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第五十五話 ガリアント平原の戦い ③

こんばんわ、まず最初にお休みをいただいて申し訳ありません。正直まだ万全の体調ではありませんが、習慣といいますか気になりあとコメント、メールをくださった方のを見て書く活力が再びわいてきました。

ですので明日から再開しようと思っていたのですが今日から再開しようと思います。

これからもどうかよろしくお願いいたします。

では本編をお楽しみください。

 ついに戦端が開かれたガリアント平原での戦い。

 

 兵数はリューネリス二万 王国兵約一万八千。


 ここでは現在一瞬にして命の灯火が何十となくなっている現状だ。


 「おらぁ!死ねや!」「いつも偉ぶりやがって、全員皆殺しにしてやるぜぇ!」


 「全員奮戦するんだ!この戦い敗れれば戦火が王都にも広がる!死力を尽くせ!」「絶対に負けないぞ!正義はこちらにあり!」


 それぞれの陣営から様々な怒声が聞こえてくる。ある兵士は気合を入れるため、ある兵士は恨みを伴って、そしてある兵士は恐怖を払拭するために。


 そんな様子を盛り上がった地面の上から見ていたライ。中央、右翼、左翼が戦闘を開始したのを見届けて指示を出す。


 「弓兵隊全員敵後方に向けて一斉掃射を開始するんだ!」


 指示を聞いた弓兵隊はすぐさま指示を遂行するために弓を放ち始めた。前線に攻撃という指示を出すと見方に誤射してしまう可能性がある。なのでできるだけ後ろに撃つ様に指示したのだ。


 「軍師様!中央前線に敵重歩兵が接近してきました!」


 伝令から指示を聞いて中央に落ちた岩の付近を見てみるとそこには確かに全身を鎧に身を包み、ゆっくりだが確実に前に進んでいる敵兵が着ている。数は約三百ほどかとも見れるが槍や剣で重歩兵を相手にしても硬い鎧に阻まれてその間に、敵の矢や槍などにやられていくのが目に見えていた。


 さらに


 「軍師様!左翼の山賊と思われる兵たちに苦戦しております!前線から応援要請です!」


 「右翼でもこちらは海賊と思われる旗を持った一団が襲い掛かってきております!」


 次々に報告が上がってくる。


 一応ここからすべてを見渡せているとしても、細々とした詳細は分からない。だからランが率いる隠密隊に逐一報告をさせているのだ。各部隊に一人ではなく二人を配置したのは一人が報告に言っている間に、事態が急変した場合すぐに呼べるようにしたのである。


 しかも隠密隊に選ばれた兵隊達の条件は侵入に長けた者の他に魔法道具で風を操り移動が早いものを選んだ。ライやリエルなどが持っている武具に比べて威力や効果は低い。しかしその分市場には出回っている。だから王国兵に持っているものを集めて組織したのだ。


 だから報告に来た兵士に頷くと伝令兵は何かを意識したとたんすぐに本陣を離れ自分の配置に戻っていった。速さはおそらく普通の男性が全力疾走する約二倍の早さがあるかもしれない。


 報告を聞いたライはすぐに指示を出す。


 「左翼の部隊にはすぐに予備兵を送るからそれで対応するように伝えてくれ。あと中央部隊に後退を指示。後退場所は右翼と同じ位置まで、その後左翼も後退をするように中央部隊を目安にするように。右翼には土弓隊へ後方に予定通り援護射撃を開始するようにいってくれ」


 土弓隊は以前ローレンス伯爵と戦ったときに苦しめられた土でできた矢を使用する部隊だ。土でできた矢は軽いのによく飛び貫通力が優れているという魔法の矢。ライは陣地に到着した二日前から宝玉を使い量産していたのだ。もちろん、あまり無理をしない程度に。


 指示を矢継ぎ早にするとすぐさま伝令は走っていった。とあるものがもっと大量に手に入れられればもっとスムーズにいけると思うのだが無い物ねだりというものだろう。


 「ライ、中央部隊に重歩兵を進軍させないでいいの?」


 隣にいるティアがライに質問してくる。


 「ああ、重歩兵はもっと別のところに投入させる」


 「だけど最初は中央に配置させるはずだったでしょ?ライも事前に敵が中央を攻撃してくるといっていたはずだし」


 「そうだね、けど状況が変わったんだ。敵が予想外だったけど強力な魔法を使用してきたんだ。だから、こっちから水帝の魔法は使えない。相手も炎の魔法を水の魔法で防がれたんだから再び簡単に使ってくることはないだろうね」


 「それはそうだろうけど」


 「まあ見てて。それにティアにもこれから後の活躍してもらわないといけないんだからさ。リエルとの打ち合わせも済んでるんでしょ?」



 「うん、それはもちろん。今リエルには私の部隊を含めて待機してもらってるよ。でもライ、本当にたったあの数だけでうまく良くと思う?」


 「良くと思う。もしいかなくても俺が何とかするよ」


 安心させるようにティアに言うライ。しかし、ティアは微妙を顔をするのであった。何とかするという言葉にまた無茶をするという内容に見えてしまったからだ。


 とここで戦場に変化が訪れる。


 左翼と中央の部隊は指示通りに後退を始めたのだ。右翼だけが前線を維持し膠着している。


 「よし、なら中央、左翼はその場で戦線を維持するんだ!ティア、リエルに指示をお願い。ティアも予定通りに頼むよ」


 「まかせてよ!絶対に防いで見せるから!」


 そういって高い場所から飛び降りたティア。地面に着地するとすぐに後方に待機しているティアのほうへと向かっていった。


 「ラン」


 ティアがいなくなったのを確認するとライはランに呼びかける。いなかったらいないでいい。しかし、いたらと思い呼びかけてみたのだ。


 するとライの影から声がしてくる。


 「よく分かりましたね……それでどうしましたか?」


 予想通りいたようだ。


 「俺のことは良いからリエルのところにいってくれ」


 「え、ですがしかし」


 「多分リエルがいったんだろうがランはすぐにリエルの護衛に向かってくれ。いないと信じたいけど、前もスパイが陣内にいたんだ。この戦争はリエルに何かあったら負ける。だから護衛にいってほしい」


 ランはここで迷う。確かにライの言うことは正しい。しかし、それはライが死んだとしても同じだと思っていた。


 だけど、ランはライの指示にしたがうことにした。


 「わかりました。お気をつけて」


 そういった以降ランの声はなくなったのであった。


 「さてと、相手はどうでてくるかな」


 戦場を見渡しながらライは呟くのであった。



 ∇∇∇∇∇∇∇∇∇∇∇∇∇∇∇∇∇∇∇∇


 リューネリス軍side


 リューネリス軍本陣。


 ここではライ達と同じように次々と舞い込んでくる報告に指示を出すイウル伯爵の姿があった。


 「敵が弓を放ってきただと?それならばこちらも応戦するのだ!」


 「左翼に土で出来た弓が飛んできて前進できていないならば、左翼の海兵隊のビズに死ぬ気で突っ込めと指示しろ!現在右翼が突出して前線を『押し上げて』いるんだぞ!」


 「中央と右翼が下がっていったのか?ふん、どうやら重歩兵とエイブ達山賊がうまくやったようだな。よし!そのまま猛攻をかけろ!この気を逃すな!」


 イウルが次々に指示を出すとすぐさま伝令は走っていった。


 「ふむ、どうやら戦は順調にいっているようだな」


 このような時に後ろからイウルに声をかけてくる人物がいた。


  エッジ王子だ。


 「はい、敵はこちらの猛攻に思わず後退をし始めたようです」


 「それはいい!こうなれば敵の瓦解ももうすぐということか?」


 イウルは心の中で舌打ちする。始まったばかりでこの王子は何を言っているんだと。そう簡単にことが進めば苦労はしないと。


 思わず言ってしまいたい衝動を抑えつつイウルは進言する。


 「瓦解するにはまだ十分ではないかと。いくらこちらが兵数では勝っているとしても相手も万を超える部隊。しかも相手はあのライ・ジュリアールなのです。このまま何もおこらないということはありえないでしょう」


 「そうか、では全力を尽くしてくれ」


 イウルはこの瞬間殴りたい衝動を覚えたが何とか我慢した。本来イウルがこの王子に付いたのは口上でいったような訳ではなく、地位と名誉の獲得とライに勝利したいという思惑があったからだ。


 あとそれに加えエッジ王子は王都を落とした後エミルを捕縛したとき、自分の好きなようにしていいと約束してくれた。


 なのでエッジ王子に忠誠を誓うというよりは、良い取引相手という感情しかもっていない。


 でもここで敗れればすべてを失う。それだけは避けなければならない。

 

 イウル伯爵は頭を垂れて


 「承知しました」


 と返事を返し顔を上げるとすぐに近くにいた兵士に指示を出す。

 

 「後方に待機している騎兵に連絡を。出番がきたと。それから傭兵のガーク・レンズといったなそいつにも連絡をいれとくんだ。しっかりと働いてもらうとな!」


 指示を終えたイウルは正面を見据えならがら右手に持っている宝玉を握る。


 まさかあの魔法を防がれるとは思っていなかった。噂で強大な魔法を使うとは聞いていたが、噂は噂。たいしたことはないと思っていたのだ。しかし、どうやら違ったらしい。現に目の前で防がれたのだから。


 しかし、これはある意味好機でもある。

 

 相手がもしあの水の塊を飛ばしてきたとしてもこちらにも防ぐ術があるのだ。ならば簡単に魔法を使ってくることはない。


 こちらも使うことは出来ないがそれならば純粋な指揮勝負になる。イウルにとって望むところであった。


 「イウル軍師!騎兵部隊からの報告です!順次攻撃を開始するとのことです!」


 「傭兵部隊からは何か言ってきていないのか?」


 「ガーク隊長からは分かったとだけ。ただ一つ指示の変更を訴えてましたが」


 「なに?一体何をいってきたのだ?」


 「はぁそれが前線投入ではなく騎兵の後ろを詰めるように指示してほしいということでした」


 「ん?後ろだと?」


 騎兵の後ろから突っ込むということは騎兵が空けた穴を広げることを意味し、成功すれば有利にすることが出来るだろう。大規模線ならば戦線に穴を敵に作ることが出来ればそこから瓦解する可能性がある。


 しかしガークがいったことは自ら死地に飛び込むことになる。敵も前線が崩れることの危険性は知っているはず。ならば死に物狂いで襲ってくるだろう。そこを担当するというのだ。


 何かを考えて?と思ったがイウルは首を横に振る。何かしらの理由があったとしても自ら死地に飛び込んでくれるなら有難いではないか。それに傭兵がいくら死のうが補充は利く。ならば頷かない道理はない。


 「ガークに分かったと伝えろ。傭兵部隊には右翼を担当させる。あそこの敵兵は錬度が低いのか最初から押されていたようだからな。そこに騎兵が突っ込み後ろから傭兵に突っ込ませれば瓦解するだろう」



 「了解しました!ガーク隊長にそうのようにお伝えします!」


 伝令は指示を聞くと後方に下がっていった。


 後方に待機する傭兵部隊隊長ガーク・レンズ。


 体は大柄で筋肉もすごく外から見ればそれだけでどれだけ鍛えているのか分かるであろう。肌は色黒く、そのせいか古傷が所々目だっているがそれがより一層に傭兵であることを物語っている。


 ガークは背中にある愛用の大剣を握り取り出すと後ろに控える仲間に言う。通常時であればあまり喋らないガークだが戦になれば別だ。大声は隅々まで響き渡る。この戦自分の望まない戦だったとしても傭兵な限り戦うしかないのだ。


 「全員覚悟はいいか!ついに俺らの腕を見せるときがきた!相手は王国の精鋭だとしても恐れることはない!それは俺らがそれ以上の精鋭だからだ!違うか!」


 ガークが言うと傭兵達からは甲高い歓声があがる。

 

 「よし!ならいくぞ!俺の戦場に!」


 「「「「「おおおおおおおおお!」」」」」」


 傭兵達は歓声を再び上げるとガークを先頭に移動を始めた。指示された右翼に。


 右翼に行くとそこには千ほどの馬とそれにまたがる兵士がいた。指示通りに右翼に突撃するのだろう。


 騎兵達は傭兵達が現れても歓迎するような表情はせず、顔をしかめていた。


 いくら自分達が反逆をするということを知って、兵力が必要だからといっても傭兵や山賊、海賊と仲間になることに快く納得したものは少ない。だからこそこの三つの部隊に対して彼らが考えたいたことは


 補充の利く捨て駒。


 そのように騎兵達を加え貴族達が従えている約一万三千の兵士達は少なくない人物が考えていた。


 そしてこの騎兵部隊はその感情が高い部隊なのだ。


 騎兵達の後ろに待機したガーク達は騎兵が走り出すのを待ち傭兵達も待機する。


 するとついに中央の本陣から伝令がやってきて騎兵に命令を伝える。


 伝令を聞いた騎兵の隊長は声を荒げる。


 「よし!ならば今から我らは出陣する!敵が王国の精鋭だからと臆するな!我らが騎兵で王都で安穏としている兵士達にわからせてやろうではないか!」


 「「「「「「おう!」」」」」


 「いくぞ!敵の横に突撃だ!」


 「「「「「「うおおおおおおおおおおおおお!」」」」」」


 ついに騎兵が動き始めた。その後ろに傭兵であるガークの部隊二千が続く。


 この光景は左翼でも同じ命令が出ていた。左翼、右翼に同時に騎兵を突撃させるつもりだ。王都で戦ったときは中央を突出してイウルは負けたがあれを教訓に今回中央に重歩兵で固め突破をさせずに考えていた。


 本命は左右による騎兵の強襲。それにより前線を瓦解させることを考えていた。しかも敵は後退するほどに苦戦している。そこに止めを刺せばライ・ジュリアールが無事でも前線で戦っている兵達にに動揺が走りどうしようもなくなるだろう。


 勝った。


 イウルは両辺から騎兵が動き出したのを見て確信した。


 ただ、その時に少しだけ頭の中を過ぎった考えがある。


 うまくいきすぎではないかと。


 しかし、その考えが過ぎったと気が付いたときには戦場ではまた別の局面を迎える。


 戦場はさらに苛烈に進んでいくのであった。

いかがでしたでしょうか。

先に今回は中編と書いていますが後編がいくつか増える可能性があるかもしれません。理由は、以前も申しましたように勢いとその場で考えているため終わりを考えていないためです。

どなたかがプロットを書いたらと言われ一応、書いてはいたのですが書いている途中に頭の中で動かしているとそのキャラクターだったらどう動くのか、戦がどうやって動くのか、戦略は、作戦は、人の機微は?と考えていったら増えていいってしまうしだいで……。なのでそれはご了承ください。

さてではここで次回予告を

最後にイウルがうまく行き過ぎているという描写を書きました。戦場で後退を開始したのは自陣の勢いに押されて後退したと状況判断する指揮官も昔は結構いたんです。

ですがならばその指示がわざと後退という指示を出していた場合はどういうことになるんでしょうか?

その理由について明日には分かると思いますのでお楽しみに。

コメントにありましたように体調を回復させつつ書いていきます。コメントとメールをくださった方々にここでもお礼をどうもありがとうございました。

ではまた明日お会いしましょう。

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