久しぶりの日記
だいたい10ヶ月ぶりに日記を書いた
ほんとある日とつぜんヤル気を失うってやつ
で、ある日とつぜんヤル気が出たから書いたんだよね
この10ヶ月くらいでやった事は、近くの村を滅ぼしたくらいだ。
なろう小説とかなら、なんかもっと劇的な成果をあげてるだろうと思われるが、残念ながらリアル(夢オチ)なんでね。
いや、麻痺薬が完成したら盗賊村の村人を拉致って全員をダンジョン内で屠殺!ポイントうはうは!なんてやった当時は調子に乗ったものだ。
しかし調子に乗ったまま、どうせバレやしないともうひとつの開拓村っぽいとこも滅ぼしたら、その1ヶ月後に調査隊みたいなのが来た。
というか後で調べたら普通に国の調査隊だった。分かったのは森のネズミだけでなく、町に飛ばしたカラス夫婦のおかげである。
そう、すっかり頭から抜け落ちていたが、この国は新ダンジョンができたら国が率先してサーチアンドデストロイをするのが基本だった。小さなうちにプチプチ潰して、無理なほど育っていたら諦めて管理する。
だから俺の現状では国こそが天敵なのに、スローライフ生活で油断して、うっかり行政の管理下にある村まで手を出してしまったのだ。
まあ、そうでなくとも盗賊村みたいな不法占拠された元廃村じゃなくて、普通にあると思っていた村から人が消え失せていれば調査隊くらい来るのが普通だ。何が原因であれ村が減れば上の税収に影響するし。
で、ネズミ越しに観察した調査隊は、やはり村の近くにあるこの森にダンジョンが有ると睨んだようだ。正解。
人拐いにしても老若男女の村人全員がって考えると、人間が主犯じゃ利益が微妙。だが発生したばかりの新ダンジョンが「人を食らう(つまりダンジョン内で人を殺したがる)」のは良く見られる現象であるため、ダンジョンの存在を疑っているとのこと。正解。
そして俺は調査隊の追及を何とか逃れて、今こうして生きているわけ。
まあ実力じゃなくて、先輩方の知恵とタイミングの良さのおかげだけどね。
まず調査隊が来たと分かってから、直ぐに先輩方に連絡してみた。そしたらグルチャに誘われて見知らぬ先輩方に詳しい事情を要求された結果、「良く早期発見した偉い」「まだ助かる」「ヘルクスタでダンジョンやるのは地味に大変だが頑張れ」「まずダンジョンの入り口を隠匿しろ」とコメントが。
隠匿なら今もやっている「メスゴブリンが使ってる天然の洞窟(偽装)と、その奥にあるウサギサイズの穴で繋がったダンジョン」で良いのだろうか、と聞けばひとまず大丈夫だったようで安心した。
で、それじゃ足りない部分はどうしたかと言うと、アドバイスをもらいつつ様々な工作をした。
まずダンジョンカスタマイズされてる事が明白なメスゴブリンをウサギ穴の奥のエリアに隠す。そして空いた手前のエリアには野犬っぽいモンスター(現地生物と交雑が進んでるウルフ系)を捕まえてきて住まわせる。捕獲はカスタムで動物や野性モンスターの誘惑に特化させたフェアリーを使用。
調査隊がまだ村の周りしか調べていないうちに済ませて、しばらく野犬モンスター共に暮らさせることで、完全に塞げない洞窟の生活感を塗り替えるのだ。
次にカスタムフェアリーを使って森の各地で暮らしていた野生ゴブリンを集める。そして繁殖に特化したゴブリンクイーン(珍しい上位種)を作ってその配下にし、ダンジョンと村の間に拠点を作らせる。
ゴブリンクイーンは課金ならぬ課ポイントで交雑スキルやその他のスキルをわざわざつけて、野生ゴブリンと繁殖したらウチのアサシンゴブリンが持つようなスキルをランダムに持った子を産めるようにする。
同時に樹木系のモンスターで地力を枯渇させるのが得意なトレント亜種をチョイスして製造。果樹系のツル植物タイプで作り、その果実でゴブリンの繁殖を手伝わせる。
以上の対策で、やがて森に深入りした調査隊が「人が拐われたのはダンジョンではなく、人拐いに有利なスキルを持つゴブリンが上位種のせいで繁殖していたせい」と判断できるように誘導するのだ。ただダンジョンが隠れるだけじゃなく、生け贄を用意するようなもの。
そして上位種により増えるゴブリンは、それだけで人間にとって早急に対処すべき問題になる。しかも地力を枯渇させるタイプのトレントがおまけについているのだからたまらない。
どちらも強くないとは言え、繁殖して人里まで出てしまえば人も土地も破壊するのだから、人間からすれば「早急に解決すべき問題」になる。って先輩が言ってた。
つまり有るのか分からないダンジョンの捜索までリソースを割けなくしてやるのが目的。
以上が俺のやったこと。村人で稼いだポイントの3割で助かるなら安いもの。
あとは調査隊やゴブリン討伐隊が帰るまで絶対にダンジョン活動をしないのが大切という忠告をもらい、大人しくすることを決意。
そうして始めた隠匿生活だが、開始から二週間くらいで先輩(だが交流はない)ダンジョンである『眠れる熱帯林』が不定期に引き起こす「迷宮氾濫」が発生したことで凄い助けられた。
超ラッキー。
簡潔に言えば人間側は、ダンジョンから大量の動植物(魔物)が吐き出されるため、それの対処が必要になったのである。
ゴブリンとトレントを退治しに来た討伐隊が、森の奥にあるウチのダンジョンまで来ないか、そしてダンジョンに気付かないか、が唯一の懸念だった計画だが、この氾濫により討伐隊はゴブリンとトレントを片付けたらソッコーで帰って行った。
やったぜ。
おかげで俺は助かったわけだ。しばらくは野生生物だけでポイント稼ぎする必要はできたけどな。
先輩方にはめちゃくちゃお礼したし、『眠れる熱帯林』にはサイト経由でお礼メールを送った。やっぱりテンプレ返信が来た。
■眠れる熱帯林の生物氾濫について。
現地民からは「迷宮氾濫(他の迷宮でも起きる)」、他のダンマスからはバイオハザードと呼ばれているこのイベントは、どうやら『眠れる熱帯林』が周辺の生物を交雑で汚染するためにやっているらしい。迷宮都市で囲まれたダンジョンを外側に拡大しない代わりに、内側の空間を拡大して多様化した動植物(魔物)を蓄積し、一気に吐き出して迷宮都市の外側にまで広めるのが目的、と言われている。
まあ、ここのダンマスさんガチ引きこもり没交渉タイプだから、他のダンマスが解説してるだけだが。
この迷宮氾濫がダンマス側からバイオハザードと呼ばれているのは、吐き出す生物の中にはどう見ても人間に有用な動植物(ほぼ無害化された魔物)が混ざっているのが理由だ。つまり人間に有用→利用するために広められて、栽培や繁殖される→交雑できるのも相まって、魔界由来生物により世界が支えられる生物リソースを圧迫できる立派な侵略…だからバイオハザード、とのこと。
この手の汚染系侵略は敵神の世界に対する影響力が下がり、神託による詳細な情報提供が困難になった200年くらい前から各地で繰り返されているそうだ。いくら魔界由来生物でもただ有るだけならば、過去に設定された「人間への有害判定で処理する魔法・加護」に引っ掛からないし、現地生物と交雑すれば今後も引っ掛かる可能性を抑えられるんだとさ。
まあ敵神由来の知的生命体の根絶が最終目標だから直接の影響は無いけど、敵神の影響力を削いで魔神の影響力を上げるという意味ではかなり有効な戦略やね。




