↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
裏切られた元聖女は、天才王子と魔獣共存計画を始めます!  作者: 青空一夏


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
10/24

10

「なんの音……?」


 エリーゼは音のする方へ駆け出した。木々の隙間から様子をうかがうと、開けた場所で三人の人影が巨大な魔獣と対峙していた。翼を広げれば荷馬車ほどもある巨体。

 鋭い鉤爪とくちばしを持つ、大(わし)型の魔獣――グレートイーグルだ。


 グレートイーグルは三人の頭上を旋回しながら、何度も威嚇するような鳴き声を上げている。

 二人の騎士は剣を抜いていたものの、攻撃する様子はない。中央にいる白衣姿の男を庇うように立ち、グレートイーグルが急降下してくるたびに、その進路を阻んでいた。

 男は薄くて四角いものを手にしている。そこから何やら規則的な音が響いていた。グレートイーグルを見上げながら、何度も手元のそれに触れている。医師か研究者のように見えた。しかし男の銀髪に気づいた瞬間、エリーゼは平民ではないと悟る。


 この世界では、平民の多くは茶色の髪と瞳を持ち、金髪や銀髪といった色は貴族に多い。水色の髪にアクアマリンの瞳を持つエリーゼのように、さらに珍しい色となれば、ごく限られた家系にしか現れなかった。


「こんなところに貴族がいる……? まさかフランシス殿下が送りこんできた追っ手? そんなわけないわよね」


 それ以上考えている暇はなかった。

 グレートイーグルが鋭い爪を広げ、白衣の男へ向かって一直線に急降下したからだ。


「危ない!」


 エリーゼは反射的に両手を前へ。


「浄化! ――ピュリファイ」


 白い光が一直線に伸びていき、グレートイーグルに放たれる。荒れ狂っていた魔力がゆっくりと静まり始めた。赤く濁っていた瞳から険しさが薄れ、激しく羽ばたいていた翼の動きも次第に穏やかになっていった。

 魔獣は鳴きながら空中で旋回し、ちょうど白衣の男とエリーゼの前に着地した。


 さらに浄化を続けようとしたその時、光が弱まり魔力が途切れてしまう。スノウの時と同じで中途半端で力尽きてしまい、どうしたものかと戸惑っていると、グレートイーグルは先ほどまでとは別の生き物のようにおとなしくなっていた。警戒するように周囲を見回すだけで、もう襲いかかってくる様子はない。


 エリーゼは思わず目を瞬かせた。ポワブール王国では、浄化によって攻撃性が弱まった魔獣は、すぐさま魔獣討伐騎士団によって始末されていた。

 そのため、浄化を途中で止めた魔獣が、その後どうなるのかをじっくり観察したことなどない。こうして穏やかになった姿を見るのは、スノウに続いて二度目だった。

 

 白衣の男はエリーゼに駆け寄り、賞賛の声を上げる。

 銀髪は木漏れ日を受けてきらきらと輝き、琥珀色の瞳は悪戯っぽく細められている。その整った顔立ちは、思わず見惚れてしまうほど美しい。


(なんて綺麗な人なの……)


「素晴らしいよ! ブラボー! 魔獣の攻撃性だけを鎮める浄化魔法なんて、素敵すぎる。俺はグレンヴィル。ところで、光魔法が使える君は……聖女様だよね?……森の向こうはポワブール王国だから、そこの聖女様? なぜ一人でこんな魔の森にいるのさ? ま、そんなことはいいか……ところで、こうして会えたのも運命だよね? 俺と一緒に夢の世界に行かない?」


「……はい?」



❀┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈❀

ここまでお読みくださり、ありがとうございます!

物語はまだまだ続きますので、これからもお付き合いいただけましたら幸いです。

☆のポイントで応援するや作品のフォロー、顔文字での感想などをいただけると、とても励みになります!

「続きも読んでみようかな」と思っていただけましたら、ぽちっとしていただけると嬉しいです(#^.^#)

これからもどうぞよろしくお願いいたします!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。