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LEGENDS  作者: クライブ
第三章 闇との決闘
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30/33

30話 賭け

ルシエルは今の状況を冷静に判断する。すると一瞬にして焦りを見せた。見覚えのない存在感が既に一つこの城に存在していた。その存在感は覇人王に並ぶほど強大である。まさか、五大天使様?!確かにルシエルは闇光戦争によって、自分の命がもう短いと報告したが、まさか来ていただけるとは思いもしなかった。そして、更に気になっているのは悪魔族の魔王「ネフィル」の行方とこちらに近づいて来ている3つの大きな存在感である。ネフィルは軽い性格だが、このような戦いには真面目に参加する男だ。それが失踪中となると、ラウファの誰かに殺られたかはたまた、その3つの強大な存在感に殺られたかである。どちらにせよ、さっさとこのラウファを片付けなければならない。するとそこにアルヴァから連絡が入った。

「ルシエル様。こちらは片付けました」

「ご苦労様、それじゃあ、こっちを手伝って......」

「申し訳ありません。ルシエル様もお気づきかと思いますが、3つの巨大な気配が近づいて来ています」

「ええ、でもそちらは害意あるものとも限らないですし......」

「それが、その気配、闇の覇王に敗れた我らの光の魔王3名なのです」

「はあ!?ちょっと待ちなさい!それじゃあ、こちらに害意があるの確定じゃないですか!?」

「ええ、ですので大至急向かいます」

そして、アルヴァの魔法伝達は切れた。

(最悪の事態になりました。マズいですよ。このままじゃ本当に五大天使のお力を借りなければなりません。それだけは絶対に避けなければ。じゃなきゃ、私の活躍ゼロですよ!せめて、ネフィルがいれば......)

すると攻めに攻めているアビゴルが口を開いた。

「皆んなの反応が消えたね。皆んな殺されちゃったみたいだ」

「敵討をしなくて良いのですか?目の前にいますが」

ルシエルはこの挑発でアビゴルが取り乱してくれればと考えていた。しかし、そう甘くはなかったのだ。

「ええ、まずはあちらの戦いが終わってから考えるとしましょう」

「ゴゴゴゴゴ!!!!」

「ドガァァァォン!!!」

オルネイアとアビスは激しい戦いを繰り広げている。しかし、どこかオルネイアの方が優勢である。

「月華乃氷!」

「覇邪乱光!」

魔法を相殺し合う。そして、

「はあああああ!!!」

オルネイアが放ったのは詠唱なし、魔法陣なしの氷戒と氷麗。オルネイアは天性の戦いの才でその技術を体得していた。

「まさか、ここまでとは」

アビスも驚愕する。そして、周りを一瞥し、ニヤリと笑うアビス。全ての状況が整ったと悟ったのだ。そして、アビスは言った。

「オルネイア、今から私は全ての魔力を使ってあなたを倒す。受け入れてくれるかしら?」

「全力、ね。終わらせましょう、もう」

「そう、オルネイアは最後まで優しくて、真っ直ぐなのね」

そして、

「......サラーレ......」

ボソッと呟き、手に魔力を込める。その魔力は闇に包まれていた。

「邪空滅亡砲(ダエーワ・デストロ)!!」

「波状麗冷氷期(スノーボウル)・穿(ドリル)!!」

アビスの周りに6つの魔法陣が現れ、強力な魔力砲が放たれる。その魔力砲は一つに集中し、放たれた。その魔法は上級魔法に匹敵するほどのものである。それに対してオルネイアは波状麗冷氷期を光線状にしたもので、攻撃力が上がっている。そして、

「グシャ」

鈍い音が2つなった。その場が凍りついた。誰も状況を理解できていない。ルシエルも

(どうゆうことです?一体何が!?)

この様である。

「ア、アビス?」

それはアビゴルの言葉であった。そのアビゴルの腹には大きな風穴が開いている。アビスが放った魔法、それは急に曲がり、アビゴルに一直線に向かったのだ。そして、アビスの腹にも風穴が開いている。

「アビス?何で?」

その風穴は、オルネイアの魔法によるものである。

「何を......何をやっているんだ!!!アビスゥゥゥゥゥゥゥゥ!!!!」

アビゴルの激怒の言葉であった。

「光波動」

アビゴルが隙を見せた途端に、神器を持っていたアビゴルの腕を吹き飛ばした。そして、その兄妹は同時に崩れ落ちる。その出来事はものの数秒のことだった。


その空間に空気も読まずにやってくるものがいた。

「あなた、何をやっていたの?」

その男は紫色の髪に紳士のような、スーツのような派手な服を見に纏い、手には星柄のついた手袋をしていた男である。

「ルシエル様、ただいま戻りました」

その男の名は「ネフィル」。悪魔族でありながら光の魔王の1人である。

「ルシエル様、そのことは後で説明しますから、ルシエル様はアルヴァの援護に」

怪訝そうな表情でルシエルは、彼の言うことを聞くしかないと思った。

「戻ったら、しっかり説明してもらいますからね」

「承知しました」

そう言ってルシエルが飛び立ち、消えると、ネフィルはアビゴルたちを一瞥した。それは蔑みの目とも言うべきか、哀れみの目というべきか。

「な、なぜこの悪魔がここにいる?コイツはアビスが抑えているはずじゃ?」

「嘘に決まってんだろバーカ!」

今までの礼儀正しさは何処へ。そしてネフィルは、続けた。

「この嬢ちゃんは最初からお前らのことを裏切ってたんだよ。なあ、バカ兄貴?」

「最初?いつ?いつからだ?」

アビゴルは必死である。それと対称にアビスは何も口を聞かない。

「いいぜ、全部教えてやるよ」

ネフィルは話した。計画はオルネイアを助けたところから始まっていたと。

「おかしかったと思わなかったのか?入念に準備していたってのに、お仲間2人はあっさりと殺られちまった。闇之種もうまく発動しない、そのせいで闇之館の力も弱まってる。挙げ句の果てには人質がタイミング良く目を覚ました」

その場の者は何も言わない。そして、また彼が淡々と続けた。

「天界に着いてからもそうだ。お仲間は次々と殺られていく。皆んな相性が悪かったんだ。そういう風に仕組まれてた。さぁて、天界での立ち回りを指示したのは、だあれだったかな?」

言わなくても分かる。一同はそう思った。

「正解は、こちらの嬢ちゃんでぇす!」

アビスは何も言わなかった。

「ネフィルさんは、何故アビスに協力したのですか?」

オルネイアが聞く。

「あ?そんなの簡単だ。面白そうだと思ったんだよ。この世は賭け(ギャンブル)が全てだ。賭けをしている時が一番生を実感する。だからな、俺は嬢ちゃんに賭けたんだ。嬢ちゃんが俺のところに来た時は驚いたよ」


<数ヶ月前 天界>

「はぁぁぁぁ。なんで俺まで出陣しなきゃいけないのかね」

俺がクソデカため息ついてた時だ。

「何者だ」

背後に気配がしたんだよ。

「気づかれましたか。光の魔王ネフィル」

「何者だと聞いている」

「そうでしたね。私は闇のギャング組織ラウファが1人アビスです。此度はあなたの力を貸していただきたく参上しました」

「ラウファ、ね。今話題のお尋ね者だな。そんなお前のことを信じろってのか?」

その言葉があっても嬢ちゃんは俺の目を見た。そこで俺は感じたんだよ。こいつはマジなやつだってね。まあ、もし何かあっても殺せるし、問題はねぇと思ったから、話だけは聞いてやったんだよ。そしたら、嬢ちゃんの綿密な計画が分かったんだ。

「嬢ちゃん、それは本気か?本気で仲間を裏切るのか?」

「ええ、もうお兄ちゃんの目を覚まさせないと」

「.......分かったよ。協力してやる。ただ、俺ができるのは嬢ちゃんたちが天界に来てからだ。いいな?」

「ええ、あなたは『運命乃賭事(デスティニー・ギャンブル)』で計画の成功確率を上げて欲しいの。そして、もし失敗したら私とお兄ちゃんを暗殺して欲しい。出来るだけお兄ちゃんは私の手で目を覚まさせたいんだけどね。万が一の時よ」

その時、俺は確信したね。この賭けは面白いってな。


「思った通り、嬢ちゃんは大したもんだったよ。ここまで、完璧に計画をこなすなんてな」

その言葉に、アビゴルは言葉を失い、虹色の瞳に光が失われた。そして、アビスはそれを見て

「お兄ちゃん......」

とようやく口を開いた。

「どうやら俺は賭けに勝ったらしいな」

そうボソッとネフィルは呟いてその場を後にしたのだった。

お読みいただき、ありがとうございます。大どんでん返しです。彼女の裏切りは、皆様は気づきましたか?実はたくさん伏線はあります。まあ、大体ネフィルが言ってたことなんですけどね。戻ってみて確認してみてください。第三章も残すところあと数話になってきました。今後彼らがどのように活躍していくのか、ぜひご覧ください。

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