↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
推し活オカンの執筆ノートは予言書らしい 〜推しが我が家でみかんを食べている件について  作者: 花庫
第二章 予言?いやいや先読みです

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
23/49

特別編『Wレンのゲーム部屋:中2の夜』


【語り:レン(B:DASH)】


「おい蓮! 右から1パーティ寄ってきてる! ウルト構えとけ!」


『オッケー任せてレン兄! 俺のシールドで止めるから、レン兄裏から叩いて!』


「よしナイス! ……っしゃあ、チャンピオン!!」


イヤホン越しにハイタッチの音が響く。

深夜前、仕事が終わって一人暮らしのマンションに帰ってきた俺の日課。それは、玉木家の末っ子で中学2年生になった蓮とオンラインでVC(ボイスチャット)を繋ぎ、FPSゲームをプレイすることだ。


小5だった頃の無邪気な蓮も可愛かったが、中2になった今はゲームの立ち回りも格段に上手くなり、完全に頼れる相棒(ペア)になっていた。


「いやぁ、今の蓮のシールド出すタイミング神がかってたわ。さすが中2、反射神経エグいな」


『へへっ、毎日レン兄とゲームしながらレン兄の技を研究してるからね。あ、ちょっと待って……』


マイクの向こうで、バタバタという足音とドアが開く音が聞こえた。


『〜〜〜っ! ママ! 今いいところなんだから勝手に部屋入ってこないでよ!』


『蓮〜、夜遅くに大声出さないの! レンくんにもご迷惑でしょ? 洗濯物ここに置いておくからね』


『わかったから! ドア閉めて!』


バタン、とドアが閉まる音。

俺は思わず吹き出した。


「ハハハ! 薫さん相変わらず優しいやんか。ちゃんと『ありがとう』って言ったか?」


『……言ったよ。もう、中2にもなって子供扱いしないでほしいよね。反抗期なんだからさ、俺』


「自分で『反抗期』って言う奴があるか(笑)。中2病かよ」


『中2病じゃないし! ていうか、レン兄ちゃんこそ最近忙しすぎでしょ? こないだのテレビの生放送見たよ。新曲のダンス、めちゃくちゃバキバキでカッコよかった。ママめっちゃ褒めまくってたよ!』


素直に褒めてくるあたり、やっぱり根はあの頃の可愛い蓮のままだ。


「サンキュ。蓮も部活忙しいんやろ? 陸上部入ったんだっけ?」


『うん! 先輩にタイムでなかなか勝てないのは悔しいけど、どんどんタイム縮まっていくのは楽しい! ……あ、そういえば真衣がね、レン兄ちゃんに『あんまり蓮と夜遅くまでゲームさせないで』って言っておいてって怒ってた』


「うわ、真衣ちゃん相変わらず厳しいな……。結ちゃんは?」


『結は『レンくん新曲のキー高いのに歌えててすごい〜』って部屋で熱唱してる。うるさい(笑)』


「あはは、玉木家は相変わらず賑やかでおもろいなぁ」


画面の中のキャラクターを操作しながら、俺はふと息をついた。

ドームツアーを控え、プレッシャーで頭が押し潰されそうになる夜も多い。でも、こうして蓮とゲーム越しにくだらない話をして、玉木家の日常を分けてもらうだけで、すーっと肩の力が抜けていくのだ。


『……ねえ、レン兄ちゃん』


「ん? なんや?」


『今度のドームツアー、俺、絶対観に行くからね。部活の大会と被りそうだったんだけど、必死で勝ち上がって日程ずらしたんだから!』


ボイスチャット越しの声には、中2らしい少し低くなった声と、はっきりとした熱がこもっていた。


『だからさ、ドームのデカいステージで、一番カッコいいレン兄ちゃん見せてよね』


「……当たり前やろ。誰に向かって言ってるん」


俺はコントローラーを強く握り直し、画面の向こうの相棒に向かってニヤリと笑った。


「蓮、もう1マッチ行くぞ。今度は俺が全キル取ったるから見とけよ!」


『よーし、負けないからねWレン! 出撃〜!』


深夜のボイスチャットに、Wレンの笑い声が心地よく響き渡った。


(Wレン中2編・完)



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。