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第四十三話 選択、判断 (仮)

こんばんわ時間もないので今回は前書きは何も書きません!

では本編をお楽しみください!

エスティアと話してからしばらくして目を覚ましたライは目の前にいる仲間たちと再会を素直に喜んだ。


 その間もティアとリエルはずっと離れずにいたためにそれだけ心配させたのだろう。でも、心配にし過ぎとも考えていた。以前も三日間意識を失っていたこともあった。


 あの時よりも異常のような気がしたのだ。


 二人に聞いても今は無理だと思ったライはラッシュに聞いてみる。


 「あのさ、もしかして俺って結構寝てた?」


 「おまえなぁ、結構寝てたってなんだよ!?こっちはえらく心配したんだぞそこにいる二人なんて、見るに堪えない状態だったんだぜ。寝ていた日にちは八日間だ」


 「八日!?」


 ライとしては思っていたより意識を失っていたことに驚いていた。


 おそらくは前よりも少し長い四日か五日と思っていたのだ。


 しかし、実際に聞くとその倍にあたる日数で驚いていた。


 「お、お兄ちゃん」


 少しだけ驚いているライに、先ほどまでリューミルに抱きしめられていたフィルがいそいそと前に出てきて、話しかけてきた。


 「フィル、どうした?」


 フィルの顔はなんだかすごく疲れた表情をしていた。しかも目の下にはクマ薄くでき頬には涙の跡がある。今は泣き止んでいるが瞳はウルウルとしていた。


 フィルにもそれほどに心配させ、負担をかけさせたんだろうと見当がつき感謝と心配をさせた謝罪を込めてフィルの頭に右手でポンと手のひらを乗せやさしくなでた。


 それだけでフィルは目を細め気持ちよさそうに目を細めていた。


 とそこで視線を感じそちらに向けると左手を握っているリエルと抱きついてきているティアが恨めしそうに見ていたので、ライはリエルが抱きかかえている左手を動かし二人の頭もなでていた。


 そんな状態がしばらく続いた後、ライは改めてフィルに聞く。


 「でだ、フィルは何を言おうとしたんだ?」


 撫でられるのをやめられて少しだけ残念そうな表情を浮かべるフィル。しかし、表情を引き締めて話し始める。


 「お兄ちゃんには本当はゆっくりしてほしいんですが、どうしても私のほうでは決めかねている案件がありまして」


 「案件ね。それはどういう問題?」


 「はい、国の情勢と、私たちの軍の状況。そして」


 一度フィルはリューミルのほうをチラリとみてから話した。


 「ローレンス・レイン伯爵の処罰についてです」


 話を聞いてライの表情は鋭くなる。このことを話すということはどうやら、内政の全般はフィルがやってくれていたのだろう。だが、部隊の半数は王国兵でありフィルが扱うことはできない。なので、そんな中あった出来事を報告する義務が発生しているのだ。


 王国兵にはラッシュ、ローレンス軍にはリューミル、エンディル軍にはフィルがおり、この三人が仲たがいしてない限り問題はない。


 でもこの中に一人が全権を持ってしまったら兵士のほうはいい思いをしないかもしれないのだ。


 「わかった。フィルがいうんだったらすぐ必要なことなんだろうね」


 「ごめんなさい、でもできるだけすぐに終わらせますので」


 申し訳なさそうな表情をしながら説明を開始した。


 「まず、国の状況ですが……昨日放っていた密偵が帰ってきて状況を話してくれました。その説明を、ランさんお願いできますか?」


 「了解しました」


 そういって、後ろから前に出てくるラン。


 「ではご説明いたします。現在この王国の南に配置するリューネリスで大規模な戦の準備が行われています」


 「なんだって!」


 驚きあわてて飛び起きようとしたが上にいるティアの重みと、ずっと寝ていたためか眩暈がして布団に再び身を沈める。


 「落ちついてください。このことを伝えてもあなたにはしばらく安静にしていただかないといけないのですから。説明を続けますね」


 いろいろと反乱をしたかったが今は確かに話を聞くのが先決だ。無言でランの言葉に耳を傾ける。


 「リューネリスで反旗を翻したのは商人商会で兵力は一万とも二万ともいわれているらしいです」


 「おかしくないか?そんな数が終結するまで全然王国側が関知しないなんて」

 

 「おそらくリューネリスにいた貴族達が隠ぺいして報告を隠していた可能性もあります。あと、ほかには一気に膨れ上がったか。聞くところによると海賊や山賊なども散見するという話で、見境なく兵力を集めているようです」


 「……だから、見慣れない船が港に寄港していたわけってわけか」


 つぶやいたライの言葉に驚くラン。


 「よくご存知ですね。ライ様の言う通り不審な船が寄港しているらしいです。それが海賊のものかもしくは……他国の軍艦はわかりません。」


 最後の一言が現実ならば最悪の事態だ。


 これが本当ならばこの内乱を機に他国が介入してきたことになる。ようやく北の反乱平定した所。こんなところに、他国からの本格的な介入があったら存亡に危機になる。


 「他の情報は?」


 「今は特にこれぐらいしか。何しろ日数が足りておりません。この情報は噂の部分も多大に含まれているので。最後にこれは私見ですが決して部隊を動かしてすぐに動こうとしないでください」


 「……」


 「この軍を動かしても一万から二万の相手を勝てるとは思いません」


 ライは無言となる。もし体が動けばすぐに移動していただろう。全軍を招集し明日か明後日には出発していたはず。


 ランのほうもそのことを予見してあえていくつか隠して報告していた。


 ライはこの集団で精神的柱といってもいい。現に彼が倒れてから主要メンバー全員に動揺が生まれ副官であるティアリスと十三大隊 元隊長のリエルは使い物にならなくなっていた。


 フィルも無理をしていたし、影響が大きい。


 ここでもし王国から一万五千もの軍隊をリューネリスに向けられたと知れば、無理をしてでも行くはずだ。


 このことは先に起きたことを前提として昨日のうちにどう説明するかフィルに相談していた。


 まさか翌日に目が覚められるとは思っていなかったが相談をしていてよかったと思う。


 ランには珍しくあることを見落としていたが、報告は終わりだというように後ろに下がった。


 再びフィルが話し始める。


 「ということなのでしばらくは安静にしてください。……お兄ちゃんはもっと自分の体を大事にしてください」


 ライは苦笑しながら頷いた。


 「うん、いくら焦ってもさすがに二万の相手には勝てる気がしないよ」


 そういってくるライにフィルは内心で心をしかめる。


 (もし、勝てる気がしたらすぐにお兄ちゃんは動こうとするのですね)


 やはりランと話し合っていてよかったと思いつつ、今度はライが納得するような動けない理由を説明しはじめる。


 「それに、すぐには動くことはできないんでんです。私たちの軍も万全ではないので」


 「八日のうちには準備が整わなかったのか」


 「順調にいけば整ったんですけど、兵糧などの運搬が滞ってまして兵糧に余裕がないんです。連日色々なところから運搬はしているのですが、補給部隊本隊が来ない限り行軍することができません」


 「んーならしょうがないか。……そういえばちょっと話しかえるけど、フィルやリューミルはこれからどうするんだ?」


 突如話を変えられ、名前を呼ばれた二人はどういうことかわからずに首をかしげていた。


 「ほら、俺ら王国に所属している王国兵はこれからも色々と動くことになる。でも、リューミルはレイン伯爵の後を場合によっては引き継がないといけない。無理だったとしてもやることは多いだろ?あと、フィルはエンディル村に味方をしていたといっていたけど、どこかの組織にしているってわかる。だからこれ以上俺たちに付き合うこともないんだぞ?」


 フィルとであったとき、どこかの組織に所属しているような話は聞いていた。しかも、昔はなした物流の運搬方法を採用しているというが、あの話は多くの協力が必要条件だった。個人でやるなどほぼ無理だ。ならば、後ろに何かついていると考えて良いだろう。


 だが、ライの心配をよそにフィルは返事を返す。


 「そのことはお兄ちゃんは気にしないでください。確かにお兄ちゃんが言うとおりある組織に属してはいます。ですが私から組織に言えばお兄ちゃんを助けてくれるはず。少なくとも兵は出さなくても物資の援助とかはしてくれます」


 「ん?俺が知っている人?」


 「今は……そのいえません」


 分かりませんではなく言えませんか。ということはおそらく知っている人とフィルは認識しているんだな。


 フィルはおずおずと上目遣いで聞いてくる。


 「それで、その……ですから、私もこれから連れて行ってください!絶対に役に立ちますから!」


 そこでライは考える。確かにライにとって妹ともいえるような存在のフィルを放っておくことなんて到底無理だ。組織がどういう活動しているか分からないが、エンディル村に派遣されるぐらいだから常に戦場にいる可能性もある。


自分の一存で決めて良いのか分からないと感じているところで、一つ良い案が浮かんだ。


 「……そっか、フィルたちの軍を反乱軍とかじゃなくて義勇軍という扱いにすれば」


 ライの言葉を聴いてフィルは首をかしげた。


 「義勇軍?」


 「ああ、今フィルはついていくといったけど組織は抜けないつもりなんだろ?しかもそちらの部隊は組織の部隊だ。だから、こちらとしても正体不明の部隊を連れるわけには本来いかない。でもさ、今回の件で義勇軍として立ち上がったとこちらが説明すれば納得すると思う」


 「た、確かにそうです!それにそのことを考えてくれたってことは!」


 期待の目で見てくるフィルに頷いた。


 「うん、これからもよろしく頼むよ」


 そういうと瞳を輝かせて元気よく


 「はい!」


 そう答えるのであった。


 次にリューミルのほうを見る。


 「次にリューミルにも聞きたいけど……その前に一つ聞いておいたほうがいいのかな?」


 「分かりましたわ」


 ライの問いに何を聞かれるのか承知していたのかすぐに返事を返してきた。


 そして、問題であるレイン伯爵のことについて説明した。


 レイン伯爵を隠居させ、軍部、政治から遠ざけある一定の距離しか外出できないようにする。軟禁状態のようにし、特別なことがない限りこの砦などにもこれないようにするという判断であった。


 説明していたリューミルは途中不安そうな表情を浮かべ金色に輝く髪も頼りなく揺れているように感じた。


 レイン伯爵の処罰に対してライは頷き笑顔で了承する。


 「うん、それでいいよ」


 言葉を聴いたリューミルは驚いた。この判断は自分の甘さが最大限に影響されたものだと思っている。普通伯爵家が忠誠を誓っている王家に犯意を翻しただけで死罪でもおかしくない。


 なのにこの青年は何も疑わずに許すといっているのだ。


 「あの、本当によろしいのですか?」


 「いいよ別に。エスティアから聞いたけど俺は記憶が改変?されているらしい。でも、確かリューミルさんに判断は任せると頼んだと思うけど違った?」


 「い、いいえ」


 「ならリューミルさんが判断したことなら別に異論はないよ。それよりもリューミルさんはどうする?」


 ライはリューミルの目を見て問いかける。青年の瞳は澄んだ瞳をしていて雑念が一切ない。こちらの判断を最大限反映させてくれるのがありありと伝わってくる。


 何か胸の中を一瞬暖かいものが通り過ぎる。ずっとその気持ちを逃したくないような感覚だ。


 でも、すぐに意識を切り替え感情を押さえつける。彼には彼のやることが、自分には自分のやることがある。今ついていくことは簡単だ。だけどもし付いていったとして果たして自分に何ができるのか。


 何度も自問自答を繰り返しリューミルはある一つの結論を導き出す。


 「私は……わたくしはここに残ってまずは兵士たちと各周りの村を落ち着かせるために尽力いたしますわ。それが、ローレンス家の長女として父親が迷惑をかけた分、責任を取るのはわたくしの役目。ですから、一緒にはいきません」


 「そっか」


 少しだけ寂しそうに笑みを浮かべるライを見て心が痛む。だからだろうか、そこで終わるつもりだったのに、頬を少しだけ赤くして視線をずらしながら口元が動いていた。


 「ですが……もし将来こちらのことが落ち着きましたらライ様のところにはせ参じてもよろしいでしょうか?」


 この言葉に部屋にいた女性陣から緊張した空気が流れる。全員がリューミルの心の機微に気が付いたからだ。


 ラッシュも意図には気が付いていたが茶化すことはしない。見た感じこの部屋にいる女はほとんどがライに好意を寄せている。そんな中、今まではリューミルにそのような気配はなかった。


 だが、どうやら今回のことでまだ完全な思いになってはいなくても何か芽吹くものがあったのだろうと推測した。


 ちょっとだけ、羨ましいような同情するような視線でライのほうを見るとラッシュは、ああ、ダメだと思った。


 修羅場になるような予感がヒシヒシと感じるのだ。リューミルの意図に前々気が付くこともなく返事をライは返したいた。


 「力を貸してくれるのか?それはとてもありがたいよ。こっちも本当に困ったときは力を貸してほしい。もちろん逆のことでもできる限りのことはするよ」


 返事を聞いてリューミルは苦笑する。どうやら、こちらが思わず言ってしまった意味は気づかなかったらしい。自分でもどうして言ってしまったのか分からない。でも、気づかれなかったことに安堵半分、そして悲しみ半分があることには気が付いていた。


 苦笑しながらリューミルは頷いた。


 「必ずお助けします。いつ、どこでも、いつまでも」


 「よろしく頼むよ」


 そういって、何もなく話すことは終わった





 と思ったのは間違いであった。


 「痛っ!?」


 突如左の手の甲に痛みが走ったのだ。それと同時に耳と足付近からも同じ痛みが。


 痛みを感じた場所に視線を向けるとそこには、六つの目が不機嫌そうにこちらを見ていた。


 左腕をつねるリエル、耳を引っ張るティア、足をつねるフィルだ。


 一体なんでこんな状況になったのかぜんぜん分からない。


 「一体どうしたんだ?」


 「知らないっ!」


 「しらない痛ててててて!リエル抓り過ぎ!つねり過ぎだって!フィ、フィル!助けてくれよ!」


 妹のように思っているフィルに助けを求めるがフィルはそっぽを向きながら


 「嫌です。お兄ちゃんは私たちの苦しみをもうちょっと知るべきです!」


 フィルが怒ったところを見たことないライには衝撃的だった。いつもならこちらの言うことに素直に従ってくれていたのに、こうも反抗されるとは。


 最後の望みをかけてラッシュたちのほうを見たら


 ランはため息を、リューミルは困ったように、ラッシュは同情の視線を向けていた。


 「誰か頼む助けてくれ!」


 「自業自得です」


 「えっと、これに関しては私には」


 「まあ、あれだ。しばらく安静にできるんだからゆっくりとしとけ。俺らは邪魔みたいだから出て行くぞ」


 そういって三人は扉のほうに向かい始めた。


 急いでベッドから移動しようかと考えたときに三つの手が体を押さえつけてくる。


 いわずもがな、ティア、リエル、ティアの三人であった。


 「ねえ、ライ。私貴方に聞いてもらいたいことが沢山あるの。あと聞きたいことも沢山」


 「あの、ティアさん?なんだか怖いのですが?」


 「私も、聞きたい事ある。それと絶対安静」


 「あ、うん。リエル分かったよ。わかったからさ、その視線をもう少し和らげてもらうことはできないかな?」


 「お兄ちゃん沢山お話しましょう、そうしましょう。言わないときには体に聞きますよ。偶然でたまたまどこか変なところに触ってもそれは事故ですよね、大丈夫ですよね、正義ですよね」


 「フィル!?お前大丈夫か!なんだか目から光が失われいるぞ!というか正義とか事後とかなんか変なことをする気満々にしか聞こえないんだが!?」


 「「「ライ(お兄ちゃん)に発言権はない!」」」


 三人にすごまれて、反論できる余地がなかったライは


 「は、はい……」


 先ほどあれだけしっかりと受け答えをしていたのに対して、今はその影もなく今は三人の少女たちに物を言えないたった一人の少年がそこにはいたのだった。

いかがでしたでしょうか。

先に言っておきます。しばらく多分戦闘はないと思います。少なくとも部隊戦は。

ただし今のところ多分なんですけどね。

とまあ、色々とここに書こうと思っていたんですがなんだか何も思いつかない虚脱状態になっておりますので次回予告は住みませんが、しません。

ですがいつもどおり明日は更新いたしますのでお楽しみに。

ではまた明日。

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