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黒銀の魔眼剣士  作者: 神名一葉
第1章:学院2年生
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楽しい(?)夏休みの過ごし方

sideレイア


「た、ただいま~」


「あ、お帰りなさいませレイア様」


俺が家に帰るとまず会ったのはシャルだった。

良かった、最初に会ったのが母様やソフィだったら帰って早々何か言われる所だった。


「シャル、父様と母様、ソフィはどうしてる?」


「はい、マルテ様は会議で不在です。シーナ様とソフィーナ様はソフィーナ様のお部屋で悪巧みなされています。

対象はレイア様だそうですよ。この後が楽しみですね♪」


「うへぇ・・・」


母様とソフィが悪巧みをする時は大抵とんでもない事になる。

下手したらイリス様の悪戯以上に面倒かもしれない。主に精神的に


そのままシャルと別れてこっそりと家に入る。

問題なのはソフィの部屋と俺の部屋が隣である事だろうか。ドアを開ける時にどうしても音がしてしまう。


「いや、大丈夫だ。きっとなんとかなる」


俺はこっそりと、足音を立てず、気配も消して自分の部屋の前まで移動する。

幸い母様とソフィは部屋で話し込んでてこっちに気付いてない。これなら多少音を立ててもなんとかなる筈だ。

俺はそおっとドアを開ける


ーギイィィィ


「ーっ!!(や、やった、この程度の音なら気づかれない!!)」


俺はそのままドアと壁の隙間から入り込もうとした次の瞬間


「あらあらあら~、レイアくん、お帰りなさ~い」


満面の笑みの母様と


「ふふふふふ、お兄様、お帰りなさい。ちょっとこちらに来て頂きますよ。ちなみに拒否権はありませんから」


目が死んでいるものの顔は笑顔な、なにか巨大な龍の厳格を背後に見せる愛する妹がいた。

何故気付かれた、階段を上るときも、廊下を歩くときも音も気配も出さなかった筈だ。


「ふふふふ、お兄様、不思議そうな顔してますね。何故私たちがお兄様に気付いたのか、説明して差し上げます。

確かにお兄様の隠密は完璧でした。それこそ【暗殺術】のスキルを取得出来そうな位。

ですが私たちは家の門を潜ったお兄様を目にして居たのです。なのでお母様とお話ししながらドアの側で待っていたのですよ」


そもそも隠れても意味は無かった様だ。

こうなったらもうソフィ達の『頼み事』を聞く以外にない。何よりソフィから感じる威圧がヤバイ。

ソフィに【威圧】のスキルは無かった筈なのに・・・


「・・・・それで、俺はどうすれば良いんですか?」


「ええ、何時も通りお買い物といきましょうね〜」


「いえお母様、その前にお兄様にお聞きしたいことがあります。昨晩と一昨日の夜の事です」


「ああ‼︎それを聞いてなかったわね」


・・・要するに泊まりの理由が聞きたいのか


「一昨日の夜はアーケティア副団長と食事をしました。イリス様とアリシアも同席でした」


「ああ、じゃあ無いわね。良かったわねソフィ」


「・・・・・まだ安心は出来ません」


なにがだよ


「先日の夜は昼に知り合った帝国の皇子と決闘をしたり酒を飲んだりしてる内に夜になりました。

エンドルフ様の頼みでしたので」


「あらあら、結局何も無かったのね〜」


「そうですか。それは何よりです」


ソフィの威圧が消えた。ほんとに何だったんださっきまでの威圧は


「では、俺はこれで」


ドサクサに紛れて部屋へ逃げ込もうとするが・・・


「あらレイア、お母さんのお買い物に付き合ってくれないのかしら?」


母様が目が笑ってない笑顔を向けられた為退散できなかった。


「お兄様、私とは明日お願いしますね」


・・・・何時になったら俺の休みは訪れるんだ?

何はともあれ今から母様と買い物か、その内疲労でHPが減るんじゃないのか?






1日目


「さ、行くわよレイア」


「・・・・いつも思うんだけど、公爵夫人が護衛もろくに付けないで買い物して良いの?」


本当に今更な質問だ。


「大丈夫よ、レイアが居るじゃない」


「え、俺が護衛なの?」


「ええ、だからいつも剣を持たせてるでしょ?今回は聖剣だけど」


威力上がってるじゃん。あと、俺も一応公爵家長男、次期当主なんだけど?


「ほらほら、そんな事より買い物買い物♪今回は色々見るわよ~。お母さんの期待を裏切った代償は大きいんだから!!」


自分で代償って言っちゃってるじゃんか。荷物持つににしてもアイテムウィンドウがあるんだから必要ないと思うし。


そんな俺の思いとは裏腹に母様はもう買う気満々、と言うか既に露店に一直線。

・・・ってちょっ


「護衛として連れてきたのに護衛から離れないでよ‼︎」


これが苦労する要因だ。

幸い母様は武人ではないから見失っても簡単に気配なり魔力なりで見つけられる。

だがそれは逆に、早く見つけなければ人攫いにあったりするという事だ。


「ほらレイア‼︎次はあそこ‼︎あの服屋に行くわよ‼︎」


「ちょっ、引っ張らないで‼︎そもそも走っていく意味はあるわけ⁉︎」


「歩いてたら走るより時間がかかっちゃうじゃない‼︎

そんな勿体無いこと出来ないわ‼︎それに体力だって品物を見てる内に戻るわよ」


結局俺は引っ張られていった。ただ走るなら兎も角、人混みをとてつもない速度で、

尚且つ人に一切当たらない様に行くなんて基本学院生活で人混みに慣れない俺じゃあ無理だ。

なのに走らされる。だから疲れる。訓練よりも疲れるから問題なんだ。主に精神的に。


「レイアレイア‼︎この洋服なんてどうかしら?」


「あんなに洋服があるのにまだ買うの⁉︎」


母様は部屋が一つ埋まる位には洋服を持っている。事実、クローゼットとは別に一つ部屋が犠牲になった。


「あら、あの部屋の洋服の半分はソフィの物よ。

それに貴方達のパーティー用の服だってあそこにあるもの、そう考えればそんなに多くないわ」


いや、それでも部屋の1/3は多いと思う。

でもまぁ


「ゴブリンロードみたいな変なのも居ないし、これはこれで平和だから良いか」


こう言うのもたまには良いかなと思う。





「母様‼︎何処行ったんですか!⁉︎」

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