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06-51 徒労

これは斜陽街から扉一つ分向こうの世界の物語。

どこかの扉の向こうの世界の物語。


タケダはコンビニに戻ってくると、

店の奥の電話で電話をしまくった。

電話帳を頼りに、どうにかしてくれそうなところへ。

相手にしてくれないのが、ほとんどだった。

それでもタケダは電話をかけた。

どうにかなると信じて。


やがて、タケダは頼りになりそうなところをかけつくす。

もう、電話帳には当てになりそうなところはない。

タケダはため息をついた。

タケダの知らないところで、

動き出している人がいるかもしれない。

それを信じられるほど、タケダは多分おめでたくない。

どうにかしないと。

でも、タケダの中で声がする。

「どうせ徒労だろ」と。

タケダは頭を振る。

終わらせてたまるものか。

タケダは再び頭を振る。

怪獣の卵が地下にあるのなら、

穴を掘れば行き着くかもしれない。

やるべきことをやりつくしてこそ。

タケダは思い立つと、コンビニの裏の草むらに、

スコップを持ってやってきた。

「やってやるさ」

タケダは誰にともなくつぶやく。

タケダは穴を掘り出す。


「あー、バイトさんに店任せたと思ったらー」

タケダの知っている声がかかる。

タケダは泥だらけの顔を上げる。

女子高生のハナがいた。

弟も一緒だ。

「何か植えるの?」

ハナは何も知らずに問いかける。

「怪獣の卵が地下にあるんだ。それで地震が起きているんだ」

タケダは説明しようとする。

「怪獣の卵が孵ってしまうと、ここは壊滅してしまうんだ」

タケダの支離滅裂な説明を、

ハナはまじめに聞いている。

そして、答える。

「それじゃあさ、噂の街に行ってみるといいかも」

「噂の?」

「うん、学校では噂」

ハナは斜陽街という街の話をする。

扉をくぐるといけるらしい。

どの扉かも噂になっているが、

誰も行ったと言うことを聞かない。

噂の街だ。

「不思議な街らしいよ」

「不思議な?」

「そこに行けば、卵のこともどうにかしてくれるかも」

「そうか、そうか…」

徒労に終わりそうだったタケダに、新たな活路。

斜陽街、噂にでもすがりたかった。

「ダケダ、いく?」

小さなハナの弟がたずねる。

「うん、行ってみるよ」

「扉を忘れないで。そうしないと帰れなくなるらしいから」

「わかった。扉だね」

タケダはハナの言葉を胸に刻み、

噂の扉に向けて出発した。

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