レーギャルンと9つの鍵
ダイヤ&ルシフェル「はぁ!」
ガギンッ‼︎
金属と金属がぶつかるような音が聞こえた、
直後には、
バンッ!
正確には、バムッ。
両方が放った弾丸があたり、
空中で2つは1つになる。
実はこの弾丸の軌道も計算されたもので、
ダイヤの裏の裏の裏の裏の裏をかいたものである。
だが、こんな頭脳を使う作業など当たり前、
その先の先の先の先の先の先しか見ていない2人は、
まるでカードゲームでもするかのように、
一発逆転を狙いつつ、
2人以外の誰も追いつけない場所で戦っていた。
そんな激戦を、メィプルは見ていた。
実は彼は、逃げると言って置きながらも、
チェリィだけ行かせて自分は残っていた。
メィプル〔何故俺がここにいるのか。それは、とても大切な仕事があるから。司令塔…いや、監視塔が必要だからなんだぜ〕
〔チェリィはまだ魔力がある…俺は無い!〕
〔よって、ここで2人を監視しておいた方が、みんなの役に立てるんだぜ。〕
メィプルは、隙があれば加勢しようとしていたが、
こりゃ無理だな、という感じでため息をもらす。
メィプル「みんなは大丈夫かな…?」
ーアシュラside
アシュラ「情けない…本当に情けない」
「口と眼球しか動かせないとは…」
「こうしてる今も【皇帝】の石は飛んでって何かしでかそうとしているのに…俺はもう力がない」
「レンを怒れないな」
「『尻尾が無くなる』とそこから何かが逃げてく…」
人形族の体は、何で動いているのか。
どんな学者でも、答えはわからない。
何故なら、実験の為に誰かを犠牲に出来ないからだ。
人形には、単純な感情しかない。
(※だから、ダイヤはミカエルという他人の為に簡単に命を張れるし、アクシアはルシフェルの発言を「嘘だ」といって聞き流せなかった。)
少しでも『罪悪感』の存在を知ってしまうと、マッドサイエンティストが生まれることはまずない。
非人道的な出来事など、この世界では無いのだ。
そうアシュラは自分に向かって確認作業を進めて、
今自分が置かれている状況まで再確認する。
たまたま尻尾が、戦いに巻き込まれて消えた。
赤式阿修羅虎王拳とは、そういう技だ。
『そんなことはどうでもいい』
アシュラは、発見してしまった。
尻尾から…じゃなくて、
途中で切れたので、新しく先端になった部分から、
出ているものは、なんだ?
この霧のようなものは…
…まさか魂だとでもいうのか?
…わからないが、とにかくこれを止めないと、力が無くなってゆく。
…なんだ、抑えたら止まるんだな、良かった。
たしか、待機組が包帯を置いてってくれて…
あった!
グルグルグルグルグルグルグルグルグルグルグル
良し、止まったな。
そこで安心感が生まれたのか、
アシュラの意識がもう一度途切れた。
「あー…まずい…意識がまた…」
ドタンッ!
〜待機組
レン「【レジストバーニング】‼︎」
弥生「【破壊水ウェーブインパクト】‼︎」
チェリィ「【ウェポングロウ】《ウィンド》‼︎」
バシュンッ‼︎
…ヒュウ…
弥生「駄目か⁉︎」
チェリィ「でもこれ以上は…」
レン「くそ…村に行くつもりか、あの石はー‼︎」
キュウにイカロスとアクシアとアイを預けた3人は、
【邪宝石・皇帝】を追っていた。
〔弥生ちゃん…すぐに向かうからね…!〕
キュウは、そんなことを考えていた。
弥生「どうする!あの炎より、石本体の方が強いじゃないのよ!」
チェリィ「あんなのどうやって破壊すれば⁉︎」
レン「さっきのが本気なんですけど!」
…
そんなことを言っても何も変わらない。
だが、焦るのも仕方なかった。
たとえ本調子でも、壊せなさそうな石である。
チェリィ〔クリスタルブレードは、2人じゃないと使えない…それ以外には、有効だと思われる攻撃手段を私は持っていない…〕
弥生〔破壊水エクスプラズマ…あれでかなり魔力を使ってしまった…他の大技は、もう使えない…〕
レン〔僕はそもそもサポートで、攻撃手段は乏しい上に、威力もそんなにない…!〕
〔石を守っていた炎は、僕が消したけど…〕
弥生「どうする!『合わせ』でも駄目なのか⁉︎」
チェリィ「何回も同じことを言わないで!」
「石を破壊出来ないなら、先回りするしかない!」
「あの石がこの後何をするかはわからないが、村に行くなら村人を先に逃せばいい!」
レン「対策はそれからですって⁉︎それは遅すぎます!もしあの石に村を滅ぼせるような力があったら、僕たちでは止めようがありませんよ⁉︎」
チェリィ「確かに、私たちが破壊一辺倒じゃない限り、あの石は破壊出来ない気がする…アシュラなら、壊せるかもしれないけど」
弥生「じゃあ、何とかしてUターンさせる⁉︎」
レン「いえ、アシュラさんは、魔王と相打ちになりました、【アシュラ拳】は1発も撃てない筈です!」
チェリィ「まじですかい」
弥生「なんかさっきから話の脈絡がないな」
「でも、さすがは【皇帝】というところか」
レン「感心してる場合じゃないですよ」
「あの石、『加速』してませんか⁉︎」
チェリィ「…」
弥生「…」
レン「2人とも、なんとか言ってくだ…」
「どうしたんですか?」
チェリィ「レン、今すぐバベルの塔に戻りなさい」
弥生「ええ。まずいことになったわ」
レン「え?」
弥生「よく考えたら、魔王ファイアリアンはあの石に炎を宿す必要が無い」
レン「あれは戦場を切り抜けるための…」
チェリィ「そうじゃない」
「『炎があることで、何か変わった?』」
「ひどいことをいうけど、あなたでも壊せる炎程度、アシュラは気にも止める必要がないのよ」
レン「むか…でも、アシュラさんは無視してませんでしたよ、最大限頑張った上での、『捨て』だったんですから」
弥生「やっぱり」
「じゃあなおさらね、あの石、誰かが操ってるわ」
「認めたくないけど、どうやら第四の敵がいる…」
「急いで」
レン「は、はい!」
タタタタタタタタ…
「…なおさらってどういうことだ…?」
…
チェリィ「つまり」
「ひとつずつ見て行くとわかることだった」
弥生「『神』はルシフェルの蛮行をなぜか止めない」
「『六角竜』はより強い魔法を持つルシフェルに逆らえないから、自分の管理下にある土地をパラレルから守ることぐらいしか、出来ることはない」
「『ミカエル』はルシフェルを止めようとする」
「魔王リアンは協力し、閻魔王は反発した」
チェリィ「では、《魔王フェンリル》のみが、この戦いに参加しないのは、何故か?」
弥生「皆がそう思った」
「だが、その設問が間違いであることに、気づく者もいる…例えば『ファイアリアン』や『ルシフェル』」
チェリィ「そして私たち…正しいのは、」
『フェンリルはどんな形で戦うつもりなのか?』
「…という疑問の方」
弥生「思えば、フェンリルは一番得をするはず」
「どちらの陣営に参加しても、自分がいる方が勝つ」
「それだけの戦力差しかない…」
「そんなおいしい状況で動かない方がおかしい」
「迂闊だった!『魔王』とは比べ物にならない地位と力が手に入るというのに…」
チェリィ「なら、彼女が狙うのはただひとつ」
「頂点の座」
「誰かに従うのではなく、誰かを従わせる立場」
「確かに、ルシフェルについても、ミカエルについても、そんなものは得られない…」
「だから、第三勢力を作り、」
弥生「【皇帝】を奪うことにしたと…」
チェリィ「…レンが一瞬でもフェンリル(おそらくバベルの塔にいるであろう)の気を引きつけてくれれば、この石の防御力は無くなるはずよね!」
弥生「ええ…でも何故村に向かうのかしら?」
チェリィ「わからない…でも、フェンリルが待ってるってことは、無いと思う。」
弥生「なぜ断言できるの?」
チェリィ「『もう接触したみたいよ』」
弥生「…ええ⁉︎」




