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Battlefield 3

 思わず半場冗談で口にしたが言ってみればいいこともあるものだと思った。

 タバコをリードから進められたが吸えず、断る中で冗談のつもりでチョコレートとコーラをくれと言ったが、リードが持っていたようで俺山中はもらった。

 第二次大戦後GHQの占領下に置かれた上で米軍兵が配給品があまりうまくなく、一部やあまり品を捨てる程度ならと子供に分け与えていたが、俺はいい年と時代錯誤を通り越して米軍兵から食べ物をもらうことができた。

 リードを冗談半分にトランスフォーマーのメガトロン風にほめるとサウンドウェーブの機械音声のような声真似をして返し、俺たちはお互いに思わず笑ってしまった。

 少ししてタバコを吸い終え行くぞと言うように言い歩き出したリードの後ろに俺はついて歩くことにした。

「―――何にしても、聞くことが、たくさんあるな?」

「―――まったくだ。」

 わからないことが多く、何にしても俺は新しい仕事を与えられて働くこととなったが、情報が不足しているし、リードに大量の質問をする必要が存在していた。

「―――フリータイムなのにすまんな? しかし、お前の能力と言い、桜と飛鳥と言い、恋と言い、調節者………」

「―――別にいいさ? だがまずお前の将来は生き残れば安泰だと言うことは確かだ。」

「―――?」

 どれから聞けばいいんだと言う状況で、思いだせる言葉から出していく中で、リードは俺の質問に対して俺から見て答えになっていない答えを出した。

「オーグの最終目的はオレとお前にプロジェクトヤーウェーを阻止させ、お前をオレの監視官にする気だ。」

「―――オーグ、監視官、桜たちが言っていたが? 何なんだ? オーグ? オーガニゼーション(機構)の略か?」

「―――――」

 リードたちは答えを知っているが、俺の方はと言えば知らないことが多い状態だ。

 無知と既知では時と場合によって損得が左右されるが、ここでの俺の立場は無知で既知への変換期だが、何にしても情報を得ることが必要だった。

 俺も話すことは多々ありそうだが、リードはと言えば一から説明することがあると言う雰囲気で、歩きながら再びタバコを取出し吸い始めるそぶりを見せていた。


 無知も既知もどちらが損か得か、山中と同様にだが時と場合によって左右されるが、何にしてもオレリードは山中に話すことが多く存在すると思った。

「―――オーグは未来で国連に代替えした組織だ。第3次世界大戦後のな。」

「(The World War3?)第3次世界大戦?」

 山中がおどろくのも無理もない話だ。

 山中の実年齢が正確ならば山中が暮らしているのは2020年代初頭で、第二次世界大戦が終結して100年も経過していないころで、世界が再び戦乱の渦に巻き込まれるとは思っていないのは当然だ。

 特に山中の生まれたころこと、現在から換算して1990年代初頭に第二次大戦後冷戦体制に突入した米ソこと、アメリカ合衆国と対決していたソヴィエト社会主義共和国連邦が崩壊し冷戦が終結している。

 核戦争による人間を通りこして世界絶滅と言う史上最悪の危機の時代の到来の可能性こそ回避されたが、冷戦の終結は平和の到来ではなく新しい戦争の時代を造りだしていた。

 米ソに代表されるような国家と言う大組織や反社会体制的、長時間の物量と言う世相は廃され、特定の小中的な組織や国家内のテロや紛争、瞬間的鎮圧と言う小戦争の時代が到来していた。

 小国家間での反国家主義的過激派の行動鎮圧、言わば対テロリストや紛争解決を目的とした警察では対処できない領域の治安維持が主題に置かれるようになった。

 警察や軍隊も対処できない場合に他国の軍隊、多くはNATOと言った米軍だが、PMASCと言った都合のいい時に都合よく使える軍隊が必要な時に戦争をする時代が本格的に到来しかけている時代だ。

 中東、アフリカ、それに中南米と言った発展途上国で先進国との関係の悪化や友好などで現地の政府やPMASCの傭兵が小競り合いを繰り返している時代だ。

 第二次大戦から現在から数えて50年以上が経過し、山中から見ると70年以上と言う月日が経過する中で、小競り合いの激化の始まり頃で、山中は兵士としては複雑な時代に生まれ戦っているとも言える。

 ソヴィエトと言った巨大な社会主義の大組織が崩壊し、資本主義の形成も困難な不況の時代に突入し、旧時代的体制も引き継ぎ新時代体制変化下で治安が安定しない発展途上国対治安安定こそしているが不況下と言う時代の先進国との時代に突入した。

 途上国にPMASCの傭兵として雇われるには上層部の治安が安定せず数秒後に眼の前の敵味方が入れ替わる可能性が存在し、先進国の兵士として雇われるには低賃金で酷使労働させられるのだ。

 雇い主が個体の人間の場合も使い捨てと言う扱いを受けても文句を言えない立場だ。

 酷使労働は言い過ぎかもしれないが、心身の負担を考えるとオレの時代から見れば酷使労働として十二分に相当し、当時最大の戦争の被害者は山中のようなPMASCの多国籍の傭兵たちだ。

 戦争の規模が極小化し複雑化する中で、第3次世界大戦と言う大規模な戦争が起きることがないと考えるのはPMASCの傭兵でなくてもある程度戦争の知識があれば当然だとも言える。

「―――対戦相手は神だ。信じてもらえないとは思うがな?」

「―――神―――――?」

「―――――」

 話し始めるにしても信じてもらえるか疑わしい話だ。

 ゲートの完成、神の実在、第3次世界大戦、機構と機関の冷戦状態とオレの頭の中では整理ができているが、山中にはオレを見ても信じる事すらできない状況だ。

 神の実在もオレの時代から見て30年と経過していないし、自分にも話す資格が存在するのかとも思い、少しの間口を閉じてしまった。


 オーグは未来で結成された国際連合に変わる新しい組織であるとリードは言ったのを俺山中は聞き、リードは第3次世界大戦と言う言葉を口にした。

 情報は少ないが俺に話された最初の細かい未来の情報で、第3次大戦後にオーグと呼ばれる組織が国際連合の代わりに結成されたようだったが、本題はリードが次に出した神と言う言葉で、俺が言い返す中でリードは少し考えるような顔で口を閉じた。

 言って信じてもらえるかと言う顔をリードはしていた。

 神と言えばあの神以外にはほかの言葉はないと言えた。

 俺たちは英語で話しているし、リードは確かに神を意味する単語「GOD」と言い、紙を示すPaperや、髪を示すHairではなく、対戦相手は神だとリードは言った。

「―――――」

「―――続けてくれるか?」

 信じてもらえないともリードは言い、俺も疑ってかかっている状況だが、話も進まないし、リードに話の続きをするように言った。

 突然の時間移動と言い、信じられないことが多いが、現状的俺にできる最良の手段は信じることで、リードの話を何にしても聞くことにした。

 差別的になるかもしれないがリード自体が人間の規格外から外れているし、苦しい時の神頼みと言うが神も教えてくれなさそうで、恋も頼りになりそうにないしリードから聞くしかなかった。

 第3次世界大戦と言う言葉も気がかりで、1990年後以降の冷戦終結と言う背景を踏まえうると起きる可能性は低く、世界崩壊の可能性の存在し、何にしても俺は情報を求めるしかなかった。

「―――――っ?!」

「―――ック?!」

 仲間だ信じろともリードは言い、俺も信じると言う顔をしている中でリードは俺に顔を向け、わかった話すことにすると言う反応をする中でリードが不意に勢いよく空を見上げた。

 正確には空から聞こえる異常ほど近くて高い金属音に対して反応したもので、何が起きたからわからないが何か危険が迫っているようで、リードは次の瞬間走り出し、俺は何事かとも聞かずにリードの後に続いていた。

 何が起きたかは後で理解して逃げるのは戦争の生き残るための鉄則の1つであり、一流の軍人と言う人間は総じて逃げ足が速くなっているものだ。

 逃げ足とは言うが走る速度としては俺たちはそれほどは早く走っておらず、身を低くして身を守るような姿勢で走った。

「―――っ?!」

 金属音と言えば飛行機の飛行時に聞こえる金属が風を切る鋭く高い音だが、この音が不意にかなり近くで聞こえたと言うのは奇妙な事態だ。

 仮に聞こえたとして飛行機は高い場所を飛んでいることが多く金属音も消音で遠いが、俺とリードの聞いた音は限りなく近く、走っている中で背後で地面に何かが勢いよく落ちた音が聞こえた。

「―――なんだ?」

「オレが聞きたい!?」

 落ちた音は以上に大きく、地面はアスファルトではあるが壊れて変形し、破片が飛び散っているのではないかと思うほどの大きな音だった。

 少し走り俺とリードは左右の壁に身を隠せそうな建物の柱を見つけ、リードは左に、俺は右に隠れた。

 金属音は止まり、音の根源は俺たちの歩いていた場所と言うか地面に落下したようで着陸の衝撃か静止している状態のようだった。

 俺とリードは何にしても銃を取出し、俺が質問するが、リードも何が起きてだれと言うよりも何が姿を表したかはわからないようで、何にしても話はお預けとなった。


 わかるのはわたし聖那の身体の中のナノマシンが暴走を始めて制御不能になっていることだ。

 意識は薄れかけているが何とか言うように保っているが身体の制御ができず、わたしの身体は本人の意識や感情、思考と言ったものを無視して飛び立ち、不意にあの2人が歩いていた場所に勢いよく急降下した。

 地面を勢いよく破壊したように見えるが、わたしには壊したと言う自覚が感じられず、制御と暴走の戦いの中でわたしは睡魔と頭痛、それと身体が重いと言うよりも思い通りに動かせないと言う風邪の時のような感覚と戦っていた。

 2人の逃げ足は幸いにも早く、衝突すると言う最悪の事態は回避できたが、2人は少しして走るのを止めて物陰に隠れている状態だった。


『武器確認 敵意確認 実戦経験の可能性確認』

『45口径拳銃 サイレンサー装着型 殺傷力高』

『12番ゲージショットガン フルチョーク 殺傷力高』


 わたしの眼には物陰に隠れた彼らの大まかな輪郭が写し出される中で銃を所持していることや、2人がわたしを何かと、何が起きているか見ようとする様子が見られた。

 接触して普通に話すことができれば幸いだったが、ナノマシンが暴走し思った通りに行かずと言う状態で、身体はわたしの言うことも聞かずに攻撃のために身体を動かした。


 何かが飛んできたことは確かで、いったい何が落ちてきたんだとオレリードと山中が隠れた場所から少しだけ見てみようと顔をお互いに動かした時だった。

 何かが胸より下、腰より上のあたりに勢いよく飛んできたと言うよりも伸びてきた。

「―――っぅ?」

「―――ぐぅ?」

 何かと思う間もなく、直感的に大きいムチのような物体だと気付いたのは身体に巻き付いてきた後だった。

 太さは10Cmほどで勢いよく2本伸びてオレと山中を捕まえ縛り上げられた。

 オレは持っていた銃の構えの問題で両腕を縛り上げられ、二の腕が動かせない状態で拘束され、山中は腕を上げ銃が握られているが拳銃では対処は無理そうに見えた。

 服越しに触れる物体の感触は冷たく、色は黒一色だが爬虫類のひび割れたような皮膚を模したような複雑怪奇な金属の張り合わせたような色と言うか模様をしていた。

オレと山中はお互いに苦しいと言う声を上げかける中でムチ上の物体の力によって身体が宙に持ち上げられた。

現実的にこの時代にこの細さと細かい動きで人に巻き付き持ち上げるような機械は存在しないとオレは即座に思う中で不意に銃声が響いた。


不意に細長い物体と言うか、触手と言うべきかが身体に巻き付いて何事かと思ったが俺山中は巻き付かれた中で身体が逆さを向いたが勢いよく銃を構えた。

集光サイトの恩恵と使い慣れた45の感覚、暗闇になれた眼は眼の前に人型を確認し、俺は迷うことなく引き金を引いていた。

桜たちから渡されたこの銃ことSTI Edgeに本来集光サイトはないが、AGSCとして改良されて搭載されていた。

銃を改造すると言うのはデコレーションするように見栄えをよくすることも目的でもあるが、主な目的は銃として必要最低限の能力の高上、言わば撃って当てると言う概念の確実性の拡張だ。

相手は命を奪う気はないかもしれないが、これほどの非常事態であり、正当防衛も主張できると思い発砲したし、俺は逆さを向いていたが、何とか右肩か右腕のあたりを打ち抜いた感覚を得た。

 改造された銃は見事使用者こと俺の期待通りに動作し、期待通りの性能を発揮してくれたと言える。

「―――――?」

「―――――」

「―――――なんだ?」

 世界の上下が逆転しているが、人型の行動が奇妙な反応だった。

 何が奇妙かと言えば銃で撃たれた場所こと、右肩と右腕のあたりに確実に傷を負っていると思われるが痛みで抑えるような動作を見せなかったのだ。

 45の威力ならば内部の筋肉や骨をうまくいけば砕くことができるし、胴体に撃てば内臓をかき回し苦痛にゆがめることも可能だが、人影は当たってないと言うように身体を動かしていなかった。

「―――!?」

 不意な予期できない攻撃で瞬時に発砲し、大きく揺さぶられて身体も逆さを見ていたのでなぜかと思う一瞬は外したならばもう一発撃つと言うように銃を構えている中で俺は銃弾が命中したことを確認できた。

 月明かりの加減で人影の姿明確になる中で確かに命中していることを確認できたし、銃弾は紛れもなく二の腕に命中して肉を削っていたが、俺の見ている眼の前で傷が高速で修復されていた。

 チョウの羽化を高速再生して見ることを想像してほしいと言うべきで、傷が跡形もなくなり始めていた。

 姿事態も異常で、よく見ると女性のようだが、全身を黒く肌に密着した構造で、武装したような服に身を包み、眼が青白く光っていた。

 俺たちを拘束している物体は彼女の背中から飛び出し、俺たちを拘束しているのは彼女で間違いないようだった。

「―――!」

 冷静に考えると無駄と言うものだが、俺はならばと言うように銃口を向けた。

「―――――馬鹿な?」

「―――――」

 頭や顔ならばどうだと言うように狙いを定めて2発撃ち、弾丸は見事に1発が顔面の右上に命中し、もう一発は頬に命中し肉を削ったが、同様に再生を始めていた。

「―――――っうっ?! っぐ?!」

 銃弾は無駄だと思い始める中で、不意に触手が俺の身体を締める力を強め始めた。

「―――――!」

「―――――っ!」

「リード!?」

 人間の身体を圧迫すれば骨折、内臓破裂、加えて体内の筋肉や脂肪が壊死する危険性が存在し、状況的に背骨か何かを絞め折って殺すと考えられた。

 このままでは殺されると拘束と解こうと動くが拘束は強く引きはがせずと言う状態で、身体に苦痛が走り、少し嫌な音がし始めた頃突然リードが触手を引きはがして破壊した。

「―――――ぅぁあっ?」

「―――大丈夫か?」

「―――ああ、大丈夫だ。」

 お見事だと言う間もなくリードが空で腕を勢いよく振ると何か金属の切れるような乾いた音が響き渡り、何事かと思う間もなく触手が切られて拘束から解放され、俺は地面に落下した。

 日頃の訓練の成果か何とかと言うように受け身を取る中でリードに声をかけられ、俺は返事を返すと立ち上がり、銃を女性の方に向けた。

「すまん、力を使った。」

「―――いい、助かった! ありがとな?」

 警察署侵入前に言ったことを一応は気にしていたのか、しまったと言うようにあやまったが、脱出時にも使っているし、絞殺されると言う最悪の事態も避けられたので言うべきは批難ではなく礼だと思い、俺はリードに感謝した。

「それよりも? お仲間、じゃなさそうだな?」

眼が青白く光ることと言い、身体から武器を出して使うことと言い、雰囲気的にリードに似ているが、たとえ同じでも仲間ではないことは明確だった。

「―――――?」

 兵士に安息はないと言い戦闘中ならば言うまでもないが、不意にリードが引きちぎり俺から切り離してくれた触手が動き出し、俺たちに攻撃を仕掛け、俺たちは勢いよく回避した。


 奇妙な感覚だった。

 山中のお仲間ではないと言う言葉に対してオレリードはこの奇妙な感覚の性で答えを返すことができなかった。

 確かに彼女と言うべきか、あの女性はオレと同じハイブリッダーではないことは明確だが、オレは彼女に対して何かオレと似たような感覚を覚えたのだ。

 眼が青白く光っていることは外見的な特徴で似ているが、オレは明確に分析する中で、女性が何者かと分析に困る相手だった。

 ハイブリッダーに似ているがハイブリッダーと言えず、ハイブリッダーと言えないが、ハイブリッダーによく似ていた。


『Nano Machiner』


 分析結果はナノマシーナーだった。

 ナノマシンと言えばこの当時最新医療でも注目されている極小機械でオーヴァーマシンの前衛的機械と言え、彼女はナノマシンを兵器として使用しているようだった。

「―――こちらはPMASCAGS 部隊未所属リード ファイヤー大佐だ。お前は何者だ?」

「―――――」

「―――繰り返す、こちらはPMASCAGS 部隊未所属リード ファイヤー大佐だ。お前は何者だ?」

 この時代にナノマシーナーが存在するわけもないと考え、未来から来た人間とオレは判断し、呼びかけてみるが、女性は一切反応を示さず、敵意に満ちた表情をしていた。

「お前は何者だ? 所属と部隊名、名前を言え!?」

「―――違うPMCの傭兵か?」

「―――いや、わからん。こちらの呼びかけに反応しない………」

 呼びかけと続けるが聞く耳は持たないと言うようにこちらの声に反応する様子はなく、山中が質問するが、オレは質問に対して答えられなかった。

「―――あの触手は厄介だな?」

「―――そうだな?」

「ドッグオクだ?」

 先ほどオレが引きちぎり、山中を助けるために切り離した触手は女性のもとへと戻り、再生していた。

 山中は銃を構える中で言うまでもないがいい、オレが応える中で相変わらずと言うように冗談で返した。

 ドッグオクとは正確にはドクターオクトパスのことだ。

アメリカンコミック大手マーヴェルコミックのヒーロースパイダーマンの敵、言わばヴィランの1人で、4本の機械のアームを背負って戦う男だ。

人間としての2本の腕と脚、アームを合わせ8本となり、オクトパス(タコ)のヴィランとしてスパイダーマンを追い詰めるのだ。

女性の触手は彼と同様に背中から飛び出し、2本から4本になっていてまさにドックオクの状態になっていた。

「―――見切った!」

「―――山中!?」

 何にして再び触手の攻撃が来る中で、山中とオレが回避する中で、山中は言うと勢いよく走り出した。

 呼ぶが聞かず止まらずで、女性の方も何事かと言う顔をしている中で山中はナイフを勢いよく抜き放った。

 刃渡り30Cm以上と言うナイフと言うよりも短剣に近いナイフで、抜き放つ中で女性に対して銃を発砲した。

 刃を逆手に持ちかえると腕を前にだし、刃を前に向け、銃を持った手の手首を刃を持った手首の上に置いて構えると言う本来は片手にライトなどを持つ際の構えで、山中はそれと応用しているようだった。

「―――」

 この距離ならば確実に外さないと言う状態で、山中は全弾を女性の頭部に撃ち込みながら勢いよく前進した。

 一時的にひるませると言う状態で明確な効果はないが、山中は距離を縮めていたが、最初に放った触手が進んでいる山中に向かって行こうとしていた。

「―――!」

 迷わずオレは手に持っていたショットガンを投げ捨て、ハイブリッダーとして腕を武器に変形させ、触手を撃ち壊した。

「こっちだ!」

ここまで来た以上山中は止めるに止められず援護するしかなく触手を破壊したが、1本しか破壊できず、もう1本は山中に迫っていた。


 我ながら無茶をしたものだと思った。

 触手は4本存在する中で2本同時に襲ってきた状態で、この2本を回避した後俺は山中は思わずと言うように走り出した。

 女性の再生能力は普通でない状態で銃を撃ち込むがすぐに再生し、子供だましにしかならないが、俺は彼女に近づいていた。

 銃や投げナイフでは傷が少なすぎるし、身体に壊滅的打撃が必要だと判断した俺は刃を抜き放ち、女性の身体を直に攻撃することを考えたのだ。

 触手が戻ってくる可能性も存在し、背後にも注意を払う必要があるし、使っていない2本もいつ攻撃が来るかわからないリスクの高い状況の中で背後で銃声が聞こえた。

「こっちだ!」

 リードの声で、音的に判断して触手を破壊したと推測し、俺は走るのを止めなかった。

「―――――」

 ノルアドレナリンの過剰分泌や集中力、瞬発的筋力の奇跡と言えるが不意に俺を後ろの方へと押し戻そうとしたか触手の1つが俺に襲い掛かって来たが、俺はこれを勢いよく飛び跳ねて回避した。

 飛び跳ね地面に着地し再び走り出す中で、4本目が俺を突き刺すように迫っていた。

「―――何の?!」

 自分でも後でお前は忍者かとも思ったが、素早い身のこなしで飛び上がり、触手は勢いよく地面に突き刺さった。

 避けていなければ串刺しにされていたと言う考えも浮かばず、俺は触手の上に乗って勢いよく走り出した。

 時間にして10秒と経過していないが彼女の眼の前に到達し、俺は彼女に首を勢いよくナイフを振って切り、後ろ回し蹴り勢いよくくらわせた。


 若い者には負けんと言う老人の言う言葉があるが、山中の動きは洗練された動きで、見事に女性を攻撃し、女性は地面に勢いよく倒れた。

 女性が倒れると山中は銃を女性に向け、一気に後ろに後退し、オレリードの近くに戻って来た。

 普通の人間ならば首の要所を切り開かれ一瞬で出血多量で死ぬが、女性はどうかわからない状態で、血こそ噴出したのが見えたが、死んだかどうかはオレも解らなかった。

「―――やったか?」

「―――いや、生きている?」

「―――やっぱりだめか?」

 オレの近くまで戻って来た山中がオレに確認するように聞く中で、オレは女性に生体反応、言わば生きていることを確認し、山中に伝えた。

 無我夢中だったようで、後先のことは考えず大打撃を与えようとしたようで、成功はしたが女性の身体は再生を始め、山中が言う中で5秒ほど経過すると上半身を起こした。

「―――――?」

「―――どうする? 粉みじんにすれば倒せそうだがするか?」

 不意に頭の中にと言うよりもオレの記憶の中で1つの可能性が浮かんだ。

「―――いや、オレに任せてくれないか?」

「わかった。」

 ハイブリッダーでは気体なれるほどで無効だが、山中の言う通りで、ナノマシーナーなら粉みじんにでもすれば再生不可能となり倒せそうだが、オレはこの時思い浮かんだ可能性が捨てきれず山中に対して言葉を返した。

 オレが粉みじんにすると言う判断をしたと考えたのか、俺では何ともできないから任せたぞと言うように考えたのかわからないが、山中は了承してくれた。

 女性の方はと言えば起き上がり、触手を動かし、再び戦闘態勢に入っていた。


 顔面に10発以上の拳銃の弾丸に撃ち込まれ、首の頸動脈を刃渡り30Cm以上の短剣で間違いなくわたし聖那は切られたが、生きている状態で、痛みを感じなかった。

 正確にはナノマシンによって高速で身体が再生され、細胞やわたしと言う個人が医学的に死ぬのを瞬時に阻止して回復させたと言えるが、何にしてもわたしは普通の人間では死んでいる領域だが生きていた。

 暴走状態で制御できないがナノマシンが確実に作動しているようで、効果を確実に証明していると言えたが、問題は2人だ。

 わたし自身本当を言うと敵意はないが、身体が勝手に動くせいで敵と認識されたようでわたしは痛みはないが、言葉通りに手痛い反撃を受けた。

 首を切られけりを受けた時は本当に出血多量で死ぬと思ったが、時間がどれほど経過したかわからないが、数秒ほどで回復したようで、わたしの身体はわたしの意志を無視して起き上がった。


『危険性順位変更』

『消去優先』

『実行』


 2人は何かを話し合っている中で、暴走しているわたしの身体は冷静に何かの分析を始めた。

『―――こちらはPMASCAGS 部隊未所属リード ファイヤー大佐だ。お前は何者だ?』

 タバコを吸っていた方が言った言葉を思い出し、わたしは彼の名前がリードだと言うことを覚えようとした中でのことで、わたしの身体は彼リードではなく、もう一人の男の方へ狙いを定めた。

 最初に勢いよく触手を伸ばしたが2人同時に倒せると考えていたのか先ほどまでどちらかと言えば同時に攻撃していたが、彼に優先的な攻撃を仕掛ける予定に変更したようだった。

「―――――っ?!」

 ナノマシンの暴走によってわたしの身体は制御が聞かずわたし自身させも考えられない行動を起こすもので、突然男に高速で襲い掛かった。

 先ほどの触手は回避できたが速度的数倍以上も早すぎ不意打ちとも言え、男の方は不意を突かれたと言うようなおどろいた顔をしていた。

 触手自体の速度が推定して5、60Kmほどで、自動車の平均速度的な速度で、数倍の速度と書いたが、わたしは150から60kmほどに瞬時に加速に彼に激突しようとしたのだ。

「山中!」

 激突は回避できない状況な上速度的に判断すれば激突すれば十分に即死させることができると言えるが、わたしの身体は殺しても気が済まないと言うような反応で彼に激突した。

 リードの彼を呼ぶ声が後ろから聞こえた。

『―――――』

 いやだ。

 こんなことなんてしたくないと思った。

 確かに彼はわたしを殺そうとしたが、わたしだって暴走した彼らを殺そうとしていたと言う状況で、やむを得ない状況だったが、わたしはナノマシンの力で我を制御できなくなり、人殺し人形になりかけている。

 誰か助けてと叫びたいが叫べず、止まりたいが止まれず、身体を思った通りに動かせず、わたしは彼を殺してしまったようだ。

「―――ぅ、ぅぅ、ぐ………?」

 次は彼を、リードと言う人間を殺しに行くのかと思っている中で、眼の前に生きている人間の声、リードが山中と言った男の声が聞こえた。

「―――――?」

『―――――』

 山中と言う名前だと思われるが男が呼吸こそ少し荒く乱れているが、何事かと言う顔をして見ている中で、身体が少しだけだが動く感覚をわたしは覚えた。

 重力に引かれていると言うか、重りを身体に結びつけられていると言うか、何かでしばられ引っ張られている感覚があるが、わたしはこの時無理すれば動ける気がした。

 ナノマシンの暴走が収まり始めて制御が少しだが可能となり、わたしは寸前で彼を殺さなかったのだと理解した。

『―――――ぉっ、ねっ、がっ、ぃっ?』

 わたしは身体の力を振り絞ると言うよりもナノマシンを制御しようと身体を動かし始め、彼に声をかけようとしたが、口がうまく動かず、話せない状態だったが、彼は何か言っているのを理解したと言う少しおどろいた顔を見せた。


 女性と言うよりも少し幼く、少女と言う方がまだ正解だった。

 年齢は推定して15歳以上20歳未満で、高校生か大学生1、2年生ほどだった。

 だれかと言えば突然俺に勢いよく突進して来た女性のことだ。

 高速で移動してきたので俺山中は自分が死んだと思ったが、なぜか生きている状態で、少女に銃口と刃を向けている状態で女性に押し倒されていた。

 突進する速度は触手の数倍以上速く、速度的に100km以上出たかと言う速度で、衝撃を受けた俺は動くに動けず、殴り殺されるのかと思った時、少女が口を開いた。

 口を開いたとは言うが、悲痛そうな顔で嘔吐物を吐き出そうするような顔で言い、口がうまく動かせないのか唾液がたれ落ちていた。

『―――わ、たしが、わたしが抑えてるから!? はや、く、逃げて! 逃げて! お願い!』

「―――――」

『―――自分では、制御できないの、ナノ、マシンが、暴走して………』

 少女はお願いと言いたかったのかと考えている中で、少女の表情が不意に変わった。

 眼を青白く光らせ無表情で殺気をまき散らしている感覚だったが、お願いと言った後眼の光が消え、苦痛と不安に満ちた少し幼さの残る顔で俺に言葉を投げかけた。

「お願い! にげ、て!?」

「―――――!」

 何にしても事情は深くわからないが九死に一生と言うか奇跡が起きたようで、俺は押し倒している状態の彼女を手で押し返し、距離が少し開いた中で蹴り飛ばした。

 背中に触手もあるが女性相応に十二分と言うほどに軽く意外に簡単に蹴り飛ばせ、俺は勢いよく起き上がり、彼女に銃を向けつつも後ろに下がった。

 蹴飛ばされた彼女はと言えば先ほどと違い動きが変だった。

起き上がりこそしたが、たとえると見えない何かに抑え込まれようとしているような動きで、動こうとしているが動けないと言うような動きで、頭痛でもするのか頭を抱え始めていた。


激突する寸前に制動、言わばブレーキがかかったように見えた。

何かと言えば山中に高速で激突しようとした女性の動きで、一瞬で速度が3分の1ほどに落ちたようにオレリードの眼には見えた。

ブレーキとは言うが運転免許を持っていたり車を運転している人間ならばわかると思うがたとえ制動をかけても物体は慣性の法則などに従い動き続ける性質が存在し、何にしても山中と女性は激突し、地面に倒れていた。

正確には山中が押し倒された姿勢で、生きているかわからなかったが、少しして山中は女性を蹴り飛ばすと起き上がり、銃を女性に向けて一気に後ろへと下がり始めていた。

「リード!」

「―――おう!」

 オレに任せてくれと言う言葉を覚え理解してくれているのか山中は後ろに下がり、オレを確認すると何とかしろと言うように言い、オレは言葉を返した。

『―――――』

 オレは瞬時に周囲にと言うよりも、山中には見えないが女性に向けてオーヴァーマシンを散布した。

「―――――」

「―――――」

 後ろに下がっている山中の健康状態を確認したが、あの衝撃を受けた中で当たり所がよかったと言うか奇跡と言うべきで、身体全体に衝撃は受けたが、かすり傷程度はあるかもしれないが、大きなけがは一切ないと言う状態に見えた。

『―――――お前は何者だ?』

『―――?!』

 散布したオーヴァーマシンが女性に定着したことを確認したオレはオーヴァーマシンを彼女に身体にいきわたらせ彼女とオーヴァーマシンによる接触コンタクトをおこなった。

 オーヴァーマシンによって直に脳を刺激することや、鼓膜を振動させることと言った通信の延長的手法が可能で、オレは彼女に話かけ、彼女は反応した。


 後少しで制御ができるし、この言うことが効かない身体と言うよりもナノマシンを黙らせ自分の言うとおりに動かせると思った時、あのリードと言う男性だと思うが、声が不意にどこかから聞こえた。

『わ、わたし、は?』

『―――慌てなくていい、まずは身体を制御することに集中するんだ。』

 いったいどこから聞こえてくるかわからないが、わたし聖那が応えようとする中で、声はわたしに落ち着いた口調で話しかけてきた。

『オレの名前はリード ファイヤーだ。怖がらなくていい、危害を加える気は一切ないんだ。』

『―――――ぅ………』

『―――――本来の自分を思い出すんだ。精神と身体を一致させるんだ。支配や制御するのではなく、自分として受け入れて手足を動かすように操作するんだ。』

 ナノマシンの暴走を押させようとしている中で彼の声がどこかから聞こえ、彼はわたしに対し、指示を出してきた。

 優しい口調で、わたしは言う通りにすればナノマシンを制御と言うよりも、本当に手足を動かせるように操作できるのではないかと思った。


 ナノマシンの暴走状態だった。

 彼女をオーヴァーマシンを使い調べたオレリードは彼女がオーヴァーマシンの暴走形態であることを理解し、彼女に対してナノマシンを制御するように伝え、彼女はオレの眼で分析する限りは安定した様子を見せ始めていた。

「―――――」

 一番おどろいているのは事情をよく知らない山中で、彼女が人間へと戻っていく状態をおどろいて眼で見ていた。

「―――大丈夫なのか?」

「ああ、大丈夫だ。」

 オレのオーヴァーマシンで遠隔操作もしている鎮静させようとしている状態で、女性の姿は少しずつだが本来だと言える姿へと変わり始めていた。

「―――?」

 女性だと言うことは解っていたが、少しすると服装が変わっていた。

 ナノマシンの制御と記憶が結びついたようで、本来の自分としての姿なのかわからないが、日本の女子学生の制服、言わばセーラー服のような恰好をしていた。

 よく見れば黄色人種のようで、山中と同じ日本人なのかと考えた。


 どうしてだと言う状況で、上は白基調で黒と赤と言うトリコロールカラーでスカートは赤基調で、まるで漫画やアニメで見るような可愛いセーラー服姿だった。

 何かと言えば少女のことで、リードが少しの間女性に眼を向けている中で、女性の姿が不意に変わり始め触手が姿を消し、武装した服がなくなり始める中で、少女の服が変わる光景が見えた。

 何が起きているかわからないがこちらに振り返る寸前に服が変わり、地面に倒れ、少女は自分で自分を抱きしめるように腕を胸の前で組み、身体を丸める姿勢をとった。

 遠くからだが息が乱れ、白い息を吐き出したのが見え、一安心したと言うべきか、脅えていると言うような様子だった。

 よく見ると言うまでもないが、少女はアジア系の黄色人種に見え、俺山中と同じ日本人のようにも見えるが、なぜ突然セーラー服になったと言う状況だった。

「―――――おい? リード?!」

 理解できない状況の中で、リードは俺の危険ではないかと言う物言いも聞かずに少女の方へと近づいて行った。

「―――見事だ。ナノマシンで服まで造りだすとは、敬服に値します。」

「―――あ? な? た?」

「―――敵ではありません。ここは、お休みください。」

 俺が見ている前でリードは女性に対して敬意を示すような反応で話しかけ、少女が何者かと問いかける中で優しい物言いで話しかけると、女性は勢いよくリードの方に向かって倒れた。

「―――――初めまして。フォト、いえ、オリジナルマザーと言うべきでしょうか?」

「―――オリジナルマザー?」

 倒れた少女をリードは受け止める姿は少女を守る近親者、親や兄弟のような優しさを持っているように見えた。

 優しく抱きしめ、リードは初めましてと言い俺が見て、何が起きていると言うように口を開く中で少女を優しく抱きかかえた。

「―――?」

「―――すまん、山中、少し持っていてくれ?!」

「―――?!」

 リードの発したオリジナルマザーと言う言葉がいったい何を意味しているか解らないが、説明してくれるよなと言う顔で近づくと、リードは不意に俺に少女を押し付けてきた。

 先ほどの暴走で危険とも思えたが、現在は普通の少女で、リードの頼みでもあるし、道徳的も放り投げて落とすわけにもいかず俺はおどろきながらも受け取った。

「―――リード?」

「―――――何で、だ?」

「―――?」

 何にしても受け取った中でリードは不意に地面に膝をつき、自らの顔を手で覆い、泣き出すような物言いで口を開いた。

「―――――何で、オレなんだ? なんて身に余る、身に余りすぎる栄誉何、だ―――――?」

「―――?」

 リードのことは知らないし、現在の俺の身に明確に何が起きているかわからないが、明確な事実な人には人それぞれの理由が存在していることだ。

 話したくはないが俺が日本に帰りたくないように、リードも何かを追い求め、何かと戦い、何かというか俺の抱える彼女と何かわからないが関係があることは確かな事実だ。

「―――――すまん、迷惑かけた。もう大丈夫だ。」

 膝をついていた時間は推定して数十秒ほどで、30秒未満ほどで、終わったかと思うと勢いよく立ち上がり、彼女を渡してくれと言うように手を前にだし、俺は少女を引き渡した。

「―――――これからどうす―――」

「―――?」

「―――る?」

 少女を受け取る際にリードは少しだけ足を下げ、敬うような扱いで受け取った。

 受け取りリードがオレがあなたを守りますと言うような騎士のような自信に満ちた表情の中で俺が声をかける中で、不意にリードの後ろからエンジン音だと思われる音が響き渡り、車のライトだと思われる光が見え、俺たちを照らした。

「―――どうやらこれで終わりじゃなさそうだな?」

「―――団体さんのお出ましだぜ?」

 車のエンジン音も数台以上で、バイクのエンジン音が聞こえた。

 一息つく暇を貰えないかと俺が思わずと言うように口を開くとリードも合わせるように口を開いた。

「動くな!」

「両手を上げて地面に伏せろ!」

「その少女を引き渡せ!」

 光越しにだが銃を持った男たちの姿が見え、俺たちに対してか声をかけてきた。

「―――警察、じゃないな?」

「―――――」

「―――警備(セキュリティー)会社(カンパニー)、か?」

 言葉の通りで彼らは警察には見えず、姿をあらわしたバイクも白バイではなく普通のバイクで、男たちも警官とは似ても似つかない格好をしていた。

「―――あら? 遠慮なしのようだな?」

「―――」

 何事かと見ていたが、不意に少し体格のいい数人が走って来た。

 殺意には満ちていないが、その少女を引き渡せと言う要求も存在し、少女を奪還に来たようだった。

 合計3人で、少女を抱えたリードが勢いよく前に出ると最初の1人を足蹴にしたと思うと勢いよく飛び上がり2人めを踏み倒した。

「―――っよっと。」

「―――?!」

 1人めは地面で悶絶している状態で2人はリードの足場にされ、俺は3人目の相手をすることになった。

 体格は俺よりも大きく筋肉質で、勢いよく殴りかかってきたが、俺は殴って来た拳を回避し、殴った拳の手首を勢いよく捕まえ、後ろ手に拘束し、地面に勢い良く倒し、俺は後頭部に銃を向けた。

「動くな。」

「―――――」

 俺と言いリードと言い、俺が拘束した男と言い、少女と言うか、お姫様を助ける騎士ナイトとは程遠い存在だが、リード1人だけはこの時俺は一番彼女を守る騎士らしく見えた。

「ラッセルたちが?!」

「構わん! 撃て! 殺せ!」

 なりふり構っていられないと言う慌てた物言いで、彼らは俺たちが3人を倒す中で騒ぎ出す中で警備会社の社員とは異なるスーツ姿の若い男が勢いよく指示を出した。

 まずいなと言う状況で銃口がこちらに向けられ、俺が拘束している男がうそだろと言うような顔をしているのが見え、銃声が響き渡った。

「―――――ぉお?」

「―――な? なんだ?」

「―――きれいなものだ?」

 銃声が響き渡る中で、俺たちと言うよりも正確にはリードの眼の前に現れたのはクリアーグリーンの大きい盾で、こちらに向かってくる銃弾をすべて防ぎ、銃弾の跳弾する音が響き渡った。

 原理は不明だがきれいなもので、男がおどろいているが、思わず口に出すと、男はこの男本気かと言うような反応だった。

『―――沈まれ!』

「―――」

 銃声は止まり、盾は消えたが、何にしても銃を向けられている状態で、状況的に3人を人質に取ったが、不利なのは変わらない状態で、これからどうするんだと言う状況の中でリードが勢いよく大声を発した。

「―――少女に危害を加える気は一切ないしそちらに引き渡すが条件がある。」

「―――?」

 彼らが騒ぎ始める中で、リードの少女に対する扱いは丁重なもので、優しく抱きかかえている体制で、言葉を発する中で踏んでいた2人めから降りた。

「―――証明にまず人質を解放する。」

 少女に対する反応とは違い、リードは行けと言うように2人めを足蹴にし、2人めは逃げ帰って行った。

「―――ほら、行け?」

「―――」

「―――そいつ忘れんなよ?」

 俺もリードの言葉に合わせ3人めの手を離し、行くように合図すると立ち上がって前に進み出し、俺はリードが最初に蹴られた1人めを置いていくなと言うように言うと、3人目は肩車をして1人めを連れ帰って行った。

 悪いのはお前だと言うような顔で俺を振り返ってみたが、俺はリードの仲間だし、お前も仕事だろうがと言うような顔をして返したと言うよりも何もなかったように半場無表情で手も降らずに返した。

「―――条件は3つ。1つ、我々を同行させろ。」

「―――」

「2つめ、この子と話をする機会が後で欲しい。3つめはお前たちの身分を明かすことだ。」

 一体全体リードが何を考えているかわからないが、何にしても事情があるようで彼らに条件付きで彼女を返すようだが、3つの条件も少し変わった内容だった。

 何を考えているかわからないが、俺は詳しい事情も知らないで文句を言える立場でもなく、リードに従うしかないとしか言いようがなかった。

 要求を突き付けられた彼らはと言えば先ほどまで騒ぎ立てていたが、沈黙していた。

「―――条件が受け入れられない場合返還要求には応じる気はない。」

「―――」

 半場脅迫だが、指揮している男が全員に銃を下すように合図し前に歩き出した。

「こちらはAGE、アドヴァンスド ジェネティカルエンタープライズの辻昭だ。要求に応じる。聖那、彼女を渡してくれ?」

「―――まだだ。2つめの条件を確保できる確証が欲しい。」

「――――――ック?」

 辻昭と男は名乗り、身分を明かし、聖那と言うのかリードの腕に抱えられた少女を返せと言うように言う中で、リードはまだ渡す気はないと言う反応で辻はこの男と言うような眼に見えてわかる反応を見せた。

「―――お前たちこそ何者なんだ? 聖那と連絡取れないと思い、来てみれば………?」

「―――」

「―――何を見た?」

 反応から見て間違いないと言えるが、辻は間違いなく聖那の仲間で、辻は彼女の力の何かを知っているようで、リードに対してと言うか、見られたら不味く、見たのかと聞いてきた。

「―――暴走していた。」

「!?」

「―――安心しろ。ナノマシンは安定させた。精神と身体の調律が狂って双方過度に疲労して回復のために睡眠状態に入っているだけだ。彼女は普通の人間だ。」

 聖那が何者かをリードは明確に理解しているようで、辻の反応はなぜ知っていると言うおどろきを隠せないと言う顔だった。

「―――な―――」

「―――審判の日からお前たちを救いに来た。」

「―――――」

 何者なんだと辻が聞きかける中でリードは勢いよく言葉を返し、辻は言葉を失ったような顔だった。

 審判の日と言えばアーノルド シュワルツェネッガー主演、ジェームズ キャメロン監督の映画「ターミネーター2」の原題「Terminators2 The Judgements Day」のように映画の専門用語だと思われているが正確にはこれは宗教用語だ。

 ジーザス クリスト、言わばクリスト教の新約聖書の終末予言を記した書、言わば黙示録の訪れる日を意味している。

 7つのラッパを合図に世界崩壊の序曲が始まり、世界は終わりを遂げると言う話で、信じる者は天の国の使者に救われると言う話だ。

 辻と言う男に宗教の知識がどこまであるかは俺にはわからないが、何にしても彼がこの後どう出るかを決めるのは彼ではなく、リードが決めることは明確だった。

 辻は首を強制的に首を縦に振らされることになるのは必然で、俺はいつまで待たされることになるかと言う様子で、軽くだが空を見上げ、少し大きく息を吐き出した。

 空は夜空から夜明けへと色を変え始めているころで、吐き出しが息が白く空に大きく広がり始めていた。


 人間と言う生き物は本来は走ることを普通の状態としている生き物ではなく長時間走ることはできても永久に走り続けることもできず、走りながら日常生活をすることは不可能だ。

 わたしパールことハイブリッダーも能力を使えば一応は不可能ではないが無駄な努力と言うものだ。

 肝心なことは何かと言えばサンプルを回収した後の勇の反応で、慌てて逃げていると言うような状況で、話すことが難しい状態だった。

「―――気が済んだか?」

 普通の人間ならば普通に走ったり、車で走れば何十分と言う時間がかかる距離を駆け抜けて十数分後、勇はここまでは彼らは来ないとだろうと言うように立ち止まった。

 決して鍛えていないとは言えず、ハーフハイブリッダーでもあり体力は通常の人間以上だが、よほど慌てたようで止まると膝に手をつき、呼吸を整えようとしているが、酷く荒れていた。

 この男は意外と精神的に弱いと言うべきで、山中に名前を聞かれた時には山中から見て落ち着いたように見え、彼自身が慌てたと思っているが、実際は思わず不意打ちを受け勇は反応ができなかったのだ。

「―――――」

 わたしが声をかけるが勇はまだ落ち着かないと言う様子だった。

「―――――お前は、大丈夫、なのか?」

「―――?」

 この小心者とでも批難してやろうかと思っていると不意に勇が口を開いた。

「―――――オレは、本当に、赤の、他人として、割り切れるが、お前は………」

「―――――」

 膝に手をつくのを止めて身体を起こしたがまだ少しだけ呼吸は荒れている状態で、勇は背を向けた状態でわたしに対して聞いてきた。

「―――お前とリードは―――――」

「言うな。」

 勇が言いかける中でわたしは勇を黙らせた。

「間接的には?!」

「それはお前も同様だろう!?」

 わたしの言うなと言う言葉に対して勇は勢いよく返そうとする中で、わたしは再び勢いよく返して黙らせた。

「―――時期に彼らに直に話さないといけないんだ。」

「―――――っく?」

「―――わたしたちはもう乗り越えている。辛いのは彼らになるんだぞ?」

 言い返す言葉がないと言うような様子の言うに対し、わたしは少し感情を少し押さえた物言いで言葉を返した。

「それに、わたしたち事態が、不確かな存在なんだぞ?」

「―――――」

「ここではな―――――」

 言葉を続け、勇を黙らせることはできたが、口を開けなくなり下を向いたのはわたしも同様だった。

 SF、Science Fiction、日本語訳すると空想科学小説とも言われ、科学予知的要素を含む架空の物語だ。

 時折わたしは自分自身がそう言った空想の物語の住人ではないかと言う錯覚に陥ることがある。

 自分自身がハイブリッダーでもあると言うこともあるが、数百年ほど前は空想、言わばSFや夢物語の延長された世界が現実となり、わたしはその恩恵を受けてここで戦うことができている。

 戦いここに存在し、生きてはいるが、空想科学の世界が現実だとすればわたしたちと言う存在は非常に脆弱であり、虚構的であり、極小的規模であり、ゼロや無に近い存在と言っても差支えないとも思える。

 この思いは思い切り本気で走り終えた後、一休みしている時の達成感と言うよりも、まだ少し走り足りないと言う気がする不安感や、優越感とは違う先を行き過ぎた虚無感に似ていると思った。

 勇を黙らせたが、わたしも人のことを言えない立場だ。

 言うまでもなく理解できると思うがわたしと勇はリード ,ファイヤーと山中一輝と関係を持っている事実が存在している。

 山中が勇を勇かと聞いてきたが、即座に自ら間違いだと否定して、勇の本名とフルネームが荒木勇だと言う事実が存在するが、これは勇にとっても山中にとっても正解であり間違いだ。

 正解であり間違いであると言う言葉は文章的に矛盾しているが、これが間違いであり正解でもあるのだ。

 彼方たちや彼らを含めてだが、わたしたちは科学と非科学の中間をさまよっているとも言え、なんとも解り難い世界で生きている。

 答えがあると言えばあるし、ないと言えばないが、確かな事実はここではまだ説明するには情報が不足し開示できないと言うことだ。

 わかりやすい答えと言うものも一応は存在しているが、答えを知るだけでは意味を持たないことが多いのが現実だ。

 変わり映えしないと言えば変わり映えしないが、変わるとすれば計り知れないほどの変容を見せる。

 夜明けが近づき遠くから太陽光が見え、確かにこの光は変わり映えしないように見えるが、科学的には太陽や地球、この世界は1日ごとに計り知れない様々な変化を起こしているようにだ。

 目を反らしていたわたしたちは日の出の出ている方向に眼を向けた。

 勇は光を背にしている体制だったが振り返り、わたしは勇の背中も見ていた。

 この見ていると言う認識さえも、虚偽の塊ではないかと少し疑った。


 マスターアラキとマスターパールの姿が見えた。

 彼らの目的がわたしこと楊と同じかはわからないが、何にしても彼らはこの時代に来ているようだった。

 彼らの身分としての発言、言わば敵でも味方でもない、正義でも悪でもない、たとえて言うと調節者だと言う言葉を、わたしは思い出していた。

 滅びた世界で孤児となったわたしを助け、重傷だった身体の一部を機械にこそ替えられたが救い、一流の兵士として育て上げたが、彼らは決してわたしと言うかわたしたちの見方とは言えないのだ。

 彼らは自分たちが正確には何者とは名乗らなかった。

 助けてはくれたが、自らの情報は与えず、わたしを鍛えた後は元の世界へと返し、特殊強化服やゲートの技術を与え、我々には明確な答えを与えなかったのだ。

 ゲート技術を用いて我々が多元宇宙や過去や未来を移動し諜報活動を始める中で多くの情報の入手こそできたが、彼らの情報やわたしの世界の崩壊原因、与えた理由も解らなかった。

 風のうわさ程度にと言う情報も手に入れたが、どれも的を得ずと言う状況で、わたしたちは何にしてもこの世界を調べようとしている中で、わたしは2人を見かけた。

 わかるのは2人がこの世界かどうかはわからないが未来から来たことで、世界は思ったよりも平和だと思う世界もあれば、わたしが生まれた世界よりも凄惨な運命を迎えた世界も存在していることだ。

 この世界がどうなるかはわたし自身にも計り知れないし、わたし自身が止めるかもしれないし、どこかのだれかが止める可能性も存在している。

 わたしは彼ら師に持ちある意味彼らと似たような立場と言えるのかもしれないが、自分たちに与えられた技術のことが明確には分かっていないし、わたしたちの立場は彼らよりも不確かな存在と言える。

「―――――」

「―――司令官? どうされました?」

「―――いや、何でもない………」

 2人を見ている中で仲間の1人が話しかけてきたが、わたしは何もないと言うように返した。

「―――疲れただろう? 仮設基地設置後、休憩を許可する。」

「―――了解。」

 本当は何かあるのではないかと言う様子で、少ししてわたしが指示を出すと、休めることがうれしいようで、勢いよく敬礼し、作業へと戻って行った。

 幸か不幸か2人はこちらに気づいているかわからないが、向かってこないし話しかけてこない様子で、よく見ればどこか争っているように見え会話に割り込むわけにもいかず、何にしてもわたしは一息というように頭を上げていた。

 時は経過して1998年の12月26日へと変わっているし、時間的にも場所によっては日の出が出る時刻でもあり、空は明るくなり始めていた。

 この夜明けは普通の夜明けに見えたが、遠くでは爆発事故のような物も起きていたことも確認され、わたし自身の存在と言うのも原因と言えるが、わたしたちは異なる物語の歯車にすでに巻き込まれているようだった。

 一見すると非常に歪な歯車がかみ合っているように思えるが、物語の組み合わせの設計と言うものは精巧に思考され、規則正しい機械特有の心地よい回転音と旋律の序曲を奏で始めていると言えた。


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