表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
413/560

06-62 一刀

これは斜陽街から扉一つ分向こうの世界の物語。

どこかの扉の向こうの世界の物語。


怪獣は遊園地を壊しにかかる。

しとめないといけない。

そうしないと、この遊園地からは帰れないだろう。


「おいワタル」

ヒビキがワタルに追いつく。

「どうすれば、しとめられると思う?」

ワタルは瓦礫をよける。

「足止めと、強烈な一撃だな」

「やっぱりそう思うか」

ヒビキの言葉に、ワタルはうなずく。

ヒビキは考えなしの癖があるが、戦いに関しては間違っていない。

カタナは怪獣と戦っている。

いくら踏み込んでも足元がせいぜいだ。

「カタナ!」

ヒビキが怒鳴る。

カタナが振り向く。

「今から怪獣の足止めをする!」

「止まるか?」

「止まるとも!そうしてカタナは上から怪獣を一刀両断にするんだ!」

「上から?」

「俺の能力で放り投げる!」

カタナはうなずいた。


ワタルは能力を解放する。

怪獣の足止めの氷の力となると、

とにかく意識をなくすまで、放たないといけないかもしれない。

意識をなくすまで放ったとして、カタナがしとめられなかったら…

つぶされておしまいだ。

「信じろ」

ワタルは自分に言い聞かせる。

「信じろ」

隣でヒビキもつぶやいている。

カタナがこっちにかけてくる。

ヒビキは能力を解放して、カタナの手をとり、

炎とジェットの要領で中空へと飛び立つ。

ワタルは能力を解放し、氷で怪獣の足止めにかかる。

いくら放っても氷はなかなか怪獣の足止めにならない。

全ての力を出し切る覚悟で、ワタルは氷を放った。

怪獣の足元が凍る。

遊園地を壊していた怪獣の動きが止まる。

「今だ!」

ワタルが叫ぶ。

ヒビキはカタナを放り投げる。

そのままヒビキは落ちてくる。

そして…

カタナは上空で姿勢を整えると、輝く刀を振り下ろした。

カタナは咆哮する。

それこそ獣のように。

輝く刀が怪獣の頭から足元まですごい勢いで下ろされる。

カタナが落ちてくる。


怪獣は一刀両断された。


怪獣がさらさらと灰になる。

「わたしのあかちゃん…」

どこかからそんな声がした気がした。


「これからどうするよ」

ヒビキがカタナに問いかける。

「また何かを斬る」

カタナはそう言って、刀を鞘に収める。

そして、振り向かずに去っていった。

「俺たちも帰ろうぜ」

ワタルがヒビキに声をかける。

壊れた遊園地のこととか、そういうことはとりあえず後回しにしたかった。

とにかく生きている。それが何よりうれしかった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ