11話 闇の中で
「魔界」。全世界に蔓延る精神世界の一つであり、深淵が広がっている。魔界ではどこが地面なのかわからない。下を見れば、溶岩か漆黒。上を見ても、溶岩が漆黒である。
精神世界:多くの世界や宇宙が広がる現実世界(オルネイアたちが生きる場所)とは違い、人類が少ない。現実世界から干渉はできるものの、一般能力「魔力管理」を習得していなければ不可能。故に魔法を行使できないものは立ち入れない。
そんな魔界の一角にある城があった。今は使われていない廃墟と化しているが、その城に集まるものたちがいた。
「アビスは来るだろうか」
「来るに決まってるでしょう?あの子はあなたが大好きなんだから」
会話しているのは、美しい短髪の黒髪に、虹色に輝く瞳、そして、少し貴族風の服に身を包み背には瞳と同じような翼をもった男と黒色の長髪、そして美しい赤色の瞳、紫のところどころに薔薇を想起する紋様が入ったドレスを着た女。そこに、二人の人物が入ってくる。
「ああ久しいわね『イグゾル』。潜入ご苦労だったわね」
「労いになってないぞ『ロザルク』。貴様こそ、仕事はおわしたのかい?いや、おわしたのネ?」
「フフフ、口調が定まってませんね。潜入の影響ですか?」
そんな会話からイグゾルは老婆からツノを生やした悪魔のような女へと変貌する。しかし、その姿は老婆なんて比ではなく、人ならざるしわと老化であった。そしてもう一人は、紳士のような佇まいで、白色のシルクハットに服、しかしそんな服からは想像もできないような青白い顔にモノクルをつけている。彼の名は「ソムクロス」といった。
「その通りよソム。実に面白い。そのまま口調を戻さなくていいのではなくて?『マリスカ』が聞いたら驚くでしょうね」
ロザルクが言う。
「絶対に嫌なのじゃ。いや、嫌なのネ。マリスカにだけは絶対に」
「呼んだ?」
現れたのは派手な桃色に紫色の肌と紫色のドレスを見に纏った女。
「ピギャ?!勝手に現れないで欲しいのネ!マリスカ!」
「いーや?ずっといたさ」
マリスカの下半身は大蛇ような尾であった。マリスカにそう言われてイグゾルは怪訝そうな顔をする。
「そういえば『ノクサリア』はどうしたんだい?」
マリスカが問うと、
「ああ、ノクサリアなら今は潜入をさせているよ」
短髪の黒髪の男が答える。そこへ一人の声が響く。
「それって本当なの?」
その声の主はアビスであった。
「じゃあ私、こんなに必死に帰ってこなくてもよかったじゃない!」
そう不満を述べるアビス。
「まあそう怒らないでくれ。アビスにも聞いてもらいたいことなんだ。それに今、君はアルセリア王国に滞在してるだろう?だから、魔法通話で傍受されでもしたら気づかれてしまう」
「そう言うことか!分かったわ、お兄ちゃん」
「なるほど。それで、今後の計画は?」
「アビスは今後も潜入。そして、ソムはノクサリアと合流して欲しい。そして、僕を含め残りは『魔王』様と交渉に向かう」
「またかい?あいつら好きじゃないんだよ。現実世界の管理を担っているからって奴らに下手に出るのは嫌だね」
ため息混じりにそう言い放つマリスカに答えたのは、イグゾルであった。
「そうはいっても、奴らの勢力は現実世界では相当なもんなのネ。闇の力なら尚更。僕たちの計画のためには今は交渉するしかないのネ」
「ということだ。皆よろしくね。決して無茶はしないように」
そうして、城からは誰一人いなくなる。その城は魔界でも噂となっているギャング集団「ラウファ」の根城だった。そして、そのラウファの頭領こそが「アビゴル」であった。
お読みいただき、ありがとうございます。登場人物も増えて参りました。そろそろ、主人公とその仲間たちの名前などは覚えていただけましたでしょうか。正直に言います。ごめんなさい。この作品での登場人物は多いです。想定だと150ぐらいはいます。でも安心してください!その主人公とその仲間たちの名前を覚えていただければ、なんとかいけます!てな感じで、自分もできれば全員の名前を覚えていただけるよう一人一人のキャラや仲間を丁寧に書いていきますので、どうかこれからもよろしくお願いいたします。




