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LEGENDS  作者: クライブ
第一章 物語の始まり
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2話 サプライズ

もう古く錆びれたアルセリアの大門が、軋むような音を立てて開いた。ある一人の兵士が叫ぶ。

「ヴァルセリア王国の使節団様到着しました!」

「これはこれは、どなたかと思えば『イグゾル』殿ではありませんか」

アルセリア王国大戦士「ガルディア」が白いローブ纏った老婆に語りかける。ガルディアは筋骨隆々の戦士である。溢れんばかりの脳筋さを持った戦士なのだった。

「お久しぶりでございます、ガルディア殿。半年ほど前の戦争以来ですか」

「何をしに来たのです?また戦争でも持ちかけてきましたか?」

「ハッハッハッ!そのようなことはありませんよ。此度は交渉に参ったのですよ」

イグゾルが少し不気味な笑みを浮かべる。ガルディアは少しため息をついて、

「どうぞこちらです」

と使節団が談話室へ向かっていった。


ガルディアが談話室へ案内すると、代表であるイグゾルに茶が出された。

「毒は入っておりません」

ガルディアと同じくアルセリア王国大戦士の「ゼファル」が茶と茶菓子を出した。ゼファルはガルディアと比べて小柄だが、キザそうな見た目に反して、その実力は高い。また、冷静沈着で物事を俯瞰してみることのできる青年であった。

「勿論、疑っておりませんよ」

「それはとんだ失礼をしました」

そのまま動きはなく、イグゾルが茶を一口口にしたあと、談話室の扉が開いた。

「お待たせして申し訳ない」

「これはオルネイア陛下。お時間を頂き、感謝します」

不気味なほど穏やかに挨拶は進められた。

「此度は休戦協定に参りました」

(王国幹部であるイグゾルを向かわせるということは、この申し出は信憑性が高いと見ていいな)

「話を聞こう」

その後、淡々とイグゾルの口から協定についての条件が語られた。

一つ、お互い干渉し合わないこと

一つ、両国の利害が一致した時のみ、互いに協力を申し出ること

一つ、もし、一方が掟を破った場合、武力的対処を試みることを許すこと

この条件を聞いた後、オルネイアは、

「少し時間をもらいたい」

「もちろんですとも」

「ありがとう。すぐに戻る」

すると、オルネイアとガルディア、ゼファルは談話室を後にする。そしてオルネイアが切り出す。

「今回の申し出を受けようと思う」

するとガルディアが、

「なんだか胡散臭い気もする。ここ数年間戦ってきて、今更休戦なんておかしな話だ。俺は反対だ」

「僕も、もう少し慎重になっていいと思うよ」

ゼファルも続ける。しかし、オルネイアは、

「だからこそよ。もう何年も戦ってきた。この戦いを終わらせられなかったのは、私たちの責任よ。もう民たちが死ぬのを見たくないの。こんな機会、またとないかもしれない。私はこれに賭けていいと思う。」

すると、やってきたのはオルネイアやレグナとは幼馴染で王国貴族である「サリシア」の姿が。サリシアは桃色の髪に純黒の瞳。紫に統一されたドレスを見に纏う。

「オルが決めたならいいんじゃない?ガルディア、ゼファル」

「だが、サリシア。非常に危険な交渉だ」

「オルが決めたことが間違っていたことはあった?確かにオルの決断で危なくなったことはあるわ。でも、最後は必ず最低限いい方向へ導いてきたわ。オルは王国建国の伝説に出てくる英雄に負けない、強い英雄だわ。だから、私はオルを信じる」

その言葉はオルネイアたちに温かく、強い勇気を与えた。

「わっち達も信じるよ」

会話を聞いていたレグナとクラリスが近づいてくる。

「ありがとう」

オルネイアは決心した様子で談話室に戻る。

「決まりましたか?」

イグゾルが問うと、オルネイアは力強い承諾の返事を返した。そしてイグゾルがオルネイアに手を差し出す。

「承諾の儀を行います。私の手を取っていただけますか?何、危険はありませんよ」

オルネイアが手を取ると、刻印魔法が発動し、イグゾルが契約内容を復唱する。

刻印魔法:事前に準備するトリガー式の魔法。今回は、契約魔法を事前に準備していた

そして、休戦協定はなされた。

「後日、今後の対応をまた詳しく。契約は今より発動しますので、ご承知おきを。それでは失礼いたします。それと、この菓子頂いて行ってもよろしいですか?うちの部下に甘党がおりまして」

と言い放って、使節団は帰って行った。オルネイアは再びため息をつく。

「一件落着か」


イグゾルが部下に言う

「この菓子、食べていいぞ」

「いいのですか!ありがとうございます」

部下が喜んで菓子を頬張る。その瞬間イグゾルが毒魔法をかける。悶え、そして動かなくなる部下。そして他の部下たちから血の気が引く。イグゾルは、

「アルセリア王国が菓子に毒を盛った。これは立派な契約違反だ。契約通り奴らに牙を向く。よいな?」

呆然と立ち尽くす他の部下たちに問う。

その頃、ヴァルセリア王国からヴァルカス率いる軍が進軍していた。

「フフフ。アルセリアよ、サプライズだ」

お読みいただきありがとうございます。まだ、世界観の定着を図っていますが、いかかでしょうか?「面白くない」という意見もあるかと思いますが、少し待って下さい。本格的に面白くなるのはもう少し先の予定です。まだ、温かい目で見ていただけると幸いです。

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