴に何か危険が迫っていることが分かっているし、鈴の方へといこうと言うように合図した。

「―――鈴ちゃんのほうだね?」

「―――」

「―――真矢ちゃん。わたしたち行くね?」

 わたしが顔を向けると彼方は真矢の方に一度顔を向けるとわたしに確認するように言い、わたしが何も言わずに首を縦に動かすと、再び真矢に眼を向け、いってくると言うように言った。

 真矢は少し反応したが、普段よりもかなり反応は良くなかった。


 これからわたし彼方たちがすることは鈴を探しに行くことと言え、わたしは何にしても不意に真矢は無理な状況になったが、桃子と一緒に行くことにした。

 行くことにして、歩き出し、玄関に着く前に、わたしはあることを思いつき、自分の部屋に向かった。

「あ? そうだ?」

「―――彼方?」

 不意なことで思わず何も言わなかった状態で、桃子は方向転換した時と言い、何か忘れ物でもあるのと言うように聞いて部屋の前に来る中で、わたしはベッドで寝ているリューを起こした。

(―――ぁ? おはよ? 彼方ちゃん? いい朝だね? よく眠れた?)

「よく眠れたじゃないよ? もう2時過ぎだよ?」

(2時? この臭い?! お昼すぎちゃったの?! 寝過ごした!?)

 まだ寝ていたと言う状態で、わたしに起こされる中でリューは現在がまるで朝であるかのような反応だったが、彼方の言葉を聞き時間がすごく経過していることを実感していた。

 リューの発言と言うか、声の中には匂いと言う言葉が存在し、時間と臭いと言う因果は人間には不明だが、リューには関係あるようで、少し話したが真矢が言うには鼻が鋭いとか言っていた気がするのを思い出し本当だったのだと実感した。

「あのね? これから出かけるの。」

(―――これから? それでどうするの? 外は危ないんじゃない?)

「それでもいかないと?」

 いつものと言うか、飼い始めてと言うか、現れてだが手に抱きかかえた状態で歩き出し、何考えているのと言う表情の桃子を半場無視して、話しながらわたしは部屋を出て階段をおり始めた。 

「鈴ちゃん探しに行くの。その間真矢ちゃんお願いできる?」

(―――鈴ちゃん探しに? 真矢ちゃんお願い?)

 簡単にだがリューにしてほしいことを話すとリューはどういう意味だと言う反応で返す中でわたし真矢の眠っている場所に戻って来た。

(―――って? 真矢ちゃんどうしたの?)

「静かに、具合悪いみたいだから、休ませてるの。」

 真矢の方に眼を向けると何か起こっている状況を理解したようで、リューはわたしに質問するが、わたしは半塲黙らせるように言った。

「真矢ちゃんを見張ってて? と言うか守っててと言うか、見ていてくれる? いい?」

(―――うん。わかった。)

 わたしに言われ、リューは任せろと言うように言葉を勢いよく返してきた。

 彼が人間ならば任せろと言うように胸を叩くのではないかと言うような勢いのいい声の返しだった。

「―――あ、そうだ? 怪しい人が来たら本性を見せる時が来たなって言うんだよ?」

(―――本性? 怪しい人? 本性を見せる時が来た?)

 言って真矢の近くにリューを置く中で、わたしは少し意地が悪いと言うか、非常時のための少しは時間稼ぎになるかもしれないことを考えた。

 リュー自体が正体不明だし、話せるのを利用して、うそだが本当はものすごく強い怪物に変身することができるように見せかけようと思ったのだ。

「強くなれるおまじないだよ?」

(―――う~ん、なんかうそくさいし、だまされている気がするけど、何にしても真矢ちゃんは見てるよ。)

 リューも話せるし、頭が悪いと言うわけではなく、わたしの言葉の意味をなんとなくと言う状況で理解しているようで、少し考えるような物言いだったが、何にしても言われたとおりにするからと言うように答えた。

「ありがとうね?」

(―――うん、気を付けて。)

 何が起きるかわからないし、真矢を家に一人で置いておくと少し危ない気がしての判断だし、何にしてもわたしはリューにお礼を言ってすこし勢いよく部屋を出て行った。


 昨日の夜家に帰った後彼方の家と言うか、リューに何かが起きたのかとわたし桃子は思った。

 彼方が本性を見せる時が来たと言えと言い、リューにはわたしたちには知らないがもしかしたらとんでもない能力があるのかと思い始める中で、彼方は何にしてもわたしに外に行くよと言うように顔を合わせて部屋を出た。

「―――リューの本性って?」

「―――ぇ?」

 歩きながらわたしは何かというように彼方に質問すると彼方は何のことと言うような反応をしながら玄関で靴を履き始め、わたしも履き始めた。

「―――――ぁぁ? あれうそだよ?」

「ぇ?」

「正体不明な生き物だからね? 話したりして、少し意味不明なこと言えば人によって逃げると思うし、時間稼ぎになると思ったから。」

 少し意味不明な答えが返ってきたと言うか、靴を履き終え外に出て答えを知らされる中で、彼方は意外とあくどいと思いました。

「―――何にしても、鈴ちゃん探しに行こ? それと真矢ちゃんにも見つけたら連絡して―――」

「―――」

「どうしたの?」

 能力の速度で言えば現状で言えば彼方は攻撃面では強いが、予知と言った面ではわたしよりも遅いが、何にしても肝心なのは人間の精神面で、彼方は外に出ながら冷静な判断をしていた。

 携帯も画面を見ると鈴の番号を出していて、連絡できるのではないかと言う様子で、わたしがで見ていると何事かと言うような表情をしていた。

「―――何でもない、とにかく行きましょう?」

「うん」

 本題はいつどう言った理由でどうなるかわからないわたしたちの身体のことではなく、鈴を探しに行くことでわたしは気にする彼方に勢いよく言い、前に進み、彼方も後ろをついて歩きだした。

 昨日と言い、能力と言い、彼方のことと言い、だれにしても何が起きるにしてもある程度はなれてきたし、わたしはこの後起きることを的確に予期できておらず、少し後悔することになった。


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