授賞式3
「魔法の元となる【古代魔法】を生み出したのは、」
「人間だ」
「人間は恐怖に打ち勝つために、」
「自らの力で魔法を生み出せる」
「ただし、人間は結界を持たないし、」
「【古代魔法】は特に単純で強力なので、」
「魔法を一度使えば、後は跡形も残らない」
「だから、後継者の少なさによって」
「廃れていった。魔法の起源はそんな感じだ」
「…」
「ただ、一つだけ、」
「安全に魔法が使えるシステムがある」
「それを、《善宝石》という」
「君達の使っている魔法は」
「善宝石から生み出された物だ」
「…」
「《善宝石システム》で生み出される魔法は」
「【古代魔法】とは掛け離れている」
「副作用がなく、威力は控えめ、」
「バリエーションや効果が豊富、」
「結界がなくても発動できる物まである」
「では、その逆が…」
「そう」
「【皇帝】の様な魔法は」
「《邪宝石》というシステムから生み出される」
「善宝石の逆、副作用があり、威力と効果が強く、」
「単純だ。こちらは必ず結界が必要になる」
「それが今、【ブレイカー】と【皇帝】の他に」
「『三魔王のうちの一人』がひとつ」
「『ルシフェルの部下』がひとつ」
「それぞれ持っている」
…‼︎…バイル・アクシアの言っていた事と一致した‼︎
“魔王のうちの一人と、双天使の弟が裏で協力して、何かを企てている”
そして、さっき言っていた3つの《邪宝石魔法》は【皇帝】と、後二つ…これは、これは!
「『首を突っ込まざるを得ない』…か?」
「…」
「まぁいい、【ブレイカー】の話はここまで、次は『私達兄弟』について話そう」




