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06-52 停戦

これは斜陽街から扉一つ分向こうの世界の物語。

どこかの扉の向こうの世界の物語。


怪獣が遊園地にやってくる。

終わりの獣の母で、卵を守りに来たという。

ワタルは、にわかには信じられなかったが、

やってくる怪獣を見て、嘘ではないと知った。

「ひゃっほー!」

ヒビキが能力を解放して走る。

炎の塊だ。

ヒビキとしては、微妙な調整のいる対人相手より、

思いっきり能力をぶつけられる、

怪獣相手のほうがいいのかもしれない。

…あくまでワタルの推測だ。

ワタルは地面に能力で、氷の板を放つ。

乗り込み、スケボーの要領でスピードを上げてヒビキに追いつく。

「カタナは?」

「いるぜ、すごいスピードでかけてった」

カタナの姿が小さく見える。

ずいぶん怪獣の近くにいるらしい。

怪獣が大きいせいかもしれない。

「乗れ、とにかく近づく」

「おうよ」

ワタルはヒビキを氷の板に乗せると、

さらにスピードを上げて怪獣に近づいた。


怪獣はだんだん大きく見えてくる。

そして、がらがらごわぁっと轟音がする。

遊具を壊しているらしい。

カタナが自身の刀を振る。

傷一つつかない。

また振るう、はじかれる。

「おいカタナ、大丈夫か」

近くまでやってきたヒビキがたずねる。

氷の板からひょいと飛び降り、

怪獣の踏み付けからも逃げながらだ。

ワタルも氷の板を乗り捨てる。

思ったより怪獣は手ごわそうだ。

「苦戦してるじゃないか」

ワタルが皮肉っぽく言ってみる。

「苦戦?」

カタナが問い返す。

「傷一つつけられないんじゃ大変だろう」

「そうでもない」

ワタルはぞっとする。

何か、カタナは隠し持っていた。

それにいまさら思い当たった。


「ふんっ!」

カタナは思いっきり、自分の刀を怪獣に向けて振り下ろす。

ぴーん。

弦をはじくような音。

澄んだその音とともに、カタナの刀が色彩を変える。

鉄色の刀から、輝く刀へと。

「これほど強くないと目覚めないか」

カタナはつぶやく。

「目覚め?」

ワタルが問い返す。

ぞくぞくするその輝きが、本当のカタナの刀なのだろうか。

「久しぶりに覚醒させた。獲物をしとめるまで眠らないぞ」

「停戦してあるんだ、俺たちは斬るなよ」

「約束は守る」

「頼む」

ワタルは正直停戦をしてよかったと心の中で思っている。

この刀は、怖い。

「参るぞ!」

「おうよカタナ!」

カタナが飛び出す。

ヒビキがワタルが続いた。

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