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霧は晴れた

《バベルの塔》決戦の地…


その8階にあった静寂は消え、より一層深くなった霧の中で死神が1人、倒れている天使エリュシオンを見つめている。その天使からは、先ほどまで少しだけあった清らかな輝きが消え、今は黒い艶やかな輝きが感じられる…そして、霧が晴れようとしていた。





ーーーーーーーーーーーーーーーー


バババババババン‼︎


「お、おい⁉︎」

「地雷が爆発して消えた…?」

「…メィプル、そこにいたのか」

「え?」

「ちょっと待って、霧が…晴れていく!」

「終わったのか…霧が…?」

「地雷も…そして、上から音がしないぞ」

「…本当だ」

「下からはアシュラの声が聞こえてくるのに…」

「…⁉︎」

「急ごう、上へ行くぞ!」

「おう!」


〔考えたくない…まさか本当にヤマトは…〕




《バベルの塔8階》


ババッ

シュタッ


「おいヤマト!大丈夫か⁉︎」

「ヤマトー!」

「あ…あれ見て‼︎」

「?…‼︎」


あれは…‼︎


「あれは『部下』だ!」

「しかも堕天した後のように見える!」

「…ヤマトがそこまで追い詰めてくれたってこと?」

「じゃあそのヤマトは…⁉︎」


「いない…どこにも…」

「ルシフェルに連れ去られたのか⁉︎」




「…チガウ。霧ニナッタ。」

「…ッ⁉︎」

「今どこから声が…⁉︎」

「敵⁉︎」

「ワタシガミエルナラ、アトハ…」

「…⁉︎」

「ヤマトの声みたいだ…」

「なんなんだよこいつ!」

「…あとは?」


「…」

「アトハ…ハナシヲキイテホシイ」

「…話?」

「ヤマトハ死ンダ。」


「‼︎」


「ソシテ、『霧』ノイチブトナッタ」

「まさか…本当に⁉︎」

「…そんな…」

「…ヤマトカラ、『伝言』ヲアズカッテアル」

「ダイヤさん」


「!」


「オレハ、アナタノヨウニナレタテショウカ…」

「最後マデ迷惑カケテスイマセン」

「1年前ニアナタニ逢エテ、本当ニヨカッタデス」

「『今まで本当に、ありがとうございました』」


「…!ヤマト…」

「メィプルサン、チェリィサン。」

「…」


「『エリュシオンは堕天させました』」

「『後は任せます』」


「…ああ!」

「ありがとう…ヤマトくん…」


「サイゴニ…『皆さんと出会ってから、俺の人生は変わりました。俺の死が無駄でなかったということは、皆さんが証明してくださるはずです。戦場は思ったより加速しています。気をつけて下さい。ルシフェルは今』…」


シュウゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥ…


「……おい!ヤマトくんー!」

「ヤマト…?おい、返事しろよ、なあ‼︎」


返事はない。



「お前の笑顔を見せてくれよ!おい…!」


その笑顔は、もう存在しない。




思い出になった。




「どこにいるー!ヤマトー‼︎」

「なあ…ヤマトぉ…」


「ダイヤ…ヤマトはもう…」


「うわああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ‼︎」


「うっ…うう…」



メィプルは、まだほんの少しだけ残っている霧の中からヤマトが、泣いている2人を見ていた気がした。

そして、こちらを見て笑った気がした。


「お前の仇も加えたぜ、ヤマト。」



そして、霧が完全に晴れた…



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

2階


「…!」

「…!」


「霧は…止んだか。」

「そのようだな」

「アシュラさん、まだですよ!」


「…!ああ。」

「ふー…では、話の続きをしようか」

「てめえ勝負忘れてんじゃねえか⁉︎」

「まあまあ…バッドニュースを聞くことになるんだ、勝負なんぞできるまい。」

「バッドニュース…」


「ヤマトは…死んだようだな」


「‼︎」


魔王リアン「かわいそうに…彼がもっといい加減な性格だったなら、エリュシオンに抑えられることもなかったのに…この戦い、どちらが勝ったとしても、彼は称えられるだろう。なんせ最強クラスの天使を堕天させたんだからな…」


〔…ヤマトさんは死んでしまったのか……………だけど、悲しむのは後で…後で…〕


〔今集中を切らせば、死ぬかもしれない!ここは敵地だ!気を…ぬくな…〕



「…やはり戦えるメンタルではないな





「やはり話をしようか」

「では急だが、君達…」





「私の仲間にならないか?」


「…?」




《待機組》半日前の出来事

ヤマトの霧で戦場が混乱している中、

塔の外では…


「今ダイヤから連絡があった!私たちも塔に向かうわ!ヤマトの新技は、『攻撃モーション』をしたらいけないらしい!そして、霧も濃い…すでに発動から30分経って、もう何も見えないらしい!よって…」


「手を繋いで行くわ!」


「【皇帝】の回収の為に、玄関にアイがいるらしいから、アイも合流、イカロスとアクシアとも合流する!そして、ダイヤからの指示通り、私たちも戦闘に参加する!下から順に…魔王から潰す!」


「OK!」

キュウは、頼もしいオーラがする。


そして…1時間前


「アイ!イカロス!アクシア!」

「弥生さん!キュウさん!」

「弥生!キュウ!」

「来たのか!」


「2人とも!どうして急に行っちゃうの!」

「すまなかった…もう用事は終わった」

「さあ、塔に入りましょう!」

「ええ!」



数分後…


「では、突入よ!」

その時!

ザワッ

ゾゾゾゾオオオオ!


「…⁉︎今、何か凄い気配を感じなかった⁉︎」

「ああ!血が凍るかと思った!」

「何⁉︎今の‼︎」

「早く塔に入れ‼︎攻撃される前に‼︎」


「え?え?」

「皆さん、気配を感じたんですか?」

「僕はさっぱり…」


「え…」

「それって…」


一大事に1番早く行動したのはアクシアだった!


「【グレイエルグテイン】‼︎」


ビシビシビシビシビシビシビシビシビシビシビシビシ


「うわあ!冷たい!何するんですか!痛い!」

「お前何かに取り憑かれたな⁉︎」

「え?僕は取り憑かれているんですか⁉︎」

「アイと氷を塔の中に入れろ!」

「おう!」


「…させるか」


「⁉︎」「アイ?何言って…」

「バイル!早くしろ!」

「だ、駄目だ!あいつ!」


ドゥウウウウウウウウウン‼︎


「…‼︎」


「【消滅】…借りさせてもらったよ」

「なかなか恐ろしい技じゃないか…」


「氷を『消し』やがった‼︎」

「さっきの魔力だ…‼︎」

「あ…あれは!アイじゃない!」

「やはり取り憑かれていた!」

「こ、こんな段階で!」


「もう来たの…⁉︎」


「馬鹿な…早すぎる!」








「堕天使ルシフェル‼︎‼︎‼︎」

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