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村へ行くなら地下迷路をどうぞ  作者: 月 影丸
第1.5章 新しい風が吹く頃
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SS.1-2 到着

俺たちが村役場に案内されると、そこには重苦しい空気が流れていた。

入り口でソフィーが役場の人間から耳打ちをされた。その瞬間、彼女の表情は固まりひどく青ざめた。

『何かあったのか』

『いえ、今回の件には直接は関係ありません。身内が、やらかしたようでして。私にも何が何だか、、』

『ソフィーさん、顔色が良くありません。医務室へ行きますか?』

カイが声をかけた。それにソフィーは頭を横に振った。

『いいえ。カイさんには後でお教えいたしますわ。とりあえず、国王陛下を応接室へお連れします。カイさんは村長を』

『わかりました。では陛下、一度失礼いたします』

カイはそう言うと早足で別方向へ歩いていった。

『ソフィー、一体何が?』

ソフィーとはかれこれ8年の付き合いだったが、こんなに顔色が悪いのは初めてであった。

『兄が、客人と村人に怪我を負わせて逃走したと。あの穏やかな彼に一体何が』

『そなたの兄ということはロドルフの息子のシュタイナーだな。あやつは確かに穏やかな青年だったが、、』

シュタイナーとももちろん面識はあった。彼とは6年ほどの付き合いだったが、穏やかで優しい青年だったのを覚えていた。


『しかも、その村人は私の大切な人で。今診療所にいるそうでして』

『それはそなたも心配であろう。早く向ってあげなさい』

あのソフィーが大切だといっているのだから、よほどの人らしい。


『いえ、仕事ですから。それに、私よりもアベル様のほうがそばに居たいはずですわ』

『は?、、、アベルにそんな趣味が?私の知らない間に、、まぁ、確かに女っ気はなかったが、、』

俺は青ざめた。

まさか、孫が男色になっているとは。


『あ、陛下。誤解なさらないでくださいませ。その子は女の子ですわ』

『そ、そうであったか』

俺は心底ホッとした。

『白い天使ですの。銀髪の麗しい少女ですわ』

『銀髪の。それは私も一目会ってみたいものだな』

アベルが気に入っているということもそうだが、銀髪というところに興味があった。


もしかしたら、例の彼女の生まれ変わりかもしれない。


そんなことを思っていると、応接室に到着した。

『では、お茶を入れてまいりますので、しばしお待ちを』


そういうとソフィーは部屋をあとにした。

部屋には俺と従者のスティーブだけが残った。他のものは別室で休ませてもらうことになった。


『ガリオン様。先程の銀髪の少女は、もしかして』

『そうかもしれない。だとしたら、アベルにはなんとしても頑張ってもらわねば。イズールの繁栄のためにもな』

俺は少し見えた希望に顔を綻ばせた。



その希望はあと数時間のうちに消え去るのだが、このときの俺はそのことを知らなかった。



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