第三十六話 戦いの前の当日
なんとか間に合いました。二時間かかって以外に遅くなってしまった;;では本編をお楽しみください。
ラッシュが説教をして、怒鳴り声が収まったころ女性陣が上から降りてきて最後にライが降りてくる。
説教をされたティアとリエルはラッシュからどのようなことを言われたのか分からないが、とても落ち込んでいるらしくしょんぼりとしていた。
そして、ライの前に来ると二人とも頭を下げ
「昨日はごめんなさい」
「ごめんなさい」
しっかりと謝罪してきたのだ。
一体何を言ったのか視線でラッシュを見ると、ラッシュは視線を背ける。内容を言う気はないらしい。
ライは正直体がだるい状態で原因は間違いなく昨日の死闘?のせいだが、ティアとリエルの頭に手をおき撫でながら安心させるようにいった。
「こっちこそごめんな。元々の原因としては俺が無言で出かけたことにあるんだしな。仮に誰かに呼ばれたとしても、やっぱり話しておいたほうがよかったんだよな」
最後の誰かに呼ばれたとしてもを話したのは、呼んだフィルが何かを言いかけたからだ。それを含めても自分に非があったと説明した。
「でも……(……)」
「もう気にしなくっていいって。でも次からはできれば最後まで話を聴いてくれな?毎回あれじゃ体が持たないと思うし」
気にしないといいつつ、配慮してくれと説明すると再び二人とも落ち込んでしまったが、気を取り直したようにライは言った。
「よし!ならこの話は終わり!全員が降りてくる前に朝食や食べるところ確保したんだ。早く食べてくれないと困るしね」
そう言われて、ライが後ろを振り向くとそこにはテーブルが用意されその上に料理が並べられていた。
朝食の内容はサラダに干し肉を香草や塩で焼いたもの。塩で味付けし野菜で煮込んだスープ。最後にデザートとして少量だが果物も用意されていた。
これを見て驚いたのはフィルだ。
「お兄ちゃん。これ一体どうしたんですか?確かこの村に野菜やほし肉はあったとしても果物はなかったはずですが……」
「昨日俺らが通った道にさ果物があったような気がしたんだ。すぐ近くだったし料理を作り終えた後とってきた」
お兄ちゃんと呼ばれたことに対して数人が反応するが何も言ってこない。どうやら昨日二階で説明は受けていたのだろう。
「とまあそんなことより食べながら今後のことを話そう。ラッシュの報告も伝えないといけないし」
そういって、ライが席に着くと他のものもその後に続く。
周りに物が散乱していたが、椅子に座れるぐらいできた。
そして、ライがスープを食べ始めると全員が思い思いに食べ始める。
最初に言葉を発したのはフィルだ。
「お兄ちゃん、これお兄ちゃんが作ったんですよね?」
「ん、まあね。でもよく分かったね?」
ラッシュから用意を頼まれていたから誰かに言えば用意してくれただろうけど、なんとなく料理したくなりライが作った。
「はい、この村に女性はあんまりもういませんし作ってくれる人の味付けも覚えてます。ですけど、これはどれにも符合しないのでもしかしたらと思って」
「なるほど」
最初は味付けをどのくらいにしようかと思っていた。人の好みもあるのだし。けど、ライは自分の感覚を信じていつもどおりの味付けで料理をしていた。
それで、その結果は好評の様だ。
ラッシュやティアも「こいつはうまいな」「やっぱりライの料理はおいしいねー」といいながら食べているし、リエルは黙々と、でもすごいスピードで食べている。
昨日初めてあったランも一口食べた後驚いていたが、今はリエルのスピードではないにしろ食べていた。
ちなみにランはすでに自己紹介を終わらせていた。女性陣には夕べラッシュにも説教を終わった後に説明していたらしい。
作ったものをおいしいと食べてもらえることに嬉しさを感じつつライは話始めた。
話す内容はローレンス伯の兵力と王国から派遣された可能性がある千の兵力。宝玉?の力を使った工作のないようだ。
この話をすると全員が深刻な顔をする。ローレンス伯の兵力ではなくライもラッシュに言っていた王国兵に対しての問題だ。
このことについては、下手したらライ達が反逆者扱いされる可能性もある。慎重に事を進めなければならない。
しかし、この問題を簡単に解決できる内容をランが言い始めた。
「あの、ライ様。その問題はすごく簡単なことでしょうか?」
全員がランのほうに向く。下手したら反逆者扱いされるというのにそれを簡単だというのだ。
ライは期待をこめつつ質問した。
「一体どうすれば?」
「昨日私がお渡しした遠風の本でエミル様に連絡を取り国王陛下に許可をもらったらどうでしょうか?」
「……ああ!」
ライは急いで昨日もらった本を取り出し机の上におく。
この本は本来連絡をエミルと取る為にランが持ってきたのだ。反逆者と勘違いされないように連絡を取り、許可を取ればローレンス伯に追従している王国兵の指揮官もこちらに引き込める可能性もある。
早速ライは本を開きパラパラと本を捲っていくとある場所に文章が表示されていたのでそれを見る。そこには、こう書かれていた。
《ライの活躍は王都にも伝わってきてる。エンリデンヌを襲ったグリム伯の話もな。おそらくライのことだからそのまま王都に戻らずエンディル村という反乱の兆しがある場所に向かうだろうと思ってな、王国兵をローレンス伯のほうに千送った。指揮官は確か第五大隊 トム・ジリエドという》
これはどうやらエミルはエンディル村に向かうことを予想していたらしい。だから、千の兵力を送ってくれたようだ。でもその後にしかしと続いてこう書かれていた。
《しかし、第五大隊が向かったのはちょうどライ達がエンリデンヌで戦っていたころだと思う。だから、指揮官であるトム・ジリエドはライ達がエンディル村に着いたと知らないだろう。娘であるリューミルがいるとはいえ世論はローレンス伯を支持する流れだ》
ここで不穏な文章だなと感じるライだがその後少しした空白が続いて文書が続いた。
《と、まあ一般論はそうであろう。しかしライ、私が許す。そのままローレンス伯をそのまま蹴散らせて来い。ライのことだから確証があってエンディル村についたんだろ?それならば遠慮はいらない私は信じる。父上にも私から説明しておこう。だがこれだけ入っておく。まずは第五大隊に私の名前を出してもかまわないから伝えろ。王国兵と王国兵が戦うなど馬鹿らしいからな。なら、また連絡をする》
そういって書き締められていた。
これから相談しようとしていたことまで昨日報告をして予想はついていたようだ。
だったら後は王国指揮官と話す場を設けるだけだ。
書いている内容を全員に話すと、反逆者の汚名をつかないことに安心したようだった。
「でもならどうやって話す場を設けるつもりだ?」
「それは多分簡単なことだと思う。ローレンス伯の正確ならね」
そういってみんなに話をするのであった。
場所は変わってローレンス砦の執務室、ここでは現在ローレンス砦の持ち主であるレイン伯爵と王国から派遣された第五大隊 トム・ジリエド隊長が面会していた。
「それにしても先ほどの話は本当なのですか?」
「残念ながら本当のことですな」
トムはレイン伯に質問していた。質問している内容は、第十三大隊を率いてエンリデンヌに向かったライ・ジュリアール軍師が反旗を翻しエンディル村の反乱に手を貸したということだった。
状況だけを見ればいきなり権力を持ち、王家に今のところしがらみもないことから(エミルと知り合いだということは知らない)可能性としてはある。
でも、軍で少しだけ話す機会があったがそんな反意を持ったような人物とは思えなかった。
なので確認を取るために聞いていたのだ。
「何かの考えがあってのことかとおもったのですが」
「ではお聞きしますが、一体何があるのです?反乱軍といわれている場所に行き私が向かわせた使者も帰ってきていないのですぞ!しかも、わが娘も行方不明なのですぞ!これ以上のない証拠がそろっているではないですか!」
トムはそう言われて黙り込む。レイン伯爵の言葉を信じるならば筋は通っている。ただ、何も考えずに行動するほど軍師と呼ばれる人物が行動するなど思えなかったのだ。
しかし、レイン伯爵は無理やり強く言ってくる。
「裏切り者であるジュリアール軍師を討伐するために私は砦の防備を強化するつもりです。なので、トム隊長には野戦にて相手の戦力をそいでいただきたい」
「何ですって?相手はジュリアール軍師の兵力も入れれば三千以上になる可能性がある。なのに私達の千だけであたれと?」
「いいえ、もちろんこちらからも兵力を出しますよ。そうですね千ほど渡します。それで打撃を与えてくだされば御の字ですな」
そういうがトムとしてはあまり良い気分ではない。
レイン伯爵の言うように本当にジュリアール軍師が裏切ったのならば相手はエンリデンヌ防衛戦、そしてグリム伯爵をたった千から二千の兵力で三倍以上の敵に勝った人物だ。
そんな相手に劣る兵力に果たして勝てるなのだろうか。いや、それよりも本当に戦わないといけないのだろうか?
「まあ、相手は新参者の軍師ですからな。第五大隊で長く指揮している貴方ならば簡単でしょうな!」
ここまで言われてしょうがなく頷くトム。今は判断材料が少なく真実ならば確かに伯爵のほうに利があるように感じたからだった。
トムが了承したことによってレイン伯爵は心の中で細く笑んでいた。
(あのライという奴が解決してくれると期待したのにあちら側についたのは誤算だった。名うての暗殺者を送ったにもかかわらず、返り討ちにあったらしいからな)
レイン伯爵にとってライが一戦もせずにあちら側についたのは誤算だったのだ。少なくともお互い痛みわけしてくれることを願っていた。
(私がグリム伯爵と内通していたことをすでに知られているはずだ。こちらに宝玉がある限り負けはないだろうが……相手はグリム伯の宝玉を打ち破った。少しでも戦力をそぐことはしたほうがいいはず。このトムとか言う奴も怪しんでいるが千もの兵力を監視として遅れば裏切ることはできまい)
仮にトムたちが敗走したとしても砦で返り撃ちにすればよい。
そう考えてこの後の展開を想像するのであった。
場所を戻してエンディル村の屋敷。ここでライは説明しおわっていた。
ライが予想して話した内容はおそらく王国兵が前線にやってくるという予想だ。ライ達もレイン伯爵が兵力を出さずに前線に送ってきたから、今回も自分の兵力を温存すると考えたのだ。
それに対しての作戦も話し合い終わりライは最後に
「まあ、今回は裏切られないように監視の意味もこめていくつか出してくるかもしれないけどね」
そうやって注意を促しながら終わった。
これで話すことが終わりで全員が席をたつと思ったが、意外なことに誰も席を立とうとしない。
「ん?どうしたの?」
すると、代表してフィルが利いてきた。
「あの、どうして私達だけに話をしたんですか?」
「どうしてって主要メンバーだからじゃないか」
「ならどうしてここにリューミル様を呼ばなかったんですか?料理をしていたならば呼ぶ時間はあったはず」
そういって、質問してきた。
そのことにライはなんともいえない表情になって
「なんというか、リューミルさんにとって実の親だろ?もし相手の内容にもよるけど処罰しないといけない。だったら、今回のことは知らせないようにしたほうが良いと思ったんだ。つらいだろうしね」
苦笑しながら理由を話すと
「ご心配には及びませんわ」
扉から突如女性の声がした。振り向くと、そこにはリューミルがいた。
ライは二重の意味で驚いていた。一つは話を聴かれていたこと、もう一つはここにいた誰もがリューミルの存在に気がついていないこと。リューミルが騎士ということだがよほどの力を持っているのだろう。
「いつからそこに?」
「良い匂いがしましたのでこちらに伺わせてもらったんですが丁度お話が聞こえてきてしまって、盗み聞きしたことは謝ります。ですが、一つだけ言わせてください」
「一つですか」
「はい、私にも今回の作戦に参加させてください。父上のことはすでに、エンディル村に来たときに覚悟はしております。お心遣いは嬉しいんですが……」
「本当にいいんですね?どちらに転ぼうと苦しいですよ?」
「覚悟はできていますといったはずです。それに私は騎士でもあります。前線に配置させていただいて結構ですわ」
「……わかった。でも前線には配置するつもりはない。もしローレンス・レイン伯爵がいなくなった場合、その後に復興するとしたら貴方になるかもしれない。だから死んでもらっては困ります」
「分かりましたわ。でも本当に必要なときには言ってください。私も何かしたいのですから」
リューミルの言葉を聴いて頷きライは了解した。
「よし、なら今度こそ準備に取り掛かろうか。フィルとリューミルさんはそちらの部隊をラッシュ、リエル、ティアは俺らの部隊を頼む。ランもティア達についていってくれ。俺は、二つの部隊を行き来するけど最終的にはティアたちに合流するよ」
全員が頷いてから次こそその場は解散となった。
ライの周りに誰もいなくなったことでエスティアが話しかけてくる。
【少しいいかしら?】
「ああ。でも多分宝玉と白帝のガンドレットのことでしょ?」
【あら、分かってるのね。なら話は早いわ。昨日の騒ぎで使用回数が減ってるのは分かってるわね?】
「予想はついてたかな。で、使用回数は水帝の宝玉で言うとどのくらい?」
【水弾が三回、滝が一回、広範囲はできないわね。使ったらリスクを考えることになる。これは白帝のガンドレッドのことを考えていった回数よ。前みたいに広範囲で壁を生成した場合のね。だけどあれは一回にしなさい。もし二回目使ったら水弾が一回か二回しか使えないわ」
「広範囲を使わなければ?」
【そんなこと決してなさそうだけど、多分もっと増えるでしょうね】
「まあ、そっか。わかったよ」
【……戦うのだから無理なことを言うけど、無茶はダメよ?本当はもっと早く昨日とめるつもりだったけど、まさか貴方がガンドレッドを使うことになるとは思ってなかったの。止めるのが遅れて悪かったわ】
エスティアとしてはあの二人には少し怒っている。いくら嫉妬したからって、剣で攻撃するとは思わなかったのだ。本来なら無理してでも説教でもしてやろうと思っていたが、ラッシュというライの仲間がかわりにして、落ち込んでいたからやめているのであって、まだ完全に許しているわけではない。
そのせいで、主人であるライが不利になってしまったのだから。
エスティアの注意を受けたらライは苦笑しつつ
「気にするなって。それに無茶しないとは約束はできないかな。まあ、いざとなったら頼むよ」
【わかったわ。ならまた何かあったらこちらから話しかけるわね】
そういってエスティアの声は静かになった。
ライはエスティアの話が終わると席を立ち上がる。これから、グリム伯のときとは違って相手に対策を取られた戦いになるのだ。
熾烈を極めるだろう戦いを想像しながらまずは、第五大隊の指揮官と話すための策を成功させなければと思いつつ屋敷を後にするのであった。
いかがでしたでしょうか。次に次は戦闘シーンが出てきますよ!その前にトム隊長がどうかんがるか。また、監視役として千の部隊がくっついていますがどうやって対策をとるのかお楽しみに!
ではでは、今回はあとがきがみじかいですが これから活動報告のほうも書き始めましたので色々なことはそちらで書いて見ます。それではまた会いましょう!




