十分ではない事柄
手回しと言うものがされていたようだとわたし真矢は思った。
道が姿を表して少しの間と言うか、わたしたちは思わずと言う状況で言葉を失っていたと言うか、状況的に何を言えばわからない状況の中で不意に下の方と言うか地面だと思われる場所から車のエンジン音が聞こえた。
何事かと思う暇もなくわたしたちの前に体格のいい男たちが何人も現れ半場強引に連れ去られるような形で運ばれた。
彼方は一体全体何と言う様子で一切暴れずと言うか暴れられず、わたしと言うか桃子もだが暴れるが、わたしと桃子は少しして道と枝葉が彼ら数人と話し合っている様子が見え、すぐに暴れるのを止めたと言うか、落ち着いた。
「―――――神宮寺家の人間たちみたいね?」
「―――――そうだね? だけど―――――」
道と枝葉が手荒に扱われていないし、多少手荒にも感じるが暴れているわたしたちも暴力も振るわれず、抑えるように運ばれた。
「―――ここは、とりあえずおとなしくしよ?」
「―――うん。」
第一道がわたしたちに対して何か悪いことをするとは思えず、テレビのアクションドラマの誘拐みたいに睡眠剤か何かで眠らされることもなかった。
わたしたち2人は大男の両脇に抱えられながらここは一応落ち着こうと言うように小声で話し合った。
「あ、あの? だれですか? あの、大丈夫ですから? あの?」
彼方はと言えば前を歩いている大男に同じように片脇に抱えられ、大男の小脇に抱えられたのを理解したが、なぜこんな状況なのか理解できない状況のようだった。
「―――あなたたちだれ? あの、離して? お願い? いや?」
反対の脇には声こそ小さいが鈴が暴れている姿が見え、わたしと桃子は見ているしかできず、鈴と落ち着かせたと方がいいと声をかけようと思った時に調度よく男たちは階段をおり終えわたしたちは少し勢いよく車の中に投げるように入れられた。
「―――――つ~?!」
「ふにゃ~?」
「ぅ~?」
懇切丁寧と言う様子はなくわたしたちは車内に押し込まれる形となり、わたしは頭をぶつけ、彼方は何事かまだ状況を理解できない状況で、鈴は身体が逆さになって泣き出しそうな声をあげていた。
「―――――真矢、車が出る?」
「―――え?」
頭に痛みを感じている中で一番最後に入れられた桃子はわたしを含め3人が衝撃吸収と言うか緩和剤になったようですぐに体制を立て直す中で、口を開いた。
痛みの中で大男だと思われるが小走りに走る音が聞こえ、前側だと思われるがドアが開く音も聞こえ、車を出すのかと言う中での桃子の言葉で、わたしが反応して1秒と経過しない間に車がエンジン音を鳴らした。
「―――鍵が?」
「―――ぅぉわっ!?」
「―――ん?」
車内にドアの鍵のかかる乾いた刻みのいい音が聞こえる中で桃子は思わずと言うように反応する中でエンジン音が響き渡り、わたしたちが中に入っていればいいと言う判断なのか、運転は乱暴で勢いよくバックした。
桃子の車が出ると言う言葉は動き出す時に発生する揺れと言うか慣性に気を付けろと言うものではなかった。
思わずと出たと言う言葉のようで、桃子は大きい揺れに対し声を漏らし、少し身体を揺らした程度で何とか持ちこたえたが、わたしは身体を大きく揺さぶられシートから落下した。
「いた~?」
「だいじょうぶ~?」
(大丈夫? 彼方ちゃん?)
彼方と鈴はと言えば2人はわたしたちの座っている反対側で勢いかシートとシート隙間に落下し身体が絡まっている状態になっており、彼方の手に抱えられているであろうリューの声も聞こえた。
「―――真矢、大丈夫?」
「平気、だけどまずは彼方たちね?」
「―――そうね?」
走り出す中である程度中の揺れが安定して起き上がる中で桃子はわたしの大丈夫かと聞くが、何にしてもわたしは彼方たちの方に眼を向けた。
自他ともに2人合わせて自分たちがどうなっているのかわからない状況と言う状態で、わたしたちは何にしても2人を平常な状態に戻すことが必要だと思った。
狼こと彼方たちが道と呼び、昨日会った少年が何者かと見ている中でわたし鈴は突然あらわれた大きい男たちに彼方、桃子、真矢同様に小脇に抱えられ、車の中に押し込まれ、急発進した勢いで上下左右のわからない状態になっていた。
あの女性のことや遥香のこともあるが、わからなくなっていたのはわたしだけではなく同じ男の反対側の脇に抱えられていた彼方で、わたしたちの身体は少し複雑な状態になっているようだった。
「―――はい、2人とも動かないで? いまほどくから?」
「んみゃっ?! 真矢ちゃん?!」
「だから動かないの!」
近くに彼方がいることは解るが自分の身体がどうなっているかわからない中で真矢の声が聞こえ、彼方が応える中で真矢は仕方ないと言うように言い指示を出した。
(なんなんだよ? 突然? 僕たちと言うか彼方ちゃんたちが何をしたって言うんだ?)
「―――リュ~?」
「はい、これでよし。」
真矢たちにとってはある意味慣れたものと言うか、わたしはこの時近くから道とは違う男の子のような声が聞こえる中で、平常の状態に戻り、シートに座った。
「―――え?」
(なんだよ? 僕だっておどろいてるんだ! 僕の話している言葉がわかるんだろう!?)
シートに座り、眼を横に向け、声の主を探そうとする中で彼方の手に持っていたリューと眼が合い、リューと思われる声が聞こえた。
「しゃべってる!?」
「―――だよね?」
彼方と初めて会った時にても抱えていた記憶があり、何かも一切わからず半場放っていたが、人間の言葉を話すと言う無視できない状況になっていた。
手に持っている彼方自体状況が理解できないと言う状況のようで、彼方はリューの方に顔を向けた。
これからわたし彼方を含め、真矢、桃子はどうなるのだと言う状況だった。
鈴と一緒になって動けなくなっている状態を真矢に戻してもらい、シートに座る中でわたしはリューに眼を向けていた。
あの神さまになれるうわさが本当とか言った女性があの時どうなったのかもよくわからないし、突然大柄な男に抱えられて車に押し込まれた事も意味が解らなかった。
答えの遠い近いは解らないがわたしは複数の問題の中で一番近い問題ことリューに眼が向かったとも言える。
(―――何にしても、これからどうなるの?)
間違いなく話しているし、これは部屋にいた時たすけてと言い、危ないと言い、わたしと再会した時に名前を読んだ時の声だった。
わたしたちと同じくらいと言うよりも少し幼く感じる声で、一人称も「僕」のようで男性と言うか、男の子のようだった。
「―――――たぶん道の仲間、と言うか神宮寺家の人間だと思うから、大丈夫だとは思うけど―――」
「ぇ?」
リューの疑問に対してか、心配そうなわたしと鈴に対してか答えを出したのは真矢だった。
「―――わたしたちは早急に運ばれてこの中に突っ込まれたけど、神宮寺く―――、道と枝葉さんはあの人たちと何か話してた。一応は大丈夫だと思う。」
「―――」
誘拐か何か、神のうわさが真実だとして怪しげな研究所にでも連れられて人体実験とかされると言う懸念が少し頭に浮かび始めた中の答えで、桃子も信用していいと言うように言葉を付け足した。
意識的にかこの時桃子は道を苗字の神宮寺から名前で言いかえた。
「―――桃子、身体大丈夫?」
「ん、大丈夫、少し頭痛くてだるいけど手が痛い以外は大したことない。」
話す中で桃子は少し頭が痛そうに頭を抱えるそぶりを見せ、真矢が気遣う中でそれほど心配する必要はないと言うように返した。
「―――それにしてもリュー、あなた何者なの?」
車に押し込まれ移動を始めた中でわたしたちは何にしてもどこに行くかわからずある意味危険な状態だが、わたしは一番常識的に気になる質問をリューにした。
あの初めて会った時と言い、バッグの中に入り込んでいたことと言い、話し出した時と言い、聞きたいことはたくさん存在している。
(―――僕にもわからないんだよ。)
「―――――」
(―――気が付いたらあそこにいて、彼方ちゃんに拾われて―――)
答えを出すがリューも自分のことがわからないと言う答えだが答えではない状態の言葉を返した。
(あのでっかいのが僕の仲間かどうかも解らないし、もう一人の彼方ちゃんのことも解らないし、何でバッグの中にいたのかも―――)
「―――」
(突然話せるようなったのも意味が解らないし、そりゃ言っていることが伝わってある意味助かったとも言えるけどさ―――)
急に話せるようになったと言うのは本当のようで、わたしと会った時のことも覚えているようだが、なぜこうなったと言うか、自分のこともよくわかっていないようでリュー自身も混乱しているようだった。
(―――ごめんね? 役に立てなくて?)
「―――」
大きさはハムスターほどだが全身緑色の毛に覆われていると言う正体不明の生き物ことリューはある意味飼い主であるわたしに対してあやまった。
話す様子から見て知能と呼べるものがそれなりにあるようだった。
(あ、だけどさ、これだけは信じて欲しいんだ? 僕は絶対にあのでっかいのの仲間じゃないし、仲間だとしても彼方ちゃんたち食べたりなんてしないから。絶対に。)
あやまられわたしがいいよと言う前にリューは最後と言うように勢いよくこれだけは知ってほしいと言うように言葉を返した。
(―――それにしてもさ、あのおっさん道の仲間なの?)
気のせいかとも思ったが、この時わたしはリューが本気で外見に反して少し口が悪いと思いました。
「―――確かに、ちょっと確かめないとね?」
「―――確かめるって―――?」
「彼方、鈴お願い。」
だれに言葉を教わったと言うかある意味わたしと母こと聖歌が教えたのかもしれないが、苦笑いしてリューを見ていると真矢がリューの言葉に反応して顔を運転席の方に向けた。
有無を言わせずと言うように突然現れたかと思うと小脇に抱えられ車の中に放り込まれ、わたしたちは車の中で揺られている状態で、何ができるかと言う状況の中での言葉でわたしが言葉を返す中で、桃子も真矢を手伝うと言うような表情をしていた。
車は大きい乗用車で3列式の6~8人乗、わたし桃子と真矢、彼方、鈴がすわっているのは後部座席で運転席から少し遠い距離だった。
中央の座席を超えた先に運転手が見え、大柄な男が車を運転している。
最初の発進こそ急発進で、最初は少し大きく揺れているが現在は道の家かもしれないがどこに行くかわからないが法定速度を守り道路を普通に走っているようだった。
彼方と鈴は混乱している様子だし、わたしも少し疲れている状態だが休むわけにもいかず、手の痛みは消えないが体調は少しよくなってもきたし、真矢に協力すると合図するように顔を合わせた時不意に近くで携帯だと思われるが大きな音がした。
大きな音とは言うが正確には音楽で、男の人の歌うような声が聞こえた。
「―――あ? で、電話? これ道だ?」
4人合わせて全員一声におどろいたが、冷静なのは彼方ですぐにだれから電話が来たのかすぐに判断した。
「え? 彼方?」
「真矢ちゃんの! 真矢ちゃんの携帯!」
少し考えると言うか、思い出してみれば彼方の携帯は家に置いたままだし、わたしが携帯持っていたのかと聞くように言う中で、彼方はわたしのじゃないと言うように言葉を返した。
「―――もしもし? 道?」
彼方の言葉通りで音は真矢の携帯電話の着信音のようで、彼方は真矢の道からの携帯電話の着信音を記憶していたようで、真矢は言葉に反応して携帯を取出した。
「―――ぇ? なによ?」
電話は彼方の言葉通りになっていたし、わたしが真矢の携帯電話の画面を一瞬だが見ると着信番号と神宮寺道の名前が書かれていて真矢は電話に出たが、道が何かを言ったようだった。
「―――彼方に代われ? こんな時に何言ってんよ?」
「―――わたし?」
「―――じゃなきゃ桃子に? わたしが信用できないの?」
電話は間違いなく道のようだが彼方かわたしに代われと言っているようだった。
最初は彼方に連絡しようと思ったが電話は家の中と言うかバッグの中でかけられず、真矢だと少しややこしくなりそうだと判断したのだと思った。
電話ももしかすると一度間違えて彼方の携帯にかけたかもしれないし、わたしの電話番号を道は知らないと思うしで、道も慌てている状態のようだった。
事情が事情だし説明も含めてこれから何にしても彼方たちを家に連れて行こうと思うが、半場誘拐のような状況だし、僕道は彼方たちに説明が必要と思い枝葉と一緒に乗った車に揺られる中で電話をかけた。
普段からの習慣と言うか、忘れていたと言うか、解ってはいたが一度間違えて家のバッグの中こと彼方の携帯にかけた後、何とか真矢に電話をかけた。
何故真矢と桃子がいたのかもわからず、桃子の姿が見え本当は桃子の方にかけたかったが実はそれほど親しくもないので僕は桃子の電話番号も知らず、真矢にかけるしかなかった。
『あんたね~?』
「―――とりあえずは大丈夫だから、まず彼方に―――」
真矢をまったく信頼していないわけではないが、誇張しすぎると思うし何とか話をうまく伝えられる相手と話してほかの3人に伝えるべきだと思い、彼方が桃子が適任だと思うが、真矢は変わってくれる様子を見せなかった。
『道? 道なの?』
「―――彼方? 聞こえる?」
少し遠いが彼方の声が聞こえた。
『うん。ど―――』
「とって食べるなんてしないから、おとなしくしてて!」
『―――とって食べる―――っ!?』
返事を彼方に返す中で半場強引だが聞く暇もないと言うように言葉を返す中で案の定と言うべきか、真矢が僕の言葉を聞いておどろいた反応を返した。
『違うよ? しないって言ったよ? 真矢ちゃん!?』
『―――この状況で信頼しろっての―――っ?!』
『真矢! 落ち着いて!?』
もう一人の昨日会った鈴と言う子がいたのは予期せぬ事態で、彼女は外見相応と言うか、騒ぎ立てる性格では無いようで3人の会話は傍観しているようで一応は参加はしていないようだった。
『わたしだって信じられないよ!? だけど―――』
「―――」
混乱しているのは彼方たちも同じようで電話の向こうでは3人で軽くだが言い争いになっていることが分かった。
「―――って? 枝葉さん?」
『は~い、みんな聞いて~?』
どうすれば3人を落ち着かせる言葉できるだろうと考えている中で、枝葉が僕の携帯電話を勢いよく奪い取った。
「事情も説明するし、何か役に立つことあると思うから、到着するまではおとなしくしててね~?」
「ちょっと、枝葉さん!?」
「焼け石に水だよ? 道くん?」
説明になっていないと言うか、どこに行くかも詳しく教えていないし、悪くしないからおとなしくしろと言う状況で、僕が言い返す中で枝葉は電話を勢いよく切り、僕に対して意味がないと言うように言い返してきた。
「―――だけど―――」
言い返す以前に電話がかかって来たし、かけてきたのは間違いなく真矢だと断言できた。
「―――ほら?」
事情がわからないのは僕だって同じと言う状況である程度何が起きたか聞いておきたいと言う状況で、僕は枝葉に対し返し、携帯を返してくださいと言うように手を出した。
「―――枝葉さん―――」
いやと言うように手を遠ざけ、電話を取らせる気がないと言う状況で、枝葉は電話を切った上、電源を切って僕に渡した。
電源も切られたし、僕は電話をかける以前の問題の状態になった。
電源を入れられないわけではないのは常識だが、かけるなと言われ電話も来ないと言うか根源が切られてはどうしようもなかった。
携帯電話は一定時間以上鳴らすと言うまでもないが、お留守番サービスに連絡される。
携帯を強引に変わって来たと言うか奪われたのだと思うが不意に枝葉に代わり、軽く話した後電話は切られ、わたし真矢は何事だと言うように電話をかけ直したが、電話は再び切られた。
どうなっていると言うよりも無視する気かと言う状況で、彼方と遥香、それに電話越しの声が少し大きくて聞こえ興味を持ったのか鈴がわたしに近づき耳を澄ます中で再び電話をかけると電話はお留守番サービスに連絡された。
『―――お留守番サービスに―――』
「―――も~? あいつなに考えてんのよ~? 枝葉さんも~?」
これ以上かけても仕方無い状態で電話するのをわたしはあきらめたが、不満以外の言葉は出てこなかった。
「―――真矢ちゃん、信じられないけど信じよう?」
道の変身と言い問題はこれだけではないし、数十分前までまったく違う場所にいたのに3人そろったし、どうするかと言う中で彼方が口を開いた。
「―――どー言う意味よ! 矛盾してるじゃない!?」
「―――確かにそうだけど、道もいるんだし! あの、その―――」
「―――わかったわよ―――」
確かにこの状況は信じられないが、彼方の言う通り道たちを信じるしかなかった。
あのうわさに関して情報が手に入るかもしれないし、ここで騒いでも仕方ないし、桃子は少し身体の調子悪そうで動けなさそうで、鈴は居心地が悪くて動けない状態だ。
怪我も何もないように見えて元気なのはわたしと彼方で、彼方の言葉の通りに、信じられないけど信じるしかできなかった。
車の中でおとなしくするしかなかった。
彼方の言うとおりに信じられないが信じるしかないが、何にしてもわたし桃子は一応はと言うように運転している男のほうに眼を向けた。
「―――彼方、真矢、あの人に見おぼえない?」
「―――ぇ?」
神宮寺家の人間ならば道と接している機会の多い彼方と真矢ならばよく見れば見覚えがあるのではないかと思い、わたしは男を見ながら彼方と真矢に質問してみた。
「―――――ぁれ?」
「―――確かに、よく見たら―――」
「―――道場の―――」
最初はおどろいていたが、2人は顔を向け、少しの間見ていると最初に真矢が見覚えがあると言う反応を見せ、彼方も言った通りだと言う反応で、真矢と彼方はお互いにあの人だよねと言う顔をして顔を合わせた。
「そうよ? 普段スーツじゃなくて道着とか、普段着だったしサングラスもかけてなかったし―――」
「―――名前なんだっけ?」
「50人以上いるのよ? 知るわけないじゃん?」
道場のと言い2人は彼に何か見覚えがあるようだが、明確なだれかは思い出せないと言うようだった。
車を運転しているのは一応は彼方たちの知り合いのようだとわたし鈴は思って一応は安心した中で、遥香のことと、ここに来るまでのことを思い出していた。
正確には学校にいた昼頃の、遥香と話した後のことで、わたしは遥香の姿が見えなくなったと我に返ったように動き、背を向け教室に戻った。
なんと言えばいいと言う教師やほかの生徒を放置しわたしは荷物を整理し、ここでやっと我に返り、いかせたらダメだと言うように教師が声をかけようとする中でわたしは片づけを終えて教室を飛び出していった。
追いかけるのは無理だと思ったが、わたしにはあの力があるし、力を思い切って使おうと思った。
昨日の桃子と言い、どこまでできるかわからないが、わたしは行動に移すしかなかった。
「―――――?」
人気の無い場所へ行き、腰を落ち着けプレコグニションが起きた時の感覚を思い出し、わたしは使おうとする中で、わたしは瞬時に遥香のいき先とは違う別の光景が見えた。
時間は現在の昼とは違い、夕方少し前の時間で、わたしは鉄筋コンクリート製だと思われる建物の中にいた。
ここはいったい何処かと見ていると不意に姿を表したのは見知らぬ女性でだれかと言う疑問以前に、だれかを肩に抱え昨日見た真矢と同じ服こと、近くの別の中学校の制服だった。
「―――彼方ちゃん? それに―――?」
真矢か桃子か、それとも同じ学校で違う生徒かと見ようとした中で女性がわたしに背を向けると、昨日見た彼方の姿で、女性は近くの壁に下した。
彼方は寝ているのか気絶しているのか眼を閉じて動かず、近くの壁の近くに下されると身体は力なく重力に従い壁に背を預け、首も横向きにだが少し倒れた。
女性が彼方を下す中でわたしは無意識にと言うか、視線を女性が来た左の方に向けると、視線の先に奇妙な光景と言うか、遠い地面が見えた。
だれが見ても3階以上の高さで、女性はここから軽く飛び跳ねるように姿を表していた。
「―――?」
『―――さてどうやったらこの子の力が手に入るのかしら?』
「―――?」
何をどうすればと言うか昨日の遥香のように人間外の、神の力でも手に入れば簡単かもしれないが、どうやってここまで来たと考える間もなく女性が彼方を見ながら口を開いた。
独り言と言うべきか、思わず出たと言うべきかだが、言葉は何やら意味不明だが、女性は彼方の何かを、力を狙っているようだった。
『―――ずっと殺してきたけど、力が手に入らないのは惜しいし―――』
『―――ん?』
『―――吸い込めるみたいでもないし、よこせって言ってもよこさないだろうし、殺したら意味ないだろうし―――――』
女性は半塲と言うか結構乱暴で、眠っているか気絶しているかわからない彼方のあごを手に持ち、彼方が軽く声を出す中で再び疑問そうに言った。
『―――生き胆でも食べたらいいのかしら?』
だれがどう見ても何を考えているんだと言う言葉だ。
『―――丸呑み、かなぁ?』
「―――――」
冗談か本気かと言うよりも口調が変わり、本気でと言うか女性が彼方を殺そうとしていると言う時点でわたしは現実に返った。
「―――」
わたしはできる限りのことはしようと思い、能力を使い場所を見つけ出すと急ごうと走り出した。
怖い昔話などで偉い人間や偉い人間の内臓を食べたりすれば長生きするとか、すごい力が手に入るとか、けがれと言うか悪いものがなくなるとか言うが、彼女はそれを彼方に対して実践しようとしている。
彼女に対してはある意味都合のいいことかもしれないが立派な殺人だし、彼方も助けなくてはいけないと急いで向かった。
場所も見つけ警察に連絡したが予期せぬ事態と言うか、これが失敗し警察官が返り討ちに会って殺された上、わたしも彼女に捕まり眠らされたと言うか気絶させられた。
目覚めたら目覚めたで世に言う神の偉業を見せられるが何にしても彼方に対して何かしようと思っていることは必然だし、彼方を助けようとする中で女性が突然遥香の撃った銃で殺された。
時も一瞬と言うか起きることが起きるだけ起きたと言う状態で、わたしは話し合う彼方たちの中で現在は何も言えない状態で車に揺られていた。
「―――問い詰めてみる? それとも飛び降りてみる?」
「―――ロックもかけられたし、運転中は邪魔しない方がいいし、それにわたしたちを黙らす見張りもいないし、大丈夫じゃない?」
「―――――」
真矢と桃子は交戦意欲丸出しで、彼方は2人の会話にどう入るかと言う状況で、わたしは会話に入れず、思わずと言うように顔を上げ、前方の方へと顔を向けた。
「―――鈴ちゃん? 大丈夫? なにか―――」
前方と言うか運転席と言うか、前の方に眼を向けると彼方がわたしに声をかけ顔を近づけ、同じ方向に眼を向けわたしが振り返る中で、何かが前にあると言う反応を示した。
「―――ぉにゃっ!?」
「―――ぅりょっ?!」
「―――ぁひぇっ?!」
前の方に顔を向けると車のライトの先に人影のような物が見え、見えたと思う中で車が停車し、不意な勢いで彼方と真矢、桃子は少しおもしろおかしい声を上げた。
「―――――ちょっと?! 突然止まるって―――」
「―――遥香ちゃん?」
「―――っえ?!」
真矢が運転席の方に文句を言う中でわたしは口を開き、真矢が何事かと言う反応をしてわたしのほうに眼を向けた。
人影はよく見ると2人で、ライトに照らされて半信半疑だが、1人は間違いなく遥香の姿だった。
「ちょっ?! 鈴?!」
「―――鈴ちゃん?!」
「鈴!?」
わたしは眼鏡をかけているし眼もあまりよくないし、確認したくてわたしは車のドアを開き勢いよく飛び出し走り出した。
「―――遥香ちゃ―――ん?」
「―――鈴―――」
確かに遥香だったが、遥香はもう一人に捕まえられていた。
「―――雪乃? 離しなさいよ? もう逃げないはよ? もう? そんなにわたし信用できない?」
捕まえられていると言うか、抑えられていると言うか、悪いことをして怒られて首ひっつかまれた子供と言う状態で、軽く暴れていた。
雪乃と聞こえたがまったく見知らぬ女性で年齢は二十代ほどで、暴れる遥香とは対照的に落ち着いた雰囲気の女性だった。
落ち着いた雰囲気とは言うが外見は少々大人びたと言う程度で現役の大学生か、大学を出て少し経った程度と言う外見にも見えた。
「―――遥香!? それに?! ―――だれ?」
わたしに合わせて車を降りてきた真矢も遥香を確認するが、真矢の方もと言うか彼方も桃子も女性を知らないと言う反応だった。
「―――それに、ここって?」
「道ん家?!」
女性のことも気になるが止まった場所に彼方は眼を向けると真矢も目を向け、おどろいた反応を見せた。
ここはどうやら道の家の前のようだった。
家とは言うが少し大きく、屋敷と言う方が正しく大きかった。
道こと神宮家の家は広く大きく屋敷と言うべきで、わたし桃子を含め彼方、鈴、真矢、それに突然現れた女性と遥香も家の中と言うよりも玄関と言うよりも入口の門を通された。
運転手の男が見張りだと言うように後ろを歩き、わたしたち全員は屋敷の中に入り歩き出した。
「―――」
「―――ところで、あなただれ?」
門を超えると玄関が見え、玄関にわたしたちが向かう中で真矢は女性に対して質問した。
この時遥香はまだ女性に捕まえられている状態で、離せと言っても離してくれず不満の塊のような状態になっていた。
「―――雪乃、夏川雪乃。」
「夏川、雪乃―――」
真矢の質問に対し女性こと雪乃は笑顔で答えた。
「―――霧島、真矢ちゃん? だっけ? それと空野彼方に木之本桃子、夢野鈴ちゃん?」
「―――」
真矢が雪乃と言う名前を覚えるためか、確認するためか言う中で、雪乃は真矢に対して本名を姓まで言い、ほかのわたしたち全員の名前を口にした。
「―――神の、力―――?」
「ごめんなさい? それであってる?」
真矢と言い、わたしと言い、全員がおどろき、真矢が思わず口を開く中で雪乃は少し間違ったかと言うかのように聞き返してきた。
間違いなく彼女はわたしたちと同様と言うか、神の力と呼ばれる力を持っているようだった。
「―――プレコグニション。」
「―――ぷ、ぷれこぐ―――?」
「―――簡単に言うと未来予知、あなたたちもできたでしょう?」
真矢がおどろいている中で雪乃は言葉を続け、真矢が意味不明だと言うように返す中で、雪乃は説明し、顔を前こと玄関の方へと向けた。
何があるにしてもわたし彼方を含め全員は神宮寺家の家の中に広い部屋に通された。
ここで待っていろと言うかのように部屋には何もないわけではないがここに座って待てと言うかのように座布団が部屋の片方側に整理されて置かれ、わたしたちは座布団に一応はと言うように座った。
車の運転手こと枝葉の道場の門下生はと言えば格好こそスーツだが、時代劇の武士のように数々の無礼失礼仕ったとでも言うかのように部屋の前でお辞儀すると大きい足音は立てなかったが足早に去って行った。
「―――――」
(道の家っておっきいんだね?)
リューが口を開く中でわたしはこの時なぜか少しだけと言うか一瞬とも言えるが道の母親のことをなぜか思い出していた。
道の母親こと神宮寺憂は道が物覚えがつく前と言うか、生まれて数か月後に亡くなったそうだ。
道事態物覚えがついたころにはと言う状態で、父の龍蔵や祖母の春、曾祖母の恵に育てられ、わたしもあった時にはいないと言う状態だった。
「―――これからどうなんのよ?」
なぜ思い出したかわからないし、肝心なのは道の死んだ母親の話ではなく、全員同一の疑問ではあるし、言葉に出さなければ気が済まないと言うように真矢は口を開き、足も崩して座っていた。
「―――それはこっちのセリフだ? 雪乃、どういうつもりだ? これは?」
「―――わたしも行き詰ってんのよ?」
「―――?」
遥香と一緒に来たと言うか、遥香を連れてきた女性こと雪乃に対し遥香が質問する中で、雪乃は少し疲れたと言うような物言いで返し、ため息を吐き出した。
「―――あんたはあんたで怪物退治や白化した仲間退治にしか興味がないけどね、わたしは普通の人間に戻りたいし、原因を突き止めたいし、少しでもいいしなんでもいいから情報が欲しいの。」
「―――――」
「―――古文書とか、オカルトとか、宗教の本とか読んでみたけど何の情報もないし、白化がなくなったみたいなことも起きたでしょう? それでこの事態なんだからある意味好都合でしょ?」
先ほど真矢に言った未来予知ことプレコグニションの力か、これからと言うかここでの出来事をある程度予測していたようで、雪乃は神さまになれるうわさの情報を集めているようだった。
「―――ちょっと待って? 雪乃さんって、言った? プレコグニションとか言って、未来予知とか言うけどあなたも持ってるの? あの力?」
何にしても雪乃はこれから起きることが肝心で、あなたこと遥香は少しの間おとなしくしていろと言うように言う中で、真矢が雪乃に対して質問した。
「―――それに、話をまとめると―――」
この後に続く真矢のことは言うまでもなく神の力について詳しいことを知らないのかと言うことだが、言い切る前に前の障子が勢いよく開いた。
「―――彼方。それにみんな」
障子が開くと道の姿が見え、道は部屋の中へと入って来た。
「―――道。」
「―――ど―――」
「みんな元気~?」
わたしが道を見て思わずと言うように立ち上がり、桃子も合わせるように立ち上がり、道と呼ぼうとする中で、後ろから少し場に合わない枝葉の明るい声が聞こえた。
「わぶっ?!」
明るい声な上に笑顔で動の後ろについてきて入ろうとする中で、道が勢いよく障子を閉め、障子の向こうで枝葉が激突した音が聞こえた。
「―――ごめん。突然。」
「―――道く~ん?!」
話がややこしくなるからあなたは後で来てくださいと言う反応で、道は近づいてくるわたしと桃子に対してあやまり、枝葉は道を呼びながら障子を開けて欲しいと言うように軽くだが叩いていた。
道の姿を見て立ち上がった彼方とわたし桃子は何にしてもこれから話すと言うように座りなおすように道に求められた。
悪いようにはしないのは確かなようで、物騒な気配もないと言うか、逆になんとなくだが守られている感覚もわたしは覚え、言うとおりにして座りなおしたし、彼方も合わせるように座りなおした。
道もあわせるようにと言うか、あなたたちの話し相手ですと言うように反対方向に座り、わたしたちのほうに眼を向けた。
道は座布団の上に正座して座り、行儀のいい感じがした。
「―――まず、さっきも行ったけど、突然こんなことしてごめん。」
「―――ど、道、まぁ、いいから―――」
正座して道は深く頭を下げ、彼方はいいと言うように言う中で頭を上げた。
「―――だけど、どう考えても普通のことじゃないことが起きてるし、僕に関係していることかもしれないし、真相を知りたいから、話してくれる?」
「―――」
道は何にしてもわたしたちに話してほしいと言うように口を開いた。
「―――あの光はどうして起きたの? 真矢と木之本さ、桃子はどうしてと言うかどうやってあそこに? 鈴、だっけ? 何であんな場所に? 逃げ出したあの2人は?」
「―――――」
「それに4人は僕の変身を見ただろう?」
道の質問攻めと言う状態で、わたしたちが言い返せない状況の中で動が言葉を言い終えると同時に、道の眼に異常が起きた。
眼と言うか正確には瞳で、瞳孔が縦に細くなり赤く光り出し、遥香と雪乃も含めおどろいた表情を見せた。
「―――ど―――」
「―――見たからには生かしておけないとか、怖いこととかは言わないよ。公言もしないでほしいけどね。」
いったいどうなっているのかと彼方が聞きかける中で道は言葉を返した。
「―――犬? いえ、狼? だけど、わたしたちとは違う―――?」
「―――僕の家系の能力だそうです。」
彼方がどう言えばと言う状況の中で口を開いたのは雪乃で、興味深いと言うような顔と眼をしていた。
「―――失礼ですが、2人不意に姿を表したと聞きましたが、あなた方は?」
「―――夏川雪乃と言います。」
何にしてもわたしたちは押し込まれたと言うかある程度予定に入れていたが、雪乃と遥香は予定外で道が聞くと雪乃は名乗ると頭を下げ、道もあわせるように頭を下げた。
「―――それで、こいつが―――、と言うかこの子が―――」
「―――説明不要だろうが?」
雪乃は道に対して遥香を紹介しようとする中で遥香は道と遥香から眼を反らし軽くだが暴れ、こんなところはさっさと出たいと言う反応をしていた。
「―――遥香、名乗りなさい、これからわたしたちはこの子たちと関わることになる。」
「―――入野、入野遥香。」
主導権と言うか、指揮権と言うか、遥香はある程度だが雪乃の言う通りにはするようで、嫌そうにはして少し時間差こそあったが名前を名乗った。
名乗った後ももういいだろうと言うような反応で、飛び出すのではないかと言うような状態だった。
冗談じゃないとわたし遥香はこの時思った。
確かに雪乃は曲がりなりにも協力したほうがいいとも言い、白化の侵攻が止まったと言うか壊れた謎を突き止めたいし、わたしも一応はだが害をなさない限りはある程度のことと言うか協力はするべきだと考えていた。
わからないことも多く、手も足りないが、雪乃がここまで早急に動いて彼女たちと直接的に接触するとは思わなかったし、第一わたしはこの能力ができる以前から自分で言うのなんだが人間不信の人間嫌いで、こんな風に群れるのは嫌だった。
「―――?」
「―――どうしたの? 彼方?」
4人のうちの一人こと、道の眼を見て言葉を失っていたが、彼方が不意に何かに反応し、顔を横ことこの家の庭の方に向け、道と言われている同じぐらいの少年が口を開いた。
わからないと言えばこの道もで、変身とか言い、眼も瞳が縦長く変化して赤く光りだしたが、わたしたちの仲間と言う感覚も無いし、追求すればするほどわからないことが増えている状態だった。
「―――――何か聞こえない? 鈴の音?」
「―――っえ?」
「違う違う、鈴ちゃんじゃなくて、遠くから―――」
無意識にと言うべきか立ち上がって歩き出し、道が何かと聞く中で答えると、鈴の音と言う言葉を聞き鈴が反応するが、彼方はすぐに鈴のことではなく、音のするものの方の鈴だと言うように返し、顔を外に再び向けた。
(―――確かに、聞こえるね?)
「―――――」
意味が一番解らないのが彼方の手に持っている奇妙な形の緑色の物体で、生き物のようで口の動きと会ってないように見えるが、話せるようだし、会話の内容的に知性と言うものを持っているようだった。
あのぬいぐるみの仲間かもしれないのに彼方と言い真矢たちと言い、鈴までも気になってはいるが深くも気にせずに手に抱えているのが気にくわなかった。
すぐにでも銃を取り出して撃ち込みたかったが、雪乃に怒られると面倒だし止めた。
「―――――」
「―――――」
「―――何よ? 何かあるの?」
道も何だと言うように立ち上がり彼方の横に立ち外を見始め、真矢もあわせるように立ち上がって同じ方向に眼を向けた。
「―――キツネ?」
「―――ぇ?」
真矢が2人の近くに来る中で道は口を開き、真矢と彼方は何だと言う反応を返し、わたしは外に道の言った何かがいることがわかった。
「―――」
2匹のキツネだった。
キツネとは言うが体毛が黄色と言うよりも白で、先ほど彼方が聞いた鈴の音は2匹の首の首輪にかけられた鈴の音のようだった。
絵本や童話、おとぎ話を見ているような風景で、2匹のキツネは塀の上を走っていたかと思うと庭に下り立ち、2人あわせて猫のようにじゃれあって遊んでいた。
「―――え?」
こんな場所にキツネがいるとはふつう思えない上に体毛が白いと言う貴重な種が存在するのかと思っている中で2匹のキツネが不意に2人と言うか双子の少女の姿に変化した。
正確には10か12、わたしたちよりも少し年上か、もしかしたら同じほどだった。
少女の姿に変わったが変化した瞬間にはキツネの耳と尾が飛び出ており、少し困ったような顔で2人は頭を押さえるような動作を見せると耳が頭の中に隠れたと言うか引っ込み普通の頭になりキツネの尾も身体に吸い込まれるように消えた。
おどろいたのはわたしだけでなく鈴も同じで、彼方と道、真矢は眼の前の光景を信じられないと言うように見ていた。
ここにいてあの2人を見た僕道をふくめ全員がだと思うが眼の前の現実が信じられないと思った。
僕と言う存在自体が現実的に否定される状況だが、不意に彼方が遠くで鈴のような音がすると聞き音の方向に耳を傾ける中で不意に2匹の白いキツネが姿を表し、庭で遊んでいたかと思うと2人の少女へと変身した。
2人は僕と違い変身しても服を身に着けている状態にも僕はおどろいた。
聞こえていたのは2人と言うか2人がキツネの時に首にしていた首輪のと言うかひもに着いた鈴の音で、ひもは人の姿になった彼女たちの手首に結ばれていた。
「―――稲荷大明神?」
「―――どうかしらね?」
雪乃と桃子はおどろいているが比較的に落ち着いた様子で、2匹と言うか2人が何者かを分析するような言葉を口にした。
「―――」
「こんばんは―――」
僕たちはどうすればいいと言う状況の中で少女たちは僕たちに向かってあいさつして来た。
「―――あの時の―――?」
「―――こんばんは。」
「―――ちょっ!? 彼方?!」
あいさつされたのであいさつを返すのが常識だが、状況的に返せず真矢見覚えがあると言うような言葉を口にする中で彼方が少し遅れたが返事を返し、閉じられていた障子を開いた。
真矢に注意こそされたが、彼方は少女たちに対して警戒心のかけらもない様子で、開けると少女たちに眼を向け軽くだが床に膝をついた。
道と言い変身と言うことは確かなようで細かい事情はわからないが、わたし彼方をふくめ、不意に姿を表した2匹のキツネは2人の少女へと変わり、よく見れば昨日の夜見た外国人の男の人と帰った双子の少女たちだった。
昨日の様子と言い危険な様子はわたしは感じられず、わたしたちと同様と言うか、道と同じと言うか、何か目的があって来たと言う様子で、わたしは勝手ながら2人を歓迎するようにした。
「―――昨日、会ったね?」
「うん。」
あらためてよく見てみれば間違いなく、わたしは確認するように聞く中で2人は同時に返事を返した。
「―――あの時の?」
「―――忘れてたの?」
返事が返ってくる中で道は突然の事態と言うか、ここまで来て忘れていたと言うと言うか思い出したと言う様子でおどろき、わたしは2人に対して思わずと言うように聞き返した。
「―――――」
「―――たくさん来とるのぉ?」
そう言えば昨日と言うように真矢が言いかける中で部屋の中から声が聞こえた。
「―――――おや、まだお客さんおるんかい?」
「―――ひいおばあちゃん………」
声の方向を振り返ってみると道の曾祖母こと恵の姿が見え、恵は微笑む中で道は何でいると言うように言葉を返した。
「―――どの子も、この子もちごとるなぁ? 彼方ちゃんと言い、真矢ちゃんと言い、道とはまぁるで違う。」
正確な歳は忘れたが80も過ぎ身体も小さく声も歳相応な声だが疲れた様子はなく声も明瞭で、まだ元気だと言うような声だった。
「―――庭のその子たちもあがりぃ? なかようせんとな?」
「―――――」
来るものは拒まずと言う様子で恵は歓迎すると言うように手招きして言い、一息吐き出すと近くの座布団を手に取り静かに座り込んだ。
小さい身体を丸め込み、小さい身体は余計に小さくなったように感じられた。
「―――ひいおばあちゃん、違うって―――」
「―――あの子立ち上がってからじゃ―――」
恵の言うことが気になり道が恵に近寄り質問しようとする中で恵は道の言葉を止めた。
「―――おじゃましまーす。」
道の言葉を止める中で2人は家の中へと上がり込んだ。
「―――おうちににてるね~?」
「ね~?」
2人は上がりながらお互いに顔を合わせて話し、異口同音と言うように言葉を返していた。
2人の言葉の真偽は解らないがこの道の家は彼女たちの家に似ているようだった。
「―――昨日の外国の、背の高い人、お父さん? いないの?」
2人が上がり込む中でわたしは昨日のあの男のことが気になり思わず質問していた。
「―――あれはカークさん。わたしたちと契約してるの~」
「―――契約?」
「―――時給制とか言ったけ?」
聞いてみたが余計意味不明な事態になった。
「お父さんは仕事で海外行ってる~。なんてて言うんだっけ? あ、しゃちょ~?」
「しゃちょ~さん」
整理するとあの男はカークと言う名前で本当に外国人のようで、彼女たちの父親では無いようでわたしたちと言うか、彼女たちに関係する何かと契約して時給制で働いているようだった。
父の方は会社経営をしている職種のようだった。
「―――はい、座布団。」
「ありがと~、お姉ちゃ~ん。」
真矢の方は少々警戒している様子だが一応はと言うように室内に入って来た2人に座布団を進め、2人はお礼を言い最初から部屋にいましたと言うように座って落ち着いた。
鈴はだれかとおどろき遥香は警戒し、雪乃と桃子は顔が合うと軽く笑顔を向け、2人も笑顔を向けていた。
「―――ひいおばあちゃん、本題なんだけど………」
「―――――ごめんなぁ、ぜんぜんわからん。」
何にしてもここに招いたのは僕だし仕切り直しが必要だと言うように道が恵に聞く中で恵は少しも迷った様子も見せず、少し言うのが遅れたと言うように答えを返した。
「―――鬼みたいなもんとは違うんよぉ? 道の仲間とも違うんよぉ? だぁけどねぇ、物凄い強い力を感じるんよ。年取ってあんま眼ぇ見えんようになったけども、気配と言うか、そういうものがよう見えると言うかわかるんよ?」
「―――けは、い?」
「―――鬼?」
恵は語り始め何かわかる人間に言えばわかると思うがわたしから聞くと意味の解らない言葉を口にした。
ある意味当事者の道も意味が分かっていないみたいで、わたしも言葉の中で意味不明な言葉を復唱した。
「―――とぉくに、彼方ちゃんだ。真矢ちゃん、桃子ちゃんだったか? あんたたちは強くてにとるがすこしちごうとる。次は双子のあんたら、次は、残り3人、だけど、あんたらは彼方ちゃんたちによう似とる。」
「―――?」
「―――だけどなんか違う。」
わたし以外の人間を見て言うが、わたしたち個人と言うか、神の力の詳細について迷っていると言うかわからないと言う物言いで、言い終えると恵は首を申し訳ないと言うかのように左右に振った。
「―――にとるけどにてない、にてないけどにとる。」
「―――――――――」
「―――道も集中して見て見ぃ? すぐに気付く―――」
神の力の話だと思われるが、話を聞く限りはわたしと真矢、桃子は同じもので、あの双子はわたしたちと違い、鈴、遥香、雪乃は似たものだが違うものと言う答えのようだった。
答えとは言うが明確な答えとは言えず、道に対して恵は口を開き、道は合わせるようにわたしたちに眼を向け始めた。
不意に巨大な狼になったことと言い、瞳が変化することは意味が解らないが、道はあの少し怖い眼で何かを、わたしたちには見えない何かを見ているようだった。
状況は彼らと言い、彼方と言い、わたし雪乃と言い、この場の全員が同じような状況のようだった。
人前と言うか公に言えない信じられない力がある日手に入ったが、手に入り方は人それぞれで違い、似ている部類と違う部類が存在するし、何にしてもだれもだれかの能力についての詳細は知らないようだった。
彼方、真矢、桃子が同じグループ、双子が同じグループ、わたしと遥香、それに鈴が同じグループで、彼こと彼方が道と呼んでいる少年だけがわたしたちとは明確に違う存在のようだった。
わたしたちと言うべきだが鈴たちまでをふくめ神の力だと思われる力を持ち、彼だけは神とは違う力を持っていると言えた。
「―――失礼ですが、えっと?」
「―――恵よ、恵って言うが、もうひいおばちゃんでいいよ。あんたは?」
「―――雪乃、夏川雪乃と言います。」
神の力についてこの場では情報はえらえないかもしれなかったが、わたしは少しでも情報が欲しいと思い、女性こと恵に質問しようと声をかけたがこの時名前を知らず迷う中で名前を教えられ、わたしも名乗って頭を下げた。
「―――わたしたちは、ある日突然、人間外の力と言うか、神の力と言うべき力に目覚めました。」
「―――――神、さま? ほぉ?」
「―――そうとしかたとえようがないんです。ものすごく強力と言うか、信じられないと言うか、常識外れと言うか―――」
わたしは恵が聞き返してきた中で言葉を続け、何にしてもと言うように説明を続けた。
「―――その上、怪物にまで襲われるようになるしで、―――その前にあなたたちについて、教えてくれませんか?!」
「―――――」
「―――わたしたちは、何も知らないんです。突然こんな力に眼覚めて、困っているんです。だれでもいいから、情報が欲しいし、何でもいいから助けて欲しいんです―――――」
わたしの心の奥底の本音だった。
わたしの場合はだが突然現れた外国人に話した後少し経った後のことだった。
何も気にすることなしにある日帰宅した夜と言うか翌朝のことで、夜飲み終え新しいのを買ってこないといけないと思った飲料水がいつの間にか補給されていた。
買いに言った覚えもないし、もらった覚えもないし予備もなかったしで、少しずつ異変が起こり始め、気づけば現在の時点へと到達していた。
「―――――」
「―――――めぐみさ―――」
「―――嫌とは言うとらん。」
少しでも手助けが欲しいし、怪物や仲間狩りをする人間に襲われると人間が存在すると思うと恐ろしいし、情報が欲しいと言うように言いかける中で、恵は困ったように言葉を返した。
「―――道もじゃろう?」
「―――――うん。」
いやとは言ってないと言うように恵は返し、ひ孫と言うか道に対しても手伝うよなと言うように聞く中で、道は少し間が開いたが、首を縦に動かして返事を返した。
否定すると言う意志ではなく、できる事ならできる限りのことをすると言うような反応だった。
「―――――だけどどこまで力になれるかわからんのよ? わたしもあんたたちが道とは違うと言うことぐらいで、道も似たようなもんよ?」
「―――――」
「どうかね? 道? 見えたかい?」
先ほど恵は道に対して見て見ろと言うように言い、あの人ではないように変化した独特の瞳で何かを見ているような状態の道に対し、恵は質問した。
「―――確かに、僕も、みんなが似てるけど、似てないようなものにしか見えない。」
「―――――些細なことでもいいんで―――――」
「―――君たちは?」
道も恵と同じ何かを見る能力がるようで、見終わる中で恵と同じような答えを返し、わたしがそれでもかまわないと言いかける中で道は話を双子の少女へと振った。
2人はと言えば正座して座っている状態で話を聞いていたが、話を振られ少しおどろいたか、先ほどとは違い耳と尾が再び飛び出した。
耳と尾の出現はある程度感情の起伏に左右されるようで、2人は飛び出した気配を確認したのか頭を押さえるそぶりを見せ、少しすると耳は引っ込んだ。
わたし理沙と伊那は男の子こと、道に質問された。
どちらかと言えばわたしたちも何が起きているかわからないと言う感覚だ。
未来予知と言うべきかプレコグニションの類が全くないわけでもないし、先ほどの真矢のことと言い、母親のことも踏まえると知っていると言えば知っているが、この場では少々非現実的だとも思った。
「―――お母さんが神さまなんです。」
「―――お父さんが人間。」
うそを言うわけにもいかず、うそを言う理由もないし、わたしたちもある意味と言うか絶対に関係していると言え解決したいことがあるし、わたしたちは正直に答えることにした。
「―――お稲荷さま。」
「―――――お稲荷さま? お父さんが人間?」
わたしが応える中で伊那が補足するように言い、道はと言えば聞き覚えはあるが、どういう意味だと言うように返してきた。
「―――――近くの、光桜神社の―――?」
道がどういう意味かと言う顔の中で恵が口を開いた。
「―――光桜神社って、あの清水家の白夜さん夫婦が管轄してる? え? 確か双子の女の子がいるって、え?」
「―――はい、そうです。」
わたしたちは道が不思議そうに、もしかしてと言うように言葉を返す中でわたしたちは正直に答えた。
「清水理沙です。」
「伊那です。」
光桜神社はわたしたち2人が遊び場にしていると言うか、一応はと言うべきかお母さんをまつっている神社だ。
正確にはまつっていたと言うか封印していたと言う方が正解だと父は言っていたが、詳しい話はここでは言うと長くなるから言わなかったと言うか、言うと言う思考が浮かばなかった。
「――――――ひいおばあちゃん―――」
「―――後でと言うか詳しく、聞かんといかんなぁ?」
道がこれはどういうことだと言う反応で、恵はと言えば似たような反応で、眼を後ろに向けた。
「―――枝葉ちゃん、伝令じゃ。」
「―――ラジャー!」
後ろに向け口を開く中で昨日道と一緒に歩いていた女の人が天井から忍者のように勢いよく姿を表して着地し、返事を返した。
返事は昔の時代劇のように承知したと言う言葉ではなく、アクション映画で見たり聞いたりするようなラジャーと言う言葉だった。
「光桜神社の白夜ちゃん呼んで、後で話聞かんといかん。」
「―――行ってまいります!」
恵の言葉を聞くと枝葉は飛び上がり、天井へと姿を消して言った。
時代劇や男子が見るテレビ番組や遊びの中の単語の1つ、忍者がわたしたちは思い浮かんだ。
わたしたち事態が半分が人以外の存在だが、人間であっても常識外れの存在や、彼方の持っているリューのような人間でなくても常識的な存在がいるのだとこの時少しだけ学習した気がした。
枝葉のことは置いておき、僕道は少しだけ母神宮寺憂のことを思い出していた。
生まれて数か月後に死に僕には母の記憶と言うものもないが、春と恵、龍蔵が言うには僕の能力に関係する能力の血が強く、人間外の者たちともよく接触して詳しかったと言っていた。
小さい時から何度も龍蔵たち聞いたがこの部屋は葬式の時に使った部屋であり、母が生前気に入り使っていた部屋でもあり、神宮寺家が儀式などでよく使う部屋だ。
あまり知られたくないが母の気配と言うものでも残っているのか何も使っていない時僕は母の生前の痕跡と言うか温かみか何かのような物を感じたいのかと思うが、なんとなく落ち着くのでよくここにいることがある。
「―――」
母に関係して僕は双子の母親こと清水白夜を思い出していた。
ここから少し離れた場所に存在する光桜神社の管理をしている女性にして、自称母の親友で、曾祖母こと恵たちは悪友とも言われ、若い時は結構悪いこともしていたそうだ。
憂ことあなたの母にはたくさんお世話になったとか、姿を表すたびに言っていたことも僕は思い出していた。
神社の管理をしているとは言うが夫こと清水鷹緒は会社社長で管理の多くは白夜に任せきりで来る人もおらず廃神社と化していると話を聞いている。
「―――ひいおばあちゃんなら、何かわかると思ってたのに―――」
「―――道―――」
何にしても問題は彼方をふくみ、この場にいる全員のことで、僕がこれでも駄目かと言うように言葉を漏らす中で、彼方は心配そうな眼でこちらを見て僕の名を読んだ。
僕の能力を使いよく見てみればと言う感覚だが、恵の言う通りで、確かに人間外の強力な力を持っているといることがわかるが、これ以上は詳しくは解らなかった。
雪乃と言う女性が神の力とか言ったが言葉にうそはなく力は恐ろしいほどに強く感じるし、僕の変身や能力と比べると雲泥や、天と地、有無と言えるほどの差異が存在している。
特に本人と言うか全員をふくめるが彼方がかなり強力で、能力を使用して彼方を見ていると彼方の心配そうに見ている眼とは対照的に彼方に対して少々と言うかかなりの恐怖感と言うか、身体の震えを感じた。
彼方がいなくなり探しに出たあの時わたし真矢が彼方の近くに行けたことをふくめ、同様に桃子がいたことをふくめ、神さまになれるうわさが真実で能力がわたしたちには手に入り意図的ではないが使えたと言える。
道が急に巨大な狼に変身したがこれは神の能力ではないし、わたしたちは何かと彼らに調べられようとしているが、わたしたちがよく似ている以外には明確には全員わからないと言う状況のようだった。
遥香の仲間と言うか彼女を捕まえてきたなぞの女性こと雪乃は調べていたようだが情報が手に入らずここで情報を手に入れようと思ったが、ある意味空振りに終わったようだった。
「―――あの、なら、リューは? リューは?」
(―――そうだよ? 僕は? 僕はわからないの?)
あの2人がどう言う存在と言うかはわからないが、母親が神とか言い、道が何か知っているようで後で聞かないといけないか、雪乃に聞くこともあると思う中で、彼方がリューについて説明を求めてきた。
「―――――」
「―――――道!」
恵も道も少し困ると言う顔をしていて彼方は答えてと言うように道の名を読んだが、道は答えないと言うよりも答えられないと言う顔だった。
「あの怪物の仲間だろうが!」
「―――?」
「よこせ! 握りつぶして殺してやる!」
答えてと言う彼方に対し答えと言うか答えの押し売りをしたのは遥香で、手を前に出してリューを出せと言うように勢いよく言った。
「―――よこせと言ったんだ?!」
「―――はる――」
「どけ! 雪乃!? だから嫌なんだ。」
よこさないなら奪い取って言葉通りにすると言うように遥香は立ちあがり、雪乃が抑えようとする中で遥香は雪乃止める手を払い、勢いよく彼方に向かいだした。
「―――いくら白化が解けたからと言って、仲間が欲しいとか言って、情報が欲しいとか言って、元の人間に戻りたいとか言って、いつもいつも手伝いもせずに好き勝手言って―――」
「―――ストップ。」
「何すんのよ?!」
機嫌悪いかと、怒ってるかと聞けば聞くまでもないし、殴るしけるし八つ当たりするぞと言う様子で遥香は近づく中で、わたしは立ち上がり遥香を止めた。
「断言できないでしょう?」
わたしも事実リューに対してもあの怪物の仲間と言う懸念は消えていないのが現実だし、話すのは信じられないが、彼方も大事そうに持っているし、遥香の行動に何か我慢ができないものがあって彼女を止めた。
「―――――それはわたしも賛成。」
「―――だからって生かしていいのか?!」
わたしの言葉に賛同したのか桃子がわたしを手伝うと言うように立ち上がり、遥香に対して近づく中で遥香は反論した。
「あの怪物の恐ろしさを知らないからそう言えるんだ! あのぬいぐるみに踏み潰されたことがあるか? たくさん襲いかかられて潰されかけたことがあるか?!」
「知らないはよ?! それに仲間だとしても食わないとか言ったでしょう? 何か知ってるかもしれないのよ? それに彼方嫌がってるじゃない!」
「言葉だけで信じろと!?」
うわさのことや動画のこと、雪乃の言葉と言いわたしたちの知らないところで遥香はあの怪物と戦っていたようで、リューに対しての危険性をわたしたちに対して伝えようとしているが、言い方はわがままな子供が怒るような物言いで説得力に欠けていた。
わたしは言葉を返すが遥香はこれだけは絶対に引かないと言う状況だった。
「―――第一あのばば―――」
「はい遥香そこまで?」
恵のことを言っているのだと思うが、あのばばあと言いかける中で雪乃が立ち上がり、頭を押さえて遥香を強引に座らせた。
雪乃は一応は彼女の保護者と言う身と言うことになりたいのか、座らせると恵に顔を向け、うちの子が失礼しましたと言うように軽く頭を下げた。
恵はと言えば言いですよと言うようにだ微笑んで軽く頭を下げ、わたしたちをだまって見ていた。
来た時からそうだがだれが見ても遥香の機嫌は悪そうで、道と言い恵と言い、最後に来た伊那と理沙も同様に考えているとわたし桃子は思った。
わたしもリューの正体が気になるのは同様だが、真矢と同様に何かわかると思ったし、第一に彼方が大事そうに持っているし手を出せないのが現実だった。
遥香はと言えば我慢ができなかったと言うような反応だったが雪乃に抑えられ、余計に不満そうで、実銃でも出しそうな雰囲気だった。
わたしのあの時出した銃のような物体やあの場所で聞こえた銃声のような音のことを踏まえると能力は本物だし、遥香は銃の知識を持っていると考えられ、いつでもどこでも実銃を出せると考えられた。
「―――何にしても、彼方ちゃん? 真矢ちゃん? 桃子ちゃん? ごめんなさい? それであってる? ちょっと来てほしいんだけど?」
「―――?」
この状況はどうなると言う状況の中で口を開いたのは雪乃で、わたしたちに声をかけてきた。
「―――――なんですか?」
用心深さを知らないと言うか、警戒しないと言うか、先ほどのこともあるが呼ばれた氏と言う感じで彼方は立ち上がり、雪乃に近づいてきた。
(―――近づいてズドンはなしだよ?)
「―――大丈夫だよ。リュー?」
この時わたしは彼方の方は警戒心と言ったものはなくて少々危ないが、リューに任せておけば少しは安心だと思った。
「―――少し、見苦しいかもしれないけど、見て欲しいの。」
「―――?!」
「―――ぇっ?!」
雪乃が遥香の前に出て、彼方がわたしと真矢の後ろに立つ中で雪乃は口を開き、手が服のボタンに触れた。
「―――わっ!? ぼっ!? 僕出てるよ!? 後ろ見とくよ!?」
不意に服を脱ぎ始めた雪乃に対し、よく考えらと言うように道が反応し、身体を勢いよく後ろに向けた。
「―――待って。」
「―――い、いや? すぐ出て行きます! すぐ出て行きますんで?! ごめんなさい!?」
後ろを向いた中で雪乃は慌てている道を呼び止めるが、道は勢いよく言い出ていく構えで歩き出した。
伊那と理沙はと言えばそんなに慌てなくてもと言う反応だった。
「―――――あなたにも見て欲しいものがあるの。」
「―――――いやいやいやいや!? 後で彼方たちから―――」
「―――見て行き、道。」
世に言うストリップショーでもないし、雰囲気的に能力に関係している話のようで雪乃が呼び止める中で道は必死に逃げる構えを見せ、後でわたしたちから話を聞くとか言いかける中で恵が道の服をつかんで止めた。
「―――ひいおばあ―――」
「―――見てき。」
「―――はい。」
よく考えるとこの場で男と言うか男の子は道1人で、立場的にまずいよと言うか、場をわきまえた反応のようだが、道は恵に止められ、逆らえないようで向きを戻し少しずつだが戻って来た。
「―――全部脱ぐわけじゃないから―――」
「―――当然です。で? な―――?」
「かおあか―――いぞ―――?!」
戻って来た道に対して雪乃は落ち着いてと言うように言い、道が困るなこれでも僕は男なんだしと言う反応の中で雪乃に眼を向け表情を変えた。
真矢は道の軽く顔が赤いとかからかおうとする中で道の異変に気づき、真矢も雪乃の方へ視線を移し、同様に表情を変え、伊那と理沙も同じような反応をしていた。
「―――――」
「―――何、これ?」
「―――雪乃?! あんた?! 白化が!? あんたそこまで!?」
雪乃は服を脱ぐと下着だけの状態になったが、わたしたちは雪乃の身体に何か変なものがついていることに気が付き、わたしは言葉を失い、真矢は何事かと言う反応で、座っていた遥香が一番おどろいた反応を見せた。
「―――くっついてる? 石鹸? 骨? じゃないよね?」
「―――た、確かにそう見えるけど―――――」
「―――違うはよね?」
最初に言葉を漏らしたのは彼方で、彼方の言葉を聞き真矢が思わずその通りと言うように笑いかけるのを我慢し、わたしは否定した。
この言葉の通りで雪乃の身体には白い石鹸と言うか骨のような物体が身体についていると言うよりも肌と一体化しているように見え、二の腕の部分は皮膚と白い部分が混じり合い微妙な色合いになっていた。
着ている服が長袖見えなかったが、腕は手首の近く、胴体は半分以上、肩は右肩全部で首は後少しで顔に届くと言うか、後少しで全身覆われると言う勢いまで来ていた。
「―――雪乃!? お前!?」
「―――!?」
雪乃の姿を見た遥香は不意に口を開くと片手を上げながら立ち上がり、手のひらが少し弱いが光を放ち、わたしたちが何事かと思う中で光が伸び、時間にして1秒もかからない間に剣に代わっていた。
「―――――動くな!? 雪乃!? すぐに取り払う!」
おどろいていてるわたしたちも知るかと言う様子で、手を上げていたが出てきて握るとすぐに振り下ろし、言葉通りと言うか、この剣を使ってあの白い物体を切り落とそうとしているようだった。
剣とは言うが正確には日本刀のようで長さも遥香の身長以上もあるし、切られたら一発で死にそうな代物だった。
「―――待って、遥香。」
「―――雪乃?!」
「時間を頂戴。」
道が眼の瞳の色を変え再び光らせ、真矢が戦闘準備と言う構えを見せる中で雪乃は遥香を止めた。
「―――っへ?」
遥香を止めて後ろに回っていた手が前に戻ると不意にわたしの腕を握り、雪乃はわたしの手を雪乃の身体に触れさせた。
「―――わ?!」
「―――ぅきゃっ?!」
「―――ひゃっ?!」
雪乃の身体から何かが砕けると言うか乾いた大きい音が響き渡り、わたし以外がおどろく中で、床に何かと言うか白い塊が大量に落ちた。
(なんだよいったい?)
「―――っ?」
「―――ぇ?」
リューも遅れてだが反応し、雪乃は苦痛を我慢するような顔で、わたしは何が起きたかと言うことをおくれて理解した。
雪乃の身体の表面についていた白い物体がわたしが触れた瞬間に壊れ、身体から外れ、床に勢いよく落下していたのだ。
「―――やっぱり、読み通り―――」
「―――石鹸が―――」
「―――違うでしょ? ―――どうなってんの?」
何がどうなっていると問う状況の中で雪乃は何が読み通りなのかわからないが言い、彼方が再び石鹸と発言し、真矢が笑いを抑えて注意し、雪乃と言うか、足元へと眼を向けた。
わたしも彼方の石鹸と言う発言は少しおもしろいと思ったし、わたしも少し自分でも口元が緩んでいる気がしたが放置し、雪乃と床の方を交互に見比べた。
「―――っ」
「―――雪乃さん?!」
「―――大丈夫、大丈夫よ?」
状況的にだれがどう見ても雪乃の身体に付着していた石鹸こと白い物体は雪乃の身体からとれて床に落下していた。
雪乃身体に粉程度は残っているが、雪乃の身体は普通の人間の素肌に戻っており、どういうことだと思う中で雪乃が倒れ、彼方が声をかける中で雪乃は大丈夫だと言うように返事を返した。
あの女性と似たような光景と言うか現象がわたし鈴には見えた。
遥香を捕まえてやってきた女性こと夏川雪乃が服を突然脱ぎ始めたかと思うと身体は彼方の言う通りの石鹸は変な表現だがあの女性と似たような白い物体が皮膚に付着と言うか固着していた。
白い物体を見て何を考えたのか遥香がどこから出したのか、神の力と言うべきか日本刀を取出し、取り払うと言う中で雪乃は遥香を止めさせ、なぜか桃子の腕を手に取った。
桃子の手が雪乃の身体に触れた瞬間彼方の時と違い光の幕と言うか盾はなかったが、白い物体は勢いよく壊れ、床と言うか畳の上に落ちた。
「―――――これは?」
「―――わたしたちは、白化と呼んでいる。」
少し間を置いたが口を開いたのは道で、いったい何が起きたと言う反応で、雪乃は答えを返した。
「―――白化? そう言えば、遥香ちゃんが言ってた―――」
「―――」
「~~~」
あの時のことかと言うように彼方が口を開きかける中で遥香は彼方にお前は話すなと言うかお前は腹が立つと言うような顔で眼を向け、彼方はごめんなさいと言うか、怖いと言う顔をして後ろに数歩下がった。
「―――彼方。」
「―――道~?」
遥香は日本刀を持ったままで、道は危機感を持ったか彼方に手を出すなと言うように彼方や真矢たちの前に立ち、手を出すなと言うように遥香に言葉通りに眼を光らせて向けた。
「―――何よ? ぶりっ子ぶって男に守ってもらってんの?」
「―――そ、そんなんじゃないよ? 道は、あの、おさなな………」
「―――どっちにして―――も?」
不良になったとまでは言えないがあれ以来と言うか、学校に来なくなった日以来遥香はかなり変わってしまった状態で、道の反応に対し彼方を批難するように言う中で、彼方は怖がりながらも言葉を返した。
言葉を彼方が返す中で遥香がどうでもいいと返そうとする中で真矢が勢いよく遥香の頬を平手で叩いた。
「―――――」
「―――あんたいちいち腹立つ!」
たたいた音が室内に勢いよく響き渡る中で遥香が何事かと言う様子の中で真矢は勢いよく文句を言い、これには道や彼方、桃子もおどろいた反応で、遥香も頬を抑えた。
「―――いちいちいちいち突っかからないでよ? 時間の無駄! 問題はこの石鹸が、発火とか言ったけどどうなのかが問題でしょう!?」
「白化だ! は、く、か!」
「はくかだろうが、発火だろうが、版画だろうでどうでもいいでしょう!?」
何をすると言う反応の遥香に対し真矢は勢いよく返す中で雪乃の足元の物体を指さすと遥香は怒った様子で勢いよく間違っていると言うように言うが、真矢は知るかと言うように勢いよく返した。
「―――お前―――」
「―――わたしたちは似てるけど違う。」
遥香は剣も持っているしわたしたちは話にうまく張り込めず止めるに止めにくい状況だし、怒り任せに剣を振りかねない遥香に対し、雪乃は落ち着かせるように口を開いた。
「―――違うけど似ている。」
雪乃は少し間を置いたが遥香に対してか、全員に対してか言葉を続け、わたしもだが意味が解らないと言う状態だった。
「―――わたしたちは神さまになれるうわさに関連して、神様の力と思われる力が手に入っている。」
言うと雪乃は道と双子を除くわたしたちに眼を向けて行った。
「―――全ては心持、精神論と言うべきかもしれないけど、彼方ちゃん、真矢ちゃん、桃子ちゃんたちもいずれもっと使えるようになるかもしれないけど、わたしたちと何か違っているし、白化を破壊する能力があるみたい。」
「―――――」
先ほど道の曾祖母こと恵がある程度わたしたちを分類し、道は神ではない能力で、伊那と理沙も自分たちが違うと言い、雪乃は恵の言った言葉について身をもって教えようとしているようだった。
「―――あなたも救われたでしょう? 遥香? 鈴ちゃんも?」
「―――ん。」
「―――はい。」
雪乃はわたしと遥香に話をふりかけ、遥香は認めたくないが確かにそうだと言うように返し、わたしは少し間が開いたが、あの時こと、彼方が襲われかけた時のことだと思い、その通りだと言うように返事を返した。
「―――そう言えば、あの女の人は―――?」
「―――あの女?」
あの彼方を誘拐した女性もあの戦闘に中で白化したと言え、彼方はあの女性はどうなったかと聞くかのように言い雪乃に顔を向け、真矢と桃子は何ことだと言う反応をし、道もどういうことだと言う反応だった。
「―――雪乃の推測と言い、眼の前の光景と言い、確実に死んだでしょうね?」
答えを言うのは嫌だがと言うように遥香は腕を組んで答えた。
手に持っていた剣は腕を組む直前にさやに戻したと言うか光に包まれたかと思うと瞬時に短くなり、手のひらよりも小さい光の球体へと変化し光ごと消滅していた。
「―――死んだ? どういう意味?」
「―――白化は侵攻すると身体全体にいきわたって脳をたぶん侵して理性を失い凶暴化する。完全に白化する前に白化した部分を削り落とすか削り落とすしかないの、脳を侵されたり全身白化すると本当に人間に戻れる保証はなくなる。」
死と言う言葉など悪口の類で使われることは時折あるがこの緊迫した状況の中で冗談とは言えず、彼方が聞き返す中で雪乃は冷静に答えを返し、真矢と桃子は雪乃の落とした白い物体に眼を向けた。
「―――――あんたのお友達は白化した女を殺したのよ?」
「遥香ちゃん!?」
桃子と真矢が言葉を整理しているであろうと言う時に、遥香は先ほどの真矢の行為に対しての報復と言うこともしたいか少し誇張気味と言うか、彼方を批難するように言った。
わたしは言い過ぎだと言うように遥香に声をかけるが、助けてもらってと言うような眼を向けられた。
「―――全身真っ白になってたし、見境なくなってたし、脳も雪乃の言う通り侵されてただろうし、正当防衛よ?」
わたしは言葉を返せず、真矢と桃子はことが終わった後で来て意味が理解できないが、遥香はある意味見た通りのことを話し、そんなことが起きたのかと言う表情をしていた。
「―――粉々になって死体も出ないだろうし、どーせあいつたくさん殺してそうだし、殺人罪には問われないと思うから、安心して?」
「そう言う問題?!」
「―――そういう問題よ。法律みたいな常識なんて通じないし、何でもできるし、生きるか死ぬか、殺すか殺されるかの話なの。時期にわかるは?」
あの時の戦いの雰囲気と言い遥香はこれが最初ではないと言うか、場馴れしていると言う物言いで、真矢が反論する中で遥香はあなたも同じものだしそんなこと言っても無駄だと言うように返した。
突然女性が現れたと言うリューの言うことは正しかったと言えるし、彼方がなぜあの場にいたのか理解できたし、わたし真矢と桃子が来る以前に何が起きたのかが理解できた。
理解できたとは言えるが、事実ならば彼方はある意味人殺しだが、遥香はと言えば気にする必要もないし、悪くないし、わたしもあなたも仲間だと言うような、共犯者だと言うような顔を平然としていた。
テレビゲームとかでものを壊したり、人とか怪物とか殺すのとは話が違うし、彼方はどうしようと言う顔をしていた。
「―――何にしても―――」
「―――?」
「―――あなたたちのおかげで、わたしはあんな風にならずに済んだ。ありがとうね? 彼方ちゃん? 桃子ちゃんも? 真矢ちゃんもね?」
わたしと言い桃子と言いこいつこと遥香にどう言いかえそうと言う表情をしている中で雪乃が彼方と桃子、わたしを後ろから優しく抱きしめ、何かと思う中でお礼を言った。
(―――そうだよ? 彼方ちゃん? 話がただしいなら雪乃さんを救ったんだよ? 元気出して!)
原理的に言うと確かにその通りで、彼方はわたしたちの見ていない場所で白化と化した女性を殺したが、何にしても雪乃は助けたと言え、リューも彼方を元気づけようと口を開いた。
「―――だけど―――」
「―――彼方、と言うか、雪乃さん?」
何にしてもわたしもだと思うが実際に人なんて殺して正当防衛だと言われても気にすると思うし、彼方は気にして話しても反応が悪いと思うし、わたしは雪乃に顔を向けた。
「―――はい?」
「―――これから、どうなるの―――?」
気づかなかったと言うか少し遅れたが雪乃は返事を返し、わたしは全員が思うだろう質問を雪乃にした。
答えは恵と言い、対して進まないしわからないかもしれないが、わからないことをわからないと言ってもらった方がかえって中途半端ではないし、わたしはいいと思いきって雪乃に質問した。
あの女性に襲われた時わたし彼方は意味が解らなかったが、何にしても確かなのは、あの女性が死んで、遥香の物言い的に暗い気持ちになった。
あの人はわたしたちを殺す気だったことは確かだが、殺すことはないと思ったし、リューや雪乃に悪くないと言うように言われたがわたしが殺したのかと思うと気が重くなった。
不意に現れた女性こと雪乃に言われて白化と呼ばれる現象から事態を理解できたが、わたしの身体の中には原因不明だが神の力と呼ばれるものが存在しているし、感謝はされたが複雑な心境だった。
「―――新世界の創造戦争―――?」
「―――? 彼方?」
「―――敵でも味方でもない、正義でも悪でもない、たとえて言うと、調節者だ―――?」
何にしても肝心なのはこれから後のことで、これからも同じことが続くかと言う中で、真矢が雪乃に相談するように行った後、わたしはすぐあの時出てきた言葉を思い出して復唱した。
途中で真矢が何かというように反応するがわたしは言葉を続け、口調までは真似できず最後の部分が疑問的な物言いになったが、何にしても思わず漏らした言葉だがこの場にいる全員には確実に伝えられたと言えた。
「―――創造戦争?」
「―――調節者?」
わたし自身言って意味が解らないし、意味が解るのはあの女性と調節者だと名乗った2人だと思うが、桃子と真矢はどういうことだと言うように口を開いた。
「―――雪乃さん?」
「―――神の力を使って、この世界を変えようとしている人間が存在しているの。」
一番聞きたいのはわたしの方で、雪乃に問いかけると雪乃はこの質問はと言うような表情をして答えた。
「―――都合よく、を付け加えた方が正解ね?」
「―――――都合よく?」
雪乃は答えたが少しして言葉通りに付け加えると言うように言い、真矢がどういう意味だと言うように口を開いた。
「―――世界征服。」
雪乃が答えるべきとも言えるが、答えを返したのは遥香で、わたしたち全員は遥香の方へと顔を向けた。
「簡単に言うとそうよ?」
「―――」
「―――冗談のようだけど本当。何でもできるし、滅ぼすことも生み出すこともできる。死んだ人間を生き返らせることもできるし大量の人間も殺せるし、過去にも未来にもいって変えることができる。不可能を探すのが無理なほど。」
よく考えると現実的に不可能なことばかりだが、遥香は当然できると言うように返し、少しするとわたしたちに背を向け部屋の外へと歩いて行った。
「―――遥香?」
「―――遥香ちゃん?」
「―――結局何もわかんなかったし、変わんなかった。どうせこの後も意味ないと思うし、わたしはもう面倒だから行くはね?」
雪乃が呼び止め、わたしが何をしているのと言うように呼ぶと、遥香は戸を開けながら最初からこんなこと嫌だったんだと言うように言った。
「―――ま―――」
「―――わたしはあんたたちみたいなのと一緒は嫌いよ? じゃあね?」
雪乃が呼び止めようとする中で遥香は半塲黙れと言うように冷淡に言うと勢いよく飛び出て行った。
飛び出ると言う言葉に偽りはなく、眼にも見えない早業とも言え、遥香の姿は普通の人間の眼では追える速度ではなく、瞬時に姿が見えなくなっていた。
わたしにも似たような力が備わっているとも言われ、その力を一度使い人まで殺したと言う状況で、わたしはこれからどうすればいいかもわからず、見えもしないが、走り去った遥香の残像でも追うかのように通った後の庭を見ていることしかできなかった。




