第29話:京セラドームの激闘! 覚醒のアーチとファイナルへの切符
ペナントレースの死闘を勝ち抜き、3位で滑り込んだ埼玉ジャガース。
日本一への第一関門となるCSファーストステージの舞台は、2位アリックス・バファローズの本拠地・京セラドーム大阪であった。
運命の第1戦、ジャガースの先発マウンドに上がるのはもちろんエース・銭形豹馬! 対するバファローズの先発は助っ人右腕アンダーソン・アスパノーザ。
1回表、ジャガースは電光石火の攻撃を見せる。
1番・猿飛英恵が左打席から三遊間へ痛烈な内野安打を放つと、相手守備の隙を見逃さず一気に2塁へ到達。続く2番・滝川夏央が初球できっちりと送りバントを決め、1死3塁の先制機を作る。
ここで打席に立った「3番・銭形豹馬」は、外角球を逆らわずに高々と外野へ打ち上げる。3塁走者の英恵が鋭いスタートでホームを駆け抜け、見事な犠牲フライでジャガースが1点を先制した!
しかしその裏、マウンドの豹馬に達摩兄弟の凄まじい執念が襲いかかる。
2アウト走者なしから迎えた3番・達摩厳。カウント3-2からの勝負球、得意球である「ジャガーボール」がわずかに甘く入った瞬間――豪快なスイングで弾き返された白球はライトスタンドへ飛び込む同点ソロ本塁打!
「1-1」とされると、続く4番・達摩豪にも初球のストレートを完璧に捉えられ、レフトスタンドへ運ばれる衝撃の2者連続アーチ! 達摩兄弟のアベックホームランにより、一気に「1-2」と逆転を許してしまう。
それでも豹馬は決して崩れなかった。
新魔球「コブラシンカー」と「ジャイロフォーク」を要所で織り交ぜ、2回以降はバファローズ打線を完璧に封じ込める。8回2失点の圧巻の粘り強さで、味方の反撃を信じてゲームを作り続けた。
迎えた9回表、1点ビハインドのジャガースの攻撃。
バファローズは絶対的守護神のアンドロス・マチャダを投入。しかし先頭の3番・豹馬が抜群の選球眼で粘り、価値ある四球を選んで出塁する。
そして無死一塁、打席には本塁打王の「4番・ロイ」!
マチャダが投じた内角低めのストレートに対し、ロイは左打席から見えないほどの超速フルスイング!
ドドォンッ!!
凄まじい音声を残した打球は、ライトスタンド深景へと消え去る劇的な逆転2ランホームラン!
「3-2」と再逆転に成功したジャガースは、その裏を抑えの海津央が無失点で締めくくり、貴重極まる初戦の勝利を奪い取った。
続く第2戦は、先発の髙橋空多がゲームを作りながらも打線が届かず痛恨の1敗を喫し、1勝1敗のタイに並ばれる。
そして迎えた運命の第3戦。
ジャガース先発の平良快馬と、バファローズ先発の戸島大樹による息詰まる投手戦となり、両者一歩も譲らず「0-0」のまま8回が終了。
静寂を破ったのは、9回表のジャガースの攻撃だった。
先頭の1番・英恵が相手の意図を突いて逆方向の1・2塁間を痛烈に破り出塁。続く2番・滝川のバントに対し、バファローズ守備陣のフィルダースチョイスが絡んで無死一・二塁と絶好のチャンスが広がる!
この場面で打席に入るのは「3番・銭形豹馬」。
(ここは、内角へ食い込んでくるストレート一本に的を絞る……!)
狙いすました豹馬の目の前、内角ベルト付近へ投じられた力のあるストレート!
豹馬のバットが一閃されると、白球は綺麗な放物線を描いてレフトスタンドへと吸い込まれた!
「行ったぁぁぁーーッ! 銭形豹馬、土壇場での均衡を破る死闘決定の3ランホームラン!!」
土壇場での「3-0」の勝ち越し!
その裏、マウンドに上がった海津央がバファローズ打線を三者凡退に抑えてゲームセット!
埼玉ジャガースが見事にファーストステージを突破し、ファイナルステージ進出を決めた!
試合後の勝利監督インタビューで、西方文哉監督は晴れやかな表情で力強く語った。
「王者ディスクバンクとは10ゲーム差以上も離されているだけに、非常に厳しい戦いになることは間違いありません。ですが、我々は挑戦者です。福岡へ乗り込んでも、全員野球で命がけで戦ってまいります! ジャガースファンの皆さん、これからも熱い温かいご声援をよろしくお願いいたします!」
ついに舞台は福岡・みずほPayPayドームへ。
絶対王者・福岡ディスクバンクホークスが待ち受ける、運命のCSファイナルステージの火蓋が落とされようとしていた。




