小話5 ツェテ推し金髪少女の独白
3人のクラスメートの独白です。そのうち本編でも登場する子です。
今日もケリーは格好いい。
今日もライナは麗しい。
今日もティオは可愛い。
私の一番の"推し"はケリーである。
黒の交じる艷やかな金髪、スラリとした背丈、キリッとした格好良くも美しくもある顔。最近は何か悩み事でもあるのか、少し影のある灰色の瞳もまた、ケリーの魅力をさらなるものとしていた。
私はケリーの横顔を盗み見てはため息をついた。
もちろん、美しいものを見たときに出る感嘆のそれである。
私、アデリナ・ホルテンズィーはケリー・シルフの、そしてライナとティオの大ファンである中等部2年生である。
実はケリーのファンクラブの会長であり、"CLT"や"CT推し"なる単語の造語主でもある。その単語たちは今では初等部や高等部にも広がりを見せている。
ん?ツェルテとは何か?
決まっているでしょう?ケリー・ライナ・ティオの頭文字をとったものよ。
3人の恋模様を外から見るのが何よりも私の楽しみである。
え?ライナに嫉妬しないのかって?
するわけないじゃない。何年友達やってると思ってるの。そんな質問するなんて、まだまだね。彼らのことを何もわかっていない証拠だわ。
中にはライナを目の敵にしてたり、ティオを羨望の眼差しで睨みつけるやつがいたりするけれど、私はそんな低俗なことはしない。
美しいものを愛で、感嘆の溜息をつき、同じ空気を吸う。
こんなに素敵な環境にいながら、嫉妬だの羨望だのといった負のオーラで乱すなどもってのほか。私そこまで阿呆じゃないわ。
だから私は、この環境を少しでも長く味わいたくて行動を起こすの。
どうやら彼女もそうするみたいだし。
いい?その他に理由なんてないの。
ほんとよ?べ、別にアイツもそうするからってのは関係ないのよ。
関係ないんだからね。




