15話 襲撃と導き
目の前で起こった信じがたい現象に、未だ俺の思考は現実逃避の真っ最中だ。
一瞬で水差しを満たして見せたクリスという若者はにこやかにこちらの動揺ぶりを眺めている。
「司教さんから、精霊術を知らねぇ旅人だとは聞いていたが」
くつくつと笑うのを止めないクリスに俺は何も言い返せない。
タブレットを万能だとヴァッリーニさんは言っていた。故に用い方を誤れば身を滅ぼすと。
「これ、一体どうやって……」
「お前さんも使えてただろ?あれはタブレットを使った精霊術と違って機能を制限しまくった用途限定のやつだけど」
俺が使っていた?ここに来てからそんなものに触った覚えは無いぞ?
精霊術?
頭から『?』のマークを生やしているかのように見えたのか、クリスは笑って続けた。
「調理用具だよ。火を出したり、水を出したり、食材を冷やしたりする。普通に町のご家庭でも使われてるもんだぜ。まぁ巷じゃそこそこ高級品だし、別に魔法でもないのに『魔導具』なんて呼ばれ方してるらしいけどな。探せば火打石やら火おこし使って生活してる物好きな奴も居そうだが」
「いるのか」
「いや、わからんけど」
居るかも、って話。などと冗談めかすクリスにガックリと力が抜ける。
「まぁ、妖精にわざわざ頼まないと所有者契約が出来ない個人所有のタブレットと違って、所謂『魔導具』向けのタブレットは発掘品に多い。ざくざくとは行かないが出土するそれを、国なり民間なりの研究機関がいじって使えるようにする。起動に必要なのは『命令』だけだが、その『命令』を聞いてくれるように調整するわけだ」
「命令なんて、俺した覚え無いぞ」
「それだけ使用している状態のイメージが出来上がってたんだろ?日頃から使い慣れてるって感じだったけどやっぱり違うのか」
俺が使っていたのは、ガス火のコンロとか、隣の市の浄水場から届く水道水とか、遠くの発電所から電線引いてきてる電気だ。それら全てを代替しているのが、こんな石ころ?それこそ冗談のようだ。
そう、ソフェルに来る前なら疑いの目でしか見られなかっただろうな……。
クリスは『魔法ではない』と言った。それならタブレットに何かしらの仕掛けがあるはずだ。
妖精が作った万能の石。以前に友人から薦められて読んだファンタジーものの小説にそんな感じのアイテムが登場していたな。
「カミヤ、司教さんからも言われているから無理に聞き出そうとは思わねぇがよ、お前さん、何者だ」
「……」
少しだけ怪訝そうな眼をしたクリスがこちらを静かに見据えている。
きっと俺が聖堂の前に現れた時から、俺を監視していたのだろう。
俺が一体何者か、か。それこそ俺が訊きたいくらいだ。
どうして俺がソフェルなんていう大企業の研究室で目覚めて、どうして俺がただのゲームのテストプレイで異世界っぽい所に飛ばされて。どうして俺が。
何の意味があって、俺が。
手に握り込んだ欠片が痛い。頭はいつもより冷えている。混乱はしているが、我を失ってはいない。
こんな所で悲嘆に暮れても仕方ないことはわかっている。
気持ちを切り替えようと石を握り込んでいた手を開いた。そこで気付く。
「え」
欠片が光っている。ぼんやりとだが確かに。
「ちょっ、お前それタブレットの」
クリスが何か言い掛けた瞬間、軋むような揺れが起こったと思えば何かが破裂するような重い音が伝わってきた。
彼はすぐさま手元の指輪に向かって叫ぶ。
「何事だ!」
『隊長!敵襲です!北西方向より推定300!距離1200!』
「すぐ向かう!司教様は!」
『トーヤ様と共に帝都への連絡を行っています!戦闘員以外の者は町民の避難誘導へ!』
「観測範囲の中とはな。機能を停止している間に侵入し待ち伏せて時間差で攻撃か」
成り行きをただ見守るしかなかった俺に、クリスは努めて平静に声を掛けてきた。
「というわけだから、安全の為にここに居てくれ。もし避難が必要になった場合は人をやる」
楽し気に会話していた時とは打って変わった気迫に圧され、俺は頷く。
断続的に届く音と揺れに、俺にも充分に緊急事態だろうという予測は出来た。
まるでソフェルに来た日の夜みたいだ。
また、俺は何も知らないままで――
「クリス、俺にも何か手伝えないか?」
口をついて出た言葉に誰よりも驚いたのは俺自身だったかもしれない。
「お前は客人だ、客人を危険には晒せない」
「雑用でも何でも良い。何か出来る事は無いか」
一瞬、クリスは驚いたように瞠目したあと、軽く口の端を引き上げた。
「オレはこき使うぜ?」
「ああ」
「隣の兵舎だ、行くぞ」
答えるが早いかクリスは駆けだす。俺も置いて行かれまいと後を追った。
「ついて来たか、意外とやるな」
クリスはどこか嬉し気だ。競争相手にでも飢えているのだろうか。
しばらく走ると建物から出て隣の建物へ入っていく。田舎の学校の敷地ほどの広さがあるから、移動に時間がかかりそうだ。そんな事を考えている内に目的地に着いたようで、クリスは待ち受けていた隊員らしい男たちに声を掛ける。
「状況は!」
「最終防衛線の目の前で突然現れた謎の部隊に攻撃を受け、砦は壊滅状態とのことです。生存者は観測塔から辛うじて確認できますが、救助が間に合わなければ……」
「すぐに救出部隊と迎撃部隊の編成をする。敵の正体と戦力は」
「まだ不明です。最後の交信では『鋼鉄の化け物だ』とだけ……」
「おいおい、冗談キツイぜ……」
最後の呟きは、すぐ横に居た俺にだけ聴こえる程度のものだった。この世界の戦闘というものが一体何を指すかは判らないが、見える範囲に少なくとも戦車みたいなものは無さそうだ。
ついでに、聖堂で10人前程度の食事を作った俺だが、こっち(兵舎)にまだこんなに人が居たのかと内心驚いていた。それでもパッと見は小隊程度(本でかじった程度の知識からだが40~50人程度)だ。
先ほど漏れ聞こえた通信では何と言っていた?敵影が300?
「何としても突破されてはならない。帝都からの増援が到着するまで、今ある最大火力を以て耐えるほか無いだろう。作戦目標は砦の人員を救助し、敵戦力を解析し、なるべく時間を稼ぎながら後退することだ。その間に南西の砦からの応援も合流出来る。後衛部隊、直ぐに装備を整えろ。前衛部隊は同じく装備を終え次第オレと来い」
それぞれに了解の意を表し行動を開始する隊員たち。
クリスはそれを見届けつつ俺の肩を掴んだ。
「聞いていたな。非戦闘員の役回りは戦闘員のサポートだ。だがお前は部隊運用について何も知らない。お前に出来る事は大人しく避難し待機することか――ここで飯を作って待つことだ」
ん?めし?
「そんな事で良いのか」
「他に何が出来るよ。お前、筋はありそうだが戦えなそうだしな。それにまた美味い飯が食えると思えばオレの士気も上がる」
「お前のかよ」
思わず入れたツッコミにクリスは朗らかに笑う。
「そういう事だからよ!頼むぜカミヤ」
なるほど、この男は確かに隊長らしい。
人を惹きつけ、怯まず臆さず、何を成すべきかを判断出来る。
あのクラスメイトが成長したら、こんな頼り甲斐のある人間になるのだろうか。いやきっとなるだろう。
「ああ、わかった。山ほど用意しておく」
俺の返答に、クリスはよっしゃ!とポーズを決めて走り去った。
去り際、後方支援らしい他の隊員の1人に何か指示を出していく。隊員は俺を見とめ駆け寄ってきた。
「兵舎の調理室へ案内しろとのことでしたのでお連れします。こちらへ」
通された調理室は明り取りの窓から薄暗い夕日の残滓が覗く程度の明るさで、戸惑っていると案内してくれた隊員が灯りを点けてくれた。これもクリスの言っていた『魔導具』というものだろう。
ついでに備蓄や器具などについての説明を終えると、隊員は持ち場に戻ると言って去っていった。
「さて……」
時折届く揺れや遠雷のような音は少なからず不安を煽ってくる。しかしクリスからも任された以上、そして彼の士気を上げ生存確率を上げる事で、ヴァッリーニさんたちの居るこの場所を守ることに繋がると思えばやる気も満ちるというもの。
長い出張から帰ってきた父親へ、よく気合を入れた料理を振る舞っていた事を思い出す。
あの人は子供舌で、お子様ランチに乗っていそうなメニューが好きだった。
ただ、それらのメニューを再現するには材料が足らないし時間も無い。おまけに大人数だ。
どうしたものかと思案していると、厨房に駆け込んで来た者が居た。
「あのっ!スミマセン!貴方がカミヤさんですか!」
驚いて肩が跳ね上がるが、慌てて振り向くと息を切らせた様子の若い男性。服装が他の隊員と違うので隊員ではなさそうに見える。走ってきたせいか、くせ毛の栗毛が跳ねていた。
「そうですけど、どちらさまで……」
「す、スミマセンっ!わた、私はエリクと申します。ここの厨番で……」
「ああ!そうでしたか。良かった助かります」
「えっ」
渡りに船とはこのこと……いや少し違うな。とにかく丁度良かった。
何か驚いた顔をしている気がするけど時間が無い。ここは気にせず行く。
「いつもどのように皆さんの食事を提供しているか教えていただいて良いですか?人数が人数なので困っていて」
話をするうちに、混乱していたらしい彼の態度は軟化し、話し方も砕けていった。
厨房を預かる者同士で何となく意気投合したというのもある。主夫……うん、考えるのは止そう。
「なるほど、この大きな鍋はこちらの蓋に取り換えて圧力鍋として使えるのか。すごいな」
「だろ?いつも助かっているんだ。コレがあれば蒸し料理も煮込み料理も相当な時間を節約できる。時間が無いから、今ある材料でまとめて作れれば合理的だ」
「確かに。調味料を見させてもらったが、これならビーフシチュ―も作れるな」
轟音が地味に近づく中でする会話としては和やか過ぎる気はするが、構うまい。
未知の土地で得難い相棒を見つけた俺たちはここに来て一騎当千の働きをする兵となった。
……うん、少し盛った。
「シチュ―はわかるが、蜂蜜かい?」
頷く。これはバイト先でレシピを教えてもらい家で作ったこともあるメニューで、父親の大好物でもある。
今日たまたま、エリクが買い出しに出掛けて仕入れてきた肉が大量の牛肉だったのでコレになった。
「ヨーグルトがあれば尚良いが……これを隠し味にしてまずよく筋を切った肉を弱火で炒める。そうしたら大鍋で他の野菜と調味料をまとめて放り込んで加圧する。最後に味を見て調整して出来上がりだ」
「なるほど。調味料の使い方は奥が深いんだなぁ……僕もまだまだ修行が足りない」
へぇ~、と横から感嘆の息が聞こえて来る。二人とも手はずっと動かしている。野菜の下ごしらえが一番手間だからな……。
玉ねぎや根菜の皮を適度に剥き、ザクザクとひと口大の大きさに乱切りにする。加圧するからある程度大きさがある方が良い。これを鍋を3つ程に分けて50人前近く。ちょっとしたレストラン規模だ。
手が痺れてきた頃に、下ごしらえもようやく終わった。途中から役割分担し、交代で包丁担当と鍋担当を入れ替わったりもしたが。
「肉も程よく焼いたし野菜を投入して、蜂蜜と野菜の甘さがあるからスパイスを少し多めに足そう」
辛めの味付けが好きな人間が多そうだったからな。
エリクも慣れたもので淀みなく動く。合間には使い終えた調理器具を洗って所定の位置へ戻すことも忘れない。水気を切って置いてあるナイフがテーブルの上でカタカタと揺れ、爆音も遅れてやってきた。
「隊長たちは大丈夫かな……」
エリクは心配そうだ。
作業に集中している間は然程でもないが、一区切りついて改めて危険が迫っていることを意識してしまうとどうにも不安が増長される。
「きっと大丈夫だ……彼はとても強いんだろう?」
作業の合間、気を紛らわせるように彼の上司自慢に付き合った結果、つい先ほどまでとは比べ物にならないほどクレイツ隊の働きや隊長の能力の高さについて知識が付いてしまった。
「加圧時間は、半時程度か?」
「そうだね、時間は指定出来るから、待つ間に他の付け合わせを作ろう」
エリクの言葉に頷き次の作業に移ろうとしたとき、不意に目の前が霞んだ。
「……?」
ふらついた俺が見えたのだろう、エリクが心配そうに声を掛けて来る。その声もどこか遠い。
「――!……?」
近づいてくるエリク。近付いてくる何か。
それを感じ取った瞬間、身体が勝手に動いてエリクを床に引き倒していた。
無音。
それがただの無音ではなく、あまりの轟音に聴覚が一瞬途切れたものだと理解したのは、瞑っていた目を開いて火に照らされた瓦礫を見とめた時だ。壁は半分以上崩れ落ち、キッチン周りもひどい事になっている。
ああ、せっかく下ごしらえした料理が……いや、一応蓋をしっかり閉めていたからか中身は飛び散っていないが、床に転がってしまっていた。
恐らく兵舎が攻撃を受けたのだろう。他に兵舎に残っていた人は無事だろうか。
床に引き倒してしまったエリクは、倒れた衝撃か攻撃の余波でか、気を失ってしまっていた。
申し訳ない。
呟いても自分の声もよく聞こえないが、とにかく助けを呼びに行こう。大きな怪我は見当たらないが、どこか見えない怪我をしていたら命に関わる。
所々で上がる火は、兵舎の石造りの建物を燃やすまではいかなそうだが、エリクに燃え移らないよう襤褸切れと化してはいたが形の残っていた厨房のカーテンを拾って消火活動をしてみる。なんとか消えた。
まだ回復しない聴覚は何も拾ってはくれないが、ふと下を見るとポケットから滑り出したらしい妖精のタブレット片が転がっていた。大事なものだ。これは拾わなくては。
ふと拾い上げた手のひらを見れば、タブレット片はまたあの鈍い輝きを放っていた。
そしてその光は夜闇にあって更に光を増して見え、その光は瓦礫の外、ある方向を示しているようだった。
おいおい、どこの天空城へ案内してくれるっていうんだ?
フラフラと多少足元はおぼつかないが、その光を頼りに俺は歩き出した。
───そうして時折足元に振動を感じながら、少しずつ聴覚も回復してきた頃。
「……もしかして俺は」
ぼんやりとした頭のまま、光に導かれるままに歩いてきたが、もしかしなくてもマズい場所に出てしまったのではないか。
目前に上がる爆発と土煙。木陰からのそりと顔を出したのは、生物の放つ光沢では無い。
そこかしこに上がる炎に照らされてその威容を見せつけて来る2本足の機械は、胴体らしい部分から筒状の腕を伸ばしてきた。それを銃口だと判断するよりも早く、その筒は強く光を放つ。
避けられたのは本当に偶然だった。一歩下がった瞬間に踏みつけた石に躓いてバランスを崩したのである。
背後から上がる爆発と炎に炙られそうになり、慌てて転がった。
「っつ……くそっ!」
倒れ込んだ体を起こそうとするが、足元は依然ふらついたままだ。これでは逃げきれない。
「カミヤ!!なにしてる!!」
クリスの声が響いた。その間にも銃口は再び此方を向く。俺は無意識にタブレット片を強く握りしめた。
撃たれた。
そう思った。
しかし予想していた衝撃は襲ってはこなかった。
気が付くと目前には頽れた2本足の機械と、その胴体に剣を突き立てたクリスの姿があった。
「は……?」
うわすごい。非常事態なのは解っているんだが、あまりの光景に言葉を失った。
クリスは超人か?他の隊員も似たような武器で戦ってるのか?
ダメだな、何だか頭が重いせいか思考がまとまらない。
「馬鹿野郎!!こんな所に……おい、どうしたその怪我は」
「その、エリクと厨房に居たんだが、攻撃を受けたらしい。助けを呼びに」
何とか説明するが呂律がうまく回らない。クリスは苦々しい顔で兵舎の方向を睨みつけていた。
「くそ、流れ弾か?それとも最初から狙い通りか?――直ぐに直近の部隊から救援を向かわせる。カミヤも戻って、おい、聞いているか?」
手に握りしめた欠片が暖かい。
光は消えること無く、俺の向かう方角を指し示しているようだった。
「行かないと……」
ふらつく足に鞭を打つ。ポタリと何か落ちたが気にしている場合ではない。
「カミヤ!戻れ!」
「いや、俺は行かないと」
「馬鹿言うな!その体でどこへ行く!」
必死な形相でクリスは俺を止めようと駆けだすが、他の隊員が戦っているらしき場所から閃光と爆音が轟くと悔し気に唇を噛んだ。
「とにかく治療するからそこで待ってろ!先に片づけて来るからな!良いか!絶対だぞ!」
クリスの怒声を遠くに聴く。
ゆっくりとだが、俺は歩き出していた。
すまないなクリス。あと気絶したままで置いてきてしまったエリク。
厨房へ案内してくれた名も知らぬ隊員。あの瓦礫の下敷きになっていなければ良いが。
きっとトーヤと無事に居ると思うが、ヴァッリーニさん。
きちんとお礼を伝えられずに来てしまった事が心残りだ。けれど。
この小さな欠片が、俺にとって最後の望みのように思えて仕方が無いんだ。
戦場が遠ざかっていく。
フラフラとだが、何とか歩ける。
途中の道はよく思い出せない。沢を渡ったような気もするし、岩場もあっただろうか。
そうして長い事歩いたような、実際はもっと短かったかもしれない道のりの果てに、妖精のタブレット片は役目を終えたと言わんばかりにその光を消していた。
目の前には、夜闇に沈むぽっかりと開いた穴のように見える影。
うっかりして灯りになるような物を持ってこなかった。タブレット片の灯りだけでここまで来てしまった己の迂闊さを呪うが後の祭りだ。
「クレーター……?」
うっすらと闇に慣れた視界に浮かぶのは、何かが衝突して出来たと思われる微かな地面の凹みだ。
その中ほどに、何かがある。クレーターを作った物かどうかは判らない。判らないので近付いてみる事にした。
「……これは」
殆ど土に覆われてしまっているが、人工物だ。
またタブレットが都合よく光ってくれはしないだろうかと空へ翳してみるも、そのような反応は一向に起こらなかった。
不意に。
タブレットを持って翳していた手の先に、厚い雲で隠れていたものが顔を出し始めていた。
空の上。遥か上空にぽっかりと浮かぶ、あれは。
「まさか、本当に天空の城とか言わないだろうな―――」
いっそ神秘的な光景に、冗談が飛び出してしまったのも仕方があるまい。
そのくらい現実味が無かった。
空飛ぶ何かは悠然とその場にあって、優しい光を振りまいている。
光。
その光は目の前の人工物らしい物体を微かにだが照らしていた。
薄汚れた硬くて歪曲した板に、消えかけだが何か書いてあるのが見えた。その瞬間。
「―――っ、ぐ、あぁっ……!?」
頭が爆発したのではないかとすら思える痛みが襲う。
まるで思い切り殴られたような衝撃に、体はあっけなく地に沈み、
次いで意識も消し飛んでいった。
面白いことを考えられる人まじ尊敬……
面白いかは分からないけど、楽しいと感じる事を続けて行ければ良いなぁと思います(こなみ)




