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フェンリル

〜数分前〜


馬車の中で、ダイヤはアイに話しかける。


「アイには、【皇帝】の後始末をしてほしい」

「お前の【消滅】なら、出来るだろう?」


「でも…」

「ぼくの【消滅】は別のどこかに飛ばすだけなんで」

「破壊は出来ないが…」


『その事だが、私の調査で分かった事がある…』

思念の塊のミカエルも、アイに話しかける。


「ミカエルが言うには、消滅の原理は」

「《再び取り出すことのできないストック》」

「をするような事、だというんだ」


「…なるほど」


『恐らく君が今までに消滅させたものは、別世界ではなく、その剣の中に魔力として残っている』

『そこで、だ』


「【皇帝】に【消滅】をかければ、剣の中に…」

「剣なら、解析も破壊も簡単…か。」


「お前のそのお気に入りの剣は使わなくていい」

「とりあえずは玄関にいて、」

「来いと言われるまで待っておいてくれ」


「了解」


〜現在〜


「それでは、魔王班は突入する」

「ああ、よろしく頼む」

「行くぞ!」

「はい!」


タタタタタタタタ…

〜5分後〜


「トランシーバーから、アシュラだ」

「いま一階の広場だが、特に兵は見当たらない」

「よって、兵の種類による魔王の判別は不可能」

「2階に行こうと思う。どうぞ」


「こちらダイヤ、突入してくれ。」


「こちらヤマトです。今、【リボルバー】の能力で地雷を設置しています。一階から場所指定で飛ばして設置してますが、2階、8階、10階にどうしても設置出来ません」

「破壊された感覚では、2階に魔王『フェンリル』8階に『部下』10階に『ルシフェル』だと思います。」


「フェンリルだという根拠は?」


「破壊される時、莫大な魔力を地雷が感じ取りました。しかし、それは炎じゃなかった」


「それなら当たりかもな…よし、では、我々ももうすぐ突入する、戦闘が始まったら連絡してくれ。」


「了解」


ブチッ


「ヤマト、」

「はい」


「俺も、フェンリルの可能性が高いと思う」

「このバベルの塔…ここは一階だから特に。もし炎使いがいるならもっと気温があるはずだ」

「だが、今は冬のように寒い」

「相手がよっぽどやる気無くて、技の準備をしていないか、フェンリルなのか…しか考えられない。」


「ですね」


「莫大な魔力っていうのはどれくらいだったんだ?」


「ええと、地雷は2階広場の隅々まではるつもりでしたが、着地寸前で何かに破壊されたんです」

「その時、広場を覆い尽くしていた地雷の全てが飛んでくる魔力以外の魔力を感じ取りました」

「ミカエルさんの話から察するに」

「魔王『ファイアリアン』がもしそんな事をすれば、とんでもない魔力の無駄遣いです」


「決まりだな」

「では、ヤマトは作戦通り、援護射撃にまわってくれ。フェンリルの多彩な攻撃とやらは厄介そうだからな…」


「はい」


「そうこう言ってるうちに2階か…」


アシュラは、二階会議場をのぞく。

そこにいたのは…


「!あれは!フェンリルだ!」

「やはりフェンリルだったか…」

「良し、戦闘開始だな、ヤマト、連絡を…」

「…ヤマト?」


「…おいヤマト⁉︎」

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