Battlefield 2
本人たちはまだ知らないが、何にしても2人のサイバトロニアンの手伝いだ。
なぜここにいるかと聞かれたら、オレ荒木とパールは機構の犬の調節者であり、調節すべき任務が存在し、2人のサイバトロニアンこと、リードと山中の手助けをしないといけないのだ。
パールもだが、リードと言い、ハイブリッダーたちはサイバトロニアンこと、トランスフォーマーと言った人間外の生命体が出る架空の物語を道徳教育の一環として教材として利用していることがある。
人間とは異なる存在であり、異なることを誇りに持ち、異なる種としての独立した文化性を育てさせることが目的だそうだ。
山中が着信音にしていたStan BushのTill All are oneと、Mute mathのTransformers Themeはトランスフォーマーに関連する曲で、山中はリードから見てある程度理解ある存在だと認識されたとも言える。
「―――車止めてくんない?」
2人が何にしても仕事を始める中で、オレはボンネットの上から走行中の車のドアを数回たたいていた。
オリジナルの75%程度とは言え能力も使え、オレは救急車に着地し、救急車を止めようとしていた。
オーグがわたしパールと勇に与えた命令は時間移動事故者の遺品回収だ。
望月雷也と言う男性がこの時代へと事故で到来し、死亡したので、彼の所持品の一部を回収しろと言う命令だ。
望月雷也は28歳で1994年3月26日生まれ、プロの報道カメラマンだ。
カメラ好きの父の影響で幼い時からカメラに触れることが多く、中学校1年で写真雑誌に投稿して入賞するなど若くして才覚を表し、大学卒業後は即座にプロデヴューした逸材だそうだ。
実際ならばこの時間では山中一輝の場合10歳で、雷也の場合5歳と言う年齢になるし、所持品の中には以上に技術の発達したものも多く、時間移動事故者が影響を与える可能性が多いことは事実だ。
雷也は恐竜型の怪物に襲われ死亡したと推定される。
恐竜型の怪物とは言うが、正確にはディメンションモンスターのソーの一種、ニクサーだと推測されている。
ディメンションモンスターは人間たちがゲート技術を造りだした副作用で誕生した生物だと推定され、昆虫型のイニーや食虫植物型プリーなどとほかにもいるが、ソーは恐竜型の怪物でDMの中でも数と種類が多いのが特徴だ。
多種多様だが、肌が黒く、眼が赤く光り、致死的攻撃を受けるか、捕獲されると数十秒で原形や証拠が残らないほどに解けることも同一だ。
時間航行における副作用を自然修復しようとする作用を持った生物と考えられ、神出鬼没で捕獲もできず生態は多くがなぞに包まれているが、明確なのは突然現れて無差別に人を襲うことだ。
ソーの知能は特に高いと推測され、恐竜型とは言うが、正確にはディノニクスに酷似している。
白亜紀の恐竜で、体長平均2、3mほどで、集団で狩りをすると推測され、ソーも同様で人間を襲うこともあり、特にニクサーは指揮能力を持つと同時に通常型を上回る身体能力を持っている。
体長3、4mほどと一回り以上に大きく、最大の特徴は通常型と異なる片腕3本で、両計6本の長く鋭利な爪だ。
爪とは言うが剣と言う方が妥当な表現で、振り回せば人間は簡単に切断できるし、オーグの報告では戦車や装甲車を簡単に切り刻んだと言う報告も存在している。
「―――――勇、お―――」
「―――悪かったよ? 反省しているよ?」
状況的に言うまでもないが、わたしが怒るのは勇はわたしが止めるのも聞かず、走行中の雷也の荷物や死体を載せた車の集団の先頭の車両のボンネットに飛び降り、連続衝突事故を起こす元凶となった。
走行中の車の天井に何かが落下し、上から窓を叩けば当然運転手は混乱するし、事故を起こすのは当然だ。
勇が問題を起こすのは多いことで、わたしの悩みの種だし、ニクサーにどの程度雷也が攻撃を受けたか調査する必要があるが、この状況的に最悪の状況が待ち受けている可能性もあり、わたしは気が重かった。
5体が切り刻まれている可能性もあるし、死体袋から飛び出して四散している可能性もあると思うと、前に進むことを創造するのが嫌になった。
「―――――」
「―――結果オーライだろ?」
怒り説教になりかけるといつもこれだ。
悪いことをした子供のように眼もそらしているし、確かにオレは悪いことはしましたが、結果としては任務はこなすことができましたと言うような言い方だ。
「―――じゃああとはお前がやれ?」
「―――またそう言う?」
「付き合いきれるか。」
開き直って言う中で、わたしはお前が言い返すならわたしにも考えがあると言うように言い、背を向けた。
無論困ると言うように勇は言い返すが、わたしはお前が悪いと言うように返した。
「―――だから車が止まってからにしろと言ったんだ?」
「―――ばれないようにしろって言ったのはどこのだれだよ? 交通事故に見せかけることができただろうが?」
「―――――」
頭が痛くなる。
ハーフハイブリッダー化して3年も経てば普通は曲がりなりにも能力を普通の人間では区別できない程度まで使えるようになり、一応と言うように教えはしているが、勇は普通の人間から見ても使いこなせていない状態だ。
天性のものと言うべきか奇抜な行動も多いことが手伝い、問題ばかり起こしている。
「―――そんなに人間の時のオレがよかったのかよ?!」
「―――――お前はどっちにしてもお断りだ………」
「―――――わかったよ? オレ1人でやればいいんだろうが?」
喧嘩になるといつもこれだ。
わたしは半塲放棄する形で背を向け、勇はと言えば言うだけ言い結局自分のしたことは自分で始末をつけると動き出すのだ。
「―――――」
わたしも甘いものだ。
オリジナルとしてハーフハイブリッダー化させた責任もあるし、第一わたしたちは職務中でもあるし、勇を1人にさせるなとオーグから言われているし、歩き出す勇の方を振り返り、わたしも手伝うとは言わなかったが、同じ方向に歩き出した。
わたしたちの能力には高度な計算処理ができるコンピューターを造りだし、脳と接続させることができ、人間では不可能なことも多くできるが、人間の心理や行動は深くは理解できないものだ。
未来から来て歴史を変化させないように行動しているが、人間の行動力には自分もだが、特に勇は計り知れない部分が存在する。
科学的だが、科学では説明できない能力を、人間はわたしたち以上に秘めている。
コンピューターと人間が戦うとどちらが勝つかと言えば人間だ。
優秀とは言われているが結局は人間の造りだすものであり、人間と比べると劣っているしコンピューターのOSの記録や反応と人間の脳や記憶や思考には差が開きすぎている。
無論最近のコンピューターや家庭用ゲーム機の発展から判断して人間では無理な高度な処理ができていることは事実だが、正確には1つ1つを処理し、複雑な計算を経て答えを出しているにしか過ぎないのだ。
人間にも時間がかかるが一応は計算可能だし、人間の思考能力は科学的にコンピューターを凌駕していることが証明されている。
文系か理系かと言う理論のような物で、人間は文系、コンピューターは理系だ。
正確にはコンピューターは理数系で、複雑怪奇だが絶対に変化することのない答えを持っているが、人間は単純に見えて複雑で、複雑に見えても単純で、確実な答えと言えるものが存在していないことが答えだ。
答えがないと言う訳ではなく無限大数の答えの中から自ら選ぶべき答えを選ばなくてはいけないのだ。
模範や具体例、正当性と言うものは人間たちの培ってきた歴史の上に構成されたものであり、該当しない答えが間違いと思われているだけにしか過ぎないのだ。
正義か悪かと言う人間の心理の判断基準の判別は非常に難しいが、わたし聖那と言うよりも、わたしの身体は半塲それができているようだった。
いつの間にかと言うかある意味必然と言うべきか、わたしは先ほどまで見ていたゾンビたちに囲まれ戦闘状態になっていて、機械に変化した身体は彼らに明確に敵意があることを伝えていた。
『敵意あり』
『接近中』
『有害度75%』
脳で処理されているのか、眼に映し出された光景なのか、両方で同時に処理されているのかわからないが、わたしの眼にはこのゾンビたちが確かに危険だと知らせていた。
引き返せばいいとも考えたが、探しているものも近くに存在する気配も感じ、待ち伏せもしているともいえ、引くに引けず戦闘の情報収集もできると思えわたしは戦うことにした。
「―――どうなっているの? 本当にゾンビなの?」
最初は追い払う程度に戦闘していた切がなくなり、本気で食べるために襲っていることがわかり、こちらの命の危機もあるので戦闘することになったかがこのゾンビたちは本物のようで信じられない生命力を持っていた。
追い払うために高い場所から落としたのが最初のいい具体例と言えた。
全身の骨が歩けないほどに砕け、本来は激痛で気絶するほどの痛みがあるかもしれないが、落ちて数秒後何事もないように張って動き出した。
過激で度が過ぎると思ったが手や足を切り落としてみたが気にせず歩き続け、これならどうだと次に思い切って頭部を頭蓋骨が砕けるほどに叩いてみたが気にせずに動き続けていた。
攻撃の衝撃を受けて倒れかけたり倒れたりもするが、脳や心臓、臓器に骨が刺さったり破裂しても身体が一部は震えているように見える者もいるが、気にしないと言うように歩き続けていた。
「―――ならば!」
ゲームの話をわたしはしたが、こんなものが現実にあるなど冗談ではないと思った。
残虐だと思うしわたしも嫌だが1人の首を切り落とし、2人めの上半身と下半身を分断し、3人めは頭部から一刀両断した。
「―――信じられない………!」
医学的に見て彼らはもう死んでいるし、これならどうだと思ったが、一瞬何か起こったことを理解したのか動かなかったが、少しして何事もないように動き出した。
首をなくした1体は首など最初からなかったと言うかのように歩き出し、首から上はと言えば生きていてこちらに眼を向け叫び続けている。
上半身と下半身を分断した2体めは上半身は気にせず張って進み始め、下半身は倒れていたが起き上がって歩きだし、真っ二つにしたのも気にせず器用に半分の身体で進み始めた。
地獄絵図とも言えるが目標をわたしに変えたのはほんの一部で、ゾンビたちはほかに目的地があるようで多くが前に進み続けていた。
まるで一級品のアクション大作映画のような光景だった。
何かといえばわたしアリスとマットが見た光景で、警察署が勢いよく炎上していた。
電気と言い昼を夜に変える光とか言うような話があるが、ある意味自然の驚異のほうが一番恐ろしく警察署周辺も人が集まり始めていた。
異世界では文明性を含め建築技術は古いものが多く大きくても城や館に博物館と言ったものが多く、わたしはこの時普通の世界での大きい建物の家事を始めて本格的に見た。
アクション大作映画のような光景と言ったが、映画も見たことがなかったわけではないが、かなり遅れていてよくてモノクロームの無音を見ていた状態で、わたしの眼の前に言葉通りのような光景が広がっていた。
わたしの世界の建物と違い造りも頑丈に見え崩壊する危険はないが、窓が割れ、有害そうな煙が吹き出し、近くの人間もどうすればいいかと叫ぶように逃げ回り、消化が終わった後は使い物にならない状態になることは確実に見えた。
到着する寸前にもどこかで交通事故が合って車が炎上していると言う通報も無線越しにだが確認され、物の見事な荒れ果てようだった。
「―――何考えてるんですか?」
本当に手におえない上司と言うべきでマットは飛び出すと勢いよく走りだし、止まって何かを見ていたが不意に署に向かって走り出し、わたしはマットを抑えたが、勢いよく振り払われた。
「お前の眼は節穴か!? サムのハーレーが見えないのか?」
「―――」
「あいつは人がいいから先に入って消防の手伝いしてんだ! 馬鹿が!」
だれかが通報したようで消防車も到着し消化が始まりわたしたちは傍観していることしかできないが、マットは進行方向の横に置いてあったバイクを見るとわたしに対して勢いよく言い、言い終えると署に向かって走り出した。
「オレも行く!」
「―――ああ。」
薄情な性格とも思うが意外と仲間意識と言うものが強いようで、熱血と言う性格とは言えず運動も得意ではなくどちらかと言えば不健康的で眼もクマが少しあるが、何にしても勢いよく進んでいった。
ジョーも連邦捜査局の捜査官が何をしているとも言いたくなるが、来ていたようで走るマットの横を走りだしていた。
状況的に見え専用の装備を持っていない彼らは消防から見て足手まといだが、傍観している自分が薄情に見えるし、部下でもあるし、馬鹿を止めないといけないのでわたしは追いかけるために走りだした。
怪物のこともあるし、何かが起きるとはわたしは一応は思っていたが、こんな映画みたいな展開望んでなかったし、わたし事態空想のような存在だが、署内でわたしはわたし以上の存在と遭遇することになった。
半場強盗だった。
何かと言えば俺山中が恋から受け取ったメールがだ。
メールは確かに恋からだったと言うのは置いておくとして、俺とリードは初仕事合わせとして現場に2人で向かっていた。
雷也のことも気になるが、大きな仕事を任された手前、引くに引けずと言う状況だった。
『サンプル回収
生物兵器の生態サンプルの捕獲をしてください。
実戦データの収集も同時進行でしてください。
一定時間戦闘後戦闘地点から撤退及び処理を願います。
妨害する存在がいる場合は排除して構いません。
サンプルは別の職員が回収に来ます。』
ここから1kmほど先に建てられて警察署で現在暴動が起きているが、これは未来から来た生物兵器が原因であり、詳しいことはリードに聞いてほしいとのことで、講義は後にして現場に向かっていた。
携帯電話のメールには地図などの写真も送付され、ほかにも詳しい情報が送られ、恋との連絡を済ませた状態だった。
忘れてはいけないがここは現在1998年の12月26日で本来は使用できないが、恋のクラッキングが成功し、通話とメール、ウェブ接続など、時刻表示など、スマートフォンとしての機能を先ほど目覚めた時と違い十二分に作動させていた。
1998年ごろと言えば携帯にメールサービスが始まったころであり、性能は雲泥の差で、この時代の人間から見れば非常に便利な道具を通り越している。
便利と言えば便利だが、仕事内容が違うだけで、失礼にもなるが基本はAGSの普段通りの仕事だった。
多機能型携帯電話のウェブ接続機能による社員のID管理はAGS本社が2015年に正式採用した方式で携帯は仕事の常用装備として俺のような社員には職務中休暇中問わず所持携帯が義務付けられている。
いつどこで連絡が来て、バッテリーが切れるかもわからず、予備のバッテリーを数個と充電器を常に持ち歩いている始末だ。
社員と社間のメールや通話による報告を基本に地理情報などの必要情報の転送や時計合わせ、現場撮影と言った多機能型と言う名称に恥じない活用法がされている。
携帯電話の通信には限界が存在し、無線機やノートパソコンなども使用するが、2000年代前期にPCにUSB規格が登場し、充電器接続部もミニUSB規格統合化により効率化もされ、IT化が全盛の時代に伴い、使えないと言う事実は減少傾向にある。
便利だとは言うが、人間の根本や歴史の流れはたいして変化のしないものだと、思うし、何にしても俺たちは警察署に、正確には裏口に向かっていた。
語り手たちが多く存在するが、オレリードも含めるが、だれしもだと思うが後でもしもと言いたいことは多々存在すると言うよりも多すぎると言っても過言ではなかった。
特にオレは山中のことをよく調べておくべきだと思ったが、状況的にか、後のことにもなるが教えることが多すぎたし、飛鳥と桜の言った経歴を把握し過信し、深く話し合うことがなかった。
オーグの後ろ盾と言う強い権力行使も可能となり、半場自棄気味の行動でアーウェーの行方も能力を使ってもなぜかまったく知れず、命令に従い連れていれば問題ないし、アーウェーを必ず殺せると少々楽天的な意識も持っていたことも事実だ。
ドレッドとの会話の中に見せた本来の時代に帰りたくなさそうなそぶりを見せることもあり、イザナギノタタカイと言う訳のわからないことがあるが、特にAGSの社員と言う経歴がオレを大きく信頼させた。
一般的な観点から言えばそれだけが信頼に足る理由かと意見が出るかもしれないが、職業軍人として働く傭兵にこれ以上に仲間を信用する手立てはないのだ。
同じ言語も話せることも信用の1つだが、傭兵には性別から年齢、国籍など個体情報すべて全く違う場合も存在し、同じ会社に籍を置くことは同じ目的をある程度持っている仲間として十二分に認識できると言える。
同じ会社だからと大げさかと思われ、深く詮索すれば差別にもなり嫌われ疑われ信用を失うし、後で山中にも話して詳しく教えることになるが、ハーフハイブリッダーの適性があると言えば無理もない話と納得してもらえると思われる。
ハイブリッダーの開発構想はAGS発起当時から始まり、傭兵、言わばPOとして働いていた社員の多くが直接間接を問わずに被験体にされていた事実が存在し、山中は被験体の1人でオレは研究成果の1人とも言える。
ハーフハイブリッダーは第3次大戦下負傷した兵士に治療の一環としてオーヴァーマシンを投与した際一部がだがハイブリッダーに似た能力を手にする可能性があることが判明した。
75%ほどだが、神を凌駕する性能を十二分に持っているが、プリミーティブアウトなどを起こしやすく能力がオリジナル投与したのが注射などではなく、ハイブリッダー、言わばオリジナルが存在する場合5感を共有すると言う弱点を持っている。
5感の共有は「感覚共有」とも言われ、意志的に遮断は可能だが、5感を共有可能で、この共有率は100%でどちらかが異世界に存在していても死なない以外は何にしても共有可能である。
お互いの5感を共有しているが精神は共有せずと言う状態だが、お互いを無視できない存在へと変化するため、精神的に意外に繊細となることが多く、プリミーティブアウトなどを起こす要因と考えられている。
本来通常の人間に事態にオーヴァーマシンを投与しハイブリッダー化させることは確率的に不可能に近いが、間接的被験体としての情報を持つAGS社員たちへの適合率、言わばハーフハイブリッダーとしての適性と覚醒率は実は130%を超えている。
被験体を参考にオーヴァーマシンを開発し、オレのような生前の別の個体へと対応させるために複雑な研究して造られており、本来は山中のような個体へは最初から適性が存在しているのだ。
ハイブリッダー開発以前のAGSの被験体となった社員がすべてこの条件に該当し、山中も該当する一人だと即座に推測できることは簡単だった
ハイブリッダーの能力の原形の被験体保護をしていることになり、山中の身に何か起きれば未来のオレにも危機が及ぶ可能性もあった。
丁重にも扱う必要があるが、この任務が被験体に与える影響もあると思い、オレは同じ傭兵として山中を信用し、深く詮索することはなかった。
事実第3次大戦の功績と言うこともあり22歳と言う若さとハイブリッダーと言うことで中佐へと出世したオレとは違い、普通の時代に生まれ少佐で、33歳と言うオレより高齢だが山中のほうが兵士、傭兵と階級相応の風格を持っているようにオレは感じた。
兵士と言う存在は戦闘での移動時に姿勢を低くして移動するが、指示され移動を始めた山中の姿勢はオレよりも様と言うよりも兵士らしさを持っていた。
背丈もそれほど高くなく、オレよりも低く標準的な体形に見えた。
軍人と言うのは貧弱なのは困るし大柄で無骨な人間が普通に好まれていると多くが思うが、筋肉馬鹿と言う言葉も存在し力に物を言わせるよりも標準的で迅速な反応ができる人材が必要で山中はそれを持っているように見えた。
裏口とは言うが、俺山中とリードの到着した警察署の裏口は裏口とは言えず、正面とは言えず人気がない場所のもう一つの出入り口と言うべきで、警察署の駐車場の先だった。
パトカーや普通の車が何台か置かれ、署内と言うべきか建物内部と言うべきか、何か騒がしい気配がしている。
生物兵器と言ったがあの恐竜のような怪物かと考えもしたが、何にしても先を走っていたリードは途中の物陰に隠れ、俺も近くに隠れ、身体を伏せた。
「―――本当に入るのか? やばいぞ?」
「―――」
「―――それもかなり………」
中で何が起きているかわからない状況で、警察もいるし暴動も起きているだろうし、ある意味自首したりするようなもので気が引けた。
中で何が起きているかわからないし、生物兵器とも言われ、中で映画やゲームで見るような怪物が出て来て人でも食っていることも想像すると入るのはだれでもいやになる。
お前は曲がりなりにも米国のPMASCの傭兵、言わば間接的には世界で最も強い米軍の男だろうがと言われるが、怖いものは仕方がないし、恐怖は克服できないものだし、受け入れ立ち向かうものだと個人的に思っている。
荷物も持ち歩いている状態で、リードと比べると動き的にも少し不利だった。
「―――やっぱりショットガン返した方がいいか?」
「―――いい、持ってろ。」
リードがどう感じているかわからないが、ケースに収納したショットガンを取出し、銃弾を込め始めながら聞いてきたが、俺はすぐにリードの申し出を断りながら銃を取出し、弾丸を装填してサイレンサーを装着した。
「―――何かは解らんし、解っているとは思うがあの武器は出すな?」
「―――ああ。」
「―――後々厄介だ。」
後で聞くがこの時ハイブリッダーに関する知識はないし、何にしてもリードに対し俺は身体を変化させるなと指示すると言うまでもないと言うように返事を返した。
俺がAGSの制服の上着を着ていたこともあるが、この時代にはAGSもないし、あの時は一種の勘違いで大丈夫だと判断して出したようだが、ここでは笑いものにも何にもならないが、何とか常識は心得ているようだった。
「恋、警察署前に着いた。これより状況を開始する。」
『―――わかりました。』
「―――行くか?」
行くかと言う途中でリードは勢いよく起き上がり、走り出し、署の入口へと向かった。
腰を低くし銃銃口を下に向け、基礎のできた銃のホールドと走る姿勢で、俺よりも実戦慣れしているのが分かった。
後で22歳だと聞き、10歳以上も年が離れていると解ったが、傭兵としての才覚はリードの方が上のようだった。
背も高く185Cmほどもあり、図体が大きければいいと言うものではないが、訓練慣れし俊敏で鈍重な様子もなく、CQCも体得しているようだった。
CQBはクロスクォーターズコンバットの略で、ソ連崩壊によって対共産、対社会、第3次大戦の再来防止から対テロ、対紛争と情報収集戦の時代到来から発達しCQB、クロスクォーターズバトルとも言われ、1990年代に一般化を始めた戦闘理論だ。
日本語流に簡単に言うと近接格闘と言える戦闘で屋外の距離5m以内ほどを戦闘視野に置き、相手をサイドアーム、言わば拳銃やナイフ、スタンスティック、最低素手や手足で殺害または威圧的に鎮圧する戦法だ。
不用意に遠くから撃ち殺さず必要最低限に残し、残ったものを武力で鎮圧し、後で尋問などで情報を引き出すことも可能だ。
軍隊よりも米国特殊部隊SWATと言った警察組織の方がこれを重宝し、一国家内での問題や人道的立場もあり過剰防衛などにならないように使用するのが現実だ。
「―――生物兵器と聞いたが、オフィサーが襲ってきたら?」
「―――撃ってきたら殺せ、つかみかかってきたら倒せ。」
「―――了解。」
裏口の前でリードが右に、俺が左に立ち、常識観点で言えば俺は現在過去と言う歴史に介入している部分もあり、不用意に人を殺したりすれば危ないと思い、俺は最後の確認だと言うように聞いた。
オフィサーと言ったが状況的に言うまでもないが警察官を意味している。
ポリスメンと言う単語もあるが、これは女性が含まれず性的差別となるとされ、1998年ではわからないが、英語の授業でもだがポリスオフィサーやオフィサーと呼ぶ方が一般的となっている。
「―――行くぞ。」
「―――ああ。」
言うとリードは勢いよく立ち上がり、扉を勢いよく開けて署内へと入った。
外から何か大きな音が聞こえているが裏に入ると特に何か起きていると言う様子はなかった。
節電か、時間的都合か照明がついておらず、暗く見え難い場所でオレリードと山中は銃を向けていた。
証明は暗いが空調設備、言わば暖房が効いているようで空気が少し暖かく、機械か何かの動く音が聞こえ、内部のどこかから騒がしい声や音が聞こえるが、ここは人の気配が逆になさ過ぎた。
「―――後ろを頼む。」
「―――わかった。」
何にしてもショットガンとはいい武器を手に入れたと思った。
状況的に山中ではないと思うが、12番ゲージのM1100のCQC対応と言ってもいい銃だ。
この時代ではよくと言うかパトカーなどに積載されていることが多く、散弾やゴム弾のような非致死性弾薬と弾丸も選択可能だ。
オーヴァーマシンを使用し自らの細胞を自由自在に変化増殖減少させるハイブリッダーにとって銃の弾丸を造りだすなど簡単で、オレはショットガンに狩猟用の銃弾を弾奏内に全弾装填していた。
銃を構え先にオレが前を進み、山中に背中を任せ、オレたちは薄暗く、遠くから不気味な声が聞こえる署内に銃を向けて足を進め、銃は仲間に向けず、銃撃などに備え姿勢を低くして構え歩き始めた。
ショットガンを渡した時と言い、よく考え見ると山中は銃の構え方こそ訓練され、熟練された動きだが、オレと同じ左利きのようで、銃を左手に持って構えも右利きから見れば鏡に映したような反対向きの構えとなっていた。
元自衛隊だと飛鳥たちは言っていたが、オレの時代ではなくなったがこのころ一部の国の公共などの大きな組織間ではまだ利き手矯正が残っていたころであるが、山中も矯正されているはずだが、矯正されたようには見えなかった。
オレもそうだが生まれながらに人口比率が少なく他人と違い、不便な生活を強いられ差別され自らの自然な動作を不自然だと判断される。
特に島国と言う閉鎖空間の中の日本では顕著であると言え、集団行動や意志統一と言った一貫性が必要な、特に自衛隊と言った武装組織には少しでも違う人間は嫌われ、山中が自衛隊を辞めた理由の1つだとこの時思った。
火事が起きた時人間は正当な判断は普通は火事を傍観する事と言うよりもそれしかできないのが現実だが、わたしアリスは先に署内入ったマットとジョーに続いていた。
サムのバイクが入口の近くに置かれ、2人はバイクのライダーの彼ことサムを優先的に探している様子だった。
外から見て異常な様子だったが中はまだ一応は大丈夫だと言う様子で、非難したのか人の姿も見えず、2人と言い、わたしと言い、逃げ遅れたのがいないか探していると言う状態だった。
警察署が火事とは普通でもない事態で、署内は少し煙たい感覚をわたしは覚え、ジョーも同じようで、わたしと一緒にせき込み始めていた。
「―――――」
「―――何が起きたんだ?」
事件現場で見せた結構非常識な会話はどこに行ったと言うような本当に仲間の身を案じている警察官と言う状態で、マットはこれは一体と言うような様子で進行方向を見ている中で、ジョーが口を開いた。
わたしたちがせき込んだ状態と言い、少し煙もある場所もあるが、火元は一階ではない様子で中ほど煙がなく、職業柄もあるし足早に人も逃げてしまったのかなかった。
「―――うわっ?!」
「―――っ?!」
「そんな馬鹿な!?」
上から物々しい音が、銃声らしき音が聞こえて始め、わたしたち3人が上からかと考える中で、突然眼の前の天井が勢いよく落ちてきた。
「―――おいっ?! マット!?」
「―――ああ! 人だ!? 見えてる!」
落ちたと言うよりも全体の崩壊が始まりこれは一部分だと言う状況で、ジョーがここはもうまずい、引き上げようと言うような様子の中で、落ちてきた天井に人の姿を確認して口を開いた。
よく見ると落ちてきた天井はついでにと言うように上の階の床も抜かしたようで、落ちてきた部品の上側は上の階の部品の形そのままで、開いた天井には似たような天井が見えていた。
「―――大丈―――っう?!」
「―――なんだ? こいつ!?」
「―――?」
マットとジョーが何にしても中に人が残っていて生存者を見つけたと言うように声をかけたが、2人は不意に何か人でもないと言うような奇妙な反応を示した。
何事かとわたしも眼を向けると、よくは解らないが、異常な事態であることは明確だった。
確かに人で、女性ではあるようだがまず一番に眼につくのはこちらから見て右上の頭で、髪がなく骨だと思われる白い部分が見え、中心には脳か赤い色の複雑な線を描いた物体が見えていた。
反対の眼と言うよりも眼の周りの皮膚が剥げてなく中の肉が見え、左下の歯もむき出しになっていた。
映画の特殊メイクのようにできなくはないと思うが、この状況で度が過ぎた冗談だしで、わたしたちがおどろいていると言うことも彼はと言うべきか、無視してこちらに近づいてきていた。
服は警察官の制服でもないし、助けを求めているような様子は見られず、わたしもだが、マットもジョーも後ろに下がった。
銃口は殺意を持った対象の方向へと向け、寸前まで引きつけた後引き金を絞る。
俺山中の手に握られていた拳銃には弾丸が装填されている状態で、引き金を引くと撃鉄が叩かれ、撃鉄が内部の銃弾の雷管を叩いたことは明確で銃弾が発射された。
銃弾が発射されると同時に銃上部の部品が銃弾の反動で後退、ブローバックして使用済みの薬莢を排出し、弾奏から新しい弾丸を全自動的、言わばオートマティックに再装填する。
言わばこれこそがオートマティックの原理だが、現実は銃の仕組みと銃の撃ち方の講義をしている時間はない状態だった。
銃弾を撃ち込んだ相手が何事もないように再び動き出している。
銃口は間違いなく頭部の中心に命中している状態でだ。
コルトガバメントやSTI Edgeに使われる45ACP弾は十二分な人体殺傷力を持ち、頭部に銃弾を撃ち込めば確実に死亡するが、撃ち込まれた人間は気にせずに再びこちらに向かってきている。
「―――ゾン。だと?」
「―――そうだ。」
「―――人工的な神、だと?」
心臓、脳、頸動脈に銃弾を撃ち込んでも血が流れるだけで動きを止めず、足を撃っても気にせず再び歩き出し、足首や膝、股関節に撃ち込み行動停止を計るが歩けなくはなったが気にせずにはって進み始めている。
リードに説明を受けた後、リードが銃を撃つ音が聞こえ振り返るとリードは眼の前に迫っていた1人の頭を吹き飛ばしていたが、身体は気にせず動き、リードを捕えようとしていた。
「―――ック!?」
「来んな!」
背中合わせと言う状態で何にしても眼の前に迫っている状態で、銃を持っていない手で腰のナイフを勢いよく抜き放ち迫った1体を切り裂き、リードは気にする必要もなかったと言うように回し蹴りで迫っていた1体を蹴り飛ばした。
「―――」
「―――アンブレラに売り込みに行くか?」
「―――冗談にならんは!?」
リードから教えられた情報は少ないが、確かなのはリードはこれを造りだした人間を追っているようだった。
囲まれ危機的状況だがリードあの時の攻撃と言い、余裕が見えたが、俺は余裕が感じられなかった。
未来から来たとか言うが、情報があるのか遊んだことがあるのかわからないが、リードは俺の時代と言うべきか、この時代の知識をある程度は持っているようだった。
こんな場所でなかったら詳しく話し合いたいが、俺たちは囲まれているし、先ほど切り裂いた1体が首から確実に致死量と言える血を吹き出している状態だが気にせずこちらに向かって来ている。
無間地獄とは現状を言うのかと言う状況だった。
魔法や魔術の世界においてゾンビやアンデッドと分類される不死身の怪物が存在している。
人間や動物と言った生き物が死んでいるが動き回り人を襲うと言うのは有名な話だ。
わたしアリスは魔法を使えると言い、確かに死んだ生き物を動かせることは魔法などで可能でわたしも生き物でなら実験したことがあったが、わたしたち3人の眼の前に現れた人間は実験の生き物とは一線を超えていた。
本来死者と言うか生き物に対する冒涜でもあるし、死体自体腐敗することがあるし、処理にも困り使用しないのが現実的だし、1番に表現すべきは可能とは言うが、不死身になるとは言え表現上奇妙で矛盾するが限界が存在しこれほどの酷い状態にはならないのだ。
魔法によって生き返った生命には正確には制限時間と言うものがあると言うのが正確だ。
魔法を使った人間が死んだ生物を生きた状態に再現させた状態で、間接的操り人形に相当し、魔力と言った根源がなくなれば死亡と言うか行動停止する。
人間を襲うとは言うが操り人形になって命令に従っている状態でもあり、命令がなければ大人しく再び眠ると言うか死体に戻る。
再現であり不死身とは言うが人間の場合生前の状態や記憶を残させることも可能で生前と相違ない状態も多いが、わたしたちの眼の前に現れた人間は似ているが違うことは明確だった。
わたしの普通の人間でない身体の感覚はこれが魔法ではないと伝えている上、理性と言うものにかけ、ジョーに襲い掛かって来るのを見たのだ。
「―――んなんだこいつは?!」
「―――わからんが普通じゃないぞ!?」
いち早く動いたのはマットで、遅いかかる寸前にジョーの前に出ると勢いよく攻撃してひるませ、背後に回って拘束した。
拘束したとは言うが両腕で少し強く押さえている程度だ。
マットが抑え何事かと言う状況で口を開き、ジョーが分析するがわからなくて困っていると言う顔で答え、ゾンビは離せと言うように叫び声と言うべきかうめき声と言うべきか判断に苦しむ声をあげて暴れていた。
警察として相応の訓練は受けてはいるがマットは意外と見かけ倒しなことが多く、手が振り払われるのは時間がない状態で、言うまでもないと言う状況でジョーが手錠を取出しかけるかまえになっていた。
大量の敵に包囲された場合の一番いい戦法は撤退することだ。
悪く言えば逃げることに他ならず陣地の確保や奪回の場合は無理だが、俺山中とリードはこの警察署に踏み込んだ人間で陣地にする気もないし、火事だし消化する責任もないし、戦うだけ無駄なので進みだした。
動きは幸いにも鈍重で少し強い力で殴り蹴ればひるみ、俺とリードは前は進んでいた。
左手には銃で右手にはナイフ、近接格闘の知識もあり、走っていることもあり勢いでも十分に簡単に払いのけて進むことができた。
「―――恋!」
『―――はい!?』
「―――サンプル回収と言ったが、このゾンビどもじゃないのか!?」
肝心なことを忘れていたことを思い出した俺は無線に手を伸ばし、恋に連絡を入れ肝心なことを質問した。
質問され答えを知っている恋は俺の声に対しておどろいている様子だった。
「答えろ!」
『―――ぁ、あの、その―――』
「現場の身になれ! 迅速な判断が必要なんだ!」
桜と言い飛鳥と言い動きは俺と比べると少々訓練を受けた程度に見え、無線機越しの会話だが、慌てぶりと言い恋はだれがどう考えても素人だ。
『無駄だ。山中。』
「―――?」
無線機から聞こえてきたのは前を走っていたリードの声で物の見事な日本語だった。
『恋、ゾンを1体持ち帰った後ここを吹き飛ばせばいいんだな? 山中も理解できたか?』
「―――」
『―――無線に電波介入したんだ。このオレの声は電波信号の声だ。』
無線機から声は聞こえるがリードは前を進んでいて口を開いているようには見えず聞こえず、話したのかと思う中でゾンビの1人を払い飛ばしていた。
あの武器と言い、日本語は話せないとある意味誤解していたと言えるが、こいつはどこまでできると言う状況で、何にしても後で話しを聞かないといけない状態だった。
『―――ワーパーは素人ばかり―――――んっ!?』
「―――?」
『―――どうしました?』
何にしても前へ進み続けながら言葉を続け、何か後と言うよりも本気ですぐに聞かないといけない言葉をリードが言いかける中で、壁の端に身体をよせると走るのを止めた。
止まりすぐに銃を持っていない手で俺に対して止まれと合図したが、俺は合図よりも前にリードに合わせるように少し後ろで反対の左側の壁の端により走るのを止めた。
状況的にだれがどう考えても立ち止まる状況ではないが、何かあると言う反応でリードは前方に眼を向け、俺は後ろに眼を向けるとゾンビたちの姿が少し遠くに見えてこちらに向かう姿が見えた。
Ver.2 Zom [ゾン]
アーウェーがプロジェクトヤーウェーの中で生み出した怪物言うよりも人工的な神の内の一種類だ。
本来はブードゥー教の邪神を示すゾンビから来た名前だ。
ホラー映画監督のジョージ A ロメロの1979年のDawn of the dead(邦題ではゾンビで原題のリメイクも存在する。)によってゾンビは一躍人を襲う腐敗した不死の怪物としての価値を20世紀後半を過ぎた人間たちに定着させた。
不死者、言わばアンデッドとも言うが、実際の記録のゾンビとは違いこれほど大量には存在せず、人も襲うことはないが、兵器転用に置いてアーウェーは故意かわからないが現在の人間たちが信じるゾンビへと変容させたようだった。
ゾンビと言えばこの時代日本のゲームメーカー、カプコンが後にゾンビの登場するゲームの代名詞となるResident Evil(邦題バイオハザード)の3作目を発売し、ゾンビと言う存在は腐敗した死体が動いて人を襲うと言う概念が本格的に定着を始めていた。
年齢的に考えると山中はゾンビを腐敗した死体が動いて人を襲う怪物と言う印象を持ち始めた本格的な世代の人間の1人だと言えた。
武器も持っていることもあり山中はオレリードの後ろを状況相応の的確な判断で行動し、オレが静止すると待てと合図する前に歩みを止めた。
後ろに山中は眼を向け、こちらを見てはいないが、銃を構え、後ろからもゾンたちが迫る中であまり時間はないぞと言うような反応だった。
山中の介入にワーパーの妨害もあったが、ある意味では現地の知識を持つ人間を無料で雇えたとも言えるし、オーグの後ろ盾である意味オレはここで正々堂々と戦えることとなった。
ゾンとの実践情報の収集にサンプル回収と、オーグもアーウェーの研究に関してある程度の情報収集でオレたちを利用させたいようだ。
少し腹も立つ気がするが、素直にまでとは言えないが、オレは命令に従うことにした。
『―――人がいる。』
ハイブリッダーは自らの身体を自由自在に変形可能であり、身体の一部を無線のような通信機に変えることは簡単で、オレは恋と話していた山中の通信に電子的に介入してい口を開かずに会話していた。
「―――人? たくさんいるぞ?」
細かく聞きたい事がたくさんあるんだがと言う気が少しする物言いだが、山中は現状的に正解とも言える答えに対して率直に返した。
『―――ゾンじゃない。』
「―――オフィサーか?」
『―――そのようだ。』
普通の人間の肉眼で見ることや感覚ではとらえることはできないが、オレの鋭利な身体の感覚は進行方向にゾンとは異なる人間の気配を感じていた。
「―――どうする?」
『オレが始末する。』
「―――わかった。」
迫ってくるゾンたちに銃を数発撃ち込む中で質問した山中に対してオレは迷うまでもないと言うように返事を返して前に進み始め、オレに続いて山中も前に進み始めた。
軽くだが後ろを見ると幸か不幸か、山中は現実には遭遇できない貴重な体験を満喫してもいるし、酷い事態に遭遇したと考えている顔をしていた。
SF小説や物語の中でタイムパラドックスと言う言葉が存在している。
日本語で直訳すると時間逆説と言う意味が存在し、時間航行者のような人間が過去に移動して干渉した結果未来が激変すると言う説だ。
物騒な話になるが仮に人物Aがいたとして彼の遺伝的、生物学的子孫、言わば子供Bが数年後生まれる時代で未来から来た人間CがAを殺すとする。
Cの犯行によってAが時間的に存在せずBが生まれなくなると言う未来が生まれてしまうのだ。
逆に本来死ぬ人間を助けると言う場合にも異なる未来が生まれ、歴史的事実を本来とは異なる逆説的方向へと進めてしまうと言う意味で、本来の世界を守ることや変える事、変わった世界を疑似体験させると言う物語が存在している。
俺山中とリードは間違いなくCの立場であり、リードが殺そうとしているのはAの立場に該当する。
Bが誕生するかどうかは不明だが、リードが始末すると言い俺たちは本名不明のAに近づいていた。
リードの言葉に合わせるが、ゾンたちと戦っているようで、銃声や打撃音、叫び声のような声が聞こえた。
「―――――」
お前はターミネーターかと突っ込みたくなる状況で、不意にリードは歩いていた通路の右の壁を破壊して進んだ。
状況的にはバイオハザードのタイラントとも言えることは放置し、通常の人間では無理だがこの戦法の方が近づきやすいのかもしれないと考えながらも俺はリードの後にお邪魔しますよと言うように続いた。
だれか偉い立場の事務部屋のようで、広い部屋で男か女か不明だが大量の書類が机や床に落ちている状態で、一部が燃えて火が強くなり始めていた。
木造以外の建築物はよほどのことがないと燃えないと思われ確かに事実で消火後も再利用もある程度は可能だが、現実的には木造同様二度と使い物にならないのが現実だ。
本体は燃えないが内部には燃えやすい紙や木の床や電気やガスと言った火元となる物体も多く存在し内部燃焼するし、火事が起きた建物に再び入って住むことや仕事がしたいと言う度胸の据わった人間は多くは存在しないのも現実だ。
「―――」
銃でも持っておらずこれが映画などの類なら思わず拍手ともしたくなるし、現実仕事でこれができたらどんなに便利かと思うが、リードは壁をもう一度突き破り、壁越しにいた警官を捕まえた。
ヘルメットにサングラスをかけた白バイ警官のようで、リードは首を抑え勢いよく持ち上げた。
「―――――」
「―――?」
お気の毒でお悔やみ申し上げるし、俺には助ける義理もないと見ている中で、首を絞め折って殺すかと言う状況の中で、リードが少し考えたようなそぶりを見せる中で警官を遠くへと放り投げた。
『恋、戦闘情報はもういいな? 後はサンプルを持ち帰って帰還する。』
『―――――はい!?』
「行くぞ!?」
どこまでリードの能力がこの時あるかもわからず、タイムパラドックスか何かの時間的事象を守る能力があって彼を殺そうとしなかったかはわからない中でリードは恋と連絡を取った。
リードの急な質問に対し恋はおどろいた様子だが素早くこたえる中で、リードは俺にあいつは放置しろと言うように口を開くと、言葉は普段通りの英語で言うと前に進みだした。
殺せとも生かすなともリードは言わなかったし、俺は運がよかったなと言うように一度顔を見たが意識は半分あるかないかと言う微妙な状態で、ゾンもいるが俺は助けるわけにもいかず、放置してリードの後を追った。
戦いながらわたし聖那はゾンビたちは地図が正しければこの先の警察署に向かっていると考え始めた。
推測の領域でしかないが、遠くに見える警察署の方を見ると何か騒がしく、ゾンビの進行方向も含め、必然的に考えられる事態だった。
裏道を正々堂々とゾンビの集団は歩いているが建物を超えた大通りでは深夜ではあるが普段通りの姿がわたしの眼に映った。
「―――――」
人を襲うならば大通りにすぐに出られる脇道もあるし、彼らには何か目的があって、人にうまく見つからないように進んでいるし、見たわたしを証拠隠滅のために殺そうとしているのではないかと頭に浮かんだ。
警察署へと事実を伝えるかと聞かれると信じてもらえそうにない上に、もう何かが起きているようで、わたしは何にしてもここで戦い続けるしかできなかった。
逃げることも考えたが、わたしは警察署に眼を向けた時、余計に引くに引けない状況になった。
一言で簡単に言うと、感じたためだ。
何を感じたかと言うと、感じたと言えば奇妙な表現にもなるが、わたしの身体を変化させたナノマシンが確かにわたしと似たようなものがいると言う情報を伝えていた。
まだ中にいる状態だと思うし、待っていれば姿を表すと言う状況で、わたしは何にしても正体は不明だがこのゾンビたちを無視するわけにもいかず、戦いながらも、似たようなものを待ち続けることにした。
自分でもひどく嫌気がさす行動が眼の前でしているが、戦う以外に対処することができず、わたしはまだかと言う状況で警察署の方に眼を何度もむけていた。
逃げられた。
いったい何がかと聞かれるとジョーが手錠で拘束したゾンビで、手こそ拘束したが足を拘束していない状態で、軽く暴れると勢いよく立ち上がり走り出した。
思わずと言うようにマットが追いかけだすが場所が悪く、視界も悪く追いかけることもできず、わたしアリスは逃げ去るゾンビを見届けるしかできなかった。
だれがどう見ても普通の状況ではないし、すぐにでも即逃げ去りたくぞんじます言うのが一番いいと思う状況の中で、マットとジョーはどうすると言うように顔を合わせた。
「―――すまん、マット………」
「―――いや、いい。」
手錠はかけたんが思わず逃げられてしまいジョーはあやまるが、マットは状況も踏まえ、足に手錠をかけることもできないし、勢いよくいいんだ仕方ないと言うように返し、首を軽くだが左右に振った。
「―――それにしても、まさかゾンビなのか?」
「それよりも、サムだ。」
「ああ、そうだ―――――」
刺激と言うべきか、衝撃と言うべきかが強いのはわたしよりも普通の人間の2人の方で、ジョーが慌てている中で何にしてもマットは肝心なことを忘れるなと言うように口を開き、ジョーが言葉を返そうとする中で、周囲で大きな音が響いた。
「―――――なんだ?」
「―――上だ。」
周囲が少しだが揺れ、天井から粉が軽く落ちる中でジョーは何事かと反応する中でマットはすぐに音源を理解し、勢いよく音源に向かってか走り出した。
「おい? マット?」
「―――」
火事ではあるが普段から歩きなれた職場と言う雰囲気で、マットは走っていきジョーが後を追い、わたしも後に続いた。
わたしはここにきて働き始めて数か月ほどで少し迷うこともあるがマットは手に取るように進み階段を駆け上って行った。
サンプルとは言うが適当に捕まえるだけだ。
前を進んでいたオレリードは襲い掛かって来たゾンを勢いよく拘束した。
人を襲って食う怪物と言い、人工的とはいえ神とは言うが、結局は人間を少し改造した生き物にほかならず、CQCやCQBと言った戦闘は通用し、俺は1体を拘束して地面に倒させた。
見事と言うように後ろについてきた山中は言うような表情をしていた。
ゾンビと言うことで山中はおどろいているが、傭兵でもあり訓練を受けているし、未来ではゾンビも現実に実在している兵器として製造されるようになり、慣れの問題で山中も互角以上に戦うこともできるとオレは考えていた。
「―――大人しくしろこ―――?」
「―――」
「―――結束バンドか?」
拘束こそしているがゾンは離せと言うよりも本能的に眼の前に食料があるにも関わらず食えないし邪魔をすると言うように騒いで暴れまわっていた。
何にしても強引にでもおとなしくさせようとする中で不意に山中が近づき、結束バンドで素早くゾンの手を拘束した。
「―――足も頼む。」
「―――ああ。」
オレが抑えていることもあるが、山中はなれた手つきで親指と小指を拘束し、オレは思わずと言うように指示を出し、山中は合わせて動き出した。
ゾンは靴も靴下も履いていない状態で、山中はすばやく拘束した。
手つきも慣れているものだし、結束バンドと言う道具を持ち歩くことと言い、山中は自衛隊崩れの傭兵と言う訳ではないようだった。
この時代の日本人と言えば一部の公務員や競技用以外には銃の所持も認められていないことと言い、戦闘は知識もかけらもないが、山中は相応の知識と動きをしていた。
結束バンドは手錠よりも簡単に手に入るし大量に持て、頑強で銃などの武器が故障した際に補強したりとほかにも応用が利く利点が存在し、この時代の傭兵として最良の装備の1つと言える。
「―――口どうする?」
「―――?」
「噛むぞ? これ?」
拘束を終わった山中は半塲嫌そうな顔でこれでは終わらないと言うように口を開いた。
確かに言う通りで、拘束して芋虫のように動くことは当然だし、口も開いているので噛みつかれる可能性も存在している。
情報を手に入れてはいるが不完全な部分もあるし、オレは大丈夫だが接触感染する可能性も存在し、普通には持ち歩けない状態だ。
山中の持っている結束バンドの長さは20~30Cmほどで少し長いが使えるわけもないし、細すぎて噛み千切られる可能性もあるし意味がなく、オレも少し考えてしまったが、行動に移したのは山中だった。
「―――」
「―――行こう。」
「―――ああ。」
荷物にもなるが飛鳥たちから渡された荷物を捨てずに持ち歩いていた状態で、山中は荷物の中から適当な長さの合成皮革だと思われるベルトを取り出してゾンの口に巻きつけた。
これでも十二分な拘束になるが、ここまでするかと言うように荷物に手を入れ、山中は別の服を取り出してゾンの顔にかぶせた。
最大の噛む心配と言う懸念も消え、周囲が暗くなれば何が起きているか理解できないし、騒がなくもなるしで、山中は持ち上げようと身をかがめかける中でオレがゾンを抱えた。
やってくれるのか助かると言う顔で何にしてここから立ち去ろうと言うように言い、オレたちは返事を返して再び走りだした。
サンプルも回収できたし、後は脱出して証拠隠滅にここを処理するだけだ。
いいことだと言えばサムを見つけたことで、悪いことはと言えばサムが半場気絶し、大量のゾンビたちがいるし、何が起きたのかマットのオフィスの壁が壊されていることだ。
先を走るマットを追いかけたジョーとわたしアリスは勢いよく走る中でサムを見つけることができた。
見つけたとは言うが、一体全体何が起きたんだと言う状況で、サムの身体は壁に背を預けるような状態だったが、預けた壁が何か強い衝撃を受けたようで変形してひび割れていた。
勢いよく座ればこうなると言うようには見えないしサムは少し身体能力が高い方だが普通の人間だし不可能だと言えた。
「おい?! サム? 大丈夫か?」
サムとは言うが、わたしを含めマットもジョーもヘルメットにサングラスをかけていたのでわからなかったが、マットはヘルメットとサングラスを脱がし、サムと確認し声をかけた。
ストレートのブロンドに白い肌、半場気絶して意識は鮮明ではなく細身だが血色のよさそうな顔は間違いなくサミュエル アーヴィングだった。
「―――ぅ―――」
「よし? 生きてるな?」
何にしても探していたものは見つけられたと言うようにマットはサムの生きているのを確認すると勢いよく肩車して立ち上がった。
「ジョー、頼むぞ!?」
「―――わかった。アリス。」
「はい。」
オレが持つからお前は援護してくれと言うようにマットは言うとジョーは言うとおりにすると言うように言う中でわたしにも頼むと言うように指示し、わたしも従うことにした。
「行くぞ!?」
先導するからついて来いと言うようにジョーが歩き出し、マットはサムを肩車して進み始め、わたしは後ろに続いた。
ヴァイラス、言わばウィルスの感染を拡大させない一番の方法は滅菌で、人間は古来から生物として反本能的に菌の根絶方法を知っていたのか、問題のあると思われる死体の処理を始めていた。
基本的に死体から近づかず、離れる事や地面に埋めると手段は多く存在するが、一番いい方法は焼き払うことだ。
炎の温度は300度以上の高温であり大抵の菌は死滅とも殺菌とも言える状態にすることもできるし、死体と言った菌の繁殖源を根絶することも可能で一石二鳥の効果を持っている。
ゾンのことはよく知らずリードは人工的な神と言ったが、菌による繁殖でもあるのかと言うのか走りながらだがリードは俺山中に向かって滅菌処理として署を爆破すると言った。
見えたと言うよりもわたしアリスとマットとジョーが聞いたのは2人の男の話し声だった。
少しして進行方向から話し声が聞こえ、何かと気のせいかと思う中で煙越しに2人分の人影が見え、1人は背が高く何かを背負っているように見え、もう1人は一頭身ほど背が低く見え、両方が声と同様に男性に見えた。
「―――破?」
「―――が処理と言っていただろうが?」
「ああ、なるほど?」
どう見ても警官には見えなかった。
わたし自身が普通の人間ではなく、ゾンビも署内を歩き回っていると言う事態だが、先にいる2人はわたしにも似ておらず、マットやジョーにも逃げおらず、ゾンビにも見えなかった。
「―――どうするんだよ?」
距離が近づくにつれてわかるが、再び言葉を発したのは背の低い方で、話し方に英語を母国語として話さない独特な硬さと異様間のある英語で背の高い方に質問した。
「―――C4がある。」
もう一人の方は少しだけしか話さないが先ほどの会話と言い、どこか黒人特有のアクセントが話し方に存在していた。
「―――ヴェクターシグマ………」
背の低い方が母国語の言葉なのか、わたしの聞き取りが悪いのか意味不明の単語を口にしたが、物言いはあきれたなと言うような物言いだった。
「―――何にしても―――」
「―――おい、お前ら!?」
不意に姿を表したと言えばわたしたちもだが、状況的に言えば明確に怪しいのは警官ではない彼らの方だし、話し合っている中でジョーが勢いよく声をかけた。
わたしの眼から見ても警察官には見えず、本物の警官の彼にとって彼らが警官ではないと言うことは考えるまでもない事態だった。
「そこで何をしている?」
本人は心の奥底から嫌っているがマットも同様で、彼は警察やFBI上層部と軍人に血縁者が多く存在する家系で、ジョー同様に出た声は警官らしさを証明する一声だった。
「―――――Scrap―――」
「―――Ah, MAITTANA?」
背の高い男の方は理解できる単語を発したが、なぜこんなことをと言う単語で、もう一人はと言えば、母国語なのか意味不明な言葉を口にした。
「―――どうす―――」
「逃げるぞ。」
マットとジョーがかなり警戒した物言いと様子の中で2人は裏腹と言うべきか、対象的と言うべきか落ち着いて物言いで、背の低い方が高い方に相談しかける中で、男が少し冷めた悪意のある物言いで言葉を発した。
「―――?」
床に何か硬いものが投げ捨てられたような音が聞こえ、何かと思い下を向いた瞬間だった。
「―――?!」
「―――?!」
「―――!?」
激しい光だった。
推測だが閃光手榴弾と呼ばれる爆弾で、背の高い男が言葉通りに逃げるための時間稼ぎに投げ捨てたようだった。
「―――」
案の定と言うべきか、考えるまでもないと言うべきか、お決まりの手と言うべきか、2人の姿はなかった。
「―――」
「待て! ジョー!」
「―――?」
マットもだが追いかけかねない雰囲気で、ジョーが追いかけようと足を進める中で不意に口を開いたのはサムで、肩車されているとは思えないほど明瞭な大声と勢いだった。
「―――おい? 大丈―――」
「―――まずは、ここから出るんだ。」
声をマットはかける中でサムはジョーもわたしも同様にだと言うように口を開いた。
声を絞り出したと言う状況のようで、眼は座り、呼吸も荒く、すぐにでも医者に見せた方がいいと言う状況に見えた。
わたしたちは彼のこともあるし追いかけるのを止め、襲っては来てはいないがゾンビたちもいるしで、逃げることにした。
注意一秒怪我一生と言う交通標語が存在するが現実と言うものは注意を怠っていなくても無駄なことも多く、機械も不具合を起こすことがある。
遠隔操作式の爆弾で署を吹き飛ばすとリードから話された俺山中はこれからどうするかと細かく話し合う中で不意に後ろからだれかわからないが警官だと思うが声をかけられた。
不法侵入と言うことにもなるし、状況的に殺人と言った現行犯逮捕の可能性も存在し、どうするかと聞く中でリードが閃光手榴弾を投げ、脱兎のごとくと言うように逃げていた。
逃げ足が早くなると言うのは軍人として一流の証拠で、引き際が肝心とも言い、長居する理由がない限りはと言うように俺たちは勢いよく走っていた。
脱出だ。
サンプルも手に入れたし、戦闘情報もいい加減に手に入れた。
ここも爆破する予定だしオレリードと山中は署内を勢いよく走っていた。
「―――――ゾンまみれだな?」
「―――ああ。」
環境適応能力が高いと言うべきか山中はオレが教えた通りに怪物たちをゾンと呼んでいるが、さすがにおどろきを隠せないようだった。
「―――どうしてこんなに?」
「―――――」
「―――どうした?」
半分聞いているようで聞いてない状態で、オレは山中には状況的に後で開いた時間に説明するか、恋に連絡して情報の転送を頼もうと言う時で、山中の言葉にある引っ掛かりを感じて立ち止まってしまった。
「―――――」
都合のよすぎることが起きている。
ある意味厄介者の山中がいるが、あまり悪くないが、オレはアーウェーを追っていることは事実で機構の命令と言えばわかる。
手掛かりであるゾンにも接触できたが、なぜここにゾンがいるかと言う疑問が湧き上がったのだ。
無論機構のエージェントがある程度の未来を知っていることも事実だし、生き残ればだが状況的にオレと山中には約束されただろう未来も存在しているが、都合よくゾンが存在するのは奇妙だった。
なにかここに来る理由が存在している。
「―――ADAM。」
「―――アダム? さっきのゴーレムか?」
考える中である答えが浮かび、山中はオレに対して聞き返してきた。
「―――山中、お前が言っていたライヤとは何者だ!?」
数学的ではないが単純な方程式だ。
状況的にオレと山中はこの場に関わっているし、オレの情報と山中の情報を一致させれば答えが出ると思った。
「―――望月雷也、俺の仲間、と言うべきだろうな?」
「―――?」
「詳しくは解らんが、イザナギノタタカイとやらの犠牲者のようだ。」
答えを返しはしたが、山中の答えは微妙な受け答えだった。
「―――――何にしても急ごう。」
「―――ああ。」
立ち止まっている時間は何にしてもなく、オレたち話しながら進み始め、何にしてもここを爆破し脱出する必要があった。
引き揚げ始めた。
いったい何がと聞かれるとわたし聖那が戦っていたゾンビたちだ。
全力疾走とは言えないが無我夢中や本当を通り越した執念と言うもので進み、証拠隠滅のためか、本能的にかわたしを襲っていたゾンビたちも同様に引き上げを始めていた。
我先にと逃げる様子で、眼の前のわたしを無視して来た道を戻り始めていた。
警察署かどこかに向かったと推測されたが、そこで警官と戦闘が起きたのか、わたしほどではないが、損傷を受けているゾンビが見受けられた。
ゾンビの中には取り押さえられた中で逃げたものもいるようで、手を後ろに回された状態で手錠をかけたのが走っていた。
現場となった警察署ももうおしまいだと言う様子で黒い煙が勢いよく上がっていた。
「―――――」
警察署の方に眼を向ける中で、まだ中にいるとわたしは思わず口を開いて言いそうになった。
人ではない感覚が本当にどこのだれかは知らないが、同じ存在があの場所に存在すると教えてくれる。
飛んで行けと指示されるような感覚だが、わたしは状況的に動くに動けない状況だった。
立ち止まっているひまはない状態だったが、俺山中は進みながら無線機に手を回した。
リードと俺はある程度走り、爆薬を仕掛けるちょうどいい場所に来ていた。
爆弾と言うのは高威力だが意外と不便な兵器だ。
特性や適量を理解し、設置位置などうまく利用しなければ役に立たないのだ。
意外に思われるがガソリンや灯油などをまいて放火する方が燃え広がりやすく消化も難しく、安くも手に入り、素人にもできるし、現実的には有効な手段だ。
「恋。」
「―――はい?」
海外生活が長いせいか、懐かしい気もするが聞きなれない言語が返ってくる。
「―――雷也のことはいいのか?」
何にしても俺は恋に対して気になっていたことを聞いた。
「俺同様に―――」
「問題ありません。(No problem)」
質問しようとする中で恋はすばやく答えを返した。
「行くぞ?」
「―――ああ。」
恋が自信満々な様子で答え、いったいどういう意味だと聞く間もなく、リードは爆発物の設置ができたようで、勢いよく走ると言うよりも逃げ出し、声をかけられ、俺もついていくことにした。
「別の職員が手をまわしています。」
「―――」
俺たちがいる意味があるのかと聞きたい状況だが、恋は答えを返し、俺はリードを追う形で走り出した。
「―――――」
状況的に恋に言葉を返すべきだが、暇がなくなった。
軍人と言うものは突如として予期できない事態に遭遇し対処する必要ができた。
何が起きたかと言えばリードが窓から飛び降りた。
飛び降りたと表現したが、正確にはここは4階であり、普通の人間では飛び降りるなど荒唐無稽を通り越しているが、兵士と言うものは荒唐無稽なことを平気でする性質を持つと言うよりも精神的に強要される。
2010年代頃にウェブの動画系サイトで中国軍などが信管を抜いた手榴弾を手渡しで回したり、殴ったものが壊れるほどの勢いで殴ったりと言った無謀な訓練が紹介されたが、決して狂言ではないのだ。
自衛隊でも蛇や蛙、虫を食わされたこともあるし、一線を超えているのが普通で、4階だったが俺は迷うことなく飛び降りた。
普段からの行動もあるが時間短縮のために窓から飛び降りてしまった。
身体を変化させ骨の強度や筋肉の柔軟性、体内に空気を取り入れ逆噴射をしたりして着地すれば無論オレリードは問題ないが、問題は後ろをついてきている人間の山中だ。
素人の場合2、3mで骨折したり、最悪死ぬが、訓練をして、身体を丸めたり、走ったりしてうまく衝撃を緩和させれば理論上は最高3階ほどまでは大丈夫だが、ここは4階であるし、危険なのは言うまでもなかった。
「―――――!」
お前は馬鹿かと言いたくもなったが、出会った時に信じろと言ったことと言い、お互いの立場と言い、信頼もされていると言う証拠で、山中は着地点を微妙に変えるためか、少し右横に移動したがオレの後ろについて飛び降りた。
ここ4階だったし外には歩ける足場はないのは解っていたと言うような顔だが、引くに引けないと言う状況な顔だった。
「―――」
任せろ受け止めてやると言うようにオレは着陸準備を整えると同時に山中を受け止めることにした。
自分自身の身体を自由自在に変えることができるハイブリッダーのオレにとって身体を変化させ航空力学上飛行可能な状態に変化させることは十二分に可能だ。
マーヴェルコミックのアイアイマンの飛行中の光景を見ているようだった。
隠していたのかわからないが、リードの身体の各間接から複雑な機械の部品が突出すると勢いよく空気が地面に向かって噴射されリードの身体が勢いよく重力に逆らいホバリングを始めた。
考えるまでもないと言う状況で、リードはすばやく横に移動して俺山中を受け止めた。
「―――――ぅっ!」
腕を俺の前にだし俺が乗っかり、受け止めたと言うよりも落下を防止させたと言う方が正解だが、何にしてもリードは俺を受け止め肩に抱えた。
左肩のゾンと同じような身分になった気持ちだが、落ちればある意味でゾンの仲間入りをするので、こちらの方がまだいい方だった。
半場強引だが落ちれば複雑骨折する状況だ。
山中は腹部に少し強い衝撃を受けたが、相応の訓練は受けているようで、衝撃を受けた瞬間に息を吐き出した後息を整え始めた。
腹部を殴られた場合衝撃で思わず息を強く吸い込みたくなるが、一度吐き出し吸い直す方が呼吸を整える効果が高いのだ。
「―――おお?! ひぃやっほぉーっ!?」
受け止め息を瞬時に整えた山中を確認したオレリードは瞬間勢いよく前方へと高速で飛んだ。
強力な重力と風、不意事態で普通の人間ならば眼を閉じて動かないものだが、山中はオレが舵を調節する関係で複雑に動き回転して横の壁に激突しかけたりする中で歓喜の声を上げた。
飛行時間は推定して5、6秒ほどだった。
勢いよく飛び信じられないが、思わずと言うように叫び声を俺山中は上げてしまったが、リードは少ししてすぐに急ブレーキをかけるように静止し、地面に着地した。
「―――と? ぅぁあっ?!」
「―――――」
腕全体に少し強い衝撃を受け少し痛む感じがしたが捻挫や骨折と言った怪我をしている様子はなく一時的なものだと思う中で、リードは腕をおろし、俺は合わせるように地面に落ちた。
少し間が悪かったようで俺は地面に後ろ向きに倒れてしまった。
半場強引にだが距離はとった。
山中を地面に置いたオレリードは山中が地面に倒れたのも無視し、爆弾を起動させた。
起動させたとは言うが、オレの能力を使い造りだした爆弾で、爆発は自らの意志によって爆破させることは可能な特殊な爆弾だ。
脳の信号と電波を応用した仕組みだが、オレは手の中に電源装置のような物を造りだし、親指で電源を入れた。
「―――――ぉおっ?」
瞬時に後ろの警察署の方で爆発する音が聞こえ、警察署が炎上した。
山中は音に反応して振り返り、おどろきながら何とかと言うように起き上がった。
「―――大丈夫か?」
「―――ああ。 ―――と?」
「―――――こいつうるせぇな?」
半場投げ捨てた形だったのでオレが大丈夫かと確認すると山中は大丈夫だと言うように返した。
オレと言い職業柄多少手荒扱われようが平気だと言うようなものだが、課題と言うよりも肩に背負ったゾンが残っていて、暴れ出していた。
警察署をサムに言われ脱出したわたしアリスとマット、ジョーの4人が警察署を脱出した時、不意に警察署が勢いよく爆発した。
「―――――」
破片こそ少し飛んできたが、ある程度離れていて巻き込まれることはなかったが、激しい爆発だった。
「―――――何かに引火したわけじゃないな?」
「―――そうだな?」
「―――――?」
地下に駐車場もあるし、危険なものも扱っている場所も存在し、危険な物体にでも引火したのだとわたしは思っていた。
「何にしてもサム? 大丈夫か?」
何にしても助かってよかったとわたしが考えている中で、マットが口を開き、ジョーはその通りだと言うように言い、何事かと思う中で2人はサムを再び運び始めた。
わたしは専門家ではないしよくわからないが、この爆発は何かほかに要因があるようだと2人は言っているようだった。
わたしが見ている中でサムは救急隊員に引き渡され、救急車に乗せられ、現場から去って行き、わたしの後ろでは警察署は変わらずに炎上していた。
地面に放っておくわけにもいかず、肩に背負ったままではリードに負担になり、何にしても俺山中とリードが一仕事を終えたが、ゾンをどうするかと考え始めた時だった。
「切り刻むわけにはいかんからな?」
「―――――ああ。」
ある意味死んでいるわけで四肢を切断すれば動きそうもなく運びやすそうだが、サンプルと言う意味もありある程度の丁重な扱いをと考え、俺たちは少し手を入れるのを止めた。
「山中一輝とリード ファイヤーか?」
少し先から女性だと思われる声が聞こえた。
「―――――だれだ?!」
思わずと言うように俺は銃を取出し声の方向へと向け、リードもゾンを地面に落とし、銃を向けた。
緊急でリードはショットガンを片手で構えていた。
「落ち着けよ? 銃を下せ? そいつを引き取りに来たんだよ?」
「―――――引き取り? 何者だ!?」
声の方向から別の声、男だと思われる声が聞こえた。
視界の先には声に合わせて男女の姿が見えた。
女性の方はよく見ると先ほど桜と飛鳥が来ているような服に似ている服を着て、男の方はオレたちと似たようなと言うよりも、AGSの冬服の上着を着ていた。
女性の方はサングラスをかけ、男の方は帽子を被り、サングラスをかけ、首元にマフラーか何かをまき、顔が少し解り難かった。
「恋が話していただろう? 山中、しっかりしてくれよ? 別の職員だよ?」
「―――――?」
「恋に連絡取れよ?」
どこのだれかに適当に渡すわけにもいかずと言う状況だが、男の声は確かに恋と少し前に聞いた聞きなれた名前を口に出した。
「―――恋?」
『はい!?』
何にしてもと言う状況で、俺は恋に連絡を取ると恋は声に反応した。
「署から脱出した。サンプルは足元だ。回収に来た別の職員と言う人間たちと接触した。指示を仰ぐ。」
『―――――』
「――――――――――」
短気は損気とも言うし、気が短いか長いかと言われると長い方ではあるが、こんな状況の中で恋の対応の遅さは問題と言える状況だが、恋の受け答えは遅かった。
ゾンビたちは引き上げて多くが姿を消したのに合わせて遠くの警察署が突然爆発した。
わたし聖那は光と音に反応して眼を向けたが、通報すると言ったことはできず見ているしかできなかった。
『―――ぃな。聖那!?』
「―――はい?!」
『大丈夫か? ゾンビとか言ったが食い殺されないか? それと通信に答えてくれ!』
見届けていると言う状態の中で鈴村が連絡して来た。
戦闘中で声が耳に入らなかったようで、わたしは彼の声に思わずと言うようにおどろいてしまった。
「―――――」
「―――――」
「―――――」
警察署からわたしと同じ存在が姿を表したと言うよりも勢いよく飛び出した。
鈴村か辻かわからないが小言を言っているように思えるが、わたしは不意にナノマシンによってその情報が伝えられた。
肉眼では見ることができないが、高感度のカメラと化した眼が家の壁や空気を透過し、2人の人間を抱えた背の高い男の空を飛ぶ姿がわたしの視界に映し出された。
わたしは走り出していた。
鈴村の声も辻の声も届かずわたしは半塲本能的にだと思うが、後にも先にも本当に幸か不幸かわからないが、わたしは同じ存在だと思われる人間が存在する方向に走り出していた。
ワーパーはオーグ直轄のPMASCと言えば聞こえはいいが多くの職員はどちらかと言えば事務員と言う色合いが強く軍人としては不向きな人間たちばかりだし、恋は代表例だと言える。
時を問わず一般人と兵士と言う職業には、言うまでもないが職業的気質が異なり、迅速さが求められるが、恋オペレーターとしての素人の領分を通り越している。
山中の受け答えや話し方や行動から判断して気が短い方ではないようだが、戸惑うし、いら立ちは隠せなくなるし、慣れるのに時間がかかりそうだった。
「―――こちらはPMASCAGS所属 部隊未所属リード ファイヤー中佐だ。お前たちは何者だ?」
「―――?」
一番いい対処方法は知識を持っているものが対処することで説明しながら実務を見せて身体で覚えさえた上に後でももう一度説明し、これを繰り返すことだ。
知識を持っているのは無論オレリードと眼の前の2人で、オレは警戒を解かず、銃を向けたまま聞いた。
ゾンも逃げかけていたので足で踏み止めた。
「―――敵でも味方でもない。」
「―――?」
「―――正義でも悪でもない。」
名を名乗った後は名乗られた側は名を同様に名乗るが極一般的な道理とも言え、どこにいても通じると思うが、答えは奇妙なもので、先に男が答え、何事かと思う中で、女性が言葉を続けた。
「たとえて言うと。」
「調節者だ。」
「―――――」
こいつら何が言いたいんだとも思ったが、どこか聞き覚えてあるような物言いに対して見ていると、2人は送れたがと言うように言葉を続け、自分たちの正体を口にした。
「Balancer?」
2人の言葉を聞き、いったい何者だと言うように山中が口を開いた。
「―――オーグ直轄PMASC WARP緊急事態措置対応部隊総司令部………」
「―――なんだって?」
不意に細かく難しい単語を並べたら言葉の意味は解らないもので、山中は意味不明だと言うようにオレに聞いたが、オレもバランサーと言う存在については深くは言えない状態だった。
「―――ん~? まぁ、そうだね?」
「―――実在していたとは………?」
バランサーとは名乗るが、彼らは正式にはオーグ直轄PMASC WARP緊急事態措置対応部隊総司令部に所属する職員だ。
職員とは言うが、実はこの部隊自体がゴースト的な部隊で実在も半塲疑問視され、オーグも公式な部隊としては結成していないと言うのが通説だ。
難しい言葉を並べ聞こえはいいが、精鋭や特殊部隊のような色合いや、極秘任務、想定外の事件に対処する特殊な部隊と思われるが、実在は違っていると言われている。
一説によるとオーグが司法取引で働き出した元犯罪者を集めた部隊だと言われている。
この時代の人間には死語と言うか時代遅れや錯誤的、差別的な表現かもしれないが、窓際部署や自主退職へ追い込ませる檻、最終処理場とも言える。
司法取引をした犯罪者の多くはこの時代で言う凶悪犯罪者であり、適当な時代や場所へ任務と言い使い捨てで放り棄てられていると言うのが通説だ。
「―――?」
「―――」
何ごとかと思い見ている山中をここでは放置して後で話す機会は一応もうけられたが、状況的に判断して、任務終了後にオレたちに待っている未来だなと言うように山中を思わず軽く見てしまった。
「―――何にしてもだ。恋? 彼らにわたしていいんだな?」
『はい! はい! はいそうです!』
何にしてもオレたちの立場と言い、彼らが来たことと言い、恋の情報と言い、彼らにゾンを渡せばいいようで、オレは恋に聞きながらゾンを持ち上げ、恋は答えを急いでと言うように返してきた。
これから渡すぞと言うように前に進み出ると女性の方も合わせて歩き出し、オレたち2人はお互いに正面に立ち、軽くだが暴れているゾンを引き渡し、女性は受け取った。
Hybrider Version DINO Type Raptor
Half Hybrider
何者かと思い能力を使い調べてみると女性は同族で、男性の方もオリジナル化どうかわからないがハーフハイブリッダーのようだった。
同族とは言え状況的にそれがどうしたと言う状況で、オレはゾンを引き渡すと背をむけないまま後ろに下がった。
後で恋を追い詰めながら深い事情を聴くことになるだろうが、彼らは一応は敵では無いようで、恋のメールに書いていたほかの職員のようで、リードはゾンを引き渡すと俺山中の近くにまで下がって来た。
何にしても引き渡しは済み、これからどうするんだと言う状況で、俺が恋に連絡しようとした時男が口を開いた。
「あ? そうそう? リード辞令があるんだ?」
「―――――?」
「―――辞令?」
最初聞いた時にもだが、俺はなにかどこかでこの男の声に聞き覚えがある気がした。
言葉を聞いたがリードに発せられた言葉で、リードが何事かと言う反応の中で、俺はこの声をどこで聞いたか思わずと言うように思いだそうとしていた。
似たような声なんて探せばたくさんいると思うが、この状況で同じ人間がいる可能性など皆無だが、俺は思わずと言うように考え出して頭の中の記憶の中を探し始めていた。
「現地時間を持って大佐に昇進。任務は引き続きプロジェクトヤーウェーの阻止及び、監視官候補である山中一輝の保護及び実戦教習だ。」
「―――――――――」
「―――返事は?」
辞令と言えば会社と言った組織の上からの命令で、男は半塲書類に書かれた物事をそのまま言うかのように言い、受け答えの無いリードに対し、返事をしろと言い返してきた。
俺はと言えばこの時もと言えば時間が短く感じるが、だれの声に似ているか考えていた。
「―――Yes Sir」
「―――それと、山中一輝少佐。」
「―――?」
少し考え事をしているから後にしてくれとも言えず、男は次はお前だと言うように俺に声をかけてきた。
「受け取れ?」
「―――ぁ。」
キャッチボール苦手なんだ。
言い訳しても仕方もないが、事実キャッチボールは苦手で、男が不意に何かを勢いよく投げてきたが、俺は受けとれそうもなかった。
苦手と言うが本当に苦手で、眼の前10~30Cmほど前に落下しようとしているが、眼ではとらえられているが、手が反応しないのだ。
「―――ほら?」
「―――どうも? すまない、ありがとう。」
「いや、いい。」
何にしても落ちるが落ちてから拾えばいいと思っているとリードが俺の腰より下の位置に物体が落下した時勢いよく受け止め、俺に手渡した。
「―――射撃がうまい人間ってのはどうしてこうワンテンポ遅いのかな?」
「スマートフォ………っ?!」
投げた男はと言えば受け止められなかった俺を軽くだが困った人間だと言うように言った。
男の言葉を放置し、俺は一体何を投げてきたのかと思い見てみると、携帯電話で、落としたら壊れると言うよりも、俺はこの携帯が普通と違うことに気が付いたと言うよりも少し前に見た記憶があった。
紛れもなくこれは望月雷也の携帯電話だ。
部品が汚れている上壊れ、動くかどうか怪しい状況で、あの時手に取った影響か血のような汚れがあり、手に取ると血のような赤い液体が手に付着し、少し血なまぐさいにおいがする気がした。
「―――死体は機構が回収した。お前は引き続き、リード ファイヤー大佐に同行しろ。」
「―――――なぜ俺に、これを?」
本来ならば雷也の手元にあるべきもので、遺族に渡したりするのが筋と言うものだが、なぜかこの男は俺にわたした。
「―――それに、お前っ?! 荒木? 荒木勇か? お前荒木勇か?」
「―――」
思わずと言うように俺はこの時だれの声に似ていたかを明確に思いだし、少し気安く話す感じも思い出した相手をほうふつとさせたので思わずと言うように男に質問した。
リードはと言えば俺の不意な反応と言うか奇行におどろいている様子だった。
「―――あ? いや? すまん? 人違いだ? すまん? 声がよく似ていてな? つい?」
「ぁぁ、そうなのか?」
「―――そうだよ? よく考えたら荒木がここにいるわけないじゃないか………?」
男に質問したが、数秒ほどして俺はすぐに男に対してあやまると俺は眼を反らし、自虐的にだが笑ってごまかした。
確かに声はよく似ているが、よく考えたらこんな場所に絶対にいるわけもないと思い、俺は男に対してあやまり、男も人違いだと言う反応で答えを返した。
「―――何にしてもだ。こ―――」
「女神も参加者の1人である。」
「―――?!」
あらためましてこの携帯電話を渡した理由を聞きたいのだがと聞こうとする中で、不意に男が口を開いた。
「―――イザナギノタタカイ、か?」
「―――参加者は11人で審判が1人の計12人。」
不意に男が口にした言葉に対し、リードが俺と男に対して聞く中で、男は言葉を続けたが、これは間違いなくあのイザナギノタタカイとか言う話に関連している雰囲気だった。
「参加者全員の生まれ星座と干支が異なっている。」
「―――お前は?」
「オレは観察者だ。」
言葉を続ける男に対し質問するが、答えは桜たちと似たようなと言うよりも同じ答えだった。
「―――何にしてもだ。持っておけ? 必要ないと判断すれば桜たちに渡せばいい。」
「―――――」
「必要な情報も手に入る可能性も存在する。」
役に立たないことはないからと言うように言い、雷也が最初に教えたが余計に意味が解らなくなる中で女性の方が付け足すように言い、2人は少しだけ後ろに下がった。
「―――?」
おなじみの手だった。
桜たちが逃げる時と言い、警察署でも俺たちは警察官らしき人間たちに見つかり閃光手榴弾を放り投げたが、あいつら2人も何にしても逃げるのか閃光手榴弾を俺たちの足元に転がしてきた。
考えるまでもないし閃光手榴弾だと把握できるわけもなく、俺とリードは地面に勢いよく伏せていた。
男性に3人に女性1人で、男性2人で1組、男女で一組と言う構成のようだった。
同じ存在が、似たような存在がいることを感じたわたし聖那は気配と言うものの方向へと到着し、上から見れば丸見えだが、屋根越しに身をひそめながら見てみると見えたのが彼ら4人だった。
男性2人1組は両方2、30代ほど、1人は背が高くアメリカ系白人で、もう一人はアジア系の黄色人種の男性で、男女一組は同じ年齢ほどで、女性がアメリカ系白人、男はアジア系の、日本人のように見えた。
正確にはわたしに似たような、ナノマシンなのかはわからないが、似たような反応を持っているのが、アジア系を除く3人だった。
「ゾンビを、渡した………?」
話し合っている様子で、最初に背の高い男がなぜどうしてかわからないが肩に背負っていたゾンビを女性に渡した。
最初に見た人2人を背負っているように見えたが、1人は男で、もう一人はゾンビのようだったようだとこの時瞬時に理解した。
渡し終えると男の方が背の低い方へ何かを放り投げて渡した。
投げ渡されたのは手のひらほどの細長い四角形の物体だった。
『聖那? どうし―――』
「―――静かにしてください―――?」
『―――どうした?』
無線は走っている時も呼びかけが続いていたが、わたしは無視していた状態で、4人の会話を聞いている中で辻がわたしを呼び、わたしは半場強引にだが黙らせた。
「―――――っ?」
ナノマシンはわたしに豊富な知識を与え、普通の女性ならば知識もなくわからないが、彼らが話している中で突然激しい光が走ったとだけ言えるが、わたしはこの激しい光が閃光手榴弾によるものだと解った。
『―――――Scrap.』
『―――――ぁあ、まったくだ?』
激しい光が姿を表すと同時に男女の方は勢いよくこの場から逃げ出し、男2人は勢いよく彼らが逃げた反対方向の地面に伏せた。
2人は追いかけても追いつきそうもなく、どこに言ったかもわからず、手掛かりとも言えるのは彼1人だけなった。
中途半端に伏せてはおらず、半場地面と一体化しているようにも見える中で、背の高い男が言葉を発すると身体を起こし、もう一人も合わせるように口を開きながら起き上った。
普通の人間ならば話し声は聞こえないが、ナノマシンの恩恵で集音機能が発生し、彼らの発している言葉を的確に理解する上に、英語の文章が自動で日本語に翻訳されていた。
『恋?』
「―――――?」
『―――もう少し早く教えてくれないか………?』
背の低い男が片手を片耳に当てると不意に名前だと思われるが言い、何かとわたしが見ている中で日本語で話し始めた。
逃げた男の方が日本人だったが、彼も同様に日本人のようだった。
『―――何にしてもファーストミッションクリアですね?』
『―――次はケディーとか? 恋?』
男は困っているし何とかしろと言うような物言いの中で恋と呼ばれた女性らしき声は何にしても終わりよければすべてよしと言うような明るい物言いで男に返す中で、無線機越しに別の背の高い男の声が聞こえた。
『―――いえ、しばらくはフリータイムです。』
『―――フリータイム?』
『―――フリータイム?』
男の方は耳に手をあてていて無線機越しに話していると解るが、もう一人も同じようで、男が質問する中で恋がとりあえずお疲れさまでしたと言うように言葉を返し、2人は何事かと言う反応を見せた。
『別命あるまで待機です。半径1Km以内なら2人とも離れて別行動しても問題ありませんよ?』
『―――――』
『―――――』
男の方はいいのかと言うような困った顔で、もう一人の背の高い男の方は恋の言葉を聞いて表情を変え、だれがどう見ても機嫌が悪そうな顔になっていた。
『それでは、スマホでも連絡しますので、それまでお元気で♪』
『―――――』
『―――――Scrap!』
無線機越しの女性は悪気はないだろうが笑顔で言っているのがわかるような半場無責任な物言いで言うと無線を切った。
男の方はあきれて言葉が全く出てきませんと言う様な顔で、これがこいつのやり方だと言う顔で勢いよく言葉を掃き出し、何かに八つ当たりするように腕を勢いよく振り、足で地面を軽くたたいた。
『―――』
『―――――』
背の低い方は少し困ったなと言う顔で頭を抱え、もう一人は男に背を向けたなかで、服の中に手を入れ、タバコだと思われるが紙製の小さい四角形の箱を取り出した。
『―――ほら? って、吸わねぇのか? そうか?』
『あ、すまん?』
『いや、いい………』
案の定タバコのようで一本取り出して口に入れるともう一人に吸えと言うように渡すが、彼が吸わないようでタバコを持った腕を下げ、服の中に戻した。
少し遅れたが男はタバコに火をつけようとする男にあやまる中で、男は言葉を返しながらため息交じりに紫煙を吐き出した。
タバコに火をつけたとは言うが、火のつけ方が奇妙で、服の袖の裏にライターでも入れているのか、手品のような仕掛けでもあるのか手の平をタバコに向けると火と思われる光が灯り、火が付いた。
『―――タバコはいいから、チョコレートあったらくれない?』
『―――?』
『ギヴミーチョコレート。フッハハ?』
普通のタバコとは違うような少しと言うよりもかなり健康に悪そうな黒い色の紫煙が舞っているが男は気にせずに吸い、背をもう一人に向けている中で、男が少しあやまるような物言いで質問した。
タバコを吸い始めた男の方が機嫌が悪く男の方は少し遠慮するような物言いだったが、最後言い終えると軽く笑いだした。
『―――日本人の俺が言ったら形無しだな?』
『―――』
『これでペプシネックスでもあれば最高だ。フヒヒ?』
ギヴミーチョコレートと言えば第二次終戦直後に広まった言葉だ。
当時の日本が敗戦しGHQの占領下に置かれ主に米軍が国内で活動を始める中で、幼い子供たちに米兵たちが配給品のチョコレートを与えることがあり広まったとされている。
彼は男に対して英語で話しているが、発言と言い外見と言い、彼は日本人のようだった。
続きましてと言うように男は言い、軽くだが笑っていたが、タバコを吸っていた方は不意に片手を服の中に入れ何かを探し始めた。
『―――ほら? やる? タバコの代わりだ。』
『―――あ? 持ってたんだ?』
『ペプシもある。ゼロでいいか?』
冗談だから気にするなと言う様子だったが、タバコを吸っていた男は服から不意に少し大きいが市販品だと思われる板チョコを取出し、男が意外だと言う反応の中で反対の手からはコーラが入っていると思われるビンを取り出した。
タバコを吸っている男のタバコや取り出したものが自分で買ったものか、彼らには雇い主が存在し、雇い主からの配給品かわからないが、男は2つを受取ろうとしていた。
『Excellent!(最高だ!)』
『For Lord Megatron!』
タバコを吸っていた男の機械が話すような物言いで言った『For Lord Megatron!』の意味は解らないが、男が受け取り服の中に突っ込みながら言う物言いと言い、何かの冗談か真似のようで2人は笑い始めた。
『―――何にしてもどうする? 自由時間? スポンサーもいい身分なものだ?』
『―――オーグはお前らで言うお役所仕事でいい身分だ。とにかく行こう。』
『―――ああ。』
何にしても2人は話し合っていたが、男がタバコを吸い終えると寒いし用もないし長居する必要なないと言うように歩き出した。
『―――なんなんだ? 聖那? 近くにだれかいるのか?』
『―――――』
集音した会話をわたしは辻たちのいる場所に送っていた状態で、辻は会話を聞いたのか、わたしに対して聞き返してきたが、わたしは答えられなかった。
似たような存在がタバコを吸っていた男だとナノマシンの情報は伝え理解はできているが、明確には理解できず、どうすればいいのかわからなかった。
『聖那、理論上活動限界時間が近い、そろそろ帰投するんだ。年よりのわたしの胆を冷やさないでくれ?』
『―――――』
鈴村の心配する声が聞こえてきたが、わたしは彼らと接触すべきかと考え始めていた。
彼らはわたしとよく似た能力を持っていると思われるし、何かを知っていると思われ、ここで見逃せば後悔するし、後で再び出会う可能性もあるが、同じことを繰り返すのはわたしは嫌だった。
『聖那? 聖那? 応答しろ? 聖那? 帰投するんだ?』
『―――わたしと似たような存在がいます。接触して見ま―――――』
時間も無限でないと言う状況で、何にしても彼らと接触する必要があると思い、わたしは鈴村からの無線も半場無視するように進みだしたが、突然わたしの身体に奇妙な感覚が走った。
「―――――――――」
『聖那? 聖那? 大丈夫か? 返事をしろ? おい? 聖那? 聞こえているのか? 非常事態だぞ? ―――――』
奇妙な感覚と言うのは頭に一瞬頭痛と言うか、不快感と言うべき感覚が走ったかと思うと、感覚が一瞬で身体全体に広まった。
何かと思いと言うよりも瞬間心臓の鼓動が高まり、立っていられないほどの激しく強いずつが起きてわたしは地面と言うよりも屋根に膝をついた。
呼吸も苦しく、身体中に重りを結び付けられたように重く立ち上がれず、外気は暑くもなく逆に寒いほどだが身体中から汗が勢いよく流れ出し、余計に身体が冷える感触が伝わった。
無線機越しに辻の心配する声が聞こえるが、次第に彼の声が遠く聞こえ始め、鼓膜はまだ彼が話していると言うことを伝えているのか、何かの音が耳から聞こえた。
何事かと思いわたしはナノマシンを使い身体を調べようとするが、視界は周囲こそ見えているがクリアーレッドに染まり、高速で大量の危険を知らせる情報が表示されていた。
深く気にしていなかったし、これほど多用したこともなかったし、鈴村の言葉を聞かなかったわたしもいけないが、ナノマシンが異常を起こしたようだった。
異常事態と言うことになるが、わたしは何が起きるかわからず、ナノマシンを抑え込もう
とするが制御が聞かず、思考が薄れ始めていた。




