表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
43/165

第四十二話 軍師の目覚め

こんばんわ!まず最初にいきなり言います!

以前五千文字を毎日平均して書くといっていたんですが……

一万二千文字書いた話の後なんだか書く文字数が増えている……。

平均六千以上になって書く時間が十分ぐらい長くなっているような。

でも、呼んでいただけるなら長いほうが良いとも思いつつ書いている自分です。

では本編をお楽しみください。

 ライは今暗いどこかにいた。上下左右の感覚はなく真っ暗だ。手を伸ばそうとしても体が動いてくれず何もできない。


 最初は自分が一体誰で、今まで何をしていたのかも思い出せなかった。このままこの空間でずっといるのかと思ったりして、時間は過ぎていく。


 普通なら発狂していただろう。何もない空間で思考しかできないなんて。


 でも、何か分からないがどこか遠くて近いところに安心できる存在があると分かる。これだけが救いで今もこの場所で発狂していないのだと思う。


 今回も静かに目を閉じ存在感だけを感じて眠る。今はこの安心感に身を任せてみたいと思ったのだ。



 それからいくつの時間が掛かったのだろうか。次にライが意識を持った場所は暗い空間ではなかった。


 周りを見ると壁に包まれどこかの洞窟かと思う。


 その中で一箇所だけ大きな扉を見てしばらく見続けた。


 どこかであの扉は見たことがあるのだ。以前にここには訪れたことがある。


 扉には中心に白い宝玉が。白い宝玉を中心に窪みが八個ありそのうちの二つを蒼い宝玉と金色に輝く宝玉がはめられていた。


 その様子を呆然としばらく見ていたライ。するといきなり頭痛が走り何かの景色が流れ込む。


 「……そうだ、確かここは一回だけ訪れたんだっけ」


 ここにきたのは以前グリム伯爵との戦いで気を失ったときだ。


 それを思い出したら『最近』のことを思い出していく。自分がレイン伯爵と戦い精神力を使いすぎて倒れたのだろうというところまで。


 ライは思い出すと前の扉を改めてみる。


 確か、この扉を開くと彼女がいるんだよな。


 すぐに会わなければならない。会って沢山聞かないといけないと思ってしまったのだ。


 「とりあえず行くか」


 そういって立ち上がると、以前と同様に自動で扉が開く。まぶしい光を放ってくる扉の先に歩を進めてライは歩いていった。


 扉の先を越えた場所は以前着たときと変わらずに豪華な装飾をしていた。だがやはりここに彼女だけがいるのは寂しく感じるとも思う。


 そう思いつつまっすぐ歩くと見えてきたのは王座のような椅子だ。その椅子の上にはやはりというべきか彼女がいた。


 どのくらいぶりか分からないが自分とは他の人物に出会えたことに安心しつつ歩くが、王座に近づくごとにライの表情には怪訝な表情を浮かばせ始めた。


 彼女、エスティアは確かに椅子の上に座っていた。でも、こちらに向けてくる視線はどこか冷たく怒っているようだ。黒く輝く瞳でこちらを睨んできている。


 「えっと……」


 相手が怒っているのに気がつき、何を言えばいいのか戸惑っているとエスティアのほうから話してきた。


 「えっとじゃなくて、ほかに何か言うことはあるんのではないのかしら」


 「あ、うん。ごめん」


 「ごめん?」


 「ごめんなさい」


 ライは謝罪をするがエスティアはまったく態度を軟化させない。


 「あなた、私がなぜ怒っているのかわかってるの?適当に謝られて許されるとでも?そう思っているのならずいぶん舐められたものね。私も見る目が無かったってことかしら」


 「……」


 心当たりはある。徐々に思い出せた記憶の中に何度も忠告を無視して魔法を使ったことを。


 「無茶してごめん」


 ライは無茶をして悪かったと謝罪した。魔法を使ったことについては謝罪しなかったのだ。ああする事が最善の策だと思うから。事実魔法で多くの犠牲者を出さずに済んだのだから。


 そのことにもちろん気がついていたエスティア。椅子から立ち上がってライに詰め寄り右手を突きつけながら言ってくる。


 「貴方、私が何回忠告したか覚えてる?やめなさいといったにも関らず何度も使って。反省しているのかしら?」


 「確かに無茶したかったのは悪かったと思う。でも魔法を使ったことに関しては正しかったと思う」


 ライの真剣味を帯びた視線にエスティアは正面から受け止め、本当に後悔していないことを確認して、はっきりとした言葉で伝える。


 「……私が貴方の何なのか言ったのを覚えているわね?」


 「……ああ」


 おそらく壁を作るために大魔法を使おうとしたときだろう。


 《私の主人は貴方なのよ?主人の安全を第一に考えるのが当たり前よ》


 エスティアはこういっていた。このことを覚えているかを聞いたのだ。


  ライの返事を聞いてようやくエスティアは少しだけ態度を軟化させる。


 「先に言っておくわ。私はこれからも貴方を第一に考える。危険が迫ったら貴方を優先し守るわ。たとえ誰が犠牲になろうとも」


 「エスティア」


 悲しそうな顔をするライを見てエスティアは視線を外に向けて言葉を続けた。


 「……でも、貴方が無茶しない限りではあなたの周りにいる人物にも気を使ってあげても良いわ。これが私からできる最大限の譲歩よ。だから貴方が無茶すれば回りに危険が迫るということ。このことを心に刻みなさい」


 エスティアがどれだけライのことを心配しているのかを感じてライは心の中に暖かいものが広がるのを感じつつ頷く。


 「わかったよ。できるだけ無茶しないよ」


 「できるだけじゃ不足だわ。絶対無茶しなさいといいなさい」


 「それは約束できないかな」


 「無茶する前に大体なことは白帝のガンドレッドの魔法で守れるでしょ?それで何とかしなさい」


 ライの父親が作っただけはありあれは防御魔法としては最高峰の魔法防具だ。使い方も応用が効いて頭が回るライならばこの魔法だけで、大体のことは切り抜けられるはず。


 エスティアはそういってライの反応を待っていたが、いつまでたっても反応が返ってこない。


 どうしたのかと思い視線をライに向けるとライは不思議そうな顔をしていた。なんというか、聞き慣れない言葉を聴いたときにこういう顔をするのではないかと思う。


 「どうかしたの?」


 なぜそのような表情をしたのかわからず、聞くとライはすぐに返事を返した。


 「いや、あのさ。ちょっとわからないんだけど白帝のガントレッドって……多分、親父からもらったガントレッドの名前ことだよな?いつの間にそんな名前になったんだ?」


 「……え?」


 エスティアはライの言葉を聴いて固まってしまう。そして、脳裏に嫌な予感がし始めた。ここまで自然にはなし、ローレンス砦の戦いのことも覚えていたのだから考えつかなかった可能性。


 動揺しないように落ち着くため深呼吸をしてエスティアは尋ねる。


 「ライ、ローレンス砦で戦ったとき仲間だった主要メンバーを言いなさい」


 「いきなりどうしたんだ?」


 「良いから早くしなさい!」


 わけがわからないという表情を浮かべながらライは名前を挙げていく。


 「ティアとリエル、ラッシュ、フィル、ラン、リューミルだよな?」


 「ええ、ならその人物たちとの関係は?」


 「リエルとラッシュは軍部で、ティアとフィルは幼馴染、ランはエミルの兵士、リューミルはレイン伯爵の娘……一体どうしたんだよ?おかしいぞ?」


 「私への質問は後にしないさい。今は私が質問するのだから」


 それからいくつもの質問をしてくエスティア。


 エスティアの質問に返答していくライ。


 だが、エスティアは落ち着いた表情で表面上は聞いていた。内心は焦りと戸惑いが募る。


 とある質問をしたときにライはこのようなこういったのだ。


 「ならティアとフィルとの出会いは?」


 「ああ、出会いは……あれ?どこでだっけ……?どこかで会ったとは思う。幼馴染ということもわかるけど……であった……場所は?」


 「次に、リエルとラッシュに出会ったときにどんなのことがあった?」


 「ああ、それは覚えてる。軍部に行って部屋に入ったときに二人に出会って話したんだよな。飛び掛ろうとしていたリエルには驚いたけどその後は、お菓子を食べ続けて普通に仲良くなったんだっけ」


 「……ランが持ってきたものは?」


 「え?ランが何かを持ってきてくれたのか?エミルから命令を受けただけだったような」

 

 などなど、なぜか一部だけ記憶が欠落している。いや、改ざんしているというべきか。ティアとフィルが出会った孤児院、リエルがお菓子を手渡し名前を呼ぶように言われたこと。ランが遠風の本を持ってきたこと。


 今は必要ないことかもしれないが本人たちが聞いたら内容によっては傷つくことは間違いない。


 質問を終えたエスティアは一度だけ目を閉じ考えを纏める。このまま真実を告げてライにすべてを教えてしまうか。しかし、その場合折角安定した精神に何か異常をきたす可能性がある。やっと記憶を取り戻したのに負担はかけたくない。


 だが、かといって何も言わずにことを見守るとしてもあちらで言葉の違いが出てすぐにばれるだろう。


 数瞬天井を仰ぎ見て、考えを纏めていたがついに結論を出す。


 「ライ、落ち着いて聞きなさい」

 

 ライは頷き、エスティアはゆっくりと説明し始めた。


 「私は一度現実世界といえばいいかしら。ティアやリエルに会って来たわ。皆が貴方のことを心配している。中には自分が重荷ではないかと考えて離れていこうといっていた子もいたわ」


 あえて誰が言っていたかは言わずに続ける。


 「だから貴方は先に知っていたほうがいいから話す。率直に言うと貴方は部分的に記憶が欠落している。いいえ、記憶が変化しているわ」


 「……記憶が変化?」


 「私が知っていることは話しても良いけど自分で思い出したほうが良いわ。でも一つだけ差し支えないことだけは教えてあげる。最初の間違いがランって子は命令されただけではなく遠風の本を持ってきたのよ」


 「……」


 遠風の本と聞いても首をかしげるライ。そんな様子を見ながらもエスティアは話し続ける。


 「今は記憶が混乱しているだけかもしれないからゆっくり思い出しなさい。私も土帝の宝玉のおかげであちらに体を体現するのに負担は少なくなったから今度はあちらで会いましょう?そろそろあの子達を安心させて上げなさい」


 そういうと、突如周りが暗くなり始め何かに引っ張られる感覚が弱いながらも襲ってくる。しかし、徐々に強くなってくる感覚があった。そういえば以前も同じ用になり現実に戻る前兆だったはずだ。


 暗くなっていく意識の中でエスティアは最後に呟いた。


 「また後で」


 それだけを聞いてライの意識は途切れた。


 金色の宝玉を近づけエスティアに大丈夫だといわれてから二日間。リエルとティアはライが倒れて魂が抜けているような状態から脱し、今は精力的に体を動かしていた。


 リエルは軍の訓練や輸送されてくる補給物資の護衛などの搬入を。ティアはフィルに付き添い雑用などをだ。


 エスティアの言葉をフィルも聞いて以前よりは顔色がよくなりつつあった。ライがいつか目を覚ますのに自分が倒れて迷惑をかけたくないと思ったからだ。


 他のメンバーもどこか安心したように雑用などをしていた。


 そして現在、休憩時間を利用してティアとリエルはライの部屋に訪れ、寝顔を見ながらゆっくりとした時間をすごしていた。エスティアが数日後には目が覚めるといってから二日たった。目が覚めたらすぐに話したい。声を聴きたい。


 そのような思いを二人は持っていた。


 だからだろうか今しがた指が動いたような気がしたティア。


 リエルも何かが動いたような気がしたのか視線がライの手のほうを向いている。


 二人が注視してみていると再び指が動く。


 これは見間違いではない。起きる寸前なのかもしれない。そう思って、扉の外に待機していた兵士に主要メンバーを集めるように伝えて部屋に戻る。


 程なくしてラッシュ、ラン、リューミル、トム フィルが集まってきた。


 「お兄ちゃんが目を覚ましそうってほんとうですか!」


 扉が開かれ開口一番にフィルが入って来た。


 その後ろを他の面々が続く。


 「すぐかわからないけど、指がさっきから動いてるんだよ!」


 そういいつつ、待っていると少し離れた場所にあった宝玉が光り、人の像を結ぶ。


 エスティアが現れたのだ。


 エスティアはライが目覚めることに気がついたティアかリエルが全員を呼んだのだろうと察して、逆に都合がいいと思いつつ話す。


 「全員がいるのは都合が良いわ。少し話しておくことがあるの」


 そういって、エスティアはライと交わしてわかったことを話していった。


 最初全員はまさかライはここまで目覚めないのかと不安をよぎったが最初に、もうすぐ目覚めるといわれ喜んでいた。


 しかし、その後に告げられた記憶の所々が失われているということを聞くと表情が暗くなる。今まで培ってきた思い出が無いといわれれば誰でも暗くなるだろう。


 「だから、ライが記憶が戻るのは時間が解決してくれるか切欠が必要ね。でも、一番厄介なところは記憶が完全になくなったわけではなく記憶の一部が改変していることね」

 

 記憶を失ったならば切っ掛けがあれば思い出すだろう。でも、記憶が余計にある分その記憶はそうであると認識してしまい本当の記憶を思い出せるかわからないのだ。これも何かの切っ掛けで思い出せるかもしれないが……普通の記憶喪失より厄介なものだとエスティアは説明した。


 「一応ライにも説明しているわ。力になってあげなさい」


 そういって、エスティアはライの方を一度だけ見てもう一度皆を見る。


 「もうすぐライは目覚める。私はたっぷりと夢の中といえば良いかしら。そこで説教も含めて話したから今回は姿を消すわ……でも最後に言っておくわね。私は前も行ったとおりライとの契約者でありライは主人なの。もしライに害になると判断したら牙を剥くわ。いいわね?」


 真剣に言うエスティアを見ながら全員が頷いた。


 頷いたのを確認をするとエスティアの顔に笑みが浮かぶ。 とその時、ライが呻き声をあげて身じろぎをする。本当に目覚めるのだろう。


 (さっきはあちらでといったけど、また後にするわね。まずは仲間と話しなさい)


 心の中でライに語りかけながらエスティアは姿を消した。


 すると、エスティアが消えたことを合図にしたようにライはゆっくりと瞼を上げる。最初に見えたのは白い天井と白い幕そして


 「……久しぶり。でいいかな?」

 

 瞳から涙を流しないているティアとリエルの顔だった。その後ろには他にリューミルとラッシュ、トムが笑顔を浮かべ、ランはほっと安堵した表情をしていた。フィルもティアたちと同じようにないているように見え、リューミルがあやす様に抱きしめていた。


 ライが話しかけたとたんにティアはライに抱きつき、リエルは左腕を決してもう離さないというように 抱きしめていた。


 ここに、ついにフェレス王国の軍師ライは目覚めるのだった。



 それはローレンス砦の攻防戦から実に約八日後であった。  


 

いかがでしたでしょうか。

無事に目覚めたライ。夢の中?でエスティアの説教をうけて反省はしてくれたのでしょうか。

そしてライの記憶ですが一体どうなるんでしょうか。果たして戻るのか。戻るとしたら何を切っ掛けに戻るのでしょうか!まだ私はそのことを何も考えていません!

といいつつ次回予告に。

次はおそらくですが、目覚めたライに八日間であった状況を整理する回になると思います。

文字数が長くなければあの人との絡みも作りたいのですが……。

あ、あと最後にちょっとした質問なんですが誰かの番外編とか作ったほうが良いんでしょうか?実は呼んでくれている友達から番外編を書いてみたら?といわれてどうしようか迷っていましたので、誰かの話を作ってほしいという要望があればできる限り作ってみたいと思います。

ではでは、意見や感想どしどしお待ちしております。

また明日更新しますのでよろしくお願いします。ではまた明日!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ