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06-59 噂

これは斜陽街から扉一つ分向こうの世界の物語。

どこかの扉の向こうの世界の物語。


アキは飛んだ。

カヨと手をつないで。

「飛んでる…」

カヨがつぶやく。

「うん、飛んでるよ」

アキが答える。

「世界一の探偵はどこにいるだろうね」

「風が噂を運んでくれるよ、それをしらみつぶしにあたろう」

カヨが答える。

「そうか、風の噂なんだね」

「そうだよ」

アキも風の噂話を聞くのは初めてだ。

でも、それが一番の近道である気がした。

カヨは崖の上で風の噂話を聞いていたのかもしれない。

今はもっと噂話が聞きやすい空にいる。

きっと届くはず。

世界一の探偵の居場所が、きっと届くはず。


「まずい、逃げたか」

崖から大人の声がする。

「逃がすな!追え!」

ガラの悪い大人の声だ。

「カヨ、あれは?」

アキがたずねる。

「あれはマフィアだよ。僕の夢をずっと狙っている」

「戦う力はないよ」

「逃げよう、アキ、そして、風の噂を聞くんだ」

「わかった」

アキはカヨの手を引いたまま、空を飛ぶスピードを上げる。

アキの耳でさわさわと何かが聞こえる。

「風の噂が聞こえ始めてる」

カヨがその現象を説明する。

「これが風の噂」

「うん、このくらい空にいればいろいろ届くはず」

「わかった」

アキはスピードを上げる。

マフィアが追ってくる。銃を持っているようだ。

アキは高度を上げようとする。

「あまり高度を上げると噂が届かないよ」

「マフィアが銃を持っているよ」

「もう少し、もう少しで何かが聞こえるんだ」

アキはうなずく。

「わかった、手だけは離さないでね」

「うん」

カヨは集中する。

アキはマフィアの目をくらまそうと空を飛ぶ。

カヨがいなければ無茶も出来るかもしれない。

アキの耳にも風の噂が届く。

聞き覚えのない町の噂がたくさん。

アキではよくわからない。


「斜陽街」

カヨがつぶやく。

「しゃようがい?」

「うん、斜陽街の探偵が世界一の探偵かもしれないって噂が届いた」

「行ってみる?」

「うん、場所は扉の向こうだって話だ」

「どこの扉?」

カヨは指差す。

そこには扉が一枚。

でも、そこに行くには高度を下げて、

マフィアの目をかいくぐらないといけない。

「行けるかい?」

カヨが尋ねる。

アキは答える。

「やれるだけやるよ」


アキは思いっきり高度を下げる。

マフィアがずかずかと追ってくる。

アキとカヨは一枚の扉を目指した。

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