表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
49/165

第四十八話 参加要請

こんばんわ、今日出かけててぎりぎりに投稿になりました。お待ちしていた方申し訳ありません><

では本編をお楽しみください。

 ライたちがデートをしたその日の夜。


 フェレス王国王都リミルに伝令の早馬が訪れた。


 その伝令はすぐさま国王ジギルに取り次いでもらいジギル国王の耳にはいる。


 そして、翌日の早朝王都にいた各将軍、大臣を含め、ライも呼ばれて目を閉じ玉座で静かにしているジギルの言葉を待つのであった。隣にはいつもどおりエミルが座っている。


 全員が集まって、しばらくして国王は話はじめる。


 「みな、このような早朝に集まってもらい礼を言う。だが事は一刻を争う。なので心して聞いてほしい」


 いつもよりも真剣な表情をして話し始めたジギルに全員の視線が集まる。


 「昨日の深夜早馬が王都に到着した。そして、伝えられた伝令はダンド将軍が意識不明の重症を負ったということだった」


 ジギル国王が伝えると王座の間にはざわめきが広がる。



 ダンド将軍は南の都市リューネリスの反乱を食い止めるために、一万五千の兵力を用いて南へと進軍していたはず。


 一応小競り合いはあったとしても大規模な戦闘には発展せずに、大戦は行われていなかった。


 しかし、大将であるダンド将軍の負傷は王国兵の士気を大幅に下げることになるだろう。


 そして、相手がこのような内容を見逃すはずがない。近日中に攻めてくるのは間違いない。


 「南のリューネリスからの刺客と見て間違いないだろう。ダンド将軍の副官は一時後方に撤退し、現在王都とリューネリスの中間にあるガリアント平原に陣を構築しているようだ。その際、脱走兵が数人出たらしく士気は下がっている」


 「国王陛下、ダンド将軍が傷を負ったということですが原因は分かっているのでしょうか」


 一人の文官が言うと、ジギルは首を横に振る。


 「いいや、分かっておらぬらしい。話によれば突如炎の球が空中に出現し飛んできたらしいのだ。最初ダンド将軍は炎の球を余裕で避けた。……だが不思議なことに、将軍は避けたはずの炎の球に直撃したように燃え上がり重症を負ったらしい」


 それを聞いてライはおそらく魔法関係であるだろうとは検討がついた。不思議なといっていたので宝玉関係の可能性があるとも考えたが、聞いた感じではまだ宝玉にしては弱いような気がする。


 ライは声に出さず頭でエスティアに聞いた。


 (今の話だけど、宝玉で今言ったようなことをできるものはある?)


 すると、エスティアの声が頭の中で聞こえてきた。


 【返事をするとしたらあるわね。でも、そう断定するには弱いわ。宝玉の力は強力。指揮官を狙えるほどの距離にいたのなら確実に息の根を止められていたでしょうね。重症ではなく死んでいたはず】



 (使用者が未熟だった可能性は?)


 【ないとは言い切れないけど、敵陣の中る敵の指揮官を正確に攻撃を当てた相手が未熟とは考えにくいわ】


 (んーそうか)


 状況を見ていないので、はっきりと分からないが宝玉の可能性は低いと見て良いだろう。


 ライは一人納得すると、顔を上げるが表情が固まってしまう。


 広間にいる全員がこちらを見ていたのだ。国王ジギルも例外ではない。


 一体何事だと考えているとジギルが顔をしかめながら言ってくる。


 「もう一度言うがライ軍師は、ダンド将軍が重症を負ったという点に関して何か意見はないのかと聞いておるのだ」


 もう一度といわれて、どうやらエスティアと話すことに夢中になり聞き逃していたようだ。


 ライは一度だけ咳をして整えるといい始める。


 「えー、私が思うに今回は魔法道具を大量に持った敵と思われます」


 「大量にとな?」


 「はい、状況を見ていないからなんともいえませんがダンド将軍は陣地にいたと聞きました。なのに炎の球が一直線にダンド将軍のほうに飛んできた。ということは相手は少なくとも正確に当てられる技量を持っているということです。ですが、目を閉じて標的に当てるなど不可能。となれば陣地内に敵がいたと考えればつじつまがあいます」


 「なんと、お主王国兵の中に裏切り者がおるとそう申すのか?」


 ジギルが言うと周りの大臣、将軍も冷ややかな視線を向けてくる。これを肯定すれば疑心暗鬼の種をまくことになり、ある意味ここにいる中にも裏切り者がいるという示唆にもなるのだ。


 でも、ライは肯定はせずに首を横に振る。


 「いいえ、必ずしも裏切り者が中にいるとは限りません。もし陣地内にいてそのような魔法を使えばすぐに捕まります。話を聴いた限りでは捕まってはいないのですよね?」


 「うむ、そのような報告は受けておらぬ」


 「ならば敵はおそらく魔法道具を使って接近したのでしょう」


 「魔法か……じゃがならばどういう魔法か分かるか?」


 「分かりません。ですが、どのような意図でそのようなことをしたのかは検討がつきます」


 「ほう、申してみよ」


 「おそらく敵は指揮官を死亡させる、できなければ最低でも士気を下げることを狙っていたと思いますが、一番狙っている事柄は別にあるはず」


 「それは?」


 「一番の狙いは仲間同士で疑心暗鬼を起させることかと。目の前で見ていた兵士ならば分かりましょうが、人というものは外からの攻撃より内側からの攻撃に脆い。仲間の一人が裏切ればそれだけで周りにいた百人、千人はもしかしたら近くにいる仲間も裏切るのではないかと考えるはず。しかも平常時のときはまだ信じない人が多い。だけどもし戦になり仲間陣地から裏切り者が出たら、疑心暗鬼の芽は一気に花開く」


 「敵はこちらの士気低下と、自滅による瓦解を狙っていると」


 「予想では」


 「ふむ……」


 ライの見解を聞いて黙り込むジギル。ジギル自身その場にいなかったのだからライの推測ばかりで命令をするわけにはいかない。しかも、ライは先日北の遠征から戻ってきたばかり。またすぐに派遣してしまってはライ自身が不満を持たなくてもその部下たちが不満を持つ可能性がある。


 かと言って、この場にいるもので一番頭が切れるのはライだろう。見てもいないのに相手の思惑と狙い、可能性を示唆したのだから。


 合っているのかは別にして色々な方向から物事を見れることは部隊を率いる中で重要なことだろう。


 頭を悩ませ派遣するべきか、他の者に決めるか迷っていると隣から話しかけてくる声があった。


 「お父様、私が戦場に赴いてもよろしいでしょうか」


 突如の思いもしないエミルの提案に目を丸くするジギル。広間にいたほかのものも驚いていた。


 エミルが何を言ったのかをようやく理解したジギルは声を荒げて


 「エミル!?お主は何を言っておるのだ!これは決して遊びではないのだぞ?戦場という殺し合いになる、そのような所に行くなど許せるはずがなかろう!」


 「お言葉ですがお父様。私が行くことによりすべてのことが解決するのですよ?」


 エミルの解決という言葉に少しだけ引っかかるジギル。エミルは反応があったことに気がついて畳み掛けることにした。


 「私が行くメリットとしてはまず、ライ軍師に戦場へ赴く義務が生まれるということ。彼は軍師であるとともに私の騎士です。主が戦場に赴くのに追従しないのはありえません」


 「だが、必ずしもライを派遣する必要はないのだぞ?」


 「お言葉ですが、お父様にも一番の適任者はライ軍師だと分かっておられるでしょう。ここにおられる方々はリューネリスに謀反があると聞いてから準備を進め、忙しい身。それに比べ、ライ軍師達はまだ命令をされておらず自由に動ける部隊なのです。しかも相手は士気を低下させるなどの策を使ってきました。ならば駆け引きに長けたものが必要なはず」


 黙って聞いているジギルにエミルは話を続ける。


 「ならば、北のエンリデンヌやローレンス砦で勝利を収めたライ軍師は経験も十分。どこに躊躇する必要がありましょうか?」


 「確かにそうかもしれぬ。だが何もおぬしが行かなくても」


 「私が行くことにも勿論意味があります。前線にいる王国兵は敵の策により見事士気は下がっている様子。ですがそこにもし私のような王族が戦場に赴けば士気が向上するはず」


 「お主が真っ先に狙われることになるのだぞ!」


 「そうでしょう。ですが、そこは私の騎士を信じます。彼は戦は少なくとも全戦無敗。これ以上に安心できることはないでしょう。それともお父様には私が申し上げた以上の策はおありでしょうか」


 そういってエミルはジギルのほうを見ると、ジギルは困ったような顔をする。


 子を持つ親としては危険な場所に喜んで送るなど考えることもできないだろう。


 でもジギルは国王で国のことも考えなければならない。そして、前線が危機ならば最善策をとることが最も正しいのだ。


 そして、エミルが提示した提案以上の考えが今のところ思いつかない。


 目を瞑り、唸りながら考えるジギル。


 しばらく緊張した空気が流れ、王がどのような決断を下すのか固唾を呑んで待っていると、ついにジギルが重い口を開く。


 「……ライ・ジュリアール軍師。前へ」


 「は、はい」


 思わず、どもってしまったライ。


 ライとしては、自分が派遣される可能性は勿論考えていた。自惚れるわけではないが、実績としては無敗であり、自由に動ける部隊を持っているのは限られているからだ。



 しかし、そこでまさかエミルまでが戦場に来ると言いだすとは思っていなかった。


 【なかなか面白いお姫様ね。まさか自分から危険なところに飛び込むなんて。よほど騎士様を信頼しているのかしら?】


 からかうような声が頭に響いていたがそれどころではなく、ジギルに言われたとおり前に出て頭をたれる。


 前に出てきたライを見ながら、ジギルは視線を向けていたがゆっくりと言葉を発する。


 「……遠征から帰ってきてすぐだがこの一大事。お主直属の兵団、第十三大隊、お呼びローレンス砦の折に共闘したという第五大隊お呼び、義勇軍に命じる。……我が娘エミルを警護しつつ、急いで準備をして王国兵が陣地を構築しているというガリアント平原に行き合流するのだ。その後エミルを大将と置き補佐としてお主は動くように。私からも現地の副官に伝令を飛ばすので協力してことに当たるように。……エミルの騎士ライ・ジュリアールよ。娘のことを頼む」


 よほど心配なんだろうが苦渋の選択として命令したジギル国王。最後の頼みは子供を持つ一人の親としての頼みだと分かった。


 ライはジギルの命令に


 「はっ!私の命を懸けて全力でことに当たらせていただきます!王女エミル様の安全と、反乱を起したというリューネリスの反乱軍を見事撃退してごらんに入れましょう!」


 「頼む」


 ここで、王国の方針は決定したのであった。ライは二日後に南のガリアント平原に向かって出兵することに。


 会議が終わり、王座の間を出たライはすぐにリエル達がいる軍部に足を運んだ。エミルにも色々といいたいことはあるが……まずは、方針を伝えなければ準備もあるのだ。準備不足で行くわけには行かない。


 軍部に到着して、十三大隊の主要メンバーを招集、それに義勇軍扱いのフィルと第五大隊のトムを呼んで先ほどの内容を教えた。


 その中でエミルがついてくることも教えると、全員は様々な表情をしていた。ティアは一緒に行動できることが嬉しいような、危険な場所に行くのにという困惑を表用に浮かべていた。


 フィルとリエルも微妙な顔をしている。ラッシュは思い切ったことをと驚きトムにいたっては、固まっていた。まじめなトムが固まるなどはじめてみるが、それほどの大事なのだ。もし王族が死んでしまってしまおうものなら、その警護を任されていた部隊は全員に処罰、または最悪死罪が適応されるだろう。


 もし死亡しなくても傷をつけるだけで、評判は下がる。出世の道どころか将来や地位まで失う可能性がある。緊張してしまうのも仕方がなかった。


 そんな様子を見ながらもライは全員を見渡しながら最後に言う。


 「一応伝えたから、リエルとラッシュは第十三大隊を、トムは第五大隊、フィルは義勇軍へそれぞれ命令伝達後、遠征に伴う準備をしてくれ。ティアは三部隊のまとめ役として報告と橋渡し役を」


 「ん?私が橋渡し役でいいの?普通は指揮官がやると思ったんだけど」


 「本来ならそうするけど、俺も少しやりたいことがあるんだ。すまないけどお願いできないか?」


 ライがお願いすると、ティアは「んー」と悩んだ後に頷いてくれた。


 「うん、いいよ。多分ライのことだから決して無駄なことではないんだろうし。あ、でもなら状況とかを誰に報告すればいいの?私達の上にエミル王女様が来るんでしょ?ということは上司は王女様だし」


 「ああ、それならば俺に言ってくれ。ティアと俺はなれているだろうが他の連中はなれていないしな」


 ティアが気を利かせてエミル王女様という他人行儀のように言ったのだ。普段ならばエミルと呼ぶのに。


 でもこのことは意外な所から話しかけられ、エミルと呼ぶことになる。


 「慣れていなくても呼んでくれても構わないぞ?」


 全員が集まる部屋の扉のほうを見ると、そこにはメイド服を来たユレイヌ、そして今話題に出ていたはずのエミルがいた。


 「お、お、お、王女様!?」


 突如の訪問にあのまじめなトムが素っ頓狂な声を上げて驚いている。


 そんな状況に苦笑しライは話しかけた。


 「エミル、いきなり来るなんてどうしたんだよ?俺とティアは慣れてても他のみんなはなれていないんだから」


 「なに、これからお世話になる部隊に挨拶を来ても問題はなかろう?それに慣れていなければ早めに慣れるに越したことはない。第五大隊のトム隊長だったな?お主ももう少し楽に話かけてくれ」


 「は、はっ!了解しました!」


 楽にといったのにがちがちな返答にエミルも苦笑する。


 「それで本当に挨拶だけでここに来たのか?王女様はよ」


 ラッシュはあまり緊張せずにエミルに話しかけた。言い方的には慣れなれすぎるかもしれないが、エミル本人が楽にといっていたし、エミル本人も気にした様子はない。


 「ほとんどは挨拶が目的で来た。ただ、他にも紹介しておいたほうがいいと思ってな。今回の従軍には私のほかに二人ほど追加をしてほしくてライに相談に来たのだ」


 「二人?」


 「そうだ、後ろに二人だがな」


 そういって、エミルの後ろを見るとユレイヌしかいない。


 エミルは王女なのだから周りの世話をする人がいたほうがいいのは確実だ。危ない戦場ということを覚悟しているのなら問題はない。


 ただ、問題はそこではなく二人といったのにもう一人の姿がないことだ。


 とそこで、少しだけ違和感を感じた。ユレイヌの後ろ側というのかそこの影が何か動いたような気がするのだ。


 違和感を感じたまま見ていると、その影から人が現れる。


 全員が驚く中そこにいた人物は



 「……お久しぶりです」


 ローレンス砦を一緒に攻略した仲間、ランであった。でも、数日ぶりにあったというのにランは少し拗ねているようだ。


 なぜ拗ねているのか首をかしげると、エミルはあきれたように言う。

 


 「ライ、お前は女心というか人の機微に鋭いのか鈍いのか分からないな。お主、王都に帰ってきた後ランに挨拶なり命令なり何かしたか?」


 「あ」


 そうだ、確かにランに主だった命令や挨拶していなかった。報告やどたばたで忙しかったのもあるが、それでも戦友であるランに声をかけなかったのはひどいことだ。


 顔を背け拗ねているランにライは近づき頭を下げる。


 「ごめんラン!色々とあって、といってもこれじゃあ言い訳にしかならないけど本当にごめんとしか言いようがない!」


 真剣に謝罪して頭を下げるライ。


 それを横目で見るランはどうしたものか考えていた。


 そこでエミルが助け舟を出す。

 

 「ラン、おぬしもライがこう謝ったのだから機嫌を直せ。ライが忙しかったのはお主も知っておったのだろう?」


 ランは勿論知っていた。報告をした後はエミルの部屋に行き報告、その後なぜかデートをして拘束され、卿からゆっくりできる思っていたところに今度は南の戦場に派遣されるのだ。時間がなかったのも本当だろう。


 ランはそのことも加味してため息をつきつつ


 「……今度埋め合わせしてくださいね?」


 それだけを言うのだった。


 ライは頷き


 「ああ、今度何か埋め合わせはするよ」


 「なら許します」


 ライの了承を聞いてランは苦笑しながらライを許すのだった。


 その後は、知らないもの同士は挨拶をしていき最後にこの場で一番地位が高いエミルが締める。


 「なら私も二日後ともに王国兵が駐留するガリアント平原に行く。目的としては士気向上のために王族の私が行くのだが、いくら王族であったとしても私は戦闘に関しては素人だ。だから私に力を貸してほしい。よろしく頼むぞ」


 エミルは頭を下げると全員が、王女が頭を下げたことに驚くがこの王女はこういう人柄なんだろうと納得し、親近感を感じるのであった。


 そして、この二日後ついにエミルを含めたライの部隊は北とは間逆である南の戦場に赴くのであった。

いかがでしたでしょうか。今度はエミルを加えてライ軍師出陣です!

南のガリアント平原では一体どのようになっているのでしょうか!

次のお話をお待ちください!

ではまた明日よろしくお願いします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ