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第13話:隻眼の天才打者、東北の空に描く放物線

連敗の重苦しい空気を振り払うべく、埼玉ジャガースは舞台を仙台・楽天モバイル最強パーク宮城へと移した。この地で待ち受けるのは、隻眼の天才打者・伊達鷲一郎。

決戦を前に、伊達は幼少期を過ごした児童養護施設「青葉園」を訪れていた。恩師である園長・片倉小十郎に対し、伊達は静かながらも絶対の自信を込めて銭形豹馬の攻略を誓う。片倉もまた、そんな愛弟子を力強い言葉で送り出していた。


一方、宿敵との対決を目前に控えた豹馬もまた、伊達の打撃をいかに封じるか試行錯誤を重ねていた。弱点らしい弱点が見当たらない天才打者に対し、配球と狙い球の裏をかくしかないと覚悟を固め、運命の第1戦のマウンドへと上がる。


イーグルス側は、右のサイドスローである豹馬を攻略するため、打線に数多く左打者を並べる対策を徹底してきた。


従って、両チームの先発メンバーは以下の通り。


【先攻・埼玉ジャガース】

1番(遊)猿飛英恵

2番(二)滝川夏央

3番(右)長谷山信也

4番(一)テーラー・ナビン

5番(左)ロイ

6番(指)銭形豹馬

7番(三)渡鍋聖弥

8番(捕)久賀悠斗

9番(中)西河愛弥

先発投手:銭形豹馬


【後攻・東北円天ゴールデンイーグルス】

1番(遊)宗川塁

2番(三)森林一輝

3番(中)伊達鷲一郎

4番(指)キース・マックスカー

5番(一)浅川秀斗

6番(右)立見涼介

7番(左)中原大輔

8番(捕)内堀健吾

9番(二)香深田大翔

先発投手:早田隆久


1回表のジャガースの攻撃を無得点に抑えた後の1回裏。先発のマウンドに立った豹馬は、1番・宗川塁、2番・森林一輝をテンポ良く打ち取り、立ち上がりは順調かに見えた。

しかし、2アウトから打席に迎えたのは、3番・伊達鷲一郎。

カウント2ボールからの3球目。豹馬は決め球である内角低めのジャガーボールを投じ、鋭くゾーンへねじ込む。だが、伊達はその魔球を完全に読んでいた。左ひじを巧みにたたみながら一閃されたバットから放たれた打球は、綺麗に角度をつけてライトホームランゾーンへと吸い込まれていく先制のソロホームラン! スコアは「0-1」となり、一瞬にしてイーグルスが主導権を握った。


その後、豹馬は立ち直りを見せ、2回裏と3回裏を完璧に3人ずつで片付けていく。

だが、4回裏に1アウトを取った後、再びあの男が立ちはだかった。


第2打席に入った伊達に対し、豹馬は外角低めへ渾身の銭形ツーシームを投げ込む。しかし、伊達の卓越したバットコントロールはそれすらも捉え、打球は鮮やかに左中間を深々と破るツーベースヒット!


もともと「天敵」として苦しめられてきた相手とはいえ、完璧な配球すら尽く打ち砕いてくる伊達のバッティングの前に、豹馬はマウンド上で底知れぬ圧迫感と戸惑いを深めていくのだった。

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