25話 闇と光 (1)
煌々と光が照らすその場所の地面は石畳になっていて、近くには噴水もある。まるでヨーロッパのようなその光景の空は蒼くて、天使が多く飛んでいた。そうこれが、天界である。オルネイアたちが目を開けると、その光景は広がっていた。
「行くぞ」
無愛想なこの男がオルネイアたちを置いて進む。その行く先々には天使族や黒い天使、更には騎士のような者までいた。所々、ラウファたちのような悪魔族もいたが、皆普通にしているので、当たり前の日常なのだろう。そして何より驚きなのが、
「アルヴァ様!アルヴァ様!お帰りなさい!どこ行ってたの?」
「ああ、少し現実世界にな」
「現実世界!私も行ってみたい!」
「お前たちが大きくなったらな」
この無愛想な男「アルヴァ」が、めっちゃ子どもや人々に慕われていることである。
「子どもに大人気なのですね」
オルネイアがボソッと。
「アルヴァ、それが貴方の名前なのですね」
サリシアが加わった。
「チッ」
子どもたちや人々が去り、道中を進んでいるときで良かったものの、かなり不機嫌になってしまった。
「そんなに名前を呼ばれるのが嫌いなのですか?」
サリシアがグイグイいった。
「いいや、ただ私は、お前たちと関わりたくないだけだ」
「そうだったんですか、ごめんなさい」
その会話から一同は話すことはなく、目的地を目指していった。
天界に到着して1時間ほど歩いた頃、目の前に純白の城が見えてきた。これが、光の覇王の城である。そしてアルヴァが口を開く。
「私の役目はここまでだ。あとは、この城の者に聞くがいい」
そう言い残して姿を消した。
「どうしてもわっちたちのことが嫌いなのかな......」
「仕方ないな。今度、稽古でも一緒にするか!そしたら、心を開いてくれるかもしれんな」
一同が蔑んだ目でガルディアを見る。そんなことはさておき、城の門の先に行くと、天使族の案内役が待っていた。
「オルネイア様ご一行ですね。我らが覇王様がお待ちです。こちらにどうぞ」
ようやく、光の覇王とのご対面である。案内役についていった先は、謁見の間であった。そして、着くや否や
「覇王様の御成にございます!」
甲高い声によって派手に登場したのは銀髪の美しい髪に、白い瞳。その瞳に瞳孔はなく、生気が感じられない。そして、長いドレスは白で基調され、美しく映えている。そんな容姿の女性であった。
「久しぶりですね。無事に覚醒できましたか」
「?」
違和感、一同の心境を表したものだろう。
「やっと私の美貌を見せることができました。さあ、美しいでしょう?とくと目に焼き付けてください!」
覚えがある、この気配。そしてその違和感を最初に口にしたのは、レグナだった。
「ルシエル、なの?」
「当たり前じゃないですか。あなた方と出会ったのはオーブでしたから無理はありませんでしょうが、この溢れ出るオーラが物語っているでしょう?」
「流石は『覇王』様です!」
「今日も『覇王』様はお美しい!」
従者たちも口を揃えてべた褒めである。そして彼らたちはオルネイアたちにとって信じられないことを口にした。
「覇王って言ったか?まさか、ルシエルが?」
「あら?言ってませんでしたか?私は光の覇王『ルシエル』。人魔族を統制し、管理する者の1人ですよ」
「えぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!!」
その驚きは天界中に広がった。
状況を整理して何とか飲み込めた一同。ルシエルが光の覇王であったこと、更にここまで連れてきてくれたアルヴァは勇者族の魔王であることが分かったのだ。
とまあ、なんやかんやあって、早速本題である。
「それで、ルシエルが言う用件というのは?」
ゼファルが問う。
「ああ、そのことでしたね。じゃあ、早速話しますか。では先ずは、私たちが今どんな状況にあるのかについて、
<50年前 天界>
私は先代の覇人王のときから光の覇王として君臨していました。その当時、魔界では悪魔族の衰退、それに加えて覇人王の座を狙う悪魔族の王であった現在の覇人王と先代の覇人王で五大天使であった私の上司との戦争で荒れていたそうです。私ももちろん、その戦争には加わっていました。しかし、その戦争は私の尊敬する英雄王様との戦いで一時的に終結したのです。先代の覇人王と英雄王様は深い親交があり、協力して現在の覇人王を倒そうとしましたが、何者かの介入により、英雄王様は死に、先代の覇人王を破れてしまったのです。先代の覇人王は一命を取り留めたようですが、新たな覇人王が誕生してしまいました。
「貴方は引き続き、覇王をやっておくれ」
「御意」
それは覇人王から下された命令でした。更に、明らかに私は嫌われていた。まあ、無理もないですがね。そんなこんなで、覇王としての責務を全うしていたのですが、
「世界中の英雄族及びその眷属を抹殺しろ」
その覇人王の一言から事件は起きました。
お読みいただき、ありがとうございます。ルシエル再登場です。しかも覇王という肩書きを経てですね。これから光の魔王やら闇の魔王やらどんどん出てきます。できるだけキャラは被らないよう努めますのでどうぞよろしくお願いします。そして、タイトルから察しがつくように「闇と光」が続きます。つまりルシエルの過去編です。自分は過去編を作って伏線を作るっていう作業が好きですので、これからガンガン過去編を書いて行こうと思います。これからゆっくりお願いします




