エンディング そして伝説へ・・・って、なんでこうなった!?
「お前のそのゴミを見るような目、それが俺様の新しい世界を目覚めさせたのだ・・・喜べ、貴様を本日より我が婚約者の筆頭候補にしたぞ!」
「はい?」
例の王子様に私ぷち切れ事件から3日後、いきなり私とアリアがテラスで食事している時に、ずけずけやってきたと思ったら、馬鹿王子がなんか今までになく目をキラキラさせていきなりわけのわからんこと言いやがった。いうか、なんだよ新しい世界って。
「いきなりなんですか!フランちゃんは私とずっと一緒にいるんです!」
アリアがなんか怒っている。アリアお前も何言ってんだ?
「アリア。今まで悪かったな。だが、俺様は真実の愛を知ってしまったのだ。俺様はフランソワを我が妃にすることに決めた。貴様の両親にも使いを出した」
ぎゃー!?この馬鹿王子、爽やか笑顔でとんでもないことのたまいやがった。この野郎。いきなり外堀埋めてきやがった。
「お前の両親は喜んで即了承したぞ」
しかも、外堀なくなった!?
「フランちゃん!フランちゃんは私を裏切らないよね!?ね?ね?」
「裏切るって、そんなことくらいで友達辞めないから」
アリアさん、ちょっと目が怖い。裏切るもなにも私達友達だよね。なんで昔のイケメン3人の時のように、恋敵みるみたいな目で王子睨んでるの。なんで腕というか全身押しつけてアピールしてるの。くそぅ私より胸大きいのがむかつく・・・ってそうじゃない。なんだこの関係は!?おいおい、なんてこった。関係が複雑になったぞ。これって変形5角関係じゃね?
頭痛いと頭を抱え込んだその日の翌日。
「悪い!俺もう付きまとわないよ!俺、100回アタックして駄目だったら、男らしく諦めるつもりだったんだ」
「はい?」
リカードがいきなり諦めた。
「私もリカード君の潔さで目が覚めました。ここまでアタックしても好意を抱かれないようでは、私に誤りがあったんでしょう。いつかまたあった時、貴女が振り返れる男になります」
ライトニングもいきなり諦めた。
それに対してアリアの答えは
「ふーん、そうですか」
さっぱりしすぎー。
つまり5角のうちの2角のリカードとライトニングがいきなり身を引きおった。というか、お前らいつ仲良くなってんだよ。何、肩組んで談笑しながら「から揚げ食べに行こうぜ」とか言ってんの?
急展開に呆然とした私の周りに残ったのは
「それよりフランちゃぁぁん♪お昼食べよぉ」
とシグルド王子の告白以降、懐き度が上がっているアリアに、
「フランソワ。俺様に強くものを言うことを許す。何故ならお前はもう俺様の婚約者なのだからな。さぁ、何か言うことはないか?」
となぜか興奮した顔で私にぐいぐい迫るシグルド王子。両名、圧が凄い。美形なだけに何か異様な雰囲気で怖い。誰かへるぷみー!
それからというもの、あっという間に私は学園一の有名人になってしもうた。あのイケメンズの四角関係を見事仲裁し、アリアとシグルド王子を従えるようになった裏の女王様って、私のことらしいよ。あはははー。って、なんでだよ!
そのせいか頻繁に男女問わず私と親しくなろうとすり寄ってくるようになるし、気が付くとそんな私を守るために私を慕う後輩たちが“フランソワ見守りクラブ”とか作るし。ネーミングセンスに文句言ったら「じゃぁ“麗しきフランソワ守護乙女団”でいいですか?」とか満面の笑顔で言いやがった。そうじゃないんだよ。
しかも、私の好きな豚肉の甘辛炒めを“フランソワポークソテー”、フルーツケーキを“フランソワケーキ”とか名付けて、ファンクラブの会員が好むようになったせいで、売り切れ続出。一般生徒から軽く怨嗟の眼で見られるように・・・。
平和で普通の人生を歩むはずが。なんでこうなったのよー!?
その時の私は知る由もなかった。それが波乱万丈な人生の幕開け。つまり今までの騒動がまだまだ始まりにしか過ぎないということを。
~数十年後
その才覚から国の中興の祖と謳われる“金獅子王”シグルドが生涯愛した女性といわれるフランソワ。
類まれなる美貌を持ち、数多の分野で偉業を成し遂げた伝説の偉人“賢の女神”アリア=スターロッドが「私が真に心から信じ、全てを捧げられるのはこの世界でただ一人」と語るフランソワという女性。
後世に名を長く残す伝説ともいえるこの2人以外に、「フランソワ姉さま」と慕う大国の姫、「私が国王ならばフランソワに名誉勲章を授ける」と賛美する将軍など大勢の偉人がこの“フランソワ”の名前を挙げている。
そんなフランソワには決して表舞台に出ることもなく、どのような人物かは不明な部分が多い。ただ“平和に過ごしたいだけなのに、なんでこうなったのよ!”が口癖だったという史実が残っていたという。