表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
406/560

06-55 胎内

斜陽街番外地、八卦池。

八卦の鏡の形をモチーフにした池だ。

そこには、スカ爺という爺様がいて、

いつも池のほとりで、なにやらたたずんでいる。

容貌は中国の仙人というものに近い。

はげていて、ひげが長くて、杖を一本もっている。

時々杖で八卦池をかき回しては、

うんうんうなずいたり、なにやら会話をしていたりするらしい。


八卦池は電網と繋がっているという。

電子の網からこぼれた迷子が、

時々八卦池を経由するらしい。

スカ爺はそんな迷子を導いていたり、

会話をしたりもしているらしい。


八卦池に、何かが届いた気配がした。

スカ爺は届き物を八卦池の中で開く動作をする。

杖でとんとんとクリックのようなことをする。

「シャンジャーか」

スカ爺は知り合いの名前をつぶやく。

電脳から出られない存在の風水師。

時々八卦池を経由して、さまざまのことをもたらす。

面倒なこともあるかもしれないが、それはそれだ。

今回は何だろう。

スカ爺は伝言を読んだ。

「胎内のイメージを作ったとな」

メッセージには、胎内のイメージを作ってみました、

胎内は水に近いところだから、

八卦池にも、すぐ馴染むと思います。

容量の空きがあれば、しばらく試してください。

追伸。最近怪獣が出たという情報が入っています。

斜陽街は大丈夫ですか?

そんなことが書いてあった。


スカ爺は八卦池の片隅に、

胎内の記憶を展開する。

水とかかわりがあるだけあり、

すぐに八卦池に馴染んだ。

今までの八卦池を壊すようなデータは入っていない。

なんというか、深度が増した。

そんな感じだ。


「シャンジャーもやりおるわい」

スカ爺は感嘆する。

電子の海で彷徨ったものが、

八卦池で安心することが出来るだろう。

それならばこのデータも悪くはない。

それに、なにやら予感がした。

「怪獣でござるか…」

スカ爺はつぶやく。

無論斜陽街に怪獣なんてものは出てきていない。

シャンジャーにその旨も入れて、メッセージに送る。

スカ爺は思う。

なにやら怪獣に関わりそうな予感。

漠然とした予感だ。

ゆっくり杖で八卦池をかき回して、

怪獣に関する情報を集める。

当然本物の怪獣なんかは引っかからない。

みんな空想上の怪獣だ。

テレビや映画で活躍する怪獣、

神話に出てくる怪獣。

終わりの獣という言葉がどこかからやってきた。

スカ爺はその情報たちをまた、散らす。


予感はある。

けれど確たる物は何もなかった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ