アヴァール・アワリティの追憶
漸く予定してた所です‼︎
指が、指が動くぞおおおお‼︎‼︎
sideレイア
「かぁぁああ‼︎くっそレイア!てめえ強すぎんだろ‼︎」
「修行の成果と言う奴だダリウス」
俺とダリウスは次の試合、アヴァールと神聖国の試合を見るために客席にいた。
「どんな修行をしたのやら・・・・それでレイア、お仲間のアヴァールってのは強いのか?」
「あぁ、戦うところはあまり見たことないが、強いぞ。
何と言ってもここに来れるくらいだからな」
「まあ、それもそうか」
1回戦でなに言ってんだって思うかもしれんが、そもそもここに来るのに学院側の選考をクリアしなければいけない。
ここにいる時点で強者だ。
「でもよぉ、そいつ魔法使いなんだろ?大丈夫なのか?」
「・・・・接近戦ならすぐ負けるだろうな。多分、ステータス抜きの技術面ならゴブリンクラスじゃないのか?
俺のデコピンで悶絶しそうな貧弱さだ」
「おいおいおいおい、大丈夫なのかそれ?」
「大丈夫だ。アヴァールの事だからな・・・・」
そもそも接近戦させてくれないだろうよ
sideアヴァール
・・・・私は今、会場の入り口辺りにいる。これから1回目の戦いだ。
魔力は回復出来るから大丈夫らしいから全体のペース配分は気にしないでいいんだけど、やっぱり・・・・
「緊張、する、わ」
レイアは無事1試合目を勝ち抜いていた。
どうやら最初からやらかしたみたいだけど、レイアは戦いになるとなんか変わっちゃうな。
なんだか、はしゃいでいる子供みたいな感じ。
でも、その姿を見ていると・・・・
「ん・・・・可愛い、支えた、く、なる」
そんな風に考えている私はだいぶ手遅れだと思う。
これじゃあまるで物語に出てくる乙女の様だ。
でも仕方ない、私はそれくらいレイアの事が・・・・
「アヴァール・アワリティさん、お時間です」
「ん・・・・わかった、わ」
私は思考を中断し、入り口からステージへ向かう。
『さあ、1試合目から空気が出来上がっておりますこの会場‼︎
このままバンバンいきましょう‼︎
第2試合目、方や王国代表アヴァール・アワリティ選手‼︎
種族エルフの魔法使いタイプ!普通のエルフ以上に、その魔法は強く、速く!本人の冷静な判断から敵を的確に攻撃します‼︎』
ん・・・ちょっと、恥ずかしい。
私の紹介が終わると、反対側からもう1人、つまり対戦相手が現れる
『そしてこちらもまた種族エルフの魔法使いタイプ!彼女から放たれる魔法の数と早さは最早神業!』
私とは反対側から彼女は現れた。
『なんと彼女の魔法は秒間50発!しかし魔法使いとしては致命的なことに魔法はたった1属性!固有スキル無し!』
金色の髪に蒼く鋭い瞳、背はやや高めでエルフらしい絶壁の胸、
『つまり今回は魔法対魔法‼︎力対速さ‼︎
前衛にも中衛にも、勿論後衛共通する異なる強さが今、これから、ぶつかることになります‼︎』
そして顔は憎悪、怒り、軽蔑に満ちている。
『神聖国代表ヴェラーネ・ヴェルチ選手です‼︎』
「・・・・久しぶりね、アヴァール」
「・・・・・・・・・・・ヴェラ」
私の、幼馴染・・・・初めての、友達にして親友。
『それでは始めましょう!闘技大会第2試合、開始‼︎』
試合が開始した。でも、私達はどちらも動かない。
向こうがどうかは知らないけど、少なくとも私は動かないのでは無く、動けない。
あまりの衝撃に、私の思考は停止しかかっている。
「アヴァール、漸く見つけたわよ。
森を出てずっと、ずっとずっとずっとずっと探していた」
「ヴェラ・・・・」
これが物語なら、感動の再会になってるのだと思う。けど、ここは現実。
「8年前の落とし前、私の復讐、果たさせてもらうわよ‼︎‼︎」
「・・・・・」
とってもとっても残酷な、現実なのだ・・・・
ー10年前ー
10年前、私は孤児だった。
母親は自分を産んだ時に死に、5年間育ててくれた父親は私を旅人のエルフに押し付けた後失踪した。
旅人は出発してすぐに病で倒れて死んだ。
私はずっと、孤独だった・・・・
旅人が死んだのは生まれ故郷のエルフの森の側だった。
だから私は、森に帰った。
そこならば、かつての家があるからと、顔も知らぬ母の墓があるからと、失踪した父の帰ってくる家があるからと。
私が帰ったかつて家があった場所は、畑になっていた。
「・・・・ちょうろうさま、わたしの、おとうさんとおかあさんのいえは、どうしてないの?」
「アヴァール、お前の家はもうここには無い。
生まれると同時に母親の命を奪い、父親を消し去ったお前の家など、この森の、この村の『呪い』でしかないのだよ。
お前は、この村の負の遺産だ。
そんなものをこの村に置くわけにはいかん。
森から出て行けとは言わん。二度と、この村に入るな!」
私の存在は、否定された。
行く場所も無い私は、そのまま村の外で生活を送った。
食事はたまに落ちてる腐った木の実と捨てられた雑草。
ベッドや着替えなど当然無く、大きな樹の根の間で寝たし、服はそのまま。
服と体は最初は近くの川で洗っていたけど、「お前が触ると呪いが移る」と言って、立ち入りを禁止された。
幸い村の側だったから魔物や獣はいなかったけど、当時5歳の私にはそんな事知るすべも無く、夜は恐怖に怯えていた。
村の中には入れず、物心ついた時には働いていた私には友すらいなかった。
1ヶ月後、私の体は弱り、髪はパサパサ、全身垢まみれ、服はボロボロ、心が病み、目が死んでいた。
そんな生活を送っていると、ある時女の子を見かけた。
出生率の低いエルフの、こんな辺境の村では珍しい。
彼女は可愛く、綺麗な服を着て、美味しそうなお菓子を食べていて、労働とは無縁そうな、愛されていそうな子だった。
何日かすると、彼女は偶然私の寝床を見つけて、汚い私に話しかけてくれた。
「わたしはヴェラーネ。ヴェラーネ・ヴェルチ。あなたはここでなにしてるの?」
「・・・・わたしは、アヴァール・アワリティ。ここは、わたしのいえよ」
これが、私の、初めての友との、親友との、出会いだった。
あと1回分過去編が続きます。




